JP7257193B2 - ピロー包装体 - Google Patents
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Description
具体的には、ピロー包装体は、例えば、図1に示すように連続的に内容物を包装して形成することができる。すなわち、内容物を保持したトレー1を、原反フィルム2を用いて、トレー1に対して内容物側から被せ、原反フィルム2の端部21同士(ピロー包装体の進行方向に直交する方向の両側の端部21)をトレー1の裏面側で重ね合わせつつヒートシールしてセンターシール部CSを形成させる。次いで、筒状になったフィルムを、トレー1の前方側(ピロー包装体の進行方向の前方側)の位置でヒートシールするとともに切断する。これにより、当該包装体についての前方側(ピロー包装体の進行方向の前方側)のトップシール部TSと、当該包装体の1つ先に形成された包装体についての後方側(ピロー包装体の進行方向の後方側)のトップシール部TSを一緒に形成する。また、同時に、トップシール部TSの中間で切断されて先の包装体を切り離す。続けて、前方側のトップシール部TSが形成された包装体は、後方側のトップシール部TSを形成することで、熱収縮工程前のピロー包装体4が製造される(当該包装体の後方の包装体についての前方側のトップシール部TSも形成される)。なお、フィルム2にセンターシール部CSやトップシール部TSを形成する際に不活性ガス等のガスを内部に注入することでガスを封入する。次いで、熱収縮工程前のピロー包装体4を、所定の温度に加熱されたシュリンクトンネル5を通過させることで、熱収縮させて、ピロー包装体6を得ることができる。
このようにしてピロー包装体が製造されるが、従来のピロー包装体では、ピロー包装体のトップシール部においてピンホールが存在することがあり、それにより内封したガスがリークすることがあった。
すなわち、本発明は以下の通りである。
前記フィルムのセンターシール部とトップシール部とが重なる部分における厚さt1(μm)の、トップシール部における厚さt2(μm)に対する比(t1/t2)が、3.0未満であり、
前記フィルムの引張弾性率が200~449MPaである、
ことを特徴とする、ピロー包装体。
[2]前記フィルムの酸素透過度が50~500cc/m2・day・MPaである、上記[1]のピロー包装体。
[3]前記フィルムの動摩擦係数が0.01~0.65である、上記[1]又は[2]のピロー包装体。
具体的には、ピロー包装体は、トレー上に例えば生鮮食品等の内容物が載置され、収縮した後のフィルムによって張力が張った状態で覆われており、そのトレーへのフィルムの包装態様がピロー式となっている。また、ピロー包装体は、内容物の鮮度維持又は購買促進のために、その内部の雰囲気が不活性ガス(例えば二酸化炭素等)や酸素ガスで置換されている。
本実施形態において、フィルム7は、図2に示すように、トレー1と内容物等を覆うフィルム本体部71と、センターシール部CSと1対のトップシール部TSとを有しており、センターシール部CSの延在方向と交差するように(図示の例では略直交するように)トップシール部TSが、センターシール部CSの一部(図示の例では両端)と重なるように位置している。なお、センターシール部CS及びトップシール部TSは、フィルム7が重なって形成され、すなわち、2層構造となっている。また、センターシール部CS及びトップシール部TSは、フィルム7のうちヒートシールして形成された溶着部分を含むが、例えば、フィルム7の端部よりも若干内側でヒートシールされたとき(フィルム7の端部がヒートシールされていないとき)には、センターシール部CS及びトップシール部TSは、当該ヒートシールして形成された溶着部分だけでなく、ヒートシールされなかったフィルム7の端部も含む部分である。
なお、フィルム7のセンターシール部CS側の端部(センターシール部CSの延在方向に直交する方向に位置する1対の端部のうち、フィルム本体部分71と連結するセンターシール部CSの端部とは逆側の端部)は、フィルム本体部71との接着を形成せずに、フィルム本体部71の表面に沿うように位置している。
ここで、厚さt1、t2の測定は、まずピロー包装体のフィルム7をセンターシール部CSの中間の位置でセンターシール部CSの延在方向に直交する方向に切断して、マイクロスコープを用いて行う。そして、厚さt1は、センターシール部CSとトップシール部TSとが重なる部分OSの1対(センターシール部CSの熱溶着部分とトップシール部TSの熱溶着部分)をそれぞれ1箇所測定し、その算術平均とする。また、厚さt2は、トップシール部TSの延在方向に沿って、トップシール部TS(トップシール部TSの熱溶着部分)の両端、中間部分の3箇所をそれぞれ1対のトップシール部について測り、その算術平均とする。
なお、当該厚さt1の厚さt2に対する比は、好ましくは、2.9以下であり、より好ましくは2.6以下である。また、当該比の下限値は特に限定されないが、フィルム7の積層により1.1以上とすることができる。
なお、センターシール部CSとトップシール部TSとが重なる部分OSにおけるセンターシール部CSの幅は、1対の部分OSにおける幅の算術平均であり、1つの部分OSについて幅は、センターシール部CSの延在方向に直交する方向に沿って測った長さのうち最大の長さである。また、トップシール部TSの幅は、延在方向に直交する方向に沿って測った長さであり、任意の5箇所の幅の算術平均値である。
なお、フィルムについて外表面、内表面とは、ピロー包装体の状態(トレーをフィルムが覆った状態)で、ピロー包装体の外部側に位置するフィルムの表面を「外表面」とし、ピロー包装体の内部側(内容物が収容される側)に位置するフィルムの表面を「内表面」とする。
本実施形態のフィルムのバリア層は、ガスバリア性を有していればそれを構成する樹脂としては特に限定されず、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)、ポリアミド系樹脂(PA)、ポリビニルアルコール共重合体(PVA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等を含有することが好ましく、より好ましくはエチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物を含有する。これにより、フィルムのガスバリア性を向上させることができる。
本実施形態において、好適なエチレン含有量は30mol%以上かつ40mol%以下であり、31mol%以上かつ39mol%以下であることがより好適であり、32mol%以上かつ38mol%以下であることがさらに好適である。エチレン含有量が前記の範囲であると、原反フィルムが延伸性とガスバリア性に優れたものになり、効率よくピロー包装体を得ることができる。
本実施形態において、基材層は、フィルムに耐熱性を付与する層であり、好適にはフィルムの最外層(ピロー包装体の状態でのフィルムの外表面側の最外層)に位置する。
また、融点160℃以下の熱可塑性樹脂を含むことが好ましく、ポリプロピレン系樹脂を含有することがより好ましい。これにより、原反フィルムに熱収縮性を付与し、ピロー包装体を効率よく得ることができる。
前記基材層の内、好適にはポリプロピレン系樹脂を50質量%以上の割合で含有し、より好適には60質量%以上の割合で、さらに好適には70質量%以上の割合で含有する。
本実施形態において、ヒートシール層は、フィルムにヒートシール性を付与する層であり、好適にはフィルムの最外層(ピロー包装体の状態でのフィルムの内表面側の最外層)に位置する。
ヒートシール層を構成する樹脂は、特に限定されないがポリエチレン系樹脂を含有することが好ましい。ポリエチレン系樹脂としては、ポリエチレン、エチレン-α-オレフィン共重合体等が挙げられる。
また、上記エチレン-α-オレフィン共重合体としては、エチレンと、プロピレンコモノマー、ブテンコモノマー、ヘキセンコモノマー及びオクテンコモノマーから選ばれる少なくとも1種類のコモノマーとの共重合体が、一般に入手が容易であり、好適に使用できる。
本実施形態において、フィルムは接着層を例えば上記の基材層、バリア層、及びヒートシール層の間に設けることができる。接着層としては、公知の接着性樹脂を含有する樹脂組成物から形成することができる。
また、層構成の例としては、基材層/変性ポリプロピレン/EVOH/変性ポリプロピレン/ヒートシール層、基材層/変性ポリプロピレン/PVA/変性ポリプロピレン/ヒートシール層、基材層/変性ポリプロピレン/PA/変性ポリプロピレン/ヒートシール層、基材層/EVA/PVDC/EVA/ヒートシール層、基材層/EVA/PET/EVA/ヒートシール層、基材層/EVOH/変性ポリエチレン/ヒートシール層、基材層/変性ポリエチレン/PA/変性ポリプロピレン/ヒートシール層等が挙げられ、この他にも上記樹脂を接着性樹脂やバリア性樹脂を順次積層して6層以上としてもよく、本発明の目的を損なわない範囲であれば、ポリメチルペンテン、ポリウレタン系樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリ乳酸等を積層してもよい。
本実施形態において、ピロー包装体のフィルムの引張弾性率は、100~600MPaであることが好ましく、より好ましくは、120~580MPaであり、さらに好ましくは、160~550MPaである。フィルムの引張弾性率が100MPa以上であることにより、ピロー包装体を製造する工程のうち、原反フィルムを熱収縮させる工程において、当該収縮に十分に耐え得、具体的には、各シール部とフィルム中のフィルム本体部とが接続する部分において、当該熱収縮時に応力が集中しやすいが、応力が集中してもフィルムが裂ける等することがない。また、フィルムの引張弾性率が600MPa以下であることにより、皺の発生を抑制し、美麗な包装体を得ることができる他、包装体を積み重ねて運搬する際、包装体同士が接触することによる包装体の傷つきを抑制することができる。
なお、フィルムの引張弾性率は、原反フィルムの厚みや構成する樹脂の種類を調整することにより上記の範囲にすることができる。また、フィルムの引張弾性率は、原反フィルムの引張弾性率を指し、具体的には、後述する実施例で説明する方法により測定することができる。
なお、酸素透過度は、原反フィルムのバリア層の樹脂の種類及び厚みを調整することにより上記の範囲にすることができる。また、フィルムの酸素透過度はASTM D-3985に準拠して測定することができる。
また、フィルムの酸素透過度は、フィルムのシール部以外のフィルム本体部の酸素透過度を指し、フィルムの酸素透過度は、後述する実施例で説明する方法により測定することができる。
動摩擦係数を0.01以上にすることにより、製造過程において適度な摩擦力を発生させることができるのでピロー包装体を効率よく製造することができる。また、動摩擦係数を0.65以下にすることにより、厚さt1の厚さt2に対する比をより好適に満たしやすくすることができる。具体的には、製造過程において過度な摩擦力が発生すると、原反フィルムをシールする際にシール部にシワが発生し、当該厚さの比を大きくする恐れがあるものの、動摩擦係数を0.40以下にすることによりそれを避けることができる。
なお、フィルムの動摩擦係数は、食品等の内容物と接触する側の原反フィルムの表面の動摩擦係数を指し、動摩擦係数は、JIS K7125に準拠して測定することができ、より具体的には、後述する実施例で説明する方法により測定することができる。
なお、フィルムの厚さは、ピロー包装体のフィルムのフィルム本体部を切り出して、任意のシール部分を除いた5箇所を測定し、その値の算術平均値である。
本実施形態において、トレーは、特に限定されなく、通常、生鮮食品等の内容物を保持するために用いることができるトレーを使用することができる。具体的には、例えば、ポリスチレン系樹脂等からなる発泡トレー、ポリプロピレン系樹脂等からなる透明トレー、パルプモールドトレー、紙トレー等が挙げられる。また、トレーの寸法や形状等についても、特に限定されなく、任意のものを用いることができる。
本実施形態において、ピロー包装体は、特に限定されないが、例えば次のような方法により連続的に製造することができる。
本実施形態のピロー包装体6の製造方法では、まず、内容物(図示せず)を保持したトレー1に対して、原反フィルム2を内容物側から被せ、原反フィルム2の端部21同士(ピロー包装体の進行方向に直交する方向の両側の端部21)を、トレー1の裏面側で、製造装置3のローラー31で重ね合わせつつヒートシールしてセンターシール部CSを形成する。なお、この際、ピロー包装体の進行方向に直交する方向から観たとき、内容物を保持したトレー1に対して、原反フィルム2の余剰が少なくなるようにすることが、厚さt1の厚さt2に対する比をより小さくすることに効果的である。すなわち、ピロー包装体において、トレー1の周長と、センターシール部CSが形成された原反フィルム2において、センターシール部CSの延在方向に直交する方向に、原反フィルム2の筒状部分の外表面に沿って測った長さとの差が、20~80mmであることが好ましい。またより好ましくは25~75mmであり、さらに好ましくは、30~70mmである。トレー1の周長は、トレー1の外表面を、フィルムで覆われた際に形成されるセンターシール部CSの延在方向に直交する方向に沿って測った長さであり、また、トレー1の開口部は開口していないものとして測る。
なお、原反フィルム2にセンターシール部CSやトップシール部TSを形成する際、不活性ガス等のガスを内部に注入することでガスを封入している(注入箇所は図示せず)。
次いで、熱収縮工程前のピロー包装体4を、所定の温度に加熱されたシュリンクトンネルを通過させることで、熱収縮させて、ピロー包装体6を得ることができる。
また、原反フィルムは、100℃における熱収縮率が20~50%であることが好ましく、より好ましくは23~47%であり、さらに好ましくは25~45%である。熱収縮率を20%以上とすることにより、ピロー包装体においてフィルムが適切にトレー及び内容物を包装することができ、熱収縮率を50%以下とすることにより、ピロー包装体のトレーが変形することを抑制することができるとともに、シール部の厚さt1の厚さt2に対する比をより効果的に所定の範囲にしやすくなる。なお、熱収縮率は、後述する実施例で説明する方法により測定することができる。また、当該熱収縮率はフィルム延伸倍率により調整することができる。
なお、原反フィルムの厚さは、任意の原反フィルムの引き出し方向と直交する方向の5箇所を測定し、その値の算術平均値である。
なお、融点は、示差走査熱量測定(DSC)により得られる融解曲線で現れる吸熱反応のピークの頂点における温度である。融解ピークが複数存在する場合は、最も高温側の融解ピーク温度が上記数値範囲内であればよい(すなわち、本明細書中では、最も高温側の融解ピーク温度を融点と見做す)。
なお、ヒートシール層の融点は、後述する実施例で説明する方法により測定することができる。
実施例・比較例におけるピロー包装体、原反フィルムの分析、評価方法を以下の通りである。
JIS-K7121に準拠して、ヒートシール層の樹脂を7mg計量し、下記温度プログラムを用いて、パーキンエルマー社製Diamond DSC(商品名、入力補償DSC:入力補償示差走査式熱量計)により測定した。
(温度プログラム)
段階1:0℃から200℃まで10℃/minで昇温し、200℃で1分保持
段階2:200℃から0℃まで10℃/minで冷却し、0℃で1分保持
段階3:0℃から200℃まで10℃/minで昇温
※ 段階3(2回目加熱)において測定される融解温度を融点(Tm)とした。なお、複数のピークを有するものについては低温側に生じたピークを融点(Tm)とした。
ASTM D-2732に準拠して測定した。10cm角のフィルム試料を自由に収縮する状態で100℃の温度に設定した熱風シュリンクトンネルMODEL MS8441(商品名、K&Uシステム(株)製)に通して、通過後のフィルムの縦と横の収縮量を求め、元の寸法で割った値の百分比で表した。なお中央部の最大風速は4.5m/secで、通過時間は10秒とした。
ASTM-D2838に準拠して測定した。原反フィルムをMD方向/又はTD方向に90mm(測定長さ50mm+チャックつかみ40mm)、TD方向/又はMD方向に10mmの短冊状にサンプリングし(MD方向のサンプルとTD方向のサンプルを作製し)、100℃の温度のオイルバスに浸漬させた場合の浸漬直後、及び3分間浸漬後の最大熱収縮応力を測定した。
原反フィルムの23℃における動摩擦係数をJIS K7125に従って測定した。この動摩擦係数の測定においては、原反フィルム、フィルムの外表面(基材層側の表面)の任意の5箇所で測定しその算術平均値を動摩擦係数とした。
原反フィルムの引張弾性率の測定は、オートグラフAG-IS(島津製作所製)を使用し、23℃、50%RHの雰囲気中にて評価した。
具体的には、原反フィルムの任意の3つの位置において、その位置でのMD方向、TD方向の試験片を得、それぞれの試験片について、ASTM-D-882に記載の方法に準拠し、5mm/minの引張速度、チャック間距離100mmの条件で2%伸長時の荷重からMD方向、TD方向の試験片についての引張弾性率を測定した。そして、それぞれの引張弾性率を平均した値を、その原反フィルムについての引張弾性率とした。
MOCON社製の酸素透過分析装置(OX-TRAN(登録商標2/21SH))を用いて、酸素の条件を65%RH、測定温度を23℃として、フィルムのシール部以外のフィルム本体部の酸素透過率を測定し、測定開始3時間経過後の酸素透過率の値により酸素バリア性の評価を行った。
厚さt1、t2はデジタルマイクロスコープ(キーエンス社製、VHX-6000)を用いて測定した。具体性には、センターシール部とトップシール部とが重なる部分の1対をそれぞれ1箇所測定し、その算術平均した値を厚さt1とした。また、トップシール部の延在方向に沿って、トップシール部の両端、中間部分の3箇所をそれぞれ1対のトップシール部について測り、その算術平均した値を厚さt2とした。
ピロー包装体について、センターシール部の中央の位置において、センターシール部の延在方向に直交する方向にトレーの外表面に沿って測った長さをトレー周長(mm)とした(トレーの開口部は開口していないものとして測った)。また、ピロー包装体の製造において、原反フィルムにセンターシール部を形成した際、原反フィルムが筒状となる部分を、センターシール部の延在方向に直交する方向に原反フィルムの外表面に沿って測った長さを、原反フィルム筒状部の周長(mm)とした。そして、得られた値から原反フィルム筒状部の周長とトレー周長との差(mm)を求めた。
3個のピロー包装体について、ピロー包装体のセンターシール部とトップシール部が重なる1対の部分に形成された皺の本数を数え、ピロー包装体1個あたりの皺の本数を皺の本数とした。
100個のピロー包装体について、包装体から、フィルムのシール線(溶着部分)を破壊しないようにフィルム本体部を切ってフィルムを得、センターシール部とトップシール部それぞれに、着色した浸透液(イチネンケミカル製、ヒートシールチェッカー)を塗布し、シール線を横断するような線状の着色が見られたものをリークとし、そのリークが見られた包装体を百分率で示し、リーク率とした。
ピロー包装体について、トレーの歪みを目視で確認し、変形の見られたものをトレー変形とした。
<基材層>
・PP:エチレン-プロピレン共重合体、MFR5.3g/10min(230℃)、融点150℃
・PA:ポリアミド-6,66共重合体、MFR2.6g/10min(230℃)、融点195℃
<バリア層>
・EVOH:エチレン-ビニルアルコール共重合体、MFR4.0g/10min(190℃)、エチレン含量38mol%、融点160℃
・PVDC:塩化ビニリデン-アクリル酸メチル共重合体、95/5質量%、融点166℃
<ヒートシール層>
・LLDPE-1:エチレン-α-オレフィン共重合体、密度0.904g/cm3、MFR2.0g/10min(190℃)、融点111℃
・LLDPE-2:エチレン-α-オレフィン共重合体、密度0.902g/cm3、MFR3.0g/10min(190℃)、融点99℃
・防曇剤:ポリオキシエチレンアルキルエーテル25質量%、ジグリセリンオレート25質量%、ジグリセリンラウレート25質量%、グリセリンモノオレート25質量%の混合物
<接着層>
・変性ポリプロピレン、MFR7.7g/10min(190℃)、融点140℃
<製造例1>
表1に示す構成の樹脂を用いて、5台の押出機を使用し、環状ダイスより5層構成のチューブを溶融押出し、そのチューブを水冷リングを用いて急冷し、約560μm厚みの未延伸チューブを得た。なお、基材層及びヒートシール層を形成する樹脂は、予め防曇剤を5.0質量%添加したものを使用した。
得られた未延伸チューブをインフラヒーターにより輻射により未延伸チューブを加熱しバブル形成の直前(バブルネック部)における温度が最高温度になるように調整し、その温度(これを延伸温度とする。)を100℃まで加熱しつつ、管状パリソン内に空気を注入しバブルを形成させタテ方向5倍、ヨコ方向に4.5倍に延伸し、エアリングからバブルに冷却風をあてて冷却した。その後、延伸したフィルムを折りたたんだ後、所定の幅にスリットし表1記載の厚みの原反フィルムF1を得た。
得られた原反フィルムについて、上記の測定方法に基づき各物性を測定し、その結果を表1に示す。
ヒートシール層をエチレン-α-オレフィン共重合体、密度0.902g/cm3、MFR3.0g/10min(190℃)、融点99℃とした以外、製造例1と同様に製造し、原反フィルムF2を得た。得られた原反フィルムについて、上記の測定方法に基づき各物性を測定し、その結果を表1に示す。
基材層及びヒートシール層へ添加する防曇剤の添加量を2質量%とした以外、製造例1と同様に製造し、原反フィルムF3を得た。得られた原反フィルムについて、上記の測定方法に基づき各物性を測定し、その結果を表1に示す。
延伸倍率をタテ方向6倍、ヨコ方向5.5倍とした以外、製造例1と同様に製造し、原反フィルムF4を得た。得られた原反フィルムについて、上記の測定方法に基づき各物性を測定し、その結果を表1に示す。
未延伸チューブの厚みを約400μmとした以外、製造例1と同様に製造し、原反フィルムF5を得た。得られた原反フィルムについて、上記の測定方法に基づき各物性を測定し、その結果を表1に示す。
未延伸チューブの厚みを約630μmとした以外、製造例1と同様に製造し、原反フィルムF6を得た。得られた原反フィルムについて、上記の測定方法に基づき各物性を測定し、その結果を表1に示す。
基材層をポリアミド-6,66共重合体、バリア層を塩化ビニリデン-アクリル酸メチル共重合体とするとともに、各層の溶融押出量を調整して表1に示す構成にした以外、製造例1と同様に製造し、原反フィルムF7を得た。得られた原反フィルムについて、上記の測定方法に基づき各物性を測定し、その結果を表1に示す。
溶融押出量を調整して表1に示すフィルム構成にした以外、製造例7と同様に製造し、原反フィルムF8を得た。得られた原反フィルムについて、上記の測定方法に基づき各物性を測定し、その結果を表1に示す。
<実施例1~14、比較例1~8>
ピロー包装体を次の方法で、表2に示す条件で連続的に製造した。まず、内容物(100gの粘土)を保持したトレー(寸法:縦195mm、横130mm、高さ30mm、周長280mm、材料:ポリスチレン製)に対して、上記の製造例で製造した原反フィルムを内容物側から被せ、原反フィルムの端部同士を、トレーの裏面側で重ね合わせつつ135℃でヒートシールしてセンターシール部を形成した。
次いで、筒状になった原反フィルムを、トレーの前方側の位置で、カッター付きのシーラーで表に示す温度でヒートシールするとともに切断した。
続けて、前方側のトップシール部が形成された包装体を、当該包装体の後方の包装体についての前方側のトップシール部と一緒に後方側のトップシール部を形成し、且つ、原反フィルムを切断して、熱収縮工程前のピロー包装体を製造した。
なお、原反フィルムにセンターシール部やトップシール部を形成する際、窒素ガスを内部に注入することでガスを封入した。
次いで、熱収縮工程前のピロー包装体を、温度120℃に加熱したシュリンクトンネルを通過させることで、熱収縮させて、ピロー包装体を得た。
2:原反フィルム
21:原反フィルムの端部
3:製造装置
31:ローラー
32:シーラー
4:熱収縮工程前のピロー包装体
5:シュリンクトンネル
6:ピロー包装体
7:フィルム
71:フィルム本体部
CS:センターシール部
TS:トップシール部
OS:センターシール部とトップシール部とが重なる部分
Claims (3)
- トレーと、当該トレーを包装する、バリア層を有するフィルムとを備えるピロー包装体であって、
前記フィルムのセンターシール部とトップシール部とが重なる部分における厚さt1(μm)の、トップシール部における厚さt2(μm)に対する比(t1/t2)が、3.0未満であり、
前記フィルムの引張弾性率が200~449MPaである、
ことを特徴とする、ピロー包装体。 - 前記フィルムの酸素透過度が50~500cc/m2・day・MPaである、請求項1に記載のピロー包装体。
- 前記フィルムの動摩擦係数が0.01~0.65である、請求項1又は2に記載のピロー包装体。
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