JP2022170784A - 2芯平行型同軸ケーブル - Google Patents

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博人 今村
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Abstract

【課題】伝送損失が小さく、スキュー特性が良い、細径の2芯平行型同軸ケーブルを提供する。【解決手段】中心導体1とその中心導体1の外周に設けられた絶縁体2とを有する絶縁線3が2本平行に並べられ、その2本の絶縁線3,3を覆うフィルム状の外部導体4と、フィルム状の外部導体4を覆うカバー導体5と、カバー導体5を覆う外被体6とを有する2芯平行型同軸ケーブル10であって、フィルム状の外部導体4の絶縁線側の面に、端末加工時での各絶縁線3とフィルム状の外部導体4とのずれを防ぐ接着層4Aが設けられているように構成して上記課題を解決した。フィルム状の外部導体4と2本の絶縁線3,3との接着力が密着度測定方法での結果で300gf/100mm以上であることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、伝送特性とスキュー特性が良い細径の2芯平行型同軸ケーブルに関する。
シールド特性に優れた同軸ケーブルとして、外部導体を有する同軸ケーブルが知られている。優れたシールド特性は、中心導体の外周を絶縁体で被覆した2本の絶縁線を並列させた後に同軸構造とした2芯平行型同軸ケーブルにおいても同様に要求され、例えば特許文献1,2で提案されている。
特許文献1には、内部導体の外周を絶縁体で被覆したコアを2本並列に配列し、これら2本のコアの外周に、プラスチックテープの片面又は両面に金属蒸着層が形成される第1の複合テープを、その金属蒸着層が外側となるように縦添えし、第1の複合テープの外周に横巻シールドを施し、その横巻シールドの外周に、プラスチックテープの片面又は両面に金属蒸着層が形成される第2の複合テープを、その金属蒸着層が内側となるように巻き付け、第2の複合テープの外周をジャケットで被覆してなる2芯平行型同軸ケーブルが提案されている。
特許文献2には、中心導体の外周に、長手方向に連続した空隙部を有する絶縁被覆層を設けて信号線とし、これを2芯平行に並べ、更に両信号線の中央谷間部にドレイン線を配置し、4芯若しくは3芯フラット構造を保持しつつ金属ラミネートテープ、金属蒸着層テープ又は金属テーマの巻回し或いは縦添えで外部導体を形成し、これにジャケットを被覆してなる高速差動伝送ケーブルが提案されている。
特開2003-31046号公報 特開2008-103179号公報
こうした2芯平行型同軸ケーブルにおいて、伝送特性のさらなる向上が要請され、特に5G(第5世代移動通信システム)を利用した自動運転自動車に用いる差動ケーブル等として、伝送損失がより小さく、スキュー特性(伝送路の遅延時間差:Skew)が良い(遅延時間差が小さいこと)2芯平行型同軸ケーブルの開発が期待されている。2芯同平行軸同軸ケーブルでは、5PS(ピコ秒)/m以下の低遅延を目標にしている。
しかし、従来の2芯平行型同軸ケーブルでは、1本1本の絶縁線で同軸構造とした同軸ケーブル単体のスキュー特性は良いものの、2芯平行型同軸ケーブルをコネクタに取り付ける際の端末加工のばらつきによって、2本の絶縁線の長さが変化してしまうことがある。こうした長さの違いが、スキューを発生させ、低遅延を満足できていなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、伝送損失が小さく、スキュー特性が良い、細径の2芯平行型同軸ケーブルを提供することにある。
本発明に係る2芯平行型同軸ケーブルは、中心導体と該中心導体の外周に設けられた絶縁体とを有する絶縁線が2本平行に並べられ、前記2本の絶縁線を覆うフィルム状の外部導体と、前記フィルム状の外部導体を覆うカバー導体と、前記カバー導体を覆う外被体とを有する2芯平行型同軸ケーブルであって、前記フィルム状の外部導体の前記絶縁線側の面には、端末加工時での前記各絶縁線と前記フィルム状の外部導体とのずれを防ぐ接着層が設けられている、ことを特徴とする。
この発明によれば、フィルム状の外部導体の絶縁線側の面には、端末加工時における各絶縁線とフィルム状の外部導体とのずれを防ぐ接着層が設けられているので、コネクタ取り付け時の端末加工によって、2本の絶縁線の長さが変化しない。その結果、2本の絶縁線の長さが変化することで生じていたスキューの発生がなくなり、低遅延を満足することができる。
本発明に係る2芯平行型同軸ケーブルにおいて、前記フィルム状の外部導体と前記2本の絶縁線との接着力が、密着度測定方法での結果で300gf/100mm以上である。なお、密着度測定方法は、後述の実施例で説明するように、2芯平行型同軸ケーブルの2本並んだ絶縁線の外形形状と同じ長穴を有する治具に、端末加工した2本の絶縁線だけを差し込んでフィルム状の外部導体を含む外方の構成部材が長穴の縁に掛かった状態とし、前記治具と前記2本の絶縁線との間の引張強度を測定する方法である。
本発明に係る2芯平行型同軸ケーブルにおいて、前記絶縁体が、フッ素樹脂からなり、前記フィルム状の外部導体は、基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面上に設けられた金属層と、該基材フィルムの他方の面上に設けられた前記接着層とを有し、前記接着層がポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂及びポリエステルイミド樹脂のいずれかを含む熱硬化性樹脂からなる厚さ0.8~50μmで形成されており、前記基材フィルムが厚さ2~20μmのポリエステルフィルムである。
本発明に係る2芯平行型同軸ケーブルにおいて、前記絶縁体が、発泡構造又は中空構造であることが好ましい。
本発明に係る2芯平行型同軸ケーブルにおいて、前記フィルム状の外部導体は、平行に並べられた前記2本の絶縁線に縦添え又は横巻きで巻き付けられている。
本発明によれば、伝送損失が小さく、スキュー特性が良い、細径の2芯平行型同軸ケーブルを提供することができる。特に5Gを利用した自動運転自動車に用いる差動ケーブル等として好ましく使用できる。
本発明に係る2芯平行型同軸ケーブルの一例を示す断面図である。 絶縁線を構成する絶縁体を中空構造体とした一例を示す断面図である。 フィルム状の外部導体の一例を示す断面図である。 端末加工後の絶縁線の長さが同じもの(A)と異なるもの(B)の形態を示す模式図である。 接着力の測定方法の一例を示す概略図である。
本発明に係る2芯平行型同軸ケーブルの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態及び図面に記載した形態と同じ技術的思想の発明を含むものであり、本発明の技術的範囲は実施形態の記載や図面の記載のみに限定されるものでない。
[2芯平行型同軸ケーブル]
本発明に係る2芯平行型同軸ケーブル10は、図1に示すように、中心導体1とその中心導体1の外周に設けられた絶縁体2とを有する絶縁線3が2本平行に並べられ、その2本の絶縁線3,3を覆うフィルム状の外部導体4と、フィルム状の外部導体4を覆うカバー導体5と、カバー導体5を覆う外被体6とを有する2芯平行型同軸ケーブル10である。そして、フィルム状の外部導体4の絶縁線側の面に、端末加工時における各絶縁線3とフィルム状の外部導体4とのずれを防ぐ接着層4Aが設けられていることに特徴がある。
この2芯平行型同軸ケーブル10は、フィルム状の外部導体4の絶縁線側の面に、端末加工時における各絶縁線3とフィルム状の外部導体4とのずれを防ぐ接着層4Aが設けられているので、コネクタ取り付け時の端末加工によって、2本の絶縁線3,3の長さが変化しない。その結果、2本の絶縁線3,3の長さが変化することで生じていたスキューの発生がなくなり、低遅延を満足することができる。
以下、各構成要素を説明する。
<絶縁線>
絶縁線3は、2芯平行型同軸ケーブル10を構成する必須のものであり、中心導体1と、中心導体1の外周に設けられた絶縁体2とで構成されている。本発明に係る2芯平行型同軸ケーブル10において、この絶縁線3は、図1に示すように、一方向に隣り合って2本並設される。「並設」とは、並んで設けられることを意味し、通常は、隣り合う絶縁線3,3同士は接触していることが望ましいが、必ずしも接触していなくても構わない。2本で構成された絶縁線3は、差動ケーブルとして好ましく利用される。
(中心導体)
中心導体1は、絶縁線3の長手方向に延びる1本の素線で構成されるもの、又は複数本の素線を撚り合わせて構成されるものである。素線は、良導電性金属からなるものであればその種類は特に限定されないが、銅線、銅合金線、アルミニウム線、アルミニウム合金線、銅アルミニウム複合線等の良導電性の金属導体、又はそれらの表面にめっき層が施されたものを好ましく挙げることができる。銅線、銅合金線が特に好ましい。めっき層としては、はんだめっき層、錫めっき層、金めっき層、銀めっき層、ニッケルめっき層等が好ましい。素線の断面形状も特に限定されないが、円形であることが好ましいが、略円形であっても角形形状であってもよい。
中心導体1の断面形状も特に限定されない。円形(楕円形を含む。)であってもよいし矩形等であってもよいが、円形であることが好ましい。中心導体1の外径は、電気抵抗(交流抵抗、導体抵抗)が小さくなるように、できるだけ大きいことが望ましいが、絶縁線3の外径を細径化するためには、例えば0.09~1mm程度の範囲内を挙げることができる。中心導体1の表面には、必要に応じて絶縁皮膜(図示しない)が設けられていてもよい。絶縁皮膜の種類と厚さは特に限定されないが、例えばはんだ付け時に良好に分解するものが好ましく、熱硬化性ポリウレタン皮膜等を好ましく挙げることができる。
(絶縁体)
絶縁体2は、中心導体1の外周に、長手方向に連続して設けられている低誘電率の絶縁層である。絶縁体2の材料は特に限定されず、要求されるインピーダンス特性に応じて任意に選択されるが、例えばPFA(ε2.1)、FΕP(ε2.1)、ETFE(ε2.5)等、誘電率が2.0~2.5の低誘電率のフッ素系樹脂が好ましく、なかでも、PFA樹脂が好ましい。なお、絶縁体2の材料に着色剤を含有させてもよい。絶縁体2の厚さも特に限定されず、要求されるインピーダンス特性に応じて任意に選択されるが、例えば0.15~1.5mm程度の範囲内とすることが好ましい。絶縁体2の形成方法は特に限定されないが、充実構造、中空構造、発泡構造のいずれも押し出しで容易に形成できる。特に低誘電率材料を採用した中空構造と発泡構造は、伝送特性を低下させることなく絶縁体2の厚さを薄くできるので、絶縁線3の外径を小さくすることができ、その結果、2芯平行型同軸ケーブル10の体積を小さくでき、また、2芯平行型同軸ケーブル10の厚さを薄くすることができる。
図2は、中空構造の絶縁体2の例である。この中空構造は、構造体内部に空隙部2Aを有し、例えばその空隙部2Aを、内環状部2B、外環状部2C及び連結部2Dで囲む断面形態等とすることができる。空隙部2Aは、絶縁体2の中に連続して設けられているが、その形態は、丸形でも矩形でもよく特に限定されない。こうした中空構造の絶縁体2は、側圧強度に優れるので、製造工程中に潰れにくく、高周波特性を安定なものとすることができるので好ましく採用される。なお、中空構造の絶縁体2は、押出ダイを走行する中心導体1の外周に樹脂押出しして成形することができる。内環状部2B、外環状部2C及び連結部2Dのそれぞれの厚さは特に限定されないが、例えば0.01~0.05mm程度の範囲内であり、形成された中空構造の絶縁体2の外径は、例えば0.4~1.0mm程度の範囲内とすることができる。
<フィルム状の外部導体>
フィルム状の外部導体4(以下「外部導体4」ということがある。)は、図1に示すように、2本の絶縁線3,3を覆うように外周に設けられている。フィルム状の外部導体4は、2本の絶縁線3,3を覆うように縦添え又は横巻きできるフィルム状のものであれば特に限定されないが、図3に示すように、基材フィルム4Cと、基材フィルム4Cの一方の面上に直に又は必要に応じて接着層(図示しない)を介して設けられた金属層4Bと、基材フィルム4Cの他方の面上に設けられた接着層4Aとで構成されている。このフィルム状の外部導体4は、接着層4A側を絶縁線3に向け、金属層4B側をカバー導体5側に向けた態様で、2本の絶縁線3,3を覆うように設けられる。
基材フィルム4Cは特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルムを好ましく用いることができる。基材フィルム4Cの厚さは、例えば2~20μm程度の範囲内のものから任意に選択される。こうした材質からなる基材フィルム4Cは、誘電率が上記した絶縁体2を構成するフッ素樹脂よりも大きいので、基材フィルム4Cが厚いと全体としての誘電率が高くなって伝送特性が低下してしまう。したがって、基材フィルム4Cの厚さは、全体の誘電率をあまり高くしない2~10μmの範囲内であることが好ましい。
金属層4Bは、銅層、アルミニウム層等を好ましく挙げることができる。金属層4Bは、基材フィルム4C上に蒸着やめっきにより成膜されたもの、又は必要に応じて設けられた接着層(図示しない。例えばポリエステル系熱可塑性接着性樹脂等)を介して貼り合わされた金属箔等を好ましく挙げることができる。金属層4Bの厚さは特に限定されず、形成手段によっても異なるが、蒸着やめっきで成膜したものは2~8μm程度の範囲内から任意に選択することができ、金属箔を貼り合わせたものは6~16μm程度の範囲内から任意に選択することができる。こうした薄い金属層4Bであっても、その上に設けられるカバー導体5により、外部導体4は、接着層4A側が絶縁線3を覆う態様で安定的に保持される。なお、金属層4Bを基材フィルム4Cに貼り合わせるために必要に応じて設けられる接着層も特に限定されないが、加熱接着が可能な接着層であることが好ましい。例えば、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤等を挙げることができる。この金属層4Bは、カバー導体5側に向けた態様で配置される。そのため、金属層4Bはカバー導体5に電気的に接続するので、シールド効果が安定し、伝送損失を小さくすることができる。
接着層4Aは、基材フィルム4Cの片面であって、金属層4Bが設けられる側の反対面に設けられている。接着層4Aの材質としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。この接着層4Aは、基材フィルム4C上に上記熱硬化性樹脂が塗布されて設けられる。なお、フィルム状の外部導体4は2本の絶縁線3,3を覆うように設けられ、その後にカバー導体5と外被体6が設けられるが、外被体6を設ける際の押出温度で接着層4Aが熱硬化し、熱硬化した接着層4Aは絶縁線3とフィルム状の外部導体4とを接着させるように機能する。
接着層4Aの厚さは、特に限定されないが、伝送特性の観点からは0.8~50μmの範囲内であることが好ましく、0.8~5μmであることが特に好ましい。絶縁線3とフィルム状の外部導体4とを接着させる役割であれば、接着層4Aの厚さはさらに広い範囲で設けることができるが、接着層4Aを構成する樹脂材料の誘電率は上記したフッ素樹脂の誘電率に比べて大きい。そのため、誘電率が大きい接着層4Aを厚くすると、全体としての誘電率が高くなって伝送特性が低下してしまう。したがって、接着層4Aの厚さは、下限値としては絶縁線3とフィルム状の外部導体4との接着を担保できる0.8μmであることが好ましく、上限値としては全体の誘電率をあまり高くしない50μmであることが好ましい。そして、特に良好な伝送特性とする場合の接着層4Aの厚さとしては、0.8~5μmであることが望ましい。0.8~5μmの厚さの接着層4Aが2~10μmの厚さの基材フィルム4C上に設けられ、そうした薄い樹脂構造(接着層4Aと基材フィルム4C)を含むフィルム状の外部導体4が絶縁線3上に設けられることにより、2芯平行型同軸ケーブル10全体としての伝送特性を特に良好なものとすることができ、特に5Gを利用した自動運転自動車に用いる差動ケーブル等として好ましく使用できる。
(縦添え又は横巻き)
フィルム状の外部導体4は、2本の絶縁線3,3に縦添え又は横巻きで巻き付けられている。「縦添え」は、フィルム状の外部導体4を2本の絶縁線3の長手方向に添わせて包むように巻くことである。フィルム状の外部導体4を縦添えで巻き付ける場合、接着層4A側を絶縁線3側とし、金属層4B側をカバー導体5側とする。こうすることにより、接着層4Aが絶縁線3と外部導体4とを接着させて、端末加工時における各絶縁線3,3とフィルム状の外部導体4とのずれを防ぐとともに、金属層4Bとカバー導体5とを接触させて導通する。縦添えでは、図1に示すように、その一部に重なり部分8があるように巻かれる。
「横巻き」は、図示しないが、フィルム状の外部導体4を2本の絶縁線3,3の外周を横巻きすることである。フィルム状の外部導体4横巻きで巻き付ける場合、縦添えの場合と同様、接着層4A側を絶縁線3側とし、金属層4B側をカバー導体5側とする。こうすることにより、接着層4Aが絶縁線3と外部導体4とを接着させて、端末加工時における各絶縁線3,3とフィルム状の外部導体4とのずれを防ぐとともに、金属層4Bとカバー導体5とを接触させて導通する。横巻きでは、その一部に重なりがあるようにして巻かれる。
<カバー導体>
カバー導体5は、フィルム状の外部導体4上に、金属細線の編組構造又は金属細線の横巻シールド構造で形成される。カバー導体5は、フィルム状の外部導体4を覆ってその外部導体4の弛みや位置ずれを防ぐので、安定した伝送特性を維持するのに寄与する。なお、横巻シールド構造の場合、横巻した金属細線は、単層でも積層でもよく特に限定されないが、単層が好ましい。
カバー導体5を構成する金属細線は、良導電性の金属細線であれば特に限定されない。例えば、錫めっき銅線等に代表される各種の金属細線を好ましく用いることができる。金属細線の外径は、例えば0.04~0.1mm程度の範囲内のものを挙げることができる。金属細線の本数も、編組構造とするか横巻シールド構造とするか、また、覆う対象物の大きさ等によって任意に選択される。
カバー導体5によって、絶縁線3の外周に巻かれるフィルム状の外部導体4がずれ難いので、曲げや曲げ戻しをしても、フィルム状の外部導体4と中心導体1との距離が変化し難い。その結果、位相変動が起きにくく、信号伝送特性(減衰量、スキュー)の低下を抑制することができる。特に差動信号を高速で伝送させる2芯平行型同軸ケーブル10では、信号伝送速度が2本の絶縁線3,3間で変化するのを抑制して伝送特性が低下してしまうのを防ぐことができる。
<外被体>
外被体6は、カバー導体5の外周に設けられ、絶縁性があればその材質は特に限定されない。片面に接着層を設けた樹脂テープを螺旋巻きして設けてもよいが、本発明では樹脂を押出して設けることが好ましい。外被体6の構成樹脂としては、樹脂押出の場合は、外被体として一般的な同軸ケーブルに適用されている種々のものを使用することができ、例えばPFA、FEP、ETFE等のフッ素系樹脂であってもよいし、塩化ビニル樹脂であってもよいし、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂であってもよいし、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂であってもよい。外被体6の厚さは、例えば0.1~1mm程度の範囲内とすることができる。
なお、樹脂テープを用いる場合は、カバー導体5と融着させることでカバー導体5(特に横巻シールド構造の場合)が位置ずれするのを防ぐことができる。融着層付きの樹脂テープを用いる場合、融着層の側をカバー導体5の側にして横巻きする。樹脂テープの材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、エチレン-四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、フッ素化樹脂共重合体(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂:PFA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、等を挙げることができる。樹脂テープの厚さは、必要な絶縁耐圧を確保できるだけの厚さであれば特に限定されないが、0.004~0.01mm程度とすることができる。融着層は、樹脂テープの片面に設けられ、その材質としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。融着層の厚さも特に限定されないが、0.001mm程度とすることができる。
<フィルム状の外部導体と2本の絶縁線との接着力>
得られた2芯平行型同軸ケーブル10について、フィルム状の外部導体4と2本の絶縁線3,3との接着力は、密着度測定方法での結果で300gf/100mm以上であることが望ましい。このときの密着度測定方法は、図5に示すように、2芯平行型同軸ケーブル10の2本並んだ絶縁線3,3の外形形状と同じ長穴21を有する治具20に、端末加工した2本の絶縁線3,3だけを差し込んでフィルム状の外部導体4を含む外方の構成部材(フィルム状の外部導体4、カバー導体5、外被体6)が長穴21の縁に掛かった状態とし、治具20と2本の絶縁線3,3との間の引張強度を測定する方法である。
本発明に係る2芯平行型同軸ケーブル10には、端末をコネクタに接続するための端末加工が行われるが、そうした端末加工では、絶縁線3を構成する絶縁体2を2本同時に中心導体1から剥ぐ工程がある。この工程では、絶縁体2を剥ぐ際に250~300gf/100mm程度の力が掛かる。本発明では、フィルム状の外部導体4に接着層4Aを設けることにより、フィルム状の外部導体4と2本の絶縁線3,3との接着力が、上記密着度測定方法での結果で300gf/100mm以上であることが好ましく、350gf/100mm以上であることがより好ましい。なお、その上限は接着層の種類や絶縁線3を構成する絶縁体2表面の密着性処理(粗面化、コロナ処理等)によっても異なり特に限定されないが、一例としては800gf/100mmとすることができる。上記した接着力とすることにより、下記のように、2本の絶縁線3,3の端末部での長手方向のずれを5PS/m以下に小さくすることができる。
本発明に係る2芯平行型同軸ケーブル10を端末加工した場合、接着層4Aを設けない場合には、図4(B)に示すように2本の絶縁線3,3の長さが相互に異なってしまう。こうした長さの違いはスキュー特性に影響する。例えばスキュー特性が1PS/mとする場合、絶縁体2が真空(理論値、誘電率1.0)の場合は長さの差が0.3mmであり、中空構造(発泡率30%、誘電率1.4)の場合は長さ0.21mmであり、充実構造(フッ素樹脂、誘電率2.1)の場合は0.14mmである。したがって、スキュー特性を5PS/m以下とする場合は、絶縁体2が真空(理論値、誘電率1.0)の場合は長さの差が1.50mm以下であり、中空構造(発泡率30%、誘電率1.4)の場合は長さ1.05mm以下であり、充実構造(フッ素樹脂、誘電率2.1)の場合は0.71mm以下である。
したがって、2芯同平行軸同軸ケーブル10で5PS/m以下の低遅延とする場合、端末加工で生じうる2本の絶縁線3,3の長さの差は、中空構造(発泡率30%、誘電率1.4)の場合は長さ1.05mm以下とし、充実構造(フッ素樹脂、誘電率2.1)の場合は0.71mm以下とすることが必要である。本発明では、フィルム状の外部導体4の絶縁線3側に接着層4Aを設け、その接着層4Aが2本の絶縁線3,3に接着するので、コネクタ取り付け時の端末加工によって、2本の絶縁線3,3の長さが変化しない又は変化しにくく、上記の許容差の範囲内になる。その結果、2本の絶縁線3,3の長さが変化することで生じていたスキューを低遅延である5PS/m以下に抑えることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
絶縁線3は、中心導体1として外径0.501mmの銀めっき軟銅線(AWG24)を用いた。絶縁体2は、中空構造体用ダイスニップルにて350℃でPFA樹脂(デュポン社製)を押出しして、図2に示すように、空隙部2Aが内環状部2B、外環状部2C及び連結部2Dで囲まれた断面形態の中空構造体を形成した。この中空構造体において、内環状部2Bの厚さは0.128mm、外環状部2Cの厚さは0.154mm、連結部2Dの厚さは0.161mmであり、中空構造体(絶縁体2)の外径Dは1.387mmであり、空隙部2Aの空隙率は絶縁体全体(中空構造体全体)の面積に対して30%であった。誘電率εは約1.6であった。こうして絶縁線3を作製した。
作製した2本の絶縁線3,3を互いに密着するように並べ、フィルム状の外部導体4をその2本の絶縁線3,3を縦添えして包むように設けた。フィルム状の外部導体4には、厚さ4μmのPET基材フィルム4Cの一方の面上に接着層(図3では図示しない)を介して厚さ8μmの銅箔が金属層4Bとして設けられ、PET基材フィルム4Cの他方の面上にウレタン接着樹脂を塗布した厚さ1μmの接着層4Aが設けられた、幅2.5mmで合計厚さ0.013mmのフィルム状の外部導体4を用いた。このフィルム状の外部導体4を接着層4A側が絶縁線3側になるようにして、図1に示すように重なり部分8の幅が1.4mmとなるようにして縦添えした。
その後、編組シールドをカバー導体5として全体を覆うように設けた。編組シールド構造のカバー導体5は、外径0.10mmの銀めっき軟銅線を80本用いた。その後、外被体6として、PFA樹脂(デュポン社製)層を380℃程度の押出温度で押出して、厚さ0.4mmの外被体6を形成した。こうして、外径は厚さ2.713mmで幅4.1mmの2芯平行型同軸ケーブル10を作製した。
[実施例2]
接着層4Aの厚さを5μmにした合計厚さ0.017mmのフィルム状の外部導体4を用いた。その他は、実施例1と同様にして、外径は厚さ2.721mmで幅4.108mmの2芯平行型同軸ケーブル10を作製した。
[実施例3]
PET基材フィルム4Cの厚さを10μmにした合計厚さ0.019mmのフィルム状の外部導体4を用いた。その他は、実施例1と同様にして、外径は厚さ2.725mmで幅4.112mmの2芯平行型同軸ケーブル10を作製した。
[実施例4]
フィルム状の外部導体4を5.5mmラップ(重なり幅:1/4ラップ)で横巻きした。その他は、実施例1と同様にして、外径は厚さ2.725mmで幅4.112mmの2芯平行型同軸ケーブル10を作製した。
[比較例1]
接着層が設けられていない合計厚さ0.012mmのフィルム状の外部導体4を用い、実施例1と同様に金属層側をカバー導体5側として縦添えした。その他は、実施例1と同様にして、外径は厚さ2.711mmで幅4.098mmの2芯平行型同軸ケーブル10を作製した。
[比較例2]
接着層4Aの厚さを0.5μmにした合計厚さ0.0125mmのフィルム状の外部導体4を用いた。その他は、実施例1と同様にして、外径は厚さ2.712mmで幅4.099mmの2芯平行型同軸ケーブル10を作製した。
[評価]
実施例1~4及び比較例1,2の2芯平行型同軸ケーブル10について、フィルム状の外部導体4と2本の絶縁線3,3との接着力を測定した。測定は、図5に示すように、2芯平行型同軸ケーブル10の2本並んだ絶縁線3,3の外形形状と同じ長穴21を有する治具20に、端末加工した2本の絶縁線3,3だけを差し込んでフィルム状の外部導体4を含む外方の構成部材(フィルム状の外部導体4、カバー導体5、外被体6)が長穴21の縁に掛かった状態とし、治具20と2本の絶縁線3,3との間の引張強度を引張試験機で測定した。測定条件は、測定長100mm、引張速度200mm/分、測定レンジ1kgf(フルレンジ)とした。接着力の評価は、2本の絶縁線3,3が接着層4Aから剥がれて動いてしまうまでの力(gf)で評価した。
2本の絶縁線3,3が接着層4Aから剥がれて動くまでの力は、比較例1では150gfであり、比較例2では250gfであった。一方、実施例1では360gfであり、実施例2では400gfであった。端末加工時において、絶縁線3を構成する絶縁体2を中心導体から剥離する際のストリップ力は約200~300gfであるので、実施例1,2ではそれよりも大きかった。したがって、実施例1,2では、コネクタ取り付け時の端末加工によっても2本の絶縁線3,3の長さが変化しない又は変化しにくくなっており、その結果、2本の絶縁線3,3の長さが変化することで生じていたスキューを低遅延である5PS/m以下に抑えることができた。
なお、実施例3はPET基材フィルム4Cの厚さを10μmにした場合であり、実施例4はフィルム状の外部導体4を5.5mmラップ(重なり幅:1/4ラップ)で横巻きした場合である。いずれも実施例1,2と同様の接着層4Aの効果は維持されているとともに、伝送特性の顕著な低下も認められなかった。
1 中心導体
2 絶縁体
2A 空隙部
2B 内環状部
2C 外環状部
2D 連結部
3 絶縁線
4 フィルム状の外部導体(金属樹脂テープ)
4A 接着層
4B 金属層
4C 基材フィルム
5 カバー導体(編組シールド又は横巻シールド)
6 外被体
8 重なり部分
10 2芯平行型同軸ケーブル
20 密着力測定用の治具
21 長穴

Claims (5)

  1. 中心導体と該中心導体の外周に設けられた絶縁体とを有する絶縁線が2本平行に並べられ、前記2本の絶縁線を覆うフィルム状の外部導体と、前記フィルム状の外部導体を覆うカバー導体と、前記カバー導体を覆う外被体とを有する2芯平行型同軸ケーブルであって、前記フィルム状の外部導体の前記絶縁線側の面には、端末加工時での前記各絶縁線と前記フィルム状の外部導体とのずれを防ぐ接着層が設けられている、ことを特徴とする2芯平行型同軸ケーブル。
  2. 前記フィルム状の外部導体と前記2本の絶縁線との接着力が、密着度測定方法での結果で300gf/100mm以上である、請求項1に記載の2芯平行型同軸ケーブル。
  3. 前記絶縁体が、フッ素樹脂からなり、
    前記フィルム状の外部導体は、基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面上に設けられた金属層と、該基材フィルムの他方の面上に設けられた前記接着層とを有し、前記接着層がポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂及びポリエステルイミド樹脂のいずれかを含む熱硬化性樹脂からなる厚さ0.8~50μmで形成されており、前記基材フィルムが厚さ2~20μmのポリエステルフィルムである、請求項1又は2に記載の2芯平行型同軸ケーブル。
  4. 前記絶縁体が、発泡構造又は中空構造である、請求項1~3のいずれか1項に記載の2芯平行型同軸ケーブル。
  5. 前記フィルム状の外部導体は、平行に並べられた前記2本の絶縁線に縦添え又は横巻きで巻き付けられている、請求項1~4のいずれか1項に記載の2芯平行型同軸ケーブル。
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