JP2020177307A - 光学式情報読取装置及び光学式情報読取方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】異なる焦点距離の結像モジュールを複数備えつつ、組立時に異物がイメージセンサに付着することを阻止することができる光学式情報読取装置及び光学式情報読取方法を提供する。【解決手段】光学式情報読取装置100は、シンボルSBからの反射光を受光して結像する、互いに焦点距離の異なる複数の結像モジュールと、複数の結像モジュールを保持するレンズ保待部と、複数の結像モジュールの各々に対応して設けられ、該複数の結像モジュールにより結像された反射光を電気信号に変換し、画像データを生成する複数の撮像素子と、複数の撮像素子により生成された画像データに基づいて、シンボルの情報を読み取る読取部と、レンズ保待部の、複数の撮像素子と面する側に設けられる、複数の撮像素子への異物の付着を防止する透光性のカバー部材とを備える。【選択図】図5
Description
本発明は、バーコードや二次元コードなどのシンボルを読み取る光学式情報読取装置及び光学式情報読取方法に関する。
読取対象となるバーコード、QRコード等のシンボルからの光を受光し、イメージセンサによりシンボルの画像データを取得し、その画像データを解析することでシンボルに応じた情報を読み取る、ハンディタイプ等と呼ばれる手持ち式の光学的情報読取装置が知られている。このような手持ち式の光学的情報読取装置において、異なる焦点距離をもつ2つの結像モジュールにより画像データを取得し、読取可能な深度を深くする技術が知られている(例えば特許文献1)。
しかしながら、上記特許文献1の技術では、イメージセンサと結像レンズからなるセンサユニットを2つ有しているところ、それぞれのセンサユニットを組み立てる過程で、イメージセンサに塵や埃が付着しないよう細心の注意を払う必要があった。すなわち、組み立て後であれば塵や埃は結像レンズによりブロックされるものの、組立時には塵や埃の浸入が阻止されないため、これらの異物がイメージセンサに付着するおそれがあった。例えばCMOSセンサの上にゴミが付着すると、このゴミが常時存在して読み取りが妨げられることとなる。
このような異物の侵入を防ぐために、例えば個々のイメージセンサの前面に力バーガラスを設けることで、イメージセンサへの塵や埃の付着を防ぐことができる。しかしながら、イメージセンサごとにカバーガラスを配置する構成は、個々のイメージセンサとカバーガラスの間に形成された隙間から塵が混入する虞がある。また組み立て時に手間がかかるという問題もあった。
本発明の目的の一は、異なる焦点距離の結像モジュールを複数備えつつ、組立時に異物がイメージセンサに付着することを阻止した光学式情報読取装置及び光学式情報読取方法を提供することにある。
本発明の第1の側面に係る光学式情報読取装置によれば、読取対象となるシンボルを撮像して該シンボルを読み取るための光学式情報読取装置であって、シンボルからの反射光を受光して結像する、互いに焦点距離の異なる複数の結像モジュールと、前記複数の結像モジュールを保持するレンズ保待部と、前記複数の結像モジュールの各々に対応して設けられ、該複数の結像モジュールにより結像された反射光を電気信号に変換し、画像データを生成する複数の撮像素子と、前記複数の撮像素子により生成された画像データに基づいて、シンボルの情報を読み取る読取部と、前記レンズ保待部の、前記複数の撮像素子と面する側に設けられる、前記複数の撮像素子への異物の付着を防止する透光性のカバー部材とを備えることができる。上記構成により、光学式情報読取装置の組立時に、撮像素子に異物が付着する事態を、カバー部材で阻止することができる。
また、本発明の第2の側面に係る光学式情報読取装置によれば、上記構成に加えて、前記レンズ保持部は、レンズ保持底板と、各々が該レンズ保持底板から立設した円筒形状を有し、前記複数の結像モジュールの各々を保持する複数の結像レンズホルダとを備えることができる。
さらに、本発明の第3の側面に係る光学式情報読取装置によれば、上記何れかの構成に加えて、前記カバー部材を、前記複数の撮像素子から所定の距離だけ離間するように、前記レンズ保持底板に設けることができる。
さらにまた、本発明の第4の側面に係る光学式情報読取装置によれば、上記何れかの構成に加えて、前記カバー部材は、前記レンズ保持底面に固定されており、前記複数の撮像素子を覆う面積を有することができる。
さらにまた、本発明の第5の側面に係る光学式情報読取装置によれば、上記何れかの構成に加えて、前記カバー部材を、前記複数の結像モジュールの各々の焦点距離をすべて外した位置に配置させることができる。上記構成により、仮にどの結像モジュールに異物が付着しても、画像データへの影響を抑制できる。
さらにまた、本発明の第6の側面に係る光学式情報読取装置によれば、上記何れかの構成に加えて、前記複数の撮像素子は、単一の基板上に形成された複数のCMOSイメージセンサからなり、各々が前記結像レンズホルダと対向する位置に配置されることができる。
さらにまた、本発明の第7の側面に係る光学式情報読取装置によれば、上記何れかの構成に加えて、前記カバー部材を、透明ガラス又は透明樹脂で構成することができる。
さらにまた、本発明の第8の側面に係る光学式情報読取装置によれば、上記何れかの構成に加えて、さらに、前記複数の撮像素子の前方に配置される、外部からの迷光を遮るための遮光部材を備えることができる。
さらにまた、本発明の第9の側面に係る光学式情報読取装置用撮像体によれば、読取対象となるシンボルを撮像して該シンボルを読み取るための光学式情報読取装置の撮像体であって、シンボルからの反射光を受光して結像する、互いに焦点距離の異なる複数の結像モジュールと、前記複数の結像モジュールを保持するレンズ保待部と、前記複数の結像モジュールの各々に対応して設けられ、該複数の結像モジュールにより結像された反射光を電気信号に変換し、画像データを生成する複数の撮像素子と、前記レンズ保待部の、前記複数の撮像素子と面する側に設けられる、前記複数の撮像素子への異物の付着を防止する透光性のカバー部材とを備えることができる。上記構成により、基板をレンズ保持部に固定することで撮像素子を封止でき、撮像素子に埃が付着しない状態とできるので、これ以降の組立作業はクリーンな環境でなくとも行えるようになり、製造工程を簡素化できる利点が得られる。
さらにまた、本発明の第10の側面に係る光学式情報読取装置の製造方法によれば、読取対象となるシンボルを撮像して該シンボルを読み取るための光学式情報読取装置の製造方法であって、複数の撮像素子の上方にそれぞれ配置される焦点距離の異なる複数の結像レンズを保持するレンズ保持部のうち、前記複数の撮像素子と面する側に、該複数の撮像素子への異物の付着を防止するカバー部材を取り付ける工程と、前記カバー部材が介在するように前記レンズ保持部に遮光性を有する遮光部材を取り付ける工程と、前記遮光部材が介在するように前記レンズ保持部を、基板に固定する工程と、前記複数の結像レンズを前記レンズ保持部に挿入すると共に、各結像レンズの焦点位置を調整する工程とを含むことができる。これにより、基板をレンズ保持部に固定することで撮像素子を封止でき、撮像素子に埃が付着しない状態とできるので、これ以降の組立作業はクリーンな環境でなくとも行えるようになり、製造工程を簡素化できる利点が得られる。
さらにまた、本発明の第11の側面に係る光学式情報読取装置用撮像体の製造方法によれば、読取対象となるシンボルを撮像して該シンボルを読み取るための光学式情報読取装置用の撮像体の製造方法であって、複数の撮像素子の上方にそれぞれ配置される焦点距離の異なる複数の結像レンズを保持するレンズ保持部のうち、前記複数の撮像素子と面する側に、該複数の撮像素子への異物の付着を防止するカバー部材を取り付ける工程と、前記カバー部材が介在するように前記レンズ保持部に遮光性を有する遮光部材を取り付ける工程と、前記遮光部材が介在するように前記レンズ保持部を、基板に固定する工程と、前記複数の結像レンズを前記レンズ保持部に挿入すると共に、各結像レンズの焦点位置を調整する工程とを含むことができる。これにより、基板をレンズ保持部に固定することで撮像素子を封止でき、撮像素子に埃が付着しない状態とできるので、これ以降の組立作業はクリーンな環境でなくとも行えるようになり、製造工程を簡素化できる利点が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための光学式情報読取装置及び光学式情報読取方法を例示するものであって、本発明は光学式情報読取装置及び光学式情報読取方法を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
[実施形態1]
[実施形態1]
光学式情報読取装置は、バーコードや二次元コードなどのシンボルを読み取ってデータの登録、照合を行う部材であり、ハンディスキャナ、ハンディターミナル、業務用PDA等とも呼ばれる。本発明の実施形態1に係る光学式情報読取装置100を、図1〜図6に示す。これらの図において、図1は実施形態1に係る光学式情報読取装置100を後方斜め上方から見た斜視図、図2は図1の光学式情報読取装置100を前方斜め下方から見た斜視図、図3は図1の光学式情報読取装置100を後方斜め下方から見た斜視図、図4は図1の光学式情報読取装置100の右側面図、図5は図1の光学式情報読取装置100の左側面図、図6は図4の撮像体50Aを示す一部断面図を、それぞれ示している。
これらの図に示す光学式情報読取装置100は、表示モジュール11を上面に設けた本体部10と、この本体部10の後端から斜めに延出された把持部20とを備える。把持部20は、トリガスイッチ30を備えている。使用者は把持部20を握って、トリガスイッチ30を指で操作することにより、シンボルの読み取り等の処理を実行させる。図5は、使用者が右手で把持部20を握り、トリガスイッチ30に人差し指をかけた状態を示している。この状態で、使用者はシンボルSBに向かう姿勢に光学式情報読取装置100を構えて、トリガスイッチ30を引いて読み取りを行う。また光学式情報読取装置100は、使用者に読取可能な範囲を指示するために、レーザやLED等で撮像素子51の撮像領域を指示するエイミング光を照射させることができる。このため光学式情報読取装置100は、エイミング光を照射するエイミングモジュール60を備えている。さらに光学式情報読取装置100は、撮像モジュール50により撮像されたシンボルの画像データに基づいて、該シンボルの情報を読み取る読取部81を備える。
(本体部10)
(本体部10)
本体部10は、上面を平坦面とし、表示モジュール11を設けている。表示モジュール11は、一方向に延長された矩形状の表示面12を有する。表示面12は、読み取った情報や設定情報等を表示させるための面である。ここでは表示面12は、液晶や有機EL等のディスプレイで構成される表示モジュール11の表示を行う面である。この表示面12は、タッチパネルとすることができる。また表示モジュール11を含む本体部10は、この表示面12の長手方向に沿った端縁として、撮像を行う第一端縁と、この第一端縁の反対側の第二端縁を有する。第一端縁は本体部10の先端側、すなわちシンボルの読み取りを行う面側であり、第二端縁は本体部10の後端側に位置される。
また第二端縁は、表示面12から把持部20側に向かって傾斜させた傾斜面13を設けている。この傾斜面13には、使用者が指で操作するための各種の操作キー40を配置している。使用者は操作キー40を操作することで、表示面12における表示内容に対して種々の操作を実行したり、照明光やエイミング光の照射、読み取り、画像の撮像などの各種の処理を行う。
(照明光)
(照明光)
ここで照明光は、読取対象となる二次元コード等のシンボルを照明するための光であり、照明モジュール70から照射される。照明モジュール70は照明光源として、LEDや有機EL、ハロゲンランプ等を備える。また照明光を面状にするための光学系レンズも備える。
エイミング光は、光学式情報読取装置100の読み取り位置を示す光であり、エイミングモジュール60から照射される。エイミング光は、半導体レーザ等の点光源で示される点や十字、線等のパターンである。エイミング光を点状とする場合は、レーザポインタで構成できる。またエイミング光をパターン状とする場合は、マスクを用いたりレーザ光を走査する走査系を設けることができる。好ましくは、エイミング光のパターンに水平線を含めることで、使用者にバーコードスキャンを行う走査の線をイメージさせて、その目的を視覚的に把握させ易くなる。また、水平線の中央に縦線を交差させた十字状とすることで、中心の位置を把握し易くなる。十字状のパターンとしたエイミング光は、例えば横線を長く、縦線を短くした横長の十字状として、横長のバーコードをイメージさせ易くなる。
(操作キー40)
(操作キー40)
図1等の例では、操作キー40として傾斜面13の中心に十字キー41を、その右側にエンターキー42、左側に第一ファンクションキー43を設けている。十字キー41は、表示面12における方向性を示す操作を行うためのキースイッチである。またエンターキー42は、表示モジュール11の表示面12における表示内容に関連する決定操作を行うためのキースイッチである。このように傾斜面13に操作キー40を配置することで、光学式情報読取装置100の上面側からでも、背面側からでも、操作キー40を視認でき、操作が可能となる。加えて、把持部20を持った手の親指で、傾斜面13に設けた操作キー40を操作できるようになり、片手で光学式情報読取装置100を把持しながら操作キー40を操作可能とできる。
さらに本体部10の側面にも、各種のキーを設けている。この例では図1や図5に示すように、使用者が把持した状態で使用者側から見て本体部10の左側側面に電源キー44と、第二ファンクションキー45を、また図2〜図4に示すように本体部10の右側側面に+キー46と−キー47を、それぞれ設けている。これらの+キー46や−キー47は、ボリューム等の数値の増減に使用したり、他のキーと組み合わせて特定の機能を実行するショートカットキーとして利用できる。
なお、図1等で示す光学式情報読取装置100では、物理的なテンキーを備えていない。テンキーは、ソフトウェアキーボードを表示面12に表示させて実現している。これにより、表示面12に物理テンキーを配置するスペースを省いて、その分で表示面12のディスプレイに広い面積を確保できる。
(収納部14)
(収納部14)
さらに本体部10の下面からは、先端面の第一端縁から奥まった位置にオフセットさせて収納部14を突出させている。収納部14には、図6に示すように撮像体50Aを収納している。
また撮像体50Aは、照明モジュール70とエイミングモジュール60を含めてもよい。また収納部14の前面は、図2に示すように透光性のカバー15が設けられる。図2において破線の矢印で示すように、透光性カバー15を通じて、エイミングモジュール60や照明モジュール70から、エイミング光や照明光がそれぞれ出射される。
撮像体50Aは、表示面12の平面視において、この表示面12と重複する位置に配置することが好ましい。また撮像体50Aは、表示面12の平面視において、この表示面12の長手方向における、表示モジュール11の傾斜面13と反対側の端面よりも、傾斜面13側に配置することが好ましい。これにより、筐体に対して比較的近距離(例えば20cm以内)で読取する場合でも、広い視野が得られるため読み取りがしやすいというメリットが得られる。また、重さのバランスを操作面側に位置させることもできる。これにより、読み取り装置を持ったときの重さの感じ方を低減することができる。
(エイミングモジュール60)
(エイミングモジュール60)
エイミングモジュール60は、撮像モジュール50の撮像領域を指示するためのエイミング光を照射する。
また光学式情報読取装置100は、このエイミングモジュール60からエイミング光を照射させるためのエイミングスイッチを設けている。エイミングスイッチは、操作キー40と同様、傾斜面13に配置される。操作キー40とエイミングスイッチは、同一平面状に配置されている。
またエイミングスイッチは、専用のキースイッチを設ける他、他のキースイッチと兼用してもよい。例えば操作キー40を構成するキースイッチに、エイミングスイッチ43Bの機能を割り当ててもよい。一例として、図1等に示す第一ファンクションキー43(図において十字キー41の左)にエイミングスイッチ43Bの機能を割り当てる。これにより、物理的なキースイッチの数を減らして構成を簡素化できる。
また本体部10は、読取部81を含んでいる。読取部81は、撮像モジュール50により撮像されたシンボルの画像データに基づいて、このシンボルの情報を読み取る。
さらに光学式情報読取装置100は、本体部10の傾斜面13から連なって、表示面12の長手方向に、この表示面12から離れる方向に傾斜されて延長された把持部20と、撮像モジュール50の撮像処理を開始させるトリガスイッチ30を備える。トリガスイッチ30は、把持部20が表示モジュール11の背面側と面する領域に設けられる。図2、図4、図5等の例では、トリガスイッチ30は把持部20の上部に設けられる。具体的には、把持部20の上部に、トリガスイッチ30を直動可能に支持するトリガ支持部材16を形成している。トリガ支持部材16は、トリガスイッチ30の動作方向が表示モジュール11の表示面12とほぼ平行になるように、トリガスイッチ30を保持している。
(把持部20)
(把持部20)
把持部20は、本体部10の後端側、すなわち使用者が把持部20を握った姿勢で手前側となる端面から、斜め方向に延伸されている。このように斜めに傾斜させることで、使用者が手で把持し易くなる。また本体部10の後端側に設けた傾斜面13と連なるように把持部20を延伸させている。特に、表示モジュール11の上面から傾斜面13を傾斜させると共に、傾斜面13から更に把持部20で傾斜させることで、本体部10の後端側をスムーズに折曲させて、取り扱いが容易となる。
加えて、把持部20を本体部10の後端側に設けたことで、本体部10が後端側に突出部分をなくすことができる。例えば図7に示す比較例に係る光学式情報読取装置700のように、把持部720を本体部710の後端からオフセットさせた構成では、把持部720の後方から突出する部分Xが存在するため、この光学式情報読取装置700を携行する際に、使用者が腰から吊り下げたりホルダやケースに納めても、後端突出部分Xが常時突出し、邪魔になることがある。この結果、ホルダ等に収納しなくなって故障の原因となることが懸念される。
また図7の構成では、把持部720を握った手の親指で、本体部710の後端に設けた操作キー740を操作しようとしても、後端突出部分Xが邪魔となって操作キー740に親指が届かない。このため、把持部720を持っていない側の手で操作キー740を操作する必要が生じる。把持部720を持っていない側の手で荷物を持っている場合は、一旦荷物を置いて操作しなければならず、手間となる。
これに対して図5のような突出部分を排除した構成であれば、把持部20と表示面12の後端とが連続しているため、把持部20を持っている側の手の親指でもって操作キー40の操作が可能となる。特に、片手で光学式情報読取装置100の把持部20を把持している際でも利用可能な親指で操作できるよう、親指の位置する表示モジュール11の後端側に操作キー40を位置させ、かつ操作キー40を設ける面を傾斜面13とし、さらに把持部20を表示面12と直交させるのでなく傾斜させている。このような構成を採用したことで、使用者が親指以外の指で把持部20を把持した状態で、親指でアクセスし易い位置に操作キー40が配置される状態となる。加えて、操作キー40のみならず、表示面12のタッチパネルに対しても操作が可能となる。この結果、片手で光学式情報読取装置100を把持しながら、光学式情報読取装置100に対する操作を親指で行うことができる。すなわち、他方の手で読取対象を持ったまま、もう片方の手で光学式情報読取装置100を把持して読み取り、かつ必要な操作を親指で行うことができる。いいかえると、両手で操作が必要な場合であれば、一旦荷物を置くなどして両方の手を使える状態としなければならないところ、片手で操作を完結させたことでこのような手間をなくし、極めて使い勝手がよく、効率的な作業が実現される。
(電池蓋25)
(電池蓋25)
この光学式情報読取装置100は、各電子部品を動作させる電源として二次電池26を内蔵している。二次電池26は、好ましくは把持部20に内蔵される。このため把持部20は、図3等に示すようにその底面に開閉式の電池蓋25を備えている。電池蓋25は、開閉のロックを行うロックレバーを備える。ロックレバーは把持部20の底面の面内で回転自在に連結されており、ロック解除方向にロックレバーを回転させることで、電池蓋25のロックが解除され、電池蓋25が開放される。
電池蓋25を開けて、二次電池26を把持部20から外した状態を示す光学式情報読取装置100の分解斜視図を、図8に示す。この図に示すように電池蓋25は、把持部20の手前側にヒンジを設けており、第一端縁側に向かって回動するように開閉する。このような構成により、光学式情報読取装置100を持った状態で電池蓋25が自重で閉塞する方向に回動することを防ぐことができる。二次電池26は、円筒型のリチウムイオン二次電池(例えば18650型など)等が好適に利用できる。
なお把持部20は、本体部10と一体的に形成してもよいし、別部材で構成してもよい。
(被覆弾性部材17)
(被覆弾性部材17)
さらに光学式情報読取装置100は、弾性を有する被覆弾性部材17を備えることができる。被覆弾性部材17は、図1等に示すように載置時に接触する隅部を少なくとも被覆する。これにより、光学式情報読取装置100を不意に落下させたときでも、隅部に設けた被覆弾性部材17で落下の衝撃を吸収することにより、光学式情報読取装置100を保護できる。
[変形例]
[変形例]
以上の例では、表示モジュール11側に傾斜面13や撮像体50Aを設け、また把持部20側にトリガスイッチ30やトリガ支持部材16を設ける例について説明した。ただ本発明は、各部材を設ける先をこれらの組み合わせに限定するものでなく、適宜レイアウトや配置先を変更することができる。例えば図9に示す変形例に係る光学式情報読取装置200のように、傾斜面13や撮像体50Aは必ずしも表示モジュール11B側に設ける構成に限らず、把持部20B側に配置してもよい。あるいは図10に示す変形例に係る光学式情報読取装置300のように、トリガスイッチ30やトリガ支持部材16も、必ずしも把持部20C側に設ける必要はなく、表示モジュール11C側に設けてもよい。このような配置例としても、上述した本願発明の機能は同様に発揮される。
[実施形態2]
[実施形態2]
また把持部20は、筐体部10と一体的に形成してもよいし、別部材で構成してもよい。さらに、把持部を省略した光学式情報読取装置とすることもできる。このような例を実施形態2に係る光学式情報読取装置200として、図11に示す。この図に示す光学式情報読取装置200は、表示モジュール11を備える本体部10Bの背面に、収納部14Bを設けており、収納部14B内に撮像モジュールやエイミングモジュール、照明モジュールを含む撮像体を収納している。また傾斜面を設ける必要はなく、操作キー40は表示モジュール11の下方に設ける。さらにトリガスイッチも本体部10Bの背面側に物理的に設けず、本体部10Bの側面に設けたスイッチや操作キー40、あるいは表示面12でトリガボタンを表示させるソフトウェアで実現する。このような光学式情報読取装置200は、スマートフォンやタブレットのように使用者が側面などを両手で把持して操作する。これにより、表示面12の背面側から突出する把持部を無くし、外形をコンパクトにして携行し易い光学式情報読取装置200とできる。
(撮像体50A)
(撮像体50A)
撮像体50Aは、表示モジュール11の表示面12と反対の面側に配置される。この撮像体50Aは、表示面12と平行状とした撮像光軸でもってシンボルを撮像する。この撮像体50Aは、撮像モジュール50を備える。撮像モジュール50は、シンボルを撮像する撮像素子51と、撮像素子51上に結像させるための結像部を含む。撮像素子51は、CMOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等の半導体受光素子で構成される。結像部は、撮像素子51と光学的に結合された一又は複数の結像モジュールで構成できる。結像モジュールには、一又は複数の結像レンズ52等の光学系が利用できる。
結像部は、複数設けてもよい。結像部を複数の結像モジュールで構成する場合、図12に示すように、光学式情報読取装置100は、複数の結像モジュールで同じシンボルSBからの反射光をそれぞれ受光し、異なる焦点距離でそれぞれ結像する。そして各結像モジュールに対応して設けられた撮像素子51で、結像モジュールにより結像された反射光を電気信号に変換して画像データを生成する。
複数の結像部は、それぞれ異なる焦点距離を有する固定焦点式とすることができる。これによって、オートフォーカスのための結像部の移動機構などを省略でき、構成を簡素化できる。この場合において各結像部の合焦範囲(焦点深度)は、図13に示すように、互いに異なる範囲に割り当てつつ、範囲が隣接する結像部については、一部の範囲がオーバーラップするように設定することが好ましい。これにより、複数の結像部を組み合わせることで、オートフォーカスを用いずとも連続的な広い合焦範囲を確保できる。
このような複数の結像部を備える撮像モジュール50においては、撮像素子51を結像部毎にそれぞれ1:1で設けてもよいし、一の撮像素子51で領域を分割して、各領域に結像部を個別に割り当ててもよい。
また撮像体50Aに、シンボルの撮像時にシンボルに対して照明光を照射する照明モジュール70を含めてもよい。例えばバーコードを用いる場合だけでなく、シンボルとしてQRコード(商品名)などの二次元コードを用いる場合も、照明光を照射することが好ましい。
撮像モジュール50は、結像部を複数設けることができる。一例として、3つの結像部を設けた例を図14の模式正面図に示す。この図に示す撮像モジュール50は、第一結像モジュール52a、第二結像モジュール52b、第三結像モジュール52cを設けている。第一結像モジュール52aは、第一焦点距離を有する第一結像レンズ52Aを、第二結像モジュール52bは、第一焦点距離よりも長い第二焦点距離を有する第二結像レンズ52Bを、第三結像モジュール52cは、第二焦点距離よりも長い第三焦点距離を有する第三結像レンズ52Cを、それぞれ備えている。なお第一結像レンズ52Aは、第一視野角を有しており、第二結像レンズ52Bは、第一視野角よりも狭い第二視野角を有しており、第三結像レンズ52Cは、第二視野角よりも狭い第三視野角を有している。また各結像レンズ52は、撮像素子とそれぞれ光学的に結合されている。
撮像モジュール50の中では、最も焦点距離の短い第一結像レンズ52Aが、照明モジュール70とエイミングモジュール60とを結ぶ方向において、エイミングモジュール60に近い側に配置されている。また二番目に焦点距離の短い第二結像レンズ52Bは、照明モジュール70とエイミングモジュール60とを結ぶ方向において、照明モジュール70に近い側に配置されている。一方で、最も焦点距離が長い第三結像レンズ52Cは、照明モジュール70とエイミングモジュール60との間の領域に配置されている。このような配置により、エイミングモジュール60からのエイミング光の指す位置を、焦点距離の相対的に短い第一受光モジュールについて、エイミングモジュール60に近付けたことで撮像領域の中心に合わせやすくなる一方、焦点距離の相対的に長い第二結像レンズ52Bについては、照明モジュール70に近付けたことで撮像領域全体を照明光で照らし易くできる。
第一結像レンズ52Aと第二結像レンズ52Bは、エイミングモジュール60から照明モジュール70に向かって、この順で並べて配置されている。また第三結像レンズ52Cは、図14の模式正面図に示すように、照明モジュール70とエイミングモジュール60を結ぶ方向に対して直交する方向(図において縦方向)に、第一結像レンズ52Aの位置からオフセッ卜した位置に配置されている。このように第一結像レンズ52Aと第二結像レンズ52Bとを結ぶ線と、第二結像レンズ52Bと第三結像レンズ52Cとを結ぶ線を交差させる配置により、照明モジュール70とエイミングモジュール60を配置した方向(図において横方向)に幅広となることを回避し、照明モジュール70とエイミングモジュール60とで規定される横幅の範囲内に第三結像レンズ52Cを配置できる。
異なる焦点距離を有し、異なる視野角を有する第一結像レンズ52Aと第三結像レンズ52Cは、水平方向に同じ高さに位置させず、上下方向にずらして配置する。この際、図15等に示すように、視野角の広い第一結像レンズ52Aが収納部14の下側となるようにに、また視野角の狭い第三結像レンズ52Cが収納部の上側となるように、それぞれ配置する。このような配置により、撮像モジュール50を本体部の下面側で、かつ端縁から奥まった位置に設けた構成において、視野角の広い第一結像レンズ52Aを極力、本体部から離れた位置に設けることにより、本体部の先端が第一結像レンズ52Aの視野が遮られる事態を低減できる。なお第三結像レンズ52Cと第一結像レンズ52Aは、縦方向に一直線上に配置してもよい。この場合、第三結像レンズ52Cとエイミングモジュール60との距離は、第一結像レンズ52Aとエイミングモジュール60との距離とほぼ等しくなる。
さらに第一結像レンズ52A及び第三結像レンズ52Cは、第一結像レンズ52Aと第二結像レンズ52Bとを結ぶ線上に配置せず、この線上からずらした位置に配置してもよい。このような配置によって、円形状のエイミングモジュール60と第一結像レンズ52Aや第三結像レンズ52Cとの距離を稼ぐことが可能となり、横幅を詰める、いいかえるとエイミングモジュール60と照明モジュール70間の距離を狭く配置することが可能となり、撮像体の横幅の削減にも寄与する。
[実施形態3]
[実施形態3]
また撮像素子や撮像ユニット、撮像モジュール50の数は、3つに限られず、4つ以上としてもよい。このような例を実施形態3として、図16〜図20に示す。これらの図において、図16は撮像体50Aの斜視図、図17は図16の撮像体50Aの分解斜視図、図18は撮像体50Aの正面図、図19は図16の撮像体の平面図、図20は図18の撮像体のXX−XX線における断面図を、それぞれ示している。これらの図に示す撮像体50Aは、シンボルの撮像を行う撮像モジュール50と、撮像前にエイミング光を照射するエイミングモジュール60と、照明光を照射する照明モジュール70を含む。撮像体50Aは、基板54と、複数の結像レンズホルダ55bを備えるレンズ保持部55と、レンズ保持部55を固定するレンズカバー56で構成される。基板54上には、撮像素子51が実装されている。レンズ保持部55には、結像部やエイミングモジュール60、照明モジュール70が保持されている。またレンズ保持部55に結像部をセットした状態で、レンズカバー56を被せてこれらを固定する。レンズカバー56やレンズ保持部55は、螺合により固定されている。
この例では撮像モジュール50は、4つの結像モジュールを設けている。図12の例では、結像モジュールとして、焦点距離の異なる第一結像モジュール52a〜第四結像モジュール52dを設けている。またこの例では、撮像素子51を各結像レンズ52毎に設けている。図12では撮像素子51として、第一撮像素子51A、第二撮像素子51B、第三撮像素子51C、第四撮像素子51Dをそれぞれ設けて、画像データID1〜ID4を撮像した例を示している。これら第一結像モジュール52a〜第四結像モジュール52dは、それぞれ結像レンズ52で構成し、第一結像レンズ52A〜第四結像レンズ52Dとできる。第一結像レンズ52Aは、第一焦点距離を有し、第二結像レンズ52Bは、第一焦点距離よりも長い第二焦点距離を有し、第三結像レンズ52Cは、第二焦点距離よりも長い第三焦点距離を有し、第四結像レンズ52Dは、第三焦点距離よりも長い第四焦点距離を有する。
また図16及び図17に示すように、第一結像レンズ52Aは第一撮像素子51A、第二結像レンズ52Bは第二撮像素子51B、第三結像レンズ52Cは第三撮像素子51C、第四結像レンズ52Dは第四撮像素子51Dに、それぞれ光学的に結合されている。ここで、各結像レンズ52と撮像素子51とで撮像ユニット53を構成してもよい。すなわち、撮像モジュール50を複数の撮像ユニット53で構成し、各撮像ユニット53に結像レンズ52と撮像素子51とを含めてもよい。ここでは、撮像モジュール50を第一撮像ユニット53A、第二撮像ユニット53B、第三撮像ユニット53C、第四撮像ユニット53Dの4つで構成し、第一撮像ユニット53Aは第一結像レンズ52Aと第一撮像素子51Aを含み、第二撮像ユニット53Bは第二結像レンズ52Bと第二撮像素子51Bを含み、第三撮像ユニット53Cは第三結像レンズ52Cと第三撮像素子51Cを含み、第四撮像ユニット53Dは第四結像レンズ52Dは第四撮像素子51Dを含んでいる。これら複数の撮像ユニット53は、それぞれ同じ方向を向いているが、合焦範囲が異なる。つまり図13で示したように、ある距離においては一部の撮像素子51でのみピントが合うように結像部が設計されている。図13の例において、第一焦点距離を有する第一結像レンズ52Aの第一合焦範囲をDF1、第二焦点距離を有する第二結像レンズ52Bの第二合焦範囲をDF2、第三焦点距離を有する第三結像レンズ52Cの第三合焦範囲をDF3、第四焦点距離を有する第四結像レンズ52Dの第四合焦範囲をDF4として、それぞれ示している。
なお撮像素子や撮像ユニット、撮像モジュールの数は、例示した3つや4つに限られず、5つ以上としてもよい。これらの複数の撮像素子は、互いに異なる合焦範囲を有しており、合焦範囲の一部を他の撮像素子と重複させている。
また請求項1、2においては、結像モジュールを3つの例として、最も長い焦点距離を有する結像モジュールが第三結像モジュールとなっている関係上、請求項5の第四結像モジュールが、第二結像モジュールと第三結像モジュールの間の焦点距離となっている。すなわち、請求項で説明した第三結像モジュールが、図16等で示す第四結像レンズに相当し、また請求項で説明した第四結像モジュールが、図16等で示す第三結像レンズに相当することに留意されたい。
図16の撮像体の更なる分解斜視図を、図21に示す。この図に示すように、撮像体50Aは、基板54と、遮光部材57と、カバー部材58と、レンズ保持部55と、複数の結像レンズ52と、照明レンズ72と、エイマーレンズ62と、レンズカバー56を備える。基板54は、複数の撮像素子51と、照明用光源71と、エイマー用光源61と、これらを駆動する駆動回路を実装している。複数の撮像素子51は、第一撮像素子51A、第二撮像素子51B、第三撮像素子51C、第四撮像素子51Dを含み、それぞれCMOSセンサーで構成される。照明用光源71はLED、エイマー用光源61は半導体レーザ等で、それぞれ構成される。
遮光部材57は、複数の撮像素子51の前方に配置されて、外部からの迷光を遮るための部材である。遮光部材57には、ゴム製のパッキン等が利用できる。また遮光性を高めるため、黒色とすることが好ましい。
(カバー部材58)
(カバー部材58)
カバー部材58は、複数の撮像素子51への異物の付着を防止するための、透光性を有する部材である。このカバー部材58は透光性を備える透明ガラスや透明樹脂等で構成される。またカバー部材58は、レンズ保待部の、複数の撮像素子51と面する側に固定されている。さらにカバー部材58は、一枚で複数の撮像素子51を覆う大きさに構成されている。さらにまたカバー部材58に、赤外線カット等、特定の周波数成分を遮断又は透過させるフィルタ機能を付加することもできる。これにより、カバー部材58を光学結像部材として機能させることができる。
レンズ保持部55は、複数の結像レンズ52と、照明レンズ72と、エイマーレンズ62を保持するための部材である。このためレンズ保持部55は、板状のレンズ保持底板55aと、複数の結像モジュールの各々をそれぞれ保持する複数の結像レンズホルダ55bと、照明レンズ72を保持する照明レンズホルダ55c、エイマーレンズ62を保持するエイマーレンズホルダ55dを、それぞれ円筒状に形成している。円筒状の結像レンズホルダ55b、照明レンズホルダ55c、エイマーレンズホルダ55dはそれぞれ、レンズ保持底板55aから立設されている。このレンズ保持部55は樹脂などで構成され、結像レンズホルダ55bや照明レンズホルダ55c、エイマーレンズホルダ55dを一体に形成している。このレンズ保持部55は、複数の結像レンズ52、照明レンズ72、エイマーレンズ62を、それぞれ嵌合して位置決めする。すなわち組立後において複数の撮像素子51が各結像レンズ52と対向する位置となるように、各結像レンズホルダ55bの相対位置が設計されている。またカバー部材58は、レンズ保持底板55aに固定されている。この状態でカバー部材58は、図22のXXII−XXII線断面図に示すように、複数の撮像素子51から所定の離間距離CD分だけ離間させている。図23のレンズ保持部及びレンズカバーを非表示とした分解斜視図に示すように、カバー部材58の上方に結像レンズ52が位置する。すなわちカバー部材58は、結像レンズ52と複数の撮像素子51の間に介在される。
照明レンズ72は、照明用光源71からの光を集光して照明光として出射するための光学レンズである。エイマーレンズ62は、エイマー用光源61からの光を集光してエイマー光として出射するための光学レンズである。照明レンズ72と照明用光源71とで照明モジュール70を構成し、エイマーレンズ62とエイマー用光源61とでエイミングモジュール60を構成する。
レンズカバー56は、複数の結像レンズ52を、レンズ保持部55の複数の結像レンズホルダ55bにそれぞれ圧入した状態で、これらを押圧して固定するための部材である。レンズカバー56は、各結像レンズ52を表出させるための開口窓56aが形成されている。
このように複数の撮像素子51と結像レンズ52との間にカバー部材58を設けて、撮像素子51を封止したことで、光学式情報読取装置の組立時に、撮像素子51に異物が付着する事態を阻止することができる。この様子を、図24及び図25に基づいて説明する。
光学式情報読取装置の組立時に、図24に示すように撮像素子51の直上に塵や埃等の異物FOが付着すると、その下に濃い影が生じるため、撮像性能への悪影響が大きくなる。そこで、図25に示すように結像レンズ52と撮像素子51の間にカバー部材58を設けて、この異物FOの影響を軽減させる。すなわち、撮像素子51の上面にカバー部材58を配置することで、仮に異物FOが付着してもカバー部材58上となり、撮像素子51から離間される。この結果、カバー部材58上の異物FOの影は大きくなるものの、焦点が合わないことから撮像素子51上における影の濃さが薄められて、撮像性能への影響を小さくすることができる。またカバー部材58を撮像素子51から遠ざけるほど、異物FOの影が薄くなって影響を抑制できる。カバー部材58を撮像素子51から離間させる離間距離CDは、例えば遮光部材57の厚さによって調整される。離間距離CDは、複数の結像レンズ52の各焦点距離をすべて外した位置とする。これにより、仮にどの結像モジュールに異物FOが付着しても、画像データへの影響を抑制できる。また、異物FOがカバー部材58に付着した状態でも、シンボルの読み取りに影響を与えない程度の距離に設定される。離間距離CDは、光学式情報読取装置の復号化における分解能、例えば撮像素子51の画素の大きさや解像度、読取対象のシンボルを構成する単位要素の大きさ等に応じて設定される。
また、撮像素子1個につき、それぞれカバー部材58とレンズがセットになったユニットを複数設ける構成と比べ、上記の構成では、カバー部材58を複数のユニット間で共有している。これにより、部品点数を削減でき、組立構成の簡素化につながる。さらに、ユニットの境目を無くすことで、マージンの設定などを不要として小型化できる利点も得られる。
(光学式情報読取装置の製造方法)
(光学式情報読取装置の製造方法)
ここで、光学式情報読取装置の製造方法を説明する。ここでは撮像体の組立の手順について、図26のフローチャートに基づいて説明する。まず、ステップS2601において、レンズ保持部55に、カバー部材58を貼付する。次にステップS2602において、レンズ保持部55の底面に遮光部材57を取り付ける。さらにステップS2603において、レンズ保持部55に基板54を、ねじによる螺合などで固定する。そしてステップS2604において、焦点距離の異なる複数の結像レンズ52をそれぞれレンズ保持部55に挿入すると共に、各結像レンズ52の焦点位置を調整する。さらにステップS2605において、レンズ保持部55にレンズカバー56を固定する。これにより、基板54をレンズ保持部55に固定することで撮像素子51を封止でき、撮像素子51に埃が付着しない状態とできるので、これ以降の組立作業は無塵状態を維持したクリーンな環境でなくとも行えるようになり、製造工程を簡素化できる。特に、カバー部材58の被覆後の作業時、例えば結像レンズ52のピント調整などの作業時に発生、付着する可能性のあるゴミの影響を低減できる。
図18に示す例では、撮像モジュール50の左右に、それぞれエイミングモジュール60と照明モジュール70を配置している。このように配置することで、撮像モジュール50とエイミングモジュール60、撮像モジュール50と照明モジュール70とをそれぞれ近接して配置し、エイミング光と実際の撮像位置のずれ、あるいは照明位置と実際の撮像位置のずれを低減できる。特にシンボルと光学式情報読取装置との撮像距離が長くなると、これらのずれが大きくなる傾向にあるため、極力撮像モジュールとエイミングモジュール、照明モジュールを近接して配置することが好ましいところ、エイミングモジュールと照明モジュールとが抵触しないように近接配置させると、撮像体の厚さ方向が幅広となってしまい、光学式情報読取装置の小型化が図れなくなる。そこで、撮像体50Aの薄型化を維持しつつ、長手方向に沿って、撮像モジュール50の両側にそれぞれエイミングモジュール60と照明モジュール70を配置することで、これらの近接配置の要求を満たしている。図18の例では、撮像体50Aの長手方向の中央に撮像モジュール50を配置し、向かって左側にエイミングモジュール60、右側に照明モジュール70を配置している。言い換えると、エイミングモジュール60と照明モジュール70で撮像モジュール50を挟み込むように配置することで、撮像体50Aの薄型化と近接配置を両立させている。
(ブロック図)
(ブロック図)
ここで光学式情報読取装置100の構成を、図27のブロック図に基づいて説明する。この図に示す光学式情報読取装置100は、撮像体50Aと、エイミングモジュール60と、エイミングスイッチ43Bと、表示モジュール11と、トリガスイッチ30と、演算部80と、記憶部90と、メモリ部91と、通信部92とを備える。図27の例では、撮像体50Aに、撮像モジュール50と照明モジュール70を含めている。ただこの構成に限らず、例えば撮像体50Aにエイミングモジュール60を含めてもよい。
演算部80は、読取部81の機能を実現する。読取部81は、撮像モジュール50の撮像処理により生成された画像データに基づいて、シンボルの情報を読み取る。この演算部80は、CPUやMPU等で構成される。また演算部80は、DSPを含んでもよい。図27の例では、読取部81をDSPで構成している。
記憶部90は、画像データや設定情報等の各種の情報を保持するための部材である。例えば撮像モジュール50で撮像された画像データや、コンピュータプログラム、ファームウェア等を保持する。この記憶部90は、ROM等の不揮発性メモリで構成できる。
メモリ部91は、記憶部90からコンピュータプログラム等をロードして実行するための作業領域である。このメモリ部91は、RAMなどで構成される。
通信部92は、外部機器と通信を行うためのインターフェースである。
撮像モジュール50は、撮像を行う撮像部を構成し、C−MOSやCCD等の撮像素子51を含む。撮像モジュール50は、複数の結像部を含んでおり、各結像部は合焦範囲を固定式としている。さらに図13に示すように各合焦範囲は互いに異なる範囲に設定されており、かつ隣接する合焦範囲で部分的に重複するように設定されている。これにより、オートフォーカス機能を省略して固定焦点式としつつも、複数の合焦範囲を組み合わせて、より広い合焦範囲を確保できる。
ここでは複数の撮像素子51を準備し、各結像レンズ52はそれぞれ専用の撮像素子51と1:1に対応させている。なお、以上の例では複数の撮像素子51を複数の結像レンズ52と1:1で対応させた例を説明したが、本発明はこの構成に限定されず、例えば大きめの撮像素子を一つ用意し、これを複数の領域に分割して、各分割領域に対して複数の結像レンズをそれぞれ割り当てるようにしてもよい。この構成であれば、複数の撮像素子を隣接させて配置する際にマージンを設ける必要があることから、ある程度の設置面積が必要となるのに対して、よりコンパクトな配置として小型化できる利点が得られる。
照明モジュール70は、照明光を照射させる部材であり、LED等の光源を含む。
エイミングモジュール60は、エイミング光を照射するための部材である。エイミング光は、読取範囲がどのあたりに位置しているかを使用者に示す指針となる。
エイミングスイッチ43Bは、エイミングモジュール60からエイミング光を照射するためのスイッチである。使用者がエイミングスイッチ43BをONすると、エイミングモジュール60からエイミング光が照射される。
(エイミング光)
(エイミング光)
光学式情報読取装置100をシンボルに向ける際、実際にどの領域が読み取られるかを使用者側で把握し難いことがある。例えば、シンボルと光学式情報読取装置100との距離が数10m離れている場合に、読み取りたいシンボルを読み取れる姿勢に光学式情報読取装置100を構えているかを判断し辛いことがある。このような場合に、読み取りに先立ってエイミング光を照射することにで、撮像しようとする領域を使用者に示すことができる。
読取部81は、撮像素子51で撮像された画像データから、シンボルを抽出し、シンボルにエンコードされた情報をデコードして読み取る。演算部80は読取部81でデコードした情報を、通信部を介して出力する。また必要に応じて、読み取り結果を表示モジュールに表示させる。
本発明の光学式情報読取装置及び光学式情報読取方法は、倉庫や工場、店舗、病院等で使用される、バーコードや二次元コードなどのシンボルを読み取ってデータの登録、照合を行うハンディスキャナやハンディターミナル、業務用PDA等に好適に利用できる。
100、200、300、700…光学式情報読取装置
10、10B、710…本体部
11、11B、11C…表示モジュール
12…表示面
13…傾斜面
14、14B…収納部
15…透光性カバー
16…トリガ支持部材
17…被覆弾性部材
20、20B、20C、720…把持部
25…電池蓋
26…二次電池
30…トリガスイッチ
40、740…操作キー
41…十字キー
42…エンターキー
43…第一ファンクションキー
43B…エイミングスイッチ
44…電源キー
45…第二ファンクションキー
46…+キー
47…−キー
50…撮像モジュール
50A…撮像体
51…撮像素子;51A…第一撮像素子;51B…第二撮像素子;
51C…第三撮像素子;51D…第四撮像素子
52…結像レンズ;52A…第一結像レンズ;52B…第二結像レンズ;
52C…第三結像レンズ;52D…第四結像レンズ
53…撮像ユニット;53A…第一撮像ユニット;53B…第二撮像ユニット;
53C…第三撮像ユニット;53D…第四撮像ユニット
54…基板
55…レンズ保持部;55a…レンズ保持底板;55b…結像レンズホルダ
55c…照明レンズホルダ;55d…エイマーレンズホルダ
56…レンズカバー;56a…開口窓
57…遮光部材
58…カバー部材
60…エイミングモジュール
61…エイマー用光源
62…エイマーレンズ
70…照明モジュール
71…照明用光源
72…照明レンズ
80…演算部
81…読取部
82…読取モード切替部
90…記憶部
91…メモリ部
92…通信部
SB…シンボル
DF1…第一合焦範囲;DF2…第二合焦範囲;DF3…第三合焦範囲;DF4…第四合焦範囲;
ID1〜ID4…画像データ
FO…異物
CD…離間距離
X…把持部の後方から突出する部分
10、10B、710…本体部
11、11B、11C…表示モジュール
12…表示面
13…傾斜面
14、14B…収納部
15…透光性カバー
16…トリガ支持部材
17…被覆弾性部材
20、20B、20C、720…把持部
25…電池蓋
26…二次電池
30…トリガスイッチ
40、740…操作キー
41…十字キー
42…エンターキー
43…第一ファンクションキー
43B…エイミングスイッチ
44…電源キー
45…第二ファンクションキー
46…+キー
47…−キー
50…撮像モジュール
50A…撮像体
51…撮像素子;51A…第一撮像素子;51B…第二撮像素子;
51C…第三撮像素子;51D…第四撮像素子
52…結像レンズ;52A…第一結像レンズ;52B…第二結像レンズ;
52C…第三結像レンズ;52D…第四結像レンズ
53…撮像ユニット;53A…第一撮像ユニット;53B…第二撮像ユニット;
53C…第三撮像ユニット;53D…第四撮像ユニット
54…基板
55…レンズ保持部;55a…レンズ保持底板;55b…結像レンズホルダ
55c…照明レンズホルダ;55d…エイマーレンズホルダ
56…レンズカバー;56a…開口窓
57…遮光部材
58…カバー部材
60…エイミングモジュール
61…エイマー用光源
62…エイマーレンズ
70…照明モジュール
71…照明用光源
72…照明レンズ
80…演算部
81…読取部
82…読取モード切替部
90…記憶部
91…メモリ部
92…通信部
SB…シンボル
DF1…第一合焦範囲;DF2…第二合焦範囲;DF3…第三合焦範囲;DF4…第四合焦範囲;
ID1〜ID4…画像データ
FO…異物
CD…離間距離
X…把持部の後方から突出する部分
Claims (11)
- 読取対象となるシンボルを撮像して該シンボルを読み取るための光学式情報読取装置であって、
シンボルからの反射光を受光して結像する、互いに焦点距離の異なる複数の結像モジュールと、
前記複数の結像モジュールを保持するレンズ保待部と、
前記複数の結像モジュールの各々に対応して設けられ、該複数の結像モジュールにより結像された反射光を電気信号に変換し、画像データを生成する複数の撮像素子と、
前記複数の撮像素子により生成された画像データに基づいて、シンボルの情報を読み取る読取部と、
前記レンズ保待部の、前記複数の撮像素子と面する側に設けられる、前記複数の撮像素子への異物の付着を防止する透光性のカバー部材と、
を備える光学式情報読取装置。 - 請求項1に記載の光学式情報読取装置であって、
前記レンズ保持部は、
レンズ保持底板と、
各々が該レンズ保持底板から立設した円筒形状を有し、前記複数の結像モジュールの各々を保持する複数の結像レンズホルダと
を備える光学式情報読取装置。 - 請求項2に記載の光学式情報読取装置であって、
前記カバー部材は、前記複数の撮像素子から所定の距離だけ離間するように、前記レンズ保持底板に設けられてなる光学式情報読取装置。 - 請求項2又は3に記載の光学式情報読取装置であって、
前記カバー部材は、前記レンズ保持底面に固定されており、前記複数の撮像素子を覆う面積を有してなる光学式情報読取装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学式情報読取装置であって、
前記カバー部材は、前記複数の結像モジュールの各々の焦点距離をすべて外した位置に配置されてなる光学式情報読取装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学式情報読取装置であって、
前記複数の撮像素子は、単一の基板上に形成された複数のCMOSイメージセンサからなり、各々が前記結像レンズホルダと対向する位置に配置されてなる光学式情報読取装置。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学式情報読取装置であって、
前記カバー部材は、透明ガラス又は透明樹脂で構成されてなる光学式情報読取装置。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学式情報読取装置であって、さらに、
前記複数の撮像素子の前方に配置される、外部からの迷光を遮るための遮光部材を備えてなる光学式情報読取装置。 - 読取対象となるシンボルを撮像して該シンボルを読み取るための光学式情報読取装置の撮像体であって、
シンボルからの反射光を受光して結像する、互いに焦点距離の異なる複数の結像モジュールと、
前記複数の結像モジュールを保持するレンズ保待部と、
前記複数の結像モジュールの各々に対応して設けられ、該複数の結像モジュールにより結像された反射光を電気信号に変換し、画像データを生成する複数の撮像素子と、
前記レンズ保待部の、前記複数の撮像素子と面する側に設けられる、前記複数の撮像素子への異物の付着を防止する透光性のカバー部材と、
を備える光学式情報読取装置用撮像体。 - 読取対象となるシンボルを撮像して該シンボルを読み取るための光学式情報読取装置の製造方法であって、
複数の撮像素子の上方にそれぞれ配置される焦点距離の異なる複数の結像レンズを保持するレンズ保持部のうち、前記複数の撮像素子と面する側に、該複数の撮像素子への異物の付着を防止するカバー部材を取り付ける工程と、
前記カバー部材が介在するように前記レンズ保持部に遮光性を有する遮光部材を取り付ける工程と、
前記遮光部材が介在するように前記レンズ保持部を、基板に固定する工程と、
前記複数の結像レンズを前記レンズ保持部に挿入すると共に、各結像レンズの焦点位置を調整する工程と、
を含む光学式情報読取装置の製造方法。 - 読取対象となるシンボルを撮像して該シンボルを読み取るための光学式情報読取装置用の撮像体の製造方法であって、
複数の撮像素子の上方にそれぞれ配置される焦点距離の異なる複数の結像レンズを保持するレンズ保持部のうち、前記複数の撮像素子と面する側に、該複数の撮像素子への異物の付着を防止するカバー部材を取り付ける工程と、
前記カバー部材が介在するように前記レンズ保持部に遮光性を有する遮光部材を取り付ける工程と、
前記遮光部材が介在するように前記レンズ保持部を、基板に固定する工程と、
前記複数の結像レンズを前記レンズ保持部に挿入すると共に、各結像レンズの焦点位置を調整する工程と、
を含む光学式情報読取装置用撮像体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019077438A JP2020177307A (ja) | 2019-04-15 | 2019-04-15 | 光学式情報読取装置及び光学式情報読取方法 |
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