JP2021028898A - 屈曲性に優れる細径同軸ケーブル - Google Patents

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毅安 中山
山崎 哲
Satoru Yamazaki
哲 山崎
博人 今村
Hiroto Imamura
博人 今村
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Abstract

【課題】曲げたり戻したりした場合でも良好な屈曲性を示す同軸ケーブルを提供する。【解決手段】中心導体11と、中心導体11の外周に設けられる絶縁体12と、絶縁体12の外周に金属面側を外側にして縦添えされる金属樹脂テープからなる第1外部導体13aと、第1外部導体13aの外周に横巻きして設けられる金属細線からなる第2外部導体13bと、第2外部導体上を覆う外被体14とを備える同軸ケーブル10であって、金属樹脂テープは、絶縁体12の外径の20〜50%の範囲内で一部重なるように縦添えされており、重なった金属樹脂テープ同士が接着されている。【選択図】図1

Description

本発明は、同軸ケーブルに関し、さらに詳しくは、曲げたり戻したりした場合でも特性が低下しにくい屈曲性に優れる同軸ケーブルに関する。
同軸ケーブルは、ノイズ等に対して優れたシールド特性を有することから、高周波信号の伝送に利用されている。そうした同軸ケーブルには、ケーブルに外力が作用した場合に、絶縁体が変形し、インピーダンスが変動して反射減衰が生じ、伝送効率が低下するという問題があった。また、機器内アンテナ配線用や半導体装置用に用いる同軸ケーブルは、細径化が要請されているとともに、良好な屈曲特性が要求されている。
こうした要求に対し、特許文献1では、シールド特性、柔軟性、細径化構成、耐屈曲性、及び経済性を満足し、かつ端末加工性を改善する同軸ケーブルが提案されている。この同軸ケーブルは、中心導体、絶縁体、横巻シールド構造をもつ外部導体、及び外被が同軸に順次積層された構造を有している。外被がPFAの場合は、絶縁体はフッ素化されたPFAにより形成され、外被がFEPまたはFTFEの場合は、絶縁体はフッ素化されたFEP、PFA、及びフッ素化されたPFAのいずれかにより形成される。さらに、絶縁体と外部導体との間に、金属が蒸着またはメッキされたテープ層を設けたり、外部導体の横巻線の横巻角度を70〜85°にしたり、中心導体は、複数線または単線の導体としたりすることが好ましいと提案されている。
特開2007−188782号公報
近年、同軸ケーブルは、パソコン、スマートフォン、タブレット端末等の小型化が進む電子機器内での高周波信号の伝送に用いられており、狭スペース内での機器内配線を実現できるように、より一層の細径化が要求されている。特に、機器内アンテナ配線用や半導体装置用に用いる同軸ケーブルは、配線時の取り回し時や機器の使用中等に繰り返し加わる曲げ応力によっても問題が生じないことが望まれている。
しかしながら、特許文献1等の従来の同軸ケーブルは、絶縁体の外周に横巻シールド構造をもつ外部導体を設けたり、又は、絶縁体と外部導体との間に、金属蒸着テープを設けたりしているが、配線時の取り回し時や機器の使用中等に繰り返し加わる曲げ応力により、それら外部導体がずれて隙間が生じたり、生じた隙間を起点として折れが生じたりすることがある。こうした現象は、隙間や折れの発生によって屈曲寿命が短くなるおそれがある。
また、同軸ケーブルとして、絶縁体の外周に薄い金属箔を第1外部導体層として設け、その外周に編組を第2外部導体層として設けた場合、配線時に同軸ケーブルを曲げたり戻したりすると、その編組構造特有の撚り目が縦添えした薄い金属箔に皺を生じさせることがあった。編組構造は、締め付けが大きく、縦添えした金属箔を強く拘束して皺の発生を抑制するといわれていた。しかし、厚みのある編組構造に存在する撚り目に薄い金属箔が食い込んだ状態で同軸ケーブルを曲げたり戻したりすると、その撚り目の存在がかえって皺の発生原因になっていることが考えられた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、曲げたり戻したりした場合でも良好な屈曲性を示す同軸ケーブルを提供することにある。
本発明に係る同軸ケーブルは、中心導体と、該中心導体の外周に設けられる絶縁体と、該絶縁体の外周に金属面側を外側にして縦添えされる金属樹脂テープからなる第1外部導体と、該第1外部導体の外周に横巻きして設けられる金属細線からなる第2外部導体と、該第2外部導体上を覆う外被体とを備える同軸ケーブルであって、前記金属樹脂テープは、前記絶縁体の外径の20〜50%の範囲内で一部重なるように縦添えされており、重なった前記金属樹脂テープ同士が接着されている、ことを特徴とする。
この発明によれば、(ア)第1外部導体である金属樹脂テープを縦添えし、その上に第2外部導体である金属細線を横巻しているので、金属細線が金属樹脂テープを抑えて金属樹脂テープのズレを防いでいるとともに、金属樹脂テープは絶縁体の外径の20〜50%の範囲内で一部重なり、その重なった部分で金属樹脂テープ同士が接着されている。その結果、曲げたり戻したりした場合でも金属樹脂テープが位置ずれしにくいものとなる。さらに、位置ずれしにくい金属樹脂テープ上に横巻きされた金属細線も位置ずれしにくく隙間も生じにくくなる。その結果、生じた隙間を起点として折れが生じたりすることがなく、屈曲寿命を長くすることができる屈曲性の良い同軸ケーブルとすることができる。(イ)また、第2外部導体が、撚り目のある編組構造ではなく、金属細線を横巻したものとしたので、編組構造のような撚り目に起因して第1外部導体を構成する金属樹脂テープの金属層に皺を生じさせるのを防ぐことができる。
本発明に係る同軸ケーブルにおいて、前記金属細線の外径は前記絶縁体の外径の0.04〜0.1倍である。
本発明に係る同軸ケーブルにおいて、前記第1外部導体の厚さが0.004〜0.072mmとなるように金属樹脂テープが縦添えされている。
本発明に係る同軸ケーブルにおいて、前記絶縁体は、誘電率が2.0〜2.5の樹脂で構成されている。
本発明に係る同軸ケーブルにおいて、前記絶縁体が中空構造体である。
本発明によれば、曲げたり戻したりした場合でも良好な屈曲性を示す同軸ケーブルを提供することができる。
本発明に係る同軸ケーブルの一例を示す斜視構成図である。 金属樹脂テープの重なり状態の説明図であり、(A)は絶縁体が中実構造の例であり、(B)は絶縁体が中空構造の例である。 金属樹脂テープの積層形態の説明図である。 屈曲試験の態様を示す説明図である。
本発明に係る同軸ケーブルの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態及び図面に記載した形態と同じ技術的思想の発明を含むものであり、本発明の技術的範囲は実施形態の記載や図面の記載のみに限定されるものでない。
[同軸ケーブル]
本発明に係る同軸ケーブル10は、図1に示すように、中心導体11と、中心導体11の外周に設けられる絶縁体12と、絶縁体12の外周に金属面側を外側にして縦添えされる金属樹脂テープからなる第1外部導体13aと、第1外部導体13aの外周に横巻きして設けられる金属細線からなる第2外部導体13bと、第2外部導体上を覆う外被体14とを備える同軸ケーブル10であって、金属樹脂テープは、絶縁体12の外径の20〜50%の範囲内で一部重なるように縦添えされており、重なった金属樹脂テープ同士が接着されている。
この同軸ケーブル10は、金属樹脂テープは絶縁体12の外径の20〜50%の範囲内で一部重なり、その重なった部分で金属樹脂テープ同士が接着されているので、曲げたり戻したりした場合でも金属樹脂テープが位置ずれしにくいものとなる。さらに、位置ずれしにくい金属樹脂テープ上に横巻きされた金属細線も位置ずれしにくく隙間も生じにくくなる。その結果、生じた隙間を起点として折れが生じたりすることがなく、屈曲寿命を長くすることができる屈曲性の良い同軸ケーブル10とすることができる。
以下、各構成要素について詳しく説明する。
同軸ケーブル10は、図1に示すように、中心導体11と、中心導体11の外周に設けられた絶縁体12と、その絶縁体12の外周に設けられた外部導体13(13a,13b)と、その外部導体13を覆う外被体14とで構成されている。
(中心導体)
中心導体11は、同軸ケーブル10の長手方向に延びる1本の素線で構成される、又は複数本の素線を撚り合わせて構成される。素線は、良導電性金属であればその種類は特に限定されないが、銅線、銅合金線、アルミニウム線、アルミニウム合金線、銅アルミニウム複合線等の良導電性の金属導体、又はそれらの表面にめっき層が施されたものを好ましく挙げることができる。高周波用の観点からは、銅線、銅合金線が特に好ましい。めっき層としては、はんだめっき層、錫めっき層、金めっき層、銀めっき層、ニッケルめっき層等が好ましい。素線の断面形状も特に限定されないが、断面形状が円形又は略円形の線材であってもよいし、角形形状であってもよい。
中心導体11の断面形状も特に限定されない。円形(楕円形を含む。)であってもよいし矩形等であってもよいが、円形であることが好ましい。中心導体11の外径は、電気抵抗(交流抵抗、導体抵抗)が小さくなるように、できるだけ大きいことが望ましいが、同軸ケーブル10の最終外径を細径化するためには、例えば0.09〜1mm程度の範囲内を挙げることができる。中心導体11の表面には、必要に応じて絶縁皮膜(図示しない)が設けられていてもよい。絶縁皮膜の種類と厚さは特に限定されないが、例えばはんだ付け時に良好に分解するものが好ましく、熱硬化性ポリウレタン皮膜等を好ましく挙げることができる。
(絶縁体)
絶縁体12は、中心導体11の外周に、長手方向に連続して設けられている低誘電率の絶縁層である。絶縁体12の材料は特に限定されず、要求されるインピーダンス特性に応じて任意に選択されるが、例えばPFA(ε2.1)、ETFE(ε2.5)、FEP(ε2.1)等、誘電率が2.0〜2.5の低誘電率のフッ素系樹脂が好ましく、なかでも、PFA樹脂が好ましい。なお、絶縁体12の材料に着色剤を含有させてもよい。絶縁体12の厚さも特に限定されず、要求されるインピーダンス特性に応じて任意に選択されるが、例えば0.15〜1.5mm程度の範囲内とすることが好ましい。絶縁体12の形成方法は特に限定されないが、中実構造、中空構造、発泡構造のいずれも押し出しで容易に形成できる。
絶縁体12は、図2(A)に示す中実構造であってもよいし、図2(B)に示す中空構造であってもよいし、図示しない発泡構造であってもよい。なお、中空構造は、構造体内部に空隙部を有し、例えばその空隙部を、内環状部12a、外環状部12b及び連結部12cで囲む断面形態等とすることができる。中空構造や発泡構造とした場合、絶縁体12の材料密度が小さくなり、絶縁体12を柔らかくすることができるという付加的効果がある。また、誘電率をさらに小さくすることができる。例えば中空率40%の中空構造や発泡構造の場合は誘電率を約2.1から約1.6に下げることができる。そのため、絶縁体12の誘電率を同じにした場合は、絶縁体12の外径を小さくでき、細径化を実現して柔軟性を高めることも可能である。例えばAWG29番線(0.287mm)で特性インピーダンスを50Ωにするためには、中実構造では外径0.9mm程度が必要であるが、中空構造や発泡構造にすることにより、外径を0.83mmまで細径化でき、外径を7%程度小さくすることができる。このように、誘電率を小さくすることにより、同軸ケーブル10を例えば7%程度細径化できる。
(外部導体)
外部導体13は、絶縁体12の外周に設けられている。外部導体13は、絶縁体12上に、金属層面を外側にした金属樹脂テープを縦添えしてなる第1外部導体13aと、その第1外部導体13a上に、金属細線を横巻きしてなる第2外部導体13bとからなる2重構造で構成されている。このような2重構造からなる外部導体13は、導体断面積が大きくなり、挿入損失を低減することができる。なお、本願では、第1外部導体13aを構成する金属樹脂テープにも符号13aを使用し、第2外部導体13bを構成する金属細線にも符号13bを使用することがある。
(第1外部導体)
第1外部導体13aは、絶縁体12上(絶縁体12の周囲ともいう。)に金属樹脂テープを縦添えして形成される。縦添えは、金属樹脂テープの金属層面側を外側(その後に設けられる第2外部導体13bの側)に向けて行われる。金属樹脂テープは、図3に示すように、樹脂基材13a3と、樹脂基材13a3の一方の面の最表面に設けられた金属層13a1と、樹脂基材13a3の他方の面の最表面に設けられた接着剤層13a2とで少なくとも構成されている。「少なくとも」や「最表面」としたのは、樹脂基材13a3と金属層13a1との間や、樹脂基材13a3と接着剤層13a2との間に、任意に他の層が設けられていてもよいことを意味している。なお、本願では、接着剤層13a2は、粘着性のある粘着剤層を含む意味で用いている。
樹脂基材13a3は特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルムを好ましく用いることができる。樹脂基材13a3の厚さは、例えば2〜20μm程度の範囲内のものから任意に選択される。接着剤層13a2も特に限定されないが、加熱接着が可能な接着剤層であることが好ましい。例えば、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤等を挙げることができる。
金属層13a1は、銅層、アルミニウム層等を好ましく挙げることができる。金属層13a1は、樹脂基材13a3上に蒸着やめっきにより成膜されたもの、又は必要に応じて設けられた接着剤層(例えばポリエステル系熱可塑性接着性樹脂等)を介して貼り合わされた金属箔等を好ましく挙げることができる。金属層13a1の厚さは特に限定されず、形成手段によっても異なるが、蒸着やめっきで成膜したものは2〜8μm程度の範囲内から任意に選択することができ、金属箔を貼り合わせたものは6〜16μm程度の範囲内から任意に選択することができる。このように薄い金属層厚さであっても、その上に設けられる第2外部導体13bは金属細線を横巻きしたものであり、編組構造のような撚り目が存在しないので、同軸ケーブル10を曲げたり曲げ戻したりしても、金属層や金属箔に皺が生じるのを防ぐことができる。
縦添えは、図1及び図2に示すように、金属樹脂テープの接着剤層13a2側を絶縁体12側とし、金属層面13a1側を外側(第2外部導体側)として、長手方向に添わせて包むように巻くことである。重なり部分15は、縦添えした長手方向で一部重なっている。その重なり幅16は、絶縁体12の外径の20〜50%の範囲内であり、重なった金属樹脂テープ同士が、絶縁体側に設けられた接着剤層13a2によって接着されている。こうした態様により、重なっていない部分では、金属樹脂テープは接着剤層13a2によって絶縁体12に接着されており、重なり部分15では、接着剤層13a2が金属層13a1に接着されている。したがって、金属樹脂テープは、曲げたり戻したりした場合でも位置ずれしない。重なり幅16が絶縁体12の外径の20%未満では、重なり幅が十分でないため、曲げ戻しの際に位置ずれしやすく、隙間も生じやすいことがあり、50%を超えると、重なり幅が厚くなり、柔軟性に欠けたり、細径でなくなる。このように、位置ずれしにくい金属樹脂テープ上に、横巻きされた金属細線も位置ずれしにくく、隙間も生じにくくなる。その結果、生じた隙間を起点として折れが生じたりすることがなく、屈曲寿命を長くすることができる屈曲性の良い同軸ケーブル10とすることができる。
金属樹脂テープの幅は特に限定されないが、絶縁体12の外径の3.5倍〜4.5倍であることが好ましい。一部重なる部分を備えた金属樹脂テープの合計厚さは、0.004〜0.072mm程度の範囲内であることが好ましい。
(第2外部導体)
第2外部導体13bは、図1及び図2に示すように、第1外部導体13a上に金属細線を横巻きして形成される。横巻した金属細線は、図1に示す単層でも図示しない積層でもよく、特に限定されないが、単層が好ましい。横巻きは、編組構造のような撚り目がないので、編組構造のような撚り目に起因して第1外部導体13aを構成する金属樹脂テープの金属層に皺を生じさせるのを防ぐことができる。また、金属細線の横巻きは、細線が交差して撚り目を形成する編組構造に比べて、同一程度の効果(シール効果等)を生じさせる範囲で、第2外部導体13bの厚さを薄くすることができ、同軸ケーブル10の細径化の観点から有利である。
金属細線は、同軸ケーブル10の第2外部導体13bとして第1外部導体13a(金属樹脂テープの縦添え)の外周に設けることが可能な良導電性の金属細線であれば特に限定されない。例えば、錫めっき銅線等に代表される各種の金属細線を好ましく用いることができる。金属細線の外径は、絶縁体12の外径の0.04〜0.1倍となることが望ましい。具体的な外径は、隙間の程度や絶縁体12の外径との関係で決まるが、例えば0.04〜0.1mm程度の範囲内のものを挙げることができる。金属細線の本数も、第1外部導体13aの外径や予定する同軸ケーブル10の外径等によって任意に選択される。2重構造の外部導体13を構成する第1外部導体13aと第2外部導体13bの合計厚さは、使用する金属細線の線径や撚り本数、金属樹脂テープの金属層の厚さや樹脂基材の厚さ等によっても異なるので、特に限定されない。
金属細線を横巻きする際の横巻ピッチは、0.5〜11mmであることが望ましい。こうすることにより、第2外部導体全体としての「張り」が小さくなって柔軟性が向上する。
第1外部導体13aは絶縁体12に接着してずれないので、第1外部導体13a上に横巻きされる第2外部導体13bも位置ずれしにくい。そのため、曲げや曲げ戻ししても、外部導体13(13a,13b)と中心導体11との距離が変化しないので、位相変動が起きにくく、信号伝送特性(減衰量、スキュー)の低下を抑制することができる。特に差動信号を高速で伝送させる場合であっても、信号伝送速度が2本の間で変化するのを抑制して伝送特性が低下してしまうのを防ぐことができる。さらに、こうした外部導体構造により、繰り返し曲げ応力が加わった場合でも、誘電率の変化が起こらない。
(外被体)
外被体14は、外部導体13の外周に設けられ、絶縁性があればその材質は特に限定されない。片面に接着剤層を設けた樹脂テープを螺旋巻きして設けてもよいが、好ましくは、樹脂を押出して設ける。外被体14の構成樹脂としては、樹脂押出の場合は絶縁体12に適用されている種々のものを使用することができ、例えばPFA、ETFE、FEP等のフッ素系樹脂であってもよいし、塩化ビニル樹脂であってもよいし、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂であってもよいし、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂であってもよい。外被体14の厚さは、例えば0.1〜1.0mm程度の範囲内とすることができる。
なお、樹脂テープを用いる場合は、第2外部導体13bと融着させることで第2外部導体13b(金属細線の横巻き)が位置ずれするのを防ぐことができる。融着層付きの樹脂テープを用いる場合、融着層の側を第2外部導体13bの側にして横巻きする。樹脂テープの材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、フッ素化樹脂共重合体(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂:PFA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、等を挙げることができる。樹脂テープの厚さは、必要な絶縁耐圧を確保できるだけの厚さであれば特に限定されないが、0.004〜0.01mm程度とすることができる。融着層は、樹脂テープの片面に設けられ、その材質としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。融着層の厚さも特に限定されないが、0.001mm程度とすることができる。
得られた同軸ケーブル10の最終外径は、0.6〜3.5mm程度の範囲内であることが好ましい。こうした同軸ケーブル10は、細径で柔軟性が良く、曲げたり戻したりした場合でも良好な屈曲性を示す。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
先ず、図1に示す形態の同軸ケーブル10を作製した。中心導体11として、外径0.203mmの銀めっき軟銅線を用いた。次に、中心導体11の外周に厚さ0.21mmのPFA樹脂(デュポン社製、誘電率2.1)を図2(A)の中実構造となるように押し出し形成して外径を0.623mmにした。次に、第1外部導体13a及び第2外部導体13bからなる2重構造の外部導体13を形成した。第1外部導体13aは、厚さ0.004mmのPET基材の一方の面に厚さ0.008mmの銅箔が設けられ、他方の面に接着剤層が設けられた、幅2.5mmで合計厚さ0.02mmの金属樹脂テープを用いた。この金属樹脂テープを、銅箔側が外側(その後に設けられる第2外部導体13bの側)になるようにして0.54mmの幅だけ重なるようにして縦添えし、重なり部分16で接着剤層13a2と金属層13a1とを接着させた。接着手段は加熱融着とした。金属樹脂テープが一部重なった部分は第1外部導体13aの最大厚さとなり、0.04mmとなった。第2外部導体13bは、外径0.05mmの銀めっき軟銅線を38本用いて6.5mmのピッチで左巻きし、第2外部導体13bを形成した後の外径を0・763mmとした。その後、外被体14として、PFA樹脂(デュポン社製)層を押出し形成して、外径0.85mmの同軸ケーブル10を作製した。
得られた同軸ケーブル10において、金属細線の外径D3(0.05mm)は、絶縁体12の外径D2(0.623mm)の0.08倍であった。
[実施例2]
実施例1において、絶縁体12を中空構造体とした。中空構造は、中空構造体形成用のダイスニップルにて350℃でPFA樹脂(デュポン社製)を押出しして、空隙部が、厚さ0.05mmの内環状部12a、厚さ0.05mmの外環状部12b及び厚さ0.05mmの連結部12cで囲まれた断面形態となる中空構造を成形したものであり、空隙率は54%であった。これ以外は、実施例1と同様にして、実施例2の同軸ケーブル10を作製した。
[実施例3]
実施例1において、中心導体11の外径を0.287mmに変更し、絶縁体12の外径を0.90mmに変更し、金属樹脂テープは幅3.5mmで0.67mmの幅だけ重なるようにし、金属細線の本数を55で9.0mmピッチに変更し、第2外部導体13bを形成した後の外径を1.08mmに変更した。それ以外は実施例1と同様にして、外径1.14mmとなる実施例3の同軸ケーブルを作製した。
[実施例4]
実施例1において、金属細線の本数を35本に変更し、第2外部導体13bを形成した後、外被体14として厚さ0.025mmで幅3mmの融着層付きPETテープ(樹脂テープ)を用いて横巻ピッチ1.5mmで1/2ラップに変更した。それ以外は実施例1と同様にして、外径0.86mmとなる実施例3の同軸ケーブルを作製した。
[比較例1]
実施例1において、幅2mmの金属樹脂テープを0.04mmの幅だけ重なるようにした。それ以外は実施例1と同様にして比較例1の同軸ケーブルを作製した。
[比較例2]
実施例1において、幅4mmの金属樹脂テープを2.04mmの幅だけ重なるようにした。それ以外は実施例1と同様にして比較例1の同軸ケーブルを作製した。
[屈曲試験]
図4は、屈曲試験の態様を示す説明図である。屈曲試験は、長さ1000mmの同軸ケーブル10を、直径10cmの2つのロール42,42間に挟み、同軸ケーブル10の下方端部に荷重41を取り付け、ロール42と下方端部との間を振れ止め43,43で挟んだ。こうした態様にした後、ロール42の上方の同軸ケーブル10をロール42の円弧に沿って左右180°に20回/分の速度で50分間屈曲させた。
試験前後の同軸ケーブルについて、減衰量と曲げ位相を測定した。測定は、曲げ位相は、得られた同軸ケーブルを長さ700mmに切断し、コネクタを付けた後の同軸ケーブルを曲率半径50mmの円を形成するように曲げて、26.5GHzの周波数でネットワーク解析して得た。ネットワーク解析は、ネットワークアナライザ(株式会社KEYSIGHT製)を用い、測定ケーブルとコネクタはネットワークアナライザの附属のものを使用した。ネットワーク解析では、同軸ケーブル10に高周波正弦波信号を入射した場合の反射測定と伝送測定とで、信号の振幅と位相の変化を測定することができる。変化した振幅及び位相の測定結果は、ネットワークアナライザ内部で演算され、同軸ケーブル特性(減衰量、位相)を得ることができる。
屈曲試験前後での減衰量の変化を算出した。また、曲げ状態の曲げ位相について測定した。それらの結果を表1に示した。数値は、8GHzでの測定サンプル12個の平均値である。
Figure 2021028898
10 同軸ケーブル
11 中心導体
12 絶縁体
12a 内環状部
12b 外環状部
12c 連結部
13 外部導体
13a 第1外部導体(金属樹脂テープ)
13a1 金属層
13a2 接着層
13a3 基材
13b 第2外部導体(金属細線)
14 外被体
15 重なり部分
16 重なり幅
41 荷重
42 ロール
43 振れ止め
D1 中心導体の外径
D2 絶縁体の外径
D3 金属細線の外径
G 隙間
P 金属細線の横巻ピッチ
T 第1外部導体の厚さ
W1 金属樹脂テープの幅
W2 重なり幅

Claims (5)

  1. 中心導体と、該中心導体の外周に設けられる絶縁体と、該絶縁体の外周に金属面側を外側にして縦添えされる金属樹脂テープからなる第1外部導体と、該第1外部導体の外周に横巻きして設けられる金属細線からなる第2外部導体と、該第2外部導体上を覆う外被体とを備える同軸ケーブルであって、前記金属樹脂テープは、前記絶縁体の外径の20〜50%の範囲内で一部重なるように縦添えされており、重なった前記金属樹脂テープ同士が接着されている、ことを特徴とする同軸ケーブル。
  2. 前記金属細線の外径は前記絶縁体の外径の0.04〜0.1倍である、請求項1に記載の同軸ケーブル。
  3. 前記第1外部導体の厚さが0.004〜0.072mmとなるように金属樹脂テープが縦添えされている、請求項1又は2に記載の同軸ケーブル。
  4. 前記絶縁体は、誘電率が2.0〜2.5の樹脂で構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の同軸ケーブル。
  5. 前記絶縁体が中空構造体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の同軸ケーブル。


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