JP5545627B2 - ポリオレフィン系薄膜多層シュリンクフィルム - Google Patents

ポリオレフィン系薄膜多層シュリンクフィルム Download PDF

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Description

本発明はオーバーラップ用の熱収縮性包装材料に関し、より詳しくは、厚みは6〜11μと薄いにもかかわらず、高引張弾性率、高熱収縮率、高引裂強度、及び経時収縮が小さい等の特性バランスが優れ、高速自動包装や印刷に好適に用いられるポリオレフィン系薄膜多層シュリンクフィルムに関する。
従来、熱収縮性包装材料として、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、ポリエチレン系フィルム等が知られているが、低価格、使用後の廃棄処理の容易さなどの点でポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系シュリンクフィルムが好んで用いられている。しかしながら、ポリプロピレン系シュリンクフィルムは弾性率、耐熱性等に優れるものの、低温収縮性に乏しく、一方、ポリエチレン系シュリンクフィルムは、低温収縮性に優れるものの、弾性率、耐熱性に乏しい等の欠点を有している。このような問題を解決すべく、プロピレン系樹脂とエチレン系樹脂を積層したポリオレフィン系多層シュリンクフィルムが開示(特許文献1)されている。
一方、市場では、環境負荷低減を目指すために、フィルムの薄膜化が望まれる。しかしながら、従来のフィルムを単純に薄くしていくと、弾性率の低下により高速自動包装適性や印刷適性が劣り、また、引裂強度の低下により、自動包装機で付与されるエアー抜きの針孔から破れが生じやすくなるという問題があった。更に、引裂強度を高めようとして、ポリエチレン系樹脂を多用すると経時収縮が大きくなったり、弾性率の低下を招く問題があった。
特開昭58−166049号公報、同63−17361号公報、同63−214446号公報、同64−56547号公報、同64−1535号公報、特開平4−5044号公報、同4−211936号公報、同6−50096号公報、同8−99393号公報、同11−254610号公報、特開2005−144725号公報
本発明は、上記状況を鑑みてなされたもので、厚みは6〜11μと薄いにもかかわらず、高引張弾性率、高熱収縮率、高引裂強度、及び経時収縮が小さい等の特性バランスが優れ、高速自動包装や印刷に好適に用いられるポリオレフィン系薄膜多層シュリンクフィルムを提供する事を課題とするものである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、プロピレン系樹脂を含む両表面層と、メタロセン触媒によって重合された結晶性プロピレン樹脂(以下、メタロセンPPと記す)、又は、エチレン系樹脂を含む内部層を有する少なくとも3層以上の多層フィルムを特定の延伸倍率にて延伸する事により、課題を解決できる事を見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、以下のものを提供する。
(1)プロピレン系樹脂を含む両表面層と、メタロセンPP、又は、エチレン系樹脂を含む内部層を有する少なくとも3層以上の多層構成を縦倍率より横倍率が大きく、面積延伸倍率が20倍以上の延伸条件で二軸延伸加工し、下記(a)〜(d)をすべて満足するポリオレフィン系多層シュリンクフィルムを提供するものである。
(a)厚みが6〜11μの範囲である。
(b)引張弾性率が0.8GPa以上である。
(c)120℃での熱収縮率が35%以上である。
(d)40℃雰囲気中で7日間保管後の収縮率が4%以下である。
(e)引裂強度が30mN以上である。
(2)二軸延伸加工が、チューブラー延伸方法であり、縦延伸倍率が4.0〜5.5倍、横延伸倍率が5.5〜7.0倍である事を特徴とする請求項1記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
(3)(a)の厚みが7〜9μの範囲である事を特徴とする(1)〜(2)記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
(4)両表面層が、メタロセンPPを10〜30重量%含むプロピレン系樹脂からなる事を特徴とする(1)〜(3)記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
(5)メタロセンPPが、示差走査熱量計(以下、DSCと記す。)によって測定される融解ピーク温度が110〜130℃であり、メルトフローレート(測定温度230℃、荷重2.16kgf)が1.0〜10.0g/10分である事を特徴とする(1)〜(4)記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
(6)内部層の厚みが全体の60〜80%であり、両表面層が各々1μm以上である事を特徴とする(1)〜(5)記載ポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
(7)(d)の40℃雰囲気中で7日間保管後の収縮率が1.7%以下である事を特徴とする(1)〜(6)記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
本発明のポリオレフィン系多層シュリンクフィルムは、厚みは6〜11μと薄いにもかかわらず、高引張弾性率、高熱収縮率、高引裂強度、及び経時収縮が小さい等の特性バランスが優れ、高速自動包装や印刷に好適に用いることができる、という効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、プロピレン系樹脂は、示差走査熱量計(以下「DSC」と記す)によって測定される融解ピーク温度が130〜165℃、メルトフローレート(以下「MFR」と記す)(測定温度230℃、荷重2.16kgf)が1.0〜10.0g/10分の範囲のもので、プロピレン単独重合体、プロピレンとα−オレフィンの共重合体、例えばプロピレン−エチレン、プロピレン−ブテン共重合体等、及びプロピレン−エチレン−ブテン3元共重合体の中から選ばれる少なくとも1種以上からなり、主に耐熱性、高弾性率を付与する作用を成す。これらの内、耐熱性、高弾性率、熱収縮特性と透明性のバランスを考慮して、結晶性プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体が好適に用いられる。
プロピレン系樹脂の融解ピーク温度が130℃未満では耐熱性が低いため好ましくなく、165℃を超えると低温収縮性が低下するため好ましくない。また、MFRが1.0g/10分未満では、溶融押出時のモーター負荷が高くなる等の問題点があり、10.0g/10分を超えると自動包装機使用時の溶断シール性が低下するため好ましくない。
本願において、メタロセンPPは、融解ピーク温度が110〜130℃の範囲のものであり、110℃未満では多層フィルム全体としての耐熱性が低くなるため好ましくなく、130℃を超えると低温収縮性が低下するため好ましくない。MFR(測定温度230℃、荷重2.16kgf)は、0.5〜10.0g/10分のものが好適に用いられる。0.5g/10分未満では溶融押出時のモーター負荷が高くなる等の問題点があり、10.0g/10分を超えると溶断シール性が低下するため好ましくない。
本発明に用いられるメタロセンPPは、低温収縮性の特性を有しており、ポリエチレン系樹脂を積層せずとも、ポリエチレン並みの熱収縮特性を発現することができる。
表面層には、プロピレン系樹脂又は、プロピレン系樹脂とメタロセンPPの混合樹脂を使用することが出来る。プロピレン系樹脂を単独で表面層に使用した場合、溶断シール、耐熱性が向上する。また、プロピレン系樹脂とメタロセンPPを混合することで、更に低温収縮性を付与する事ができる。プロピレン系樹脂とメタロセンPPを混合して使用する場合の混合比は、プロピレン系樹脂:メタロセンPP=70:30〜90:10の範囲が好ましい。プロピレン系樹脂が70%未満では、溶断シール性、耐熱性が低下し、メタロセンPPが10%未満では、プロピレン系樹脂を単独で使用した場合以上の低温収縮性を得る事ができない。
本発明において、エチレン系樹脂は、23℃における密度が0.900〜0.940g/cmの範囲のもので、長鎖分岐を有する低密度ポリエチレン、エチレンとブテン―1、ペンテン―1、ヘキセン―1、4−メチルペンテン―1、オクテン―1を含む炭素数4〜20個のα―オレフィンとの共重合体である直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン―酢酸ビニル共重合体、エチレン―脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン―脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂から選ばれる少なくとも1種以上からなり、低温収縮性、耐引裂性、耐衝撃性を付与する作用をなす。これらの内、優れた低温収縮性を付与できる点から直鎖状低密度ポリエチレンが好適に用いられる。
ポリエチレン系樹脂の密度が0.900g/cm未満では引張弾性率や耐熱性が低下するため好ましくなく、0.940g/cmを越えると低温収縮性が低下するため好ましくない。また、メルトインデックス(以下MIと記す、測定温度190℃、荷重2.16kgf)は、0.3〜5.0g/10分のものが好適に用いられる。0.3g/10分未満では押出時のモーター負荷が高くなる等の問題点があり、5.0g/10分を越えると延伸安定性が低下するため好ましくない。
本発明の層構成は、少なくとも3層以上の層構成であれば問題なく、内部層には、プロピレン系樹脂、メタロセンPP、エチレン系樹脂を用いることが出来る。また、本発明の目的に支障をきたさない範囲で、プロピレン系樹脂、メタロセンPP、エチレン系樹脂を混合して使用することもできる。使用できる樹脂としては、前述した本発明で使用するプロピレン系樹脂、メタロセンPP、エチレン系樹脂と同じである。また、プロピレン系樹脂、メタロセンPP、エチレン系樹脂の混合物のスクラップを再利用して用いることもできる。
本発明における、表面層の厚みは、1μm以上が好ましく、1μm未満では、耐熱性が不足し好ましくない。
内部層の厚みは、全体の60%以上、80%以下が好ましく、60%未満では低温収縮性、耐引き裂き性が劣り、80%を超えると耐熱性が劣り好ましくない。
表面層及び/又は内部層には、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、酸化防止剤、核剤等の添加剤がそれぞれの有効な作用を具備させる目的で適宜使用することができる。
本発明の特徴の一つとして良好な平面性があるが、フィルム製品ロールの長期保管中に、自然収縮による平面性のくずれがないことも重要な性質である。本発明者らが自然収縮の目安としている40℃雰囲気中での1週間保管後の収縮率は、縦横とも4%以下が好ましく、更に、夏場等の長期保管を考えると、1.7%以下が好ましい。保管中の自然収縮による平面性のくずれが大きくなると、本発明の目的とする高速包装適性、印刷適性を十分に得る事ができない。
本発明の特徴である高い熱収縮率を有するにも関わらず、自然収縮率を低く抑えたフィルムが得られるのは、縦と横の延伸倍率を掛けた面積延伸倍率を20倍以上に設定する事により達成されるものである。
本発明における、ポリオレフィン系多層シュリンクフィルムの厚みは、環境負荷低減、高速仕上がり性を得るために11〜6μmが好ましく、更に好ましくは、9〜7μmが好ましい。本発明におけるフィルムは、従来市販されている製品のフィルム厚みが強度特性を考慮し11μmを超えるものに対して、フィルム厚みが11μm以下でも、ポリプロピレン系樹脂、メタロセンPP、エチレン系樹脂を好適に用い、延伸倍率の設定を縦倍率よりも横倍率を大きく、面積延伸倍率が20倍以上の延伸条件で、好ましくは、縦延伸倍率が4.0〜5.5倍、横延伸倍率が5.5〜7.0倍に設定する事で、印刷時にかかる温度、テンションによるフィルムの伸びを抑制でき、また、包装時に発生しやすい縦方向の針孔破れを抑制でき、十分な耐引き裂き性を得ることができる。
本願における、ポリオレフィン系多層シュリンクフィルムの引張弾性率は、0.8GPa以上、120℃での熱収縮率が35%以上である。これ以外であると、本願の特徴である、薄膜化しても特性バランスが優れ、高速自動包装や印刷に好適に用いられるフィルムを得ることができない。なお、物性測定は、実施例の方法により行うことができる。
本願における、ポリオレフィン系多層シュリンクフィルムの引裂強度は、30mN以上である。30mN以下では、高速自動包装時に針孔破れが発生しやすく、十分な耐引裂き性を得る事ができない。引裂強度の測定は、実施例の方法により行うことができる。
本願のポリオレフィン系多層シュリンクフィルムは、薄膜化しても高速自動包装や印刷に好適に用いるためには、引張弾性率、120℃での熱収縮率、引裂強度、40℃雰囲気中での1週間保管後の収縮率の全てを満たす必要がある。
次に、本発明のフィルムの製造方法を示す。前記の樹脂を用いて本発明のフィルムを製造する方法は、公知の縦横2軸延伸方法で行うことができる。
以下、3層積層環状製膜延伸の場合を例に挙げ、具体的に説明する。
まず、プロピレン系樹脂とメタロセンPPを混合した両表面層、メタロセンPPを内部層となるように、3台の押出機により溶融混練し、3層環状ダイより環状に共押出し、延伸することなく一旦急冷固化してチューブ状未延伸フィルムを作製する。
得られたチューブ状未延伸フィルムを、チューブラー延伸装置に供給し、高度の配向可能な温度範囲、例えば芯層樹脂の融点以下10℃よりも低い温度で、好ましくは融点以下15℃よりも低い温度でチューブ内部にガス圧を適用して膨張延伸により、縦横の延伸倍率が、縦延伸倍率が4.0〜5.5倍、横延伸倍率が5.5〜7.0倍で同時二軸配向を起こさせる。延伸装置から取り出したフィルムは、希望により熱処理やアニーリングすることができ、これにより保存中の自然収縮を抑制することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例の中で示した各物性測定は以下の方法によった。
1.フィルム厚み:JIS−Z1709に準じて測定した。
2.平面性:フィルムの平面性を以下の基準で評価した。
<評価基準>
○:フィルムにタルミが全くない、或いはほとんど目立たない。
△:フィルムにタルミが見られるが、軽く伸ばせば目立たなくなる。
×:フィルムにタルミが見られ、軽く伸ばしてもタルミが残る。
3.厚み比:フィルムの断面を顕微鏡で観察することにより測定した。
4.ヘイズ:JIS−K7105に準じて測定した。
5.グロス(60°):JIS−Z7105に準じて測定した。
6.引張弾性率:JIS−Z7127に準じて測定した。
7.引裂強度:JIS−P8116に準拠し、東洋精機製軽荷重引裂試験機で測定した。
8.40℃、7日後収縮率:縦横それぞれ200mmの正方形に切り取ったフィルムを40℃のオーブンに7日間保管後、縦横それぞれの長さを測定し、数1によりMD、TDの熱収縮率を算出した。
Figure 0005545627
9.120℃熱収縮率:縦横それぞれ100mmの正方形に切り取ったフィルムを100℃のグリセリン浴中に10秒間浸漬した後、水中で急冷し、縦横それぞれの長さを測定し、数2によりMD、TDの熱収縮率を算出した。
Figure 0005545627
10.伸び挙動:セイコーインスツル(株)製熱・応力・歪測定装置(以下TMAと記す、型式:EXSTAR6000)を用い、フィルムを縦×横=20mm×3mmにカットし、印刷時にかかるテンション相当の345mNの荷重を縦方向にかけ、50℃に過熱した際の縦方向のフィルムの伸び挙動を測定し、以下の基準で評価した。
<評価基準>
◎:フィルムの伸びが10%未満。
〇:フィルムの伸びが10〜20%。
△:フィルムの伸びが20%を越える。
11.高速自動包装適性:トキワ工業(株)製自動包装機(型式:NEO型、ピロー包装機)にて市販のカップ麺を175個/分のスピードで包装し、下記項目について下記の基準で評価した。
<走行性>
○:走行が安定し、安定してカップ麺を包装できる。
×:走行が安定せず、安定してカップ麺を包装できない。
<仕上がり性>
フィルムヤケド2〜10℃手前の温度に設定した収縮トンネルを3秒間滞留させ、トンネル通過後の包装サンプルの中から無作為に5つを選び、
○:包装サンプルの平均角高さが7mm以下となるトンネル温度範囲が6℃を越える。
△:包装サンプルの平均角高さが7mm以下となるトンネル温度範囲が4〜6℃。
×:包装サンプルの平均角高さが7mm以下となるトンネル温度範囲が4℃未満。
(注:角高さとは、適度に余裕率を持たせた包装予備体を収縮トンネルで熱収縮させた後、包装体の側面にできる角状突起物の突起高さを意味する。)
<耐針孔破れ性>
フィルムヤケド2℃手前の温度に設定した収縮トンネルを3秒間滞留させ、トンネル通過後の包装物50個について、
○:針孔からの破れが50個中1個もない。
△:針孔からの破れが50個中5個発生する。
×:針孔からの破れの発生が50個中5個を越える。
実施例1
表1に示すように、融解ピーク温度が140℃、MFRが2.3g/10分の特性を有するプロピレン系樹脂と融解ピーク温度が115℃、MFRが2.0g/10分の特性を有するメタロセンPPを配合比80:20でブレンドした層を両表面層とし、融解ピーク温度が115℃、MFRが2.0g/10分の特性を有するメタロセンPPを内部層として、3台の押出機で溶融混練し、厚み比が1/5/1になるように各押出機の押出量を設定し、3層環状ダイスにより下向きに共押出した。形成された3層構成チューブを、内側は冷却水が循環している円筒状冷却マンドレルの外表面を摺動させながら、外側は水槽を通すことにより冷却して引き取り、未延伸フィルムを得た。
このチューブ状未延伸フィルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、縦横それぞれ5.0×6.0倍に延伸し、フィルム厚み10.5μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表1に示す通りで、良好なものであった。
実施例2
表1に示すように、フィルム厚みを8μmにした以外は実施例1と同様の方法で積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表1に示す通りで、良好なものであった。
実施例3
表1に示すように、縦横それぞれ5.5×6.0倍に延伸した以外は実施例2と同様の方法で積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表1に示す通りで、良好なものであった。
実施例4
表1に示すように、密度0.900g/cm、MIが1.0g/10分の特性を有する直鎖状低密度ポリエチレンを内部層とし、厚み比が1/4/1にした以外は実施例1と同様の方法で、フィルム厚み10.5μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表1に示す通りで、良好なものであった。
実施例5
表1に示すように、フィルム厚みを8μmにした以外は実施例4と同様の方法で積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表1に示す通りで、良好なものであった。
実施例6
表1に示すように、縦横それぞれ5.5×6.0倍に延伸した以外は実施例5と同様の方法で積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表1に示す通りで、良好なものであった。
実施例7
表1に示すように、融解ピーク温度が138℃、MFRが2.5g/10分の特性を有するプロピレン系樹脂を両表面層とし、フィルム厚みを8μmにした以外は実施例1と同様の方法で積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表1に示す通りで、良好なものであった。
実施例8
表1に示すように、融解ピーク温度が115℃、MFRが2.0g/10分の特性を有するメタロセンPPと実施例1で得られたスクラップを配合比50:50でブレンドした層を内部層とした以外は実施例1と同様の方法で、フィルム厚み8μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表1に示す通りで、良好なものであった。
実施例9
密度0.900g/cm、MIが1.0g/10分の特性を有する直鎖状低密度ポリエチレンと実施例4で得られたスクラップを配合比50:50でブレンドした層を内部層とした以外は実施例1と同様の方法で、フィルム厚み8μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、良好なものであった。
比較例1
表2に示すように、縦横それぞれ5.0×5.0倍に延伸した以外は実施例1と同様の方法で積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表2に示すように、延伸倍率が縦横等倍率であったため、縦方向の引裂強度が劣り、高速包装時の耐針孔破れ性が劣った。
比較例2
表2に示すように、縦横それぞれ6.0×6.0倍に延伸した以外は実施例1と同様の方法で積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表2に示すように、延伸倍率が縦横等倍率であったため、縦方向の引裂強度が劣り、高速包装時の耐針孔破れ性が劣った。
比較例3
表2に示すように、縦横それぞれ6.0×6.0倍に延伸した以外は実施例4と同様の方法で積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表2に示すように、延伸倍率が縦横等倍率であったため、縦方向の引裂強度が劣り、高速包装時の耐針孔破れ性が劣った。
比較例4
表2に示すように、厚み比を1/10/1、縦横それぞれ5.0×5.0倍に延伸した以外は実施例1と同様の方法で積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表2に示すように、内部層のメタロセンPPの厚みが80%を越え、表面層の厚みが1μm以下であるため、耐熱性が劣り美麗な仕上がりが得られるトンネル範囲が狭かった。また、延伸倍率が縦横等倍率であったため、縦方向の引裂強度が劣り、高速包装時の耐針孔破れ性が劣った。
比較例5
表2に示すように、フィルム厚みを13.5μmにした以外は比較例5と同様の方法で積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表2に示すように、内部層のメタロセンPPの厚みが80%を越え、耐熱性が劣り、フィルム厚みが11μmを越えるため美麗な仕上がりが得られるトンネル範囲が狭かった。また、厚みが11μmを越えるため、高速包装時の針孔破れは特に見られなかった。
比較例6
表2に示すように、融解ピーク温度が140℃、MFRが2.3g/10分の特性を有するプロピレン系樹脂と融解ピーク温度が115℃、MFRが2.0g/10分の特性を有するメタロセンPPを配合比65:35でブレンドした層を両表面層とし、融解ピーク温度が115℃、MFRが2.0g/10分の特性を有するメタロセンPPを内部層として、厚み比が1/8/1になるように各押出機の押出量を設定し、フィルム厚みを8μm、縦横それぞれ4.5×4.5倍に延伸した以外は実施例1と同様の方法で積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表2に示すように、表面層のメタロセンPPの配合量が30%を越え、内部層のメタロセンPPの厚みが80%を越えるため耐熱性が劣り美麗な仕上がりが得られるトンネル範囲が狭かった。また、延伸倍率が縦横等倍率であったため、引裂強度が劣り、高速包装時の耐針孔破れ性が劣った。
Figure 0005545627
Figure 0005545627
本発明の熱収縮性包装材料は、厚みは6〜11μと薄いにもかかわらず、高引張弾性率、高熱収縮率、高引裂強度、及び経時収縮が小さい等の特性バランスが優れ、高速自動包装や印刷に好適に用いられるポリオレフィン系薄膜多層シュリンクフィルムとして好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. プロピレン系樹脂を含む両表面層と、メタロセン触媒によって重合された結晶性プロピレン樹脂(以下、「メタロセンPP」と記す)又は、エチレン系樹脂を含む内部層を有する少なくとも3層以上の多層構成を延伸倍率が縦倍率より横倍率が大きく面積延伸倍率が20倍以上の延伸条件で二軸延伸加工し、下記(a)〜()をすべて満足するポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
    (a)厚みが6〜11μの範囲である。
    (b)引張弾性率が0.8GPa以上である。
    (c)120℃での熱収縮率が35%以上である。
    (d)40℃雰囲気中で7日間保管後の収縮率が4%以下である。
    (e)引裂強度が30mN以上である。
  2. 二軸延伸加工が、チューブラー延伸方法であり、縦延伸倍率が4.0〜5.5倍、横延伸倍率が5.5〜7.0倍である事を特徴とする請求項1記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
  3. (a)の厚みが7〜9μの範囲である事を特徴とする請求項1又は2記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
  4. 両表面層が、メタロセンPPを10〜30重量%含むプロピレン系樹脂からなる事を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
  5. メタロセンPPが、示差走査熱量計によって測定される融解ピーク温度が110〜130℃であり、メルトフローレート(測定温度230℃、荷重2.16kgf)が1.0〜10.0g/10分である事を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
  6. 内部層の厚みが全体の60〜80%であり、両表面層が各々1μm以上である事を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項にポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
  7. (d)の40℃雰囲気中で7日間保管後の収縮率が1.7%以下である事を特徴とする請求項1〜6のいずれか一項にのポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
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