JP7398032B2 - 工業炉 - Google Patents

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Description

本発明は、工業炉に関する。
従来、金属または磁性材料などからなる被処理物が真空または加圧環境下で熱処理されている。たとえば、下記の特許文献1は、真空チャンバ、その真空チャンバの中の断熱容器、その断熱容器の中の加熱ヒーターを備える。断熱容器の中に被処理物を配置する。加熱ヒーターで断熱容器の内部空間を昇温し、被処理物が処理される。
国際公開番号 WO2016/158029
被処理物を脱脂すると、被処理物からガス状のバインダー、粒子状のダスト、またはその両方を含む放出物が放出される。放出物が真空チャンバの内壁に付着すると、その付着した放出物を取り除く必要がある。真空チャンバと断熱容器との間の隙間が狭く、放出物を取り除きにくい。
そこで本発明の目的は、放出物を簡単に除去できる工業炉を提供することにある。
以上の課題を解決すべく、本発明に係る工業炉は、以下に述べるような構成を有する。
本発明の工業炉は、内壁および外壁を備えた容器状の圧力容器と、前記圧力容器の内部空間に配置され、断熱体本体および該断熱体本体を開閉する断熱体蓋を備えた断熱体と、前記断熱体によって形成された内部空間に配置されたヒーターと、ガス源と、前記ガス源から圧力容器の内部空間または断熱体の内部空間をつなぐ供給パイプとを備え、前記断熱体本体の断熱体蓋を開けた状態でガス源から圧力容器の内部空間および断熱体の内部空間にガスを供給し、ヒーターが加熱される。
断熱扉を開けた状態でヒーターが加熱されるため、内壁に付着した放出物を直接加熱し、溶融させることができる。溶融した放出物は圧力容器の下部に流れ落ちる。集まった放出物を除去することで、簡単に放出物を除去できる。
本発明の工業炉の構成を示す図である。 圧力容器等の断面を示す図である。 電力供給回路の構成を示す図である。 圧力容器の内部空間の上方に断熱体をずらした構成を示す図である。 圧力容器の下部に凹部を設けた図である。
本発明の工業炉について図面を参照して説明する。複数の実施形態を説明するが、異なる実施形態であっても同じ手段には同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
[実施形態1]
図1に示す本願の工業炉10は、容器状の圧力容器12、その圧力容器12の内部空間14に配置された断熱体16、その断熱体16の内部空間18に配置されたヒーター20、被処理物22が収容されるタイトボックス(インナーケース)24、ガス源26、そのガス源26から圧力容器12の内部空間14または断熱体16の内部空間18およびタイトボックス24の内部空間28をつなぐ供給パイプ30、排気ポンプ32、その排気ポンプ32とタイトボックス24の内部空間28をつなぐ第1排気パイプ34、排気ポンプ32と圧力容器12の内部空間14または断熱体16の内部空間18をつなぐ第2排気パイプ36、第1排気パイプ34の途中に設けられた捕捉装置38を備える。
工業炉10は、焼結、半焼結、焼成、脱脂、ろう付け、メタライズ、焼き入れ、容体化処理、焼戻し、焼きなましまたは時効熱処理などをおこなうための炉である。
[圧力容器]
圧力容器12は容器本体40および容器蓋42を備える。容器本体40は円筒形状になっている(図2)。容器蓋42は容器本体40の両端を開閉するものである。容器本体40の両端を容器蓋42で閉じると、圧力容器12の内部空間14は気密にされた空間になる。圧力容器12の内部空間14は減圧されたり、加圧されたりする。圧力容器12の耐圧はたとえば約10MPaであり、各種設計によって変更できる。
圧力容器12は内壁44と外壁46からなる二重構造であり、内壁44と外壁46の間を冷却液が流れる。工業炉10は、冷却液を吐出する給液ポンプ48、給液ポンプ48から内壁44と外壁46の間に取り付けられた給液パイプ50、内壁44と外壁46の間に取り付けられた排液パイプ52、給液パイプ50に設けられたバルブ54を備える。
[断熱体]
断熱体16は圧力容器12の内部空間14に配置されている。断熱体16は断熱体本体56および断熱体蓋58を備える。断熱体本体56は筒状になっている。断熱体蓋58は断熱体本体56の両端を開閉するものである。容器蓋42が閉じた状態で断熱体蓋58が開閉できるように、断熱体蓋58の開閉装置(図示省略)を備える。断熱体16はグラファイトフェルトまたはグラファイトフォイルなどの耐熱性材料で構成される。
[ヒーター]
断熱体16の内部空間18にヒーター20が配置されている。ヒーター20としてグラファイト製のロッドヒーターが挙げられる。ヒーター20はタイトボックス24に対して平行に配置されている。また、タイトボックス24の周囲を回るように複数のヒーター20が配置されている(図2)。
ヒーター20に電力を供給するための電力供給回路60は図3のようになっている。電力供給回路60は三相交流の電力をヒーターに供給する。三相交流の3つの端子はR、S、Tである。電力供給回路60は各端子R、S、Tにつながる配線62、その配線62に流れる電流を測定する電流計64、電力供給する配線62を選択するスイッチ66、電力変換するトランス68、スイッチ66をオン・オフ制御する制御装置70を備える。スイッチ66はサイリスタなどの素子を使用できる。
制御装置70はCPU(Central Processing Unit)またはPLC(Programmable Logic Controller)などを備えた回路である。スイッチ66がオンになるとトランス68を介してヒーター20に電力供給される。制御装置70には電流計64で測定された電流値および第1温度計72で測定された温度が入力される。第1温度計72は断熱体16の内部空間18の温度を計測する。断熱体16の内部空間18の温度が所定温度になるように制御装置70がスイッチ66のオン・オフを制御する。
[タイトボックス]
断熱体16の内部空間18の中にタイトボックス24が配置されている。タイトボックス24はグラファイトなどで構成されている。タイトボックス24はタイトボックス本体74とタイトボックス蓋76を備える。タイトボックス本体74は筒状になっている。タイトボックス蓋76はタイトボックス本体74の両端を開閉する。タイトボックス蓋76が開閉できるように、タイトボックス蓋76の開閉装置(図示省略)を備える。タイトボックス本体74の両端をタイトボックス蓋76で閉じることで、タイトボックス24の内部空間28が密閉される。
[被処理物]
タイトボックス24の内部空間28に被処理物22が配置される。被処理物22の材料は、超硬金属、鉄系金属、非鉄金属、磁性材料、セラミックス、グラファイト、ハイス鋼、ダイス鋼または低合金鋼などであり、金属は合金を含む。被処理物22は、粉体または所定形状を有した固体である。
タイトボックス24の中に被処理物22が収容されることで、被処理物22を脱脂処理したときに被処理物22から放出される放出物がタイトボックス24の外に放出されるのを低減させる。なお、タイトボックス24を完璧に密閉することはできず、多少はタイトボックス24の外に放出物が放出される。その放出物が内壁44と断熱体16の表面に付着する。工業炉10を繰り返し使用すると放出物が内壁44と断熱隊16に積層される。積層された放出物の除去するための構成は後述する。
[ガス源]
ガス源26は窒素、アルゴン、水素、一酸化炭素、ヘリウム、メタンなどを貯蔵、生成またはその両方をおこなう。ガス源26と圧力容器12の内部空間14または断熱体16の内部空間18およびタイトボックス24の内部空間28は供給パイプ30で接続されている。供給パイプ30は分岐しており、それぞれにバルブ78、80が設けられている。バルブ78、80の開閉によってガスの流量を制御できる。ガス源26から供給パイプ30を介して圧力容器12の内部空間14または断熱体16の内部空間18およびタイトボックス24の内部空間28にガスが導入される。ガス源26を複数にして、複数種のガスを圧力容器12の内部空間14または断熱体16の内部空間18およびタイトボックス24の内部空間28に供給してもよい。供給パイプ30を複数設け、複数種のガスが供給されるようにする。なお、断熱体16は完全に気密にされていないため、圧力容器12の内部空間14または断熱体16の内部空間18の一方にガスを導入することで、他方にもガスを導入することができる。
上記ガス源26から圧力容器12の内部空間14または断熱体16の内部空間18およびタイトボックス24の内部空間28に供給されるガスは、放出物に対して直接熱伝導して加熱し、放出物を溶融させる。高温になったガスが放出物を加熱して溶融させることで、圧力容器12の下部に溶融した放出物が流れ落ちる。
[排気ポンプ]
排気ポンプ32は圧力容器12の内部空間14または断熱体16の内部空間18およびタイトボックス24の内部空間28に対して排気をおこなう。排気ポンプ32とタイトボックス24の内部空間28は第1排気パイプ34で接続されている。排気ポンプ32と圧力容器12の内部空間14または断熱体16の内部空間18は第2排気パイプ36で接続されている。排気ポンプ32によって、圧力容器12の内部空間14、断熱体16の内部空間18およびタイトボックス24の内部空間28が減圧される。第1排気パイプ34と第2排気パイプ36にはそれぞれバルブ82、84が備えられていて、バルブ82、84の開閉によっても排気を制御することができる。なお、断熱体16は完全に気密にされていないため、圧力容器12の内部空間14または断熱体16の内部空間18の一方からガスを排気することで、他方もガスが排気される。
[捕捉装置]
被処理物22が脱脂された際に、被処理物22から放出されたガス状のバインダー、粒子状のダスト、またはその両方を含む放出物が放出される。第1排気パイプ34に放出物を捕捉する捕捉装置38が備えられている。捕捉装置38はワックスタンク86およびワックスフィルター88を含む。ワックスタンク86はバインダーを液状にして溜める装置である。ワックスフィルター88は粒子状のダストを集塵する装置である。放出物が排気ポンプ32まで到達されない。
[給液ポンプ]
給液ポンプ48は圧力容器12の内壁44と外壁46の間に冷却液を供給する。給液ポンプ48から内壁44と外壁46の間に給液パイプ50が接続されている。給液ポンプ48から給液パイプ50を介して内壁44と外壁46の間に冷却液が供給できる。内壁44と外壁46の間から排液パイプ52を通して冷却液が排液される。内壁44と外壁46の間を冷却液が流れ、圧力容器12を冷却することができる。排液パイプ52の途中に冷却装置90を取り付けて冷却液を冷却し、再び給液ポンプ48によって内壁44と外壁46の間に供給されてもよい。
[バルブ]
給液パイプ50にバルブ54が取り付けられている。バルブ54の開閉によって内壁44と外壁46の間への冷却液の供給を制御する。バルブ54は通常開けられており、制御装置70から信号が入力されることで閉じられる。制御装置70が故障してバルブ54に信号を送信できなくなった場合、バルブ54が開けられていることで圧力容器12の温度上昇を抑え、圧力容器12を保護できる。
[第2温度計]
圧力容器12に第2温度計92が取り付けられている。第2温度計92は熱電対を備えた温度計である。第2温度計92は複数備えられてもよい。第2温度計92は圧力容器12の温度、冷却液の温度またはその両方を測定する。圧力容器12の温度は外壁46、内壁44またはその両方を測定する。冷却液の温度を計測する場合、バルブ54が閉じられていれば内壁44と外壁46の間に溜まった冷却液の温度を計測し、バルブ54が開けられていれば内壁44と外壁46の間を流れる冷却液の温度を計測する。圧力容器12の温度または冷却液の温度を計測することで、圧力容器12の温度が上昇しすぎないように監視することができる。
第2温度計92は圧力容器12の上部において、圧力容器12の温度、内壁44と外壁46の間の冷却液の温度またはその両方の温度を計測する。圧力容器12の温度は外壁46、内壁44またはその両方を測定する。熱が上方に移動しやすいためであり、圧力容器12の下部の温度よりも上部の方の温度が高くなるためである。温度が高くなっている部分の温度を計測することで圧力容器12の損傷を防止する。
さらに第2温度計92は圧力容器12の容器本体40が容器蓋42で閉じられる部分(フランジ)94またはその部分94の付近において、圧力容器12の温度、内壁44と外壁46の間の冷却液の温度またはその両方の温度を計測する。圧力容器12の温度は外壁46、内壁44またはその両方を測定する。上記部分94は圧力容器12を密閉するためにオーリングなどの弾性体が使用されており、その弾性体の付近の温度を計測する。弾性体が溶融しないように温度を監視する。
制御装置70は第2温度計92の温度が入力される。第2温度計92の温度が所定値未満であれば、バルブ54に信号を送信し、バルブ54を閉じる。第2温度計92の温度が所定値以上であればバルブ54に信号を送信せず、バルブ54を開けた状態にする。圧力容器12の温度が安全な温度に維持されるようにする。
[ファン]
圧力容器12の内部空間14にファン96が備えられる。ファン96は、容器蓋42が閉じられ、断熱体蓋58が開けられたときに回転する。圧力容器12の内部空間14および断熱体16の内部空間18をガスが循環する。タイトボックス蓋76が開けられる場合もある。ファン96を回転させるためのモーター98が容器蓋42に取り付けられている。
断熱体本体56からファン96につながるガイド100を設けてもよい。ガイド100によって循環するガスの方向を定める。ガスの方向を定められればガイド100の形状は限定されない。圧力容器12は二重構造になっており、その内部に冷却液が流れるため、その冷却液によって循環するガスが冷却される。ファン96と断熱体16の間に水冷式の熱交換器102を配置し、その熱交換器102でもガスを冷却してもよい。
[熱処理]
次に本願の工業炉10を使用した熱処理について説明する。なお、説明する熱処理は一例であり、被処理物22の種類および処理方法に応じて適宜変更される。
(1)タイトボックス24の内部空間28に被処理物22を収容し、タイトボックス蓋76、断熱体蓋58および容器蓋42を閉じる。
(2)排気ポンプ32により排気をおこない、圧力容器12の内部空間14、断熱体16の内部空間18およびタイトボックス24の内部空間28を所定の圧力に制御する。この排気と同時に、ガス源26から圧力容器12の内部空間14、断熱体16の内部空間18およびタイトボックス24の内部空間28にガスを導入し、それらの空間14、18、28を所定のガスで満たす。
(3)制御装置70がスイッチ66を制御してヒーター20に電力供給し、断熱体16の内部空間18を昇温させる。断熱体16の内部空間18に配置されたタイトボックス24が加熱され、さらに被処理物22が加熱される。
タイトボックス24の内部空間28にある被処理物22の温度が上昇し、被処理物22が脱脂される。脱脂するときに、排気ポンプ32を駆動させ、被処理物22から生じた放出物は第1排気パイプ34の途中にあるワックスタンク86とワックスフィルター88に溜められる。必要に応じてガス源26からタイトボックス24の内部空間28にガスを供給する。吸気と排気によってタイトボックス24の内部空間28を所定の圧力にする。タイトボックス24の内部空間28以外に圧力容器12の内部空間14と断熱体16の内部空間18にもガス源26からガスを供給してもよい。
熱膨張によってタイトボックス24が完全に密閉されない。そのため、一部の放出物がタイトボックス24の外に放出される。放出物は内壁44および断熱体16に付着する。
(4)被処理物22の脱脂が完了した後、ヒーター20に流す電流の値を変えて、断熱体16の内部空間18の温度を変える。たとえば、ヒーター20に流れる電流を増加させ、被処理物22の温度を高める。たとえば、約1500℃以上で被処理物22を熱処理する。
(5)被処理物22が熱処理された後、被処理物22を冷却する。断熱体蓋58とタイトボックス蓋76を開ける。ファン96を回転させてガスを循環させ、被処理物22を冷却させる。冷却する際、ガス源26から圧力容器12の内部空間14、断熱体16の内部空間18およびタイトボックス24の内部空間28にガスを導入してもよい。
また、給液ポンプ48を駆動させる。内壁44と外壁46の間に冷却液を供給し、圧力容器12を冷却する。圧力容器12が冷却されることで、圧力容器12の内壁44に触れたガスが冷却される。熱交換器102によって循環するガスを冷却してもよい。ガスが冷却されることで、被処理物22がガスに触れて冷却される。
被処理物22が冷却されれば、容器蓋42、断熱体蓋58およびタイトボックス蓋76を開け、被処理物22を取り出す。
以上の工程で被処理物22に対する熱処理が完了する。熱処理を繰り返すと、内壁44および断熱体16に付着した放出物の厚みが厚くなる。特に内壁44は冷却液によって冷却されるため、放出物の厚みが厚くなりやすい。次に、その放出物の除去方法について説明する。
(A)容器蓋42を閉じ、断熱体蓋58を開けた状態でヒーター20に電力供給する。圧力容器12の内部空間14と断熱体16の内部空間18を昇温させる。このとき、制御装置70からバルブ54に信号を送り、バルブ54を閉じる。冷却液が内壁44と外壁46の間を循環しないようにする。圧力容器12が冷却されず、少なくとも圧力容器12の内壁44が昇温される。
ガス源26から圧力容器12の内部空間14および断熱体16の内部空間18にガスを供給してもよい。供給するガスは圧力容器12、断熱体16およびタイトボックス24などを腐食させないガスが良い。供給するガスは窒素、アルゴン、水素、一酸化炭素、ヘリウム、メタンなどである。ファン96を回転させて圧力容器12の内部空間14でガスを循環させてもよい。
(B)圧力容器12の内部空間14と断熱体16の内部空間18が昇温されることで、放出物が溶融する。さらに、ガスがヒーター20で加熱されて放出物に直接熱伝導することで、放出物が溶融される。溶融した放出物は重力によって圧力容器12の内壁44の下部に集まる。
断熱体蓋58が開けられ、かつ冷却液の供給を停止しているため、圧力容器12の内部空間14の温度が上昇する。圧力容器12が所定温度以上にならないようにする。たとえば、圧力容器12の容器本体40が容器蓋42で閉じられる部分94の温度が所定温度以上にならないようにして、その部分94に使用されている弾性体が溶融しないようにする。所定温度は弾性体の溶融温度よりも低くする。第2温度計92で計測された温度が所定温度以上になっていれば、バルブ54を開けて冷却液を流す。
(C)ヒーター20への電力供給を停止する。制御装置70からバルブ54に信号を送信する。圧力容器12が冷却されれば、容器蓋42を開ける。圧力容器12の内壁44の下部に集まった放出物を圧力容器12の外に棒等で掻き出すことで、放出物を除去する。
以上のように、本願は圧力容器12の内壁44などに付着した放出物を溶融させて除去しやすくしている。
[実施形態2]
第2温度計92は圧力容器12の上部において、圧力容器12、冷却液またはその両方を測定する以外に、圧力容器12の他の部分で圧力容器12、冷却液またはその両方を測定してもよい。圧力容器12の複数の部分で温度を測定して最も温度の高い値に基づいて制御装置70がバルブ54の開閉を制御する。
[実施形態3]
放出物を除去するために、制御装置70はヒーター20に流れる電流を制御してもよい。制御装置70に入力された温度および電流値に応じてスイッチ66のオン・オフを制御する。第2温度計92で計測される温度が所定値以上にならないようにヒーター20に供給する電力を制御する。なお、第2温度計92で計測される温度が所定値以上になった場合、制御装置70からバルブ54に信号を送信してバルブ54を開けてもよい。
[実施形態4]
バルブ54の制御は上述した方法に限定されない。制御装置70からバルブ54に信号を送信することでバルブ54を開けてもよい。バルブ54は所定温度以上で開けられ、所定温度未満で閉じられれば、バルブ54の制御方法は限定されない。
[実施形態5]
バルブ54の開閉以外に、給液ポンプ48の駆動と停止によって冷却液の供給を制御してもよい。冷却液を供給するときに給液ポンプ48が駆動される。バルブ54を省略してもよい。給液ポンプ48の駆動は制御装置70によって制御される。
[実施形態6]
図4に示すように、断熱体本体56を圧力容器12の内部空間14の上部にずれるように配置してもよい。圧力容器12の内部空間14の下部において、内壁44と断熱体本体56の隙間が大きくなり、放出物を除去しやすくなる。
図5に示すように、圧力容器12の下部に凹部110を設け、放出物が凹部110に溜まるようにしてもよい。凹部110に傾斜を設け、一か所に放出物が集まるようにしてもよい。
(第1項)一態様に係る工業炉は、内壁および外壁を備えた容器状の圧力容器と、前記圧力容器の内部空間に配置され、断熱体本体および該断熱体本体を開閉する断熱体蓋を備えた断熱体と、前記断熱体によって形成された内部空間に配置されたヒーターと、ガス源と、前記ガス源から圧力容器の内部空間または断熱体の内部空間をつなぐ供給パイプとを備え、前記断熱体の断熱体蓋を開けた状態でガス源から圧力容器の内部空間および断熱体の内部空間にガスを供給し、ヒーターが加熱される。
第1項に記載の工業炉によれば、断熱体蓋を開けた状態でヒーターが加熱されるため、内壁に付着した放出物を直接加熱し、溶融させることができる。溶融した放出物は圧力容器の下部に流れ落ちる。集まった放出物を除去することで、簡単に放出物を除去できる。
(第2項)前記ガスは前記圧力容器または前記断熱体に付着した放出物を直接加熱し、溶融させるガスである。
第2項に記載の工業炉によれば、圧力容器または断熱体に付着した放出物を溶融させることで、放出物を除去できる。
(第3項)冷却液を吐出する給液ポンプと、前記給液ポンプから前記圧力容器の内壁と外壁の間に冷却液を導く給液パイプとを備える。
第3項に記載の工業炉によれば、圧力容器の内壁と外壁の間に冷却液を流し、圧力容器を冷却することができる。
(第4項)前記圧力容器、冷却液またはその両方の温度を測定する温度計を備え、前記温度計で測定された温度が所定以上の場合に、給液ポンプから圧力容器の内壁と外壁の間に冷却液が導かれる。
第4項に記載の工業炉によれば、圧力容器が所定温度以上にならないようにすることで、圧力容器を保護できる。
(第5項)前記温度計が圧力容器の上部の温度、圧力容器の上部の内壁と外壁の間にある冷却液の温度、またはその両方を測定する。
第5項に記載の工業炉によれば、圧力容器の温度が上昇しやすい部分の温度を測定することで、圧力容器の温度が所定温度を超えないように制御することができる。
(第6項)前記圧力容器の内部空間にファンを備える。
第6項に記載の工業炉によれば、圧力容器内のガスを循環させて、均一に放出物を加熱することができる。
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。説明した各実施形態は独立したものではなく、当業者の知識に基づき適宜組み合わせて実施できるものである。
10:工業炉
12:圧力容器
14:圧力容器の内部空間
16:断熱体
18:断熱体の内部空間
20:ヒーター
22:被処理物
24:タイトボックス
26:ガス源
28:タイトボックスの内部空間
32:排気パイプ
44:圧力容器の内壁
46:圧力容器の外壁
48:給液ポンプ
50:給液パイプ
54:バルブ

Claims (7)

  1. 被処理物を熱処理する工業炉であって、
    内壁、外壁および容器蓋を備えた容器状の圧力容器と、
    前記圧力容器の内部空間に配置され、断熱体本体および該断熱体本体を開閉する断熱体蓋を備えた断熱体と、
    前記断熱体によって形成された内部空間に配置されたヒーターと、
    ガス源と、
    前記ガス源から圧力容器の内部空間または断熱体の内部空間をつなぐ供給パイプと、
    を備え、
    前記容器蓋を閉じ、前記断熱体本体の断熱体蓋を開けた状態でガス源から圧力容器の内部空間および断熱体の内部空間にガスを供給し、ヒーターが加熱され、前記圧力容器の内部空間が昇温されることにより、前記被処理物が熱処理されるときに被処理物から放出された放出物であって前記圧力容器の内壁又は前記断熱体の表面に積層された放出物を溶解する、工業炉。
  2. 前記ガスは前記圧力容器または前記断熱体に付着した放出物を直接加熱し、溶融させるガスである請求項1の工業炉。
  3. 冷却液を吐出する給液ポンプと、
    前記給液ポンプから前記圧力容器の内壁と外壁の間に冷却液を導く給液パイプと、
    を備えた請求項1または2の工業炉。
  4. 前記圧力容器、冷却液のいずれか、またはその両方の温度を測定する温度計を備え、
    前記温度計で測定された温度が所定以上の場合に、給液ポンプから圧力容器の内壁と外壁の間に冷却液が導かれる請求項3の工業炉。
  5. 前記温度計が圧力容器の上部の温度、圧力容器の上部の内壁と外壁の間にある冷却液の温度のいずれか、またはその両方を測定する請求項4の工業炉。
  6. 前記圧力容器の内部空間にファンを備えた請求項1から5のいずれかの工業炉。
  7. 前記被処理物が取り出されており、前記容器蓋を閉じ、前記断熱体本体の断熱体蓋を開けた状態でガス源から圧力容器の内部空間および断熱体の内部空間にガスを供給し、ヒーターが加熱され、前記圧力容器の内部空間が昇温されることにより、前記被処理物が熱処理されるときに被処理物から放出された放出物であって前記圧力容器の内壁又は前記断熱体の表面に積層された放出物を溶解する、請求項1に記載の工業炉。
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