JP2021020421A - ポリオレフィン系多層シュリンクフィルム - Google Patents

ポリオレフィン系多層シュリンクフィルム Download PDF

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【課題】耐層間剥離性に優れたポリオレフィン系多層シュリンクフィルムの提供。【解決手段】表面層/中間層/芯層/中間層/表面層の順に5層からなるポリオレフィン系多層シュリンクフィルムであって、該表面層はポリプロピレン系樹脂を含むポリプロピレン系樹脂組成物からなる層であり、該中間層はポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とを含む混合樹脂組成物からなる層であり、該芯層はポリエチレン系樹脂を含むポリエチレン系樹脂組成物からなる層であり、該表面層と該中間層との層間の剥離強度、及び該中間層と該芯層との層間の剥離強度がそれぞれ20gf/15mmであることを特徴とする、フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は熱収縮性包装材料に関し、より詳細には、耐層間剥離性に優れたポリオレフィン系多層シュリンクフィルムに関する。
従来から、熱収縮性包装材料として、ポリエチレン系樹脂を主体とするポリエチレン系熱収縮性フィルムやポリプロピレン系樹脂を主体とするポリプロピレン系熱収縮性フィルムなどのポリオレフィン系熱収縮性フィルムが知られている。
そのようなポリオレフィン系熱収縮性フィルムとして、例えば、密度が特定の範囲にある直鎖状低密度ポリエチレンからなる中間層の両面に、特定のポリプロピレン系樹脂からなる表面層が積層一体化されて構成されていることを特徴とする熱収縮フィルム(特許文献1)や、密度が0.905g/cm以下の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂70〜50重量%と、密度が0.905g/cmよりも高い直鎖状低密度ポリエチレン樹脂30〜50重量%とからなる中心層の両面に、ポリプロピレン系樹脂からなる層が積層されてなることを特徴とするポリオレフィン系熱収縮性フィルム(特許文献2)が知られている。
特開2000−351183号公報 特開2004−284161号公報
しかしながら、上記のようなポリエチレン樹脂層とポリプロピレン樹脂層とからなる異種積層フィルムでは、ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂とが種類の異なるポリマーであることから、両者の相溶性や相互接着性が小さく、ゆえにポリエチレン樹脂層とポリプロピレン樹脂層とが剥離しやすいという問題点が存在した。
例えば、上記のようなポリエチレン樹脂層とポリプロピレン樹脂層とからなる異種積層フィルムでスプレー缶をシュリンク包装して、スプレー缶を立てた状態で段ボール箱に8本単位で収納して出荷した後、店頭で陳列しようと開梱すると、8本の内1〜2本のスプレー缶の円筒状胴部のフィルムが引掻いて捲れたような状態になり易かった。この状態は輸送の際にフィルム同士が擦れ、フィルムの表面部分だけが剥離しているだけであるが、フィルムに穴が開いているように見え、店頭でいたずらされたような印象を受けるため、フィルムが引掻いて捲れたスプレー缶は不良品扱いになることがあった。
この問題点に対し、特許文献1に開示された熱収縮フィルムは、密度が特定の範囲にある直鎖状低密度ポリエチレンからなる中間層と特定のポリプロピレン系樹脂からなる表面層との間の融着度を向上させる手段として、該中間層中の密度が特定の範囲にある直鎖状低密度ポリエチレン70〜95重量%に対して、融点が145℃以下のポリプロピレン系樹脂5〜30重量%を配合することを提案している。
しかしながら、斯かる手段は、中間層を構成する樹脂の一部に、表面層を構成する樹脂と同一の種類の樹脂を配合することにより、中間層と表面層との融着度を向上させるものであって、ポリエチレン樹脂層とポリプロピレン樹脂層とからなる異種積層フィルム、すなわち、異なる樹脂のみからなる層を積層してなる異種積層フィルムの層間の剥離を抑制する点を示唆するものではない。
さらに、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂のみで中間層を形成したほうが十分な耐引裂き
性や耐衝撃性を有するフィルムが得られるが、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂にポリプロピレン系樹脂を混合するとこれらの強度が低下するため、特許文献1に開示された熱収縮フィルムはフィルムの強靭性と、中間層と表面層との融着度の向上の両方を十分に満足するものではなかった。
本発明は、異種積層フィルムの層間の剥離を抑制するポリオレフィン系多層シュリンクフィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリプロピレン系樹脂組成物からなる表面層とポリエチレン系樹脂組成物からなる芯層との間に、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とを含む混合樹脂組成物からなる中間層を設けることにより、該表面層と該中間層との剥離、及び該中間層と該芯層との剥離を抑制することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記の[1]乃至[6]に関する。
[1]表面層/中間層/芯層/中間層/表面層の順に5層からなるポリオレフィン系多層シュリンクフィルムであって、
該表面層はポリプロピレン系樹脂を含むポリプロピレン系樹脂組成物からなる層であり、
該中間層はポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とを含む混合樹脂組成物からなる層であり、
該芯層はポリエチレン系樹脂を含むポリエチレン系樹脂組成物からなる層であり、
該表面層と該中間層との層間の剥離強度、及び該中間層と該芯層との層間の剥離強度がそれぞれ20gf/15mm以上であることを特徴とする、フィルム。
[2]前記ポリプロピレン系樹脂の含有量は前記混合樹脂組成物の総質量100質量%に基づいて37乃至63質量%であり、
前記ポリエチレン系樹脂の含有量は前記混合樹脂組成物の総質量100質量%に基づいて63乃至37質量%である、[1]に記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
[3]前記ポリプロピレン系樹脂は、エチレン含有量が1.0乃至4.0質量%であり、かつ温度210℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレート(MFR)が1.5乃至4.5g/10分であるエチレン−プロピレン共重合体である、[1]又は[2]に記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
[4]前記ポリエチレン系樹脂は、密度が0.910乃至0.925g/cmであり、かつ温度190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレート(MFR)が0.5乃至5.0g/10分である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂である、[1]乃至[3]のいずれかに記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
[5]前記芯層の厚みはポリオレフィン系多層シュリンクフィルム全体の厚みの66乃至76%であり、
前記中間層の厚みはそれぞれ独立してポリオレフィン系多層シュリンクフィルム全体の厚みの10乃至3%であり、
前記表面層の厚みはそれぞれ独立して1.0μm以上であることを特徴とする、[1]乃至[4]のいずれかに記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
[6]前記芯層及び/又は中間層中のポリエチレン系樹脂が植物由来ポリエチレン系樹脂と石油由来ポリエチレン系樹脂とからなるか、又は植物由来ポリエチレン系樹脂であり、
該植物由来ポリエチレン系樹脂の含有量がポリオレフィン系多層シュリンクフィルムの総質量100質量%に基づいて、10質量%以上であることを特徴とする、[1]乃至[5]のいずれかに記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
本発明によれば、フィルムを構成する各層間、具体的には、表面層と中間層、及び中間層と芯層とが剥離しにくいポリオレフィン系多層シュリンクフィルムを提供することができる。
また、本発明によれば、本発明のフィルム同士が擦れても、穴開きや破けなどの損傷が生じにくいポリオレフィン系多層シュリンクフィルムを提供することができる。
さらに、本発明によれば、ポリエチレン系樹脂として植物由来ポリエチレン系樹脂を用いることにより、石油資源の使用量を削減し、また、フィルム廃棄時の二酸化炭素排出量を抑制することができるので、石油資源の節約および環境負荷を低減したポリオレフィン系多層シュリンクフィルムを提供することができる。
図1は本発明の一実施態様のポリオレフィン系多層シュリンクフィルムの概略断面図である
以下に、本発明を実施するための形態について具体的に説明する。
本発明のポリオレフィン系多層シュリンクフィルムは、図1に示したように、表面層1と中間層2と芯層3と中間層2と表面層1との順に5層からなる積層体である。
[ポリオレフィン系多層シュリンクフィルム]
<表面層>
本発明における表面層は、ポリプロピレン系樹脂を含むポリプロピレン系樹脂組成物からなる層であり、これにより、本発明のフィルムは、シュリンク包装時の収縮トンネル内で高熱になってもフィルムが溶融しにくく、また本発明のフィルムは特に高速ピロー包装の溶断シール時に、シール開きが発生しにくいという作用効果を奏する。
上記ポリプロピレン系樹脂は特に限定されず、プロピレンの単独重合体やプロピレンを主成分とするプロピレンとα−オレフィンとの共重合体(プロピレン単位を90質量%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体)などが挙げられ、これらを1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、プロピレンを主成分とするプロピレンとα−オレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体及びランダムブロック共重合体のいずれであってもよい。
上記のプロピレンとα−オレフィンとの共重合体を構成するα−オレフィンは特に限定されず、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン及び1−オクテンなどの炭素原子数2乃至8のα−オレフィンが挙げられる。
本発明において、上記ポリプロピレン系樹脂としては、エチレン−プロピレン共重合体が好ましく、エチレン含有量が1.0乃至4.0質量%であるエチレン−プロピレンランダム共重合体がより好ましく、エチレン含有量が2.5乃至4.0質量%であるエチレン−プロピレンランダム共重合体がより一層好ましい。
エチレン含有量が1.0質量%未満である場合、フィルムの製造工程において厚薄精度が低下する虞や、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂との相溶性が悪く混合樹脂組成物からなる層の透明性が低下する虞や、フィルムを構成する各層間が剥離するのを十分に抑制することができないなどの虞がある。また、エチレン含有量が4.0質量%を超える場合、シュリンク包装する際に収縮トンネル内において耐熱性が十分ではなく、フィ
ルムが溶融して穴が開いてしまう虞がある。
上記ポリプロピレン系樹脂は、フィルムの成形性の観点から、JIS K 7210に従って、温度210℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレート(MFR)が1.5乃至4.5g/10分であることが好ましく、2.0乃至3.5g/10分であることがより好ましい。
MFRが1.5g/10分未満の場合、フィルムの製造工程において樹脂の溶融押出が困難となる虞がある。また、MFRが4.5g/10分を超える場合、シュリンク包装の溶断シールにおいて、溶断(溶融)樹脂が冷え固まらずにシールが開いてしまう虞がある。
なお、上記ポリプロピレン系樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内において、必要に応じて、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤及び界面活性剤等の添加剤が含有されてもよい。
<中間層>
本発明における中間層は、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とを含む混合樹脂組成物からなる層であり、これにより、本発明のフィルムは表面層と中間層との剥離、及び中間層と芯層との剥離を生じにくくするという作用効果を奏する。
上記ポリプロピレン系樹脂としては、上記の<表面層>で述べたポリプロピレン系樹脂を用いることができる。
一方、上記ポリエチレン系樹脂については、後述する<芯層>で述べるポリエチレン系樹脂を用いることができる。
混合樹脂組成物中のポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂の含有量はそれぞれ混合樹脂組成物の総質量100質量%に基づいて、ポリプロピレン系樹脂が37乃至63質量%であり、ポリエチレン系樹脂が63乃至37質量%であることが好ましく、ポリプロピレン系樹脂が40乃至60質量%であり、ポリエチレン系樹脂が60乃至40質量%であることがより好ましく、ポリプロピレン系樹脂が45乃至55質量%であり、ポリエチレン系樹脂が55乃至45質量%であることがさらに好ましく、ポリプロピレン系樹脂が50質量%であり、ポリエチレン系樹脂が50質量%であることがより一層好ましい。
混合樹脂組成物中のポリプロピレン系樹脂の含有量が37質量%未満又は63質量%を超える場合、及びポリエチレン系樹脂の含有量が37質量%未満又は63質量%を超える場合、フィルムを構成する各層間が剥離するのを十分に抑制することができない虞がある。
なお、上記混合樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内において、必要に応じて、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤及び界面活性剤等の添加剤が含有されてもよい。
<芯層>
本発明における芯層は、ポリエチレン系樹脂を含むポリエチレン系樹脂組成物からなる層であり、これにより、本発明のフィルムは、シュリンク包装において低温で収縮性能を発現し、耐引裂き性や耐衝撃性が向上して内容物を保護する作用効果を奏する。
上記ポリエチレン系樹脂は特に限定されず、エチレンの単独重合体、エチレンを主成分とするエチレンとα−オレフィンとの共重合体(エチレン単位を90質量%以上含有するエチレン−α−オレフィン共重合体)などが挙げられ、これらを1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、エチレンとα−オレフィンとの共重合体を構成するα−オレフィンは特に限定さ
れず、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン及び1−オクテンなどの炭素原子数4乃至8のα−オレフィンが挙げられる。
本発明において、上記ポリエチレン系樹脂としては特に限定されず、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂及び直鎖状低密度ポリエチレン樹脂などの公知のポリエチレン樹脂を用いることができる。
その中でも、フィルム同士が擦れても、穴開きや破けなどの損傷を一段と生じにくくする観点から、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)(エチレンと1−ヘキセンとの共重合体、又はエチレンと1−オクテンとの共重合体)が好ましく、密度が0.910乃至0.925g/cmである直鎖状低密度ポリエチレン樹脂がより好ましい。
密度が0.910g/cm未満の場合、フィルムの弾性率は低くなりすぎて、例えばピロー型包装などの高速包装が難しくなる虞がある。また、密度が0.925g/cmを超える場合、製造工程においてフィルムの厚薄精度が著しく低下する虞がある。
なお、本発明において、密度はJIS K 7112に準拠して測定した値である。
上記ポリエチレン系樹脂は、フィルムの成形性の観点から、JIS K 7210に従って、温度190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレート(MFR)が0.5乃至5.0g/10分であることが好ましく、0.5乃至2.5g/10分であることがより好ましい。
MFRが0.5g/10分未満の場合、フィルムの製造工程において樹脂の溶融押出が困難となる虞がある。また、MFRが5.0g/10分を超える場合、フィルムの製造工程において溶融樹脂を冷却成形する際に冷え固まらずに成形性が安定しない虞があるか、或いはチューブラー同時二軸延伸法においては延伸バブルの形状が安定しない虞がある。
本発明では、上記のポリエチレン系樹脂として、石油由来ポリエチレン系樹脂だけでなく、植物由来ポリエチレン系樹脂を用いてもよく、具体的には、上記のポリエチレン系樹脂として、石油由来ポリエチレン系樹脂と植物由来ポリエチレン系樹脂との混合樹脂、及び植物由来ポリエチレン系樹脂などを挙げることができる。
上記の植物由来ポリエチレン系樹脂とは、化石燃料以外の再生可能な資源、特にサトウキビなどの植物由来のバイオエタノールを原料としたポリエチレン系樹脂である。
植物由来ポリエチレン系樹脂としては、植物由来のエチレンの単独重合体、植物由来のエチレンを主成分とする植物由来のエチレンとα−オレフィンとの共重合体(植物由来のエチレン単位を90質量%以上含有するエチレン−α−オレフィン共重合体)などが挙げられ、これらを1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
その中でも、植物由来ポリエチレン系樹脂としては、植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(例えば、エチレンと1−ヘキセンとの共重合体)が好ましく、密度が0.910乃至0.925g/cmである直鎖状低密度ポリエチレン樹脂がより好ましい。
植物由来樹脂と石油由来樹脂とは、分子量や機械的性質・熱的性質などのような物性に差が生じないので、これらを区別するために、一般にISO16620またはASTM D6866で規定されたバイオマスプラスチック度が用いられる。
大気中では1012個に1個の割合で放射性炭素14Cが存在し、この割合は大気中の二酸化炭素でも変わらないので、この二酸化炭素を光合成で固定化した植物の中でも、この割合は変わらない。このため、植物由来樹脂の炭素には放射性炭素14Cが含まれる。これに対し、石油由来樹脂の炭素には放射性炭素14Cがほとんど含まれない。そこで、加速器質量分析器で樹脂中の放射性炭素14Cの濃度を測定することにより、樹脂中の植物由来樹脂の含有割合、すなわちバイオマスプラスチック度を求めることができる。
本発明で用いる植物由来のポリエチレン系樹脂としては、ISO16620またはASTM D6866に規定されたバイオマスプラスチック度が84%以上であるものが好ましく、例えば、Braskem社製の商品名「SLH118」、「SLH218」、「SLH0820/30AF」などを用いることができる。
また、上記の芯層及び/又は中間層中のポリエチレン系樹脂として、植物由来ポリエチレン系樹脂を用いる場合、石油資源の節約および環境負荷の低減に関与する観点から、植物由来ポリエチレン系樹脂の含有量はポリオレフィン系多層シュリンクフィルムの総質量100質量%に基づいて、10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることが好ましい。
なお、上記ポリエチレン系樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内において、必要に応じて、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤及び界面活性剤等の添加剤が含有されてもよい。
本発明のポリオレフィン系多層シュリンクフィルムにおいて、中間層の厚み(1層のみの厚み)の割合は、ポリオレフィン系多層シュリンクフィルム全体の厚み(100%)に対して、好ましく10乃至3%である。
中間層の厚み(1層のみの厚み)の割合が3%未満である場合、フィルムに十分な層間剥離強度が発現せず、また本発明のフィルム同士が擦れた場合、フィルムを構成する層間に剥離が生じる可能性がある。
本発明のポリオレフィン系多層シュリンクフィルムにおいて、芯層の厚みの割合は、ポリオレフィン系多層シュリンクフィルム全体の厚み(100%)に対して、好ましくは66乃至76%である。
芯層の厚みの割合が66%未満である場合、フィルムの耐引裂き性や耐衝撃性が低下し、フィルムが破ける可能性がある。一方、芯層の厚みの割合が76%を超える場合、両表面層と両中間層の厚みの割合が小さくなるため、十分な溶断シール性や耐熱性、十分な層間剥離強度を有するフィルムが得られない可能性がある。
本発明のポリオレフィン系多層シュリンクフィルムの厚みは特に限定されず、例えば、7乃至30μmであり、好ましくは8乃至25μmである。
また、本発明のポリオレフィン系多層シュリンクフィルムを構成する表面層、中間層及び芯層それぞれの厚みも特に限定されない。
表面層の厚み(1層のみの厚み)は、ポリオレフィン系多層シュリンクフィルム全体の厚みに対して、例えば、1.0乃至2.5μmであり、好ましくは1.0乃至2.0μmである。特にシュリンク包装する際に溶断シール性が安定するため、表面層の厚みは1.0μm以上が好ましい。
中間層(1層のみの厚み)の厚みは、ポリオレフィン系多層シュリンクフィルム全体の厚みに対して、例えば、0.3乃至2.0μmであり、好ましくは0.3乃至1.5μmである。
芯層の厚みは、ポリオレフィン系多層シュリンクフィルム全体の厚みに対して、例えば、5乃至25μmであり、好ましくは5乃至20μmである。
本発明のポリオレフィン系多層シュリンクフィルムは、表面層と中間層、及び中間層と芯層との層間の剥離強度が20gf/15mm以上であり、好ましくは25gf/15mm以上である。剥離強度が20gf/15mm未満である場合、層間の剥離を十分に抑制できない虞がある。
一方、本発明の目的から層間の剥離強度は可能な限り大きいほうが好ましく、層間剥離強度の上限は特に限定されない。
ここで、「層間剥離強度」とは下記の測定方法で求めた値である。
層間剥離強度:機械方向(MD)が長手方向になるように15mm幅の短冊状にフィルムを切り出す。切り出したフィルムの端部を、表面層と中間層、又は中間層と芯層が剥離界面になるように剥離口を作製する。端部の剥離された箇所をそれぞれ引張試験機のチャックに装着し、未剥離部分は水平状態に保ちながら引張速度300mm/分で上下に引張り、剥離距離30mm間の抵抗力を測定する。剥離距離30mm間の最大値を読み取り、剥離強度を算出する。同様にサンプル5個について測定し、その平均値を剥離強度とした。
本発明のポリオレフィン系多層シュリンクフィルムは様々な用途、例えば、食品、化粧品、薬品及び文房具などを包装するのに用いることができる。
包装は様々な形態で包装でき、ピロー型自動包装機、L型自動包装機、L型手動包装機などの包装機を用いた包装ができる。例えば、ピロー型自動包装機の場合、ロール状になったフィルムを繰り出しながら、エアー抜き穴を付与しつつ、円筒状になるように両端部は連続的に溶断シールし、同時にフィルムの内部に被包装物を連続的に供給し、被包装物の間を断続的に溶断シールして仮包装体を作製する。次いで仮包装体を収縮トンネル内に通し、熱風によって収縮させると同時に仮包装体内部のエアーを抜き、フィルムを被包装物にフィットさせることにより、包装体を得ることができる。
[ポリオレフィン系多層シュリンクフィルムの製造方法]
本発明のポリオレフィン系多層シュリンクフィルムは、チューブラー同時二軸延伸法、テンター同時二軸延伸法、Tダイ逐次二軸延伸法などの公知の方法で製造可能である。例えば、チューブラー同時二軸延伸法の場合、環状多層ダイスから溶融樹脂を押出した直後に冷却して円筒形未延伸フィルムを作製し、この未延伸フィルムを融点以下の温度に加熱しながら、円筒形フィルム内にエアーを供給して、円筒形未延伸フィルムを風船のように膨らませながら、縦と横に同時に特定に倍率に延伸し、その後にロール熱処理及びテンター熱処理を適宜行って製造することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、本発明における評価及び判定は、下記の方法で実施した。
1.層間剥離強度:上記記載の方法で剥離強度を測定した。また、層間剥離強度測定中の剥離の状態を観察し、以下のような区分で整理した。
剥離状態A:中間層の界面から全面綺麗に剥離した。
剥離状態B:中間層の数か所が、糸状になって相手界面側に接着している。
剥離状態C:剥離面のほぼ全面で、中間層が糸状になっている。
2.輸送テスト:フィルムでスプレー缶1本をシュリンク包装し、それを4本×2列に並べて立てた状態で箱詰めする。同様にマーガリン1個をシュリンク包装し、2個×2列に並べ、それを2段積みの状態にして箱詰めする。これらを熊本から東京までトラックに往復輸送させ、フィルムの表面状態を観察し、以下のような区分で整理した。尚、スプレー缶は常温で、マーガリンは5℃の温度で輸送した。
剥離状態D:フィルムに擦れた跡はあるが、穴開きや破け等の損傷は観られなかった。
剥離状態E:フィルムの擦れた箇所に穴開きはないが、フィルムの一部が剥離している。
剥離状態F:フィルムの擦れた箇所に穴が開いている、又は、フィルムが破けてしまっている。
3.バイオマスプラスチック度:ASTM D6866に基づいて、得られたフィルムのバイオプラスチック度を測定した。
実施例および比較例で使用した原料は下記のとおりである。
原料1:MFR(210℃、2.16kg)が2.0g/10分であり、密度0.900g/cmであるエチレン含有量3.0質量%のエチレン−プロピレンランダム共重合体。
原料2:MFR(190℃、2.16kg)が1.0g/10分であり、密度0.920g/cmで、1−オクテンをコモノマー種として有する石油由来の直鎖状低密度ポリエチレン。
原料3:MFR(190℃、2.16kg)が2.4g/10分であり、密度0.916g/cmで、1−ヘキセンをコモノマー種として有するバイオマスプラスチック度84%の植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン。
原料4:MFR(210℃、2.16kg)が3.0g/10分であり、密度0.900g/cmであるエチレン含有量0.5質量%のエチレン−プロピレンランダム共重合体。
原料5:MFR(190℃、2.16kg)が0.8g/10分であり、密度0.924g/cmで、1−ヘキセンをコモノマー種として有するバイオマスプラスチック度84%の植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン。
[実施例1]ポリオレフィン系多層シュリンクフィルムの製造
原料が前記原料1である両表面層と、原料が前記原料1 50質量%と前記原料2 50質量%とを含む混合原料である両中間層と、原料が前記原料2である芯層となるように5台の押出機(表面層用、中間層用、芯層用、中間層用、表面層用)でそれぞれ170℃〜270℃にて溶融混練し、全層の厚みに対する表面層の厚み(1層のみの厚み)の割合が10%に、中間層の厚み(1層のみの厚み)の割合が5%に、芯層の厚みの割合が70%になるように各押出機の押出量を設定し、240℃に保った5層環状ダイスより下向きに共押出した。形成された5層構成チューブ状溶融樹脂を、内側は冷却水が循環している円筒状冷却装置の外表面を摺動させながら、外側は水槽を通すことにより冷却して引き取り、未延伸フィルムを得た。最終的に得られるフィルムの厚みが12μmになるように、押出機のスクリュー回転数及び引き取り速度を調整した。この円筒形の未延伸フィルムの内部にエアーを供給し、加圧と同時に10〜120℃に加熱しながら、MD4.5倍とTD4.5倍に延伸した後、40℃以下まで冷却して2つに折りたたんだ。次いでこの延伸フィルムを上下段1枚に切り開いて上下段の各熱ロール装置に導き、70〜90℃の複数の加温ロールと30℃の冷却ロールで熱処理した後、上下段それぞれで1本のロールに巻取った。
得られたフィルムについて、層間剥離強度を測定し、また輸送テストを実施した。その結果、得られたフィルムの層間剥離強度は25gf/15mmであり、剥離していく過程の剥離面はほぼ全面で中間層が糸状に繋がっている状態であった。また、このフィルムを用いてスプレー缶とマーガリンとをそれぞれ別個にピロー型自動包装機で包装し、段ボール箱に梱包して熊本−東京間をトラックで往復輸送させた後、段ボール箱を開梱してフィルムを観察すると、いずれもフィルム同士が擦れた跡はあったが穴開きや破け等の損傷は観られなかった。
[実施例2〜9]
表1に示すような原料、層比率、厚み、延伸倍率で実施例1と同様にして、ポリオレフィン系多層シュリンクフィルムを得た。得られたフィルムは、表1に示す通り、いずれも層間剥離強度が20gf/15mm以上であり、剥離面のほぼ全面で中間層が糸状に繋がっている状態であった。また、輸送テスト後のフィルムの状態は、表1に示す通り、いずれもフィルムに剥離、穴あきや破れ等の損傷は観られなかった。
[比較例1]
両中間層の原料が原料1である以外は実施例1と同様にして、ポリオレフィン系多層シュリンクフィルムを得た。得られたフィルムの層間剥離強度は13gf/15mmであり、中間層と芯層の界面から全面綺麗に剥離が起こり、特に中間層が糸状に繋がっている状態ではなかった。また、このフィルムを用いてスプレー缶とマーガリンとをそれぞれ別個にピロー型自動包装機で包装し、段ボール箱に梱包して熊本−東京間をトラックで往復輸送させた後、段ボール箱を開梱してフィルムを観察すると、スプレー缶の突起部とマーガリンの底面の一部にフィルムの剥離が観られた。
[比較例2]
両中間層の原料が原料2である以外は実施例1と同様にして、ポリオレフィン系多層シュリンクフィルムを得た。得られたフィルムの層間剥離強度は15gf/15mmであり、中間層と芯層の界面から全面綺麗に剥離が起こり、特に中間層が糸状に繋がっている状態ではなかった。また、このフィルムを用いてスプレー缶とマーガリンとをそれぞれ別個にピロー型自動包装機で包装し、段ボール箱に梱包して熊本−東京間をトラックで往復輸送させた後、段ボール箱を開梱してフィルムを観察すると、スプレー缶では突起部の一か所にフィルムの剥離が観られ、マーガリンの底面の一部にフィルムの破れが観られた。
[比較例3]
両中間層の原料が原料1 35質量%と原料2 65質量%とを含む混合原料である以外は実施例1と同様にして、ポリオレフィン系多層シュリンクフィルムを得た。得られたフィルムの層間剥離強度は18gf/15mmであり、中間層と芯層の界面から全面綺麗に剥離が起こり、特に中間層が糸状に繋がっている状態ではなかった。また、このフィルムを用いてスプレー缶とマーガリンとをそれぞれ別個にピロー型自動包装機で包装し、段ボール箱に梱包して熊本−東京間をトラックで往復輸送させた後、段ボール箱を開梱してフィルムを観察すると、スプレー缶では突起部の一か所にフィルムの穴あきが観られ、マーガリンの底面の一部にフィルムの剥離が観られた。
[比較例4]
両中間層の原料が原料1 65質量%と原料2 35質量%とを含む混合原料である以外は実施例1と同様にして、ポリオレフィン系多層シュリンクフィルムを得た。得られたフィルムの層間剥離強度は19gf/15mmであり、中間層と芯層の界面から全面綺麗に剥離が起こり、特に中間層が糸状に繋がっている状態ではなかった。また、このフィルムを用いてスプレー缶とマーガリンとをそれぞれ別個にピロー型自動包装機で包装し、段ボール箱に梱包して熊本−東京間をトラックで往復輸送させた後、段ボール箱を開梱してフィルムを観察すると、スプレー缶では突起部の一か所にフィルムの剥離が観られ、マーガリンの底面の一部にフィルムの穴あきが観られた。
[比較例5]
全層の厚みに対する表面層の厚み(1層のみの厚み)の割合を10%に、中間層の厚み(1層のみの厚み)の割合を2%に、芯層の厚みの割合が76%になるように各押出機の押出量を設定した以外は実施例1と同様にして、ポリオレフィン系多層シュリンクフィルムを得た。得られたフィルムの層間剥離強度は17gf/15mmであり、剥離していく過程の剥離面の一部に中間層が糸状に繋がっている状態は確認できたが、糸状の長さは短いものであった。また、このフィルムを用いてスプレー缶とマーガリンとをそれぞれ別個にピロー型自動包装機で包装し、段ボール箱に梱包して熊本−東京間をトラックで往復輸送させた後、段ボール箱を開梱してフィルムを観察すると、スプレー缶の突起部とマーガリンの底面の一部にフィルムの剥離が観られた。
[比較例6]
全層の厚みに対する表面層の厚み(1層のみの厚み)の割合を12%に、中間層の厚み(1層のみの厚み)の割合を7%に、芯層の厚みの割合が62%になるように各押出機の押出量を設定した以外は実施例1と同様にして、ポリオレフィン系多層シュリンクフィルムを得た。得られたフィルムの層間剥離強度は29gf/15mmであり、剥離していく過程で、剥離面のほぼ全面で中間層が糸状に繋がっている状態であった。また、このフィルムを用いてスプレー缶とマーガリンとをそれぞれ別個にピロー型自動包装機で包装し、段ボール箱に梱包して熊本−東京間をトラックで往復輸送させた後、段ボール箱を開梱してフィルムを観察した。スプレー缶の突起部とマーガリンの底面のフィルムが大きく破れていた。輸送時の衝撃や擦れによってフィルムが破れた状態に観えた。
[比較例7]
全層の厚みに対する表面層の厚み(1層のみの厚み)の割合を7%に、中間層の厚み(1層のみの厚み)の割合を10%に、芯層の厚みの割合が66%になるように各押出機の押出量を設定した以外は実施例1と同様にして、ポリオレフィン系多層シュリンクフィルムを得た。得られたフィルムの層間剥離強度は28gf/15mmであり、剥離していく過程で、剥離面のほぼ全面で中間層が糸状に繋がっている状態であった。また、このフィルムを用いてスプレー缶とマーガリンとをそれぞれ別個にピロー型自動包装機で包装しようとしたが、溶断シール部の溶着が弱く、収縮トンネル内でシール部分が開くため、収縮包装体が得られなかった。
[比較例8]
原料が前記原料4である両表面層と、原料が前記原料4 50質量%と前記原料2 42質量%と前記原料3 8質量%とを含む混合原料である両中間層と、原料が前記原料2
84質量%と前記原料3 16質量%とを含む混合原料である芯層とした以外は実施例1と同様にして、ポリオレフィン系多層シュリンクフィルムを得た。得られたフィルムは厚薄精度が悪く、またやや透明感に欠けるものであった。このフィルムの層間剥離強度は9gf/15mmであり、剥離面全面が綺麗に剥離し、特に中間層が糸状に繋がっている状態ではなかった。また、このフィルムを用いてスプレー缶とマーガリンとをそれぞれ別個にピロー型自動包装機で包装したが、フィルムが包装機上で蛇行し、仮包装体の寸法(カットピッチ)が不安定となった。そのうちの包装良品を段ボール箱に梱包して熊本−東京間をトラックで往復輸送させた後、段ボール箱を開梱してフィルムを観察すると、スプレー缶の突起部とマーガリンの底面のフィルムが大きく破れている状態であった。
表1および2に示した結果より、表面層と芯層との間に、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とを含む混合樹脂組成物から形成されてなる中間層を設けることにより、表面層と中間層との層間の剥離強度、及び中間層と芯層との層間の剥離強度を高めることができ、耐層間剥離性に優れたポリオレフィン系多層シュリンクフィルムを得ることがで
きた。
また、輸送テストの結果から、本発明のポリオレフィン系多層シュリンクフィルムは、常温及び5℃程度の低温のいずれにおいても、フィルム同士の擦れに起因する、穴開きや破れ等の損傷が観られなかった。
これに対し、表面層と芯層との間に、ポリプロピレン系樹脂又はポリエチレン系樹脂のいずれか一方のみを含む樹脂組成物から形成されてなる中間層を設けた場合、表面層と中間層との層間の剥離強度、及び中間層と芯層との層間の剥離強度を高めることはできなかった(比較例1及び2)。
また、輸送テストの結果から、フィルムの一部が剥離し(比較例1乃至5)、低温では、フィルムに穴開きや破れ等の損傷が生じた(比較例2、4,6及び8)。
1 表面層
2 中間層
3 芯層
すなわち、本発明は下記の[1]乃至[6]に関する。
[1]表面層/中間層/芯層/中間層/表面層の順に5層からなるポリオレフィン系多層シュリンクフィルムであって、
該表面層はポリプロピレン系樹脂を含むポリプロピレン系樹脂組成物からなる層であり、
該中間層はポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とを含む混合樹脂組成物からなる層であり、
該芯層はポリエチレン系樹脂を含むポリエチレン系樹脂組成物からなる層であり、
該表面層と該中間層との層間の剥離強度、及び該中間層と該芯層との層間の剥離強度がそれぞれ20gf/15mm以上であることを特徴とする、フィルム。
[2]前記ポリプロピレン系樹脂の含有量は前記混合樹脂組成物の総質量100質量%に基づいて37乃至63質量%であり、
前記ポリエチレン系樹脂の含有量は前記混合樹脂組成物の総質量100質量%に基づいて63乃至37質量%である、[1]に記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
[3]前記ポリプロピレン系樹脂は、エチレン含有量が1.0乃至4.0質量%であり、かつ温度210℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレート(MFR)が1.5乃至4.5g/10分であるエチレン−プロピレン共重合体である、[1]又は[2]に記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
[4]前記ポリエチレン系樹脂は、密度が0.910乃至0.925g/cmであり、かつ温度190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレート(MFR)が0.5乃至5.0g/10分である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂である、[1]乃至[3]のいずれかに記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
[5]前記芯層の厚みはポリオレフィン系多層シュリンクフィルム全体の厚みの66乃至76%であり、
前記中間層の厚みはそれぞれ独立してポリオレフィン系多層シュリンクフィルム全体の厚みの10乃至3%であり、
前記表面層の厚みはそれぞれ独立して1.0μm以上であることを特徴とする、[1]乃至[4]のいずれかに記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
[6]前記芯層及び/又は中間層中のポリエチレン系樹脂が植物由来ポリエチレン系樹脂と石油由来ポリエチレン系樹脂とからなるか、又は植物由来ポリエチレン系樹脂であり、
該植物由来ポリエチレン系樹脂の含有量がポリオレフィン系多層シュリンクフィルムの総質量100質量%に基づいて、10質量%以上であることを特徴とする、[1]乃至[5]のいずれかに記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
ここで、本発明の好ましい態様のうち一つは、下記の(1)及び(2)の態様である。(1)
表面層/中間層/芯層/中間層/表面層の順に5層からなるポリオレフィン系多層シュリンクフィルムであって、
該表面層はポリプロピレン系樹脂を含むポリプロピレン系樹脂組成物からなる層であり、
該中間層はポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とを含む混合樹脂組成物からなる層であり、
該芯層はポリエチレン系樹脂を含むポリエチレン系樹脂組成物からなる層であり、
該表面層と該中間層との層間の剥離強度、及び該中間層と該芯層との層間の剥離強度がそれぞれ20gf/15mm以上であり、
該中間層中のポリプロピレン系樹脂の含有量は該混合樹脂組成物の総質量100質量%に基づいて37乃至63質量%であり、該中間層中のポリエチレン系樹脂の含有量は該混合樹脂組成物の総質量100質量%に基づいて63乃至37質量%であり、
該表面層及び該中間層中のポリプロピレン系樹脂はエチレン含有量が1.0乃至4.0質量%であるエチレン−プロピレンランダム共重合体であり、該中間層及び該芯層中のポリエチレン系樹脂は直鎖状低密度ポリエチレン樹脂であり、
該芯層の厚みはポリオレフィン系多層シュリンクフィルム全体の厚みの66乃至76%であり、該中間層の厚みはそれぞれ独立してポリオレフィン系多層シュリンクフィルム全体の厚みの10乃至3%であり、該表面層の厚みはそれぞれ独立して1.0μm以上であることを特徴とする、フィルム。
(2)
前記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂が植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と石油由来の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂とからなるか、又は植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂であり、
該植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の含有量がポリオレフィン系多層シュリンクフィルムの総質量100質量%に基づいて、10質量%以上であることを特徴とする、(1)に記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。

Claims (6)

  1. 表面層/中間層/芯層/中間層/表面層の順に5層からなるポリオレフィン系多層シュリンクフィルムであって、
    該表面層はポリプロピレン系樹脂を含むポリプロピレン系樹脂組成物からなる層であり、
    該中間層はポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とを含む混合樹脂組成物からなる層であり、
    該芯層はポリエチレン系樹脂を含むポリエチレン系樹脂組成物からなる層であり、
    該表面層と該中間層との層間の剥離強度、及び該中間層と該芯層との層間の剥離強度がそれぞれ20gf/15mm以上であることを特徴とする、フィルム。
  2. 前記ポリプロピレン系樹脂の含有量は前記混合樹脂組成物の総質量100質量%に基づいて37乃至63質量%であり、
    前記ポリエチレン系樹脂の含有量は前記混合樹脂組成物の総質量100質量%に基づいて63乃至37質量%である、請求項1に記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
  3. 前記ポリプロピレン系樹脂は、エチレン含有量が1.0乃至4.0質量%であり、かつ温度210℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレート(MFR)が1.5乃至4.5g/10分であるエチレン−プロピレン共重合体である、請求項1又は請求項2に記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
  4. 前記ポリエチレン系樹脂は、密度が0.910乃至0.925g/cmであり、かつ温度190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレート(MFR)が0.5乃至5.0g/10分である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
  5. 前記芯層の厚みはポリオレフィン系多層シュリンクフィルム全体の厚みの66乃至76%であり、
    前記中間層の厚みはそれぞれ独立してポリオレフィン系多層シュリンクフィルム全体の厚みの10乃至3%であり、
    前記表面層の厚みはそれぞれ独立して1.0μm以上であることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
  6. 前記芯層及び/又は中間層中のポリエチレン系樹脂が植物由来ポリエチレン系樹脂と石油由来ポリエチレン系樹脂とからなるか、又は植物由来ポリエチレン系樹脂であり、
    該植物由来ポリエチレン系樹脂の含有量がポリオレフィン系多層シュリンクフィルムの総質量100質量%に基づいて、10質量%以上であることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
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