JP2020535180A - 抗igf、抗pf−1の抗がん組み合わせ治療 - Google Patents

抗igf、抗pf−1の抗がん組み合わせ治療 Download PDF

Info

Publication number
JP2020535180A
JP2020535180A JP2020517814A JP2020517814A JP2020535180A JP 2020535180 A JP2020535180 A JP 2020535180A JP 2020517814 A JP2020517814 A JP 2020517814A JP 2020517814 A JP2020517814 A JP 2020517814A JP 2020535180 A JP2020535180 A JP 2020535180A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
seq
antibody
cancer
igf
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020517814A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020535180A5 (ja
Inventor
ウルリケ ワイヤー−チェルニロフスキー
ウルリケ ワイヤー−チェルニロフスキー
マルクス レシュケ
マルクス レシュケ
Original Assignee
ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング, ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング filed Critical ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
Publication of JP2020535180A publication Critical patent/JP2020535180A/ja
Publication of JP2020535180A5 publication Critical patent/JP2020535180A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/22Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against growth factors ; against growth regulators
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/395Antibodies; Immunoglobulins; Immune serum, e.g. antilymphocytic serum
    • A61K39/39533Antibodies; Immunoglobulins; Immune serum, e.g. antilymphocytic serum against materials from animals
    • A61K39/39558Antibodies; Immunoglobulins; Immune serum, e.g. antilymphocytic serum against materials from animals against tumor tissues, cells, antigens
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/28Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • C07K16/2803Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants against the immunoglobulin superfamily
    • C07K16/2818Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants against the immunoglobulin superfamily against CD28 or CD152
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/28Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • C07K16/2803Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants against the immunoglobulin superfamily
    • C07K16/2827Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants against the immunoglobulin superfamily against B7 molecules, e.g. CD80, CD86
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/505Medicinal preparations containing antigens or antibodies comprising antibodies
    • A61K2039/507Comprising a combination of two or more separate antibodies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/50Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments
    • C07K2317/56Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments variable (Fv) region, i.e. VH and/or VL
    • C07K2317/565Complementarity determining region [CDR]
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/70Immunoglobulins specific features characterized by effect upon binding to a cell or to an antigen
    • C07K2317/76Antagonist effect on antigen, e.g. neutralization or inhibition of binding

Abstract

本開示は、がんの処置のための、ある特定の抗IGF抗体分子のPD1アンタゴニストとの組み合わせ使用に関する。本発明は、このような抗IGF抗体分子およびアンタゴニストを含む、医薬組成物およびキットにさらに関する。

Description

本発明は、がんの処置における組み合わせ治療、およびこのような組み合わせ治療における使用のための化合物に関する。組み合わせのための化合物は、インスリン様増殖因子(IGF)アンタゴニストおよびPD−1アンタゴニストである。
多くの異なるがんの種類の発生、進行および転移におけるIGFの役割を示唆する非常に多くの科学的、疫学的および臨床文献がある(Jerome et al., End. Rel. Cancer 10: 561 - 578, 2003;およびPollak et al., Nature Rev. Can. 4: 505-518, 2004によって概説)。
抗受容体モノクローナル抗体(ガニツマブ、シズツムマブおよびダロツズマブを含む)、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI、二重IGF−1RおよびInsRチロシンキナーゼ阻害剤であるBMS−754807、KW2450およびリンシチニブを含む)、および抗IGFリガンド抗体(ドゥシギツマブ=MEDI−573、Astra Zeneca/Med Immune)などのIGF経路を阻害する各種の戦略が利用されている。これらの薬剤は、単独療法として、または細胞毒性剤および/もしくは他の分子標的剤との組み合わせのいずれかで、診療所で試験されている。
ほとんどのがんは、IGF−1受容体を発現するが、リガンド、特に、IGF−2の過剰発現が新生物中で生じる証拠がある。IGF−2は、IGF−1受容体およびインスリン受容体A(InsR−A)への結合によってがん細胞中でその増殖/生存シグナル伝達を働かせることが示されている。IGF−1およびIGF−2の両方に対する中和抗体の主要な利点は、リガンドの隔絶が、IGF−1またはIGF−2による受容体活性化を生じさせないことを確実にし、かつIGF−2によるInsR−Aの活性化の可能性を排除する点である。加えて、IGF−1およびIGF−2遮断抗体は、InsR−Bによるインスリンの代謝シグナル伝達を妨げない。そのため、これは、モノクローナル抗体(mAb)またはTKIによるIGF−1Rの標的化の潜在的な危険性を回避する、さまざまながんの治療可能性を有するバランスのとれたアプローチを提供する。
多くの証拠は、IGFシグナル伝達系が、真正の腫瘍形成ドライバー(変異もしくは変化したEGFR、HER2、ALK、BRAFまたはKRASなど)ではないが、むしろ、確立された治療による処置の際に活性化された抵抗機構であることを示唆する。例えば、IGF軸は、EGFR阻害剤、およびmTORまたはMEKなどの下流経路の分子の阻害剤に対する抵抗性を付与するバイパス経路として関与している。細胞増殖および生存を推進する経路の重複性に関連する、IGF軸および他の受容体チロシンキナーゼ(RTK)シグナル伝達ネットワーク(EGFR、HER2、VEGFR、PGDFR、cMETおよびALKを含む)の間の広範囲に及ぶ相互作用に基づいて、IGF標的化剤と他のRTKおよび下流のエフェクターを組み込む組み合わせが検討されている。前臨床の証拠は、IGFシグナル伝達が化学療法剤または放射線治療が誘発する細胞死から腫瘍細胞を保護し得ることをさらに示し、そのため、IGF軸阻害剤の標準的な細胞毒性剤との組み合わせが検討されている(Ireland et al., Cancer Res. 76(23): 6851-6863, 2016)。
説得力のある前臨床の論拠にもかかわらず、IGF−1R阻害性薬物および化学療法または他の標的治療による組み合わせの治験の結果は、限定的な臨床的利益を示した(Langer et al., J Clin Oncol. 2014;32(19):2059-66;Fuchs et al., Ann Oncol. 2015;26(5):921-7;Sclafani et al., J Natl Cancer Inst. 2015;107(12):djv258;Van Cutsemet al., Clin Cancer Res. 2014;20(16):4240-50)。
がん免疫療法は、免疫系を使用してがんを処置する腫瘍学の分野であり、これは、腫瘍が直接切除されるかまたは処置される既存の一般的な処置の方法とは著しく対照的である。この治療概念は、これらの細胞の免疫機能を阻害するように作用するT細胞の表面上の多くのタンパク質の識別に基づく。これらのタンパク質の中で列挙されるものは、PD−1(プログラム細胞死−1)である。PD1は、T細胞活性の重要な調節因子である。近年、異なるがんの状況の範囲内において、アンタゴニストのPD−1抗体分子を使用して免疫系を刺激し、それによってがんを処置することができることが示されている。
治療アプローチの増加にもかかわらず、依然として、がん患者のための改善された処置の選択肢についての必要性が存在する。治療薬剤の有効性は、他の化合物との組み合わせ治療(特に、腫瘍学)を使用すること、および/または投薬スケジュールを改善することによって、改善することができる。いくつかの治療薬剤を組み合わせる概念がすでに提案されているとしても、かつ各種の組み合わせ治療が研究および臨床試験中であるが、例えば、より良好な処置の結果、有益な効果、優れた有効性、および/または、例えば、組み合わせ処置の副作用の低減などの改善された耐容性などの標準的治療を上回る利点を示す、がん疾患、例えば、固形腫瘍の処置のための新しく有効な治療概念についての必要性が依然として存在する。
したがって、本発明の目的は、改善された治療有効性および適用性のためのがん治療における医薬組成物および方法を提供すること、特に、現在使用されているか、および/または当技術分野において公知の処置/処置の方法と比較して、ある特定の利点を提供する組み合わせ処置/組み合わせ処置の方法を提供することである。これらの利点としては、インビボの有効性(例えば、臨床反応の改善、反応の延長、反応速度の増加、反応の持続時間、疾患安定化の速度、安定化の持続時間、疾患の進行までの時間、無増悪生存期間(PFS)および/または全生存期間(OS)、より遅い抵抗性の発生など)、安全性、ならびに良好な耐容性を示す、投与ならびに有害事象の頻度および重症度の低減を含み得る。
本発明は、インスリン様増殖因子(IGF)アンタゴニスト、好ましくは、抗IGF抗体、最も好ましくは、抗IGF−1−IGF−2抗体と、プログラム細胞死1(PD−1)シグナル伝達経路のアンタゴニスト(PD−1は、T細胞受容体シグナルを負に調節する免疫阻害性タンパク質である)とを一緒に、患者に処置するための方法を提供する。この処置は、腫瘍の増殖の低減、またはさらに腫瘍の縮小をもたらすと予想される。したがって、本発明は、抗IGF抗体(例えば、抗IGF−1−IGF−2抗体)およびPD−1アンタゴニストを含む組み合わせ治療を提供する。
詳細な態様において、本発明は、腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患、特に、がんまたは腫瘍疾患を処置および/または予防する方法であって、処置または予防を必要とする患者に、
a)治療有効量の化合物A、および
b)治療有効量の化合物B
を投与することを含み、
ここで、
・化合物Aが、抗IGF抗体であり、
・化合物Bが、PD−1アンタゴニストである、
方法に関する。
関連する態様において、本発明は、腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患を処置および/または予防する方法におけるそれぞれの使用のための、化合物Aおよび化合物Bであって、前記方法が、化合物Aおよび化合物Bを処置または予防を必要とする患者に投与することを含み、ここで、
・化合物Aが、抗IGF抗体であり、
・化合物Bが、PD−1アンタゴニストである、
化合物Aおよび化合物Bを提供する。
本発明は、腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患を処置および/または予防するための医薬組成物をそれぞれ調製するための、化合物Aおよび化合物Bの使用であって、化合物Aおよび化合物Bが、化合物Aおよび化合物Bの組み合わせ投与を意図するか、または化合物Aおよび化合物Bの組み合わせ投与を提供し、化合物Aおよび化合物Bが上記に定義される通りである、化合物Aおよび化合物Bの使用にさらに関する。
別の態様において、本発明は、
a)化合物A、および
b)化合物B
を含む医薬組成物であって、
ここで、
・化合物Aが、抗IGF抗体であり、
・化合物Bが、PD−1アンタゴニストである、
医薬組成物を開示する。
さらなる態様において、本発明は、
a)化合物Aを含む第1の医薬組成物、および
b)化合物Bを含む第2の医薬組成物
を含むキットであって、化合物Aおよび化合物Bが上記に定義される通りである、キットに関する。
本発明のいくつかの実施形態において、化合物Aは、配列番号40(HCDR1)、配列番号41(HCDR2)および配列番号42(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域、ならびに配列番号43(LCDR1)、配列番号44(LCDR2)および配列番号45(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖決定領域を含む抗IGF抗体分子である。
本発明のいくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗IGF抗体は、配列番号46のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号47のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む抗IGF抗体分子である。
本発明のいくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗IGF抗体は、配列番号48のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号49のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗IGF抗体分子(本明細書において「BI−IGF」と称する)である。本発明のいくつかの実施形態において、化合物Bは、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体である。
本発明のいくつかの実施形態において、抗PD−1抗体は、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ピディリズマブ、PDR−001、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−E、PD1−1、PD1−2、PD1−3、PD1−4およびPD1−5からなる群から選択される。
本発明のいくつかの実施形態において、抗PD−L1抗体は、アテゾリズマブ、アベルマブおよびデュルバルマブからなる群から選択される。
(A)化合物Bによる単一薬剤処置は、71%の中央値TGIで、腫瘍増殖を遅延させた。組み合わせによる処置は、より有効であり、83%のTGIをもたらした。(B)すべての処置レジメンは、著しい体重喪失なく十分に耐容性であった。 本明細書において定義される抗IGF(BI−IGF)抗体の可変ドメインのアミノ酸配列。CDR配列は下線が付されている:(A)VL BI−IGF(配列番号47);(B)VH BI−IGF(配列番号46)。 抗PD1抗体分子(本明細書において定義される抗−PD1抗体である、PD1−1、PD1−2、PD1−3、PD1−4およびPD1−5)の可変ドメインのアミノ酸配列。CDR配列は下線が付されている。(A)VL PD1−1(配列番号20);VL PD1−2;(配列番号22);VL PD1−3(配列番号24);VL PD1−4(配列番号26);VL PD1−5(配列番号28);(B)VH PD1−1(配列番号19);VH PD1−2;(配列番号21);VH PD1−3(配列番号23);VH PD1−4(配列番号25);VH PD1−5(配列番号27)。
本発明は、
・化合物Aが、抗IGF抗体であり、
・化合物Bが、PD−1アンタゴニストである、
化合物Aおよび化合物Bの組み合わせ治療または組み合わせ提供にすべて言及する、方法、使用のための化合物、化合物の使用、医薬組成物およびキットに関する。
本発明者らは、驚くべきことに、化合物Aおよび化合物Bの組み合わせが、化合物Aのみ、または化合物Bのみによる治療と比較して、腫瘍増殖の低減、またはさらに縮小などのがん治療における治療効果をもたらすことが可能であることを見出した。化合物Aおよび化合物Bは、相乗的に一緒に作用し、がんの低減をもたらすことができる。
本発明による化合物Aは、抗IGF抗体、特に、ヒトIGF−1および/またはIGF−2に好ましく結合する抗IGF抗体分子である。
インスリン様増殖因子−1(IGF−1;70アミノ酸ポリペプチド)およびインスリン様増殖因子−2(IGF−2;67アミノ酸ポリペプチド)は、多くの哺乳動物細胞の増殖を強力に刺激することができる、血清中に存在する7.5kDの可溶性因子である(Pollak et al., Nature Rev. Can. 4: 505-518, 2004)。血流への分泌において、IGFは、その標的組織に向かう途中の血清中でタンパク分解からIGFを保護し、かつIGFがIGF受容体と結合するのを妨げる、IGF結合タンパク質(IGFBP)と複合体を形成する。IGFはまた、標的組織それ自身において、自己分泌または傍分泌の様式で分泌されることが知られている。これは、IGFが組織、骨および臓器の成長において重要な役割を果たす正常な胎児発達の間に生じることが知られている。これは、腫瘍細胞および間質細胞の間の傍分泌シグナル伝達であるか、または腫瘍細胞それ自身による自己分泌IGF産生であると考えられる、多くのがん組織においても見られる(LeRoith D et al, Cancer Lett 195(2):127-37, 2003)。
IGF−1およびIGF−2は、機能的に、類似の親和性を有する二量体化したアルファおよびベータサブユニットからなる460kDのヘテロ四量体である、多くの正常組織で発現するIGF−1受容体(IGF−1R)と結合することが可能である(Rubin R et al, Lab Invest 73(3):311-31), 1995)。IGF−2は、IGF−2受容体とも結合することができ、これは、IGF−2がIGF−1Rによる結合およびシグナル伝達を妨げると考えられる。これに関して、IGF−2Rは、腫瘍抑制タンパク質であることが実証されている。IGF−1Rは、構造的にインスリン受容体と類似し、これらは、IR−AおよびIR−Bの2つの形態で存在し、IR−Aの細胞外ドメインの選択的スプライシングされた12アミノ酸のエクソン欠失によって相違する。IR−Bは、代謝におけるインスリンの効果を媒介するために作用する、ほとんどの正常な成人の組織で発現する優勢なIRアイソフォームである。他方で、IR−Aは、発達中の胎児の組織で高度に発現するが、成人の正常組織ではそうではないことが知られている。最近の研究は、IR−BではなくIR−Aが、いくつかのがんにおいて高度に発現することも示している。IR−Aにおけるエクソン欠失は、インスリン結合に影響を与えないが、IR−Bに対するよりもはるかに高い親和性でIGF−2が結合することを可能にする小さな立体構造の変化を引き起こす(Frasca F et al, Mol Cell Biol 19(5):3278-88, 1999;Pandini G et al, J Biol Chem 277(42):39684-95, 2002)。このように、がん組織におけるその発現およびIGF−2結合に対する傾向の増加のために、IR−Aは、がんにおけるIGF−2の有糸***効果の媒介において、IGF−1Rと同じように重要であり得る。
IGFとIGF−1Rの結合は、増殖および生存を刺激するタンパク質の活性化をもたらす複雑な細胞内シグナル伝達カスケードを作動させる(Pollak et al., Nature Rev. Can. 4: 505-518, 2004)。EGFRおよびHER2neu受容体とは違い、受容体の活性化が活性リガンドの存在によって制御されることを示す、がんにおけるIGF−1RまたはIR A受容体の公知の増幅は存在しない。
受容体−リガンド結合を遮断することによって、受容体のチロシンキナーゼ活性によるリガンドが誘発する受容体シグナル伝達は、低減されるか、または妨げられる。受容体−リガンド結合を遮断する能力がある抗体は、一般に、中和抗体と称される。
本発明による化合物Bは、PD−1それ自体に対するまたはそのリガンドの1つであるPD−L1もしくはPD−L2に対するなどのタンパク質プログラム死1(PD−1)ファミリーのメンバーに対するアンタゴニストである。PD−1は、TCRシグナルを負に調節する免疫阻害性タンパク質として知られている(Ishida, Y. et al. (1992) EMBO J. 11:3887-3895; Blank, C. et al. (2006) Immunol. Immunother. 56(6):739-745)。PD−1およびPD−L1の間の相互作用は、免疫チェックポイントとしての機能を果たし得、これは、例えば、腫瘍浸潤リンパ球の減少、T細胞受容体が媒介する増殖の減少、および/またはがん細胞による免疫回避をもたらし得る(Dong et al. (2003) J. Mol. Med. 81:281-7; Blank et al. (2005) Cancer Immunol. Immunother. 54:307-314; Konishi et al. (2004) Clin. Cancer Res. 10:5094-100)。免疫抑制は、PD−1とPD−L1またはPD−L2の局所の相互作用を阻害することによって反転させることができ、この効果は、PD−1とPD−L2の相互作用が同様に遮断される場合に、相加的である(Iwai et al. (2002) Proc. Nat'l. Acad. Sci USA 99:12293-7; Brown et al. (2003) J. Immunol. 170:1257-66)。
PD−1は、T細胞制御因子の拡張CD28/CTLA−4ファミリーの阻害性メンバーである。CD28ファミリーの他のメンバーとしては、CD28、CTLA−4、ICOSおよびBTLAが挙げられる。PD−1は、単量体として存在することが示唆されており、他のCD28ファミリーのメンバーの不対のシステイン残基の特徴が欠如している。PD−1は、活性化したB細胞、T細胞および単球上で発現される(Okazaki et al. (2002) Curr Opin Immunol 14:391779-82; Bennett et al. (2003) J. Immunol. 170:711-8)。PD−L1(B7−H1)およびPD−L2(B7−DC)のPD−1のための2つのリガンドが特定されており、これは、PD−1に結合する際に、T細胞の活性化を下方制御することが示されている(Freeman et al. (2000) J. Exp. Med. 192:1027-34; Carter et al. (2002) Eur. J. Immunol. 32:634-43)。PD−L1およびPD−L2は両方とも、PD−1と結合するB7ホモログである。PD−L1は、さまざまなヒトのがんにおいて豊富である(Dong et al. (2002) Nat. Med. 8:787-9)。
PD−1遺伝子は、Ig遺伝子スーパーファミリーの部分である、55kDaのI型膜貫通タンパク質をコードする(Agata et al. (1996) Int Immunol. 8:765-72)。完全PD−1配列は、GenBank受託番号U64863で見出すことができる。CTLA−4と構造的に類似するが、PD−1は、B7−1およびB7−2結合のために重要なMYPPYモチーフ(配列番号:39)を欠いている。
上記の観点から、PD−1アンタゴニストとしてのモノクローナル抗体は、近年、治療における使用のため、より正確には、がんおよび感染性疾患を含む各種の疾患を処置するために開発されている(例えば、国際公開第2006/121168号;国際公開第2015/112900号)。このような抗体のいずれか1つを本発明に従って使用することができる。
本発明の意味の範囲内のPD−1アンタゴニストは、PD−1とその受容体またはリガンドの相互作用を阻害する化合物である。
好ましくは、PD−1アンタゴニストは、PD−1の阻害剤またはPD−L1の阻害剤である。PD−1アンタゴニストは、好ましくは、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体、より好ましくは、ヒト化もしくは完全ヒト抗PD−1抗体、またはヒト化もしくは完全ヒト抗PD−L1抗体であってもよい。これらの抗体のいずれか1つは、組換えヒト抗体であってもよい。
「抗体分子」と互換可能に使用され得る「抗体」という用語は、各種の抗体構造を包含し、限定されるものではないが、これらが所望の抗原結合活性を示す限り、ポリクローナル抗体もしくはモノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、一重、二重もしくは多重特異性抗体、単鎖抗体、シングルドメイン抗体、および断片化抗体(抗体断片とも称する)、例えば、Fab、F(ab)2、F(ab’)2、Fab’、単鎖可変断片(scFv)または抗体の抗原結合ドメインが挙げられる。「抗体」という用語は、リンパ球によって産生され、例えば、血清中に存在する完全な免疫グロブリン、ハイブリドーマ細胞株によって分泌されるモノクローナル抗体、免疫グロブリンまたはモノクローナル抗体の結合特異性を有する、宿主細胞中での組換え発現によって産生されるポリペプチド、およびこれらの結合特異性を保持しながら、さらなるプロセシングによってこのような免疫グロブリン、モノクローナル抗体またはポリペプチドから誘導される分子を包含するものとする。特に、「抗体」という用語は、2つの重鎖および2つの軽鎖を含む完全な免疫グロブリンを含む。この用語は、Fab断片のような免疫グロブリンの断片、および単鎖抗体(scFv)、シングルドメイン抗体などのような免疫グロブリンから誘導される1つまたは複数の可変ドメインを有するポリペプチドをさらに包含する。
抗体は、抗体のFc部分(抗体の定常領域)によって通常媒介される、ADCCまたはCDCなどのエフェクター機能を有していてもよく、あるいは抗体は、例えば、FC部分が欠如することによって、または遮断され、マスクされたFc部分、本質的に、免疫細胞もしくは補体系のような免疫系成分によって認識されないか、または不十分に認識されるFc部分を有することによって、エフェクター機能を有していなくてもよい。
抗体またはその断片は、任意の種類、例えば、IgA、IgD、IgE、IgG、IgMのものであってもよい。好ましくは、IgGである。
本明細書において使用される「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」という用語は、単一のアミノ酸組成の抗体分子の調製物を指す。
「組換え抗体」は、組換え操作された宿主細胞によって産生された抗体である。これは、単離または精製されていてもよい。
「ヒト抗体」は、ヒト細胞によって産生された抗体、またはヒト抗体レパートリーもしくは他のヒト抗体をコードする配列を利用する非ヒト源に由来する抗体のものに対応するアミノ酸配列を有するものである。ヒト抗体のこの定義は、具体的には、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を除く。
「組換えヒト抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、NS0細胞もしくはCHO細胞などの宿主細胞から単離された抗体、またはヒト免疫グロブリン遺伝子についてトランスジェニックである動物(例えば、マウス)から単離された抗体、あるいは宿主細胞にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを使用して発現された抗体などの組換え手段によって、調製、発現、作製または単離されたすべてのヒト抗体を含むことを意図する。このような組換えヒト抗体は、再編成された形態中に可変領域および定常領域を有する。本発明による組換えヒト抗体は、インビボで体細胞高頻度突然変異に付されている。したがって、組換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖細胞系のVHおよびVL配列に由来し、関連しているが、インビボでヒト抗体の生殖細胞系レパートリー内に天然に存在し得ない配列である。
「ヒト化」抗体とは、非ヒト超可変領域(HVR)からのアミノ酸残基、およびヒトFRからのアミノ酸残基を含むキメラ抗体を指す。ある特定の実施形態において、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含み、すべてまたは実質的にすべてのHVR(例えば、相補性決定領域(CDR))が非ヒト抗体のものに対応し、すべてまたは実質的に全体のフレームワーク領域(FR)がヒト抗体のものに対応する。ヒト化抗体は、ヒト抗体に由来する抗体の定常領域の少なくとも1部を含んでいてもよい。抗体、例えば、非ヒト抗体の「ヒト化形態」は、ヒト化を受けた抗体を指す。
ポリペプチド(免疫グロブリン、抗体、または一般に抗原結合分子もしくはその断片など)の「結合する」は、ある特定のエピトープ、抗原またはタンパク質(またはこれらの少なくとも1つの部分、断片もしくはエピトープ)に「親和性を有すること」または「特異性を有すること」を意味する。
一般に、「特異性」という用語は、特定の抗原結合分子(本明細書に記載の抗体など)が結合することができる、異なる種類の抗原またはエピトープの数を指す。抗原結合分子の特異性は、その親和性および/またはアビディティーに基づいて決定することができる。抗原と抗原結合タンパク質の解離の平衡定数(KD)によって表される親和性は、エピトープおよび抗原結合タンパク質上の抗原結合部位の間の結合の強度の測定値であり、KD値が小さければ小さいほど、エピトープおよび抗原結合分子の間の結合強度は強くなる(あるいは、親和性は、親和性定数(KA)としても表すことができ、これは、1/KDである)。当業者に明らかであるように、親和性は、対象の特異的な抗原に応じて、当技術分野において公知の方法で決定することができる。アビディティーは、それを含有する抗原結合分子(免疫グロブリン、抗体、または一般に抗原結合分子もしくはその断片など)および関連する抗原の間の結合強度の測定値である。アビディティーは、エピトープおよび抗原結合分子上のその抗原結合部位の間の親和性、ならびに抗原結合分子上に存在する関連する結合部位の数の両方に関係する。
エピトープは、抗原結合分子(本明細書に記載の抗体など)によって結合される、抗原の領域である。「エピトープ」という用語は、抗体または抗原結合部分と特異的に結合する能力がある任意のポリペプチド決定基を含む。ある特定の実施形態において、エピトープ決定基は、アミノ酸、グリカン側鎖、ホスホリルまたはスルホニルなどの分子の化学的活性表面基を含み、ある特定の実施形態において、特異的な三次元構造の特徴および/または特異的な電荷特徴を有し得る。立体構造エピトープまたは非立体構造エピトープは、変性溶媒の存在中で、前者への結合は喪失し、後者への結合は喪失しないという点で区別される。本明細書で使用される場合、「結合する」および「特異的に結合する」という用語は、インビトロアッセイにおいて、好ましくは、精製された野生型抗原を用いるプラズモン共鳴アッセイ(BIAcore(登録商標)、GE−Healthcare Uppsala、スウェーデン)において、抗体または抗原結合部分が抗原のエピトープに結合することを指す。
本明細書において使用される「可変ドメイン」または「可変領域」またはFvの表現は、抗体の抗原への結合に直接関与する軽鎖および重鎖のそれぞれの対を意味する。軽鎖の可変ドメインは、「VL」と略され、重鎖の可変ドメインは、「VH」と略される。可変の軽鎖および重鎖のドメインは、同じ一般構造を有し、それぞれのドメインは、配列が、幅広く保存され、3つのHVR(またはCDR)によって連結されている4つのフレームワーク(FR)領域を含む。フレームワーク領域は、ベータ−シート高次構造の形をとり、CDRは、ベータ−シート構造を連結するループを形成し得る。それぞれの鎖中のCDRは、フレームワーク領域によってそれらの三次元構造中で保持され、他の鎖の抗原結合部位からのCDRと一緒に形成する。抗体の重鎖および軽鎖のCDR領域は、本発明による抗体の結合特異性/親和性において特に重要な役割を果たし、したがって、本発明のさらなる目的を提供する。
この発明の文脈内で、CDRへの参照は、Kabat(E.A. Kabat, T.T. Wu, H. Bilofsky, M. Reid-Miller and H. Perry, Sequence of Proteins of Immunological Interest, National Institutes of Health, Bethesda (1983))と一緒に、Chothia( and Lesk, J. Mol. Biol. 1987, 196: 901-917)の定義に基づく。
本出願内で使用される「定常ドメイン」または「定常領域」という用語は、可変領域以外の抗体のドメインの合計を意味する。定常領域は、抗原の結合に直接関与しないが、各種のエフェクター機能を示す。
本明細書に開示される抗体において使用される「定常ドメイン」は、好ましくは、ヒト起源であり、これは、サブクラスIgG1、IgG2、IgG3もしくはIgG4のヒト抗体の定常重鎖領域および/または定常軽鎖カッパ領域もしくはラムダ領域に由来する。このような定常ドメインおよび領域は、当技術分野の技術水準において周知であり、例えば、Kabat et al.("Sequence of proteins of immunological interest", US Public Health Services, NIH Bethesda, MD, Publication No. 91)によって記載されている。
抗体の「Fc部分」は、抗原への抗体の結合に直接関与しないが、各種のエフェクター機能を示す。「抗体のFc部分」は、当業者に周知の用語であり、抗体のパパイン切断に基づいて定義される。これらの重鎖の定常領域のアミノ酸配列に応じて、抗体または免疫グロブリンは、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMのクラスに分けられ、これらのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4、IgA1およびIgA2にさらに分けられ得る。重鎖定常領域によれば、異なる免疫グロブリンのクラスは、それぞれ、α、δ、ε、γおよびμと呼ばれる。抗体のFc部分は、補体活性化、C1q結合およびFc受容体結合に基づいて、ADCC(抗体依存性細胞媒介性傷害)およびCDC(補体依存性細胞傷害)に直接関与する。補体活性化(CDC)は、ほとんどのIgG抗体サブクラスのFc部分への補体因子C1qの結合によって惹起される。補体系における抗体の影響は、ある特定の条件に依存するが、C1qへの結合は、定義されたFc部分中の結合部位によって引き起こされる。このような結合部位は、当技術分野の技術水準において公知であり、例えば、Boackle, R.J., et al, Nature 282 (1979) 742-743;Lukas, T.J., et al, J. Immunol. 127 (1981) 2555-2560;Brunhouse, R., and Cebra, J.J., Mol. Immunol. 16 (1979) 907-917;Burton, D.R., et al, Nature 288 (1980) 338-344;Thommesen, J.E., et al, Mol. Immunol. 37 (2000) 995-1004;Idusogie, E.E., et al, J. Immunol.164 (2000) 4178-4184;Hezareh, M., et al, J. Virology 75 (2001) 12161-12168;Morgan, A., et al, Immunology 86 (1995) 319-324;欧州特許出願第0307434号によって記載されている。このような結合部位は、例えば、L234、L235、D270、N297、E318、K320、K322、P331およびP329(Kabat, E.A.のEUインデックスに従って番号付け;下記を参照のこと)である。サブクラスIgG1、IgG2およびIgG3の抗体は、通常、補体活性化ならびにC1qおよびC3結合を示すのに対して、IgG4は、補体系を活性化せず、C1qおよびC3と結合しない。
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」という用語、ならびに「含む(comprises)」および「含む(comprise)」などのその変形は、「含有する(containing)」または「含む(including)」または「有する(having)」という用語で置き換えることができる。
1つの態様において、本明細書に記載の化合物Aは、a)i)IGF−IおよびIGF−2のIGF−I受容体への結合が妨げられ、ならびにii)IGF−I受容体によって媒介されるシグナル伝達が阻害されるように、ヒトIGF−IおよびIGF−2に結合し、b)マウスおよびラットIGF−IおよびIGF−2に結合し、c)ヒトインスリンに結合しない、単離された抗体分子(例えば、ヒトまたはヒト化抗体分子)に関する。好ましくは、本発明およびそのすべての実施形態内の抗IGF抗体分子は、配列番号40(HCDR1)、配列番号41(HCDR2)および配列番号42(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域、ならびに配列番号43(LCDR1)、配列番号44(LCDR2)および配列番号45(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖決定領域を有する。
別の実施形態において、本明細書に記載の抗IGF抗体は、配列番号46のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号47のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有する抗IGF抗体分子を指す。
別の実施形態において、本明細書に記載の抗IGF抗体は、配列番号48のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号49のアミノ酸配列を含む軽鎖を有する抗IGF抗体分子(本明細書において「BI−IGF」と称する)を指す。
好ましくは、本明細書に記載の抗IGF抗体は、ヒト抗IGF抗体である。
具体的には、抗IGF抗体は、配列番号および代表的なアミノ酸配列により表1に示される配列によって定義される抗体分子であり、ここで、HCDRは、重鎖可変ドメインのCDR配列を意味し、LCDRは、軽鎖可変ドメインのCDR配列を意味し、VHは、重鎖可変ドメインを意味し、VLは、軽鎖可変ドメインを意味し、HCは、(全長)重鎖を意味し、LCは、(全長)軽鎖を意味する。
Figure 2020535180
1つの態様において、本明細書に記載の抗IGF抗体は、ヒトIGF−IまたはIGF−2に結合するために必要な最低濃度よりも少なくとも100倍高い濃度で、ヒトインスリンに結合しない。
別の態様において、本明細書に記載の抗IGF抗体分子の特性は、抗IGF抗体分子のIGF−1およびIGF−2への親和性が、それぞれ、インスリンへのその親和性と比較して、少なくとも100倍、さらに1000倍を超えるという事実によって特徴付けられる。非常に高用量、例えば、100mg/kgを超える用量でさえ、弱い結合は完全に排除されない場合があり、抗IGF抗体分子は、治療用量でインスリンと結合しない。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗IGF抗体分子は、インスリン受容体へのその結合によって媒介されるヒトインスリンの有糸***促進特性に影響を及ぼさない。(一般に、有糸***促進特性は、細胞***を開始させ有糸***を引き起こすように細胞に働きかける化合物の能力、例えば、インスリンの場合において、細胞増殖を促進する能力として定義される)。
いくつかの実施形態において、IGF受容体を介して媒介されるIGFシグナル伝達を阻害する能力に加えて、本明細書に記載の抗IGF抗体は、インスリン受容体IR−Aを介して媒介されるIGF−2シグナル伝達を阻害する能力も有する。
本明細書に記載の抗IGF抗体は、IGF−1およびIGF−2に対して驚くほど高い中和効力を有する。さらにまた、これらは、IGF−2に対してよりもIGF−1に対して予想外に高い効力および結合親和性を有する。これらは高い溶解度および安定性を有し、これらは、可変ドメインにおいて望ましくないグリコシル化または加水分解モチーフがなく、血液循環中で長い半減期を有する。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗IGF抗体は、例えば、制御性T細胞の数を低減させることによって、腫瘍における免疫抑制環境を低減する。腫瘍において、PD−1遮断は、CD8+ T細胞(細胞傷害性T細胞、CTL)の活性化による抗腫瘍免疫応答の誘導をもたらす。任意の科学理論によって拘束されることを望まないが、本明細書に記載の抗IGF抗体は、腫瘍微小環境における免疫抑制の低減をもたらす制御性T細胞(Treg)の欠乏による抗腫瘍免疫応答をさらに増大させ得る。
前述の抗IGF抗体の製造および治療的使用は、国際公開第2010/066868号、国際公開第2013/060872号および国際公開第2014/135611号に開示されている。特に、これらの文献は、本発明において使用される抗IGF抗体分子を調製する方法の十分な開示を提供する。
さらなる態様において、本発明内では、これは、医薬としての使用のための本明細書に記載の抗IGF抗体分子を指す。
さらなる態様において、本発明内では、これは、活性成分として、抗IGF抗体分子、好ましくは、表1に示されるCDR、VH、VL、HCおよびLC配列によって定義される完全抗体を含む医薬組成物を指す。
抗IGF抗体は、患者に、1〜50mg/kg、例えば、少なくとも20mg/kg、25mg/kg、30mg/kgおよび35mg/kgのいずれか1つから、最大で40mg/kg、45mg/kgおよび50mg/kgのいずれか1つの用量で、1回もしくはそれ以上の別々の投与によって、または持続注入、例えば、1時間にわたる注入によって、投与されてもよい。典型的な処置スケジュールは、通常、1週間毎に1回から3週間毎に1回の抗体の投与を含む。
いくつかの実施形態において、抗IGF抗体は、少なくとも20mg/kg、25mg/kg、30mg/kgおよび35mg/kgのいずれか1つから、最大で40mg/kg、45mg/kgおよび50mg/kgのいずれか1つの用量で、4週間の処置サイクルにおいて、毎週、2週間毎に1回または3週間毎に1回、投与される。例えば、15、20、25、30または35mg/kg(例えば、25mg/kg)の用量を、毎週、2週間毎、または3週間毎に1回、投与することができる。抗体は、10mg/mL〜100mg/mLの抗体(例えば、10mg/mL、30、50、65または75mg/mLの抗体)の濃度で調製され得る。抗体は、好ましくは、患者に、少なくとも750mg(最大で1000mgまで)の総用量として、1時間の静脈内注入によって、疾患の進行まで週に1回繰り返し、投与され得る。
本発明およびすべてのその実施形態の意味の範囲内のPD−1アンタゴニストは、PD−1とその受容体、好ましくは、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体の相互作用を阻害する化合物である。
好ましくは、PD−1アンタゴニスト、すなわち、本発明およびすべてのその実施形態内の抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体は、ヒト化もしくは完全ヒト抗PD−1抗体、またはヒト化もしくは完全ヒト抗PD−L1抗体である。
PD−1アンタゴニストは、当技術分野において周知であり、例えば、Li et al., Int. J. Mol. Sci. 2016, 17, 1151(参照によって本明細書に組み込まれる)によって概説されている。任意のアンタゴニスト、とりわけ、Li et al.によって開示されている抗体、ならびに本明細書の下記に開示されているさらなる抗体を、本発明に従って使用することができる。好ましくは、本発明のPD−1アンタゴニストおよびそのすべての実施形態は、以下の抗体(B0)からなる群から選択される:
− ペムブロリズマブ(抗PD−1抗体);
− ニボルマブ(抗PD−1抗体);
− ピディリズマブ(抗PD−1抗体);
− PDR−001(抗PD−1抗体);
− 本明細書の下記および欧州特許出願第16170174.3号に開示された、PD1−1、PD1−2、PD1−3、PD1−4およびPD1−5(抗PD−1抗体);
− 国際公開第2015/112900号に(一般および/または具体的に)開示された抗PD−1抗体:
〇 国際公開第2015/112900号(171頁)の表1に定義された抗体のいずれか1つ
〇 国際公開第2015/112900号(171頁)の表1に定義されたヒト化抗体のいずれか1つ
〇 国際公開第2015/112900号(171頁)の表1に定義されたBAP049−hum01からBAP049−hum16のいずれか1つ
〇 国際公開第2015/112900号(171頁)の表1に定義されたBAP049−クローン−AからBAP049−クローン−Eのいずれか1つ;
− アテゾリズマブ(抗PD−L1抗体);
− アベルマブ(抗PD−L1抗体);
− デュルバルマブ(抗PD−L1抗体);
− 国際公開第2016/061142号に(一般および/または具体的に)開示された抗PD−L1抗体:
〇 国際公開第2016/061142号(265頁)の表1に定義された抗体のいずれか1つ
〇 国際公開第2016/061142号(265頁)の表1に定義されたヒト化抗体のいずれか1つ
〇 国際公開第2016/061142号(265頁)の表1に定義されたBAP058−hum01からBAP058−hum17のいずれか1つ
〇 国際公開第2016/061142号(265頁)の表1に定義されたBAP058−クローン−KからBAP058−クローン−Oのいずれか1つ。
ペムブロリズマブ(以前は、ランブロリズマブとしても公知;商品名キイトルーダ;MK−3475としても公知)は、例えば、Hamid, O. et al. (2013) New England Journal of Medicine 369(2):134-44に開示されており、PD−1に結合するヒト化IgG4モノクローナル抗体であり、Fc媒介性細胞傷害を予防するために設計されたC228Pに変異を含有する。ペムブロリズマブは、例えば、米国特許第8,354,509号および国際公開第2009/114335号に開示されている。これは、切除不可能または転移性のメラノーマを患う患者、および転移性NSCLCを有する患者の処置のために、FDAによって承認されている。
ニボルマブ(CAS登録番号:946414−94−4;BMS−936558またはMDX1106b)は、検出可能な抗体依存性細胞毒性(ADCC)がない、PD−1を特異的に遮断する完全ヒトIgG4モノクローナル抗体である。ニボルマブは、例えば、米国特許第8,008,449号および国際公開第2006/121168号に開示されている。これは、切除不可能または転移性のメラノーマ、転移性NSCLC、および進行性腎細胞癌を患う患者の処置のために、FDAによって承認されている。
ピディリズマブ(CT−011;Cure Tech)は、PD−1に結合するヒト化IgG1kモノクローナル抗体である。ピディリズマブは、例えば、国際公開第2009/101611号に開示されている。
PDR−001またはPDR001は、PD−L1およびPD−L2とPD−1の結合を遮断する、高親和性でリガンドを遮断するヒト化抗PD−1 IgG4抗体である。PDR−001は、国際公開第2015/112900号および国際公開第2017/019896号に開示されている。
抗体PD1−1からPD1−5は、配列番号により表2に示される配列によって定義される抗体分子であり、ここで、VHは、重鎖可変ドメインを意味し、VLは、軽鎖可変ドメインを意味し、HCは、(全長)重鎖を意味し、LCは、(全長)軽鎖を意味する。
Figure 2020535180
ここで、アミノ酸配列(および配列名)の配列番号を表3に示す。
Figure 2020535180

Figure 2020535180

Figure 2020535180

Figure 2020535180

Figure 2020535180
具体的に、本明細書に記載の抗PD−1抗体分子は、(a)配列番号1(HCDR1)、配列番号2(HCDR2)および配列番号3(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDR、ならびに配列番号4(LCDR1)、配列番号5(LCDR2)および配列番号6(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR;または(b)配列番号7(HCDR1)、配列番号8(HCDR2)および配列番号9(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDR、ならびに配列番号10(LCDR1)、配列番号11(LCDR2)および配列番号12(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR;または(c)配列番号13(HCDR1)、配列番号14(HCDR2)および配列番号15(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRならびに配列番号16(LCDR1)、配列番号17(LCDR2)および配列番号18(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRを含む。
いくつかの実施形態において、抗PD−1抗体分子は、配列番号19、21、23、25および27から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを有する。
いくつかの実施形態において、抗PD−1抗体分子は、配列番号20、22、24、26および28から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを有する。
いくつかの実施形態において、抗PD−1抗体分子は、(a)配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン、(b)配列番号21のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号22のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン、(c)配列番号23のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号24のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン、(d)配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン、または(e)配列番号27のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号28のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを有する。
いくつかの実施形態において、抗PD−1抗体は、(a)配列番号29のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号30のアミノ酸配列を含む軽鎖、(b)配列番号31のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号32のアミノ酸配列を含む軽鎖、(c)配列番号33のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号34のアミノ酸配列を含む軽鎖、(d)配列番号35のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号36のアミノ酸配列を含む軽鎖、または(e)配列番号37のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号38のアミノ酸配列を含む軽鎖を有する。
アテゾリズマブ(テセントリク、MPDL3280Aとしても公知)は、PD−L1を標的とする、ファージ由来ヒトIgG1kモノクローナル抗体であり、例えば、Deng et al. mAbs 2016;8:593-603に記載されている。これは、尿路上皮癌を患う患者の処置のために、FDAによって承認されている。
アベルマブは、完全ヒト抗PD−L1 IgG1モノクローナル抗体であり、例えば、Boyerinas et al. Cancer Immunol. Res. 2015;3:1148-1157に記載されている。
デュルバルマブ(MEDI4736)は、PD−L1に対する高い特異性を有するヒトIgG1kモノクローナル抗体であり、例えば、Stewart et al. Cancer Immunol. Res. 2015;3:1052-1062またはIbrahim et al. Semin. Oncol. 2015;42:474-483に記載されている。
Li et al.(上記)によって開示されているか、または臨床試験で公知のさらなるPD−1抗体、例えば、AMP−224、MEDI0680(AMP−514)、REGN2810、BMS−936559、JS001−PD−1、SHR−1210、BMS−936559、TSR−042、JNJ−63723283、MEDI4736、MPDL3280AおよびMSB0010718Cを、上述のアンタゴニストの代替として、または上述のアンタゴニストに加えて、使用してもよい。
本明細書において使用されるINNは、限定されるものではないが、米国において合衆国法律集第42編§262のサブセクション(k)および他の管轄の同等の規制の下で認可されたバイオシミラー抗体を含む、創製者の抗体と同じまたは実質的に同じアミノ酸配列を有するすべてのバイオシミラー抗体を包含することも意味する。
上記に列挙されたPD−1アンタゴニストは、それらのそれぞれの製造、治療的使用および特性により、当技術分野において公知である。
1つの実施形態において、PD−1アンタゴニストは、ペムブロリズマブ(B1)である。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、ニボルマブ(B2)である。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、ピディリズマブ(B3)である。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、アテゾリズマブ(B4)である。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、アベルマブ(B5)である。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、デュルバルマブ(B6)である。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、PDR−001(B7)である。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、国際公開第2015/112900号(171頁)の表1に定義されたBAP049−クローン−B(B8)である。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、国際公開第2015/112900号(171頁)の表1に定義されたBAP049−クローン−E(B9)である。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、国際公開第2016/061142号(265頁)の表1に定義されたBAP058−クローン−KからBAP058−クローン−O(B10)からなる群から選択される。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、PD1−1(B11)である。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、PD1−2(B12)である。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、PD1−3(B13)である。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、PD1−4(B14)である。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、PD1−5(B15)である。
本明細書に記載の化合物BであるPD−1アンタゴニストの投与は、例えば、約0.1〜30mg/患者の体重1kg、例えば、約0.5〜25mg/患者の体重1kg、約1〜20mg/患者の体重1kg、約2〜5mg/患者の体重1kg、または約3mg/患者の体重1kgの用量での、例えば、注射(例えば、皮下または静脈内)によるものであり得る。
PD−1アンタゴニストの投薬量および治療レジメンは、当業者によって決定することができる。本発明のPD−1アンタゴニストのための好ましい投薬レジメンは、静脈内投与による1mg/宿主の体重1kgまたは3mg/宿主体重の1kgを含み、抗体は、以下の投与スケジュールの1つを使用して投与される:(i)4週間ごとに6回の投薬、その後は3か月ごと;(ii)3週間ごと;(iii)3mg/宿主の体重1kgを1回、続いて、1mg/宿主の体重1kgを3週間ごと。ある特定の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、約1〜40mg/宿主の体重1kg、例えば、1〜30mg/宿主の体重1kg、例えば、約5〜25mg/宿主の体重1kg、約10〜20mg/宿主の体重1kg、約1〜5mg/宿主の体重1kg、1〜10mg/宿主の体重1kg、5〜15mg/宿主の体重1kg、10〜20mg/宿主の体重1kg、15〜25mg/宿主の体重1kg、または約3mg/宿主の体重1kgの用量で、注射(例えば、皮下または静脈内)によって投与される。投与スケジュールは、例えば、1週間に1回から、2週間、3週間または4週間に1回で変更することができる。1つの実施形態において、PD−1アンタゴニストは、隔週で、約10〜20mg/宿主の体重1kgの用量で投与される。抗体分子は、約35〜400mg/m2、典型的には、約70〜310mg/m2、より典型的には、約100〜130mg/m2の用量に達するように、20mg/分よりも速い速度、例えば、20〜40mg/分の速度、典型的には、40mg/分以上の速度での静脈内注入によって投与することができる。実施形態において、約110〜130mg/m2の注入速度は、約3mg/宿主の体重1kgのレベルに達する。他の実施形態において、抗体分子は、約1〜100mg/m2、例えば、約5〜50mg/m2、約7〜25mg/m2または約10mg/m2の用量に達するように、10mg/分未満、例えば、5mg/分以下の速度での静脈内注入によって投与することができる。いくつかの実施形態において、抗体は、約30分の時間にわたって注入される。投薬量の値は、緩和される状態の種類および重症度によって変更し得ることに留意すべきである。任意の特定の対象について、特定の投薬レジメンは、個々の必要性および組成物の投与を投与または監督する人の専門的判断に従って、経時的に調整すべきであること、ならびに本明細書おいて説明される投薬量の範囲が、例示のみであって、特許請求に係る組成物の範囲または実施を制限することを意図するものではないことがさらに理解されるべきである。
治療において使用するために、本明細書において定義される1つもしくは複数の他の活性成分(例えば、本明細書に記載のPD1アンタゴニスト)と組み合わされてもよい、本明細書に記載の抗体、例えば、本明細書において定義される抗IFG抗体分子、または1つもしくは複数の他の活性成分(例えば、本明細書に記載の抗IGF抗体)と組み合わされてもよい、本明細書において定義される抗PD1抗体分子は、動物またはヒトへの投与を容易にするために適した医薬組成物に含まれる。
抗IGFおよび/またはPD1および/または抗PDL1抗体分子の典型的な製剤は、抗体分子を生理学的に許容される担体、賦形剤または安定化剤と混合することによって、凍結乾燥もしくはそうでなければ乾燥製剤、または水性溶液、または水性もしくは非水性懸濁液の形態に調製することができる。担体、賦形剤、改変剤または安定化剤は、利用される投薬量および濃度で非毒性である。これらとしては、リン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩ならびに他の無機酸または有機酸およびこれらの塩などの緩衝液系;アスコルビン酸およびメチオニンを含む、抗酸化剤;ポリビニルピロリドンまたはポリエチレングリコール(PEG)を含む、親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンまたはリジンを含む、安定化アミノ酸;グルコース、マンノース、スクロース、トレハロース、デキストリンもしくはデキストランを含む、単糖、二糖、オリゴ糖または多糖および他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;マンニトールまたはソルビトールなどの糖アルコール;ナトリウムなどの塩形成対イオン;ならびに/あるいは例えばTWEEN(商標)(ポリソルベート)、プルロニック(商標)または脂肪酸エステル、脂肪酸エーテルもしくは糖エステルなどの、イオン性または非イオン性界面活性剤が挙げられる。賦形剤はまた、放出改変機能または吸収改変機能を有していてもよい。
抗体分子はまた、乾燥(凍結乾燥、噴霧乾燥、噴霧凍結乾燥、近臨界または超臨界ガスによる乾燥、真空乾燥、風乾)されていてもよい。
当然ながら、インビボ投与のために使用される製剤は、無菌でなければならず;滅菌は、従来の技術、例えば、滅菌ろ過膜を通したろ過によって、達成され得る。
特定の実施形態において、抗IGF抗体は、10mg/mlの抗体濃度で、非経口(静脈内)注入または注射用の水性緩衝組成物に製剤化され、前記緩衝液は、pH6.0で、24.2mMのヒスチジン、3.88%のマンニトール、0.97%のスクロース、0.02%のポリソルベート20を含む。静脈内注入のために、医薬組成物は、生理学的溶液で、例えば、0.9%の塩化ナトリウムまたはG5溶液で希釈されてもよい。
本発明内では、本発明による使用のための、組み合わせ、組成物、キット、方法、使用または化合物は、活性薬剤または活性成分の、同時、同時的、順次、連続的、交互、または別々の投与が構想され得ることが理解されるべきである。抗IGF抗体およびPD−1アンタゴニストは、独立せず、または独立してのいずれかで製剤化して投与することができ、例えば、抗IGF抗体およびPD−1アンタゴニストを、同じ医薬組成物/剤形の部分として、または好ましくは、別々の医薬組成物/剤形のいずれかで投与され得ることが認識される。
この文脈において、本発明の意味内の「組み合わせ」または「組み合わされた」とは、限定されるものではないが、2つ以上の活性薬剤の混合または組み合わせから生じる生成物を含み、例えば、成分もしくは薬剤の、同時、同時的、順次、連続的、交互、または別々の使用などの、固定された組み合わせおよび固定されていない(例えば、自由な)組み合わせ(キットを含む)の両方ならびに使用を含む。「固定された組み合わせ」という用語は、活性薬剤が、単一のものまたは単回投薬量の形態で、患者に、同時に、両方とも投与されることを意味する。「固定されていない組み合わせ」という用語は、活性薬剤が、別々のものとして、患者に、同時に(simultaneously)、同時的に(concurrently)、または特定の時間制限を伴わない順次のいずれかで、両方とも投与されることを意味し、このような投与は、患者の体内で、2つの化合物の治療的に有効なレベルを提供する。後者は、カクテル治療、例えば、3つ以上の活性薬剤の投与にも適用される。
抗IGF抗体/化合物AおよびPD−1アンタゴニスト/化合物Bの投与は、活性成分または活性薬剤の共投与によって、例えば、1つの単一の製剤もしくは剤形、または2つの別々の製剤もしくは剤形で、これらを同時または同時的に投与することによって、行われてもよい。あるいは、抗IGF抗体およびPD−1アンタゴニストの投与は、例えば、2つの別々の製剤または剤形などで、順次または交互に、活性成分または活性薬剤を投与することによって、行われてもよい。
例えば、同時投与は、実質的に同じ時点での投与を含む。この投与の形態は、「併用」投与とも称し得る。同時的投与は、同じ一般的な期間、例えば、必ずしも同じ時点ではないが同じ日に、活性薬剤を投与することを含む。交互投与は、期間の間、例えば、数日または1週間の治療単位にわたって、1つの薬剤の投与、続いて、その後の期間の間、例えば、数日または1週間の治療単位にわたって、他の薬剤の投与、次いで、1回または複数回のサイクルでこのパターンを繰り返すことを含む。順次投与または連続的投与は、1つまたは複数の用量を使用して、第1の期間の間(例えば、数日または1週間の治療単位にわたって)、1つの薬剤を投与し、続いて1つまたは複数の用量を使用して、第2の期間の間(例えば、数日または1週間の治療単位にわたって)、他の薬剤を投与することを含む。重複するスケジュールも使用してよく、これは、必ずしも規則的な順番に従わず、処置の期間にわたって、異なる日に活性薬剤を投与することを含む。例えば、使用される薬剤および対象の状態により、これらの一般的な指針に対する変更も用いられてよい。
したがって、好ましい実施形態において、本発明による方法では、本明細書に記載の化合物Aは、本明細書に記載の化合物Bと、同時に、同時的に、順次、連続的に、交互に、または別々に投与される。類似の好ましい実施形態において、本発明による方法における使用のための本明細書に記載の化合物Aは、本明細書に記載の化合物Bと、同時に、同時的に、順次、連続的に、交互に、または別々に投与される。関連する好ましい実施形態において、本発明による方法における使用のための本明細書に記載の化合物Bは、本明細書に記載の化合物Aと、同時に、同時的に、順次、連続的に、交互に、または別々に投与される。さらに好ましい実施形態において、化合物Aが、化合物Bと、同時に、同時的に、順次、連続的に、交互に、または別々に投与される、本明細書に記載の化合物Aの使用が提供される。さらに関連する実施形態において、化合物Bが、化合物Aと、同時に、同時的に、順次、連続的に、交互に、または別々に投与される、本明細書に記載の化合物Bの使用が提供される。別の実施形態において、第1の医薬組成物が、第2の医薬組成物と、同時に、同時的に、順次、連続的に、交互に、または別々に投与される、本発明によるキットが提供される。
別々または同時に投与される、化合物A、化合物Bまたはその両方についての好ましい投与の経路は、限定されるものではないが、経口、腸管、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、経皮もしくは皮下の注射、またはインプラント)、経鼻、経膣、直腸または局所投与が挙げられる。好ましい実施形態において、投与の経路は、静脈内投与、とりわけ、静脈内への注入または注射である。本発明の化合物は、単独または一緒に、それぞれの投与の経路に適した、従来の非毒性の薬学的に許容される担体、賦形剤および/またはビヒクルを含有する、適切な投薬単位の製剤に製剤化されてもよい。より好ましくは、製剤は、凍結乾燥、溶液(例えば、注射可能および注入可能な溶液)、分散液または懸濁液、リポソームおよび坐剤などの、固体、半固体または液体の剤形を含む。好ましい様式は、意図された投与の様式および治療適用に依存する。とりわけ好ましい実施形態としては、液体製剤および凍結乾燥が挙げられる。凍結乾燥の場合において、凍結乾燥物は、液体中、好ましくは、水中で再構成され得る。
本明細書に記載の化合物AおよびBは、毎日、1週間に5回、1週間に3回、1週間に2回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、投与されてもよい。好ましい投与間隔としては、1週間に1回および2週間に1回が挙げられる。
好ましくは、化合物Aおよび化合物Bは、静脈内注入によって、1週間に1回投与される。
投与レジメンは、長期の処置を含んでいてもよい。「長期」とは、少なくとも2週間、好ましくは、数週間、数カ月または数年の期間を意味する。この投薬レジメンにおける必要な改変は、本明細書における教示を考慮すると、日常的な実験のみを使用して、当業者によって決定することができる。Remington's Pharmaceutical Sciences (Martin, E.W., ed. 4), Mack Publishing Co., Easton, PAを参照のこと。投薬量はまた、任意の合併症の事象において、個々の医師によって調整することができる。投与は、毎日、2日ごと、3日ごと、4日ごと、週あたり1日、週あたり2日、2週間あたり1日、3週間あたり1日などであり得る。
本明細書に記載の化合物AおよびBは、適した時間間隔で投与される、単一用量または分割用量の治療有効量で投与され得る。治療有効量は、所望の治療結果を達成するために必要な投薬量および期間での有効な量を指し、疾患もしくは障害を予防、緩和または処置するために必要な最小量である。本明細書に記載の化合物の治療有効量は、個体の疾患状態、年齢、性別および体重、ならびに個体において所望の応答を誘発する化合物の能力などの要因によって変更してもよい。治療有効量は、治療的に有益な効果が、化合物の任意の毒性効果または有害効果を上回る量でもある。治療有効用量は、好ましくは、測定可能なパラメーター、例えば、腫瘍増殖速度を、未処置の対象と比較して、または処置される同じ対象の未処置の先行期間と比較して、少なくとも約20%、より好ましくは、少なくとも約40%、さらにより好ましくは、少なくとも約60%、またより好ましくは、少なくとも約80%、阻害する。
活性化合物は、単剤治療における治療有効量であるような用量で、または単剤治療であるが、所望の(一緒の)治療有効量をもたらすように組み合わせた場合に、使用される用量よりも低いまたは高いような用量で、投与され得る。処置における使用のために必要な本明細書に記載の化合物の量は、特定の選択された化合物、投与の経路、処置される状態の本質、ならびに患者の年齢および状態に適合され得、最終的には、主治医または臨床医の裁量である。また、本明細書に記載の化合物の投薬量は、標的細胞、腫瘍、組織、移植片または臓器に応じて、適合され得る。
化合物Aまたは化合物Bの所望の用量は、患者において設定された血中濃度に達するために、投与あたりの固定量として、またはボーラス投与として投与されてもよい。
化合物Aおよび化合物Bの別々または一緒の投与スケジュールは、例えば、1週間に1回から2、3または4週間ごとに1回で変更し得る。ある特定の実施形態において、化合物A、化合物Bもしくはその両方の投与量または投薬量は、より低い(例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%低い)。他の実施形態において、所望の効果をもたらす(例えば、過剰増殖性疾患または腫瘍学的疾患の処置)、化合物A、化合物Bもしくはその両方の量または投薬量は、より低い(例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%低い)。
本発明に記載の、方法、化合物、使用のための化合物、化合物の使用、医薬組成物およびキットは、本明細書に記載の抗IGF抗体分子および抗PD−1抗体分子の組み合わせを対象に投与することを含む。
実施形態(B0)〜(B15)(PD−1アンタゴニストに関して)との抗IGF抗体に関する実施形態の並べ替えは、具体的に開示され、かつ本発明ならびにその組み合わせ、組成物、キット、方法、使用および使用のための化合物のすべての実施形態であるとすべて考えられるべき具体的な組み合わせをもたらす。
処置されるがん性疾患に応じて、本明細書に定義される組み合わせ治療は、それ自体で、あるいは特に、がん細胞における血管新生、シグナル伝達経路もしくは有糸***チェックポイントを阻害する化学療法剤または治療的に活性な化合物から選択される、1つもしくは複数の追加の治療薬剤とさらに組み合わせて、使用してもよい。
追加の治療薬剤は、同時に投与されてもよく、これは同じ医薬調製物の成分としてであってもよく、あるいは、抗IGF抗体および/もしくPD1アンタゴニストの投与の前または後に、投与されてもよい。
化学療法剤は、ホルモン、ホルモンアナログおよび抗ホルモン(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、フルベストラント、酢酸メゲストロール、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、酢酸シプロテロン、フィナステリド、酢酸ブセレリン、フルドロコルチゾン、フルオキシメステロン、メドロキシプロゲステロン、オクトレオチド、アルゾキシフェン、パシレオチド、バプレオチド)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、リアロゾール、エキセメスタン、アタメスタン、フォルメスタン)、LHRHアゴニストおよびアンタゴニスト(例えば、酢酸ゴセレリン、ロイプロリド、アバレリックス、セトロレリクス、デスロレリン、ヒストレリン、トリプトレリン)、代謝拮抗剤(例えば、メトトレキサート、ペメトレキセドのような抗葉酸剤、5フルオロウラシル、カペシタビン、デシタビン、ネララビンおよびゲムシタビンのようなピリミジンアナログ、メルカプトプリンチオグアニン、クラドリビンおよびペントスタチンなどのプリンおよびアデノシンアナログ、シタラビン、フルダラビン);抗腫瘍性抗生物質(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシンおよびイダルビシンのようなアントラサイクリン、マイトマイシン−C、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ミトキサントロン、ピクサントロン、ストレプトゾシン);白金誘導体(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、ロバプラチン、サトラプラチン);アルキル化剤(例えば、エストラムスチン、メクロレタミン(meclorethamine)、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ダカルバジン、シクロホスファミド、イホスファミド、ヒドロキシウレア、テモゾロマイド、カルムスチンおよびロムスチンなどのニトロソウレア、チオテパ);抗有糸***剤(例えば、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ビンフルニンおよびビンクリスチンのようなビンカアルカロイド);パクリタキセル、ドセタキセルおよびそれらの製剤、ラロタキセルのようなタキサン;シモタキセル、およびイクサベピロンのようなエポチロン、パツピロン、ZK−EPO);トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシドおよびエトポホスのようなエピポドフィロトキシン、テニポシド、アムサクリン、トポテカン、イリノテカン)、ならびにアミホスチン、アナグレリド、インターフェロンアルファ、プロカルバジン、ミトタン、およびポルフィマー、ベキサロテン、セレコキシブなどの種々の化学療法薬から選択され得る。
いくつかの実施形態において、化合物Aおよび化合物Bを含む処置は、「白金ダブレット」治療、すなわち、(i)シスプラチンまたはカルボプラチンなどの白金化合物と、(ii)ドセタキセル、パクリタキセル、ビノレルビンまたはゲムシタビンなどの第三世代の化学療法剤による治療をさらに含む。
いくつかの実施形態において、化合物Aおよび化合物Bを含む処置は、がん細胞標的治療と組み合わされる。
いくつかの実施形態において、記載の組み合わせ治療は、任意の追加の化学療法剤なしで、化合物Aおよび化合物Bを含む。
ある特定の実施形態において、本明細書に開示される組み合わせ治療で処置される、腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患、特に、がんまたは腫瘍疾患としては、限定されるものではないが、固形腫瘍、血液がん(例えば、白血病、リンパ腫、骨髄腫、例えば、多発性骨髄腫)および転移性病変が挙げられる。1つの実施形態において、がんは固形腫瘍である。固形腫瘍の例としては、悪性腫瘍、例えば、肉腫および癌腫、例えば、肺、***、卵巣、リンパ系、胃腸(例えば、結腸)、肛門、生殖器および尿生殖路(例えば、腎臓、尿路上皮、膀胱細胞、前立腺)、咽頭、CNS(例えば、脳、神経細胞およびグリア細胞)、頭頸部、皮膚(例えば、メラノーマ)および膵臓に影響を及ぼすものなどの各種の臓器系の腺癌、ならびに結腸がん、直腸がん、腎細胞癌、肝臓がん、非小細胞肺がん、小腸のがんおよび食道のがんなどの悪性腫瘍を含む腺癌が挙げられる。がんは、早期、中期、後期または転移性のがんであってもよい。
本明細書で使用される場合、「過剰増殖性疾患」とは、細胞増殖が、正常なレベルを超えて増加している状態を指す。例えば、過剰増殖性疾患または障害としては、悪性疾患(例えば、食道がん、結腸がん、胆道がん)および非悪性疾患(例えば、アテローム性動脈硬化症、良性過形成、良性前立腺肥大症)が挙げられる。
いくつかの実施形態において、がんは、肺がん(例えば、NSCLC(例えば、扁平上皮および/もしくは非扁平上皮組織を有するNSCLC、またはNSCLC腺癌))、メラノーマ(例えば、進行性メラノーマ)、腎臓がん(例えば、腎細胞癌)、肝臓がん、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫)、前立腺がん、乳がん(例えば、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体またはHER2/neuのうちの1つ、2つまたはすべてを発現しない乳がん、例えば、トリプルネガティブ乳がん)、結腸直腸がん、膵臓がん、頭頸部がん(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC))、肛門がん、胃食道がん、甲状腺がん、子宮頸がん、リンパ増殖性疾患(例えば、移植後リンパ増殖性疾患)、または血液がん、T細胞リンパ腫、B細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫もしくは白血病(例えば、骨髄性白血病またはリンパ性白血病)から選択される。
いくつかの実施形態において、がんは、癌腫(例えば、進行性または転移性の癌腫)、メラノーマ、または肺癌、例えば、NSCLCから選択される。
いくつかの実施形態において、がんは、膵臓がん、前立腺がん、乳がん、結腸直腸がん、肺がん、神経膠芽腫、腎臓がん、好ましくは、膵臓がん、前立腺がん、乳がん、結腸直腸がんまたは肺がんから選択される。
いくつかの実施形態において、がんは、膵臓がん、肺がん、乳がん、メラノーマ、結腸直腸がん、卵巣がん、胃がん、甲状腺がん、肝臓がんまたは前立腺がんである。
いくつかの実施形態において、本発明は、化合物A(例えば、BI−IGF)および化合物B(例えば、B0〜B15のいずれか1つ)を投与するがんの処置の方法、化合物B(例えば、B0〜B15のいずれか1つ)との組み合わせにおけるがんの処置における使用のための化合物A(例えば、BI−IGF)、化合物A(例えば、BI−IGF)との組み合わせにおけるがんの処置における使用のための化合物B(例えば、B0〜B15のいずれか1つ)、化合物B(例えば、B0〜B15のいずれか1つ)との組み合わせにおけるがんの処置のための医薬の製造における化合物A(例えば、BI−IGF)の使用、化合物A(例えば、BI−IGF)との組み合わせにおけるがんの処置のための医薬の製造における化合物B(例えば、B0〜B15のいずれか1つ)の使用、化合物A(例えば、BI−IGF)および化合物B(例えば、B0〜B15のいずれか1つ)を含む医薬組成物に関し、ここで、処置されるがんは、膵臓がん、前立腺がん、乳がん、結腸直腸がん、肺がん、神経膠芽腫、腎臓がん、好ましくは、膵臓がん、前立腺がん、乳がん、結腸直腸がんまたは肺がん、特に、NSCLCからなる群から選択されるがんである。
上記で概要を述べたように、本発明は、本明細書において定義される化合物Aおよび化合物Bを含む医薬組成物、ならびに本明細書に定義される化合物Aを含む第1の医薬組成物、および本明細書に定義される化合物Bを含む第2の医薬組成物を含むキットに関する。
本明細書において定義される「医薬組成物」という用語は、その中に含有される活性成分の生物学的活性を有効にすることが可能であるような、そのような形態であって、組成物が投与される対象に対して容認しがたい毒性である追加の成分を含有しない調製物を指す。本発明の医薬組成物は、当技術分野において公知のさまざまな方法によって投与することができる。当業者には明らかであるように、投与の経路および/または様式は、所望の結果に応じて、変更される。
選択された投与の経路にかかわらず、本発明の組み合わせ治療、ならびに/または本発明の医薬組成物、第1の医薬組成物および第2の医薬組成物において使用される化合物は、当業者に公知の慣用の方法によって、薬学的に許容される剤形に製剤化される。
本明細書において定義されるキットは、第1の医薬組成物および/または第2の医薬組成物を含む、適切な1つの容器またはいくつかの適切な容器を含んでいてもよく、ここで、第1および第2の医薬組成物は、同じ容器、または異なる容器に含有されていてもよい。キットは、本発明の任意の方法または任意の使用において使用され得る。
好ましくは、本発明によるキットは、処置または予防を必要とする患者における腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患、好ましくは、がんまたは腫瘍疾患の処置および/または予防において化合物Aおよび/または化合物Bを使用するための可読の指示を含む添付文書をさらに含む。指示は、本発明の方法およびその好ましい実施形態のいずれかに関する上記の記載のように、さらなる詳述を提供し得る。
特許請求の範囲および/または明細書において「含む」という用語と組み合わせて使用される場合の「a」または「an」という語の使用は、「1つ」を意味してもよいが、これは、「1つまたは複数」、「少なくとも1つ」および「1つまたは2つ以上」の意味とも一致する。
本明細書において使用される「約」は、測定の精度の性質を考慮した、測定された量について許容可能な程度の誤差を意味する。例示的な誤差の程度は、所与の値または値の範囲の20%以内、典型的には、10%以内、より典型的には、5%以内である。
本明細書において使用される「処置する」または「処置」という用語は、すでに存在する、疾患状態もしくは状態を治癒させること、または疾患状態もしくは状態からの回復の可能性を増加させることを意味する。処置することには、阻害すること、すなわち、疾患状態もしくは状態の進行を抑止すること、および緩和すること、すなわち、疾患の進行の退縮を引き起こすことまたは遅延させることも含み得る。処置は、患者を治癒させず、疾患の症状を緩和させるためであり得る。
本明細書において使用される「予防する」または「予防」という用語は、患者または対象に疾患状態または状態が完全に発生するのを止めることを意味しないが、疾患状態または状態が進行する危険性を低減させることも指す。
本発明を、本発明のこれらの実施形態に必ずしも限定されることなく、以下の実施例によってさらに例証する。化合物、用量および投与経路、ならびに処置の組み合わせを含む、例またはその一部は、それぞれそのままで、または上記の詳細な記載と組み合わせて、本発明の一部を形成する。
(実施例1)
結腸癌モデルにおける化合物Aおよび化合物Bの組み合わせのインビボ抗腫瘍有効性
材料および方法
化合物Aおよび化合物Bの組み合わせの抗腫瘍有効性を、マウス結腸癌細胞株MC−38に由来する同系マウス腫瘍モデルにおいて検討した。腫瘍細胞を、免疫適格性の同系C57Bl/6の6〜8週齢の雌マウスの皮下に埋め込み(30μlのMatrigel中に1×106腫瘍細胞)、腫瘍を、処置を開始する3日前に確立した。マウスに、化合物B(PD−1に対するマウス抗体、10mg/Kg、q3or4d)、化合物B(PD−1に対するマウス抗体、10mg/Kg、q3or4d)および化合物A(BI−IGF、200mg/Kg、q7d)の組み合わせ、またはIgGアイソタイプ対照抗体(10mg/Kg、q3or4d)を、15〜32日間、腹腔内(i.p.)投与した。腫瘍体積を、キャリパーを使用して週に3回測定した。それぞれの腫瘍の体積[mm3]を、式「腫瘍体積=長さ×直径2×π/6」に従って計算した。腫瘍増殖阻害(TGI)値の百分率は、以下の通り計算した:
TGI=100×{1−[(処置最終日−処置1日目)/(対照最終日−対照1日目)]}
中央値TGIを15日目に決定した。体重を、処置の耐容性の指標として毎日測定した。
結果
化合物Bによる単一薬剤処置は、71%の中央値TGIで、腫瘍増殖を遅延させた。組み合わせによる処置は、より有効であり、83%のTGIをもたらした(図1A)。すべての処置レジメンは、著しい体重喪失なく十分に耐容性であった(図1B)。
結論
化合物Aおよび化合物Bの組み合わせは、化合物B単独の有効性と比較して、優れた抗腫瘍有効性を示す。
(実施例2)
乳癌モデルにおける化合物Aおよび化合物Bの組み合わせのインビボ抗腫瘍有効性
材料および方法
化合物Aおよび化合物Bの組み合わせの抗腫瘍有効性を、乳癌細胞株EMT−6に由来する同系マウス腫瘍モデルにおいて検討する。腫瘍細胞を、免疫適格性の同系BALB/cの6〜8週齢の雌マウスの皮下に埋め込み(30μlのMatrigel中に1×106腫瘍細胞)、腫瘍を、処置を開始する6日〜10日前に確立する。マウスに、化合物B(PD−1に対するマウス抗体、10mg/Kg、q3or4d)、化合物B(PD−1に対するマウス抗体、10mg/Kg、q3or4d)および化合物A(BI−IGF、200mg/Kg、q7d)の組み合わせ、またはIgGアイソタイプ対照抗体(10mg/Kg、q3or4d)を、10〜35日間、腹腔内(i.p.)投与する。腫瘍体積を、キャリパーを使用して週に3回測定する。それぞれの腫瘍の体積[mm3]を、式「腫瘍体積=長さ×直径2×π/6」に従って計算する。腫瘍増殖阻害(TGI)値の百分率は、以下の通り計算される:
TGI=100×{1−[(処置最終日−処置1日目)/(対照最終日−対照1日目)]}
中央値TGIを処置の10日〜15日後に決定する。体重を処置の耐容性の指標として毎日測定する。
(実施例3)
結腸癌モデルにおける腫瘍内制御性T細胞(Treg)に対する化合物Aおよび化合物Bの組み合わせの効果
材料および方法
化合物Aおよび化合物Bの組み合わせによる処置の際の腫瘍内Tregの低減を、結腸癌細胞株MC−38に由来する同系マウス腫瘍モデルにおいて検討する。腫瘍細胞を、免疫適格性の同系C57Bl/6の6〜8週齢の雌マウスの皮下に埋め込み(30μlのMatrigel中に1×106腫瘍細胞)、腫瘍を、処置を開始する3日〜6日前に確立する。マウスに、化合物A(BI−IGF、200mg/Kg、q7d)、化合物B(PD−1に対するマウス抗体、10mg/Kg、q3or4d)、化合物B(PD−1に対するマウス抗体、10mg/Kg、q3or4d)および化合物A(BI−IGF、200mg/Kg、q7d)の組み合わせ、またはIgGアイソタイプ対照抗体(10mg/Kg、q3or4d)を、10〜35日間、腹腔内(i.p.)投与する。腫瘍体積を、キャリパーを使用して週に3回測定する。それぞれの腫瘍の体積[mm3]を、式「腫瘍体積=長さ×直径2×π/6」に従って計算する。実験の最終日に、腫瘍体積がおよそ500〜600mm3に達したら、腫瘍を収集する。腫瘍の半分を瞬間凍結し、他の半分をホルマリン固定およびパラフィン包埋(FFPE)する。腫瘍内Tregの評価のために、凍結試料を、溶解し、フローサイトメトリー(FACS)によって分析し、FFPE試料を、切片化し、免疫組織化学的検査(IHC)によって分析する。

Claims (33)

  1. 腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患を処置または予防する方法であって、処置または予防を必要とする患者に、
    a)治療有効量の化合物A、および
    b)治療有効量の化合物B
    を投与することを含み、
    ここで、
    化合物Aが、抗IGF抗体であり、
    化合物Bが、PD−1アンタゴニストである、
    前記方法。
  2. 腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患が、がんまたは腫瘍疾患である、請求項1に記載の方法。
  3. 腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患が、膵臓がん、前立腺がん、乳がん、結腸直腸がんまたは肺がんである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 化合物Aが、ヒトIGF−IおよびIGF−2に結合する抗体分子である、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 化合物Aが、配列番号40(HCDR1)、配列番号41(HCDR2)および配列番号42(HCDR3)の重鎖相補性決定領域、ならびに配列番号43(LCDR1)、配列番号44(LCDR2)および配列番号45(LCDR3)の軽鎖決定領域を含む抗体分子であり、好ましくは、化合物Aが、配列番号46の重鎖可変領域および配列番号47の軽鎖可変領域を含む抗体分子であり、より好ましくは、化合物Aが、配列番号48の重鎖および配列番号49の軽鎖を含む抗体分子である、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  6. PD−1アンタゴニストが、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体である、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 抗PD−1抗体が、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ピディリズマブ、PDR−001、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−E、PD1−1、PD1−2、PD1−3、PD1−4およびPD1−5からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 抗PD−L1抗体が、アテゾリズマブ、アベルマブおよびデュルバルマブからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
  9. 化合物Aが、化合物Bと、同時に、同時的に、順次、連続的に、交互に、または別々に投与される、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患、好ましくは、がんまたは腫瘍疾患を処置または予防する方法における使用のための、請求項1、4または5のいずれか1項に定義される化合物Aであって、前記方法が、処置または予防を必要とする患者に、化合物Aを化合物Bと組み合わせて投与することを含み、化合物Bが、請求項1および6から8のいずれか1項に定義される、化合物A。
  11. 化合物Aが、化合物Bと、同時に、同時的に、順次、連続的に、交互に、または別々に投与される、請求項10に記載の使用のための化合物A。
  12. 腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患、特に、がんまたは腫瘍疾患を処置または予防する方法における使用のための、請求項1および6から8のいずれか1項に定義される化合物Bであって、前記方法が、処置または予防を必要とする患者に、化合物Bを化合物Aと組み合わせて投与することを含み、化合物Aが、請求項1、4または5のいずれか1項に定義される、化合物B。
  13. 化合物Bが、化合物Aと、同時に、同時的に、順次、連続的に、交互に、または別々に投与される、請求項12に記載の使用のための化合物B。
  14. 腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患、好ましくは、がんまたは腫瘍疾患を処置または予防するための医薬組成物を調製するための、請求項1、4または5のいずれか1項に定義される化合物Aの使用であって、化合物Aが、化合物Bと組み合わせて使用され、化合物Bが、請求項1および6から8のいずれか1項に定義される、使用。
  15. 化合物Aが、化合物Bと、同時に、同時的に、順次、連続的に、交互に、または別々に投与される、請求項14に記載の化合物Aの使用。
  16. 腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患、好ましくは、がんまたは腫瘍疾患を処置または予防するための医薬組成物を調製するための、請求項1および6から8のいずれか1項に定義される化合物Bの使用であって、化合物Bが、化合物Aと組み合わせて使用され、化合物Aが、請求項1、4または5のいずれか1項に定義される、使用。
  17. 化合物Bが、化合物Aと、同時に、同時的に、順次、連続的に、交互に、または別々に投与される、請求項16に記載の化合物Bの使用。
  18. a)化合物A、および
    b)化合物B
    を含む医薬組成物であって、
    ここで、
    化合物Aが、抗IGF抗体であり、
    化合物Bが、PD−1アンタゴニストである、
    前記医薬組成物。
  19. 化合物Aが、ヒトIGF−IおよびIGF−2に結合する抗体分子である、請求項18に記載の医薬組成物。
  20. 化合物Aが、配列番号40(HCDR1)、配列番号41(HCDR2)および配列番号42(HCDR3)の重鎖相補性決定領域、ならびに配列番号43(LCDR1)、配列番号44(LCDR2)および配列番号45(LCDR3)の軽鎖決定領域を含む抗体分子であり、好ましくは、化合物Aが、配列番号46の重鎖可変領域および配列番号47の軽鎖可変領域を含むヒト抗体分子であり、より好ましくは、化合物Aが、配列番号48の重鎖および配列番号49の軽鎖を含むヒト抗体分子である、請求項18または19に記載の医薬組成物。
  21. PD−1アンタゴニストが、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体である、請求項18から20のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  22. 抗PD−1抗体が、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ピディリズマブ、PDR−001、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−E、PD1−1、PD1−2、PD1−3、PD1−4およびPD1−5からなる群から選択される、請求項21に記載の医薬組成物。
  23. 抗PD−L1抗体が、アテゾリズマブ、アベルマブおよびデュルバルマブからなる群から選択される、請求項22に記載の医薬組成物。
  24. 1つまたは複数の薬学的に許容される、担体、賦形剤および/またはビヒクルをさらに含む、請求項18から23のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  25. 腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患、好ましくは、がんまたは腫瘍疾患を処置および予防する方法における使用のための、請求項18から24のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  26. a)化合物Aを含む第1の医薬組成物または剤形、および
    b)化合物Bを含む第2の医薬組成物または剤形
    を含むキットであって、
    ここで、
    化合物Aが、抗IGF抗体であり、
    化合物Bが、PD−1アンタゴニストである、
    前記キット。
  27. 化合物Aが、ヒトIGF−IおよびIGF−2に結合する抗体分子である、請求項26に記載のキット。
  28. 化合物Aが、配列番号40(HCDR1)、配列番号41(HCDR2)および配列番号42(HCDR3)の重鎖相補性決定領域、ならびに配列番号43(LCDR1)、配列番号44(LCDR2)および配列番号45(LCDR3)の軽鎖決定領域を含む抗体分子であり、好ましくは、化合物Aが、配列番号46の重鎖可変領域および配列番号47の軽鎖可変領域を含む抗体分子であり、より好ましくは、化合物Aが、配列番号48の重鎖および配列番号49の軽鎖を含む抗体分子である、請求項26または27に記載のキット。
  29. PD−1アンタゴニストが、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体である、請求項26から28のいずれか1項に記載のキット。
  30. 抗PD−1抗体が、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ピディリズマブ、PDR−001、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−E、PD1−1、PD1−2、PD1−3、PD1−4およびPD1−5からなる群から選択される、請求項29に記載のキット。
  31. 抗PD−L1抗体が、アテゾリズマブ、アベルマブおよびデュルバルマブからなる群から選択される、請求項29に記載のキット。
  32. 処置または予防を必要とする患者における、腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患、好ましくは、がんまたは腫瘍疾患の処置または予防における、同時の、同時的な、順次の、連続的な、交互の、または別々の、患者への投与のための、可読の説明書を含む添付文書をさらに含む、請求項26から31のいずれか1項に記載のキット。
  33. 処置される腫瘍学的疾患が、膵臓がん、前立腺がん、乳がん、結腸直腸がん、肺がん、神経膠芽腫、腎臓がんからなる群から選択されるがん、好ましくは、膵臓がん、前立腺がん、乳がん、結腸直腸がんまたは肺がん、特に、NSCLCである、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法、請求項10から11のいずれか1項に記載の使用のための化合物A、請求項12から13のいずれか1項に記載の使用のための化合物B、請求項14から15のいずれか1項に記載の化合物Aの使用、請求項16から17のいずれか1項に記載の化合物Bの使用、請求項18から25のいずれか1項に記載の医薬組成物、または請求項26から32のいずれか1項に記載のキット。
JP2020517814A 2017-09-29 2018-09-28 抗igf、抗pf−1の抗がん組み合わせ治療 Pending JP2020535180A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP17194196.6 2017-09-29
EP17194196 2017-09-29
PCT/EP2018/076494 WO2019063802A1 (en) 2017-09-29 2018-09-28 ANTICANCER ANTI-IGF POLY THERAPY, ANTI PD-1

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020535180A true JP2020535180A (ja) 2020-12-03
JP2020535180A5 JP2020535180A5 (ja) 2021-11-11

Family

ID=60009481

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020517814A Pending JP2020535180A (ja) 2017-09-29 2018-09-28 抗igf、抗pf−1の抗がん組み合わせ治療

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20200239559A1 (ja)
EP (1) EP3687573A1 (ja)
JP (1) JP2020535180A (ja)
CN (1) CN111148534A (ja)
WO (1) WO2019063802A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA3148291A1 (en) * 2019-09-11 2021-03-18 Boehringer Ingelheim Io Canada, Inc. Methods of treating cancer by the use of pd-1 axis inhibitors and anti-periostin antibodies
CN112111575B (zh) * 2020-09-22 2023-01-10 重庆医科大学附属第一医院 ***2在恶性肿瘤预后和治疗选择中的应用

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006340714A (ja) * 2005-05-09 2006-12-21 Ono Pharmaceut Co Ltd ProgrammedDeath1(PD−1)に対するヒトモノクローナル抗体および抗PD−1抗体単独または他の免疫療法と併用した癌治療方法
JP2012511315A (ja) * 2008-12-12 2012-05-24 ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 抗igf抗体
WO2013060872A1 (en) * 2011-10-27 2013-05-02 Boehringer Ingelheim International Gmbh Anticancer combination therapy
JP2016511265A (ja) * 2013-03-07 2016-04-14 ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 新生物の治療のための併用療法
WO2016061142A1 (en) * 2014-10-14 2016-04-21 Novartis Ag Antibody molecules to pd-l1 and uses thereof
JP2017505311A (ja) * 2014-01-24 2017-02-16 ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング エキセメスタン及びエベロリムスと組み合わせてインスリン様成長因子(igf)受容体アンタゴニストを用いる癌治療
JP2017506067A (ja) * 2014-01-24 2017-03-02 デイナ ファーバー キャンサー インスティチュート,イ Pd−1に対する抗体分子およびその使用
WO2017055291A1 (en) * 2015-09-28 2017-04-06 Boehringer Ingelheim International Gmbh Anticancer combination therapy

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3883899T3 (de) 1987-03-18 1999-04-22 Sb2 Inc Geänderte antikörper.
CN104945508B (zh) 2007-06-18 2019-02-22 默沙东有限责任公司 针对人程序性死亡受体pd-1的抗体
CN104548091A (zh) 2008-02-11 2015-04-29 治疗科技公司 用于肿瘤治疗的单克隆抗体
US8168757B2 (en) 2008-03-12 2012-05-01 Merck Sharp & Dohme Corp. PD-1 binding proteins
CN114272371A (zh) 2015-07-29 2022-04-05 诺华股份有限公司 包含抗pd-1抗体分子的联合疗法
JP2019509282A (ja) * 2016-02-29 2019-04-04 ファウンデーション・メディシン・インコーポレイテッド 癌の治療方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006340714A (ja) * 2005-05-09 2006-12-21 Ono Pharmaceut Co Ltd ProgrammedDeath1(PD−1)に対するヒトモノクローナル抗体および抗PD−1抗体単独または他の免疫療法と併用した癌治療方法
JP2012511315A (ja) * 2008-12-12 2012-05-24 ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 抗igf抗体
WO2013060872A1 (en) * 2011-10-27 2013-05-02 Boehringer Ingelheim International Gmbh Anticancer combination therapy
JP2016511265A (ja) * 2013-03-07 2016-04-14 ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 新生物の治療のための併用療法
JP2017505311A (ja) * 2014-01-24 2017-02-16 ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング エキセメスタン及びエベロリムスと組み合わせてインスリン様成長因子(igf)受容体アンタゴニストを用いる癌治療
JP2017506067A (ja) * 2014-01-24 2017-03-02 デイナ ファーバー キャンサー インスティチュート,イ Pd−1に対する抗体分子およびその使用
WO2016061142A1 (en) * 2014-10-14 2016-04-21 Novartis Ag Antibody molecules to pd-l1 and uses thereof
WO2017055291A1 (en) * 2015-09-28 2017-04-06 Boehringer Ingelheim International Gmbh Anticancer combination therapy

Non-Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
CANCER RES, vol. Vol. 77 (13_Supplement), JPN6022039378, 1 July 2017 (2017-07-01), pages 20, ISSN: 0004877154 *
GASTROENTEROLOGY, vol. 151, JPN6022039380, 2016, pages 1192 - 1205, ISSN: 0004877153 *
MOL CANCER THER, vol. 13, no. 2, JPN6022039379, 2014, pages 399 - 409, ISSN: 0004877152 *
REGISTRY (STN) [ONLINE], JPN7022004464, 5 September 2022 (2022-09-05), ISSN: 0004877155 *
水島裕, 今日の治療薬(2003年版), vol. 第25版, JPN6020025586, 15 February 2003 (2003-02-15), pages 149, ISSN: 0005032556 *

Also Published As

Publication number Publication date
US20200239559A1 (en) 2020-07-30
WO2019063802A1 (en) 2019-04-04
CN111148534A (zh) 2020-05-12
EP3687573A1 (en) 2020-08-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20240018257A1 (en) Antibodies specific to human poliovirus receptor (pvr)
EP3344658B1 (en) Antibodies specific to human t-cell immunoglobulin and itim domain (tigit)
JP6586087B2 (ja) Pd−1アンタゴニストとジナシクリブとの組合せでの癌治療
EP3102604B1 (en) Combination of a pd-1 antagonist and a 4-1bb agonist for treating cancer
JP2023039448A (ja) がんを治療するための、pd-1アンタゴニスト及びvegfr/fgfr/retチロシンキナーゼ阻害剤の組合せ
KR20180103150A (ko) 암을 치료하기 위한 ox40 작용제 및 4-1bb 작용제 단클론 항체의 조합
KR20170004006A (ko) 암을 치료하기 위한 항-ccr4 항체 및 4-1bb 효능제의 조합
KR20160108566A (ko) 암을 치료하기 위한 pd-1 길항제 및 vegfr 억제제의 조합
US11198726B2 (en) Anti-cancer combination therapy
JP7274426B2 (ja) 抗gitrアゴニスト抗体での癌の処置
US20210317214A1 (en) Combination therapy of a pd-1 antagonist and lag3 antagonist for treating patients with non-microsatellite instability-high or proficient mismatch repair colorectal cancer
JP2022512851A (ja) がんの処置のための抗tigit抗体の投薬レジメン
JP2020535180A (ja) 抗igf、抗pf−1の抗がん組み合わせ治療
US20240010729A1 (en) Combination therapy of a pd-1 antagonist and lag3 antagonist and lenvatinib or a pharmaceutically acceptable salt thereof for treating patients with cancer
KR102239752B1 (ko) 종양 특이적 약물복합체와 항pd-l1 항체를 유효성분으로 하는 암 예방 또는 치료를 위한 병용 투여용 약학 조성물
WO2022150557A1 (en) Combination therapy using an anti-fucosyl-gm1 antibody
US20230322929A1 (en) Compositions and Methods for Treating Solid Tumors with Anti-BTLA as Mono or Combination Therapy
KR102662228B1 (ko) 암을 치료하기 위한 pd-1 길항제 및 vegfr/fgfr/ret 티로신 키나제 억제제의 조합
KR20230087451A (ko) 암 환자를 치료하기 위한 pd-1 길항제 및 vegfr-2에 대한 길항제의 조합 요법
CN116806226A (zh) 用于治疗癌症患者的pd-1拮抗剂和vegfr-2的拮抗剂的联合疗法
KR20240064733A (ko) 암을 치료하기 위한 pd-1 길항제 및 vegfr/fgfr/ret 티로신 키나제 억제제의 조합

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210927

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220920

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230410