JP2021010738A - 折り畳み式椅子のための可撓性のある背もたれ、及び、当該背もたれを備えた折り畳み式椅子 - Google Patents

Abstract

【課題】使用時の湾曲された位置と、延伸された格納位置とをとることができる折り畳み式椅子のための快適さを具備する支持面を有する背もたれを提供する。【解決手段】折り畳み式椅子のための可撓性のある背もたれであって、使用時の湾曲された構成、および、延伸された格納構成をとることができる可撓性のある背もたれパネル２６を備え、上記背もたれパネル２６が、水平面断面において凹形状を有し、垂直面断面において凸形状を含む支持面３０を有し、上記背もたれパネル２６が、複数の垂直スラット３４を形成する複数の垂直貫通スリット３２を有する。【選択図】図１

Description

本発明は、折り畳み式椅子のための可撓性のある背もたれに関する。別の態様において、本発明は、また、そのような可撓性のある背もたれを備えた折り畳み式椅子に関する。

概して、折り畳み式椅子は、寸法が小さな背もたれを有する。ユーザにより大きな快適を提供すべく、折り畳み式椅子の背もたれの高さを増大すること、特に、腰領域に対するサポートを提供することは望ましいであろう。

しかしながら、背もたれの高さを増大させることは、しばしば可能ではない。なぜなら、より大きな寸法の背もたれを有すると、格納形態において、背もたれが少なくとも部分的に座部に重なり、このことが格納形態での椅子の容積を増大するからである。

同一の出願人による欧州特許公開公報３１８９７５１Ａには、可撓性のある背もたれパネルと、背もたれパネルの反対側の側端と係合する２つの背もたれ支持と、を備える折り畳み式椅子が記載されている。２つの背もたれ支持は、使用時の位置に対応する近接位置と、格納位置に対応する間隔が離された位置との間で横方向に移動可能である。

背もたれ支持の横方向の動きは、使用時のアーチ状位置と格納時の延伸された位置との間で、背もたれパネルの湾曲を修正する。この解決策は、使用状態において幅が広くかつ快適な背もたれを提供しつつ、格納形態において小さな寸法を有するという点で、非常に有益であることが判明した。

この解決策の限界の１つは、延伸された格納位置と使用時のアーチ状位置との間の背もたれパネルの変形を行うためには、背もたれ支持面が単一の湾曲を有さなければならないことである。特に、湾曲された構成および延伸された位置をとることが可能な背もたれを有するべく、ユーザの腰領域に解剖学的に形成された腰サポート部を背もたれに提供することは不可能である。実際には、有効な腰サポートを背もたれパネルに形成するためには、凸状領域、つまり、背もたれの残りの部分の湾曲に対して正反対の湾曲を、設ける必要があるであろう。異なる湾曲を有する領域を備えた背もたれパネルは、実質的には変形可能ではなく、使用時の湾曲された位置および格納時の延伸された位置をとることはできないであろう。

本発明は、使用時の湾曲された位置と、延伸された格納位置とをとることができる折り畳み式椅子のための背もたれを提供することを目的とし、背もたれは、改良された快適さを具備する支持面を有する。

本発明によると、この目的は、請求項１の主題を形成する特徴を有する可撓性のある背もたれにより達成される。

別の態様において本発明は、請求項５の主題を形成する特徴を有する折り畳み式椅子に関する。請求項は、本発明に関して本明細書で提供される開示の一体的な部分を形成する。

本発明は、ここで、非限定的な例として単に与えられた添付の図面を参照して詳細に説明される。
使用形態での折り畳み式椅子の斜視図である。 格納位置における、図１の折り畳み式椅子の斜視図である。 図１のIII−III線に従った部分的に断面化された斜視図である。 図２のIV−IV線に従った部分的に断面化された斜視図である。 図３の矢印Vに従った平面図である。 図４の矢印VIに従った平面図である。 図１のVII−VII線に沿った断面図である。

図１及び図２を参照すると、符号１０は、図１に示される使用形態と、図２に示される格納形態とをとることのできる折り畳み式椅子を示す。椅子１０は、座部１２、背もたれ１４、及び、折り座部１２と背もたれ１４とを支える折り畳み式フレーム１６を備える。

可能な実施形態において、折り畳み式フレーム１６は、横断要素２０によって一緒に接合される一対の前脚１８と、横断軸Ａの回りで横断要素２０に関節連結される一対の後脚２２とを有する。前脚１８は、関節連結軸Ａの上に延びるそれぞれの上方部１８´を有する。前脚１８の上方部１８´は、それぞれの背もたれ支持２４を支える。

背もたれ１４は、それぞれの背もたれ支持２４と係合する２つの側端を含む、可撓性のある背もたれパネル２６を有する。背もたれパネル２６は、弾性的に変形可能なプラスチック材料、例えばナイロンで作られてよい。背もたれパネル２６は、それぞれの背もたれ支持２４が挿入される管形状の側端を有してよい。

背もたれ支持２４は、前脚１８の上方部１８´に対して、使用時の近接位置と、間隔が離された格納形態との間を移動可能である。使用形態（図１）において、背もたれ支持２４の間の距離はＤ１に等しい。格納形態（図２）において、背もたれ支持２４の間の距離はＤ２に等しく、これは距離Ｄ１より大きい。従って、可撓性のある背もたれパネル２６は、椅子が使用形態から格納形態へ変化するとき、横方向に引き伸ばされる。その結果、可撓性のある背もたれパネル２６は、使用形態における湾曲された構成を通過して格納形態における延伸された構成となる。

可能な実施形態において、背もたれ支持２４は前脚１８の上方部１８´に対して偏心してよく、かつ、上方部１８´の軸の回りを回転可能であってよく、図１の近接位置から図２の間隔が離された位置へ移動する。

可能な実施形態において、座部１２は、横断軸の回りで関節連結される態様で座部１２をフレーム１６へ接続する一対のジョイント２８によって、前脚１８の上方部１８´に接続されてよく、その結果、座部１２は、使用時の下降位置と格納時の上昇位置との間を移動可能である。可能な実施形態において、伝達機構はジョイント２８の内側に収容されることができ、下降位置と上昇位置との間の座部１２の旋回、またはその逆の旋回に従って、背もたれ支持２４の近接位置と間隔が離された位置との間の動き、またはその逆の動きを制御する。座部の位置に従って背もたれ支持２４の動きを制御する伝達機構は、同一の出願人による欧州特許公開公報３１８９７５１Ａに説明されているように作られ得る。

背もたれパネル２６は支持面３０を有し、使用中には、それに対してユーザの背中を休める。使用形態において、解剖学的にユーザの背中に適合すべく、支持面３０は、水平面断面において凹形状を有してよく、かつ、垂直面断面において凸形状を有してよい。特に支持面３０は、腰サポートを形成すべく、背もたれパネル２６の下方部に凸形状を有してよい。

２つの正反対の湾曲（水平面で凹状湾曲、垂直面で凸状湾曲）を有する支持面３０は、使用時の湾曲された構成と延伸された格納構成との間の背もたれパネル２６の変形を許容しない。使用時の位置と格納位置との間で、またはその逆で背もたれパネル２６の変形を許容すべく、背もたれパネル２６は、互いに平行であって、背もたれパネル２６の高さの相当な部分に対して延びる複数の垂直貫通スリット３２を有する。貫通スリット３２は、背もたれパネル２６の支持面３０を、互いに平行な複数の垂直スラット３４へとさらに分割する。複数の垂直スラット３４は、垂直面において凸形状を有する前面をそれぞれ有する。

垂直スラット３４は、垂直スリット３２の故に、互いに対して、実質的に自由に変形する。従って、背もたれパネル２６は、図１、図３，図５に示される使用時の湾曲された構成と、図２、図４、図６に示される延伸された格納構成との間を自由に変形する。

支持面３０の垂直面における正反対の湾曲は、図５および図７の断面図を参照することで理解できる。水平面断面を示す図５は、支持面３０が、凹状であって、その中心が背もたれパネル２６の前方に位置する湾曲Ｒ１を有すること、を示す。垂直面断面を示す図７は、同一の支持面３０が、凸状であって、その中心が背もたれパネル２６の後方に位置する湾曲Ｒ２を有することを示す。

前述した特徴の故に、背もたれ１４は、背もたれパネル２６に腰サポートのための凸状領域を提供する可能性によって、改良された快適性を提供し、その一方で、使用時の湾曲された位置と延伸された格納位置とをとるために必要な可撓性を維持することができる。

本発明の原理を損なうことなく、構造の詳細および実施形態が、説明され図示された内容に対して、これにより以下の請求項により定義される本発明の範囲から逸脱することなく、広く変更できるのは勿論である。

Claims (8)

1. 使用時の湾曲された構成、および、延伸された格納構成をとることができる可撓性のある背もたれパネルを備え、
   前記背もたれパネルが、水平面断面において凹形状を有し、垂直面断面において凸形状を有する支持面を有し、
   前記背もたれパネルが、複数の垂直スラットを形成する複数の垂直貫通スリットを有する、
   折り畳み式椅子のための可撓性のある背もたれ。
2. 前記使用時の構成において、水平面断面における前記支持面は、
   その中心が前記背もたれパネルの前方に位置する第１半径を有する湾曲と、
   垂直面断面における前記支持面が、その中心が前記背もたれパネルの後方に位置する、第２の湾曲と、
   を有する、請求項１に記載の背もたれ。
3. 前記複数の垂直スラットは、それぞれの凸状の前面を有する、請求項１または２に記載の背もたれ。
4. 前記背もたれパネルは、それぞれの背もたれ支持が挿入される２つの管状側部を有する、請求項１から３の何れか一項に記載の背もたれ。
5. 一対の前脚と、横断軸の回りで互いに関節連結された一対の後脚とを有するフレーム、
   下降位置と上昇位置との間を前記フレームに対して相対的に移動可能な座部、
   近接位置と、間隔が離された位置との間を移動可能な一対の背もたれ支持、および、
   前記背もたれ支持に固定された背もたれパネルを有する、請求項１から４のうちの１つまたは複数の請求項に記載の背もたれ、
   を備える、折り畳み式椅子。
6. 前記前脚は、前記横断軸の上に延び、それぞれの背もたれ支持を支える、それぞれの上方部を有する、請求項５に記載の椅子。
7. 前記背もたれ支持は、前記前脚のそれぞれの前記上方部に対して偏心し、近接位置および間隔が離された位置の間を、それぞれの軸の回りに回転可能である、請求項６に記載の椅子。
8. 前記座部は一対のジョイントによって前記フレームに接続され、
   前記ジョイントはそれぞれの伝達機構に接続され、当該伝達機構は、前記座部の前記下降位置から前記上昇位置への動き、またはその逆の動きに従って、前記背もたれ支持の前記近接位置と前記間隔が離された位置との間の動きを制御する、請求項７に記載の椅子。