JP2020183188A - 車体側部構造 - Google Patents
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Abstract
Description
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係る車体側部構造1は、サイドシル2と、フロアパネル3と、クロスメンバ4と、ルーフサイドレール5と、ルーフパネル6と、ルーフアーチ7と、センターピラー8と、シート取付ブラケット9と、ルーフアーチ接続ブラケット10と、を備える。
サイドシル2は、車両の下端部かつ車幅方向端部において、前後方向に延びる金属製の骨格部材である。サイドシル2は、正面視で略矩形状の閉断面を呈する。サイドシル2は、当該サイドシル2の車幅方向内部を構成するサイドシルインナ20と、当該サイドシル2の車幅方向外部を構成するサイドシルアウタ30と、を組み合わせることによって形成されている。
サイドシルインナ20は、前後方向及び上下方向に延在する内壁部(車幅方向内壁部)21と、内壁部21の下端部から車幅方向外方に延設される下壁部22と、内壁部21の上端部から車幅方向外方に延設される上壁部23と、を一体に備える。また、サイドシルインナ20は、下壁部22の車幅方向外端部から下方に延設されるフランジ部24と、上壁部23の車幅方向外端部から上方に延設されるフランジ部25と、を一体に備える。
サイドシルアウタ30は、前後方向及び上下方向に延在する外壁部(車幅方向外壁部)31と、外壁部31の下端部から車幅方向内方に延設される下壁部32と、外壁部31の上端部から車幅方向内方に延設される上壁部33と、を一体に備える。また、サイドシルアウタ30は、下壁部32の車幅方向内端部から下方に延設されるフランジ部34と、上壁部33の車幅方向内端部から上方に延設されるフランジ部35と、を一体に備える。
フロアパネル3は、左右一対のサイドシル2,2間に架設されており、車両の床面を構成する部材である。フロアパネル3の車幅方向端部は、サイドシルインナ20における内壁部21の車幅方向内面に対して溶接等によって接合されている。
クロスメンバ4は、左右一対のサイドシル2,2間に架設される金属製の骨格部材である。クロスメンバ4は、単体では側面視で下側に開口を有する略コ字断面形状を呈し、フロアパネル3と協働して側面視で略矩形状の閉断面を呈する。
ルーフサイドレール5は、車両の上方かつ側方において、車両の前後方向に延びる金属製の骨格部材である。ルーフサイドレール5は、正面視で略矩形状の閉断面を呈する。ルーフサイドレール5は、当該ルーフサイドレール5の車幅方向内部を構成するルーフサイドレールインナ40と、当該ルーフサイドレール5の車幅方向外部を構成するルーフサイドレールアウタ50と、を組み合わせることによって形成されている。
ルーフサイドレールインナ40は、前後方向及び上下方向に延在する内壁部(車幅方向内壁部)41と、内壁部41の下端部から車幅方向外方に延設される下壁部42と、を一体に備える。また、ルーフサイドレールインナ40は、下壁部42の車幅方向外端部から下方に延設されるフランジ部44と、内壁部41の上端部から車幅方向内方に延設されるフランジ部45と、を一体に備える。フランジ部45の一部は、後記するルーフサイドレールアウタ50のフランジ部55よりも下方に延出するように形成されている。
ルーフサイドレールアウタ50は、前後方向及び上下方向に延在する外壁部(車幅方向外壁部)51と、外壁部51の下端部から車幅方向内方に延設される下壁部52と、外壁部51の上端部から車幅方向内方に延設される上壁部53と、を一体に備える。また、ルーフサイドレールアウタ50は、下壁部52の車幅方向内端部から下方に延設されるフランジ部54と、上壁部53の車幅方向内端部から車幅方向内方に延設されるフランジ部55と、を一体に備える。
ルーフパネル6は、左右一対のルーフサイドレール5,5間に架設されており、車両の天井面を構成する金属製の板状部材である。ルーフパネル6は、車両の外表面(スキン)を構成する。
ルーフアーチ7は、左右一対のルーフサイドレール5、5間に架設される金属製の骨格部材である。ルーフアーチ7は、単体では側面視で上側に開口を有する略コ字断面形状を呈し、ルーフパネル6と協働して側面視で略矩形状の閉断面を呈する。ルーフアーチ7は、前後方向かつ車幅方向に延在する下壁部と、下壁部の前端部から上方に延設される前壁部と、下壁部の後端部から上方に延設される後壁部と、を一体に備える。また、ルーフアーチ7は、前壁部の上端部から前方に延設されるフランジ部と、後壁部の上端部から後方に延設されるフランジ部と、を一体に備える。
センターピラー8は、上下方向に延びてサイドシル2及びルーフサイドレール5間に架設される金属製の骨格部材である。センターピラー8(後記するセンターピラーインナ60及びセンターピラーアウタ70の組立体)は、平面視で略矩形状の閉断面を呈する。センターピラー8の前後方向幅は、ベルトラインBLよりも上方(以下、ベルトライン上部という)では、視界確保のため比較的小さく設定されており、ベルトラインBLよりも下方(以下、ベルトライン下部という)では、ドア取付のため比較的大きく設定されている。センターピラー8は、当該センターピラー8の車幅方向内部を構成するセンターピラーインナ60と、当該センターピラー8の車幅方向外部を構成するセンターピラーアウタ70と、補強のために内部に配置されるスチフナ80と、を組み合わせることによって形成されている。
センターピラーインナ60は、前後方向かつ上下方向に延在する内壁部(車幅方向内壁部)61と、内壁部61の前端部から車幅方向外方に延設される前壁部62と、内壁部61の後端部から車幅方向外方に延設される後壁部63と、を一体に備える。また、センターピラーインナ60は、前壁部62の車幅方向外端部から前方に延設されるフランジ部64と、後壁部53の車幅方向外端部から後方に延設されるフランジ部65と、を一体に備える。
センターピラーアウタ70は、前後方向かつ上下方向に延在する外壁部(車幅方向外壁部)71と、外壁部71の前端部から車幅方向内方に延設される前壁部72と、外壁部71の後端部から車幅方向内方に延設される後壁部73と、を一体に備える。
また、センターピラーアウタ70は、前壁部72の車幅方向内端部から前方に延設されるフランジ部74と、後壁部73の車幅方向内端部から後方に延設されるフランジ部75と、を一体に備える。
スチフナ80は、センターピラーインナ60及びセンターピラーアウタ70の間に介設される金属製の補強部材である。図3に示すように、スチフナ80は、前後方向かつ上下方向に延在する壁部81と、壁部81の前端部から延設される前壁部82と、壁部81の後端部から延設される後壁部83と、を一体に備える。また、スチフナ80は、前壁部82の先端部から前方に延設されるフランジ部84と、後壁部83の先端部から後方に延設されるフランジ部85と、を一体に備える。
図4に示すように、スチフナ80の上端部は、前後方向かつ上下方向に延在する壁部81のうち、後記する谷部81d,81eを有していない。すなわち、スチフナ80の上端部において、谷部81dは、連結壁部81b及び前壁部82とともに構成する溝部が車両の上部にいくほど連結壁部81b及び前壁部82がフランジ部84に向かって無くなることによって収束しており、谷部81dは、フランジ部84と面一となっている。また、スチフナ80の上端部において、谷部81eは、連結壁部81c及び前壁部83とともに構成する溝部が車両の上部にいくほど連結壁部81c及び前壁部83がフランジ部85に向かって無くなることによって収束しており、谷部81eは、フランジ部85と面一となっている。
図5から図8に示すように、スチフナ80は、当該スチフナ80のベルトライン上部(ベルトラインBLよりも上方。スチフナ80においてベルトライン上部となる部位をスチフナ上部80Uともいう)では、平面視で略W字形状を呈する。
谷部81dの前端部は、前壁部82と繋がっており、谷部81eの後端部は、後壁部83と繋がっている。
谷部81d,81e及び谷壁部61d,61eが互いに密着すると、密着部から余分な接着剤Gが押し出されて周辺の空隙に移動するため、接着剤Gは、谷部81d,81e及び谷壁部61d,61eの前端部及び後端部が交差する折り曲げ部(曲げ稜線部)を越えて、連結壁部81bと側壁61b、前壁部82と前壁部62、連結壁部81cと側壁61c、後壁部83と後壁部62、を互いに接着する(図7参照)。
図9及び図10に示すように、スチフナ80は、ベルトライン下部(ベルトラインBLよりも下方。スチフナ80においてベルトライン下部となる部位をスチフナ下部80Lともいう)では、平面視で略ハット形状を呈する。すなわち、連結壁部81b,81cが、互いに離間するとともに、谷部81d,81eが、車幅方向の窪みが徐々に浅くなり、連結壁部81b,81cだった部位が、壁部81(山壁部81a)とフランジ部84,85とを繋ぐ前壁部82及び後壁部83を構成する。
本実施形態では、連結壁部81b,81cの板厚は、谷部81d,81e板厚よりも大きい。
図1及び図2に示すように、シート取付ブラケット9は、車室内のシートが取り付けられるブラケットであって、正面視でクロスメンバ4の車幅方向端部及びサイドシルインナ20によって構成される隅部を補強する金属製の骨格部材である。
シート取付ブラケット9は、側面視で下側に開口を有する略コ字断面形状を呈し、かつ、平面視で車幅方向外側に開口を有する略コ字断面形状を呈する。シート取付ブラケット9の下端部は、クロスメンバ4に対して溶接等によって接合されており、シート取付ブラケット9の車幅方向外端部は、サイドシルインナ20に対して溶接等によって接合されている。
ルーフアーチ接続ブラケット10は、センターピラーインナ60をルーフアーチ7に接続するブラケットであって、正面視でルーフアーチ7の車幅方向端部及びセンターピラーインナ60によって構成される隅部を補強する金属製の骨格部材である。ルーフアーチ接続ブラケット10は、側面視で上側に開口を有する略コ字断面形状を呈し、かつ、平面視で車幅方向外側に開口を有する略コ字断面形状を呈する。ルーフアーチ接続ブラケット10の上端部は、ルーフアーチ7に溶接等によって接合されており、ブラケット10の車幅方向外端部は、センターピラーインナ60の上端部に溶接等によって接合されている。
したがって、車体側部構造1は、スチフナ80の長手方向に沿って伸びて車幅方向内方に窪む谷部81d,81eが、例えばセンターピラー8の三点曲げにおいて最も強化すべきベルトライン上部の上下方向の中間部において、最も深くなるように設けられ、上端部及び下端部にいくほど次第に強化が必要でなくなるので、浅く設定されるように室内側に突出させることで、スチフナ80が小型化されてセンターピラー8の軽量化及び高剛性化を実現することができる。
また、車体側部構造1は、側突荷重によるセンターピラー8の変形及びルーフサイドレール5からの剥がれを好適に防止することができる。
しかも、車体側部構造1は、スチフナ80に作用する応力が、ルーフサイドレール5に外側に押し付けるような伝達経路(圧縮荷重で伝達)となり、側突荷重によるスチフナ80の剥がれを好適に防止することができる。
したがって、車体側部構造1は、センターピラー8のベルトライン上部を前後方向に細くして視界確保を行うとともに、センターピラー8のベルトライン下部を前後方向に太くしてドア取付を好適に行うことができる。
したがって、車体側部構造1は、山部81a及び谷部81d,81eがセンターピラー8の車幅方向の幅一杯に形成されることによって、側突荷重をより好適に支持することができる。かかる山部81aは、スチフナ80の上端部からルーフサイドレール5へ側突荷重を好適に伝達することができるとともに、当該山部81aの前後に一対の谷部81d,81eが形成されることによって、例えば前後幅が狭いベルトライン上部において、センターピラー8の断面一杯にスチフナ80の断面を増加させることができる。
したがって、車体側部構造1は、谷部81d,81eがスチフナ上部80Uの上端部において山部81a側に収束することで、フランジ部44,54に対するスチフナ80の結合面積を大きく確保することができ、スチフナ80とルーフサイドレール5とを強固に結合することができる。
したがって、車体側部構造1は、例えば脚部の板厚を山部81a及び谷部81d,81eの少なくとも一方の板厚よりも大きくすることによって、側突荷重に対する脚部の剛性及び強度を向上することができるとともに、山部81a及び谷部81d,81eの少なくとも一方を脚部よりも薄くすることによって、側突性能及び軽量化を実現することができる。
したがって、車体側部構造1は、組立時に湾曲形状と谷部とを当接させると、余分な接着剤Gを徐変部A2,A3へ逃がすため、部品バラツキに影響されずに、センターピラー8の車幅方向内壁部とスチフナ80とを確実かつ強固に結合することができる。
また、車体側部構造1は、スチフナ80の内側への凸形状の頂点とセンターピラーインナ60の外側への凸形状の頂点とが接着されるため、ロールオーバーによってルーフサイドレール5に入力された荷重を、スチフナ80を介してセンターピラーアウタ70及びセンターピラーインナ60に分散することができる。
したがって、車体側部構造1は、スチフナ80の谷部とセンターピラー8の谷壁部61d,61eとを容易に組み付けることができ、接着結合によってスチフナ80の補強効果を一層高め、センターピラー8の断面が細い構造であっても側突性能の向上を実現することができる。
したがって、車体側部構造1は、ロールオーバーによってルーフサイドレール5からの入力荷重をスチフナ80からセンターピラーインナ60の谷壁部(車幅方向内壁部)へ伝達させることによって、車両の強度及び剛性を向上することができる。
したがって、車体側部構造1は、高さ方向中間部よりも上方(例えば、ベルトライン上部)では略W字断面形状、高さ方向中間部よりも下方(例えば、ベルトライン下部)では略ハット断面形状という、上下方向に異形となる断面形状を呈するスチフナ80を容易に製造することができ、センターピラー8の断面に好適に対応することができる。
したがって、車体側部構造1は、車載部品11によって、センターピラー8の断面強度(断面を変形させようとする荷重に対する強度)を向上することができる。
2 サイドシル
3 フロアパネル
5 ルーフサイドレール
7 ルーフアーチ
8 センターピラー(ピラー)
10 ルーフアーチ接続ブラケット
60 センターピラーインナ
61 内壁部(車幅方向内壁部)
61a 連結部
61b,61c 側壁
61d,61e 谷壁部
70 センターピラーアウタ
71 外壁部(車幅方向外壁部)
80 スチフナ
80U スチフナ上部(スチフナ80においてベルトライン上部となる部位)
80L ベルトライン下部(スチフナ80においてベルトライン下部となる部位)
80a 上端部の上部
80b 上端部の下部
81 壁部
81a 山壁部(山部)
81b,81c 連結壁部(脚部)
81d,81e 谷部
A1 最深部
A2,A3 徐変部
BL ベルトライン(高さ方向中間部)
G 接着剤(接着層)
Claims (10)
- 車両の上方かつ側方において当該車両の前後方向に延びるルーフサイドレールと、
前記ルーフサイドレールから前記車両の下方に延びる、センターピラーアウタ及びセンターピラーインナの組立体であるセンターピラーと、
前記センターピラーの内部において前記車両の上下方向に延びるスチフナと、
を備える車体側部構造であって、
前記スチフナは、前記センターピラーの高さ方向中間部よりも上方に設けられたスチフナ上部を有し、
前記スチフナ上部の上端部は、前記ルーフサイドレールに対して、車幅方向外側から結合されており、
前記スチフナ上部は、前記車両の上下方向に延びて、車幅方向内方に窪む谷部を備え、
前記谷部は、前記スチフナ上部の上端部及び下端部から上下方向中間部に向かうにつれて窪みが深くなる
ことを特徴とする車体側部構造。 - 前記高さ方向中間部は、前記車両のベルトラインである
ことを特徴とする請求項1に記載の車体側部構造。 - 前記スチフナ上部は、
前後一対の前記谷部と、
前後一対の前記谷部の間において、車幅方向外方に張り出す山部と、
を備え、
前記谷部は、前記スチフナ上部の上端部において、前記山部側に収束しており、
前記スチフナ上部の上端部は、前記ルーフサイドレールの車幅方向外壁部に結合されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車体側部構造。 - 前記スチフナ上部の上端部の上部は、前記ルーフサイドレールの車幅方向外壁部に結合されており、
前記スチフナ上部の上端部の下部は、前記ルーフサイドレールの下壁部から下方に延設されるフランジ部に結合されている
ことを特徴とする請求項3に記載の車体側部構造。 - 前記スチフナは、前記山部と前後一対の前記谷部とを繋ぐ前後一対の脚部を備える
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載に車体側部構造。 - 前記センターピラーの前記車幅方向内壁部は、正面視で車幅方向外方に凸となる湾曲形状を呈し、
前記スチフナの前後一対の前記谷部と前記センターピラーの前記車幅方向内壁部とは、接着によって結合されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車体側部構造。 - 前記センターピラーの前記車幅方向内壁部は、車幅方向内方に窪む前後一対の谷壁部を備え、
前記スチフナの前後一対の前記谷部と前記センターピラーの前後一対の前記谷壁部とは、接着によって結合されている
ことを特徴とする請求項3に記載の車体側部構造。 - 前記車両の上端部において車幅方向に延びるルーフアーチを備え、
前記センターピラーの前記車幅方向内壁部は、前記ルーフサイドレールの車幅方向内側において前記ルーフアーチに結合されている
ことを特徴とする請求項7に記載の車体側部構造。 - 前記車両の下方かつ側方において、当該車両の前後方向に延びるサイドシルを備え、
前記センターピラーの下端部は、前記サイドシルに結合されており、
前記スチフナは、前記センターピラーの上端部から前記サイドシルまで連続しており、
前記谷部は、前記スチフナ上部の上下方向中間部から前記高さ方向中間部に向けて、前記山部側に収束している
ことを特徴とする請求項3に記載の車体側部構造。 - 前記山部は、前記スチフナの前記高さ方向中間部よりも下に設けられたスチフナ下部まで形成されており、
前記スチフナ下部の前記山部には、前記センターピラーの前記車幅方向外壁部が結合されているとともに、前記車幅方向外壁部との結合部位において、車載部品が固定されている
ことを特徴とする請求項9に記載の車体側部構造。
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