JP2020530840A - 胆汁うっ滞性疾患を治療するための組成物及び方法 - Google Patents

胆汁うっ滞性疾患を治療するための組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、胆汁うっ滞性疾患の治療及び予防に使用するための組成物及び方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、胆汁うっ滞性疾患の治療及び予防に使用するための組成物及び方法に関する。
胆汁うっ滞性疾患は、肝臓での胆汁の毒性蓄積、及び血清中の肝臓酵素レベルの上昇によって示される肝機能障害を引き起こす病態である。この病態は、肝外胆管の直接閉塞(例えば、胆石、炎症性狭窄、がん、または膵炎)によって、または原発性胆汁性肝硬変(PBC)、原発性硬化性肝硬変(PSC)、進行性家族性肝内胆汁うっ滞、妊娠時胆汁うっ滞、胆管炎、肝炎、アルコール性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、及び肝細胞癌などの肝疾患、ならびに肝硬変のその他の病因、例えば、嚢胞性線維症及び移植片対宿主疾患などの病態により引き起こされる肝内胆管の損傷によって、引き起こされ得る。
PBC及びPSCなどの胆汁うっ滞性肝疾患の治療薬として、ウルソデオキシコール酸(UDCA)が報告されている。UDCAは、その抗胆汁うっ滞性、抗炎症性、抗アポトーシス性、及び保護特性により疾患の進行を遅らせると考えられている(Paumgartner et al.,Hepatology 36:525−531,2002)。しかしながら、PBCの場合、患者の約40%はUDCA治療に反応しない(Pares et al.,Gastroenterology 130:715−720,2006)。さらに、特に高用量で投与する場合、治療は重篤な副作用を引き起こし得る。PSCでは、高用量は有意な有害事象のリスクと関連していた。非天然の胆汁酸誘導体であるオベチコール酸は、UDCAに対する反応が不十分な成体においてUDCAと併用して、またはUDCAに対する忍容性がない成体における単剤療法として、原発性胆汁性胆管炎(PBC)の治療に承認されており、PSCを治療するための臨床試験において研究されている。しかしながら、治療は重度の掻痒症などの望ましくない副作用を伴い得る。疾患が薬理学的介入によって制御されていない患者は、多くの場合、肝移植を必要とする。
消化管(GI)マイクロバイオームは胆汁酸代謝に関与し、肝臓で合成される抱合型一次胆汁酸を、肝臓及び胃腸(GI)で代謝、炎症、免疫、及び胆汁酸合成に影響を及ぼす一連の一次及び二次胆汁酸に変化させる。肝臓で合成される胆汁酸塩として、グリシンまたはタウリン抱合型コール酸(CA)及びケノデオキシコール酸(CDCA)が挙げられ、これらは両親媒性であり、脂質及び他の疎水性分子を吸収するために可溶化するのに役立つ界面活性剤特性を有する(Ridlon et al.,J.Lipid Res.47:247−259,2006)。抱合型一次胆汁酸塩(場合により、本明細書中では「抱合型一次胆汁酸」と呼ばれる)は、特定の腸内細菌によって非抱合型化されて、非抱合型一次胆汁酸(本明細書中では「一次胆汁酸」と呼ばれる)を形成し、これは、酸化、異性化、7α−脱ヒドロキシル化を含む一連の微生物触媒反応により、二次胆汁酸にさらに代謝され得る(Ridlon et al.,J.Lipid Res.47:247−259,2006)。さらに、肝臓は、これらの胆汁酸代謝産物の抱合型(本明細書中では「抱合型二次胆汁酸」と呼ばれる)を産生する。合計で45種以上の胆汁酸がヒトで発見されたと報告されている(Bathena et al.,J.Chromatography B 942−943:53−62,2013)。胆汁酸含量及びシグナル伝達の変化は、胆汁うっ滞性疾患、NASH、及び炎症性腸疾患などの炎症性疾患を含む多くの疾患の転帰と関連している(Hofmann,Arch Intern Med 159:2647−2658,1999;Duboc et al.,Gut 63:531−539,2013;Kohli et al.,Dig.Dis.33:440−446,2015)。
抱合型一次胆汁酸塩は適切な栄養吸収に重要であるが、高濃度で存在する場合、またはミセルを形成できない場合、肝細胞及び胆管上皮細胞に損傷を引き起こし得る(Monte et al.,World J.Gastroenterol.15(7):804−816,2009)。胆汁酸レベルの上昇は、肝臓で酸化ストレス及びアポトーシスを引き起こすことも示されており(Sokol et al. Hepatology 17:869−881,1993;Faubion et al.,Fas.J.Clin.Invest.103:137−145,1999)、より疎水性の胆汁酸は結腸の発がんと関連している(Debruyne et al.,Mutat.Res.480−481:359−369,2001)。また、FXRシグナル伝達及び胆汁酸含量の崩壊は、肝臓癌と関連している(Kim et al.,Carcinogenesis 28:940−946,2007)。ヒトでは、MDR3遺伝子の欠損により、進行性家族性肝内胆汁うっ滞として知られるタイプの胆汁うっ滞が生じる(Deleuze et al.,Hepatology 23:904−908,1996)。
有効な治療選択肢の利用可能性が限られること、及び慢性的な疾患の進行を考えると、胆汁うっ滞性疾患ならびにそれらの徴候及び症状を改善または予防するための治療法が必要とされている。
〔発明の概要〕
本発明は、複数の生存可能な細菌を含む製剤を提供し、製剤は、第1の胆汁代謝活性(例えば、胆汁酸または胆汁酸塩ヒドロラーゼ活性;以下も参照)を示すことができる少なくとも1つの細菌OTUまたは種、及び薬学的に許容される賦形剤を含む。
いくつかの実施形態では、OTUまたは種の16S rDNA配列またはその断片は、図16の配列、またはその部分(例えば、以下を参照)に対して、少なくとも95%または少なくとも97%同一である(例えば、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である)。
いくつかの実施形態では、製剤は、第1の胆汁酸または胆汁酸塩ヒドロラーゼ活性とは異なる特異性を有する第2の胆汁酸または胆汁酸塩ヒドロラーゼ活性、脱抱合化、酸化、及び脱ヒドロキシル化からなる群から選択される活性を示し得る少なくとも1つの生存可能な細菌OTUまたは種をさらに含む。
いくつかの実施形態では、製剤は、少なくとも2つの異なる細菌のOTUまたは種を含む。
いくつかの実施形態では、製剤は、2つの異なる細菌のOTUまたは種を含み、製剤は、酸化及びジヒドロキシル化活性を示すことができる。
いくつかの実施形態では、製剤は、表1の少なくとも2つのクレードから選択される、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、40、45、または50のOTUまたは細菌種を含む。様々な実施例において、表1の組成物の各OTUまたは細菌種の16S rDNAは、図16の少なくとも1つの配列またはその部分(例えば、以下を参照)に対して、少なくとも95%または97%の配列同一性(例えば、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性)を有する。
いくつかの実施形態では、製剤は、表2の少なくとも2つのクレードから選択される、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、40、または50のOTUまたは細菌種を含む。
いくつかの実施形態では、製剤は、表1のパートBもしくはC、表2、または表3の、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、40、または50のOTUまたは細菌種を含む。
いくつかの実施形態では、製剤は、1、6、86、87、90、100、101、164、195、196、197、203、204、及び297からなる群から選択される5、10、15、または20クレード由来の1つ以上のOTUまたは細菌種を含む。
いくつかの実施形態では、製剤中の異なるOTUまたは種の数は、60、50、30、20、または15未満である。
いくつかの実施形態では、製剤の1つ以上の細菌OTUまたは種の、胆汁酸または胆汁酸塩ヒドロラーゼ、脱抱合化、酸化、または脱ヒドロキシル化活性が、動物ベースのアッセイ、細胞ベースのアッセイ、in vitroアッセイ、配列決定を用いて、またはこれらのタイプのアッセイを併用して検出される。
いくつかの実施形態では、製剤の各細菌OTUまたは種は、加水分解、脱抱合化、酸化、または脱ヒドロキシル化からなる群から選択される胆汁酸または胆汁酸塩代謝活性を有する。
本発明はまた、上記または本明細書の他の場所に記載の製剤を含む治療製剤または組成物を含む。様々な実施形態では、治療製剤の生存可能な細菌を、小腸、結腸、または両方に送達する。
また、本発明により、胆汁うっ滞性疾患もしくは病態と診断されているか、または胆汁うっ滞性疾患もしくは病態のリスクがある対象の治療方法も提供し、方法は、対象に微生物組成物または製剤(例えば、上記の製剤を参照)を投与することを含み、その場合、微生物組成物中の少なくとも1つの細菌OTUまたは種は、一次胆汁酸または胆汁酸塩を脱抱合化することができる。様々な実施形態において、微生物組成物中の少なくとも1つのOTUまたは細菌種は、一次胆汁酸または塩を二次胆汁酸または塩に代謝することができる。様々な実施形態において、OTUの16S rDNA配列は、図16の配列またはその部分(例えば、以下を参照)に対して、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一)である。
本発明は、胆汁うっ滞性疾患もしくは病態と診断されているか、または胆汁うっ滞性疾患もしくは病態のリスクがある対象の治療方法をさらに提供する。
本明細書に記載の方法の様々な実施形態において、対象は、全身性胆汁うっ滞(GC)、原発性硬化性肝硬変(PSC)、原発性胆汁性肝硬変(PBS)、進行性家族性肝内胆汁うっ滞(PFIC)、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、妊娠期胆汁うっ滞、胆管炎、肝炎、アルコール性肝疾患、肝細胞癌、肝硬変、嚢胞性線維症、移植片対宿主病(GVHD)、もしくは肝外胆管の閉塞と診断されているか、またはそのリスクがある。様々な実施形態において、肝外胆管の閉塞は、胆石、炎症性狭窄、がん、または膵炎によるものである。
本発明はまた、胆汁うっ滞性疾患もしくは病態(例えば、上記のリストを参照)と診断されているか、またはそのリスクがあり、オベチコール酸(OCA)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)、またはオベチコール酸もしくはUDCAの誘導体を処方されている対象の治療方法を提供し、方法は対象に:(i)CDCA、BSH活性を有する細菌、または一方もしくは両方及び/または活性を阻害することができる化合物のうちの1つ以上を含む組成物;ならびに(ii)薬学的に許容される賦形剤を投与することを含む。
本発明はさらに、ヒコール酸を含む組成物またはヒコール酸の濃度を増加させることができる細菌を含む。
本発明はさらに、胆汁うっ滞性疾患もしくは病態(例えば、上記のリストを参照)と診断されているか、またはそのリスクがある対象の治療方法を含み、方法は、UDCAと、BSH活性を有するがリトコール酸(LCA)レベルを増加させない細菌を含む組成物とを対象に投与することを含む。様々な実施形態において、組成物は、一次胆汁酸または塩を二次胆汁酸または塩に代謝することができる細菌をさらに含む。
本発明ではまた、UDCAで治療中の対象の治療に使用するための、BSH活性を有する細菌を含む組成物も提供し、その場合、細菌は、LCAレベルを増加させない。様々な実施形態において、組成物は、一次胆汁酸または塩を二次胆汁酸または塩に代謝することができる細菌をさらに含む。
いくつかの実施形態では、方法は、OCAを対象に投与することをさらに含む。
本明細書に記載の製剤及び方法のいずれかのいくつかの実施形態では、微生物組成物は、ヒト糞便に直接由来するか、設計された組成物であるか、細菌胞子を含むか、または胞子形成細菌を含む。
本発明はさらに、胆汁うっ滞性疾患もしくは病態(例えば、上記のリストを参照)と診断されているか、またはそのリスクのある対象を治療する際に使用するための上記及び本明細書の他の場所に記載の製剤を含む組成物を提供する。
本発明はまた、対象の胆汁酸代謝を変化させるための組成物で使用するための細菌種の同定方法を提供する。これらの方法は、細菌株のタンパク質コード配列を、所望の胆汁酸活性を触媒するタンパク質のデータベース内の参照配列と比較することを含み、その場合、参照配列と相同性を有する配列を有する細菌株を同定することは、組成物中において使用する細菌株を同定することを意味する。
様々な実施形態において、方法は、in vitroアッセイまたは動物モデルベースのアッセイを使用して細菌種の胆汁酸代謝活性を試験することをさらに含む。
さらなる実施形態では、配列相同性のレベルは、少なくとも75%、80%、85%、90%、93%、95%、97%、98%、99%、または100%の同一性である。
本明細書中で使用する場合、「増強」とは、(i)治療用微生物組成物において存在しないかまたは検出できず(ゲノム配列決定または微生物学的手法などの方法による決定において)、(ii)微生物組成物の投与前に、宿主ニッチ内に(例えば、消化(GI)管、例えばGI管腔、GI管の粘膜、結腸、小腸内に)存在しないか、検出できないか、または低頻度で存在し、及び(iii)微生物組成物の投与後に検出可能であるか、または投与前に微生物が低頻度で存在した場合では微生物組成物の投与後に有意に;例えば、2倍、5倍、1x10倍、1x10倍、1x10倍、1x10倍、1x10倍、1x10倍、または1x10倍以上に増加する、1つ以上のタイプの微生物(例えば、細菌)の確立または有意な増加を指す。増強された生態系を有する微生物は、食物もしくはその他の環境源などの外来性の供給源に由来し得るか、または低頻度で生息する宿主内ニッチに由来し得る。増加は、特定のタイプの細菌の数、タイプ(例えば、細菌のクレード、OTU、または種)の多様性の増加、またはその両方であってもよい。いくつかの実施形態では、「検出不能」または「低」頻度を判定するための比較用の基準レベルを確立する。
「クレード」とは、系統樹の統計的に有効なノードの下流にある操作的分類単位(OTUすなわち系統樹のメンバー)を指す。クレードは、最尤法を使用して全長16S rDNA配列から構築される系統樹のトポロジーに基づいて定義される。クレードは、所与のクレード内のすべてのOTUが、相互に、ブートストラップでサポートされる指定数のノード内にあり、全長16S rDNA配列に基づく遺伝的類似性を有するように構築される。同じクレード内にあるOTUは、例えば、16S rDNA配列に基づいて、異なるクレード内のOTUとは遺伝的及び系統学的に異なるものとして区別することができる。したがって、単一のクレード内の種は、保存された生態学的機能を有している可能性が高く、組成物において交換可能であり得る。
「腸内菌共生バランス失調」とは、微生物の生態学的ネットワークの正常または健康な多様性及び/または機能が破壊される、消化管または粘膜もしくは皮膚表面を含む対象の他の身体領域の微生物叢の状態を指す。破壊により、例えば、マイクロバイオームの多様性の低下、1つ以上の病原体または病原菌の過剰増殖、特定の遺伝的条件及び/または環境条件が対象に存在する場合にのみ疾患を引き起こすことができる共生生物の存在、あるいは宿主対象に1つ以上の必須機能をもはや提供せず、したがってもはや健康を促進しないマイクロバイオームへの移行、あるいは1つ以上の代謝機能のバランスの変化に起因し得るマイクロバイオームの不健康な状態がもたらされる。感染症を治療または予防するための抗生物質の使用などにより、腸内菌共生バランス失調が引き起こされ得る。いくつかの場合では、腸内菌共生バランス失調は、例えば、肝胆道系の機能不全による腸肝胆汁循環の減少など、宿主の生理機能の変化に関連している。いくつかの場合では、腸内菌共生バランス失調は、炎症状態、例えばPSCまたは潰瘍性大腸炎に関連している。
「生着」とは、組成物で処置した宿主の標的ニッチ、例えば、消化管(例えば、小腸または大腸)内の治療組成物中に存在し、処置前に処置した宿主には存在しなかったか、または検出されなかった細菌タイプ(例えば、細菌クレード、OTU、または種)を確立することを指す。生着させる種またはOTUは、最終用量の投与または処置以降の測定により確立することができる(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間、8週間、12週間、3か月、または6か月)。検出方法は当技術分野で公知であり、qPCR、16S v4次世代シーケンシング(NGS)及び全メタゲノムシーケンシング(WMS)、ならびにハイスループットシーケンシングの他の方法が挙げられる。検出限界は、例えば、10e6に1個、10e7に1個、または10e8に1個の細菌の検出であり得る。いくつかの実施形態では、検出方法は、組成物中に提供される細菌株を選択的に検出することができる。いくつかの実施形態では、検出方法は、組成物中に提供される細菌の種またはOTUを選択的に検出することができる。特定の理論に拘泥するものではないが、生着した微生物集団は、標的ニッチ内で環境の変化を誘発する場合があり、それにより、腸内菌共生バランス失調環境からもう1つの健康な状態への変化を触媒することができる、共生微生物の増殖にとって好適な条件を促進する。
本明細書中で使用する場合、「治療する」及び「治療」とは、疾患の少なくとも1つの徴候または症状を予防または改善するために、疾患のリスクがあると診断または予測される個体に、薬剤、組成物、または製剤を投与することを指す。用語「障害」及び「疾患」は、本明細書中では同じ意味で使用される。用語「予防する」及び「予防」とは、特定の有害な病態、障害、または疾患の影響を受けやすい臨床的に無症候性の個体への薬剤または組成物の投与を指し、したがって疾患の少なくとも1つの徴候または症状の発生の予防に関する。本明細書中で使用する場合、他に示されない限り、用語「症状」には徴候及び症状が含まれる。
薬剤、組成物、製剤、またはそれらの組み合わせの「治療有効量」または「有効量」は、障害の少なくとも1つの症状を予防または改善するのに十分な量の薬剤、組成物、製剤、またはそれらの組み合わせである。本明細書に記載の治療組成物の治療有効量は、個体の病状、年齢、性別、及び体重、ならびに個体において所望の応答を誘発する治療組成物の能力、例えば、少なくとも1つの障害のパラメータの改善、またはその障害の少なくとも1つの徴候もしくは症状の改善(及び場合により、投与している追加の薬剤の効果)などの要因によって異なり得る。治療有効量はまた、組成物の毒性効果または有害効果よりも治療的に有益な効果が上回る量である。本明細書に記載の組成物は、通常、治療有効量で投与される。胆汁うっ滞性疾患の症状、または胆汁うっ滞性疾患と関連する症状は、当技術分野で公知である。例えば、全身性胆汁うっ滞の症状は、当技術分野で公知であり、例えば、掻痒症、黄疸、肝臓肥大及び脾臓肥大、疲労、悪心及び嘔吐、肝硬変、肝不全、肝癌、胆石、及びそのような症状の生化学的マーカーが含まれ得る。
細菌の「タイプ」は、株、種、クレード、家族、または他の組織的カテゴリーによって分類される細菌を指す。いくつかの実施形態では、細菌種は、参照細菌の16S rDNA配列に対して、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%同一である少なくとも1つの16S rDNA配列を有する細菌として定義される。いくつかの場合では、細菌種は、参照細菌の対応する16S rDNA可変領域に対して、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%同一である、16S rDNA配列(V1〜V8)の少なくとも1つの可変領域、例えばV4またはV6領域を有する細菌として定義される。
本明細書中で言及する各特許文書及び科学論文、ならびにそれらによって引用される特許文書及び科学論文の全開示は、あらゆる目的のために参照により本明細書に明示的に援用される。
本発明の追加の特徴及び利点を、以下においてより詳細に説明する。
胆汁酸代謝のためのヒト細菌分離株のin vitroスクリーニングの結果を示す。細菌種及び個々の株における酵素活性の多様性及び基質特異性を示すデータを示す。各行は、試験した個々の株に対応する。列は、スクリーニングアプローチに含まれる5つのカテゴリーの酵素活性と、スクリーニングに使用する胆汁酸基質を示す。黒い四角は、示された基質上の酵素活性の存在を示し、空白は活性がないことを示す。 胆汁酸代謝のための設計された組成物のin vitroスクリーニングの結果を示す。設計された組成物とその構成株及び胆汁酸活性を示す。行は、示された組成物内の個々の株を示す。列は、各株の酵素活性及び基質特異性を示す。株はまた、活性を確認するために完全な組成物の混合物として試験した。種を同定するのに有用な少なくとも1つの16S rDNA配列を図16に示す。 無菌マウスにBAなし組成物を生着させた実験のNGSデータを示す。「胆汁酸活性なし」の組成で、投与前及び投与の1日後、3日後、及び7日後に採取した5匹のマウス由来の糞便試料を、次世代シーケンシング(NGS)によって分析した。y軸は、各試料について最大20,000リードまでに観測されたリード数を示す。個々のクレードは、棒グラフの様々な網掛けで表される。「胆汁酸なし」組成物中の細菌に属する3つのクレードを、濃い灰色、白色、及び薄い灰色で示す。 設計された組成物の生着が無菌マウスの糞便中の胆汁酸含量を変えることができるかどうかを試験する実験のデータを示す。データは、「胆汁酸なし(BAなし)活性」組成物、「BSHのみの活性」組成物、「最大BA活性」組成物、または「通常化」(マウス由来FMT)を生着させた無菌マウスの糞便中の胆汁酸特性を示す。処置ごとに5匹のマウスを試験し、胆汁酸特性を全アッセイ胆汁酸プールに対する割合として示す(アッセイ胆汁酸プールとは、試料中に検出されたすべての胆汁酸の合計を意味する)。は、Tukeyの多重比較試験による二元配置分散分析に基づいて、通常化マウスと比べた有意差を示す。p値は以下のとおりである:**p≦0.01、****p≦0.001。 細菌による抱合型一次胆汁酸塩の異化が肝胆汁酸プールを減少させることができるかどうかを調べる実験の結果を示す。肝胆汁酸プールの総量を、野生型マウス、通常化マウス、及び無菌マウス、ならびに「BA活性なし」、「BSHのみの活性」、または「最大BA活性」の組成物を生着させたマウスで測定した。各群で5匹のマウスを試験し、LC−MSを使用して全肝胆汁酸をアッセイし、結果を試料組織重量(nM/mg)に対して正規化した。全胆汁酸プールは、肝臓組織で検出されたすべての胆汁酸の合計として決定し、純粋な標準を用いた検量線を使用してこれを定量化した。は、対応t検定に基づく無菌マウスと比較した全胆汁酸レベルの有意差を示す。p値は以下のとおりである:***p≦0.001、****p≦0.001。 図5Aは、異なる胆汁酸異化活性を有する細菌組成物による無菌マウスへの生着が、回腸FXR遺伝子発現を有意に変えることができるかどうかを調べる実験の結果を示す。遺伝子発現は、胆汁酸なし(BA活性なし)、BSHのみの活性、または最大BA活性組成物のいずれかを生着させた通常菌叢生着マウスにおけるTaqman qPCRによって評価した。対照には、経口胃管栄養法(「FMT」)を介してマウス糞便を生着させた通常菌叢生着マウス及びマウス微生物叢を有する従来のマウスが含まれる。発現は、ハウスキーピング遺伝子であるβアクチンと比較して示す。****Tukeyの多重比較によるp≦0.0001(n=4〜8)。図5Bは、別個の胆汁酸活性を有する細菌組成物による無菌マウスへの生着が回腸FGF15遺伝子発現に示差的に影響を及ぼすことを示す実験の結果を示す。回腸FGF15発現は、無菌マウス、従来の方法で飼育したマウス、マウス由来FMTを生着させた無菌マウス、及び「BA活性なし」組成物、「BSHのみの活性」組成物または「最大BA活性」組成物を生着させたマウスにおいてアッセイした。発現は、ハウスキーピング遺伝子であるβアクチンと比較して示す。****Tukeyの多重比較によるP<0.0001(n=4〜8)。 CDCA存在下での、FXR活性化遺伝子の発現を媒介するオベチコール酸(OCA)の能力を試験する実験の結果を示す。下流の標的遺伝子の発現を刺激するオベチコール酸(OCA)の能力は、CDCAの存在下で20倍に増強された。図6A:hFXRレポーター細胞を、CDCA(0〜100μM)、OCA(0〜10μM)、または定濃度50μMのCDCAを含むOCA(0〜10μM)のいずれかの連続希釈液の存在下で24時間インキュベートした。FXR活性化は、ルシフェラーゼ活性の測定により評価し、ビヒクル対照(0.2%DMSO)に対する倍率変化として表す。各用量を3回実施した。図7B:コール酸食餌療法による栄養素補充は、in vivoでFXRシグナル伝達の増加をもたらした。図7C及び7D:OCAはFXRシグナル伝達を活性化し、用量依存的にFXR依存性遺伝子の発現を調節した。FXRシグナル伝達は、下流遺伝子に含まれる肝臓のCyp7A1及び回腸のFGF15の発現の測定によって評価した。 図7Aは、HCAではなくCDCAがin vitroでFXRシグナル伝達を活性化することを示す実験結果を示す。hFXRルシフェラーゼ細胞レポーターアッセイにおいて選択した胆汁酸のみの用量反応曲線は、FXRシグナル伝達におけるCDCAの完全なアゴニスト活性を、LCA及びDCAの低いアゴニスト活性を(試験した最大濃度は100μM)、ならびにヒオコール酸のアゴニスト活性がないこと(HCA;最大200μM)を示す。図7Bは、ルシフェラーゼベースのin vitro FXR活性化アッセイにおける、50μMのCDCA(図7Aに示すようにCDCAのEC50=50μM)の存在下での、ヒオコール酸(HCA)によるFXRの相乗的活性化を示す実験結果を示す。DCA及びLCAは、HCAとの有意な相乗効果を示さなかった。50μMのCDCAとともに用いた100μMのLCAは、細胞に対する毒性の増加による活性化倍数の差を示さなかった。データは、50μMのCDCA単独と比較した倍数変化として表す。 原発性硬化性胆管炎(PSC)患者における全胆汁酸レベル及び胆汁酸組成物の変化を示す実験の結果を示す。図8A:患者は、胆汁中の全胆汁酸レベルの減少、ならびにそれに対応した全門脈血及び末梢血胆汁レベルの増加を示す。図8B:PSC患者は、腸内マイクロバイオームによって通常生成される二次胆汁酸及び抱合型二次胆汁酸の割合の減少、ならびに対応する上流の抱合型一次胆汁酸の有意な増加を示す。胆汁酸濃度は、定量のための適切な参照標準を用いてLC−MSを使用して測定した。データは、平均±標準偏差として表す。は、Tukeyの多重比較検定による二元配置分散分析に基づいて、PSCと健康な患者との間の有意差を示す。p値は以下のとおりである:p≦0.1、**p≦0.01、***p≦0.001、****p≦0.0001。 DDC食餌誘発性胆汁うっ滞性疾患で処置した従来の方法で飼育したマウスが、健常対照と比較した胆汁酸含量及び腸微生物特性の変化を示した実験の結果を示す。図9A:胆汁うっ滞性肝疾患の存在を確認する、アルカリホスファターゼ(ALP)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、総ビリルビン(TBIL)及びコレステロール(CHOL)を含む、DDCで処置した従来の方法で飼育したスイスアルビノマウスの血清バイオマーカーのレベルの有意な増加。図9B〜9D:DDC食餌誘発性胆汁うっ滞性疾患のマウスは、未処置対照に比べて、2°及び抱合型2°胆汁酸のレベルの低下、ならびに対応する上流の抱合型1°胆汁酸の増加を示す。図9E:α多様性及びβ多様性指数は、胆汁うっ滞性疾患を誘発するためのDDCの処置前(d0)及び処置後(d21)のマウスにおける別個の微生物集団を示す。α多様性(左のグラフ)は、シャノンの多様性指数に基づく種の豊富さの尺度であり、一方、β多様性(右のグラフ)は、主座標分析(PCoA)に基づく2つの加重軸上の分離距離として表される。図9F:胆汁うっ滞性疾患を誘発するためのDDCの処置前(d0)及び処置後(d21)のマウス間で有意に異なる有病率(p≦0.2)を有する種のリスト。図9G:従来のスイスアルビノマウスにおける胆汁うっ滞性疾患の発症を伴う既知の7α−脱ヒドロキシル化活性を有する株の有意な損失。は、DDC処置マウスと対照マウス(A〜D)の間の、またはDDC処置前(d0)と処置後(d21)のマウスの間の有意差を示す。有意性分析は、Tukeyの多重比較検定による二元配置分散分析に基づいた。p値は以下のとおりである:p≦0.1、**p≦0.01、***p≦0.001、****p≦0.0001。 DDC食餌誘発性胆汁うっ滞性疾患で処置した従来の方法で飼育したマウスが、健常対照と比較した胆汁酸含量及び腸微生物特性の変化を示した実験の結果を示す。図9A:胆汁うっ滞性肝疾患の存在を確認する、アルカリホスファターゼ(ALP)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、総ビリルビン(TBIL)及びコレステロール(CHOL)を含む、DDCで処置した従来の方法で飼育したスイスアルビノマウスの血清バイオマーカーのレベルの有意な増加。図9B〜9D:DDC食餌誘発性胆汁うっ滞性疾患のマウスは、未処置対照に比べて、2°及び抱合型2°胆汁酸のレベルの低下、ならびに対応する上流の抱合型1°胆汁酸の増加を示す。図9E:α多様性及びβ多様性指数は、胆汁うっ滞性疾患を誘発するためのDDCの処置前(d0)及び処置後(d21)のマウスにおける別個の微生物集団を示す。α多様性(左のグラフ)は、シャノンの多様性指数に基づく種の豊富さの尺度であり、一方、β多様性(右のグラフ)は、主座標分析(PCoA)に基づく2つの加重軸上の分離距離として表される。図9F:胆汁うっ滞性疾患を誘発するためのDDCの処置前(d0)及び処置後(d21)のマウス間で有意に異なる有病率(p≦0.2)を有する種のリスト。図9G:従来のスイスアルビノマウスにおける胆汁うっ滞性疾患の発症を伴う既知の7α−脱ヒドロキシル化活性を有する株の有意な損失。は、DDC処置マウスと対照マウス(A〜D)の間の、またはDDC処置前(d0)と処置後(d21)のマウスの間の有意差を示す。有意性分析は、Tukeyの多重比較検定による二元配置分散分析に基づいた。p値は以下のとおりである:p≦0.1、**p≦0.01、***p≦0.001、****p≦0.0001。 DDC食餌誘発性胆汁うっ滞性疾患で処置した従来の方法で飼育したマウスが、健常対照と比較した胆汁酸含量及び腸微生物特性の変化を示した実験の結果を示す。図9A:胆汁うっ滞性肝疾患の存在を確認する、アルカリホスファターゼ(ALP)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、総ビリルビン(TBIL)及びコレステロール(CHOL)を含む、DDCで処置した従来の方法で飼育したスイスアルビノマウスの血清バイオマーカーのレベルの有意な増加。図9B〜9D:DDC食餌誘発性胆汁うっ滞性疾患のマウスは、未処置対照に比べて、2°及び抱合型2°胆汁酸のレベルの低下、ならびに対応する上流の抱合型1°胆汁酸の増加を示す。図9E:α多様性及びβ多様性指数は、胆汁うっ滞性疾患を誘発するためのDDCの処置前(d0)及び処置後(d21)のマウスにおける別個の微生物集団を示す。α多様性(左のグラフ)は、シャノンの多様性指数に基づく種の豊富さの尺度であり、一方、β多様性(右のグラフ)は、主座標分析(PCoA)に基づく2つの加重軸上の分離距離として表される。図9F:胆汁うっ滞性疾患を誘発するためのDDCの処置前(d0)及び処置後(d21)のマウス間で有意に異なる有病率(p≦0.2)を有する種のリスト。図9G:従来のスイスアルビノマウスにおける胆汁うっ滞性疾患の発症を伴う既知の7α−脱ヒドロキシル化活性を有する株の有意な損失。は、DDC処置マウスと対照マウス(A〜D)の間の、またはDDC処置前(d0)と処置後(d21)のマウスの間の有意差を示す。有意性分析は、Tukeyの多重比較検定による二元配置分散分析に基づいた。p値は以下のとおりである:p≦0.1、**p≦0.01、***p≦0.001、****p≦0.0001。 DDC食餌誘発性胆汁うっ滞性疾患で処置した従来の方法で飼育したマウスが、健常対照と比較した胆汁酸含量及び腸微生物特性の変化を示した実験の結果を示す。図9A:胆汁うっ滞性肝疾患の存在を確認する、アルカリホスファターゼ(ALP)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、総ビリルビン(TBIL)及びコレステロール(CHOL)を含む、DDCで処置した従来の方法で飼育したスイスアルビノマウスの血清バイオマーカーのレベルの有意な増加。図9B〜9D:DDC食餌誘発性胆汁うっ滞性疾患のマウスは、未処置対照に比べて、2°及び抱合型2°胆汁酸のレベルの低下、ならびに対応する上流の抱合型1°胆汁酸の増加を示す。図9E:α多様性及びβ多様性指数は、胆汁うっ滞性疾患を誘発するためのDDCの処置前(d0)及び処置後(d21)のマウスにおける別個の微生物集団を示す。α多様性(左のグラフ)は、シャノンの多様性指数に基づく種の豊富さの尺度であり、一方、β多様性(右のグラフ)は、主座標分析(PCoA)に基づく2つの加重軸上の分離距離として表される。図9F:胆汁うっ滞性疾患を誘発するためのDDCの処置前(d0)及び処置後(d21)のマウス間で有意に異なる有病率(p≦0.2)を有する種のリスト。図9G:従来のスイスアルビノマウスにおける胆汁うっ滞性疾患の発症を伴う既知の7α−脱ヒドロキシル化活性を有する株の有意な損失。は、DDC処置マウスと対照マウス(A〜D)の間の、またはDDC処置前(d0)と処置後(d21)のマウスの間の有意差を示す。有意性分析は、Tukeyの多重比較検定による二元配置分散分析に基づいた。p値は以下のとおりである:p≦0.1、**p≦0.01、***p≦0.001、****p≦0.0001。 腸内マイクロバイオームの不在が、スイスアルビノマウスにおけるDDC食餌誘発性胆汁うっ滞性疾患に対する感受性の増加をもたらすことを示しており、この病態は、マウス由来FMTを生着させることにより逆転させることができる。無菌(GF)マウスは、DDC食餌で処置した場合に、従来の方法で飼育した(CH)マウスに比べて、より急速な体重減少(図10A)ならびに有意に高いレベルの血清バイオマーカー、例えば、アルカリホスファターゼ(図10B)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(図10C)、及び総ビリルビン(図10D)を示す。GFマウスでのスイスアルビノマウス由来の自己FMTによる4週間の生着は、DDC誘発性疾患に対するこの感受性を逆転させ、体重減少、ならびにALP、ALT及びTBILレベルが、DDC食餌を与えたCHマウスに匹敵するレベルまで減少した。図10E:胆汁酸特性分析の結果を示し、無菌マウスに比べて、腸内の胆汁酸組成を回復させるのにFMT処置で十分であると判定された。は、DDC処置におけるGFマウスと比較した有意差を示す。有意性分析は、Tukeyの多重比較検定による二元配置分散分析に基づいた。p値は以下のとおりである:p≦0.1、**p≦0.01、***p≦0.001、****p≦0.0001。 微生物組成物がDDC食餌誘発性胆汁うっ滞性肝疾患に対する感受性に影響を及ぼすことを示す。図11A〜11B:無菌のC57Bl/6マウス及びスイスアルビノマウスは、従来のスイスアルビノマウスの疾患に対する有意な耐性にもかかわらず、肝疾患誘発性の体重減少に対して同等の感受性を示す。図11C:DDC食餌では、無菌のスイスアルビノマウスに従来のC57Bl/6ドナーマウスのFMTを生着させると、従来のスイスアルビノドナーマウスからFMTを受け入れたスイスアルビノマウスに比べて、体重がより急速に減少する。図11D:血清ALPレベルは、最終収集前の体重減少に違いがあるにもかかわらず、異なるドナー由来のFMTを生着させたマウス間で同等のレベルが維持される。図11E:C57Bl/6ドナーFMTを生着させたマウスは、スイスアルビノドナーFMTを生着させたマウスに比べて、1°胆汁酸レベルが有意に高く、2°胆汁酸レベルが低い。(注記、図11Aについて、GF−C57マウスは他の3群とは別の実験の一部であった。) マイクロバイオームの回復により、DDC食餌誘発性肝疾患に対する無菌マウスの感受性がレスキューされることを示す。胆汁酸代謝を回復させる、複雑な従来のスイスアルビノマウス由来のFMTまたはそれほど複雑ではない設計された組成物(最大BA)のいずれかによる処置は、無菌のスイスアルビノマウスにおいて、DDC食餌に応答した体重減少(図12A)及びALPレベル(図12B)を低下させた。図12C:従来のマウス由来FMTまたは設計された組成物(最大BA)のいずれかを生着させることにより、無菌マウスにおける大部分の糞便中の胆汁酸サブセットが回復した。は、DDC処置のGFマウスと比較した有意差を示す。有意性分析は、Tukeyの多重比較検定による二元配置分散分析に基づいた。p値は以下のとおりである:p≦0.1、**p≦0.01、***p≦0.001、****p≦0.0001。 DDC食餌誘発性胆汁うっ滞性疾患への感受性に対する、二次胆汁酸(デオキシコール酸+リトコール酸)による栄養素補充の有益な効果を示す。DCA+LCAを添加した食餌を与えた無菌のスイスアルビノマウスは、DDC食餌を与えた場合の未処置の無菌マウスに比べて、体重減少率の低下を示す。 BSH活性の生物情報学的予測をin vitroアッセイ活性と比較した結果を示すグラフ及び表のセットである。 7α−脱ヒドロキシル化活性のバイオインフォマティクス予測をin vitroアッセイ活性と比較した結果を示すグラフ及び表である。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 本発明の様々な組成物及び方法において有用な例示的な細菌由来の全長16S rDNA配列のリストである。 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本発明は、胆汁うっ滞性疾患の予防、改善、及び治療に使用するための方法及び組成物を提供する。本発明の方法により、本明細書に記載の組成物などの細菌組成物を投与することによって、治療する対象のマイクロバイオームを変化させて胆汁酸代謝に影響を及ぼす。いくつかの実施形態では、細菌組成物を医薬品と組み合わせて使用する。いくつかの実施形態では、医薬品の用量またはレジメンは、組成物とともに投与する場合、医薬品単独での処置に比べて量を低減させる。いくつかの実施形態では、本発明の組成物を用いた処置により、医薬品の有効性を増加させ、及び/または副作用を低減する。
消化管におけるマイクロバイオームを介した胆汁酸代謝は、抱合型一次胆汁酸の脱抱合化、極性タウリンまたはグリシン基を抱合型一次胆汁酸塩から除去するプロセスを含み、一次胆汁酸を生成する(Ridlon et al.,J.Lipid Res.47:247−259,2006)。抱合型一次胆汁酸塩の濃度の減少は、患者が望ましくないレベルの抱合型胆汁酸を有する胆汁うっ滞性疾患の影響及び/または進行に有意に影響を及ぼし得る。さらに、組成物は、例えば、上皮細胞、免疫細胞、肝臓などにおけるシグナル伝達特性を有する一次及び/または二次胆汁酸のレベルを増加させることにより、追加の効果を引き起こし得る。OCAが胆汁うっ滞を有する患者に治療効果があり得るという報告によって示されるように、胆汁酸経路の操作には治療効果がある可能性がある。以下に記載するように、いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも1つの胆汁酸塩ヒドロラーゼ(BSH)を発現することができる1つ以上の細菌種またはOTUを含む。
一次胆汁酸は、抱合型一次胆汁酸塩の脱抱合化の産物である。一次胆汁酸の例は、コール酸(CA)及びケノデオキシコール酸(CDCA)である。CA及びCDCAは、肝臓での胆汁酸産生を調節する核ホルモン受容体であるファルネソイドX受容体(FXR)のリガンドである。FXRは、胆汁酸合成酵素CYP7A1及びCYP8B1を下方制御することにより、胆汁酸の恒常性を調節する(Sinal et al.,Cell 102:731−744,2000)。FXRシグナル伝達の活性化は、胆汁酸合成を抑制し、肝臓からの胆汁酸の排出を増加させるため、潜在的に毒性である胆汁酸による肝臓蓄積及び肝臓損傷を軽減する(Chiang,Compr.Physiol.3:1191−1212,2013)。胆汁酸合成の減少は、肝臓において直接、及びFXR−FGF15/19−FGF4R経路により消化管を介して間接的に媒介され得、いずれも胆汁酸シグナル伝達により媒介される。FGF19は、マウスFGF15のヒトオーソログである。FXRシグナル伝達は、NF−kBシグナル伝達に対する作用を通じて抗炎症成分を有すると考えられている(Chiang,Compr.Physiol.3:1191−1212,2013)。胆汁うっ滞性肝疾患、例えば、OCAを治療するために、核ホルモン受容体FXR(NR1H4)を標的とする分子が開発中である。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の組成物及び方法は、抱合型一次胆汁酸塩を一次胆汁酸に代謝することができ、場合により一次胆汁酸を二次胆汁酸に代謝することもできる1つ以上の細菌を含む組成物に関する。
いくつかの実施形態では、コール酸(CA)及びケノデオキシコール酸(CDCA)などのマイクロバイオーム合成一次胆汁酸は、FXRの主要な内在性リガンドであり、したがって、抱合型一次胆汁酸の濃度及びそれらの合成の低下に重要な役割を果たす。結果として生じる一次及び二次胆汁酸は、抱合型胆汁酸の肝臓蓄積、及び潜在的に毒性である胆汁酸による損傷を防止するように機能することができる。したがって、本発明は、回腸及び肝臓における内在性シグナル伝達に影響を及ぼす標的経路に沿って胆汁酸代謝を変化させる、設計された組成物を含む細菌組成物を提供する。本発明の組成物及び方法を、以下においてより詳細に記載する。
組成物
本発明の組成物は、健康な哺乳類、例えばヒトの消化管内で同定された微生物、例えば細菌を含む。いくつかの実施形態では、組成物において有用な細菌のタイプは、小腸(例えば、ヒト小腸)で同定されたタイプである。いくつかの場合では、細菌のタイプは主に結腸において同定される。いくつかの実施形態には、細菌の混合集団(例えば、小腸及び結腸由来の細菌)が含まれる。いくつかの場合では、組成物は、糞便調製物、例えば、ヒトの糞便に直接由来する調製物に由来する。ヒトの糞便に「直接由来する」とは、組成物の細菌を、そのような細菌をほとんどまたはまったく培養せずに、ヒトの糞便から分離することを意味する。
いくつかの実施形態では、組成物は、単一種の一者培養に由来する細菌を含む。そのような培養物から選択した種を組み合わせて組成物を作成する。そのような組成物は、本明細書中では「設計された組成物」と呼ばれる。いくつかの場合では、培養物由来の細菌を誘導して胞子を形成させ、そのような胞子を組成物に使用する。設計された組成物中の細菌は、通常、健康なヒトの糞便において同定された種である。設計された組成物の例を以下に記載する。
いくつかの実施形態では、組成物は、タウリン及び/またはグリシン抱合体を除去することによって1つ以上の抱合型一次胆汁酸塩を一次胆汁酸に代謝することができる細菌及び/または加水分解、酸化、還元、ヒドロキシル化、エピマー化、7−α−脱ヒドロキシル化(一連のCoAライゲーション、酸化、及び/または脱水反応による)、脱硫酸化、及び胆汁酸の二量化によって1つ以上の一次胆汁酸を二次胆汁酸に代謝することができる細菌を含む。例えば、本発明の特定の組成物は、胆汁酸塩ヒドロラーゼ(BSH)活性を発現することができる細菌を含み、したがって、例えば消化管において、抱合型一次胆汁酸塩の脱抱合化を増加させるために使用することができる。他の組成物には、胆汁酸塩ヒドロラーゼ活性だけでなく、胆汁酸酸化及び7−α−脱ヒドロキシル化を含む活性を有する細菌が含まれる。特定の機能を発現することができる細菌を選択して、胆汁酸の望ましい変化を達成することができる。例えば、機能性BSH、7α−デヒドロキシラーゼ、α−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(α−HSDH)、β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、または胆汁酸を代謝することができる他の酵素を発現する能力に関して、細菌を選択することができる。いくつかの場合では、活性は、2つ以上の特定の活性、例えば7α−脱ヒドロキシル化を有するオペロンによってもたらされ、ヒドロキシル胆汁酸のデヒドロキシ胆汁酸への代謝をもたらすことに留意されたい。細菌または細菌の組み合わせを、例えば、1つ以上の抱合型一次胆汁酸塩(例えば、グリココール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸、タウロ−α−ムリコール酸、またはタウロ−β−ムリコール酸)の量を減少させる能力に関して選択する。いくつかの実施形態では、細菌または細菌の組み合わせを、1つ以上の一次または二次胆汁酸(例えば、コール酸、デオキシコール酸、オキソコール酸(3−、7−、または12−)、イソコール酸、ケノデオキシコール酸、リトコール酸、オキソケノデオキシコール酸(3−または7−)、イソケノデオキシコール酸、α−ムリコール酸、β−ムリコール酸、γ−ムリコール酸(ヒコール酸としても知られる)の量を減少させるかまたは増加させる能力に関して選択する。本明細書に記載され、当技術分野で公知のLC−MS、薄層クロマトグラフィー、GC質量分析、または当技術分野で公知の他の方法を使用して、胆汁酸をアッセイすることができる。
本明細書に記載の組成物は、一般的に、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、40、45、または50種類の細菌を含む。細菌のタイプは、家族、属、クレード、種、または株であり得る。一例では、組成物は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、40、45、または50種類の異なる細菌種を含む。別の例では、組成物は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20種類の異なるクレード由来の細菌を含む。より具体的な例では、組成物は、表1のパートBもしくはC、表2、または表3の、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、40、45、または50種類の異なる種;あるいは、表1に記載のクレード:1、6、86、87、90、100、101、164、195、196、197、203、204、及び297の各クレードの、少なくとも5、10、15種、または18種すべての種を含む。いくつかの実施形態では、細菌種を、参照配列(例えば、16S rDNA配列)との相同性により同定する。一般的に、種の参照配列の16S rDNA配列(配列全体またはV4もしくはV1〜3などの可変領域(複数可))に対して、少なくとも97%の同一性(例えば、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性)を有する細菌株は、参照の種と同じ種である。そのような参照配列の例示的なリストを図16に提供する。いくつかの実施形態では、組成物中の異なるOTUまたは種の数は、60、50、30、20、または15未満である。通常、組成物を、薬学的に許容される賦形剤中に製剤化する(以下を参照)。
本明細書に記載する発明の目的のために、クレードは、進化的に関連する細菌種のグループ化である。それらの関連性のため、クレード内の細菌は、胆汁酸代謝などの機能的特徴を共有する可能性が平均よりも高くなっている。クレードは、系統発生学の当業者に周知の最尤法を使用して、全長16S配列から構築される系統樹のトポロジーに基づいて定義される。クレードは、所与のクレード内のすべてのOTUが:(i)相互に指定数のブートストラップでサポートされたノード内、及び(ii)5%の遺伝的類似性内にあるように構築される。同じクレード内にあるOTUは、16S−V4配列データに基づいて、異なるクレード内のOTUとは遺伝的及び系統学的に区別され、一方、同じクレード内のOTUは密接に関連している。ある種またはOTUを同じクレード由来の別の種で置換する組成物は、保存された生態学的機能を有する可能性が高いため、本発明で有用である。いくつかの実施形態では、本発明において有用な細菌は、特定の機能を示すことが示された1つ以上の細菌を含むクレード内に存在すること、及び当技術分野で公知であり、本明細書中に例示するさらなる試験に基づいて選択することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、表1の5、10、15、または18のクレードに由来する1、2、または3種を含む。クレード内の種の例示的なリストを表2に示す。表3は、異なる細菌種とそれぞれの胆汁酸代謝活性を示すリストである。本明細書中で、表3由来の種が本発明の組成物または製剤に含まれると示される場合、場合により種は表3に記載の1つ以上の示された胆汁代謝活性を含む。組成物はまた、クレードに基づいて関連生物を選択し、表3の細菌を同定するために用いられる方法に従って、所望の活性についてそれらを試験することによって同定することができる。表3において、空白のセルは、対応する株で試験しなかった活性を示すことに留意されたい。









いくつかの実施形態では、組成物中のすべての生物は偏性嫌気性菌である。いくつかの実施形態では、組成物中の細菌は、in vitroで培養して胞子を形成させることができる種であり、そのような胞子をin vitroで発芽させることができる。いくつかの実施形態では、組成物中の細菌は胞子である。いくつかの実施形態では、組成物中の細菌は栄養型である。細菌胞子の組成物または栄養性細菌の組成物は、細菌の大部分が特定の形態(すなわち、胞子または栄養性)である一方で、少数が異なる形態であってもよく、例えば、胞子の場合では、組成物中のいくつかの細胞が栄養性であってもよく、一方、栄養性細菌の場合では、いくつかの細胞が胞子型であってもよい。例えば、組成物は、100%、少なくとも99%、少なくとも97%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、もしくは少なくとも75%の胞子であってもよく、または組成物は、100%、少なくとも99%、少なくとも97%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、もしくは少なくとも75%の栄養性細菌であってもよい。いくつかの実施形態では、個々の種は、栄養性細菌と胞子の混合物として存在する。いくつかの実施形態では、組成物中で使用する種の数は、コロニー形成単位(cfu)アッセイを使用して決定するが、当技術分野で公知の他の方法を使用することができる。栄養性または胞子特異的な形態の細菌の割合の評価は、組成物を剤形に調製した日付、または剤形の投与の日付で参照され得る。胞子の調製方法は、当技術分野、例えば米国特許第9,011,834号に記載されている。
治療に有効な細菌の総数は、健康なヒトの消化管内の生物の総数よりはるかに少なく、すなわち、組成物中に提供する種の多様性という点だけでなく、提供する生物の総数という点においても、治療効果を達成するために完全に健康なマイクロバイオームを投与する必要はない。
本出願において、組成物が特定のタイプの細菌「からなる」と示される場合、それは組成物中に存在する細菌タイプのみを指すものと理解すべきである。特定の細菌リストから「からなる」細菌製剤には、追加の非細菌物質、例えば、1つ以上の賦形剤(例えば、1つ以上のカプセルを含む)、水性または非水性媒体(例えば、グリセロール、ポリエチレングリコール、ココアバター、水、及び/または緩衝液)、ならびに1つ以上のプレバイオティクスまたは小分子薬が含まれ得る。
同一性の判定
いくつかの実施形態では、クレード、操作的分類単位(OTU)、種、及び株を、16S rDNA配列(複数可)によって同定する。クレード、OTU、種、及び株の関連性は、クレード、OTU、種、または株間の同一性の割合によって判定することができる。いくつかの場合では、同一性の割合を、16S rDNA配列を用いて判定する。16S rDNA配列は、全長の1つ以上の可変領域であり、単一の配列に由来するか、またはある株、種、もしくはOTU由来の複数の16S rDNA配列に由来する複合体であり得る。参照配列とクエリ配列の間の同一性の割合は、当技術分野で公知の方法を使用して決定することができる。そのような決定のための方法の非限定的な例を以下に提供する。本明細書中で使用する場合、2つのヌクレオチド配列間の関連性は、パラメータ「同一性」によって説明される。一般的に、2つの細菌は、それらが少なくとも95%、例えば97%、98%、99%、または100%の16S rDNA同一性を有している場合、同じOTUまたは種である。いくつかの実施形態では、16S rDNA同一性を、全長の16S rDNA分子に対して判定する。いくつかの実施形態では、16S rDNA同一性を、16S rDNA分子の断片、例えば、可変領域(例えば、V4)に対して判定する。いくつかの実施形態では、同一性を、例えば、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、75、100、125、150、175、200、225、250、300、またはそれ以上の長さのヌクレオチド(または本明細書に記載の任意の数の間の範囲;もしくはそのような範囲内の特定の値)の断片に対して判定する。
一実施形態では、クエリ配列と参照配列との間の配列同一性の程度を、1)デフォルトスコア行列及びデフォルトギャップペナルティを使用して任意の適切なアライメントプログラムにより2つの配列をアライメントし、2)完全一致の数を同定し(完全一致とは、アライメントプログラムが、アライメント内の所与の位置にある2つのアライメント配列内の同一のヌクレオチドを同定することである)、3)完全一致の数を参照配列の長さで除算することにより決定する。
別の実施形態では、クエリ配列と参照配列との間の配列同一性の程度を、1)デフォルトスコア行列及びデフォルトギャップペナルティを使用して任意の適切なアライメントプログラムにより2つの配列をアライメントし、2)完全一致の数を同定し(完全一致とは、アライメントプログラムが、アライメント内の所与の位置にある2つのアライメント配列内の同一のヌクレオチドを同定することである)、3)完全一致の数を2つの配列の最長の長さで除算することにより決定する。
別の実施形態では、クエリ配列と参照配列との間の配列同一性の程度を、1)デフォルトスコア行列及びデフォルトギャップペナルティを使用して任意の適切なアライメントプログラムにより2つの配列をアライメントし、2)完全一致の数を同定し(完全一致とは、アライメントプログラムが、アライメント内の所与の位置にある2つのアライメント配列内の同一のアミノ酸またはヌクレオチドを同定することである)、3)完全一致の数を「アライメント長」で除算することにより決定する(アライメント長は、配列のギャップ及びオーバーハング部分を含むアライメント全体の長さである)。
配列同一性の比較は、一般的に、配列比較プログラムの支援を受けて行う。これらの市販または公的に利用可能なコンピュータープログラムは、複雑な比較アルゴリズムを使用して2つ以上の配列をアライメントし、それは、2つ以上の配列の間に差異(複数可)をもたらし得た進化事象を最も良好に反映する。したがって、これらのアルゴリズムは、同一または類似のアミノ酸のアライメントには報酬を与え、ギャップの挿入、ギャップの拡張及び非類似アミノ酸のアライメントにはペナルティを加えるスコアリングシステムで動作する。比較アルゴリズムのスコアリングシステムは、以下を含む:
i)ギャップの挿入ごとのペナルティスコアの割り当て(ギャップペナルティスコア)
ii)既存のギャップの追加の位置での拡張ごとのペナルティスコアの割り当て(拡張ペナルティスコア)
iii)同一のアミノ酸のアライメント時のハイスコアの割り当て、及び
iv)同一ではないアミノ酸のアライメント時の可変スコアの割り当て。
一般的に、配列比較にはアライメントプログラムのデフォルト値を用いる。同一性を判定するのに有用な適切なコンピュータープログラムとして、例えば、BLAST(blast.ncbi.nlm.nih.gov)が挙げられる。
本発明の一実施形態では、アライメントプログラムは、選択した配列の全長、例えば全長、V1〜3、V4、またはV6 16S rDNA配列にわたるアライメントを最適化する。16S rDNA配列は、単一の配列であるか、または選択した株、種、もしくはOTU由来の複数の16S rDNA配列の複合体であり得る。例えば、グローバルアライメントプログラムは、Needleman−Wunschアルゴリズムに基づいている(Needleman and Wunsch,J.Mol.Biol.48:443−453,1970)。そのようなプログラムの非限定的な例は、ebi.ac.uk/Tools/psa/で入手可能なEMBOSS Needle及びEMBOSS Stretcherプログラムである。
一実施形態では、グローバルアライメントプログラムによって配列をアライメントし、配列同一性は、プログラムによって同定される完全一致の数を「アライメント長」で除算することにより計算する(アライメント長は、配列のギャップ及びオーバーハング部分を含むアライメント全体の長さである)。さらなる実施形態では、グローバルアライメントプログラムは、Needleman−Wunschアルゴリズムを使用し、プログラムによって同定される完全一致の数を「アライメント長」で除算することにより、配列同一性を計算する(アライメント長は、配列のギャップ及びオーバーハング部分を含むアライメント全体の長さである)。
さらなる実施形態では、グローバルアライメントプログラムは、EMBOSSニードル及びEMBOSSストレッチャーからなる群から選択され、プログラムによって同定される完全一致の数を「アライメント長」で除算することによって、配列同一性を計算する(アライメント長は、配列のギャップ及びオーバーハング部分を含むアライメント全体の長さである)。
一度、ソフトウェアがアライメントを生成すると、類似性の割合(%)及び配列同一性の割合を計算することが可能である。
製剤
いくつかの実施形態では、治療は、対象、例えば、胆汁うっ滞性疾患もしくは病態のリスクがあるか、最近治療されたか、または胆汁うっ滞性疾患もしくは病態と診断された患者に組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、組成物は経口剤形である。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体(賦形剤)と組み合わせて、活性成分として本明細書に記載の細菌共生体を含む。本発明の組成物の製造において、細菌は通常、賦形剤と混合するか、賦形剤で希釈するか、または例えば、カプセル、サシェ、紙、もしくは他の容器の形態のそのような担体内に封入する。賦形剤を希釈剤として機能させる場合、それは、活性成分のビヒクル、担体または溶媒として作用する固体、半固体、または液体物質であり得る。したがって、製剤は、錠剤、丸剤、散剤、ロゼンジ、サシェ、カシェ、エリキシル、懸濁液、エマルジョン、溶液、シロップ、エアロゾル(固体としてまたは液体溶媒中で)、例えば、最大10重量%の活性成分を含む軟膏、ソフトカプセル、ハードカプセル、ジェルキャップ、錠剤、坐剤、溶液、またはパッケージ化された散剤の形態であり得る。適切な賦形剤として、例えば、PBS、グリセロール、カカオバター、またはポリエチレングリコールが挙げられる。
製剤の調製において、組成物の固体形態を粉砕して、他の成分と組み合わせる前に適切な粒子サイズを提供することができる。さらに、組成物は、当技術分野で公知の方法及び形態を使用することにより、患者への投与後、例えば結腸での放出のために活性成分の迅速、持続または遅延放出を提供するように製剤化することができる。
組成物は、単位剤形で製剤化することができ、各剤形は、約10〜約10の実行可能なOTU、例えば、約10〜約10OTUを含む。いくつかの実施形態では、実質的にすべての細菌は胞子型である。いくつかの実施形態では、細菌は、胞子型及び栄養型である。用語「単位剤形」とは、ヒト対象及び他の哺乳類の単位用量として適切な物理的に別個の単位を指し、各単位は、所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の活性成分を、適切な医薬賦形剤とともに含む。いくつかの場合では、複数の単位剤形が用量を構成する。例えば、単回投与は、1単位剤形、2単位剤形、3単位剤形、4単位剤形、5単位剤形以上であり得る。いくつかの場合では、単回投与を構成する単位剤形の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、または30単位剤形である。単回投与は、例えば、10個〜約10個の胞子、例えば、約10個〜約10個の胞子であり得る。一例では、用量は、合計10〜10個の胞子を含む1、2、3、または4個のカプセルである。複数の剤形を有する単回投与の場合、剤形は通常、規定の期間内、例えば1時間、2時間、5時間、10時間、15時間、または24時間以内に送達される。
本明細書に記載の組成物は、広い用量範囲にわたって効果的であり得、一般的に薬学的に有効な量で投与される。
本明細書に記載の組成物を含む錠剤または丸剤をコーティングするかまたは調合して剤形を提供し、例えば送達を容易にするか(例えば、嚥下性を向上させることにより)または結腸などの消化管の標的領域への送達を向上させることができる。
いくつかの実施形態では、錠剤または丸剤は、組成物を取り囲む内部成分及び外部成分を含み、後者は前者の外皮として機能する。この2つの成分は、胃内での分解に抵抗し得る腸溶性コーティング層によって分離することができ、内部成分をインタクトな状態で十二指腸を通過させるか、放出を遅らせることができる。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物を含む製剤を、経鼻胃経路を介して、内視鏡検査または所望の部位もしくはその近傍、例えば上部腸管(例えば、胃及び/または十二指腸)または下部腸管(例えば、小腸及び/または大腸)に製剤を送達する他の適切な方法によって投与する。有効量は、in vitroまたは動物モデルの試験系または臨床研究から得られた用量反応曲線から推定することができる。
さらに、製剤は、場合により、当技術分野で公知の制酸剤と併用して投与することができる。
治療方法
本明細書に記載の組成物は、例えば、胆汁うっ滞性疾患または病態を予防または治療するために、治療を必要とする対象、例えば、ヒトなどの哺乳類への投与に有用である。そのような疾患の例として、全身性胆汁うっ滞(GC)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、原発性胆汁性胆管炎(PBS)、進行性家族性肝内胆汁うっ滞(PFIC)、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、妊娠期胆汁うっ滞、胆管炎、肝炎、アルコール性肝疾患、肝細胞癌、肝硬変、嚢胞性線維症、及び移植片対宿主病(GVHD)が挙げられる。さらに、例えば、胆石、炎症性狭窄、がん、または膵炎による肝外胆管の閉塞を有する対象を、本発明の方法により治療することができる。例えば、BSH、7α−脱ヒドロキシル化、及びヒドロキシステロイド脱水素化活性(低活性の参照と比較した活性の上昇)を提供することができる最大BA活性組成物を使用して、異常な胆汁酸組成、例えば、抱合型一次胆汁酸の異常な蓄積を示す胆汁うっ滞性疾患患者を治療することができる。
いくつかの実施形態では、OCA及び/またはUDCA処置に応答するが、望ましくない副作用(例えば、重度の(許容できない)掻痒、肝臓関連有害作用の上昇及び/またはOCA処置に関連する生化学的検査、あるいはHDL−Cの望ましくない減少)を経験する患者は、BSHのみの組成物、または少なくともBSH活性を有する本明細書に記載の他の組成物で処置することができ、それによりOCA及び/またはUDCAの投与の量または頻度を低減するか;あるいは、通常用量または高用量のOCA及び/またはUDCAに対する患者の耐性を高めることができる。特定の理論に拘泥するものではないが、そのような患者の胆汁酸のレベルを変化させることにより、CDCAなどの一次及び/または二次胆汁酸がOCAまたはUDCAと相乗作用し、PBCなどの肝疾患の患者の治療を向上させることができる。
本発明の方法及び組成物を使用して、胆汁酸代謝を改善することにより、これらの疾患及び病態の1つ以上の症状を改善することができる。本方法は、胆汁うっ滞性疾患の原因病理に必ずしも対処し得ないが、総胆汁酸プールを減少させること、ならびに抱合型一次胆汁酸塩を一次胆汁酸及び/または二次胆汁酸に変換することの両方により、胆管損傷の原因を除去することは、有意な代替アプローチがない場合を含め、疾患の進行及び患者の幸福に対する重要な影響を与え得る。このアプローチの利点として、例えば、利用可能な治療の有効量を低減することにより、そうでなければ難治性である疾患の治療、現在利用可能な治療と比較して望ましくない副作用が少ない治療、または現在利用可能な治療に関連する望ましくない副作用の減少が挙げられる。別段の指示がない限り、本明細書中で使用する用語「総胆汁酸」とは、動物で検出された主要な胆汁酸の合計を意味する。ヒトでは、これは通常、少なくともコール酸、グリココール酸、デオキシコール酸、タウロコール酸、ケノデオキシコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、及びリトコール酸を指す。いくつかの実施形態では、これには、α−ムリコール酸、β−ムリコール酸、γ−ムリコール酸(ヒコール酸)、オキソ胆汁酸、及びイソ胆汁酸も含まれる。いくつかの実施形態では、哺乳類対象は、胆汁うっ滞性疾患または病態の1つ以上の症状を有するヒト対象である。いくつかの実施形態では、組成物の有効性は、胆汁酸組成、例えば、互いと比較した選択した胆汁酸の相対レベル、または参照と比較した1つ以上の胆汁酸の濃度を測定することにより評価することができる。そのような測定は、例えば、糞便または血清の胆汁酸レベルを使用して行うことができる。いくつかの実施形態では、治療の代謝指数をアッセイすることができる。いくつかの実施形態では、組成物中に投与する細菌種の有無をアッセイすることができる。そのような測定はまた、患者の治療をモニタリングするために、例えば、組成物による追加の治療が患者に必要かどうかを判断するために使用することができる。適切な参照の同定方法は、当業者に公知であり、例えば、健康な患者集団における1つ以上の胆汁酸レベル、疾患と診断された未治療の患者集団における1つ以上の胆汁酸レベル、または治療前のレベルと比較した治療後の患者の1つ以上の胆汁酸レベルの改善が挙げられる。
いくつかの実施形態では、効果的な治療は、例えば、肝臓、血液、もしくは血清中のアルカリホスファターゼ(ALP)活性もしくは濃度を、治療前の患者のALP活性もしくは濃度に比べて低下させるか;または、参照に比べて濃度もしくは活性を低下させる。Ocaliva(登録商標)(オベチコール酸)のFDA標識と一致して、そのような低下は、統計的に有意な症状の軽減が観察されない場合でも治療を正当化するのに十分である。ALPをアッセイする方法は、当技術分野で公知である。
いくつかの実施形態では、組成物の有効性を、治療前のビリルビンレベルと比較したビリルビンの減少により評価することができる。例えば、いくつかの実施形態では、効果的な治療により、患者の尿中のビリルビンレベルは、デシリットル当たり25ミリグラム未満に低下する。ビリルビンは血中でもアッセイすることができる。例えば、総ビリルビンは1.0mg/dL未満である。ビリルビンレベルをアッセイする方法は、当技術分野で公知である。
いくつかの場合では、本発明の組成物による効果的な治療は、以下のうちの少なくとも1つをもたらす;アルカリホスファターゼのレベルを正常値上限(ULN)の1.67倍未満に低下させるか、総ビリルビンを≦ULNに低下させるか、またはアルカリホスファターゼをベースラインから≧15%低下させる。
患者に投与する治療組成物の量及び頻度は、投与する組成物、予防または治療などの投与の目的、患者の状態、投与方法などに応じて様々に異なる。治療用途において、組成物を、疾患及びその合併症の症状を治癒または少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で、すでに疾患を患っている患者に投与することができる。有効量は、治療する疾患の状態に依存して、ならびに患者の疾患の重症度、年齢、体重、及び全身状態などの要因に応じた主治医の判断に依存する。製剤に関する節の上記の用量情報に対する参照を作成する。
いくつかの実施形態では、対象に、組成物の投与の前に抗生物質治療を受けさせる。いくつかの実施形態では、対象に抗生物質治療を受けさせ、抗生物質治療から少なくとも1日、2日、3日、5日、1週間、2週間、3週間、または4週間が経過するまで、及び組成物の投与前に組成物を与えない。いくつかの実施形態では、対象に組成物の複数回投与を受けさせて、確実に投与期間をカバーする。いくつかの実施形態では、対象は、組成物の投与前に胆汁うっ滞性疾患の症状を有している。他の実施形態では、対象は組成物の投与前に胆汁うっ滞性疾患の症状を示しておらず、例えば、組成物を予防的に投与して、胆汁うっ滞性疾患が臨床症状をもたらすリスクを低減する。
いくつかの実施形態では、組成物を、疾患、障害、または病態の改善の前に一度だけ投与する。いくつかの実施形態では、治療組成物を、2日よりも長い間隔で、例えば、3、4、5または6日ごとに1回、あるいは毎週または毎週よりも少ない頻度で、例えば2週間ごと、3週間ごと、4週間ごと、6週間ごと、8週間ごと、12週間ごと、1か月に1回、2か月に1回、3か月に1回、4か月に1回、もしくは6か月に1回投与する。いくつかの場合では、組成物は、設定したスケジュールに従って断続的に、例えば、1日1回、週1回、もしくは月1回、または対象が原発性疾患から再発した場合に投与する。別の実施形態では、組成物を、胆汁うっ滞性疾患のリスクがある個体に長期的に投与する。
いくつかの実施形態では、組成物を、一般的に経腸投与する。例えば、投与は、嚥下形態(例えば、丸薬、サシェ、カプセル、シロップなど)による経口投与、または経口もしくは経鼻管(経鼻胃、経空腸、経口胃、または経口空腸を含む)による経口投与であり得る。他の実施形態では、投与には、直腸投与(例えば、浣腸、坐剤、または結腸内視鏡検査による)が含まれる。組成物は、口、食道、胃、小腸、大腸、または直腸を含む消化管の少なくとも1つの領域に投与することができる。組成物は、散剤、1つ以上のカプセル、1つ以上の錠剤、ゲルまたは液体などの薬剤の形態で経口投与することができる。組成物はまた、経口経路または経鼻胃管を介してゲルまたは液体の形態で、あるいは結腸内視鏡検査を介した浣腸もしくは滴下による、または坐剤による直腸経路によってゲルまたは液体の形態で投与することができる。
対象に、組成物の投与前に結腸洗浄製剤を服用させてもよい。結腸内視鏡検査のために対象を準備するために使用する方法など、結腸洗浄の方法は当技術分野で公知である。また、対象に場合により制酸剤または緩衝剤を処置して、当技術分野で公知であり、対象に適切であると判断される方法で、組成物投与時に胃のpHを上昇させてもよい。
併用療法
上述のように、本明細書に記載するような本発明の組成物または製剤を、胆汁うっ滞性疾患の治療または予防に有用な別の薬剤と併用して投与することができる。したがって、例えば、本発明の組成物または製剤を、以下の薬剤の1つ以上と併用して投与することができる:Ocaliva(登録商標)(OCA、INT−747)、INT−767(FXR/TGR5アゴニスト)、LJN452、GS−9674(PX−102)、PX−104、EDP−305、EP024297、WAY−362450(FXR−450)(XL335)、GSK2324、GW4064、フェキサラミン、内在性胆汁酸(CDCA、LCA/DCA、及び/またはUDCA)。これらの追加の薬剤は、本発明の組成物もしくは製剤とは別の組成物において投与することができるか、またはそれらと組み合わせてさらなる新規組成物を作り出すことができる。追加の薬剤は、本発明の組成物もしくは製剤と同時に投与することができるか、または代替的に当業者によって適切であると判断されるような、本発明の組成物もしくは製剤の1、2、4、8、12、24、もしくはそれ以上の時間もしくは日以内に投与することができる。本発明の併用または製剤の特定の一例では、本発明の組成物と併用してOcaliva(OCA)を投与し、CDCAを増加させる。
候補組成物の試験方法
マウスモデル
胆汁酸代謝が悪影響を受ける動物モデルを使用して、胆汁うっ滞性疾患の症状を改善する能力について候補組成物を試験することができる。そのようなモデルを使用し、候補組成物をモデルに投与して、疾患の少なくとも1つの徴候もしくは症状を改善するかまたは疾患進行率を低下させることにより、候補組成物を用いて胆汁うっ滞を治療することができることを示す。
そのようなモデルの一例は、多剤耐性2ノックアウト(mdr2−/−)マウスである。mdr2は、ホスファチジルコリン(PC)を肝臓から肝小管に輸送する輸送体であるヒトmdr3のマウスホモログである。PCが存在しない場合、ミセルに適切に隔離されない一次胆汁酸塩が異常に高率となる胆汁組成がもたらされると考えられる。この過剰な一次胆汁酸塩は、これらの動物における胆汁うっ滞の原因となる胆管損傷を引き起こすと考えられる(Smit et al.,Cell 75:451−462,1993;Fickert et al.,Gastroenterology 127:261−274,2004)。mdr2−/−ノックアウトマウスは、原発性硬化性胆管炎(PSC)及び胆汁酸の異常に関連する他の障害、特に胆管狭窄及び肝線維症と診断されたヒトに認められる特徴と同様の特徴を有する胆管損傷を発症する。これらのマウスは胆汁リン脂質を欠いているため、過剰な胆汁酸を有するミセルによる胆管の炎症及び損傷を引き起こし、これは原発性硬化性胆管炎を模倣する病態生理に発展する。
LaRussoらは、mdr2−/−の遺伝的バックグラウンドを有し、無菌(GF)で飼育したマウスが従来の(CH)mdr2−/−マウスに比べてより重症の形態の疾患を発症するという観察に基づいて、mdr2−/−モデルのさらなる開発を報告している(Tabibian et al.,Hepatology 2015)。このモデルでは、GFで飼育したmdr2−/−マウスは、浅い結腸クリプト、回腸絨毛の長さの減少、上皮タイトジャンクション構成タンパク質である密着帯の発現の減少など、GF状態に関連する腸組織の典型的な変化を示す。しかしながら、従来の方法で飼育したmdr2−/−マウスと比較して、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、ビリルビンの増加など、60日齢における肝胆道疾患の血清生化学マーカーに差異が観察される。胆管細胞の老化を、肝臓組織におけるp16INK4a in situハイブリダイゼーションによって評価したところ、無菌マウスで有意に増加していた。これらの生化学的及び組織化学的マーカーを、組織病理学的測定によりさらに確認した。さらに、胆汁酸組成の分析により、無菌マウスで予想されるように、微生物活性に由来する一次または二次胆汁酸が存在しないことが示された。アルカリホスファターゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、及びビリルビンなどの血清生化学は、GF mdr2−/−マウスにおいてすべて有意に高かった。より若いGF mdr2−/−マウス(30日齢)もまた、血清生化学マーカーの変化を示し、それは、従来の方法で飼育したmdr2−/−コホートに比べてより重度の肝胆道疾患を示す。
胆汁うっ滞性疾患の第2のモデルは、2007年にFickertらによって開発され(Fickert et al.,Am.J.Pathol.171(2):525−536,2007)、化合物3,5−ジエトキシカルボニル−1,4−ジヒドロコリジン(DDC)を使用して胆管損傷及び閉塞を誘発し、胆管炎及び肝線維症をもたらす。従来のスイスアルビノマウスでは、DDC処置により、PSC患者で認められるようなアルカリホスファターゼ及びアラニントランスフェラーゼレベルの上昇などの症状を伴う、炎症、線維症、胆管閉塞及び慢性胆管炎が生じる。症状は4週間以内に現れ、これによりこのモデルは胆汁うっ滞性疾患を研究するための迅速なモデルとなる。しかしながら、この化学モデルにおけるマイクロバイオームの役割は調査されておらず、微生物の胆汁酸代謝がDDC食餌誘発性肝疾患に対する無菌マウスの感受性に及ぼす影響を、本特許において明らかにする。
報告によると、胆汁酸特性は、一次胆汁酸に関してGF及びCH mdr2−/−マウスの間に有意差を示さない(HPLCによる)。しかしながら、総血清胆汁酸レベルはmdr2−/−マウスにおいて有意に高かった。同様に、総血清胆汁酸は胆汁うっ滞のDDC食餌モデルで上昇したが、胆汁胆汁酸のレベルは疾患によって変化しなかった。無菌マウスは、微生物活性がないため、二次胆汁酸を生成することができない。したがって、無菌モデルでは、一次胆汁酸の脱抱合化または一次胆汁酸から二次胆汁酸への変換など、特定の胆汁酸酵素活性を強調するために設計された様々な細菌の組み合わせを評価することができる。さらに、このスクリーニングは、特定の一次胆汁酸もしくは二次胆汁酸または胆汁酸の組み合わせを評価して、in vivoで疾患表現型の変化を媒介することができる細菌を同定することもできる。いくつかの実施形態では、本モデルまたは本明細書に記載の他のモデルにおいて試験する細菌組成物は、一次及び二次胆汁酸の総レベルを変化させ、疾患表現型に対する胆汁酸組成変化の効果を測定することを可能にする。
マウスPSC/胆汁酸疾患モデルにおける組成物の有効性を評価する追加の方法には、Tabibianらによって記載された方法を使用した無菌の同腹子と比較した、規定の微生物組成物による通常化後のマウスの組織学的評価が含まれる(Hepatol.63:185−196,2015)。無菌mdr2−/−マウスは、CH mdr2−/−マウスに比べて、進行性肝線維症の割合が有意に高いことが報告されており、いくつかの場合では、60日目までに肝硬変を示し、一方、CH mdr2−/−マウスは肝硬変の発症が報告されていない。したがって、本明細書に記載の組成物で処置したGF mdr2−/−マウスの肝線維症の減少は、PSCまたは胆汁酸シグナル伝達に関連する他の障害、例えばNAFLDもしくはNASHの治療に有用であることを示している。GF mdr2−/−マウスを使用して候補組成物の効果を評価する他の方法として、細胆管反応及び胆管減少症の減少、ならびにPSCまたは他の胆汁酸代謝障害の治療に有用な組成物の存在下での老化胆管細胞の割合の減少、ならびに血清中のALP及びビリルビンなどの肝臓酵素の減少を検出することが挙げられる。
上記のように、mdr2−/−GFモデル、またはDDC食餌誘発性胆汁うっ滞性疾患モデルの無菌バージョンにおいて候補組成物を試験することができる。例えば、実施例(下記)に記載するように、適切な胆汁酸代謝障害の任意の他の適切なモデルもまた、使用してよい。そのような障害の治療に有用な候補組成物、すなわち治療組成物は、それを適切な時間投与した場合、障害の動物モデルにおける疾患の少なくとも1つの徴候または症状を、候補組成物を与えなかった動物に比べて軽減させる組成物である。
疾患の徴候及び症状を同定する方法及びその改善は、当技術分野で公知である。例えば、血清中の胆汁酸濃度は、比色法(例えば、Trinity Biotech(Jamestown,NY)のキット)を使用してアッセイすることができる。また、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ガスクロマトグラフィー、またはタンデム質量分析(GC−MSまたはLC−MS/MS)と組み合わせた液体クロマトグラフィーを使用して、胆汁酸代謝酵素の活性及び胆汁酸組成の変化を検出することもできる。
疾患の動物モデルにおける選択された胆汁酸障害に関連する少なくとも1つの徴候または症状を予防または改善する組成物は、「治療組成物」と呼ばれ、この障害の治療に有用である。
均等物
すべての技術的特徴は、そのような特徴のすべての可能な組み合わせで個別に組み合わせることができる。
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で実施してもよい。したがって、前述の実施形態は、本明細書に記載する本発明を限定するものではなく、あらゆる点で例示と見なされるべきである。
以下の非限定的な実施例は、本明細書に記載する本発明の実施形態をさらに説明するものである。
実施例1:材料及び方法
材料
タウロコール酸(t−CA)、タウロケノデオキシコール酸(t−CDCA)、グリココール酸(gCA)、グリコケノデオキシコール酸(gCDCA)、コール酸(CA)、ケノデオキシコール酸(CDCA)、デオキシコール酸(DCA)、リトコール酸(LCA)、及び3,5−ジエトキシカルボニル−1,4−ジヒドロコリジン(DDC)は、Sigma−Aldrich(St.Louis、MO)から入手した。β−ムリコール酸(bMCA)、7−オキソコール酸、7−オキソケノデオキシコール酸、及びタウロ−β−ムリコール酸(t−MCA)は、Santa Cruz Biotechnology(Dallas、TX)から入手した。α−ムリコール酸(aMCA)、タウロ−α−ムリコール酸(t−MCA)、12−オキソコール酸、12−オキソデオキシコール酸、3−イソデオキシコール酸(3β12α)、ヒオデオキシコール酸(3α6α)、ヒオコール酸(HCA)、及び3−オキソデオキシコール酸は、Steraloids(Newport、RI)から入手した。LC−MSベースの酵素アッセイで使用する胆汁酸ストックは、化合物をエタノールに溶解することにより調製した。細胞ベースのアッセイに使用するケノデオキシコール酸(CDCA;Sigma−Aldrich)及びオベチコール酸(OCA;MedChemExpress,NJ)をDMSOに溶解してストックを作成した。
生着
無菌マウス及び従来のマウスは、Taconic Biosciences(Hudson、NY)から購入し、6〜10週齢(両端含む)で使用した。無菌マウスに強制経口投与で7.5%重炭酸ナトリウム100μLを投与し、消化管の酸を中和して、投与する細菌の生存率を向上させた。重炭酸ナトリウムを投与してからおよそ10〜30分後、マウスに強制経口投与により特定の細菌組成物200μLを投与した。マウスは無菌的に取り扱い、無菌アイソレーターに収容し、無菌の固形飼料及び水を与えた。すべての研究は、各研究施設の個々の動物管理使用委員会から承認を受けた。
糞便採取
マウスから新鮮な糞便ペレットを、投与の直前に、次いで投与の1日後、3日後、7日後に、または毎週、直接採取した。各時点で、2つの糞便ペレットを無菌の1.7mL微量遠心管に回収した。一方の糞便ペレットを−80℃で凍結させ、LC−MSによる分析のために保存した。第2の糞便ペレットを、PBS(v/v)中の15%グリセロール100μLにホモジナイズし、−80℃で凍結させ、微生物分析及び配列分析のために保存した。
配列分析
次世代シーケンシング(NGS;ハイスループット配列分析)を使用して16S rDNA V4配列を使用して配列を分析し、マッピングして、最も近い対応するOTUを同定した。すべての種の読み取り結果に関して、配列同一性は少なくとも97%(最近接0.1%)であった。種の識別情報を割り当てるために、内部で独自に手動で精選した参照OTUデータベースを使用した。
胆汁酸塩ヒドロラーゼ(BSH)活性のアッセイ
PBS中の細菌の全細胞懸濁液を、各々の終濃度150μg/mlの抱合型胆汁酸の混合物とともにインキュベートした。96ウェルプレートの反応混合物を嫌気性条件下、37℃で4時間インキュベートした。インキュベーション後、試料を嫌気性チャンバーから取り出した。等量のアセトニトリルを試料に加えて胆汁酸を抽出し、プレートを遠心分離して細菌をペレット化し、得られた上清を0.2μmフィルターで濾過し、LC−MS分析用の試料を生成した。
ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ及び7α−脱ヒドロキシル化活性のアッセイ
ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(HSDH)及び7α−脱ヒドロキシル化活性をアッセイするために、ブレインハートインフュージョン(BHI)培地中の細菌懸濁液を、それぞれ濃度100μMのコール酸またはケノデオキシコール酸の存在下、嫌気性チャンバー内で37℃、4時間、個別にインキュベーションした。インキュベーション後、試料を嫌気性チャンバーから取り出した。等量のアセトニトリルを試料に加えて胆汁酸を抽出し、プレートを遠心分離して細菌をペレット化し、得られた上清を0.2μmフィルターで濾過し、LC−MS分析用の試料を生成した。
設計された組成物
研究用セルバンク(RCB)のコレクションを使用して、in vivo研究用に設計された組成物(DE)を作成した。各セルバンクの栄養力価(CFU/mL)を用いて、各投与について最終力価1.00E+07CFU/株で設計された組成物を作成するために必要なそれぞれの体積を計算した。設計された組成物に加える個々のRCBの体積は、以下のように計算した:
[すべての投与に必要な栄養力価の合計(例えば、1.00E+07での10回の投与=1.00E+08CFU合計)]/[CFU/mLでのRCB栄養力価]=1.00E+07CFU/投与での10回の投与に必要な体積
これを定義したDE中のRCBごとに繰り返して体積を決定し、その後、各RCBの計算した体積を嫌気性チャンバーで組み合わせてRCBを調合し、ボルテックスし、スピンダウンし、15%グリセロール−PBSの最終体積に再懸濁した。
マウス糞便及び肝臓試料からの胆汁酸の抽出
マウス糞便ペレットの重量を測定し、10×w/v抽出緩衝液(水中50%メタノール)中でホモジナイズし、氷上で1時間抽出した。肝臓組織試料も同様に計量し、2×w/v抽出緩衝液(水中50%メタノール)中でホモジナイズし、氷上で1時間抽出した。インキュベーション後、試料を等量の冷アセトニトリルでさらに抽出し、遠心分離し、分析のためにLC−MSにロードする前に、0.22μmフィルターで上清を濾過した。
門脈、血清及び胆汁試料からの胆汁酸の抽出
末梢血清試料をアセトニトリルで1:1に希釈し、遠心分離し、分析のためにLC−MSにロードする前に0.22μmフィルターで上清を濾過した。門脈血清試料をアセトニトリルで1:10に希釈し、同様に遠心分離し、LC−MS分析の前に濾過した。最後に、胆汁試料をアセトニトリルで1:100に希釈し、遠心分離し、LC−MS分析のために0.22μmフィルターで濾過した。ヒト及びマウスの両方の試料について、同じ手順を利用した。
胆汁酸のLC−MS分析
0.2μmのプレカラムフィルターが前に付いたMicrosolv二座C18カラムを備えたAgilent1260 HPLCを使用して、胆汁酸を分離した。0.1%ギ酸を含む水及びアセトニトリルの勾配を使用して流速0.4ml/分で分離を達成した。試料を5μLの量で注入した。HPLCシステムを、Agilentの低質量チューニングミックスを使用して50〜1700m/zの質量範囲に較正したBruker Compass(商標)qTOF質量分析計に結合した。各実行を、各実行の開始時に注入した参照質量溶液に対してさらに較正した。胆汁酸をネガティブモードで検出し、既知の純粋な標準及びBrukerデータ解析ソフトウェアを使用して測定される曲線下面積と比較した一意のm/z及び保持時間によって同定した。PBS中の0.001μM〜100μMの濃度範囲の純粋な標準から作成した検量線を使用して、代謝産物を定量化した。糞便試料については、個々の胆汁酸を総胆汁酸プールの割合として表し、総胆汁酸プールは試料中に検出されたすべての胆汁酸の合計として測定した。肝臓試料については、総胆汁酸レベルは、検出されたすべての胆汁酸の合計として測定し、試料組織重量(nM/ng)に対して正規化した。LC−MSで検出される胆汁酸を以下の表4に記載する。
遺伝子発現特性
投与の3日後にマウスから採取した回腸遠位部試料を、回収時に瞬間凍結させた。ホモジナイゼーションによりRNAを単離した後、QiagenRNeasy(登録商標)Plus Miniキットを使用して、製造元の指示に従って抽出した。RNA−to−CTワンステップqPCR発現キット(Life Technologies、Carlsbad、CA)により、βアクチン、NR1H4(Mm00436425_m1)、NRB02(Mm00442278_m1)、またはFGF15(Mm00433278_m1)に対するTaqman(登録商標)プライマーとともに約50ngのRNAを用いて、リアルタイムqPCR反応を実行した。すべての遺伝子発現を、ハウスキーピング遺伝子であるβアクチンの発現に対して正規化した。
hFXRルシフェラーゼレポーターアッセイ
天然N末端DNA結合ドメイン(DBD)を酵母Gal4 DBDに置換したFXR受容体ハイブリッドを発現するIndigoのFXRレポーターCHO細胞株を使用して、FXRレポーター細胞アッセイを、Indigo BiosciencesによりSeres Therapeuticsの指示に従って実施した。レポーター遺伝子であるホタルルシフェラーゼは、Gal4上流活性化配列(UAS)に機能的に連結している。簡潔に述べると、レポーター細胞をCDCA、OCA、またはビヒクル(0.2%DMSO)の連続希釈曲線に供し、高湿度5%COチャンバー内で37℃、24時間インキュベートした。基質及び検出試薬の存在下でインキュベーション後に発光を測定した。さらに、Live Cell Multiplex(LCM)アッセイ(Indigo Biosciences)を使用して、アッセイ内で生細胞数を測定した。データは、ビヒクル群に対して正規化して示す(図7)。
血清アルカリホスファターゼレベル(ALP)の分析
ALP測定には全血または血清試料を使用した。100μLの試料をVetScan哺乳類肝機能検査ディスク(Abaxis)にロードし、VetScan VS2シリーズの化学分析(Abaxis)を使用して分析した。比較のために、ALPレベル及び追加の血清生化学分析レポートを印刷した。
本実施例に記載する方法は、特定の胆汁酸代謝特性を有する細菌の同定に有用である。他のそのような方法は、当業者に公知である。
実施例2:設計された組成物は、in vitroで特定の胆汁酸活性を示す
無菌マウスモデルでは、出願人は、設計された細菌組成物を使用して、総胆汁酸レベル、及び特に一次胆汁酸から二次胆汁酸への変換の両方の、標的化された減少を示した。出願人はまた、設計された組成物による二次胆汁酸経路の標的化された回復の影響を受ける、腸内の胆汁酸特異的シグナル伝達を示した。これらの実験については、以下で詳細に説明する。
特定の代謝活性を有する細菌株の組み合わせを作成するために、in vitroで個々の細菌株の胆汁酸代謝活性を特徴決定する方法を設計した。したがって、LC−MSベースのスクリーニングアプローチを使用した。ほぼ200株のスクリーニングにより、脱抱合化、酸化、及び7α脱ヒドロキシル化(7α−deOH)を含む、多くのヒト細菌分離株における様々な胆汁酸代謝活性が同定された;図1Aに例を示す(表3も参照されたい)。胆汁酸の脱抱合化は、胆汁酸塩ヒドロラーゼ(BSH)によって触媒される。異なるBSHは、異なる抱合型一次胆汁酸塩に対する活性への選好性を示すことがある。いくつかの場合では、細菌は複数のBSHを有し、そのうち少なくとも2つは互いに基質特異的活性が異なる。例えば、出願人は、BSH配列に関して、Human Microbiome Projectデータベースにある1129個のゲノムを照会し、それらのゲノムの43%がBSH配列に対応する配列を有し、ゲノムがそのような配列を1〜6個有していることを発見した。したがって、いくつかの場合では、DE用の種を選択するための基準は、複数のBSH、例えば、複数のタイプの抱合型一次胆汁酸塩を代謝する能力の存在である。他の場合では、特異性、例えば、1つの特定の抱合型胆汁酸塩のみを切断する能力に関して種を選択する。酸化反応はヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(HSDH)によって触媒され、一方、7α−脱ヒドロキシル化はbaiオペロンによって促進される多段階プロセスである。驚くべきことに、属内の複数の株を試験した場合、試験した3つの反応のいずれにも基質特異性または酵素活性の明らかなパターンは存在していなかった。さらに、異なるドナー由来の同種の複数の分離株間でも、活性レベルの特異性にばらつきが認められた。
前述のように、クレード内の種が同様の機能を有する可能性は高いままであり、このことにより、特定の機能を有する組成物の生成に有用な種のプールが提供される。しかしながら、種間及びOTU間及び株間の活性が様々に異なるため(表3)、in vitroアッセイまたはゲノム解析のいずれかにより目的の株の活性を確認し、狙った胆汁酸代謝能力を備えた組成物を構築する必要がある。
胆汁酸代謝活性を測定した細菌株を、次いで特定の胆汁酸代謝特性を有するように設計した組み合わせで試験した。特定の胆汁酸代謝活性を有する3つの組成物を設計し、調製した(図1B)。対照の「BA活性なし」組成物は、単一株として上記のように試験した場合に胆汁酸代謝活性を示さなかった株からなっていた。さらに、上記のアッセイで使用した場合、混合組成物は検出可能な胆汁酸代謝活性を示さなかったため、これらの株を互いに組み合わせても、胆汁酸代謝活性に関して相補的な特性がなかったことが示唆される。第2の組成物である「BSHのみの活性組成物」は、検出される胆汁酸代謝活性がBSH活性のみである株からなり、その結果、一次胆汁酸塩の脱抱合化に制限され、脱抱合化された一次胆汁酸からその二次誘導体へさらに修飾することはできない組成物をもたらした。試験した抱合型胆汁酸塩には、グリシン及びタウリン抱合型コール酸及びケノデオキシコール酸、ならびにタウリン抱合型α−ムリコール酸及びβ−ムリコール酸が含まれていた。最後の組成物「最大胆汁酸」(最大BA活性)組成物は、BSHを介した脱抱合化活性、ならびに上記の酸化及び7α−脱ヒドロキシル化の2つの二次胆汁酸酵素活性を含むように設計された。この組み合わせの活性を、in vitroアッセイで確認した(図1B)。
これらのデータは、in vitro法を使用して、胆汁酸代謝を変化させるのに有効な組成物を構築することができることを示している。
生着無菌マウスは、組成物由来の種を急速に生着させる
細菌をGI生着させた無菌マウスモデルを使用して、in vivoでの特定の細菌組成物の胆汁酸代謝活性を特徴決定した。無菌マウスは微生物を一切保有していない。したがって、マウスが無菌環境で維持されている限り、無菌マウスに特定の細菌組成物を導入することにより、組成物の胆汁酸代謝活性を直接分析することができる。
5匹の無菌マウスに、上記のin vitro実験で使用した3つの細菌株で構成される「胆汁酸活性なし」組成物を生着させた。糞便試料は、組成物を投与する前ならびに投与の6時間後、1日後、3日後、及び7日目後に採取し、NGSにより分析して、生着した微生物を検出した。以下の生着データを、細菌クレードのレベルで報告する。16S v4 NGS配列決定により、細菌クレードの正確な同定及び種の推定が可能になった。これは、「胆汁酸なし」組成物の3種が別個のクレードに属しているために可能であったが;この場合、クレードレベルでの分析により、生着後のマウスに存在する株に関する正確なデータが提供される。
5匹すべてのマウスが実験の開始時に無菌であることを、NGSを用いて細菌がカウントされないことを観測したことに基づいて確認した(図2参照)。前処置したマウスの糞便からはバクテリアは培養されず、無菌状態がさらに確認された。24時間以内では、処置したマウスのマイクロバイオームは、組成物の細菌が属するクレード由来の配列のみを有していた。後の時点(3日目及び7日目)でも、「胆汁酸なし」組成物の細菌が属する3つのクレードのみが含まれていることが判明した。これは、組成物中の細菌のみが無菌マウスの消化管に安定して生着したことを示している。これらのデータは、無菌モデルを使用して、組成物をアッセイするための生着実験を試験することができることを示している。
生着無菌マウスは、特定の糞便胆汁酸特性を示す
胆汁酸代謝に関連する組成物を試験するためのマウス生着モデルの適合性、及び標的化された方法で胆汁酸代謝を変化させる細菌組成物の能力をさらに調べるために、設計された組成物を生着させた無菌マウス由来の糞便試料を、胆汁酸組成物について分析し、無菌及び通常化対照マウスと比較した。
抱合型一次胆汁酸塩のみが、無菌マウスの糞便中に検出された。抱合型一次胆汁酸塩は肝臓で合成され、それらが糞便中に出現するということは、GIの細菌によって触媒されて(非抱合型)一次及び二次胆汁酸を産生する胆汁酸代謝が欠如していることを示している。同様に、胆汁酸活性のない組成物を生着させたマウスは、糞便試料中の検出可能な一次胆汁酸及び二次胆汁酸の完全な欠如、ならびに未処置の無菌マウスと同一の胆汁酸特性を示した(図3)。対照的に、通常化マウス(これは特定の病原体フリーのマウス(SPFマウス)由来の糞便調製物を生着させた無菌マウスのことであるが、図3においては本明細書中で糞便マイクロバイオーム移植(FMT)と呼ぶプロセスにより「通常化した」マウス)は、様々な一次及び二次胆汁酸を含む、未処置の野生型マウスにおいて認められる特性と同様の、多様な糞便中の胆汁酸特性を示した(図3)。
マイクロバイオームを介した胆汁酸代謝の第1の工程は、BSHにより、抱合型一次胆汁酸塩からタウリンまたはグリシン残基を除去し、遊離胆汁酸を放出する脱抱合化である(Ridlon et al.,JLR 47:247−259,2006)。BSH活性のみに制限された細菌組成物による無菌マウスへの生着により、以前に検出された抱合型一次胆汁酸塩に加えて、脱抱合化一次胆汁酸(一次胆汁酸)を含むが、下流の二次胆汁酸は含まないマウス糞便試料が得られた(図3)。ある場合には、単一のマウスのマウスムコール酸誘導体であるイソ胆汁酸(3α、6αムリコール酸)のレベルが低かった。単一のマウスで検出されたこの異常な胆汁酸は、従来の野生型マウスで通常認められるレベルよりも10倍低く、肝臓での不完全なムリコール酸合成の副産物である可能性がある。
本実施例のデータは、BSH活性を有する細菌組成物の導入により、抱合型一次胆汁酸塩をin vivoで脱抱合化することができることを示している。さらに、これは、in vivo活性が組成物のin vitro活性に対応することができることを示している(図1B)。
抱合型一次胆汁酸塩の脱抱合化後、結果として生じる一次胆汁酸は、GIのマイクロバイオームによって、肝臓における胆汁酸代謝のシグナル伝達及び調節に影響を及ぼし得る一連の二次胆汁酸にさらに修飾される。無菌マウスに最大BA活性組成物を7日間生着させると、マウスSPF/FMTマウス糞便試料を生着させた通常化マウスに認められるレベルと同様のレベルで、多くの脱抱合型一次及び二次胆汁酸が生成された(図3)。最大BAを生着させたマウスにおいて回復させた二次胆汁酸には、7α−脱ヒドロキシル化胆汁酸(DCA及びLCA)及びオキソ胆汁酸(7−オキソCA、3−オキソCDCA、12−オキソDCA、3−オキソLCA)及びイソ胆汁酸(UDCA)が含まれていたが、このことは設計された細菌組成物により微生物の胆汁酸代謝の大部分を回復させることができることを示している。唯一観察された例外は、イソ胆汁酸3β,12α−DCAであり、これは最大BA活性生着マウスでは検出されなかった。特定の理論に拘泥するものではないが、3β,12α−DCAの形成には、この実験の細菌組成物では選択されなかった7β−HSDH酵素によって触媒されるDCAに特異的な胆汁酸異性化活性が必要である。この活性は、最大BA活性組成物には存在しない可能性があった。
tCDCAは、通常化マウスで検出され、最大BAマウスでは検出されなかった(図3)。これは、最大BA組成物がすべてのtCDCAをDCA及びオキソ胆汁酸に完全に変換したのに対し、通常化マウスはそうではなかった、すなわち、通常化マウスの微生物叢組成物に比べて抱合型胆汁酸の変換がより効率的であったことを示している。これはさらに、DEがin vivoで胆汁酸プールを選択的に形成することができること、及びこの特性が胆汁酸代謝またはシグナル伝達の欠損に関連する疾患を有する患者に有用であり得ることを示している。
さらに、図3に示すように、最大BA組成物はHCA活性の存在を示したが、通常化マウスでは何も検出されなかった。この場合、HCAは、通常化組成物ほど完全には最大BA組成物によって代謝されない可能性がある。これらのデータはさらに、患者の胆汁酸プールの組成を変化させ、プールを選択的に正規化するかまたは調整し、胆汁酸関連疾患を改善するための選択された胆汁酸活性を有する設計された組成物の有用性を示している。
消化管における細菌の胆汁酸代謝の回復は、総肝胆汁酸プールを減少させた
本発明のいくつかの態様では、胆汁うっ滞性疾患の患者は、胆汁酸プールの減少により恩恵を得ることができる。一次及び二次胆汁酸はFXRを介してシグナルを伝達し、肝臓での胆汁酸合成を調節し、存在する場合、CYP7A1及び他の胆汁酸合成遺伝子の発現を調節して胆汁酸の産生を減少させる(Hylemon et al.,JLF 50:1509−1520,2009)。報告によれば、一次及び二次胆汁酸プールを欠く無菌マウスは、従来のマウスに比べて胆汁酸産生が増加し、総胆汁酸レベルが高かった(Sayin et al.,Cell Metab.17:225−2235,2013)。胆汁酸合成に対する設計された細菌組成物の効果を測定するために、無菌マウス、設計された組成物を生着させたマウス、及び通常化マウスの総肝胆汁酸プールを上記の方法を使用してアッセイした。
これらの研究において、無菌マウスは、FMT/通常化マウス及び野生型マウスに比べて、肝臓の胆汁酸プールが上昇していた(図4)。BA活性なしの組成物での生着は総胆汁酸プールに影響を及ぼさず、これは高いままであり、未処置の無菌マウスと同等であった。BSHのみまたは最大BA組成物のいずれかによる生着により、肝臓の総胆汁酸プールが野生型マウスと同等レベルまで有意に減少したが(図4)、これはすなわち、一次及び二次胆汁酸の両方による胆汁酸受容体を介したシグナル伝達が存在し、それが肝臓内の胆汁酸プールに影響を与えるということである。
FGF15は特定の胆汁酸活性を有する細菌組成物に応答して示差的に調節される
胆汁酸、特に非抱合型一次胆汁酸CDCAは、ファルネソイドX受容体FXR(NR1H4)を介して回腸でシグナルを伝達し、FGF15の上方制御を引き起こすことが報告されている。FGF15は肝臓に作用して胆汁酸合成を低下させ、したがって腸肝系の総胆汁酸を減少させる。したがって、設計された細菌組成物によって誘発される胆汁酸特性の変化が、機能、特にFXRシグナル伝達を変化させることができるかどうかを試験するバイオマーカーとしてFGF15遺伝子の発現を用いた。文献で報告されているように、FXRレベル自体は変化しないと予想された(Sayin et al.,Cell Metab.17:225−235,2013;Song et al.,Tox.Appl.Pharmacol.283:57−64,2015)。
これらの実験において、マウス由来の糞便マイクロバイオーム移植片(FMT)を生着させた無菌動物は、無菌動物に比べてFGF15遺伝子の発現が有意に上方制御された(200×〜300×)(図5B)。これらの通常化マウスのFGF15レベルは、野生型の従来のマウスで観察されたものと同等であった。これらのデータは、FXRシグナル伝達の調節における複雑なGIマイクロバイオームの役割を裏付けている。最大の胆汁酸活性を有する定義された細菌組成物を生着させたマウスも、無菌マウスに比べてFGF15レベルが増加していた。これらのデータは、二次胆汁酸の存在下でのFXRシグナル伝達の回復を示している(図5B)。驚くべきことに、胆汁酸活性を有さない組成物を与えた動物は、FGF15レベルのわずかな増加を示し(約8倍)、このことは、いくつかのFGF15活性が、二次胆汁酸代謝とは無関係に、マイクロバイオームの存在によって誘導され得ることを示している(図5)。しかしながら、胆汁酸なしの組成物を生着させたマウスのFGF15のレベルは、従来のまたは最大の胆汁酸活性組成物を生着させたマウスで観察されたレベルよりも有意に低いままであった。対照的に、一次胆汁酸を産生するが二次胆汁酸を産生せず、FXRを活性化すると予測されたBSHのみの活性組成物を生着させたマウスは、FGF15発現の変化を示さなかった(図5B)。
一次胆汁酸CDCAによる共処置は、in vitroでOCAの活性を増強する
オベチコール酸(OCA)は、一般的にウルソデオキシコール酸と併用して、または一部の患者では単一の治療レジメンとして、原発性胆汁性胆管炎(PBC)の治療用にFDAで承認されている。オベチコール酸はまた、PSC及びNASHの治療薬としても臨床開発中である。しかしながら、OCAは望ましくない副作用を生じ得る。FXRアゴニストであるオベチコール酸は、CDCAの合成誘導体であり、ヒトFXRの活性化においてCDCAに比べて100倍強力であると報告されている。
ヒトFXRレポーター細胞株を用いて実験を実施し、ビヒクルに対するOCA及びCDCAの報告された示差的有効性を確認した(図6)。ルシフェラーゼベースのアッセイでは、レポーター細胞をOCAまたはCDCAの連続希釈液の存在下でインキュベートし、FXR活性の読み取りを行った。FXRは胆汁酸に結合し、次いで転写調節因子として活性化する。OCAはCDCAに比べてほぼ100倍強力であった。次いで、FXRの活性化に対するCDCAとOCAの共インキュベーションの効果を判定した。驚くべきことに、EC50(50uM)のCDCAの添加は、OCAのFXR活性に影響を及ぼした。CDCAの存在下では、OCA用量反応曲線は約20倍左にシフトし、OCAにCDCAを加えることによりOCAの有効性が増加することが示された(図6A)。
現在のOCAの用量基準に関連する副作用を考えると、より低い用量のOCAは、依然として有効な治療を提供する一方で、患者の経験を有意に改善することができた。胆汁酸の併用療法がin vivoでOCAの有効性を向上させるかどうかを判定するために、最初に、マウスモデルにおけるOCA及び目的の胆汁酸の効果的なFXRシグナル伝達の用量範囲を同定した。マウスでは、ケノデオキシコール酸は胆汁酸プールの重要ではない部分を構成し、一方、コール酸(CA)はFXRのより強力なリガンドであると考えられる(Song et al.,Tox.Appl.Pharmacol.283:57−64,2015)。したがって、マウスにおけるFXRシグナル伝達に対する影響について、OCAの用量範囲及びCAの固定濃度を試験した。回腸及び肝臓のFXRシグナル伝達を、CYP7A1(肝臓)及びFGF−15(回腸)の発現に基づいてモニタリングした。OCA投与により、CYP7A1発現の用量依存的減少及びFGF−15レベルの増加が生じ(図6C〜D)、肝臓及び回腸の両方におけるFXRを介した効果的なシグナル伝達が示唆された。コール酸を添加した食餌もまた、CYP7A1の発現を減少させ、回腸のFGF−15レベルを上昇させ、CA添加によるFXRの活性化が示唆された(図6B)。
次いで、コール酸とOCAとの共処置が、FXRを介したOCAシグナル伝達の有効性を改善し、したがって、有効な治療に必要なOCAの有効濃度を低下させ得るかどうかを判定した。UDCA処置に応答するPBC患者では、OCAは1日5mgの単回投与が推奨されるが、3か月後に反応がない場合、場合により、用量を10mgに増やしてもよい。これらの濃度での投与は、副作用、特に掻痒症に関連している。コール酸(CA)またはケノデオキシコール酸(CDCA)などの一次胆汁酸を産生するマイクロバイオーム組成物でOCAの有効性を高めることにより、より低用量で同等の有効性が得られ、有効な治療を維持する一方でOCA関連の副作用を軽減し得る。また、用量または投与頻度を減らすと、OCAによる処置を忍容する患者の数が増加し、それにより、より多くの集団に治療を提供することができる。
この発見を考慮して、いくつかの実施形態では、本発明は、OCA処置を受けている患者に投与する場合にCDCA及び/またはコール酸を増加させることができる細菌組成物に関する。いくつかの場合では、組成物はまた、HSDH及び7α−脱ヒドロキシル化活性を調節(例えば、減少)することができる。
CDCAは、用量依存的な様式で非活性ヒコール酸の有効性を高める
ヒコール酸(HCA;は6−α−ヒドロキシムリコール酸であり;OCAは6−α−エチルコール酸である)は、胎児の胆汁に中程度のレベルで存在し、ヒト成人ではより低いレベルで存在すると報告されている胆汁酸である(Setchell et al.,J.Biol.Chem.263:16637−16644,1988)。HCAには既知の機能特性はない。上記のin vitroレポーターアッセイを使用して、出願人はHCAがhFXRアゴニスト活性を有するかどうかを試験した。結果を図8に示す。
これらの実験において、HCA単独では、CDCAでの活性と比較した場合、最大200uMの濃度においてヒトFXRアゴニスト活性を有しておらず、比較的弱いアゴニストであるLCA及びDCAよりもさらに活性が低かった(図7A)。驚くべきことに、50uMのCDCAの存在下で、HCAは用量依存的かつ相乗的にヒトFXRを活性化した(図7B)。この効果は、DCAまたはLCAと併用したCDCAでは認められず、hFXRアゴニスト活性がより相加的な様式で上方制御され;ただし、LCAとの併用は、高濃度(100μM)で毒性を示した(下段のグラフ)。特定の理論に拘泥するものではないが、CDCAは6−α位で修飾した胆汁酸を増強する可能性がある。
これらのデータは、CDCA及び/またはHCAを上方制御することができる細菌組成物を使用して内在性FXRシグナル伝達を増強し、胆汁うっ滞性疾患を治療することができることを示している。
実施例3:胆汁うっ滞性疾患のマウスモデルの治療
MDR2遺伝子を欠損するマウスは胆汁うっ滞性疾患を発症する(Tabibian et al.,Hepatology 63(1):185−196,2016)。無菌のMDR2−/−マウスは、おそらくは適切な量のホスファチジルコリンを欠く胆汁に由来する胆管細胞毒性、ならびにマイクロバイオームにより合成される一次及び二次胆汁酸の不足により、より急速で重度の胆汁うっ滞を発症する。これらのマウスに、一次胆汁酸塩を脱抱合化できないか、または二次胆汁酸を産生できない細菌を生着させ(上記のBSHなしの組成物及びBSHのみの組成物)、疾患の進行を、二次胆汁酸の完全なスイートを産生できるマイクロバイオームを生着させたマウス(上記の最大BA)と比較することにより、マイクロバイオームへの介入によって胆汁うっ滞の進行を制御する能力が示される。
無菌mdr2−/−マウスはまた、胆汁うっ滞性疾患または胆汁うっ滞性疾患の症状を改善するための特定の組成物の有効性をモデル化するために使用することができる。BA活性なしの組成物などの保護が不十分なマイクロバイオームを生着させたマウスモデルは、BSH活性のみの組成物または最大BA活性組成物などの胆汁酸代謝を増強することができる組成物をそのようなマウスに生着させる場合に比べて、より急速にまたはより大きな程度で疾患を発症することが予想される。そのような組成物を、マウスモデルを用いて評価し、胆汁うっ滞性疾患の進行及び重症度に対する一次及び/または二次胆汁酸代謝を増加させることができる組成物の効果をモニタリングする。そのような組成物の評価に有用な無菌の介入マウスモデルとして、野生型マウスの胆汁うっ滞性疾患の無菌mdr2−/−欠損モデルまたはDDC誘発化学モデルが挙げられる(例えば、Fickert et al.,Am.J.Pathol.171:525−536,2007)。従来のmdr2−/−マウスでの抗生物質処置を、追加のモデルとして使用することができ;機能不全のマイクロバイオームを枯渇させるために抗生物質を使用し、その後、保護組成物に置き換える。BSHのみの組成物または最大BA組成物などの、二次胆汁酸代謝を向上させることができるマイクロバイオームは、疾患の進行を遅らせ、既存の胆汁うっ滞性疾患の重症度を軽減することができる。
実施例4:
PSC患者の二次胆汁酸レベルの低下
原発性硬化性胆管炎(PSC)では、胆管の閉塞により、患者の肝胆道系及び末梢組織の胆汁酸濃度が有意に変化し、肝臓内のシグナル伝達及び組織損傷が変化すると考えられる(Chazouillers,Clin.Res.Hepatol.Gasteroentrology 36:S21−S25,2012)。Trottier et al.による研究(Trottier et al.,Dig.Liver Dis.44:303−310,2012)により、PSC患者の末梢血清中の総胆汁酸の有意な増加、及び二次胆汁酸の低下が示されている。しかしながら、胆汁または門脈血清などの肝胆道循環に関連する系内での胆汁酸レベルの変化は、十分に特徴付けられていない。本明細書中では、PSC(末期肝疾患)の7名の患者由来の門脈、胆汁、及び末梢血清中の25のユニークな胆汁酸を特性決定する。これらの測定値を12名の健康なドナーの測定値と比較し、胆汁うっ滞性肝疾患患者の胆汁酸の合計レベル及び組成の有意な変化を示した。
総胆汁酸レベルは、末梢血清中で有意に上昇し、健常ドナーに比べて門脈血でも増加した(図8A)。対照的に、胆汁中の総胆汁酸レベルはPSC患者では有意に低く、このことは肝胆嚢からの胆汁の流れの減少を示唆しており、胆管の閉塞を示すものであった(図8A)。結果として、血清中の胆汁酸の増加は、肝臓に胆汁酸が蓄積し、それが血清中に漏出することを反映している可能性がある。それらの構成要素である胆汁酸群に分解する場合、抱合型及び非抱合型の微生物由来二次胆汁酸のレベルは、末梢及び門脈の血清及び胆汁において減少していた(図8B)。これには、7α−脱ヒドロキシル化及びHSDHなどの微生物触媒作用により産生される胆汁酸が含まれた。腸内の微生物BSH活性によっても生成される非抱合型一次胆汁酸は、末梢血清において減少し、門脈血清においても減少していた。これらの変化には、肝臓で合成される上流の抱合型一次胆汁酸の増加が伴っており、このことから腸内マイクロバイオームによって触媒される一次及び二次胆汁酸代謝経路の障害が示唆された。マイクロバイオームにより合成された胆汁酸の減少は、肝疾患患者のマイクロバイオームの変化、及び肝臓におけるシグナル伝達障害の可能性を示唆している。
胆汁うっ滞性疾患のマウスモデルは、ヒトPSC患者と同等の胆汁酸特性の変化を示す
現在、胆汁うっ滞性肝疾患の進行を研究するために、1年にわたって疾患を発症するmdr2−/−欠損モデル(上記参照)、及びより迅速なDDC食餌誘発性胆汁うっ滞モデルの2つのマウスモデルが利用されている。DDC食餌モデルは、胆汁うっ滞性疾患の遺伝的mdr2−/−ノックアウトモデルの代替として最近公開された(Fickert et al.,Am.J.Pathol.171(2):525−536,2007)。このモデルは、PSC患者に通常認められる胆管の閉塞を示し、PSCの胆汁うっ滞性疾患に関連するALP及びALT血清レベルの上昇を示す。しかしながら、マウスの胆汁酸代謝に対するDDC食餌誘発性胆汁うっ滞性疾患の影響は依然として不明である。
胆汁酸含量の変化を評価するために、従来の方法で飼育したC57Bl/6マウスにDDC食餌を与え、体重減少についてモニタリングした。疾患の重症度は、体重減少、血清生化学、及び全体的な健康状態に基づいて評価した。治療の21日目に、DDC食餌のマウスは、ALP、ALT、総ビリルビン、及びコレステロールのレベルの上昇を示し(図9A)、胆汁うっ滞性疾患の発症が確認された。次いで、これらのマウス由来の糞便、肝臓、及び門脈の血液試料の胆汁酸量について、健康な未処置の対照と比較して評価した。
DDC食餌で処置したマウスは、糞便、肝臓、及び門脈試料中の非抱合型及び抱合型二次胆汁酸の相対的存在量の減少を示し(図9B〜D、2°、抱合型2°)、上記で特徴決定したPSC患者において観察された傾向と同様の傾向を示した(図8)。微生物由来の二次胆汁酸のこの減少は、胆汁うっ滞性疾患を伴う腸内マイクロバイオームの変化を再び示唆した。腸内マイクロバイオームに対する肝疾患の影響を調べるために、16S NGS配列を使用して、胆汁うっ滞性疾患の発症前(0日目)及び発症後(21日目)のマウス(DDC処置した)の糞便微生物量を特性決定した。胆汁うっ滞性肝疾患のマウスは、シャノン多様性指数に基づくα多様性の有意な減少を示し、疾患の発症に伴って種の豊富さが喪失したことが示唆された(図9E)。β多様性の評価は、肝疾患を有するマウスのマイクロバイオームの組成の有意な変化も示し(図9E)、また、PCoAプロット上で、胆汁うっ滞性マウスのマイクロバイオームが健康なマウスのマイクロバイオームとは別個のクラスターを形成していることを示した。図10Fは、マウスの肝疾患の発症により有病率が有意に(p≦0.2)変化した種を記載する。いくつかの種の有意な枯渇に加えて、in vitro分析に基づいて7α−脱ヒドロキシル化活性を有することが知られている特定の株も、胆汁うっ滞性疾患を有するマウスにおいて枯渇していた(図9G)。2つの主要な二次胆汁酸−デオキシコール酸(DCA)及びリトコール酸(LCA)の産生には、7α−脱ヒドロキシル化が必要である。これらの同じ胆汁酸は、DDC食餌で処置したマウスにおいても枯渇する(図10B〜10D)。したがって、DDCマウスモデルの胆汁酸組成の変化は、ヒトにおける胆汁うっ滞性疾患を研究するための比較モデルを提供する。
マイクロバイオームの欠如は、胆汁うっ滞性疾患に対する感受性を増加させる
以前の研究では、mdr2−/−欠損モデルにおいて、マイクロバイオームの欠如が胆汁うっ滞性肝疾患のより急速な発症につながることが示されている。したがって、最初に胆汁うっ滞性疾患のDDC食餌誘発性モデルにおける疾患発症に対するマイクロバイオームの重要性を評価した。無菌のスイスアルビノマウスに無菌のDDC添加食餌を与え、疾患の発症をモニタリングした。体重減少、血清生化学及び全体的な健康を用いて疾患の進行をモニタリングした。並行して、従来の方法で飼育したスイスアルビノマウスにもDDC食餌を与えた。無菌マウスは、従来のマウスに比べて急激な体重減少(図10A)及び肝臓のより重度の生化学的変化(図10B〜D)を示し、マイクロバイオームが肝疾患に対する抵抗性に重要な役割を果たすことが示唆された。
マウス由来FMTによる生着は、無菌マウスの胆汁酸代謝及び胆汁うっ滞性疾患抵抗性を回復させる
胆汁うっ滞性疾患に対する抵抗性におけるマイクロバイオームの重要性をさらに示すために、無菌のスイスアルビノマウスに、従来の方法で飼育したスイスアルビノマウス由来のマウスFMTを生着させた。無菌マウスに4週間生着させた後、DDC添加食餌を処置して胆汁うっ滞性肝疾患を誘発した。FMTで処置したマウスは、無菌マウスに比べてより遅い速度で疾患を発症し、DDC食餌に対する応答が従来のマウスと同等であった(図10)。体重減少と血清ALPレベルの両方が、FMTを生着させたマウスにおいて無菌のスイスアルビノマウスに比べて低く、健康なマイクロバイオームを回復させることはDDC誘発性胆汁うっ滞性肝疾患に対する抵抗性を高めるのに十分であることが示唆された。胆汁酸特性により、無菌マウスに比べて腸内の胆汁酸組成を回復させるのにFMT処置で十分であることも判明した(図10E)。
微生物組成物は、胆汁うっ滞性疾患に対する感受性を決定する
従来のスイスアルビノ及びC57Bl/6バックグラウンドマウスにDDC添加食餌を与えると、C57Bl/6バックグラウンドマウスは、スイスアルビノマウスに比べて食餌誘発性肝疾患に対する感受性が高かった(図11A〜11B)。C57Bl/6マウスは、同年齢のスイスアルビノマウスに比べて、より急速な体重減少を示した。しかしながら、ALPの血清レベルは同等のままであった。しかしながら、マイクロバイオームの非存在下では、無菌のスイスアルビノマウスはもはや抵抗性がなく、C57Bl/6マウスと同等の速度で疾患を発症し(図11A〜11B)、遺伝的バックグラウンドではなくマイクロバイオームの組成がマウスの肝疾患に対する感受性を決定する可能性が示唆された。無菌のスイスアルビノ及びC57Bl/6マウスは、同様の速度で体重が減少し、血清中のALPレベルの上昇を示した。C57Bl/6マウスのALPレベルはわずかに高く、その遺伝的バックグラウンドにおける疾患のさらなる進行が示唆された。
2つの遺伝的に別個の株間のマイクロバイオームの役割をさらに比較するために、DDC食餌誘発性胆汁うっ滞性疾患に対するスイスアルビノマウスの感受性に対するC57Bl/6由来マイクロバイオームの効果を測定した。無菌のスイスアルビノマウスをC57Bl/6由来またはスイスアルビノ由来糞便マイクロバイオーム移植(FMT)のいずれかで処置し、4週間生着させた。次いで、マウスにDDC添加食餌(0.1%)を与え、胆汁うっ滞性疾患の発症をモニタリングした。体重減少及び血清生化学が疾患の主要なマーカーであり、一方、胆汁酸代謝及び肝臓組織を、マイクロバイオーム機能性及び疾患発症の追加マーカーとして使用した。
C57Bl/6由来FMTを生着させたスイスアルビノマウスは、スイスアルビノ由来FMTを生着させたマウスに比べて、血清ALPレベルが同等であるにもかかわらず(図11D)、より急速な早期の体重減少を示した(図11C)。C57Bl/6生着マウスは、DDC食餌に対する応答が無菌マウスに類似しているように見え、一方、スイスアルビノ生着マウスは、その応答が従来のマウスに類似していたが、このことは、開始時マイクロバイオームと疾患の進行との関連性を示唆するものであった。様々なマイクロバイオームの潜在的な役割をさらに評価するために、DDC処置前に、C57Bl/6由来FMTを生着させたマウスの糞便中の胆汁酸特性を、スイスアルビノ由来FMTを生着させたマウスと比較した。C57Bl/6由来FMTで処置したマウスは、ベースラインにおいてスイスアルビノ由来FMTで処置したマウスに比べて、一次胆汁酸のレベルが有意に高く、7−α脱ヒドロキシル化及び異性化二次胆汁酸のレベルが低かった(図11E)。このことは、2つのマイクロバイオーム(C57Bl/6対スイスアルビノ)の代謝活性に有意な差異があることを示しており、2つのマウス系統間に認められる感受性の差異を説明し得るものである。より感受性の高いC57Bl/6 FMT生着マウスにおける二次胆汁酸の枯渇は、PSC患者(図8)及び胆汁うっ滞のマウスモデル(図9)において認められる二次胆汁酸の喪失を模倣するものであり、胆汁うっ滞性肝疾患の進行における微生物の胆汁酸代謝に対する役割を再度指し示すものである。
設計された組成物を用いた微生物の胆汁酸代謝の回復は、胆汁うっ滞性疾患に対する無菌マウスの感受性をレスキューする
上記の結果は、DDC食餌誘発性肝疾患に対する保護におけるマイクロバイオームの重要な役割を示している。特に、肝疾患の進行に伴う胆汁酸代謝の変化、及び二次胆汁酸レベルが低下したマウスの肝疾患に対する感受性の増加は、胆汁うっ滞性肝疾患への応答における微生物の胆汁酸代謝及び胆汁酸自体の役割を示唆している。
図3に示すように、微生物の胆汁酸代謝を特異的に回復させ、マウスの腸の胆汁酸を再構成するように、細菌組成物を設計することができる。DDC食餌誘発性モデルの胆汁うっ滞の肝疾患から無菌マウスを保護することにおける、そのような組成物の1つである最大BA(図2及び3)の有効性を試験した。最大BA組成物は、BSH、7α−脱ヒドロキシル化及びHSDHを含むすべての主要な胆汁酸代謝活性を回復させるように設計した(図1)。無菌マウスを最大BA組成物で処置し、4週間生着させた。次いで、生着させたマウスにDDC添加食餌を与え、DDC食餌を与えた無菌対照及び従来の対照と比較して、肝疾患の発症をモニタリングした。最大BA組成物で処置したマウスは、DDC食餌を与えた非生着無菌マウスに比べて、体重減少の速度がより遅く、より低い血清ALPレベルを維持しており(図12A〜12B)、最大BA組成物の存在下では疾患の進行がより遅くなることが示唆された。設計された細菌組成物を生着させることは、FMT処置と同等に効果的であり、また、DDC処置による肝疾患の進行速度低下においても従来のマウスと同等であった。
この発見を考慮して、いくつかの実施形態では、本発明は、胆汁うっ滞性疾患と診断された患者に投与する場合に、一次及び二次胆汁酸のレベルを回復させることができる細菌組成物、例えば、そのような組成物の処置により、健康なヒトにおいて観察される範囲内のレベルで存在する一次及び二次胆汁酸を生じさせることができる細菌組成物に関する。
mFMTによる生着は、無菌のmdr2−/− C57Bl/6マウスの早期致死をレスキューする
Tabibanら(Tabiban et al.,Hepatol.63:185−196,2015)により、FVB遺伝的バックグラウンドを有する無菌mdr2−/−マウスが、従来のmdr2−/−マウスに比べて、より急速に、より重度の肝疾患を発症することが以前に示されている。DDC食餌誘発性胆汁うっ滞性疾患モデルにおいて胆汁うっ滞性疾患に対してより高感受性であることが示された遺伝的バックグラウンドであるmdr2−/−欠損を有するC57Bl/6マウスを使用することを選択した(図11)。C57Bl/6バックグラウンドにおけるmdr2−/−欠損変異体の無菌誘導体は、早期致死を生じ、生存した仔は4週齢に達する前に重度の疾患及び致死性を示した。
DDC食餌誘発性胆汁うっ滞性疾患モデルの無菌マウスの感受性に対するレスキューにおいて示されたマウス由来FMTの有効性(図10)を考慮して、C57Bl/6遺伝的バックグラウンドの無菌mdr2−/−マウスの生存率に対するFMT処置の効果を判定した。仔が2週齢の時点で、敷藁及びケージとともに、仮親にマウスFMTを生着させた。FMTを生着させることにより、処置したmdr2−/−仔の12週間超での生存率が100%となり、一方、無菌のままの未処置の仔は生後4週間以内に致死性を示した。mdr2−/−無菌マウスの生存に対する生着の有意な効果は、胆汁うっ滞性肝疾患の改善におけるマイクロバイオームの役割をさらに指し示すものである。胆汁酸活性を欠く組成物(BAなし)を、腸内の胆汁酸活性の大部分を再構成する組成物(最大BA)と比較することにより、胆汁うっ滞性肝疾患の進行の調節における胆汁酸の特定の役割に関する洞察が得られる。
胆汁酸の添加は、無菌マウスのDDC食餌誘発性肝疾患に対する抵抗性を高めるのに十分である
次いで、マイクロバイオームの非存在下でのDDC食餌誘発性肝疾患の進行に対する一次及び二次胆汁酸添加の特定の役割を調べた。無菌マウスに、一次(CA+CDCA)または二次(DCA+LCA)胆汁酸を添加した食餌を1週間与え、その後DDC処置に供した。DDC処置とともに胆汁酸の添加を継続し、シグナル伝達を維持させた。DDC食餌の無菌及び従来の対照と比較した体重減少及び血清生化学に基づいて、肝疾患の発症率についてマウスをモニタリングした。
DDC曝露の7日後、予備体重分析により、DCA+LCA添加食餌を与えたマウスが、DDC食餌を与えた従来のマウスに比べて体重減少の速度が有意に遅いことが示された(図13)。DCA+LCA添加食餌のマウスの体重減少は平均87%を示し、これに対してDDC食餌の従来のマウスは77%である。これはまた、DDCに対してより感受性の高い無菌マウスの体重減少速度に対しても有意な改善である。これは、マイクロバイオームが存在しない場合でも、肝疾患に対する感受性の調節において二次胆汁酸シグナル伝達が重要な役割を果たすことを示している。腸内のDCA及びLCAレベルを特異的に回復させることによりこれらの効果を模倣する組成物は、肝疾患の進行を有意に低下させ得る。現在進行中の分析では、DCA+LCA食餌のほか、一次胆汁酸、コール酸、及びケノデオキシコール酸を添加した食餌の継続的な影響を評価している。
この発見を考慮して、いくつかの実施形態では、本発明は、胆汁うっ滞性疾患と診断された患者に投与する場合に、DCA及びLCAレベル及び/またはコール酸を増加させることができる細菌組成物に関する。
微生物の胆汁酸活性は、DDC食餌誘発性胆汁うっ滞性肝疾患に対する抵抗性に寄与する
二次胆汁酸代謝を回復させる能力が肝疾患感受性に対するマイクロバイオームの有益な効果に必要かどうかを判断するために、すべての微生物の胆汁酸活性を欠失させた細菌株からなる設計された組成物でマウスを処置する(BAなし、図1)。この組成物は腸内の胆汁酸を修飾することができず、生着させたマウスは無菌マウスと同じ胆汁酸組成を保持する。これらの実験では、BAなし組成物、最大BA組成物(2°胆汁酸代謝を回復させる)、またはマウス由来FMTでマウスを処置し、4週間生着させる。生着させたマウスにDDC添加食餌を与え、体重減少及び血清生化学に基づいて肝疾患の発症をモニタリングする。BAなし生着マウスにおいて、最大BAまたはFMTマウスに比べて疾患がより急速に進行することから、胆汁うっ滞性肝疾患に対するマイクロバイオーム抵抗性による一次及び二次胆汁酸の産生の役割が示唆される。
実施例5:胆汁酸代謝活性を有する株を同定するための遺伝子相同性検索法の使用
株の全ゲノム配列に基づいて胆汁酸代謝活性の可能性がある株を同定するために使用することができる遺伝子相同性検索法の2つの例を以下に記載する。1つの方法では、株の全ゲノム配列由来のタンパク質コード領域を、BLASTpで所望の胆汁酸活性を触媒する既知の特徴決定されているタンパク質のデータベースとペアで比較し;データベース内のタンパク質のいずれかと十分な類似性を有するタンパク質を含む株を、所望の胆汁酸活性を有する株として推定する。第2の方法では、株の全ゲノム配列由来のタンパク質コード領域を、所望の胆汁酸活性を触媒する既知の特徴決定されているタンパク質の複数配列アライメントに由来するプロファイル隠れマルコフモデル(HMM)と比較し;プロファイルHMMと十分な類似性を有するタンパク質を含む株を、所望の胆汁酸活性を有する株として推定することができる。配列データベース、プロファイルHMM、及び適切な類似性のカットオフの詳細は、以下で説明するクエリ対象の胆汁酸活性によって異なる。
図14は、BSH活性の生物情報学的予測をin vitroアッセイ活性と比較した結果を示す。in vitroでスクリーニングし、全ゲノム配列が利用可能なすべての株を考察する。左のプロットは、LC−MSによってin vitroでスクリーニングした株を考察し、一方、右のプロットは、TLCによってスクリーニングした株を考察している。両方のプロットは、その株のゲノムにおけるBSH HMMに対する最も有意なアライメントのe値を示す。ゲノムアライメントの有意性は、in vitroスクリーニングの結果と有意に相関する(Mann−Whitney U検定;LC−MSの場合p=0.02、TLCの場合p=0.0005)。e値=1e−40のカットオフを使用して、どの株がBSH活性を有するか、または有さないかを予測することができ(点線);この分類カットオフに対して得られる混同行列を示す(LC−MSアッセイ感度=0.86、特異性=0.5、精度=0.88、p=0.01;TLCアッセイ感度=0.77、特異性=0.63、精度=0.74、p=0.0002)。TLCアッセイ自体の感度が低いため、ゲノム予測の偽陽性率が過大評価される場合があることに留意されたい。さらに、LC−MSアッセイの真の陰性数が少ないため、ゲノム予測の特異性が過小評価される場合がある。
図15は、7α−脱ヒドロキシル化活性の生物情報学的予測をin vitroアッセイ活性と比較した結果を示す。in vitroでスクリーニングし、全ゲノム配列が利用可能なすべての株を考察する。箱髭図は、LC−MSによりin vitroでスクリーニングした株を考察する(TLCによりスクリーニングされた株はない)。両方のプロットは、その株のゲノムにおけるBaiE HMMへの最も有意なアライメントのe値を示す。ゲノムアライメントの有意性は、in vitroスクリーニングの結果と有意に相関する(Mann−Whitney U検定;p<1e−8)。e値=1e−40のカットオフを使用して、7α−脱ヒドロキシル化活性を有する株と有さない株を予測することができ(点線);この分類カットオフに対して得られる混同行列を示す(感度=1.0、特異性=1.0、精度=1.0、p<1e−5)。真の陽性数が少ないため、真の感度、特異性、及び精度が過大評価される可能性が高いことに留意されたい。
他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内にある。

Claims (33)

  1. 複数の生存細菌を含む製剤であって、前記製剤が、第1の胆汁酸または胆汁酸塩ヒドロラーゼ活性を示すことができる少なくとも1つの細菌OTUまたは種と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、前記製剤。
  2. 前記OTUもしくは種の16S rDNA配列、またはその断片が、図16の配列、またはその部分に対して、少なくとも95%または少なくとも97%同一である、請求項1に記載の製剤。
  3. 前記第1の胆汁酸または胆汁酸塩ヒドロラーゼ活性とは異なる特異性を有する第2の胆汁酸または胆汁酸塩ヒドロラーゼ活性、脱抱合化、酸化、及び脱ヒドロキシル化からなる群から選択される活性を示すことができる少なくとも1つの生存細菌OTUまたは種をさらに含む、請求項1に記載の製剤。
  4. 前記製剤が、少なくとも2つの異なる細菌OTUまたは種を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製剤。
  5. 前記製剤が、2つの異なる細菌OTUまたは種を含み、前記製剤が、酸化及びジヒドロキシル化活性を示すことができる、請求項1に記載の製剤。
  6. 前記製剤が、表1の少なくとも2つのクレードから選択される、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、40、45、または50のOTUまたは細菌種を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製剤。
  7. 表1の組成物のOTUまたは細菌種のそれぞれの16S rDNAが、図16の少なくとも1つの配列、またはその部分に対して、少なくとも95%または97%の配列同一性を有する、請求項6に記載の製剤。
  8. 前記製剤が、表2の少なくとも2つのクレードから選択される、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、40、または50のOTUまたは細菌種を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製剤。
  9. 前記製剤が、表1のパートBもしくはC、表2、または表3の、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、40、または50のOTUまたは細菌種を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製剤。
  10. 前記製剤が:1、6、86、87、90、100、101、164、195、196、197、203、204、及び297からなる群から選択される5、10、15、または20クレード由来の1つ以上のOTUまたは細菌種を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の製剤。
  11. 前記製剤中の異なるOTUまたは種の数が、60、50、30、20、または15未満である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の製剤。
  12. 前記製剤の1つ以上の細菌OTUまたは種の胆汁酸塩ヒドロラーゼ、脱抱合化、酸化、または脱ヒドロキシル化活性が、動物ベースのアッセイ、細胞ベースのアッセイ、in vitroアッセイ、配列決定を用いて、またはこれらのタイプのアッセイを併用して検出される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の製剤。
  13. 前記製剤の各細菌OTUまたは種が、加水分解、脱抱合化、酸化、または脱ヒドロキシル化からなる群から選択される胆汁酸または胆汁酸塩代謝活性を有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の製剤。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の製剤を含む、治療製剤。
  15. 前記生存細菌が、小腸、結腸、または両方に送達される、請求項13に記載の治療製剤。
  16. 胆汁うっ滞性疾患もしくは病態と診断されているか、または胆汁うっ滞性疾患もしくは病態のリスクがある対象の治療方法であって、前記方法が、前記対象に微生物組成物を投与することを含み、前記微生物組成物中の少なくとも1つの細菌OTUまたは種が、一次胆汁酸または胆汁酸塩を脱抱合化することができる、前記治療方法。
  17. 前記微生物組成物中の少なくとも1つのOTUまたは細菌種が、一次胆汁酸または塩を二次胆汁酸または塩に代謝することができる、請求項16に記載の方法。
  18. 前記OTUの16S rDNA配列が、図16の配列、またはその部分に対して、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一)である、請求項16または17に記載の方法。
  19. 胆汁うっ滞性疾患もしくは病態と診断されているか、または胆汁うっ滞性疾患もしくは病態のリスクがある対象の治療方法であって、請求項1〜15のいずれか1項に記載の製剤を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  20. 前記対象が、全身性胆汁うっ滞(GC)、原発性硬化性肝硬変(PSC)、原発性胆汁性肝硬変(PBS)、進行性家族性肝内胆汁うっ滞(PFIC)、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、妊娠期胆汁うっ滞、胆管炎、肝炎、アルコール性肝疾患、肝細胞癌、肝硬変、嚢胞性線維症、移植片対宿主病(GVHD)、もしくは肝外胆管の閉塞と診断されているか、またはそのリスクがある、請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記肝外胆管の閉塞が、胆石、炎症性狭窄、がん、または膵炎によるものである、請求項20に記載の方法。
  22. 胆汁うっ滞性疾患もしくは病態と診断されているか、または胆汁うっ滞性疾患もしくは病態のリスクがあり、オベチコール酸(OCA)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)、またはオベチコール酸もしくはUDCAの誘導体を処方されている対象の治療方法であって、前記方法が、前記対象に
    (i)CDCA、BSH活性を有する細菌、または一方もしくは両方及び/または活性を阻害することができる化合物のうちの1つ以上を含む組成物;ならびに
    (ii)薬学的に許容される賦形剤
    を投与することを含む、前記治療方法。
  23. ヒコール酸またはヒコール酸の濃度を増加させることができる細菌を含む、組成物。
  24. 胆汁うっ滞性疾患もしくは病態と診断されているか、または胆汁うっ滞性疾患もしくは病態のリスクがある対象の治療方法であって、前記方法が、前記対象に、UDCA及びBSH活性を有するがリトコール酸(LCA)レベルを増加させない細菌を含む組成物を投与することを含む、前記治療方法。
  25. 前記組成物が、一次胆汁酸または塩を二次胆汁酸または塩に代謝することができる細菌をさらに含む、請求項24に記載の方法。
  26. UDCAで治療中の対象の治療に使用するための、BSH活性を有する細菌を含む組成物であって、前記細菌が、LCAレベルを増加させない、前記組成物。
  27. 前記組成物が、一次胆汁酸または塩を二次胆汁酸または塩に代謝することができる細菌をさらに含む、請求項26に記載の組成物。
  28. 前記対象にOCAを投与することをさらに含む、請求項16〜22、24、及び25のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記微生物組成物が、ヒトの糞便に直接由来するか、設計された組成物であるか、細菌胞子を含むか、または胞子形成細菌を含む、請求項16〜22、24、及び25のいずれか1項に記載の方法。
  30. 胆汁うっ滞性疾患もしくは病態と診断されているか、または胆汁うっ滞性疾患もしくは病態のリスクがある対象の治療に使用するための、請求項1〜15のいずれか1項に記載の製剤を含む、組成物。
  31. 対象における胆汁酸代謝を変化させるための組成物中で使用するための細菌種の同定方法であって、前記方法が、細菌株のタンパク質コード配列を、所望の胆汁酸活性を触媒するタンパク質のデータベース中の参照配列と比較することを含み、参照配列に対して相同性を有する配列を含む細菌株を同定することが、前記組成物において使用するための細菌株を同定することを意味する、前記同定方法。
  32. 細菌種の胆汁酸代謝活性を、in vitroアッセイまたは動物モデルベースのアッセイを使用して試験することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
  33. 前記配列相同性のレベルが、少なくとも75%、80%、85%、90%、93%、95%、97%、98%、99%、または100%の同一性である、請求項31または32に記載の方法。
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