JP2020524219A - マグネシウム合金板材およびその製造方法 - Google Patents

マグネシウム合金板材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明はマグネシウム合金板材およびその製造方法に関する。本発明の一実施形態は、マグネシウム合金板材全体100重量%に対してAl:2.7〜5.0重量%、Zn:0.75〜1.0重量%、Ca:0.1〜1.0重量%、Mn:1.0重量%以下(0重量%除外)、残部Mgおよびその他不可避不純物を含み、前記マグネシウム合金板材全体の結晶粒100体積%に対して底面結晶粒の体積分率は30%以下であり、前記底面結晶粒は<0001>//C軸方位の結晶粒である、マグネシウム合金板材を提供する。

Description

本発明の一実施形態はマグネシウム合金板材およびその製造方法に関する。
現在、国際社会における二酸化炭素排出制限と新再生エネルギーの重要性が懸案として浮かび上がっており、これにより、構造材料(structural material)の一種である軽量化合金は非常に魅力的な研究分野として認識されている。
特に、アルミニウムおよび鉄鋼などの他の構造材料よりも、マグネシウムはその密度が1.74g/cmと最も軽い金属に該当し、振動吸収能、電磁波遮蔽能などの多様な長所を有しており、これを活用するための関係業界の研究が活発に行われている。
このようなマグネシウムが含まれた合金は、現在の電子機器分野だけでなく自動車分野に主に応用されているが、耐食性、難燃性、および成形性に根本的な問題があり、その応用範囲をさらに拡大するには限界があるのが現状である。
特に成形性と関連し、マグネシウムはHCP構造であって(Hexagonal Closed Packed Structure)、常温でのスリップシステムが充分でないため加工工程に困難が多い。すなわち、マグネシウムの加工工程では多くの熱が必要であり、これは工程コストの増加につながる。
一方、マグネシウム合金の中でもAZ系合金は、アルミニウム(Al)および亜鉛(Zn)を含むものであり、ある程度の適正な強度および軟性の物性を確保していながらも安価な方に属し、商用化されたマグネシウム合金に相当する。
しかし、前記言及した物性は、あくまでもマグネシウム合金の中で適正な程度であることを意味し、競争素材のアルミニウム(Al)に比べて低い強度である。
したがって、AZ系マグネシウム合金の低い成形性および強度などの物性を改善する必要があるが、まだそれに対する研究が不足したのが現状である。
マグネシウム合金板材およびその製造方法を提供する。
具体的には、Al−Ca二次相粒子で構成される中心偏析を抑制し、マグネシウム板材の成形性を向上させようとするものである。したがって、Al−Ca二次相が中心に偏析されず分散した形態のマグネシウム合金板材を提供する。
のみならず、スキンパス圧延により双晶組織を制御し、成形性は維持して強度を向上させようとするものである。具体的には、スキンパス圧延により(0001)集合組織の発達変化を最小化し、成形性は維持するものの強度を向上させることができる。
本発明の一実施形態であるマグネシウム合金板材は、全体100重量%に対してAl:2.7〜5.0重量%、Zn:0.75〜1.0重量%、Ca:0.1〜1.0重量%、Mn:1.0重量%以下(0重量%除外)、残部Mgおよびその他不可避不純物を含み、前記マグネシウム合金板材全体の結晶粒100体積%に対して底面結晶粒の体積分率は30%以下であり、前記底面結晶粒は<0001>//C軸方位の結晶粒であるマグネシウム合金板材を提供し得る。
前記マグネシウム合金板材はAl−Ca二次相粒子を含み、前記マグネシウム合金板材の表面から1/4地点であるクォーター部と、前記マグネシウム合金板材の表面から1/2地点である中心部とのAl−Ca二次相粒子の面積分率の差は10%以下であり得る。
具体的には、前記マグネシウム合金板材の圧延方向への全体長さに対して中間偏析の長さの比率は5%未満であり得る。
前記マグネシウム合金板材の厚さ方向全体厚さに対して中間偏析の厚さ比率は2.5%未満であり得る。これにより、前記マグネシウム合金板材はAl−Ca二次相粒子がマグネシウム合金材の中心部に偏析されず、均等に分布していてもよい。
前記Al−Ca二次相粒子は、全体100重量%に対してAl:20.0〜25.0重量%、Ca:5.0〜10.0重量%、Mn:0.1〜0.5重量%、Zn:0.5〜1.0重量%、残部Mgおよびその他不可避不純物を含み得る。
前記Al−Ca二次相粒子の平均粒径は、0.01〜4μmであり得る。
前記Al−Ca二次相粒子は、前記マグネシウム合金板材の面積100μm当たり2〜15個含まれ得る。
前記マグネシウム合金板材の限界ドーム高さ(LDH)が7mm以上であり得る。
前記マグネシウム合金板材(0001)面を基準に最大集合強度が1〜4であり得る。
前記マグネシウム合金板材の降伏強度は、150〜190MPaであり得る。
本発明の他の一実施形態であるマグネシウム合金板材は、全体100重量%に対してAl:2.7〜5.0重量%、Zn:0.75〜1.0重量%、Ca:0.1〜1.0重量%、Mn:1.0重量%以下(0重量%除外)、残部Mgおよびその他不可避不純物を含み、前記マグネシウム合金板材全体の面積100%に対して双晶組織の面積分率は35%以下であるマグネシウム合金板材を提供し得る。
具体的には、マグネシウム合金板材全体の面積100%に対して双晶組織の面積分率は5〜35%であり得る。
前記マグネシウム合金板材全体の結晶粒100体積%に対して底面結晶粒の体積分率は30%以下であり、前記底面結晶粒は<0001>//C軸方位の結晶粒であるマグネシウム合金板材を提供し得る。
前記マグネシウム合金板材の限界ドーム高さは、7mm以上であり得る。
前記マグネシウム合金板材(0001)面を基準に最大集合強度が1〜4であり得る。
前記マグネシウム合金板材の降伏強度は、200〜300MPaであり得る。
本発明の一実施形態によるマグネシウム合金板材は、Al−Ca二次相粒子で構成される中心偏析を分散し、マグネシウム板材の成形性を向上させることができる。これにより、本発明の一実施形態によるマグネシウム合金板材はAl−Ca二次相が中心に偏析されず分散した形態のマグネシウム合金板材を提供することができる。具体的には、前記マグネシウム合金板材の表面から1/4地点であるクォーター部と、前記マグネシウム合金板材の表面から1/2地点である中心部とのAl−Ca二次相粒子の面積分率の差は10%以下であるマグネシウム合金板材を提供することができる。
本発明の他の一実施形態によるマグネシウム合金板材は、スキンパス圧延により、マグネシウム合金板材全体の面積100%に対して双晶組織の面積分率が35%以下であるマグネシウム合金板材を収得することができる。具体的には、スキンパス工程によって(0001)集合組織の発達を最小化して成形性は維持しながら双晶組織を制御して強度を改善することができる。
本発明の一実施例によるマグネシウム合金板材の製造方法の概略的なフロチャートである。 実施例1aで製造したマグネシウム合金板材の光学顕微鏡(Optical microscopy)写真である。 比較例1aで製造したマグネシウム合金板材の光学顕微鏡写真である。 実施例1aで製造したマグネシウム合金板材の2次電子顕微鏡(Secondary Electron Microscopy)写真である。 実施例1aで製造したマグネシウム合金板材の限界ドーム高さ(limiting dome height)を測定した結果を示した図である。 実施例1aの最大(0001)面の集合強度を示した図である。 比較例1aの最大(0001)面の集合強度を示した図である。 実施例1aで製造したマグネシウム合金板材をEBSD(Electron Backscatter Diffraction)で分析した結果である。 実施例1aの結晶方位の分率をグラフで示した図である。 スキンパス圧下率によりマグネシウム合金板材をEBSDで分析した結果である。 スキンパス条件により、実施例2および比較例2の(0001)面の最大集合強度を示した図である。
本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になるだろう。しかし、本発明は、以下で開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現され得、本実施形態は、単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範囲によってのみ定義される。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を称する。
したがって、いくつかの実施形態で、良く知られた技術は本発明が曖昧に解釈されることを避けるために具体的に説明しない。他に定義のない限り、本明細書において使われるすべての用語(技術的および科学的用語を含む)は本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に共通して理解され得る意味で使われる。明細書全体においてある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対の意味を示す記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。また、単数形は文面で特記しない限り、複数形も含む。
本発明の一実施形態によるマグネシウム合金板材は、マグネシウム合金板材全体100重量%に対してAl:2.7〜5.0重量%、Zn:0.75〜1.0重量%、Ca:0.1〜1.0重量%、Mn:1.0重量%以下(0重量%除外)、残部Mgおよびその他不可避不純物を含み得る。
以下、成分および組成を限定理由について説明する。
先ずアルミニウム(Al)は、マグネシウム合金板材の機械的物性を向上させ、溶湯の鋳造性を改善させる。Alが5.0重量%より多く添加されると、鋳造性が急激に悪化する問題が発生し得る。Alが2.7重量%より少なく添加されると、マグネシウム合金板材の機械的物性が悪化する問題が発生し得る。したがって、前述した範囲にAlの含有量の範囲を調整し得る。
亜鉛(Zn)は、マグネシウム合金板材の機械的物性を向上させる。Znが1.0重量%より多く添加されると、表面欠陥および中心偏析が多量生成され、鋳造性が急激に悪化する問題が発生し得、Znが0.75重量%より少なく添加されると、マグネシウム合金板材の機械的物性が悪化する問題が発生し得る。したがって、前述した範囲にZnの含有量の範囲を調整し得る。
カルシウム(Ca)は、マグネシウム合金板材に難燃性を付与する。Caが1.0重量%より多く添加されると、溶湯の流動性を減少させて鋳造性が悪化し、Al−Ca系金属間化合物からなる中心偏析が増加してマグネシウム合金板材の成形性を悪化させる問題が発生し得る。Caが0.1重量%より少なく添加されると、難燃性が十分に付与されない問題が発生し得る。したがって、前述した範囲にCaの含有量の範囲を調整し得る。さらに具体的にCaは0.5〜0.8重量%含まれ得る。
マンガン(Mn)は、マグネシウム合金板材の機械的物性を向上させる。Mnが1.0重量%より多く添加されると、放熱性が低下すると同時に均一な分布制御が困難になる問題が発生し得る。したがって、前述した範囲にMnの含有量の範囲を調整し得る。
マグネシウム合金板材全体の結晶粒100体積%に対して底面結晶粒の体積分率は30%以下であり得る。
本発明の一実施形態で底面結晶粒とは、底面方位を有する結晶粒を意味する。具体的には、マグネシウムはHCP(Hexagonal Closed Pack)結晶構造を有するが、このとき結晶構造のC軸が板材の厚さ方向と平行する方向である場合の結晶粒を、底面結晶方位を有する結晶粒(すなわち、底面結晶粒)という。したがって、本明細書において底面結晶粒は「<0001>//C軸」で表す。
より具体的には、底面結晶粒の分率が前述した範囲の場合、成形性に優れたマグネシウム合金板材を収得することができる。
具体的には、マグネシウム合金板材全体の結晶粒100体積%に対して<0001>//C軸方位関係を有する結晶粒の体積分率は30%以下であり得る。さらに具体的には、マグネシウム合金板材全体の結晶粒100体積%に対して<0001>//C軸方位の結晶粒の体積分率は25%以下であり得る。より具体的には、20%以下であり得る。前記<0001>//C軸方位関係を有する結晶粒の体積分率は、下限は0%超であり得る。これは前記<0001>//C軸方位関係を有する結晶粒の体積分率が存在する範囲であれば本発明に含まれ得ることを意味する。
マグネシウム合金板材は、結晶粒の方位分布度の増加によって、<0001>//C軸方位の結晶粒分率が減少し得る。
これにより前述した<0001>//C軸方位の結晶粒分率範囲を満す場合、マグネシウム合金板材の集合強度を低くし、成形性に優れたマグネシウム合金板材を収得することができる。
本発明の一実施形態によるマグネシウム合金板材はAl−Ca二次相粒子を含み得る。
具体的には、本発明の一実施形態によるマグネシウム合金板材はAl−Ca二次相粒子を含み、中心偏析をほとんど含まなくてもよい。より具体的には、本発明の一実施形態によるマグネシウム合金板材はAl−Ca二次相粒子が均等に分散した形態であり得る。中心偏析とは、マグネシウム合金板材の厚さ方向(ND)の中心部にAl−Ca二次相粒子が偏析されることを意味し、前述したように中心偏析が増加するとマグネシウム合金板材の成形性を悪化させ得る。
したがって、本発明の一実施形態によるマグネシウム合金板材は、表面から1/4地点であるクォーター部と、マグネシウム合金板材の表面から1/2地点である中心部のAl−Ca二次相粒子の面積分率の差が10%以下であり得る。これにより、Al−Ca二次相粒子が中心部に偏析されず全体的に均等に分散しており、成形性を改善することができる。ここで面積分率とは、クォーター部および中心部の同一面積当たりのAl−Ca二次相粒子の面積に対する分率を意味する。
さらに具体的には、マグネシウム合金板材の圧延方向(RD)への全体長さに対して中間偏析の長さの比率は5%未満であり得る。また、マグネシウム合金板材の厚さ方向(ND)への全体厚さに対して中間偏析の厚さ比率は2.5%未満であり得る。
前記基材は中心偏析がほとんど形成されていないことを意味し、一般的にAl、Caを添加すると生成される中心偏析に比べて偏析の長さと厚さが全部減少した範囲である。これにより、本発明の一実施形態であるマグネシウム合金板材は成形性を改善させることができる。
前記マグネシウム板材の全体長さは、一定の長さ単位のマグネシウム板材を基準とする。具体的には、前記長さ単位は1,000〜3,000μmであり得る。
具体的には、前記Al−Ca二次相粒子全体100重量%に対してAl:20.0〜25.0重量%、Ca:5.0〜10.0重量%、Mn:0.1〜0.5重量%、Zn:0.5〜1.0重量%、残部Mgおよびその他不可避不純物を含み得る。
一般的にマグネシウムにAlおよびCaを添加して合金化する場合、Al−Ca二次相粒子からなる中心偏析が生成され、成形性を大きく劣らせる。これに対し、本発明の一実施形態によるマグネシウム合金板材は、Al−Ca二次相粒子で構成される中心偏析の生成を抑制してマグネシウム板材の成形性を向上させることができる。具体的には、Al−Ca二次相粒子が分散した形態のマグネシウム合金板材を提供し得る。
Al−Ca二次相粒子の平均粒径は、0.01〜4μmであり得る。Al−Ca二次相粒子の平均粒径が大きいほど前述したように中心偏析の生成により成形性が減少し得る。前述した範囲の粒径で改善された成形性を示す。
Al−Ca二次相粒子は、前記マグネシウム合金板材の面積100μm当たり2〜15個含まれ得る。前述した範囲の個数のAl−Ca二次相粒子を含むことによって、マグネシウム合金板材の成形性が改善することができる。
本発明の一実施形態では、Al−Ca二次相粒子を制御するためにAl、Zn、MnおよびCaの組成範囲、均質化熱処理時の温度および時間条件、温間圧延時の温度および圧延率などが精密に調整され得る。
本発明の一実施形態によるマグネシウム合金板材は、結晶粒を含み、結晶粒の平均粒径は5〜30μmであり得る。前記結晶粒の粒径範囲で成形性が向上することができる。
また、本発明の一実施形態によるマグネシウム合金板材の限界ドーム高さ(limiting dome height)は、7mm以上であり得る。より具体的には、7〜10mmであり得る。
一般に限界ドーム高さとは、材料の成形性(特に、圧縮性)を評価する指標として活用され、このような限界ドーム高さが増加するほど材料の成形性が向上することを意味する。
前記限定された範囲は、マグネシウム合金板材内の結晶粒の方位分布度が増加したことに起因し、一般に知られているマグネシウム合金板材に比べて顕著に高い限界ドーム高さである。
そのため、前記マグネシウム合金板材は(0001)面を基準に最大集合強度が1〜4であり得る。前述した範囲を超える場合、マグネシウム合金板材の成形性が劣る。
また、前記本発明の一実施形態によるマグネシウム合金板材の降伏強度は150〜190MPaの範囲を達成し得る。
本発明の一実施形態によるマグネシウム合金板材は、後述する製造段階でのスキンパス圧延により、マグネシウム合金板材全体の面積100%に対して双晶組織の面積分率が35%以下であり得る。より具体的には、双晶組織の面積分率は5〜35%であり得る。より具体的には、双晶組織の面積分率は5〜33%であり得る。前記範囲に双晶組織分率を制御することにより、本発明の一実施形態によるマグネシウム合金板材の降伏強度は、200〜300MPaであり得る。このような範囲は本発明の一実施形態による成分のマグネシウム板材では優れた範囲と判断される。
また、本発明の一実施例によるマグネシウム合金板材の厚さは、0.4〜3mmであり得る。本発明の一実施形態によるマグネシウム板材は前記厚さ範囲で求められる特性に応じて選ばれ得る。ただし、本発明はこれの厚さ範囲に制限されもるのではない。
図1は本発明の一実施形態によるマグネシウム合金板材の製造方法のフロチャートを概略的に示す。図1のマグネシウム合金板材の製造方法のフロチャートは単に本発明を例示するためであり、本発明はこれに限定されるものではない。したがって、マグネシウム合金板材の製造方法を多様に変形することができる。
本発明の一実施例によるマグネシウム合金板材の製造方法は、全体100重量%に対してAl:2.7〜5.0重量%、Zn:0.75〜1.0重量%、Ca:0.1〜1.0重量%、Mn:1.0重量%以下(0重量%除外)、残部Mgおよびその他不可避不純物を含む溶湯を鋳造して鋳造材を製造する段階(S10);前記鋳造材を均質化熱処理する段階(S20);および前記均質化熱処理された鋳造材を温間圧延する段階(S30)を含む。
その他に、必要に応じてマグネシウム合金板材の製造方法は他の段階をさらに含み得る。
先に、全体100重量%に対してAl:2.7〜5.0重量%、Zn:0.75〜1.0重量%、Ca:0.1〜1.0重量%、Mn:1.0重量%以下(0重量%除外)、残部Mgおよびその他不可避不純物を含む溶湯を鋳造して鋳造材を製造する段階(S10)を実施し得る。
各成分の数値限定理由については前述のとおりであるため、重複する説明は省略する。
この時、前記鋳造材を製造する方法(S10)は、ダイカスト、ストリップキャスティング、ビレット鋳造、遠心鋳造、傾動鋳造、砂型鋳造、ダイレクトチルキャスティング(Direct chill casting)またはこれらの組み合わせの方法を用いることができる。
より具体的には、ストリップキャスティング法を用いることができる。ただし、これに制限するものではない。
より具体的には、前記鋳造材を製造する段階(S10)における圧下力は0.2ton/mm以上であり得る。より具体的には、1ton/mm以上であり得る。より具体的には、1〜1.5ton/mmであり得る。鋳造材が凝固すると同時に圧下力を受けるようになるが、このとき圧下力を前記範囲に調整することによって、マグネシウム合金板材の成形性を向上させることができる。
この後、前記鋳造材を均質化熱処理する段階(S20)を実施し得る。
このとき熱処理条件は、350℃〜500℃の温度で1〜28時間熱処理し得る。より具体的には、18〜28時間均質化熱処理し得る。
350℃より低い温度範囲では均質化熱処理が正しく行われず、Mg17Al12のようなベータ相が基地に固溶しない問題が発生し得る。
500℃より高い温度範囲では主造材内に凝縮されているベータ相が溶けて火災が発生したり、マグネシウム板材に空孔が発生したりし得る。したがって、前述した温度範囲内で均質化熱処理し得る。
この後、前記均質化熱処理された鋳造材を温間圧延する段階(S30)を実施し得る。
このとき、温間圧延の温度条件は、150℃〜350℃であり得る。150℃より低い温度範囲ではエッジクラックが多数生じる問題が発生し得る。500℃より高い温度範囲では量産に不適な問題が発生し得る。したがって、前述した温度範囲内で温間圧延し得る。
温間圧延する段階は、複数回行い得、一回当たり10〜30%の圧下率で温間圧延し得る。前記温間圧延の圧下率は、温間圧延前の鋳造材の厚さ100%(長さ%)に対する%値を意味する。複数回温間圧延を実施することによって、最終的に約0.4mmの薄い厚さまで圧延が可能である。
複数回の温間圧延の間に中間焼鈍する段階を1回以上さらに含み得る。中間焼鈍する段階をさらに含むことによってマグネシウム合金板材の成形性をさらに向上させることができる。具体的には中間焼鈍する段階は、300〜500℃の温度で1〜10時間実施し得る。より具体的には、450〜500℃の温度で実施し得る。前述した範囲でマグネシウム合金板材の成形性をさらに向上させることができる。
温間圧延する段階の後、後熱処理する段階をさらに含み得る。後熱処理する段階をさらに含むことによってマグネシウム合金板材の成形性をさらに向上させることができる。後熱処理する段階は、300〜500℃で1〜15時間実施し得る。具体的には、1〜10時間実施し得る。前述した範囲でマグネシウム合金板材の成形性をさらに向上させることができる。
本発明の一実施形態によるマグネシウム合金板材のまた他の製造方法は、全体100重量%に対してAl:2.7〜5.0重量%、Zn:0.75〜1.0重量%、Ca:0.1〜1.0重量%、Mn:1.0重量%以下(0重量%除外)、残部Mgおよびその他不可避不純物を含む溶湯を鋳造して鋳造材を製造する段階;前記鋳造材を均質化熱処理する段階;前記均質化熱処理された鋳造材を温間圧延して圧延材を製造する段階;前記圧延材を後熱処理する段階;および前記後熱処理された圧延材にスキンパスを実施してマグネシウム合金板材を製造する段階を含み得る。
先に、全体100重量%に対してAl:2.7〜5.0重量%、Zn:0.75〜1.0重量%、Ca:0.1〜1.0重量%、Mn:1.0重量%以下(0重量%除外)、残部Mgおよびその他不可避不純物を含む溶湯を鋳造して鋳造材を製造する段階;を実施し得る。
前記段階で溶湯はすでに商用化されたAZ31合金、AL5083合金、またはこれらの組み合わせであり得る。ただし、これに制限されるものではない。
より具体的には、650〜750℃温度範囲で溶湯を準備し得る。この後、前記溶湯を鋳造して鋳造材を製造し得る。このとき、前記鋳造材の厚さは3〜7mmであり得る。
このとき、前記鋳造材を製造する方法は、ダイカスト、ストリップキャスティング、ビレット鋳造、遠心鋳造、傾動鋳造、砂型鋳造、ダイレクトチルキャスティング(Direct chill casting)またはこれらの組み合わせの方法を用いることができる。より具体的には、ストリップキャスティング法を用いることができる。ただし、これに制限するものではない。
より具体的には、前記鋳造材を製造する段階における圧下力は、0.2ton/mm以上であり得る。より具体的には、1ton/mm以上であり得る。より具体的には、1〜1.5ton/mmであり得る。
この後、前記鋳造材を均質化熱処理する段階を実施し得る。
より具体的には、前記鋳造材を均質化熱処理する段階は、300℃〜400℃温度区間での1次熱処理段階;および400℃〜500℃で温度区間での2次熱処理段階;を含み得る。前記1次熱処理段階および2次熱処理段階の温度範囲は相異し得る。
より具体的には、300℃〜400℃温度区間での1次熱処理段階は、5時間〜20時間実施され得る。また、400℃〜500℃で温度区間での2次熱処理段階は、5時間〜20時間実施され得る。
前記温度範囲で1次熱処理段階を実施することによって、鋳造段階で発生したMg−Al−Zn三元系パイ相を除去することができる。前記三元系パイ相が存在する場合、以後工程に悪影響を与える。また、前記温度範囲で2次熱処理段階を実施することによって、スラブ内の応力を解くことができる。さらに、鋳造組織の再結晶形成をさらに活発に誘導することができる。
この後、前記均質化熱処理された鋳造材を温間圧延して圧延材を製造する段階を実施し得る。
前記熱処理された鋳造材は1回〜15回の圧延により、0.4〜3mm厚さ範囲まで圧延され得る。また、前記圧延は150〜350℃で実施され得る。
より具体的には、圧延温度が150℃未満の場合、圧延時に表面にクラックを誘発させ得、350℃を超える場合、実際の量産設備に適しない。したがって、150℃〜350℃で圧延され得る。
次に、前記圧延材を中間焼鈍する段階を実施し得る。前記圧延段階で複数回圧延される時、パスとパスとの間の区間で300℃〜550℃温度範囲で1時間〜15時間熱処理し得る。
例えば、2回圧延後1回中間焼鈍して最終目標の厚さまで圧延し得る。また他の例として、3回圧延後1回焼鈍して最終目標の厚さまで圧延し得る。より具体的には、圧延された鋳造材を前記温度範囲で焼鈍する場合、圧延によって発生した応力を解くことができる。したがって、目的とする鋳造材の厚さまで数回圧延することができる。
この後、前記圧延材を後熱処理する段階を実施し得る。
後熱処理する段階は、300〜500℃で1〜15時間実施し得る。具体的には、1〜10時間実施し得る。前述した範囲でマグネシウム合金板材の成形性をさらに向上させることができる。
最後に、前記後熱処理された圧延材にスキンパスを実施してマグネシウム合金板材を製造する段階を行い得る。
より具体的には、スキンパスとは、調質圧延またはテンパーローリングともいい、処理後冷間圧延鋼板に生じた変形柄を除去し、硬度を向上させるために軽い圧力で冷間圧延することを意味する。
したがって、本発明の一実施形態では250℃〜350℃温度範囲で1回スキンパスを実施し得る。
スキンパスを実施して製造された前記マグネシウム合金板材は、前記圧延材の厚さに対して2〜15%の圧下率で圧延され得る。より具体的には、前記圧下率は前記スキンパス温度と連動され得る。
具体的な例としては、前記スキンパス温度が250℃であるとき、スキンパス圧下率は5〜15%であり得る。このとき、降伏強度の範囲は200〜260MPaであり得る。このとき、限界ドーム高さは7.3〜8.1の範囲であり得る。
具体的な例としては、前記スキンパス温度が300℃であるとき、スキンパス圧下率は5〜15%であり得る。より具体的には、7〜12%であり得る。このとき、降伏強度の範囲は200〜250MPaであり得る。このとき、限界ドーム高さは7.3〜8.1の範囲であり得る。
本願で限界ドーム高さ(Limit Dome Height,LDH)とは、板材の成形性、特にプレス性を評価する指標であって、試験片に変形を加えて変形された高さを測定して成形性を測定する。限界ドーム高さ値が高い場合、板材の成形性に優れることを意味する。
より具体的には、前記温度および圧力条件下でスキンパスする場合、(0001)集合組織の発達を低下させるので成形性を確保することができる。すなわち、前記条件でスキンパスを実施する場合、集合組織強度の変化を最小化して強度を向上させることができる。
以下、実施例により詳細に説明する。ただし、下記の実施例は本発明を例示するだけであり、本発明の内容は下記の実施例によって限定されない。
実施例1
全体100重量%に対してAlとCaの量は下記表1に開示したとおりでありZn0.8重量%、Mn0.5重量%、残部Mgおよび不可避不純物を含む溶湯を準備した。
前記溶湯を二つの冷却ロールの間に通過させてマグネシウム鋳造材を製造した。この時、冷却ロールの圧下力は下記表1に開示したとおりである。
この後、前記マグネシウム鋳造材を400℃で下記表1に開示したように時間を異ならせて均質化熱処理した。
前記均質化熱処理された鋳造材を250℃の温度で15%の圧下率で温間圧延した。この後、下記表1に開示した温度で1時間中間焼鈍した後、再び250℃の温度で15%の圧下率で温間圧延してマグネシウム合金板材を製造した。
比較例1
全体100重量%に対してAlとCaは下記表1に開示したとおり含み、Zn0.8重量%、残部Mgおよび不可避不純物を含む溶湯を準備した。
下記表1に開示した条件を除いては、実施例1と同様にマグネシウム合金板材を製造した。
Figure 2020524219
先立って製造した実施例と比較例の物性を比較および評価するために、下記試験例を実施した。
試験例1:マグネシウム合金板材の微細組織の観察
走査電子顕微鏡(SEM,Scanning Electron Microscope)を用いて、実施例および比較例で製造したマグネシウム合金板材の微細組織を観察した。
これは本願図2〜図4に開示されている。
図2は実施例1aで製造したマグネシウム合金板材の走査電子顕微鏡(SEM;Scanning Electron Microscope)写真である。図3は比較例1aで製造したマグネシウム合金板材の走査電子顕微鏡写真である。
具体的には、図2〜図3の横はマグネシウム合金板材の圧延方向(RD)を意味し、縦は厚さ方向(ND)を意味する。
図2に開示したように、実施例1aの場合、マグネシウム合金板材に中心偏析がほとんど生成されないことが分かる。具体的には、実施例1aの圧延方向への全体長さ約2000μmに対して中心偏析の長さの比率は5%未満であることがわかる。
これに対し、図3に開示するように、比較例1aの場合、中心偏析が多量発生したことが分かる。具体的には、比較例1aは圧延方向への全体長さ約2000μmに対する中心偏析の長さの比率が5%以上であることがわかる。また、比較例1aでは、厚さ方向に全体厚さ約1200μmに対して中間偏析の厚さは約30μmで確認された。これにより、マグネシウム合金板材の厚さ方向に全体厚さに対して中間偏析の厚さ比率は2.5%であることが分かる。したがって、比較例1aは中心偏析が多量発生したことを確認することができた。
これにより、中心偏析はマグネシウム合金板材の成形性を劣らせる要因であるため、中心偏析が生成されないほど成形性に優れたマグネシウム合金板材を収得することができる。
図4は実施例1aで製造したマグネシウム合金板材の2次電子顕微鏡(Secondary Electron Microscopy)写真である。
図4で白い点はAl−Ca二次相粒子を意味する。より具体的には、図4の白い点部分を成分分析した結果、Al24.61重量%、Ca8.75重量%、Mn0.36重量%、Zn0.66重量%、残部Mgおよびその他不可避不純物で分析された。
これにより、実施例1aによるマグネシウム合金板材はAl−Ca二次相粒子を含むことを確認した。具体的には、図4でマグネシウム合金板材の面積1600μm当たりAl−Caの二次相粒子は50個分布することが分かる。
ただし、図4に示すように、実施例1aの場合、Al−Ca二次相が偏析されず、分散していることが分かる。これにより、下記表2にも開示したように、本願実施例1aの限界ドーム高さは9.4mmであるのに対し、比較例1aの限界ドーム高さは2.5mmで実施例に比べて成形性が劣ることがわかる。
試験例2:マグネシウム合金板材の限界ドーム高さの測定
本願における限界ドーム高さ(Limit Dome Height,LDH)とは、板材の成形性、特にプレス性を評価する指標であって、試験片に変形を加えて変形された高さを測定して成形性を測定し得る。
限界ドーム高さは、実施例および比較例によるマグネシウム合金板材を上部ダイと下部ダイとの間に挿入し、各試験片の外周部を5kNの力で固定し、潤滑油は公知のプレス油を使用し、そして、20mmの直径を有する球状パンチを用いて5〜10mm/minの速度で変形を加え、各試験片が破断する時までパンチを挿入した後、破断時の各試験片の変形高さを測定する方式で測定した。すなわち、試験片が変形された高さを測定した。
これは本願図5に開示されている。
図5は実施例1aで製造したマグネシウム合金板材の限界ドーム高さ(limiting dome height)を測定した結果を示した図である。
図5に開示したように、実施例1aによるマグネシウム合金板材は成形性に優れることがわかる。
これは下記表2および表3からも確認することができる。
試験例3:結晶粒の結晶方位分析
XRD分析機で実施例および比較例によるマグネシウム合金板材の結晶粒の結晶方位を確認し、図6〜図11に示した。具体的には、XRD極点図(Pole Figure)法を用いて結晶粒の集合組織を示した。
より具体的には、極点図は、任意に固定された結晶座標系の方向を試験片座標系にステレオ投影して示した図である。より具体的には、多様な方位の結晶粒の{0001}面に対する極を基準座標系に表示し、これを極密度分布に応じて密度等高線を描くことによって極点図を示し得る。この時、極はブラッグ角によって特定の格子方向に固定したものであり、単結晶に対していくつかの極が表示され得る。
したがって、極点図法により示した等高線の密度分布値が小さいほど多様な方位の結晶粒が分布し、密度分布値が大きいほど<0001>//C軸方位の結晶粒が多く分布すると解釈することができる。
これは本願図6および図7により比較することができる。
図6は実施例1aの(0001)面の最大集合強度を示した図である。図7は比較例1aの(0001)面の最大集合強度を示した図である。
具体的には、図6および図7の(0001)面の最大集合強度は前述したXRD分析機でマグネシウム合金板材の結晶方位を分析した結果である。
図6に開示したように、実施例は(0001)面の最大密度分布値(集合強度)が2.73で低いことに対し、比較例の場合、12.1で実施例に比べて高いことを確認することができた。
すなわち、実施例は最大集合強度値が小さく、等高線が広く広まっており多様な方位の結晶粒が分布していることを導き出すことができる。
これに対し、比較例は最大集合強度値が大きく、等高線が密集していることから、比較例は実施例に比べて<0001>//C軸方位の結晶粒を多く含むことが分かる。
これにより、実施例は成形性にさらに優れることがわかる。
これは本願図8および図9からもわかる。
図8は実施例1aで製造したマグネシウム合金板材をEBSD(Electron Backscatter Diffraction)で分析した結果である。
図9は実施例1aの結晶方位の分率をグラフで示した図である。
先ず、図8に開示したように、EBSDを用いても結晶粒の結晶方位を測定し得る。より具体的には、EBSDはe電子ビームを通じて試験片に電子を入射し、試験片後方での非弾性散乱回折を用いて結晶粒の結晶方位を測定し得る。
また、図9に開示したように、グレーン間の方位差(misorientation angle)が20°以下である結晶粒が底面結晶粒といえる。これにより、全体結晶粒の体積分率100%に対して<0001>//C軸方位結晶粒の体積分率は約18.5%分布することが確認された。
また、図8に開示したように、多様な方位の結晶粒が多様な色で分布していることが分かり、<0001>//C軸方位の結晶粒に該当する結晶粒(赤色)をEBSD結果により肉眼でも確認することができた。
Figure 2020524219
その結果、均質化焼鈍時間、圧延温度、および中間焼鈍温度条件を満たさない比較例1a〜1dの場合、実施例に比べて成形性が劣ることを確認した。のみならず、降伏強度も実施例に比べて劣ることがわかる。比較例1cの場合、結晶粒の平均大きさが40μm水準で他の比較例に比べて比較的成形性に優れたが、実施例には至らない水準であった。
実施例2
全体100重量%に対してAl:3.0重量%、Zn:1.0重量%、Ca:1.0重量%、Mn:0.3重量%、および残部Mgおよびその他不可避不純物を含む溶湯を準備した。
前記溶湯を鋳造して鋳造材を製造した。
前記鋳造材を350℃で10時間1次均質化熱処理した。前記1次均質化熱処理された鋳造材を450℃で10時間2次均質化熱処理した。
前記均質化熱処理された鋳造材を圧延して圧延材を製造した。
この後、前記圧延材を400℃で10時間後熱処理した。
最後に、前記後熱処理された圧延材にスキンパスを実施してマグネシウム板材を製造し、前記スキンパス実施温度および圧下率は表2に開示されたとおりである。
比較例2
スキンパス温度および圧下率の条件を除いては、実施例2と同様にマグネシウム合金板材を製造した。
実施例と比較例の物性を比較および評価するために、下記試験例を実施した。その他、限界ドーム高さ測定および結晶方位分析と試験例も実施し、試験方法は前述したとおりである。
試験例4:スキンパス圧下率および温度による物性比較
Figure 2020524219
前記表3に開示したように、成分および組成が同じマグネシウム合金にスキンパスを実施した結果、成形性の大きな変化なしに降伏強度を向上させることができた。より具体的には、成形性は伸び率および限界ドーム高さの数値で比較することができる。
加えて、これは集合組織の変化を最小化することによって、成形性を確保することができたものであり、スキンパス圧下率による集合組織の変化は図10から確認することができる。
図10はスキンパス圧下率に応じてマグネシウム合金板材をEBSDで分析した結果である。
図10に開示したように、圧延後スキンパスをさらに実施した場合にも多様な方位の結晶粒が分布していることを確認することができる。さらに、スキンパス圧下率を高めて圧延する場合、双晶(黒色)組織と転位発達によって集合組織の方位変化は最小化して強度を向上させることができたものである。
具体的には、スキンパス圧下率が2〜6%である場合、全体面積100%に対して双晶組織の面積分率は15%で確認された。スキンパス圧下率が6〜15%である場合、全体面積100%に対して双晶組織の面積分率は30%で確認された。
前述した通り、双晶組織と転位によってマグネシウム合金板材の強度を維持して成形性も向上させることができる。
したがって、15%圧下率を超えて圧延する場合(比較例2a)、(0001)面の集合組織が再び発達して成形性を低下させ得る。
図11はスキンパス条件に応じて実施例2および比較例2の(0001)面の集合強度を示した図である。
図11に開示したように、スキンパスを実施しても実施例の集合組織の変化は大きくないことが分かる。ただし、比較例2aのように、スキンパス圧下率が過度である場合、集合組織の強度が大きく変わることが分かった。これによって、表3に開示したように、比較例2aは降伏強度の上昇効果は優れたが、伸び率が非常に劣る現象を確認した。
また、スキンパス温度変化による降伏強度の上昇効果よりスキンパス圧下率による降伏強度の上昇効果がさらに大きく奏されることも確認することができる。
以上、添付した図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。
したがって、上記一実施例はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。本発明の範囲は前記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲並びにその均等概念から導き出されるすべての変更または変更された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されなければならない。

Claims (10)

  1. マグネシウム合金板材全体100重量%に対してAl:2.7〜5.0重量%、Zn:0.75〜1.0重量%、Ca:0.1〜1.0重量%、Mn:1.0重量%以下(0重量%除外)、残部Mgおよびその他不可避不純物を含み、
    前記マグネシウム合金板材全体の結晶粒100体積%に対して底面結晶粒の体積分率は30%以下であり、
    前記底面結晶粒は<0001>//C軸方位の結晶粒である、
    マグネシウム合金板材。
  2. 前記マグネシウム合金板材は、Al−Ca二次相粒子を含み、
    前記マグネシウム合金板材の表面から1/4地点であるクォーター部と、前記マグネシウム合金板材の表面から1/2地点である中心部とのAl−Ca二次相粒子の面積分率の差は10%以下である、
    請求項1に記載のマグネシウム合金板材。
  3. 前記マグネシウム合金板材の圧延方向への全体長さに対して中間偏析の長さの比率は5%未満である、請求項2に記載のマグネシウム合金板材。
  4. 前記マグネシウム合金板材の厚さ方向全体厚さに対して、中間偏析の厚さ比率は2.5%未満である、請求項3に記載のマグネシウム合金板材。
  5. 前記マグネシウム合金板材の限界ドーム高さ(LDH)が7mm以上であり、
    前記マグネシウム合金板材(0001)面を基準に最大集合強度が1〜4である、
    請求項4に記載のマグネシウム合金板材。
  6. マグネシウム合金板材全体100重量%に対してAl:2.7〜5.0重量%、Zn:0.75〜1.0重量%、Ca:0.1〜1.0重量%、Mn:1.0重量%以下(0重量%除外)、残部Mgおよびその他不可避不純物を含み、
    前記マグネシウム合金板材全体の面積100%に対して双晶組織の面積分率は35%以下である、
    マグネシウム合金板材。
  7. 前記マグネシウム合金板材全体の面積100%に対して双晶組織の面積分率は5〜35%である、請求項6に記載のマグネシウム合金板材。
  8. 前記マグネシウム合金板材全体の結晶粒100体積%に対して底面結晶粒の体積分率は30%以下であり、
    前記底面結晶粒は<0001>//C軸方位の結晶粒である、
    請求項7に記載のマグネシウム合金板材。
  9. 前記マグネシウム合金板材の限界ドーム高さは、7mm以上であり、
    前記マグネシウム合金板材(0001)面を基準に最大集合強度が1〜4である、
    請求項8に記載のマグネシウム合金板材。
  10. 前記マグネシウム合金板材の降伏強度は、200〜300MPaである、 請求項9に記載のマグネシウム合金板材。
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