JP2020526520A - Ido阻害剤の非晶質形体および結晶形体 - Google Patents

Ido阻害剤の非晶質形体および結晶形体 Download PDF

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Abstract

本発明は、非晶質形体および結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドならびにその塩および水和物、その製造方法、それらを含む医薬組成物およびそれらを使用する治療方法に関する。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、米国仮出願番号第62/527,855号(2017年6月30日に提出)の利益を請求するものであり、この全ては参照により本明細書に組み込まれる。
(技術分野)
本明細書は、固体形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド、ならびにその塩および水和物、その製造方法、それらを含む医薬組成物およびそれらを使用する方法に関する。
(従来技術)
(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドは、本明細書中において化合物1として示され、以下の構造:
を有する。
化合物1は、免疫調節における役割を果たすIFN-γ標的遺伝子であるインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO;IDO1としても知られる)の強力な阻害剤である。化合物1は、癌および他の疾患に対する治療として研究されている。化合物1は、WO2016/073770において以前に記載されている。
化合物は、遊離塩基、水和物、溶媒和物または塩として、非晶質形体および/または1以上の結晶形体において存在することができ、各々に、様々な物理的特性、例えば、異なるX線回折パターン(XRPDまたはPXRD)および異なる温度特性を示し得る。化合物の遊離塩基、水和物、溶媒和物および塩形体は、それら個々の安定性、処理方法、処方、溶解プロファイル、バイオアベイラビリティーなどに関しても相違し得る。
目的とする有益な化学特性と物理特性を有する(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドの新規形体が求められている。また、商品化を円滑に進めるために、化合物1(およびその水和物、溶媒和物、塩および含水塩形体)の製造、精製および製剤化するための、信頼できる再現性の有る方法も求められている。本発明は、このような態様ならびにその他の重要な態様にも関する。
(発明の要旨)
本発明は、固体形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド(化合物1)、例えば固体形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドの遊離塩基、固体形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド一水和物、固体形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドのメタンスルホン酸塩および固体形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドのメタンスルホン酸塩一水和物に関する。記述した固体形体を含む組成物、ならびにそれらの製造方法およびそれらの治療における使用方法も記述されている。
図1は、化合物1の遊離塩基一水和物の形体2に関する粉末X線回折分析を示す。 図1Aは、化合物1の遊離塩基一水和物の形体2に関するssNMRスペクトルを示す。 図1Bは、化合物1の遊離塩基一水和物の形体2に関するFT-IRを示す。 図1Cは、化合物1の遊離塩基一水和物の形体2に関する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。 図1Dは、化合物1の遊離塩基一水和物の形体2に関する熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。 図1Eは、化合物1の遊離塩基一水和物の形体2に関するFT-ラマンスペクトルを示す。 図2は、化合物1の遊離塩基の形体4に関する粉末X線回折分析を示す。 図2Aは、化合物1の遊離塩基の形体4に関するssNMRスペクトルを示す。 図2Bは、化合物1の遊離塩基の形体4に関するDSCサーモグラムを示す。 図2Cは、化合物1の遊離塩基の形体4に関するTGAサーモグラムを示す。 図3は、非晶質形体の化合物1の遊離塩基に関する粉末X線回折分析を示す。 図3Aは、非晶質形体の化合物1の遊離塩基に関するssNMRスペクトルを示す。 図3Bは、非晶質形体の化合物1の遊離塩基に関するFT-IRスペクトルを示す。 図3Cは、非晶質形体の化合物1の遊離塩基に関するFT-ラマンスペクトルを示す。 図4は、化合物1のモノ-メタンスルホン酸塩(MSA塩)の形体1に関する粉末X線回折分析を示す。 図4Aは、化合物1のMSA塩の形体1に関するssNMRスペクトルを示す。 図4Bは、化合物1のMSA塩の形体1に関するFT-IRスペクトルを示す。 図4Cは、化合物1のMSA塩の形体1に関するDSCサーモグラムを示す。 図4Dは、化合物1のMSA塩の形体1に関するFT-ラマンスペクトルを示す。 図4Eは、化合物1のMSA塩の形体1に関するTGAサーモグラムを示す。 図5は、非晶質形体の化合物1のメタンスルホン酸(MSA)塩に関する粉末X線回折分析を示す。 図5Aは、非晶質形体の化合物1のMSA塩に関するssNMRスペクトルを示す。 図5Bは、非晶質形体の化合物1のMSA塩に関するFT-ラマンスペクトルを示す。 図6は、化合物1のMSA塩一水和物の形体2に関する粉末X線回折分析を示す。 図6Aは、化合物1のMSA塩一水和物の形体2に関するDSCサーモグラムを示す。 図6Bは、化合物1のMSA塩一水和物の形体2に関するTGAサーモグラムを示す。 図7は、FaSSIおよびFeSSIFにおける、シュミレーションした150 mgのヒトの投与量での化合物1のMSA塩の形体1、化合物1HCl(非晶質形体)、結晶形体の化合物1HClに関するミクロ溶解性プロファイルを示す。 図8は、FaSSIFおよびFeSSIFにおける、0.2 mg/mL(n=3-4)での化合物1のMSA塩の形体1、化合物1の遊離塩基(非晶質形体)および化合物1の遊離塩基水和物の形体2に関するミクロ溶解性プロファイルを示す。 図9は、化合物1のMSA塩の形体1および化合物1のMSA塩一水和物の形体2に関するミクロ溶解性データを示す。
発明を実施するための形体
本開示は、化合物1の固体形体、例えば、化合物1(遊離塩基)、化合物1の一水和物(遊離塩基)および化合物1のメタンスルホン酸(MSA)塩、化合物1のMSA塩一水和物、ならびに前記固体形体の製造、前記固体形体を含む医薬組成物、および前記固体形体を用いるIDO媒介性疾患を治療する方法に関する。開示した固体形体の名称は、類似または同一の物理的および化学的特性を有するその他の物質に関する制限として理解されるべきではなく、むしろこれらの名称は、本明細書に開示された特徴分析の情報に従って解釈されるべき識別子であると理解されるべきである。
化合物1の遊離塩基水和物
一実施態様において、本発明は、一水和物で存在する化合物1(遊離塩基)の固体形体に関する。例えば、化合物1の遊離塩基一水和物の固体形体は、化合物1の遊離塩基の分子あたりに約1分子の水を含む。
好ましい態様において、固体形体の化合物1(遊離塩基)の水和物は、化合物1(遊離塩基)一水和物の結晶形体であって、化合物1の遊離塩基一水和物の形体2として、本明細書において示される。化合物1の遊離塩基一水和物の形体2は、目的の安定性プロファイルを有する。
化合物1の遊離塩基一水和物の形体2は、9.4、12.4、17.2、17.6、20.1、21.1および21.6°2θ±0.2°2θから選択される、1つのピークまたは少なくとも1つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けされ得る。化合物1の遊離塩基一水和物の形体2も、9.4、12.4、17.2、17.6、20.1、21.1および21.6°2θ±0.2°2θから選択された2つのピークを有するX線回折パターンにより特徴づけられ得る。また、化合物1の遊離塩基一水和物の形体2も、9.4、12.4、17.2、17.6、20.1、21.1および21.6°2θ±0.2°2θから選択される3つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けされ得る。化合物1の遊離塩基一水和物の形体2も、9.4、12.4、17.2、17.6、20.1、21.1および21.6°2θ±0.2°2θから選択される4つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けされ得る。化合物1の遊離塩基一水和物の形体2また、9.4、12.4、17.2、17.6、20.1、21.1および21.6°2θ±0.2°2θから選択される5つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けされ得る。化合物1の遊離塩基一水和物の形体2も、9.4、12.4、17.2、17.6、20.1、21.1および21.6°2θ±0.2°2θから選択される6つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けされ得る。化合物1の遊離塩基一水和物の形体2は、9.4、12.4、17.2、17.6、20.1、21.1および21.6°2θ±0.2°2θのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けされ得る。
NISTまたは他の適切な標準物を用いて校正した2θを用いて、スピニングキャピラリーを備えた回折計(CuKα)により収集した高品質パターンに基づく室温での化合物1の遊離塩基一水和物の形体2についての回折ピーク位置は、表1および表1Aに示される。
表1. 化合物1の遊離塩基一水和物の形体2についての特徴的な回折ピーク位置
表1A. 化合物1の遊離塩基一水和物の形体2についてのピークリスト
化合物1の遊離塩基一水和物の形体2は、表1Aに挙げた複数のピークから選択された少なくとも1つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けされ得る。
化合物1の遊離塩基一水和物の形体2は、実質的に図1に示した通りのX線回折パターンにより特徴付けされ得る。
表2は、化合物1の遊離塩基一水和物の形体2についての単結晶X線データを示す。
表2.化合物1の遊離塩基一水和物の形体2についての単結晶X線データ

表3は、化合物1の遊離塩基一水和物の形体2についての原子座標を示す。
表3.化合物1の遊離塩基水和物の形体2の原子座標
化合物1の遊離塩基一水和物のssNMRスペクトルは、図1Aに示されている。化合物1の遊離塩基水和物の形体2のssNMRにより、以下のピークを得る:
化合物1の遊離塩基一水和物の形体2のFT-IRスペクトルは、図1Bに示されている。化合物1の遊離塩基一水和物のFTIRにより、少なくとも以下のピークを得る:
化合物1の遊離塩基一水和物の形体2のDSCサーモグラムは、図1Cに示されている。
化合物1の遊離塩基一水和物の形体2のTGAサーモグラムは、図1Dに示されている。
化合物1の遊離塩基一水和物の形体2のFT-ラマンスペクトルは、図1Eに示されている。化合物1の遊離塩基一水和物のFT-ラマンにより、少なくとも以下のピークを得る:
化合物1の遊離塩基一水和物の形体2は、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)により決定された通りに、化合物の重量に基づいて、実質的に純粋な形体にて存在し得る、即ち、約90%またはそれ以上の純度を有し得る。例えば、化合物1の遊離塩基一水和物の形体2は、約90、91、92、93、94、95、96、97、98、99または100%の純度を有し得る。残存物質は、化合物1の別の固体形体および/またはその製造によって生じる反応不純物および/または処理中不純物を含み得る。
化合物1の遊離塩基一水和物の形体2と化合物1の別の固体形体との混合物もまた、本発明の範囲内である。これらの実施態様において、かかる混合物は、該混合物の重量を基準にして、90%未満の化合物1の遊離塩基一水和物の形体2を含み得る。例えば、混合物は、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10または約5重量%の化合物1の遊離塩基一水和物の形体2を含み得る。
化合物1の遊離塩基
一実施態様において、本明細書は、化合物1(遊離塩基)の結晶形体に関し、これは本明細書において形体4として示される。化合物1の遊離塩基の形体4は、商業スケールでの固体剤型の製造を十分に可能とし得る望ましい操作特性および安定特性を有する。
化合物1の遊離塩基の形体4は、7.6、12.0、13.5、14.4、17.6、20.1、20.7および22.0°2θ±0.2°2θから選択される1つのピークまたは少なくとも1つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けられ得る。化合物1の遊離塩基の形体4も、7.6、12.0、13.5、14.4、17.6、20.1、20.7および22.0°2θ±0.2°2θから選択される2つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けられ得る。化合物1の遊離塩基の形体4も、7.6、12.0、13.5、14.4、17.6、20.1、20.7および22.0°2θ±0.2°2θから選択される3つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けられ得る。化合物1の遊離塩基の形体4も、7.6、12.0、13.5、14.4、17.6、20.1、20.7および22.0°2θ±0.2°2θから選択される4つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けられ得る。化合物1の遊離塩基の形体4も、7.6、12.0、13.5、14.4、17.6、20.1、20.7および22.0°2θ±0.2°2θから選択される5つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けられ得る。化合物1の遊離塩基の形体4も、7.6、12.0、13.5、14.4、17.6、20.1、20.7および22.0°2θ±0.2°2θから選択される6つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けられ得る。化合物1の遊離塩基の形体4も、7.6、12.0、13.5、14.4、17.6、20.1、20.7および22.0°2θ±0.2°2θから選択される7つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けられ得る。化合物1の遊離塩基の形体4もまた、7.6、12.0、13.5、14.4、17.6、20.1、20.7および22.0°2θ±0.2°2θを有するX線回折パターンにより特徴付けられ得る。
NISTまたは他の適切な標準物を用いて校正した2θを用いて、スピニングキャピラリーを備えた回折計(CuKα)により収集した高品質パターンに基づく室温での化合物1の遊離塩基一水和物の形体4についての回折ピーク位置は、表4および表4Aに示される。
表4.化合物1の遊離塩基の形体4についての特徴的な回折ピーク位置
表4A. 化合物1の遊離塩基の形体4についてのピークリスト
化合物1の遊離塩基の形体4は、表4Aに挙げた複数ピークから選択された少なくとも1つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けされ得る。
化合物1の遊離塩基の形体4は、実質的には図2に示した通りのX線回折パターンにより特徴付けされ得る。
表5は、化合物1の遊離塩基の形体4についての単結晶X線データを示す。
表5. 化合物1の遊離塩基の形体4についての単結晶X線データ
表6は、化合物1の遊離塩基の形体4についての原子座標を示す。
表6. 化合物1の遊離塩基の形体4の原子座標
ssNMRスペクトルは、図2Aに示されている。化合物1の遊離塩基の形体4は、以下のピークを生じる:
化合物1の遊離塩基の形体4のDSCサーモグラムは、図2Bに示される。
化合物1の遊離塩基の形体4のTGAサーモグラムは、図2Cに示される。
非晶質化合物1の遊離塩基も、本発明の範囲内である。非晶質化合物1の遊離塩基のPXRDは図3に示される。非晶質化合物1の遊離塩基の固相NMRは、図3Aに示される。非晶質化合物1の遊離塩基のssNMRにより、以下のピークを得る:
非晶質化合物1の遊離塩基のFT-IRスペクトルは、図3Bに示される。非晶質の化合物1の遊離塩基のFT-IRスペクトルにより、以下のピークを得た:
非晶質の化合物1の遊離塩基のFT-ラマンスペクトルは、図3Cに示される。非晶質の化合物1の遊離塩基のFT-ラマンスペクトルにより、以下のピークを得る:
化合物1の遊離塩基の形体4は、HPLCにより決定された通りに、化合物の重量に基づいて、約90%またはそれ以上の純度を有する実質的に純粋な形体にて存在し得る。例えば、化合物1の遊離塩基の形体4は、約90、91、92、93、94、95、96、97、98、99または100%の純度を有し得る。残存物質は、化合物1の別の固体形体および/またはの製造により生じる反応不純物および/またはそ処理中不純物を含み得る。
化合物1の遊離塩基の形体4と化合物1の別の固体形体の混合物もまた、本発明の範囲内である。これらの実施態様において、かかる混合物は、該混合物の重量を基準にして、90%未満の化合物1の遊離塩基の形体4を含み得る。例えば、該混合物は、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10または約5重量%の化合物1の遊離塩基の形体4を混合物中に含み得る。
非晶質化合物1の遊離塩基は、HPLCにより決定された通りに、化合物の重量に基づいて、約90%またはそれ以上の純度を有する実質的に純粋な形体にて存在し得る。例えば、非晶質化合物1の遊離塩基は、約90、91、92、93、94、95、96、97、98、99または100%の純度を有し得る。残存物質は、化合物1の別の固体形体および/またはその製造により生じる反応不純物および/または処理中不純物を含み得る。
非晶質化合物1の遊離塩基と化合物1の別の固体形体の混合物もまた、本発明の範囲内である。これらの実施態様において、かかる混合物は、該混合物の重量を基準にして、90%未満の非晶質化合物1の遊離塩基を含み得る。例えば、該混合物は、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10または約5重量%の非晶質化合物1の遊離塩基を含み得る。
化合物1のMSA塩
一実施態様において、本明細書は、化合物1のメタンスルホン酸(MSA)塩の結晶形体に関する。ある局面において、化合物1のMSA塩の結晶形体は、非溶媒和物である。別の態様において、化合物1のMSA塩の結晶形体は、非水和(即ち、無水)である。さらに別の局面において、化合物1のMSA塩の結晶形体は、非溶媒和物および非水和物(即ち、無水)である。
本明細書の好ましい態様において、化合物1のMSA塩は、化合物1のモノ-MSA塩である。特に、好ましい態様において、化合物1のモノ-MSA塩の該結晶形体は、本明細書において形体1として示される。化合物1のモノ-MSA塩、特に化合物1のモノ-MSA塩の形体1は、固体投薬剤型として投与された場合に、化合物1の遊離塩基と比較して、経口バイオアベイラビリティーが高い。
化合物1のMSA塩の形体1は、12.2、12.6、13.4、14.8、16.4、16.8、19.6および24.0°2θ±0.2°2θから選択される1つのピークまたは少なくとも1つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けられ得る。化合物1のMSA塩の形体1も、12.2、12.6、13.4、14.8、16.4、16.8、19.6および24.0°2θ±0.2°2θから選択される2つピークを有するX線回折パターンにより特徴付けられ得る。化合物1のMSA塩の形体1も、12.2、12.6、13.4、14.8、16.4、16.8、19.6および24.0°2θ±0.2°2θから選択される3つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けられ得る。化合物1のMSA塩の形体1も、12.2、12.6、13.4、14.8、16.4、16.8、19.6および24.0°2θ±0.2°2θから選択される4つのピークを有するX線解析パターンにより特徴付けされ得る。化合物1のMSA塩の形体1も、12.2、12.6、13.4、14.8、16.4、16.8、19.6および24.0°2θ±0.2°2θから選択される5つのピークを有するX線解析パターンにより特徴付けされ得る。化合物1のMSA塩の形体1も、12.2、12.6、13.4、14.8、16.4、16.8、19.6および24.0°2θ±0.2°2θから選択される6つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けされ得る。化合物1のMSA塩の形体1も、12.2、12.6、13.4、14.8、16.4、16.8、19.6および24.0°2θ±0.2°2θから選択される7つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けされ得る。化合物1のMSA塩の形体1もまた、12.2、12.6、13.4、14.8、16.4、16.8、19.6および24.0°2θ±0.2°2θのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けされ得る。
NISTまたは他の適切な標準物を用いて校正した2θを用いて、スピニングキャピラリーを備えた回折計(CuKα)により収集した高品質パターンに基づく室温での化合物1のMSA塩の形体1についての回折ピーク位置は、表7および表7Aに示される。
表7.化合物1のMSA塩の形体1についての特徴的な回折ピーク位置

表7A.化合物1のMSA塩の形体1についてのピークリスト
化合物1のMSA塩の形体1は、表7Aに挙げた複数ピークから選択された少なくとも1つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けされ得る。
化合物1のMSA塩の形体1は、実質的には図4に示した通りのX線回折パターンにより特徴付けされ得る。
表8は、化合物1のMSA塩の形体1についての単結晶X線データを示す。
表8:化合物1のMSA塩の形体1についての単結晶X線データ
表9は、化合物1のMSA塩の形体1の原子座標を示す。
表9. 化合物1のMSA塩の形体1の原子座標
化合物1のMSA塩の形体1のssNMRは、図4Aに示される。化合物1のMSA塩の形体1のssNMRにより、以下のピークを得る:
化合物1のMSA塩の形体1のFT-IRスペクトルは、図4Bに示される。化合物1のMSA塩の形体1は、以下のFT-IRピークを生じる:
化合物1のMSA塩の形体1のDSCサーモグラムは、図4Cに示される。化合物1のメタンスルホン酸の形体1のDSCサーモグラムは、〜245〜249℃で、分解を伴う溶解に対応する可変性の吸熱遷移を示す。化合物1のMSA塩の形体1は、約245〜249℃(開始)(DSCの吸熱に基づいて)で溶融および分解を伴う結晶性無水物質である。
化合物1のMSA塩の形体1のFT-ラマンスペクトルは、図4Dに示される。代表的なFT-ラマンピークは、以下の表に示される:
化合物1のMSA塩の形体1のTGAサーモグラムは、図4Eに示される。化合物1のMSA塩の形体1のTGAサーモグラムは、基本的に水および残留溶媒を含まない水不含形体に一致している。
本発明の範囲内にあるものは、化合物1のMSA塩の非晶質形体である。非晶質化合物1のMSA塩のPXRDは、図5に示される。非晶質化合物1のMSA塩のssNMRスペクトルは、図5Aに示される。非晶質化合物1のMSA塩は、以下のssNMRピークを生じる:
非晶質化合物1のMSA塩のFT-ラマンスペクトルは、図5Bに示される。代表的なピークが、以下の表に示される。
化合物1のMSA塩の形体1は、HPLCにより決定される通り、実質的に純粋な形体にて存在し得る、即ち、化合物の重量に基づいて約90%またはそれ以上の純度を有し得る。例えば、化合物1のMSA塩の形体1は、約90、91、92、93、94、95、96、97、98、99または100%の純度を有し得る。残存物質は、化合物1の別の固体形体および/またはその製造により生じる反応不純物および/または処理不純物を含み得る。
化合物1のMSA塩の形体1と化合物1の別の固体形体の混合物も、本発明の範囲内である。これらの実施態様において、かかる混合物は、該混合物の重量を基準にして、90%未満の化合物1のMSA塩の形体1を含み得る。例えば、混合物は、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10または約5重量%の化合物1のMSA塩の形体1を含み得る。
非晶質化合物1のMSA塩は、HPLCにより決定される通り、実質的に純粋な形体にて存在し得る、即ち化合物の重量に基づいて約90%またはそれ以上の純度を有し得る。例えば、非晶質化合物1のMSA塩は、約90、91、92、93、94、95、96、97、98、99または100%の純度を有し得る。残存物質は、化合物1の別の固体形体および/またはその製造によって生じる反応不純物および/または処理不純物を含み得る。
非晶質化合物1のMSA塩と化合物1の別の固体形体の混合物も、本発明の範囲内である。これらの実施態様において、かかる混合物は、該混合物の重量を基準にして、90%未満の非晶質化合物1のMSA塩を含み得る。例えば、混合物は、混合物の85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10または約5重量%の非晶質化合物1のMSA塩を含み得る。
化合物1のメタンスルホン酸塩(MSA塩)水和物
一実施態様において、本明細書は、一水和物である固体形体の化合物1のメタンスルホン酸(MSA塩)に関する。例えば、固体形体の化合物1のMSA塩一水和物は、化合物1のMSA塩の分子あたりに約1分子の水を含む。
好ましい態様において、化合物1のMSA塩一水和物の固体形体は、化合物1のMSA塩一水和物の結晶形体である。化合物1のMSA塩一水和物は、所望の安定性プロファイルを有する。
本発明の好ましい態様において、化合物1のMSA塩一水和物は、化合物1のMSA塩一水和物の結晶形体であって、これは本明細書において化合物1のMSA塩一水和物の形体2として示される。化合物1のMSA塩一水和物の形体2は、5日間、室温にて95%の相対湿度の下で物理的に安定である。
化合物1のMSA塩一水和物の形体2は、9.3、11.8、14.3、15.6、17.7、20.5、22.2、23.2および24.1°2θ±0.2°2θから選択される1つのピークまたは少なくとも1つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けされ得る。化合物1のMSA塩一水和物の形体2は、9.3、11.8、14.3、15.6、17.7、20.5、22.2、23.2および24.1°2θ±0.2°2θから選択される2つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けされ得る。化合物1のMSA塩一水和物の形体2は、9.3、11.8、14.3、15.6、17.7、20.5、22.2、23.2および24.1°2θ±0.2°2θから選択される3つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けされ得る。化合物1のMSA塩一水和物の形体2は、9.3、11.8、14.3、15.6、17.7、20.5、22.2、23.2および24.1°2θ±0.2°2θから選択される4つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けされ得る。化合物1のMSA塩一水和物の形体2は、9.3、11.8、14.3、15.6、17.7、20.5、22.2、23.2および24.1°2θ±0.2°2θから選択される5つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けされ得る。化合物1のMSA塩一水和物の形体2は、9.3、11.8、14.3、15.6、17.7、20.5、22.2、23.2および24.1°2θ±0.2°2θから選択される6つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けされ得る。化合物1のMSA塩一水和物の形体2は、9.3、11.8、14.3、15.6、17.7、20.5、22.2、23.2および24.1°2θ±0.2°2θから選択される7つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けされ得る。化合物1のMSA塩一水和物の形体2は、9.3、11.8、14.3、15.6、17.7、20.5、22.2、23.2および24.1°2θ±0.2°2θから選択される8つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けされ得る。化合物1のMSA塩一水和物の形体2は、9.3、11.8、14.3、15.6、17.7、20.5、22.2、23.2および24.1°2θ±0.2°2θのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けされ得る。
NISTまたは他の適切な標準物を用いて校正した2θを用いて、スピニングキャピラリーを用いた回折計(CuKα)により収集した高品質パターンに基づく室温での化合物1のMSA塩一水和物の形体2についての回折ピーク位置は、表10および表10Aに示される。
表10. 化合物1のMSA塩一水和物の形体2についての特徴的な回折ピーク位置
表10A. 化合物1のMSA塩一水和物の形体2についてのピークリスト
化合物1のMSA塩一水和物の形体2は、表10Aに挙げた複数ピークから選択された少なくとも1つのピークを有するX線回折パターンにより特徴付けされ得る。
化合物1のMSA塩一水和物の形体2も、実質的には図6に示した通りのX線回折パターンにより特徴付けされ得る。化合物1のMSA塩の水和物の形体2の単結晶構造は、上手く決定された。この結晶系は、直方晶系であって、かつ空間群はP212121である。格子パラメーターおよび計算した体積は以下の通りである:a=10.44447(13)Å、b=12.99925(13)Å、c=18.94899(14)Å、α=90°、β=90°、γ=90°、V=2572.71(5)Å。式量は、525.02g mol-1(Z=4)であって、1.355g cm-3の密度(計算値)となった。化合物1のMSA塩一水和物の形体2は、化合物1メシレート(MSA)塩の一水和物である。化合物1のMSA塩一水和物の形体2のXRPDパターンは、結晶性物質から成る物質を示した。
化合物1のMSA塩一水和物の形体2のDSCサーモグラムは、図6Aに示される。
化合物1のMSA塩一水和物の形体2のTGAサーモグラムは、図6Bに示される。
化合物1のMSA塩一水和物の形体2のTGAデータが、おおよそ100℃までに約3.5重量%の重量損失を示した。重量損失は、APIのモルあたりに約1モルの水分子に対応する。
化合物1のMSA塩一水和物の形体2のDSCデータは、TGAに見られた通りに、約90〜150℃の範囲において観察された広範囲の吸熱が、化合物1のMSA塩一水和物の形体2の脱水に対応することを示した。
化合物1MSA一水和物の形体2は、HPLCにより決定される通り、実質的に純粋な形体にて存在し得る、即ち化合物の重量を基準にして、約90%またはそれ以上の純度にて存在し得る。例えば、化合物1のMSA一水和物の形体2は、約90、91、92、93、94、95、96、97、98、99または100%の純度を有し得る。残存物質は、化合物1の別の固体形体および/またはその製造により生じる反応不純物および/または処理不純物を含み得る。
化合物1MSA一水和物の形体2と化合物1の別の固体形体の混合物はまた、本発明の範囲内である。これらの実施態様において、かかる混合物は、該混合物の重量を基準にして、90%未満の非晶質化合物1のMSA塩を含み得る。例えば、混合物は、混合物の85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10または約5重量%の化合物1のMSA一水和物の形体2を含み得る。
本明細書中に記載した結晶形体(例えば、化合物1の遊離塩基の形体4、化合物1の遊離塩基の水和物の形体2、化合物1のMSA塩の形体1、化合物1のMSA塩一水和物の形体2)のサンプルは、実質的に純粋な均一相で提供されうるが、一つの単結晶形体が優位量存在し、かつ所望により1以上の別の結晶形体が少量存在してもよいことを示す。サンプル中での1より多い結晶形体の存在は、粉末X線回折(PXRD)または固体核磁気共鳴分光法(ssNMR)のような技術によって決定され得る。例えば、実験で測定されたPXRDパターンとシミューレーションされたPXRDパターンとの比較において、余分なピークの存在によって、サンプル中の1以上の結晶形体が示され得る。シミューレーションされたPXRDは、単結晶X線データから計算されうる。Smith, D.K., "A FORTRAN Program for Calculating X-Ray Powder Diffraction Patterns," Lawrence Radiation Laboratory, Livermore, California, UCRL-7196 (April 1963)を参照。好ましくは、結晶形体は、シミューレーションされたXRPDパターンには存在しない余分なピークを生じる、実験で測定されたPXRDパターンが、全ピーク面積の10%より小さく、好ましくは5%より小さく、より好ましくは2%より小さく示される実質的に純粋な均一相を有する。最も好ましいのは、シミューレーションされたPXRDパターンにはない余分なピークをもたらす実測されたPXRDパターンが、全ピーク面積の1%またはそれより低く示される実質的に純粋な均一相を有する結晶形体である。
本明細書に記載した様々な固体形体は、当業者には既知の様々な分析技術を使用することにより、互いに区別され得る。そのような技術は、固相磁気共鳴(ssNMR)分光分析、X線粉末回折(PXRD)、示差走査熱量測定(DSC)および/または熱重量測定分析(TGA)が含まれるが、これらに限定するものではない。
当業者は、X線回折パターンが、用いた測定条件に依り、測定誤差と共に得られ得ることを理解するであろう。特に、X線回折パターンにおける強度は、用いられる測定条件に依って変動し得ることは一般的に知られている。相対強度も、実験条件に依って変動し得るので、強度の正確なオーダーを考慮すべきではないこともまた理解されるべきである。更に、従来のX線回折パターンについての回折角度の測定誤差は、通常、約±0.2°2θであり、その程度の測定誤差が、前記の回折角度には存在すると考慮されるべきである。結果として、本発明の結晶形体は、本明細書に開示された添付の図面に示されたX線回折パターンと完全に同一のX線回折パターンを提供する結晶形体に限定するものではないことが理解されるべきである。添付した図面に開示されたパターンと実質的に同一のX線回折パターンと提供するあらゆる結晶形体も、本発明の範囲内に入る。X線回折パターンに関する実質同一性を確定する能力は、当業者の範囲内である。
本明細書に記載した化合物1の固体形体(および、その水和物および塩形体の固体形体)は、医薬組成物に処方されてもよく、および/または治療および/または予防方法に用いられてもよい。これらの方法には、化合物1の固体形体の投与、化合物1の水和物(例えば、化合物1の一水和物)の固体形体、化合物1のMSA塩の固体形体および化合物1のMSA塩水和物の固体形体を、単独で、または1以上の別の医薬的に活性な薬剤、例えば、本明細書に記載した疾患の治療に有用であり得る薬剤と組合せて投与することが包含されるが、これに限定するものではない。
治療の適用
本発明の化合物および医薬組成物は、IDOの酵素活性に感受性があるあらゆる疾患または症状の治療または予防において有用である。これらには、ウイルスおよび他の感染症(例えば、皮膚感染、GI感染、***、泌尿生殖器感染、全身性感染)、増殖性疾患(例えば、癌)および自己免疫性疾患(例えば、関節リウマチ、狼瘡)を包含する。化合物および医薬組成物は、動物、好ましくは哺乳類(例えば、家畜、ネコ、イヌ、マウス、ラット)、より好ましくはヒトに投与され得る。投与に関するあらゆる方法を使用して、化合物または医薬組成物を、患者に送達してもよい。ある実施態様において、化合物または医薬組成物は、経口投与される。他の実施態様において、化合物または医薬組成物は、非経口投与される。
本発明の化合物は、酵素インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)の活性を調節できる。用語「調節する」は、酵素または受容体の増加または低下させる能力を指すことを意味する。従って、本発明の化合物は、該酵素を、任意の1以上の化合物または組成物と接触させることにより、IDOを調節する方法に使用され得る。ある実施態様において、本発明の化合物は、IDOの阻害剤として作用し得る。更なる実施態様において、本発明の化合物は、該酵素の調節が必要な細胞または個人におけるIDOの活性を調節するために、調節(例えば、阻害する)量の本発明の化合物を投与することにより使用され得る。
化合物1は、酵素インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)の活性を阻害することができる。例えば、化合物1は、阻害量の化合物1を投与することにより、該酵素の調節が必要な細胞または個人において、IDOの活性を阻害するために使用され得る。
本発明は、IDOを発現する細胞を含有する系、例えば、組織、生体臓器または細胞培養物中のトリプトファンの分解を阻害する方法をさらに提供する。ある実施態様において、本発明は、本明細書中に提供される組成物中の有効量の化合物1を投与することにより、哺乳類における細胞外トリプトファンレベルを変更する(例えば、増加する)方法を提供する。トリプトファンレベルおよびトリプトファン分解を測定する方法は、当業者には常套方法である。
本発明は、免疫抑制、例えば、有効量の化合物1を患者に投与することによりIDO媒介性の免疫抑制を阻害する方法である。IDO媒介性の免疫抑制は、例えば、癌、腫瘍成長、転移、ウイルス感染およびウイルス複製と関連がある。
本発明は、治療上有効な量または用量の本発明の化合物1(または、その水和物または塩)の固体形体またはその医薬組成物を、かかる処置が必要な個人(例えば、患者)に投与することにより、IDOの活性または発現(例えば、異常な活性および/または過剰発現)に関連がある疾患の治療方法をさらに提供するものである。疾患の例は、IDO酵素の発現または活性、例えば過剰発現または異常な活性に直接的または間接的に関連しているあらゆる疾患、障害または症状を包含する。IDO関連疾患は、酵素活性を調節することにより予防、緩和または治癒され得るあらゆる疾患、障害または症状も包含し得る。IDO関連疾患の例には、癌、ウイルス感染、例えば、HIV感染、HCV感染、うつ病、神経変性障害、例えばアルツハイマー病およびハンチントン疾患、外傷、年齢関連白内障、臓器移植(例えば、臓器移植拒絶反応)および自己免疫疾患、例えば、喘息、関節リウマチ、多発性硬化症、アレルギー性の炎症、炎症性腸疾患、乾癬および全身性エリテマトーデスが挙げられる。
本明細書において使用されるとおり、用語「細胞」とは、インビトロ、エクソビボまたはインビボである細胞を指す。幾つかの実施態様において、エクソビボの細胞は、生物体、例えば哺乳類から切除された組織サンプルの一部であってもよい。幾つかの実施態様において、インビトロの細胞は、細胞培養中の細胞であってもよい。幾つかの実施態様において、インビボの細胞は、生物体内、例えば哺乳類において生存している細胞である。
本明細書において使用されるとおり、用語「接触する」とは、インビトロ系またはインビボ系において所定成分を一緒にすることをいう。例えば、IDO酵素と本発明の化合物を「接触させる」とは、本発明の化合物を、IDOを有する個体または患者、例えばヒトに投与すること、ならびに例えば、本発明の化合物1の固体形体を、細胞を含むサンプルまたはIDO酵素を含有する精製調製物に導入することが挙げられる。
用語「IDO阻害剤」とは、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)の活性を阻害し、それによりIDO介在性の免疫抑制を逆転させる(reversing)ことができる薬剤をいう。IDO阻害剤は、IDO1および/またはIDO2(INDOL1)を阻害し得る。IDO阻害剤は、可逆的または不可逆的IDO阻害剤であってもよい。「可逆的IDO阻害剤」は、触媒部位または非触媒部位でIDO酵素活性を可逆的に阻害する化合物であり、「不可逆的IDO阻害剤」とは、IDO酵素活性を、付加逆的に失活させる化合物である。
本発明の化合物1の固体形体を用いて治療され得る癌の種には、脳腫瘍、皮膚癌、膀胱癌、卵巣癌、乳癌、胃癌、膵臓癌、前立腺癌、大腸癌、血液癌、肺癌および骨癌が挙げられるが、これらに限定されるものではない。かかる癌の型の例示には、神経芽細胞腫、腸癌、例えば直腸癌、大腸癌、家族性大腸ポリポーシス癌および遺伝性非ポリポーシス、結腸直腸癌、食道癌、唇癌、喉頭癌、下咽頭癌、舌癌、唾液腺癌、胃癌、悪性腺腫、延髄甲状腺癌、乳頭の甲状腺癌、腎臓癌、腎臓実質性癌、卵巣癌、頚部癌、子宮体癌、子宮内膜癌、絨毛膜癌、膵臓癌、前立腺癌、睾丸癌、乳癌、泌尿器癌、悪性黒色腫、脳腫瘍、例えばグリア芽腫、星細胞腫、髄膜腫、髄芽腫および末梢神経外胚葉性腫瘍、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、成人T細胞白血病、リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、肝細胞癌、胆嚢癌、気管支癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫、基底細胞腫、奇形腫、網膜芽細胞腫、脈絡膜悪性黒色腫、精上皮腫、横紋筋肉腫、頭蓋咽頭腫、骨肉腫、軟骨肉腫、筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫、ユーイング肉腫および形質細胞腫が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
即ち、別の実施態様に従って、本発明は、本発明の化合物の固体形体または組成物をそれが必要な患者に提供することにより自己免疫疾患を治療する方法を提供する。かかる自己免疫疾患の例示には、膠原病、例えばリウマチ関節炎、全身性エリテマトーデス、シャープ症候群、CREST症候群(石灰沈着症、レイノー症候群、食道運動障害、毛細血管拡張症)、皮膚筋炎、血管炎(ウェゲナー肉芽腫症;Morbus Wegener's)およびシューグレン症候群、腎臓疾患、例えばグッドパスチャー症候群、急速に進行する糸球体腎炎および膜軟骨増殖性糸球体腎炎II型、内分泌疾患、例えばI型糖尿病、自己免疫性多腺性内分泌疾患I型(APECED)、自己免疫性副甲状腺症、悪性貧血、生殖腺不全、特発性副腎機能低下、甲状腺亢進、橋本病および原発性粘液水腫、皮膚疾患、例えば尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、妊娠ヘルペス、表皮水疱症および多形紅斑メジャー、肝臓疾患、例えば原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性胆管炎、自己免疫性1型肝炎、自己免疫性2型肝炎、原発性硬化性胆管炎、神経性疾患、例えば多発性硬化症、重症筋無力症、ランバート・イートン筋無力症候群、後天性神経性筋強直症、ギラン・バレー症候群(フィッシャー症候群)、スティッフパーソン症候群、小脳変性、運動失調症、オプソクロヌス、感覚神経障害およびアカラシア、血液疾患、例えば自己免疫性の溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病(Morbus Werlhof)、自己免疫反応関連感染症、例えばAIDS、マラリアおよびシャーガス疾患が挙げられる。
1以上の別の医薬的薬剤または治療方法、例えば、抗ウイルス剤、化学治療剤または他の抗癌剤、免疫増強剤、免疫抑制剤、放射線、抗腫瘍および抗ウイルスワクチン、サイトカイン治療薬(例えば、IL2およびGM-CSF)および/またはチロシンキナーゼ阻害剤は、所望により、IDO-関連疾患、障害または症状の治療のために、本発明の化合物と組み合わせて使用され得る。薬剤は、単一の投薬形体にて本願化合物と組み合わせるか、または該薬剤を、同時、または逐次的に、別個の投与剤形として投与され得る。
適切な化学療法剤または他の抗癌剤には、例えばアルキル化剤(例えば、窒素マスタード、エチレニミン誘導体、アルキルスルホネート、ニトロソウレアおよびトリアゼンが挙げられるが、これに限定しない)、例えば、ウラシルマスタード、クロルメチン、シクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))、イホスファミド、メルファラン、クロランブシル、ピポブロマン、トリエチレン-メラミン、トリエチレンチオホスホロアミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジンおよびテモゾロマイドが挙げられるが、これに限定しない
悪性黒色腫の処置において、本発明の化合物と組み合わせて使用するための適切な薬剤には、ダカルバジン(DTIC)、所望により、他の化学療法剤、例えばカルムスチン(BCNU)およびシスプラチン;DTIC、BCNU、シスプラチンおよびタモキシフェンからなる"Dartmouth regimen";シスプラチン、ビンブラスチンおよびDTIC、テモゾロマイドまたはYERVOY(登録商標)との組み合わせが挙げられる。本発明の化合物は、悪性黒色腫の処置において、免疫治療剤、例えばサイトカイン類、例えば、インターフェロンα、インターロイキン2および腫瘍壊死因子(TNF)と組み合わされてもよい。
本発明の化合物は、悪性黒色腫の治療においてワクチン治療と組み合わせて使用されてもよい。抗悪性黒色腫ワクチンは、幾つかの点で、ウイルス類、例えば、ポリオ、ミズルズおよびムンプスを原因とする疾患を予防するために使用され得る抗ウイルスワクチンと類似している。脆弱化した悪性黒色腫細胞または悪性黒色腫細胞(いわゆる抗原)を、投与して、身体の免疫系を刺激して、悪性黒色腫細胞を破壊することもできる。
腕や脚に限られる悪性黒色腫は、体温上昇患肢灌流技術を用いる1以上の本発明の化合物を含む薬剤の組み合わせを用いて治療されてもよい。この治療プロトコールは、関連がある四肢を身体の残りの部分と一時的に分けて、高用量の化学療法剤を四肢動脈血流中へ注射により与えることで、内部臓器に深刻な副作用をもたらし得るような投薬量に暴露することなく高い投薬量が腫瘍領域に提供される。通常、この液体は102°〜104°Fに温められる。メルファランは、この化学療法において最も頻繁に使用される薬剤である。これは、腫瘍壊死因子(TNF)と呼ばれる別の薬剤と共に投与され得る。
適切な化学療法または他の抗癌剤は、例えば、代謝拮抗剤(例えば、葉酸アンタゴニスト、ピリミジンアナログ、プリンアナログおよびアデノシンデアミナーゼ阻害剤など)、例えば、メトトレキセート、5-フルオロウラシル、フロキシウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビン、ペントスタチンおよびゲムシタビンが挙げられるが、これらに限定しない。
適切な化学療法または他の抗癌剤には、例えば、ある天然の生成物およびその誘導体(例えば、ビンカアルカロイド、抗腫瘍剤、抗生物質、酵素、リンホカインおよびエピポドフィロトキシン)、例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ara-C、パクリタキセル(タキソール)、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、インターフェロン(特にIFN-a)、エトポシドおよびテニポシドが更に挙げられる。
他の細胞毒性剤には、ナベルビン(Navelbine)、CPT-11、アナストロゾール、レトラゾール、カペシタビン、レロキサファイン(reloxafine)およびドロロキサファイン(droloxafine)が挙げられる。
適切な細胞毒性剤は、例えば、エピドフィロ(epidophyllo)毒素;抗悪性腫瘍酵素;トポイソメラーゼ阻害剤;プロカルバジン;ミトキサントロン;白金配位錯体、例えば、シスプラチンおよびカルボプラチン;生体応答調節物質;成長阻害剤;抗ホルモン治療薬;ロイコボリン;テガフール;および造血成長因子である。
他の抗癌剤には、抗体治療剤(例えば、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標)))、共刺激分子(例えば、CTLA-4、4-1BBおよびPD-1)に対する抗体、またはサイトカイン類(IL-1OまたはTGF-β)に対する抗体が挙げられる。
他の抗癌剤は、ケモカイン受容体(例えば、CCR2およびCCR4)への免疫細胞の移動を阻止するもの、例えばアンタゴニスト類も含む。
他の抗癌剤には、免疫系を増強するもの(例えば、アジュバンドまたは養子T細胞移入)が挙げられる。
抗癌ワクチンには、樹状細胞、合成ペプチド、DNAワクチンおよび組換えウイルスが挙げられる。
本発明の医薬組成物は、所望により、少なくとも1つのシグナル伝達阻害剤(STI)を包含してもよい。「シグナル伝達阻害剤」とは、癌細胞の正常機能におけるシグナル伝達経路にて1以上の必須工程を選択的に阻害し、それによりアポトーシスをもたらす剤である。適切なSTI類には、次のものが挙げられるが、これに限定するものではない:(i) bcr/abl キナーゼ阻害剤、例えばSTI 571(GLEEVEC(登録商標));(ii) 上皮細胞成長因子(EGF)受容体阻害剤、例えば、キナーゼ阻害剤(IRESSA(登録商標)、SSI-774)および抗体(Imclone:C225 [Goldstein et al., Clin. Cancer Res., 1:1311-1318(1995)]およびAbgenix:ABX-EGF);(iii) her-2/neu 受容体阻害剤、例えばファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(FTI)、例えば、L-744,832(Kohl et al., Nat. Med., 1(8):792-797(1995));(iv) AktファミリーキナーゼまたはAkt経路の阻害剤、例えば、ラパマイシン(例えば、Sekulic et al.,Cancer Res., 60:3504-3513(2000)を参照されたい);(v) 細胞周期キナーゼ阻害剤、例えばフラボピリドールおよびUCN-O1(例えば、Sausville, Curr. Med. Chem. Anti-Canc. Agents, 3:47-56(2003)を参照されたい);および(vi) フォスファチジルイノシトールキナーゼ阻害剤、例えばLY294002(例えば、Vlahos et al., J. Biol. Chem., 269:5241-5248(1994)を参照されたい)。別法として、少なくとも1つのSTIおよび少なくとも1つのIDO阻害剤は、別々の医薬組成物中に存在していてよい。本発明の特定の実施態様において、少なくとも1つのIDO阻害剤(例えば、化合物Iまたはその固体形体、あるいはその水和物または塩の固体形体)および少なくとも1つのSTIは、患者へ同時または逐次投与され得る。言い換えると、少なくとも1つのIDO阻害剤が、最初に投与されるか、少なくとも1つのSTIが最初に投与されるか、または少なくとも1つのIDO阻害剤および少なくとも1つのSTIが同時に投与され得る。さらに、1以上のIDO阻害剤および/またはSTIが使用される場合、この化合物はいずれの順序で投与されてもよい。
本発明は、患者における慢性のウイルス感染の治療のために、医薬的に許容され得る担体中に、少なくとも1つのIDO阻害剤(例えば、化合物1あるいはその水和物または塩の固体形体)、所望により少なくとも1つの化学療法剤、所望により少なくとも1つの抗ウイルス剤を含む医薬組成物を更に提供する。医薬組成物は、本発明の少なくとも1つのIDO阻害剤と、さらに少なくとも1つの確立された(既知の)IDO阻害剤を含み得る。特定の実施態様において、医薬組成物中の少なくとも1つのIDO阻害剤は、化合物1またはその固体の形体、あるいはその水和物または塩の固体形体である。
また、有効量の上記医薬組成物を投与することにより患者における慢性ウイルス感染の治療方法が提供される。
本発明の特定の実施態様において、少なくとも1つのIDO阻害剤および少なくとも1つの化学療法剤は、患者に同時または逐次的に投与される。言い換えれば、少なくとも1つのIDO阻害剤が最初に投与されるか、少なくとも1つの化学療法剤が最初に投与されるか、または少なくとも1つのIDO阻害剤と少なくとも1つのSTIが同時に投与され得る。加えて、1以上のIDO阻害剤および/または化学療法剤が使用される場合、化合物は、いずれの順序で投与されてもよい。同様に、あらゆる抗ウイルス剤またはSTIは、IDO阻害剤の投与と比べて、いずれの時点でも投与され得る。
本発明のコンビナトリアル治療を用いて治療され得る慢性ウイルス感染は、肝炎C型ウイルス(HCV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス(CMV)、ヘルペス単純ウイルス(HSV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、水痘・帯状疱疹ウイルス、コクサッキーウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)を原因とする疾患であるが、これに限定するものではない。注目すべきは、寄生虫感染症(例えば、マラリア)が上記の方法にて治療され得ることである。寄生虫感染性の症状を治療することが知られる化合物を、適宜、抗ウイルス剤の代りに加えてもよい。
また別の実施態様において、本発明の少なくとも1つのIDO阻害剤を含む医薬組成物は、動脈再狭窄(例えば、バルーン内視鏡検査後またはステント留置後の動脈再狭窄)を防止するために、患者に投与され得る。特定の実施態様において、医薬組成物は、少なくとも1つのタキサン(例えば、パクリタキセル(タキソール)を更に含んでもよい;例えば、Scheller et al., Circulation, 110:810-814(2004)を参照されたい)。
本発明の固体形体と組み合わせて使用するために考え得る適切な抗ウイルス剤は、ヌクレオシドおよびヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(NRTI)、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、プロテアーゼ阻害剤および他の抗ウイルス剤を含み得る。
適切なNRTIの例示は、ジドブジン(AZT);ジダノシン(ddl);ザルシタビン(ddC);スタブジン(d4T);ラミブジン(3TC);アバカビル(1592U89);アデフォビル・ジピボキシル[bis(POM)-PMEA];ロブカビル(BMS-180194);BCH-I0652;エムトリシタビン[(-)-FTC];β-L-FD4(β-L-D4Cとも呼ばれており、β-L-2',3'-ジクレオキシ-5-フルオロ-シチデンの名称である);DAPD,((-)-β−D−2,6-ジアミノ-プリンジオキソラン);およびロデノシン(FddA)。代表的かつ適切なNNRTIには、ネビラピン(BI-RG-587);デラビラジン(BHAP、U-90152);エファビレンツ(DMP-266);PNU-142721;AG-1549;MKC-442(1-(エトキシメチル)-5-(1-メチルエチル)-6-(フェニルメチル)-(2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン);および(+)-カラノリド A(NSC-675451)およびBが挙げられる。代表的かつ適切なプロテアーゼ阻害剤は、サキナビル(Ro 31-8959);リトナビル(ABT-538);インジナビル(MK-639);ナルフェナビル(AG-1343);アンプレナビル(141W94);ラシナビル(lasinavir)(BMS-234475);DMP-450;BMS-2322623;ABT-378;およびAG-1549が挙げられる。他の抗ウイルス剤には、ヒドロキシウレア、リバビリン、IL-2、IL-12、ペンタフシドおよびイッサムプロジェクト(Yissum Project)番号11607が挙げられる。
がん免疫療法剤との組み合わせ
本明細書においてさらに提供されるものは、化合物1の固体形体あるいは化合物1の水和物または塩の固体形体が、1以上のがん免疫療法剤と共に投与される治療方法である。本明細書において使用されるがん免疫療法剤は、癌の免疫療法としても知られており、患者における免疫免疫応答を増強、刺激および/または上方調節するのに有効である。
一態様において、化合物1の固体形体あるいは化合物1の水和物または塩の固体形体は、がん免疫療法剤の投与前に逐次投与される。別の態様において化合物1の固体形体あるいは化合物1の水和物または塩の固体形体は、がん免疫療法剤と共に同時に投与される。また別の態様において、化合物1の固体形体あるいは化合物1の水和物または塩の固体形体は、がん免疫療法剤の投与後に逐次投与される。
別の態様において、化合物1の固体形体あるいは化合物1の水和物または塩の固体形体は、がん免疫療法剤と共に共投与されてもよい。
がん免疫療法剤には、例えば、低分子薬、抗体または別の生物製剤または低分子製剤が挙げられる。生物学的ながん免疫療法剤の例には、癌ワクチン、抗体およびサイトカインが挙げられるが、これに限定するものではない。一態様において、抗体は、モノクローナル抗体である。別の態様において、モノクローナル抗体は、ヒト化ま抗体たはヒト抗体である。
一態様において、がん免疫療法剤は、(i)刺激因子のアゴニスト(例えば、共刺激因子)受容体または(ii)T細胞に対する抑制シグナルのアンタゴニスト(例えば、共抑制因子)であり、これら双方は、抗原-特異的T細胞応答(免疫チェックポイント調節剤としても呼ばれることが多い)の増幅をもたらす。
ある特定の刺激分子および抑制分子は、イムノグロブリンスーパーファミリー(IgSF)のメンバーである。共刺激性または共抑制性受容体に結合する膜結合型リガンドの一つの重要なファミリーは、B7ファミリーであり、これにはB7-1、B7-2、B7-H1(PD-L1)、B7-DC(PD-L2)、B7-H2(ICOS-L)、B7-H3、B7-H4、B7-H5(VISTA)およびB7-H6が含まれる。共刺激性または共抑制性受容体に結合する膜結合型リガンドの別のファミリーは、同族のTNF受容体ファミリーメンバーに結合する分子のTNFファミリーであり、これにはCD40およびCD40L、OX-40、OX-40L、CD70、CD27L、CD30、CD30L、4-1BBL、CD137(4-1BB)、TRAIL/Apo2-L、TRAILR1/DR4、TRAILR2/DR5、TRAILR3、TRAILR4、OPG、RANK、RANKL、TWEAKR/Fn14、TWEAK、BAFFR、EDAR、XEDAR、TACI、APRIL、BCMA、LTβR、LIGHT、DcR3、HVEM、VEGI/TL1A、TRAMP/DR3、EDAR、EDA1、XEDAR、EDA2、TNFR1、リンホトキシンα/TNFβ、TNFR2、TNFα、LTβR、リンホトキシンα1β2、FAS、FASL、RELT、DR6、TROY、NGFRが含まれる。
別の態様において、がん免疫療法剤とは、免疫応答を刺激するための、T細胞活性化を阻害するサイトカイン(例えば、IL-6、IL-10、TGF-β、VEGFおよび別の免疫抑制性サイトカイン)またはT細胞活性化を刺激するサイトカインである。
一態様において、T細胞応答は、化合物1の固体形体あるいは化合物1の水和物または塩の固体形体、ならびに1以上の(i) CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、LAG-3、TIM-3、Galectin 9、CEACAM-1、BTLA、CD69、ガレクチン-1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、2B4、CD48、GARP、PD1H、LAIR1、TIM-1およびTIM-4などのT細胞活性化を阻害するタンパク質(例えば、免疫チェックポイント阻害剤)のアンタゴニストおよび(ii) B7-1、B7-2、CD28、4-1BB(CD137)、4-1BBL、ICOS、ICOS-L、OX40、OX40L、GITR、GITRL、CD70、CD27、CD40、DR3およびCD28HなどのT細胞活性化を刺激するタンパク質のアゴニストの組み合わせにより刺激され得る。
癌の治療のための、化合物1の固体形体あるいは化合物1の水和物または塩の固体形体と組み合わされ得るその他の薬剤には、NK細胞上の抑制性受容体のアンタゴニストまたはNK細胞上の活性化受容体のアゴニストが含まれる。例えば、化合物1の固体形体あるいは化合物1の水和物または塩の固体形体を、KIRのアンタゴニスト、例えばリリルマブと共に組み合わせ得る。
併用療法のための更に別の薬剤は、マクロファージまたは単球を阻害または枯渇させる薬剤、これに限定されないが、例えばCSF-1Rアンタゴニスト、例えば、RG7155(例えば、WO11/70024、WO11/107553、WO11/131407、WO13/87699、WO13/119716、WO13/132044)またはFPA-008(例えば、WO11/140249、WO13/169264、WO14/036357)などのCSF-1Rアンタゴニスト抗体を包含する。
別の態様において、化合物1の固体形体あるいは化合物1の水和物または塩の固体形体は1以上の、ポジティブ共刺激性受容体を結合するアゴニスト薬剤、抑制性受容体を介してシグナル伝達を減弱させる遮断剤、アンタゴニスト、ならびに1以上の、抗腫瘍性T細胞の頻度を全身的に増加させる薬剤、腫瘍のミクロ環境における固有の免疫抑制経路を抑える(例えば、PD-L1/PD-1相互作用などの抑制性受容体の結合を遮断する)薬剤、Tregsを枯渇または阻害する(例えば、抗CD25モノクローナル抗体(例えば、ダクリズマブ)を用いるか、またはエクス・ビボ抗CD25ビーズにより枯渇または阻害する)薬剤、IDOなどの代謝酵素を阻害またはT細胞の免疫不応答または枯渇を逆転/回復させる薬剤および先天性免疫活性化および/または腫瘍部位での炎症を開始させる薬剤と共に使用され得る。
一態様において、がん免疫療法剤は、CTLA-4アンタゴニスト、例えば、アンタゴニスト性CTLA-4抗体である。適切なCTLA-4抗体には、例えば、YERVOY(登録商標)(イピリムマブ)またはトレメリムマブが含まれる。
別の態様において、がん免疫療法剤は、PD-1アンタゴニスト、例えば、アンタゴニスト性PD-1抗体である。適切なPD-1抗体には、例えば、OPDIVO(登録商標)(nivolumab)、KEYTRUDA(登録商標)(pembrolizumab)またはMEDI-0680(AMP-514;WO 2012/145493)が含まれる。がん免疫療法剤はまた、ピディリズマブ(CT-011)(PD-1結合に対するその特異性については疑問であるが)も含み得る。PD-1受容体を標的とする別のアプローチは、IgG1のFc部分に融合したPD-L2(B7-DC)の細胞外ドメインから構成された組み換えタンパク質、いわゆるAMP-224である。
別の態様において、がん免疫療法剤は、PD-L1アンタゴニスト、例えばアンタゴニスト性PD-L1抗体である。適切なPD-L1抗体には、例えば、MPDL3280A(RG7446;WO2010/077634)、デュルバルマブ(MEDI4736)、BMS-936559(WO2007/005874)およびMSB0010718C(WO2013/79174)が含まれる。
別の態様において、がん免疫療法剤は、LAG-3アンタゴニスト、例えばアンタゴニスト性LAG-3抗体である。適切なLAG3抗体には、例えばBMS-986016(WO10/19570、WO14/08218)またはIMP-731またはIMP-321(WO08/132601、WO09/44273)が含まれる。
別の態様において、がん免疫療法剤は、CD137(4-1BB)アゴニスト、例えばアゴニスト性CD137抗体である。適切なCD137抗体には、例えばウレルマブおよびPF-05082566(WO12/32433)が含まれる。
別の態様において、がん免疫療法剤は、GITRアゴニスト、例えばアゴニスト性GITR抗体である。適切なGITR抗体には、例えば、BMS-986153、BMS-986156、TRX-518(WO06/105021、WO09/009116)およびMK-4166(WO11/028683)が含まれる。
別の態様において、がん免疫療法剤は、IDOアンタゴニストである。適切なIDOアンタゴニストには、例えばINCB-024360(WO2006/122150、WO07/75598、WO08/36653、WO08/36642)、インドキシモブ(indoximod)またはNLG-919(WO09/73620、WO09/1156652、WO11/56652、WO12/142237)が含まれる。
別の態様において、がん免疫療法剤は、OX40アゴニスト、例えば、アゴニスト性OX40抗体である。適切なOX40抗体には、例えばMEDI-6383またはMEDI-6469が含まれる。
別の態様において、がん免疫療法剤は、OX40Lアンタゴニスト、例えばアンタゴニスト性OX40抗体である。適切なOX40Lアンタゴニストには、例えばRG-7888(WO06/029879)が含まれる。
別の態様において、がん免疫療法剤は、CD40アゴニスト、例えばアゴニスト性CD40抗体である。更に別の実施態様において、がん免疫療法剤は、CD40アンタゴニスト、例えばアンタゴニスト性CD40抗体である。適切なCD40抗体には、例えばルカツムマブまたはダセツズマブが含まれる。
別の態様において、がん免疫療法剤は、CD27アゴニスト、例えばアゴニストのCD27抗体である。適切なCD27抗体には、例えばバリルマブが含まれる。
別の態様において、がん免疫療法剤は、MGA271(B7H3に対する)(WO11/109400)である。
本発明は、例えば、IDO-関連疾患または障害、肥満症、糖尿病および本明細書に言及された他の疾患の処置または予防において有用な医薬キットを包含し、これには治療上有効な量の本発明の化合物を含む医薬組成物を入れた1以上の容器が含まれる。そのようなキットは、必要であれば、1以上の様々な従来の医薬キット成分、例えば、1以上の医薬的に許容し有る担体を入れた容器、追加の容器をさらに含むことができることは、当業者には容易に理解されよう。投与されるべき成分量、投与のためのガイドラインおよび/または成分を混合するためのガイドラインを示すインサートまたはラベルのような指示書を、そのキットに含んでもよい。
組み合わせ治療は、逐次的様式でこれらの治療薬の投与を含むことが意図される、即ち各治療薬は種々の異なる時点で投与され、ならびにこれらの治療薬または少なくとも2つの治療薬が、実質的に同時的様式で投与される。実質的な同時投与とは、例えば、各治療薬の固定比にて1つの単一投与剤形、または治療薬各々についての複数の単一投与剤形で患者に投与することにより達成され得る。各治療薬の連続的または実質的な同時投与とは、例えば、経口経路、静脈内経路、筋肉内経路および粘膜の膜組織を介する直接吸収などのあらゆる適切な経路により実施され得るが、これらに限定されるものではない。治療薬は、同一経路または異なる経路により投与され得る。例えば、選択された組み合わせにおける第1治療薬は静脈内注射により投与され得るが、この組み合わせの内の別の治療薬は経口投与されてもよい。別法として、例えば、全ての治療薬が経口投与されても、または全ての治療薬が静脈注射により投与されてもよい。組み合わせ治療には、他の生物学的活性成分および非薬物療法(例えば、手術または放射線治療)を更に組み合わせて、上記した治療薬の投与を行なうこともできる。この組み合わせ治療が更に非薬剤処置を含む場合、治療薬および非薬剤治療の組み合わせに関する共同作用から生じる有用な効果が達成される限り、非薬剤処置はいずれの適切な時点でも行なうことができる。例えば、好適な症例では、この有用な効果は、非薬物処置が、治療薬の投与から一時的に、おそらく数日または数週間、休止される場合であっても達成される。
医薬組成物および投薬
本発明は、治療上有効な量の1以上の本発明に記載の固体形体を含み、1以上の医薬的に許容し有る担体(添加物)および/または希釈剤と共に、所望により上記した1以上の別の治療薬と共に製剤される医薬的に許容され得る組成物を提供する。
本発明の固体形体は、本明細書中に記載されるあらゆる用途のために、いずれかの適切な手段により、例えば、経口により、例えば、錠剤、カプセル剤(それらの各々には、徐放性または持続放出製剤が含まれる)、丸薬、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、懸濁液(ナノ懸濁剤、ミクロ懸濁剤、噴霧乾燥分散剤)、シロップおよび乳剤など;舌下により;口腔内により;非経口により[例えば、皮下、静脈内、筋肉内もしくは胸骨内注射、または点滴技術(例えば、注射可能な滅菌された水性または非水性溶液または懸濁液)];鼻腔内により、例えば、吸入スプレーにより鼻粘膜に;局所的に、例えば、クリーム剤または軟膏により;または直腸的に(例えば、坐剤の剤形で)、投与されてもよい。それらは単独で投与することができるが、一般的には投与経路および標準的な製薬基準に基づいて選択される医薬用担体と共に投与されるであろう。
用語「医薬的に許容され得る」とは、化合物、材料、組成物、および/または投与剤形が、通常の医学的判断の範囲内において、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応または別の問題もしくは合併症を引き起こすことなく、妥当な利益/リスク比に見合って、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するために適切であることを意味する。
本明細書において使用される用語「医薬的に許容され得る担体」とは、医薬的に許容され得る物質、組成物またはビヒクル、例えば、液体または固形増量剤、希釈剤、賦形剤、助剤(例えば、滑沢剤、タルクマグネシウム、カルシウムまたはステアリン酸亜鉛またはステアリン酸)、または目的の化合物を、1つの臓器または身体の一部分から、別の臓器または身体の別の部分へと運搬または送達することに関与する溶媒カプセル化材を意味する。各担体は、製剤中の他の成分と相溶し得るという意味において、かつ患者にとって有害でないという意味において「許容され得る」ものである。
用語「医薬組成物」は、本発明の化合物を、少なくとも1つの更なる医薬的に許容され得る担体と組み合わせて含む組成物を意味する。「医薬的に許容され得る担体」は、動物、特に哺乳類に生物学的に活性な薬剤を送達するために当該分野で一般的に受け入れられている媒体、即ち、アジュバント、賦形剤またはビヒクルであり、投与方法および投与剤形の性質に依存して変わるが、例えば、希釈剤、保存剤、増量剤、流動調節剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味料、香料、芳香剤、抗菌剤、抗真菌剤、滑沢剤および分散剤(dispensing agent)などである。
医薬的に許容され得る担体は、当業者には周知の数多くの要因に従って製剤化される。これらは、例えば、限定されないが、製剤化される活性薬剤の種類および性質;薬剤を含む組成物が投与される対象;意図される組成物の投与経路;および目的とする治療適応症である。医薬的に許容され得る担体は、水性および非水性の液体媒体、ならびに様々な固形および半固形の投与剤形を包含する。かかる担体は、活性薬剤に加えて数多くの異なる成分および添加物を含むことが可能であり、当業者には周知のそのような別の成分は様々な理由(例えば、活性薬剤、結合剤などの安定化)により製剤に含まれる。適切な医薬的に許容され得る担体およびその選択に関与する要因についての記述は、多くの容易に入手可能な情報源、例えば、Allen, Jr. L.V., et al., Remington:The Science and Practice of Pharmacy(2 Volumes), 22nd Edition, Pharmaceutical Press(2012)に見られる。
本発明の固体形体の投与レジメンは、当然のことながら、既知の要因、例えば、特定の薬剤の薬物動態学的性質およびその投与方法および投与経路;レシピエントの種、年齢、性別、健康状態、医学的状態および体重;症状の性質および程度;併用治療の種類;治療頻度;投与経路、患者の腎機能および肝機能ならびに目的とする効果に依存して異なる。
一般的なガイダンスとして、各活性成分の1日当たりの投与量は、望ましい効果を得るために用いる場合、約0.001から約5000mg/日、好ましくは約0.01から約1000mg/日、もっとも好ましくは約0.1から約250mg/日の範囲である。静脈内投与で最も好ましい投与量は、持続点滴において約0.01から約10mg/kg/分の範囲である。本発明の化合物は、1日単回投与でもよく、1日あたりの総用量を1日に2、3、または4回に分割した投与量にて投与されてもよい。
本発明の固体形体は、典型的には、目的の投与形態、例えば、経口錠剤、カプセル剤、エリキシル剤およびシロップなどの投与形態に応じて、一般的な製薬基準に沿って適切に選択される医薬用希釈剤、賦形剤または担体(本明細書中では総称して医薬用担体という)との混合物において投与される。
投与に適した投与剤形(医薬組成物)は、投与単位当たり約1ミリグラム〜約2000ミリグラムの活性成分を含む。これらの医薬組成物において、活性成分は通常、該組成物の総重量の約0.1〜95重量%の量にて存在する。
経口投与のための典型的なカプセルは、少なくとも1つの本発明の化合物(250mg)、乳糖(75mg)およびステアリン酸マグネシウム(15mg)を含む。該混合物を、60メッシュの篩に通して、No.1ゼラチンカプセルに詰める。
典型的な注射用製剤は、少なくとも1つの本発明の化合物(250mg)を無菌的にバイアルに入れ、無菌的に凍結乾燥して密閉することにより製造される。使用する際には、バイアルの内容物を、2mLの生理食塩水と混合し、注射可能な製剤を調製する。
本発明は、治療上の有効量の少なくとも1つの本発明の化合物を、活性成分として、単独で、または医薬用担体と組み合わせて含む医薬組成物をその範囲に包含する。適宜、本発明の固体形体は、単独で用いることができ、あるいは他の本発明の化合物または1つまたはそれ以上の別の治療薬、例えば抗糖尿病薬もしくは別の薬理学的活性物質と組み合わせて用いることができる。
選択される投与経路に拘わらず、本発明の固体形体は、当業者には既知の従来方法により医薬的に許容され得る投薬形体にて製剤される。
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投薬レベルは、患者に対して毒性ではなく、特定の患者、組成物および投与様式にとっての目的とする治療応答を達成するために有効な活性成分の量を得ることができるように変更されてもよい。
選択された投薬レベルは、用いられる本発明の化合物の活性、該化合物の投与経路、投与時間、***または代謝の速度、吸収の速度および程度、治療期間、用いられる本願化合物と組み合わせて使用される他の薬剤、化合物および/または材料、年齢、性別、体重、症状、健康状態および治療される患者の既往歴および医学分野では既知の因子を含めた様々なファクターに依存する。
当分野における通常技術常識を有する医師または獣医は、必要な有効量の医薬組成物を容易に決定でき、かつ処方することができる。例えば、医師または獣医は、目的の治療効果を達成し、かつ目的の効果が達成されるまで徐々に投薬量を増大させるために、医薬組成物中で用いる本発明の化合物の投薬量を、必要量よりもより低いレベルにて開始することができる。
一般的に、化合物の適切な一日用量は、化合物の量が治療効果をもたらす最低投薬効果である。そのような有効量は、一般的に、上記したファクターに依存している。
必要であれば、化合物の有効な一日用量を、1日を通して、適切な間隔で、適宜、単一投薬形体にて、2、3、4、5、6またはそれ以上に分割した用量で別々に投与してもよい。発明のある態様において、投薬は、1回投与/日である。
本発明の化合物を単独で投与されることが可能である一方、医薬製剤(組成物)として化合物を投与することが好ましい。
(定義)
本明細書のある態様は、結晶形体に関する。結晶形体は、シャープな最大値を有するX線回折パターンを生じる。
本明細書において使用されるように、「非晶質」とは、結晶ではない分子および/またはイオンの固体形体をいう。非晶質固体は、シャープな最大値を有するX線回折パターンを示さない。
本明細書において使用されるように、「水和物」とは、結晶構造中に組み込まれた水を更に含む分子の結晶形体をいう。水和物中の水分子は、規則的配置および/または不規則的配置にて存在していてもよい。水和物は、水分子の化学量論的または非化学量論的量のいずれかを含み得る。
本明細書に使用されるように、用語「患者」は、本発明の方法により治療される生物をいう。そのような生物には、好ましくは、哺乳類(例えば、マウス、サル、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコなど)が挙げられ、最も好ましくはヒトが挙げられるが、これらに限定するものではない。
本明細書において使用されるように、用語「有効量」とは、想定される、例えば研究員または医療従事者により想定される、組織、器官、動物またはヒトの生物学的または医薬的応答を誘起する薬剤または医薬製剤の量、即ち本発明の化合物の量を意味する。さらに、用語「治療上有効な量」とは、そのような量が投与されなかった対応する患者と比較した時に、疾患、障害、不全または副作用の処置、治癒、予防または緩和の改善、あるいは疾患または障害の進行速度の低下がもたらされる任意の量である。有効量は、1回以上の投与、適用または投薬で投与され得て、製剤または投与経路を限定することを意図するものではない。この用語は、正常な生理学機能を増強するのに効果的な量もその範囲に含む。
本明細書中で使用されるように、用語「治療する」または「治療」とは、哺乳類、特にヒトにおいて疾患状態の処置を包含し、また次のものが挙げられる:(a) 哺乳類において起こる疾患状態を予防すること、特に、該哺乳類が、疾患を有するとはまだ診断されていないが、疾患状態を発症しやすい場合;(b) 疾患状態を阻害すること、即ち、その発症を抑止すること;および/または(c) 疾患状態の緩和、即ち、疾患状態の退縮をもたらすこと。
態様
態様1. 結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドの形体4。

態様2. 7.6、12.0、13.5、14.4、17.6、20.1、20.7および22.0°2θ±0.2°2θから選択される少なくとも1つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、態様1の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドの形体4。

態様3. 7.6、12.0、13.5、14.4、17.6、20.1、20.7および22.0°2θ±0.2°2θから選択される2つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、態様1の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドの形体4。

態様4. 7.6、12.0、13.5、14.4、17.6、20.1、20.7および22.0°2θ±0.2°2θから選択される3つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、態様1の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドの形体4。

態様5. 7.6、12.0、13.5、14.4、17.6、20.1、20.7および22.0°2θ±0.2°2θから選択される4つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、態様1の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドの形体4。

態様6. 結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド一水和物の形体2。

態様7. 9.4、12.4、17.2、17.6、20.1、21.1および21.6°2θ±0.2°2θから選択される少なくとも1つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、態様6の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド一水和物の形体2。

態様8. 9.4、12.4、17.2、17.6、20.1、21.1および21.6°2θ±0.2°2θから選択される2つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、態様6の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド一水和物の形体2。

態様9. 9.4、12.4、17.2、17.6、20.1、21.1および21.6°2θ±0.2°2θから選択される3つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、態様6の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド一水和物の形体2。

態様10. 9.4、12.4、17.2、17.6、20.1、21.1および21.6°2θ±0.2°2θから選択される4つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、態様6の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド一水和物の形体2。

態様11. 結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸の形体1。

態様12. 12.2、12.6、13.4、14.8、16.4、16.8、19.6および24.0°2θ±0.2°2θから選択される少なくとも1つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、態様11の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド メタンスルホン酸の形体1。

態様13. 12.2、12.6、13.4、14.8、16.4、16.8、19.6および24.0°2θ±0.2°2θから選択される2つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、態様11の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸の形体1。

態様14. 12.2、12.6、13.4、14.8、16.4、16.8、19.6および24.0°2θ±0.2°2θから選択される3つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、態様11の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸の形体1。

態様15. 12.2、12.6、13.4、14.8、16.4、16.8、19.6および24.0°2θ±0.2°2θから選択される4つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、態様11の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸の形体1。

態様16. 非晶質形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸。

態様17.
結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドの形体4;
結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド一水和物の形体2;または
結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸の形体1;あるいは
それらの組合せ;
ならびに医薬的に許容し得る担体を含む、医薬組成物。

態様18. 非晶質形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド、非晶質形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸またはそれらの組合せ、
をさらに含む、態様17の医薬組成物。

態様19. 非晶質形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドをさらに含む、態様17の医薬組成物。

態様20. 治療上有効な量の、
結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドの形体4;
結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド一水和物の形体2;または
結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸の形体1;あるいは
それらの組合せを、癌の治療が必要な患者に投与することを特徴とする、
癌の治療が必要な患者における癌の治療方法。

態様21. 癌が、前立腺、大腸、直腸、膵臓、子宮頸部、胃、子宮内膜、脳、肝臓、膀胱、卵巣、精巣、頭部、頸部、皮膚(例えば、メラノーマおよび基底細胞癌)、中皮、白血球細胞(例えば、リンパ腫および白血病)、食道、***、筋肉、結合組織、肺(例えば、小細胞肺癌および非小細胞癌)、副腎、甲状腺、腎臓または骨の癌;あるいは、神経膠腫、中皮腫、腎臓細胞癌、胃癌、肉腫(例えば、カポジ肉腫)、絨毛癌、皮膚基底細胞癌または精上皮腫である、態様20の方法。

態様22. 非晶質形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド、非晶質形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸またはそれらの組合せを投与することをさらに特徴とする、態様20の方法。

態様23. 免疫チェックポイント阻害剤をさらに含む、態様20の方法。

態様24. 免疫チェックポイント阻害剤が、イピリムマブ(YERVOY(登録商標))、ニボルブマブ(OPDIVO(登録商標))、ペムブロリズマブ(KEYTRUDA(登録商標))またはそれらの組合せを含む、態様20の方法。

態様25. インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼを、
結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1s,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドの形体4;
結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド一水和物の形体2;または
結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸の形体1;
あるいはそれらの組合せを、
所望により、非晶質形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド、非晶質(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸またはその組合せと組み合わせて、
接触させることを特徴とする、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼの活性を調節する方法。
以下の実施例は、本発明の製造方法および使用方法についての完全な開示および記載を、当業者に提供するために記載するものであって、それらの発明に関して、発明者がそれらの発明として見なされる発明の範囲を限定することは意図されず、以下の実験を実施すること、またはそれらを実施できる全ての実験であることを示すことを意図するものではない。現在形で記載された例示的記述を、必ずしも実施する必要はなく、むしろこの記載は、本文章に記載された例示のための記載は、必ずしも実施される必要はないが、むしろこの記載が、データおよび本明細書に記述した性質のようなものを作成するために実施され得ると理解されたい。使用した数値(例えば、量、温度など)に関する精度を確定するよう取り組んできたが、しかし幾つかの実験誤差および偏差は、考慮されるべきである。
方法
単結晶データ
化合物1のMSA塩の形体1に関する単結晶X線データを、Bruker X8 APEX II CCD回折計(MICROSTAR-Hマイクロフォーカス、単色性Cu Kα放射(λ=1.54178Å)の回転対陽極X線発生器を備えた)を用いて収集した。単結晶は、データ収集中は室温においた。
化合物1の遊離塩基一水和物の形体2および化合物1の遊離塩基の形体4に関する単結晶X線データを、Bruker X8 Prospector Ultra 回折計(APEX II 検出器および単色性Cu Kα放射(λ=1.54178 Å)のIμSマイクロフォーカスX線源を備えた)を用いて収集した。単結晶は、データ収集中は室温においた。
化合物1のMSA塩水和物の形体2についての単結晶X線データを、Rigaku SuperNov 回折計(Dectris Pilatus 200K検出器および単色性Cu Kα放射のマイクロフォーカス密封管X線発生器を備えた)を用いて収集した。単結晶は、データ収集中は室温においた。実測した強度データの指標化および処理を、ソフトウェアスイートCrysAlisPro 1.171.38.41r(Rigaku OD, 2015)を用いて実施した。
実測した強度データの指標化および処理を、APEX2 プログラムスイート(Bruker AXS, Inc., 5465 East Cheryl Parkway, Madison, WI 53711 USA)を用いて実施した。最終単位格子パラメーターを、全データセットを用いて決定した。構造を、直接法により解析し、SHELXTLソフトウェアプログラムパッケージ(G. M. Sheldrick, SHELXTL v6.14, Bruker AXS, Madison, WI USA.)を用いるフルマトリックス最小二乗によって精密化した。構造の精密化は、Σw(|Fo|-|Fc|)2(式中、wは、実測強度における誤差に基づく適切な重み係数であり、Foは測定反射に基づく構造係数であり、Fcは計算反射に基づく構造係数である)により規定された関数の最小化に関する。精密化された結晶構造モデルと実験X線回折データとの一致は、残差因子R=Σ||Fo|−|Fc||/Σ|Fo|およびwR=[Σw(|Fo|−|Fc|)/Σw|Fo|]1/2を用いて評価される。示差フーリエマップを、全ての精密化の段階で試験した。全ての非水素原子を、異方性の熱変位パラメーターで精密化した。水素原子を、等方性の温度因子を割り当てて、固定したパラメーターにて構造因子の計算値に含めた理想形状(idealized geometry)により一般的に計算した。水素原子(例えば、化合物1の遊離塩基水和物の形体2の構造中の水の水素原子および化合物1のMSA塩の形体1の構造中のメタンスルホン酸の酸性水素原子など)を、示差フーリエマップから位置付けして、等方的に精密化した場合に、幾つか例外が存在した。
PXRD(PANalytical)
非晶質形体の化合物1の遊離塩基および非晶質形体の化合物1のMSA塩についてのPXRDパターンを、Cu Kα照射:λ=1.541 Åを用いるEmpyrean(PANalytical)X線粉末回折計で記録した。この粉末回折計には、45kVおよび40mAの出力レベルに設定されたセラミックチューブおよびRTMS PIXcel 1D検出器が備え付けられている。入射光学系機器は、0.02rad ソーラースリット;10 mm ビームマスク;1°散乱防止スリット;および10 mm照射波長に設定された自動発散スリットから成る。回折光学系は、0.02rad ソーラースリット;10 mm 照射波長に設定された自動散乱防止スリット;Ni-K-βフィルターおよび〜2.9°の検出器ウィンドウから成る。データを、反射配置で、連続スキャンモードにてスピニングしながら、2〜40°の2θ範囲にわたり、0.033〜040°のステップワイズおよび正味の計測時間〜317秒/ステップで収集した。200 mgより多い粉末サンプルを、バックフィルサンプルホルダー内に詰めた。
PXRD(GADDS-NB)
キャピラリー
PXRDデータを、Bruker C2 GADDSを用いて得た。この放射線は、Cu Kα(40 KV, 40 mA)であった。サンプル−検出器の距離は15cmであった。サンプルを、直径1mmの密封されたガラスキャピラリー内に置いた。キャピラリーを、データ収集中に回転させた。データを、少なくとも1000秒のサンプル暴露時間で、おおよそ232°について集めた。得られる二次元回折アークを積分して、おおよそ2〜32°2θの範囲にて0.05°2θのステップサイズでの典型的な1次元PXRDパターンを作成した。
示差走査熱量測定(DSC)
化合物1の遊離塩基水和物、化合物1の遊離塩基および化合物1のMSA塩についての示差走査熱量測定(DSC)実験を、TA Instrument-model Q2000またはQ1000を用いて行った。サンプル(約1〜10 mg)を、アルミニウムパン内で秤量して、正確に100mgまで記録した後にサンプルをDSCに移した。機器を、50mL/minにて窒素ガスでパージした。データを、10℃/分の加熱速度で室温から300℃の間で集めた。DSCプロットは下降する吸熱ピークを描いた。
化合物1MSA水和物についてのDSCを、TA Instruments 2920示差走査熱量測定器を用いて行った。温度校正を、NIST-トレース可能なインジウムメタルを用いて実施した。サンプルを、アルミニウムDSCパン中に置いて、フタで覆い、このフタを密封して、レーザーによるピンホールで穴を開けて、重量を正確に記録した(3.7940 mg)。サンプルパンとして決めて秤量したアルミニウムパンを、セルの参照側に置いた。分析を、10℃/minにて、−30℃〜300℃で実施した。
熱重量測定分析(TGA)
化合物1の遊離塩基水和物、化合物1の遊離塩基および化合物1のMSA塩についての熱重量測定分析(TGA)実験を、TA Instrument-model Q5000またはQ500を用いて行った。サンプル(約10〜30 mg)を、事前に風袋重量を計ったプラチナパンに置いた。サンプル重量を、正確に測定して、計器により千ミリグラムまで記録した。炉を、100 mL/minにて窒素ガスでパージした。データを、10℃/minの加熱速度で室温〜300℃まで収集した。
化合物1のMSA塩水和物についてのTG分析を、TA Instruments Q5000 熱重量分析器を用いて行った。温度校正を、ニッケルおよびアルメルを用いて行った。サンプル(5.6360 mg)を、アルミニウムパン内に置いた。サンプルを密封して、蓋に穴を開けて、次いでTG炉内に入れた。炉を、窒素下において加熱した。分析を、10℃/分にて周囲温度から350℃まで行った。
固相核磁気共鳴(ssNMR)
炭素13の交差分極マジック角回転(CPMAS)固体状態NMR実験を、500 MHzのプロトン周波数で走査するBruker AV III機器で行った。固体サンプルを、4 mm ZrO2ローター内で13 kHzにて回転させた。接触時間は4ミリ秒であって、プロトンチャンネルを50〜100%傾斜させた(A.E. Bennett et al, J. Chem. Phys., 1995, 103, 6951)(G. Metz, X. Wu and S.O. Smith, J. Magn. Reson. A., 1994, 110, 219-227)。遅延時間を、20秒であるAPIの5x1H T1で維持した。プロトンデカップリングを、4.3μ秒のパルス(58公称帯域幅)のTPPMシークエンスを用いて行った。スペクトルの観測幅は、100 ppmの中心から300 ppmであった。2048のデータポイントを取得して(36Hzのデジタル解像を示す)、アポダイゼーションの前に8192にゼロフィリングした。2048の自由誘導減衰を同時に重ね合わせた。このスペクトルを、3-メチルグルタル酸を用いてTMSと間接的に比較した(D. Barich, E. Gorman, M. Zell, and E. Munson, Solid State Nuc. Mag. Res., 2006, 30, 125-129)。おおよそ80mgのサンプルを各試験に用いた。温度を280Kに設定した。
フーリエ変換赤外分光分析(FT-Infra-Red)
フーリエ変換赤外分光分析を、全反射測定法(ATR)によりIS50-ATR分光器を用いて行った。スペクトルを、4 cm-1および64スキャンの解像にて反射モードを用いて収集した。スペクトルを、4 cm-1および64スキャンの解像にて反射モードを用いて収集した。
FT-ラマン
FT-ラマンスペクトルを、高感度InGaS検出器を備えたNicolet iS50 FT-ラマン分光分析器を用いて4cm-1と64スキャンの解像にて得た。レーザー励起波長は1064nmであった。このレーザー出力は0.5Wであった。
安定性試験クロマトグラフィー条件
VHPLCパラメーター
VHPLC系:Waters UV/Vis検出器を備えたWaters AcQuity BSMまたはH-Class VHPLC 系カラム:Ascentis Express C18, 150 mm x 2.1 mm i.d., 2.7 um 粒子サイズ
検出波長:218 nm
VHPLC検出時間の制約:ノーマル
VHPLCサンプリング速度:20 Hz
VHPLCバンド幅:1.2 nm 分解能
流速:0.5 mL/min
インジェクション容量:1uL
カラム温度:30℃
作動時間:〜14分
サンプル温度:5℃
移動相A:水:アセトニトリル:TFA (95:5:0.05)
移動相B:水:アセトニトリル:TFA (5:95:0.05)
VHPLCグラジエントプログラムリスト


化合物1についての典型的な保持時間:保持時間(分)5.66;相対保持時間(分)1.00
ミクロ溶解
ミクロ溶解実験を、光ファイバーUVモニタリングシステムを用いてpIon μDiss Profiler microdissolution instrument(pION μDiss Profiler)において下記の通りに行った:
プローブ:2.5 mm プローブ(5 mm経路長)
容量:15 ml
攪拌:150 rpm
温度:37℃(溶液および機器の浴温度)
ブランク:Instant FaSSIF/FeSSIF
標準物:6つの標準物濃度(0、5、15、25、50、100、200μg/ml)
ビヒクル:10 mg/ml DMSO
波長:280 nm, ベースライン450 nm
実施例1. 化合物1
化合物1は、本明細書に参照により組み込まれるWO2016/073770に記載の方法を用いて製造され得る。
実施例2:化合物1の遊離塩基, 非晶質形体
1Lの丸底フラスコに、(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド水和物(132.0g)および酢酸エチル(610 g)を入れた。スラリーを、全ての固体が溶解するまで加熱した。溶液を、真空下で、濃縮乾固させた。得られる固体を、50℃で、真空下に乾燥させて、(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド(126.0 g, 99.6%収率)を白色固体として得た。
実施例3:化合物1の遊離塩基水和物の形体2
50 Lのガラスを焼き付けた反応容器に、窒素ブランケット下にて、13.75 kg アセトニトリル、次いで2.68 kg N,N,N',N'-テトラメチルクロロホルムアミジニウムヘキサフルオロリン酸塩(TCFH)を入れて、2.0 kg アセトニトリルでリンスした。2.03 Kg N-メチルイミダゾールに続いて、1.95 kg アセトニトリルを加えた。2.48 Kg (R)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパン酸に続いて、1.05 kg アセトニトリルを加えた。混合物を0.5時間保持して、1.21 kgの4-クロロアニリンに続いて1.0 kg アセトニトリルを入れた。混合物を、HPLC分析により反応の完了が認められるまで、20℃で維持した。次いで、溶液を、60℃に加熱して、水(9.25 kg)を入れた。次いで、溶液を40℃に冷却して、混合物を1時間エージングして、種晶(32 g)を入れて、1.15 kgの2:1 水:アセトニトリルを用いてリンスして、得られるスラリーを1時間維持した。次いで、スラリーを、20℃に冷却して、25.75 kgの水を入れた。スラリーを濾過して、このケーキを、6.9 kgの2:1 水:アセトニトリルで3回洗った。このケーキを、50℃で真空乾燥させて、3.33 kgの(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド水和物を白色固体(94.1%収率)として得た。
実施例4:化合物1の遊離塩基水和物の形体2
非晶質形体の化合物1の遊離塩基(250 mg)を、有機溶媒(2 mL)、例えば、エタノール、アセトン、アセトニトリルまたはテトラヒドロフランに、40℃〜50℃で溶解した。水(2 mL)を、0.5 mLづつ溶解して、水(1mL)の添加後、油が出た事でエマルジョンが観察された。エマルジョンをエージングにより、結晶化がおこった。結晶を、ブフナー漏斗で単離した。
実施例5:化合物1の遊離塩基の形体4
500 mL丸底フラスコに、(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド水和物(15.0 g)およびアセトニトリル(176 g)を入れて、全ての固体が溶解するまで攪拌した。溶液を、真空下において、濃縮乾固させた。追加のアセトニトリル(176 g)を加えて、溶液を、真空下において濃縮乾固させた。酢酸エチル(134 g)を入れて、それが均一溶液となるまで攪拌して、真空下において再度濃縮乾固した。全ての溶媒を除去してから、酢酸エチル(50 g)を入れた。溶液を、40℃に加熱して、マグネチックスターラーにより攪拌した。種晶(220 mg)を入れて、ヘプタン(144 g)を45分かけて加えた。スラリーを、徐々に20℃に冷却して、追加のヘプタン(27 g)を加えた。スラリーを、次いで、50℃に加熱して、徐々に20℃に冷却する温度サイクルを行った。スラリーを終夜攪拌した。固体を濾過して、真空下で乾燥させて、(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド(12.0 g, 84.5%収率)を白色固体として得た。
実施例6:化合物1の遊離塩基の形体4
化合物1の遊離塩基(250 mg)を、40℃で酢酸エチル(1mL)に溶解した。ヘプタン(700 uL)を加えて、次いで化合物1の遊離塩基の形体4の種晶(約10 mg)を加えた。これにより、スラリーが形成した。スラリーを、10分間エージングして、次いで更にヘプタン(3 mL)を加えた。スラリーを、おおよそ1時間エージングして、次いでブフナー漏斗で単離して、真空下において、50℃のオーブン内で終夜乾燥させた。
実施例7:化合物1の遊離塩基の形体4
化合物1の遊離塩基の形体2(100 mg)を、真空オーブン内で、終夜50℃で乾燥させて、この物質を脱水した。物質を、次いで65℃で終夜、ヘプタン(1mL)中でスラリー化した。相転移が、数時間後に起こり、その後化合物1の遊離塩基の形体4に変換した。
実施例8:化合物1のメタンスルホン酸(MSA)塩, 非晶質形体
ガラスのバイアルに、(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホネート(2.6 g)およびメタノール(0.1 L)を加えた。混合物を、固体が溶解するまで室温にて攪拌して、透明なスプレー溶液を得た。2.6%(w/v)のスプレー溶液を、次いで65℃で、2液のスプレーノズル(2050 LC/64AC, Spraying Systems Co.)を介して、特注の小スケールのスプレードライヤーにより、メタノール溶媒から加熱した窒素ガスを用いてスプレードライした。適用したスプレードライパラメーターは次の通りであった:溶液スプレー速度/1.3 mL/分, 標準的32L/分のインレットN2ガス流量、65℃のインレットN2温度。スプレードライヤー内で、固体物質を、4''フィルターペーパー上で収集した。スプレードライした白色固体(2.3 g)を、フィルターペーパーから回収して、ガラスバイアルに移した。スプレードライした固体を、真空乾燥させた、室温にてガラスバイアル内で終夜乾燥させた。
実施例8A:化合物1のメタンスルホン酸(MSA)塩,非晶質形体
化合物1のMSA塩の形体1/ジクロロメタンのロータリーエバポレーションにより、非晶質化合物1のMSA塩を得た。この物質は、60℃の熱ストレスによって、化合物1のMSA塩の形体1へと再結晶化した。
実施例9:化合物1のメタンスルホン酸(MSA)塩,形体1
化合物1の遊離塩基(50 g)を、25℃で、500RPMで攪拌しながら1Lの反応容器内で酢酸エチル(500 mL)に溶解した。酢酸エチル(250 mL)中の1モル当量のMSA溶液を調製して、2時間かけてポンプにより反応容器に入れた。得られるスラリーを、30分間エージングした。結晶を、ブフナー漏斗で単離して、終夜50℃のオーブンで乾燥させた。
実施例10:化合物1のメタンスルホン酸(MSA)塩,形体1
10Lのグラスライニング反応容器に、窒素雰囲気下において、N,N,N',N'-テトラメチルクロロホルムアミジニウムヘキサフルオロリン酸塩(TCFH)(349 g)およびアセトニトリル(2L)を入れた。N-メチルイミダゾール(245 g)、次いでアセトニトリル(0.3L)を加えた。(R)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパン酸(300 g)に続いて、アセトニトリル(0.3 L)を加えた。混合物を、0.5時間保持し、4-クロロアニリン(139 g)、次いでアセトニトリル(0.4L)を入れた。混合物を、HPLC分析により、反応が完了したと判定されるまで20℃で維持した。溶液を、次いで60℃に加熱して、水(1.2 L)を入れた。次いで、溶液を40℃に冷却して、種晶(3 g)を入れて、得られるスラリーを、1時間維持した。スラリーを、次いで20℃に冷却して、水(2.7 L)を入れた。スラリーを濾過して、ケーキを、2:1 水/アセトニトリル(3L)を用いて3回洗った。このケーキを、酢酸エチル(5.1 L)で溶解して、溶液を、真空下において、41℃で4.2 Lの容量まで蒸留した。スラリーを20℃に冷却して、種晶(4.14 g)を入れて、メタンスルホン酸(95.7 g)/酢酸エチル(2.9 L)の溶液を加えた。スラリーを、次いで濾過して、酢酸エチル(1.65 L)で2回洗い、50℃で真空下において乾燥させて、(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホネート(445 g, 88%収率)を白色固体として得た。
実施例11:化合物1のMSA塩一水和物の形体2
化合物1のMSA塩一水和物の形体2を、エタノール/水(85/15 v/v)の室温での60%相対湿度の水分活性にて、化合物1のMSA塩の形体1をスラリー化することにより製造できる。化合物1のMSA塩水和物の形体2の単結晶を、メタノール/アセトニトリルの8/92v/vにおいて、周囲温度で、化合物1のMSA塩の形体1の溶液を蒸発させることにより成長させた。
実施例12:化合物1のMSA塩の形体1:固体状態の安定性
12か月の安定性試験は、化合物1のMSA塩の形体1の温度、湿度および光の影響を試験した。以下の表を参照されたい。試験は、二重LDPEバッグ内に詰められた薬物の1つのバッチから構成され、フタおよびガスケットが付いた0.6 LのHDPE内に置いた。化合物1のMSA塩の形体1は、5℃および25℃/60%の相対湿度(RH)の長期的条件下で少なくとも貯蔵12か月まで、40℃/75% RHの加速条件下で6か月および50℃のストレス条件下で3か月間、安定なままであった。光安定性試験からのデータにより、この薬物は光から保護される必要はないことが示された。化合物1のMSA塩の形体1は、25℃または25℃以下で貯蔵され得る。
試験番号1、2、3および5に対しては、ある程度の変動はあるが、「そのまま」のアッセイまたは「補正」において最初のアッセイ「そのまま」の値79.0%またはアッセイ「補正」の値97.0%からの本質的な変化は見られなかった。試験番号6(各々82.0%および100.7%へ)および4(各々82.4%および101.1%へ)については、アッセイ「そのまま」およびアッセイ「補正」の初期値79.0%および97.0%の各々から若干の増加が見られた。
試験番号4、1、2および3については、全体の不純物において初期値0.57%からの本質的な変化は見られなかった。試験番号3(0.48%への)および6(0.50%への)については、全体の不純物において初期値0.57%から低下が見られた。これは主に、初期値0.09%から、両方の条件で<0.05%への4-クロロアニリンにおける低下が理由であった。
試験番号1および2については、化合物1エナンチオマー不純物において、初期値<0.05%からの変化は見られなかった。
試験番号1および2については、開始値<0.1% w/wから、水分含量において本質的な変化は見られなかった。
色彩および外観(白色またはオフホワイトの粉末または塊を含む粉末)は、試験中維持されていた。
XRDパターンにおける変化は、試験後全ての試験番号で観察されなかった。
化合物1のMSA塩の形体1が、最小のICH Q1B露光に暴露された場合に、本質的な変化は見られなかった。おおよそ3.5回の最小ICH露光を行った場合に全体の不純物中で若干の増加が見られたが、これは主に0.10%未満レベルでの不純物の増加が理由である。暴露された薬剤について補正したアッセイ値は、96.8%であると観察された。その他の試験した属性について観察されるその他の変化はなかった。光安定性試験のデータにより、薬剤が光から保護される必要がないことが示された。
化合物1のMSA塩の形体1は、ストレス条件下において、例えば有機溶媒および水とのミリングおよび40℃で5日間の75%相対湿度のストレスにおいて物理的に安定であった。
実施例13:化合物1のMSA塩の形体1, pH溶解度
化合物1のMSA塩の形体1のpH溶解度を、22±3℃で、pH調整のためにNaOH(1Nまたは10N 水溶液)およびHCl(濃または1N 水溶液)を用いて試験した。測定を、Orion ATI Model 370 pHメーターを用いて行った。化合物1のMSA塩の形体1(約20〜30 mg)を、各々11個の10ccタイプIのガラスバイアル内で秤量した。各バイアルに、様々な酸性水溶液および塩基性水溶液(5 mL)を加えた。各バイアルにストッパーを付けて、ボルテックスにかけて、超音波処理により十分に混合した。各サンプルのpHを記録した。
サンプルを、終夜、周囲室温で、300 rpmの速度でしっかり攪拌した。攪拌24時間後に、各サンプル(懸濁液として)のpHを記録した。懸濁液を、0.2 micron Acrodiscシリンジフィルターで濾過した。透明な濾液を収集して、ボルテックスにかけて、十分混合して、各々濾過したpHを記録した。懸濁液および濾液のpHは、ほぼ同一であった。
濾液の各アリコート(1.0 mL)を、各フラスコを25 mLに50% アセトニトリル/50% Milli-Q Water, q.w.を用いて25倍した。アリコートを、HPLCのオートサンプラーに移して、化合物1の濃度をアッセイした。
サンプルを、以下のHPLC方法を用いてアッセイした:
カラム:Waters YMC Pro-Pack C18;Part # AS12S05-1546WT, S-5μm, 150 x 4.6 mm ID
移動相 溶媒A: 水 w/0.05% TFA
溶媒B: アセトニトリル w/0.05% TFA
流速:1.0 mL/min
カラム温度:周囲温度 RT
検出器波長:250 nm
インジェクション容量:10μL
処理濃度:おおよそ100 mcg/mL
サンプル/標準希釈液:50% アセトニトリル/50% Milli-Q Water
典型的な化合物1
保持時間:15.5分(RRT 1.0)
外部標準の調整:25 mLのタイプIのガラスバイアル内で25.4 mgの化合物1のMSA塩の形体1を秤量した。100%アセトニトリル(20 mL)をバイアルに加えた。バイアルを共栓し、ボルテックスにかけて、超音波処理した。全ての固体が溶解しなかった。懸濁液を、250 mLのガラス製メスフラスコに移して、ガラスバイアルを、4x20 mL 50% アセトニトリル/50% Milli-Q Waterで洗い、各洗液をメスフラスコに移した。全ての固体は溶解した。50% アセトニトリル/50% Milli Q Waterを用いて、Q.S.メスフラスコを250 mLの最終容量とし、標準溶液を101.5 mcg/mLで得た。
全体のプロファイルは、弱塩基に典型的であり、遊離塩基については1〜2 mcg/mLの溶解度、水(元々pH〜2.5)中では〜130 mcg/mLの溶解度、pH〜2でのpH最大の〜560 mcg/mLの溶解度を示し、pH2(pH1で73 mcg/mL, pH0.5で24 mcg/mL)より下では溶解度の低下を示した。結果を下記表に示した。
実施例14:ミクロ溶解FaSSiF/FeSSiF
化合物1のMSA塩の形体1は、非晶質形体またはHCl塩(アモルファスおよび結晶形体)と比較して、FeSSiFおよびFaSSiFの両方において、迅速な速度かつ程度の溶解を示す。化合物1のMSA塩の形体1の溶解速度から、急速な吸収が示唆される。図7を参照されたい。化合物1MSA塩の形体1は、化合物1の遊離塩基(非晶質形体)と比較して、より迅速な速度かつ程度の溶解を示す。図8を参照されたい。
実施例15:ミクロ溶解FaSSiF/FeSSiF
FaSSIFおよびFeSSIF中の化合物1のMSA塩の形体1およびMSA塩一水和物の形体2の溶解を評価した。至適用量(target doses)は、FaSSIF(pH 6.5)およびFeSSIF(pH5)中で150 mg/250 mL(0.60 mg/mL API当量)であった。
AUCおよび溶解速度の値は、FaSSIFおよびFeSSIF中で化合物1のMSA塩の形体1および化合物1のMSA塩一水和物の形体2と類似しているようであった。AUC値における統計学的差異はないが、統計的な有意差は溶解速度では存在しており、化合物1のMSA塩一水和物の形体2はFaSSIF中で僅かに速かった。この形体は、FaSSIF中では類似した溶解度のピークを有する。この挙動は、FeSSIF中では類似しており、3倍高い。化合物1のMSA塩の形体1に対する食効比(food effect ration)は、3.10であった。両形体についての食効比は一定であった。化合物1のMSA塩水和物の形体2の食効比は3.49であった。以下の表および図9を参照されたい。化合物1のMSA塩水和物の形体2は、化合物1のMSA塩の形体1と類似した溶解プロファイルを有することが判る。
実施例16:ミクロ溶解FaSSiF/FeSSiF
この試験により、FaSSIFおよびFeSSIF中での化合物1の遊離塩基(非晶質形体)、化合物1の遊離塩基の形体2および化合物1のMSA塩の形体1の溶解の差異を評価した。
化合物1のMSA塩の形体1のピーク溶解度は、遊離塩基の形体2よりも、FaSSIFおよびFeSSIFの双方において4〜5倍高い。これは、統計的に有意(p<0.05)である。FeSSIF中の化合物1MSA塩の形体1についての溶解速度は、38 vs. 23 ug/mL/分である。FeSSIFにおいては、溶解の速度および程度は、全APIについて増加している。MSA塩についてのFE比は、約3.5であり、非晶質遊離塩基は5であり、遊離塩基形体2は〜3.5である。
実施例17:ジェットミル
粒子サイズの低下は、0202 Jet o Mizer loop Millを用いて、ジェットミルにより達成され得る。粒子衝突は、2つのグラインディングノズルを介して、高圧で窒素ガスが、ミリングチャンバーに供給されることにより可能となる。ミルへの薬剤物質の供給速度は、薬剤を、ミルのフィーダーホッパーから、視覚的に一定の供給速度でミリングチャンバーへと供給するフィーダーにより制御される。高圧窒素ガスは、薬剤をミルフィードホッパーからミリングチャンバーへと注入するためにベンチュリノズルを介して供給され、これは、ベンチュリ圧として示される。グラインディング圧およびベンチュリ圧は、ミリング開始後に所望のレベルに調整され、両者はフィーダーホッパーから生成物の逆流が観察されたとしても、同じレベルで維持される。ベンチュリ圧は、通常、10 PSIを超えるグラインディング圧に調整される。微粒化された薬剤は、ミルチャンバー排出口を介して、コンバインサイクロンと多孔式ファブリックフィルターメディアのアセンブリからなる生成物の回収ユニット内に存在する。ミリングパラメーターは、サンプル分析に基づいて、調整され得る。12.7μm〜24.0μm(レーザー光散乱によるD90)の範囲である粒子サイズが、このミリング操作により達成される。ミリングパラメーターおよび物理学的特性は、以下の表に示される。
実施例18:安定性−化合物1の遊離塩基の形体4
化合物1の遊離塩基の形体4の固体状態の安定性を試験した。これら実験結果は、以下の表に示す。少なくとも2週間の間、変化は見られなかった。
化合物1の遊離塩基の形体4は、少なくとも4週間化学的に安定であった。
実施例19:安定性-化合物1の遊離塩基水和物の形体2
化合物1の遊離塩基一水和物の形体2の固体状態の安定性を試験した。それらの実験結果は、以下の表に示す。全てのサンプルにおいて、4週間または8週間の間には、PXRDにおける変化は見られなかった。全てのサンプル中で、DSC/TGAにおける変化は、4週間では見られなった。8週間後の形体変化、脱水または非晶質形体の形成についてのエビデンスは無かった。全てのサンプル中において、8週間でのTGAにおける変化は無かった。
化合物1の遊離塩基水和物の形体2は、高い試験温度および湿度条件で、少なくとも13.5週間の間化学的に安定であった。
実施例20
非晶質形体の化合物1のMSA物質は、60℃の熱ストレス9日後に化合物1のMSA塩の形体1へと変換した。化合物1のMSA塩一水和物の形体2は、40℃で75%相対湿度のストレス6日間後に、化合物1のMSA塩の形体1および化合物1のMSA塩一水和物の形体2へと変換した。75%相対湿度で、化合物1のMSA塩一水和物の形体2へと部分変換したことから、X線の非晶質形体の物質が、化合物1のMSA塩の形体1よりも、化合物1のMSA塩水和物の形体2へとより速い変換速度を有し得ることが示唆された。
実施例21:安定性−化合物1の遊離塩基
加熱試験を、化合物1の遊離塩基一水和物の形体2、化合物1の遊離塩基の形体4および化合物1の遊離塩基の非晶質形体において起こり得る、あらゆる形体変化を試験するために実施した。
化合物1の遊離塩基の非晶質形体を、67℃〜150℃で加熱した。結晶化は観察されなかった。化合物1の遊離塩基の形体4を用いて開始する溶融/クエンチ試験により、幾つかの細かい複屈折粒子を含むガラスとなったが、得られるXRPDパターンは、結晶物質のエビデンスを示さなかった。
化合物1の遊離塩基一水和物の形体2を、〜100℃で〜2時間加熱して、複屈折における観察可能な変化をもたらしたが、XRPDによる形体変化はない。〜125℃まで加熱すると、サンプルが液体化した。液体サンプルをドライアイス上で冷却することにより、X線の非晶質形体物質に対応する非複屈折ガラスを得た。物質を窒素ガスフロー下において、1日、〜79から80℃または〜75℃で加熱した化合物1の遊離塩基一水和物の形体2に対する追加の加熱実験では、両温度で別の結晶形体への部分変換が起こった。化合物1の遊離塩基一水和物の形体2は、高い相対湿度およびRTで熱力学的に安定な形体であろう。
多くの実験を、〜0%RHでの水和形体の脱水を調べるために準備した。化合物1の遊離塩基一水和物の形体2は、終夜0%RHで維持した後に不安定な形体へと変換した。

Claims (30)

  1. 結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドの形体4。
  2. 7.6、12.0、13.5、14.4、17.6、20.1、20.7および22.0°2θ±0.2°2θから選択される少なくとも1つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項1記載の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドの形体4。
  3. 7.6、12.0、13.5、14.4、17.6、20.1、20.7および22.0°2θ±0.2°2θから選択される2つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項1記載の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドの形体4。
  4. 7.6、12.0、13.5、14.4、17.6、20.1、20.7および22.0°2θ±0.2°2θから選択される3つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項1記載の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドの形体4。
  5. 7.6、12.0、13.5、14.4、17.6、20.1、20.7および22.0°2θ±0.2°2θから選択される4つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項1記載の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドの形体4。
  6. 結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド一水和物の形体2。
  7. 9.4、12.4、17.2、17.6、20.1、21.1および21.6°2θ±0.2°2θから選択される少なくとも1つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項6記載の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド一水和物の形体2。
  8. 9.4、12.4、17.2、17.6、20.1、21.1および21.6°2θ±0.2°2θから選択される2つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項6記載の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド一水和物の形体2。
  9. 9.4、12.4、17.2、17.6、20.1、21.1および21.6°2θ±0.2°2θから選択される3つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項6記載の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド一水和物の形体2。
  10. 9.4、12.4、17.2、17.6、20.1、21.1および21.6°2θ±0.2°2θから選択される4つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項6記載の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド一水和物の形体2。
  11. 結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸の形体1。
  12. 12.2、12.6、13.4、14.8、16.4、16.8、19.6および24.0°2θ±0.2°2θから選択される、少なくとも1つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項11記載の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸の形体1。
  13. 12.2、12.6、13.4、14.8、16.4、16.8、19.6および24.0°2θ±0.2°2θから選択される2つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項11記載の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸の形体1。
  14. 12.2、12.6、13.4、14.8、16.4、16.8、19.6および24.0°2θ±0.2°2θから選択される3つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項11記載の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸の形体1。
  15. 12.2、12.6、13.4、14.8、16.4、16.8、19.6および24.0°2θ±0.2°2θから選択される4つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項11記載の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸の形体1。
  16. 非晶質形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸。
  17. 結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸一水和物の形体2。
  18. 9.4、12.4、17.2、17.6、20.1、21.1および21.6°2θ±0.2°2θから選択される少なくとも1つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項17記載の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸一水和物の形体2。
  19. 9.4、12.4、17.2、17.6、20.1、21.1および21.6°2θ±0.2°2θから選択される2つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項17記載の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸一水和物の形体2。
  20. 9.4、12.4、17.2、17.6、20.1、21.1および21.6°2θ±0.2°2θから選択される3つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項17記載の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸一水和物の形体2。
  21. 9.4、12.4、17.2、17.6、20.1、21.1および21.6°2θ±0.2°2θから選択される4つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項17記載の結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸一水和物の形体2。
  22. 結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドの形体4;または
    結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド一水和物の形体2;または
    結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸の形体1;または
    結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸一水和物の形体2;あるいはその組合せ;
    および医薬的に許容し得る担体を含む、医薬組成物。
  23. 非晶質形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド、非晶質形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸またはその組合せをさらに含む、請求項22記載の医薬組成物。
  24. 非晶質形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドを更に含む、請求項22記載の医薬組成物。
  25. 治療上有効な量の、
    結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドの形体4;または
    結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド一水和物の形体2;または
    結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸の形体1;または
    結晶形体のR)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸一水和物の形体2;またはそれらの組み合わせ、癌の治療を必要とする患者に投与することを特徴とする、患者における癌の治療方法。
  26. 癌が、前立腺、大腸、直腸、膵臓、子宮頸部、胃、子宮内膜、脳、肝臓、膀胱、卵巣、精巣、頭部、頸部、皮膚(例えば、メラノーマおよび基底細胞癌)、中皮、白血球細胞((例えば、リンパ腫および白血病を含む)、食道、***、筋肉、結合組織、肺(小細胞肺癌および非小細胞癌)、副腎、甲状腺、腎臓または骨の癌;あるいは、神経膠腫、中皮腫、腎臓細胞癌、胃癌、肉腫((例えば、カポジ肉腫)、絨毛癌、皮膚基底細胞癌または精巣上皮腫である、請求項25記載の方法。
  27. 非晶質形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド、非晶質形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸またはそれらの組合せを投与することを更に含む、請求項25または請求項26記載の方法。
  28. 免疫チェックポイント阻害剤の投与を更に含む、請求項25〜27のいずれか1項記載の方法。
  29. 免疫チェックポイント阻害剤が、イピリムマブ(YERVOY(登録商標)、ニボルブマブ(OPDIVO(登録商標))、ペムブロリズマブ(KEYTRUDA(登録商標))またはその組合せである、請求項28記載の方法。
  30. インドールアミン 2,3-ジオキシゲナーゼを、
    結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドの形体4;または
    結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド一水和物の形体2;または
    結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸の形体1;または
    結晶形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸一水和物の形体2;またはそれらの組合せ;
    非晶質形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミド、非晶質形体の(R)-N-(4-クロロフェニル)-2-((1S,4S)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)シクロヘキシル)プロパンアミドメタンスルホン酸またはそれらの組合せを所望により組み合わせて、接触させることを特徴とする、インドールアミン 2,3-ジオキシゲナーゼの活性を調節する方法。
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