JP2020176201A - 熱伝導性樹脂組成物及び熱伝導性樹脂硬化物 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱伝導性が高く、かつ、比重が小さい、放熱材料として有効な高熱伝導性樹脂組成物及び高熱伝導性樹脂硬化物を安定的に提供する。【解決手段】熱伝導性樹脂組成物が、熱硬化性樹脂成分50〜80体積%、窒化ホウ素5〜20体積%、及び前記窒化ホウ素以外の熱伝導性フィラー10〜45体積%を含有する。好ましい窒化ホウ素は鱗片状窒化ホウ素の一次粒子が放射状に凝集した二次粒子である。好ましい熱伝導性フィラーの比重は2.0〜6.0である。熱伝導性樹脂硬化物はこの熱伝導性樹脂組成物の硬化物である。【選択図】なし
Description
本発明は、熱伝導性樹脂組成物及び熱伝導性樹脂硬化物に関する。
パーソナルコンピューター、携帯電話等の電子機器に使用されるCPU、ドライバICやメモリー等の電子部品は、小型化や高集積化に伴い、それ自身の発熱密度が急激に増加している。電子部品に熱が蓄積されると、電子部品の温度が上昇し、動作不良や故障などを引き起こす可能性がある。電子部品から発生した熱をヒートシンクなどの冷却部材に効率的に逃がすために、熱伝導性の高い放熱部材を使用する方法が提案されている。
近年、車載用リチウムイオンバッテリーの放熱部材の需要が増えている。具体的な使用箇所は、バッテリーセルとセル筐体の界面やバッテリーモジュールとバッテリー筐体の界面である。バッテリーセルなどに負荷をかけすぎると動作不良の原因となるので、放熱部材には柔軟性が要求される。また、車載用途では、寒冷地の最低温度である−40℃付近、発熱部材の温度150℃以上の高温までの長期信頼性が要求される。さらに、難燃性、電気絶縁性などの特性が要求される場合も多い。これらの特性をすべて満たすものとしてシリコーンが好適であり、シリコーンと熱伝導性のフィラーを配合した熱伝導性シリコーン組成物またはその硬化物が放熱部材として多用されている。
自動車の燃費規制が世界中で強化される中、エンジンの小型化や高出力化、空気抵抗の低減など燃費を向上する取り組みがなされている。さらに、自動車の重量化に伴って燃費が悪くなるため、搭載される部品重量を減少させることも望まれている。特に、ハイブリット車や電気自動車においては、使用されるリチウムイオンバッテリーの規模が大きく、車体には更なる軽量化が求められている。また、リチウムイオンバッテリーの放熱に使用される放熱部材の使用量も非常に大きいことから、放熱部材の軽量化も望まれている。
しかし、一般的に放熱部材は比重が大きい。特に、従来の高い熱伝導率を有する組成物は熱伝導性フィラーの配合量が多く、組成物の比重が大きい。そのため、放熱部材の重量が大きくなり、車体の総重量も大きくなってしまい、燃料消費量が増加してしまう。そこで、放熱部材の比重を小さくする技術が求められている。
一つの方法として比重が小さく、かつ熱伝導性の高いフィラーを使用することが挙げられる。特許文献1や特許文献2に記載されているように、窒化ホウ素の凝集二次粒子を樹脂中に分散して熱伝導性を向上させた熱伝導性シートが開発されている。しかし、窒化ホウ素の充填率が高く、組成物の比重は大きい。また、特許文献2では、窒化ホウ素の凝集粒子と酸化アルミニウムを組み合わせる方法が記載されている。しかし、各フィラーの充填率が明確に指定されておらず、組成物の流動性や加工性に関して記載されていない。
一方、特許文献3に記載されているように、比重の小さい中空粒子を樹脂に添加することで樹脂の比重を小さくする方法が示されている。しかし、中空粒子は耐圧強度が低いものが多く、樹脂を圧送するような製造方法では中空粒子が破裂し、樹脂の比重を小さくすることは難しい。
このように、従来の高い熱伝導率を有する組成物は熱伝導性フィラーの配合量が多いため、組成物の比重が大きかった。また、比重を小さくしようとして中空粒子のような耐圧強度が低いものを使用すると、目的とした比重の樹脂組成物を得ることができなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、熱伝導性が高く、かつ、比重が小さい、放熱材料として有効な高熱伝導性樹脂組成物及び高熱伝導性樹脂硬化物を安定的に提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明では、熱硬化性樹脂成分50〜80体積%、窒化ホウ素5〜20体積%、及び前記窒化ホウ素以外の熱伝導性フィラー10〜45体積%を含有する熱伝導性樹脂組成物を提供する。
このような熱伝導性樹脂組成物であれば、熱伝導性が高く、かつ比重が小さい高熱伝導性樹脂組成物となる。
前記窒化ホウ素は鱗片状窒化ホウ素の一次粒子が放射状に凝集した二次粒子であることが好ましい。
鱗片状窒化ホウ素は層状の結晶構造を有し、結晶の面方向と積層方向の熱伝導性に顕著な相違があるために、異方的な熱伝導性を示す。一方、鱗片状窒化ホウ素の一次粒子が放射状に凝集した二次粒子は等方的な熱伝導性を有するため、熱伝導性樹脂組成物とした場合に成型方法や使用形態によらず安定した熱伝導性を示す。
前記熱伝導性フィラーの比重は2.0〜6.0であることが好ましい。
前記熱伝導性フィラーの比重が2.0〜6.0であると、熱伝導性樹脂組成物の比重がより小さくなる。
前記熱伝導性フィラーの比重が2.0〜6.0であると、熱伝導性樹脂組成物の比重がより小さくなる。
本発明では、上記熱伝導性樹脂組成物の硬化物である熱伝導性樹脂硬化物を提供する。
この熱伝導性樹脂硬化物は、熱伝導性が高く、かつ比重が小さい、放熱材料として有効な高熱伝導性樹脂硬化物である。
この熱伝導性樹脂硬化物は、熱伝導性が高く、かつ比重が小さい、放熱材料として有効な高熱伝導性樹脂硬化物である。
この熱伝導性樹脂硬化物の熱伝導率は1.0W/(m・K)以上であることが好ましい。
このような熱伝導率であれば、発熱体からの熱を十分冷却部位に伝える事ができるために好ましい。
このような熱伝導率であれば、発熱体からの熱を十分冷却部位に伝える事ができるために好ましい。
また、この熱伝導性樹脂硬化物の比重は2.0以下であることが好ましい。
このような比重であれば、低比重化の効果が十分に得られたものであるために好ましい。
このような比重であれば、低比重化の効果が十分に得られたものであるために好ましい。
本発明の熱伝導性樹脂硬化物のアスカーC硬度計で測定された硬度は60以下であることが好ましい。
このような硬化物の硬度であれば、発熱部品や冷却部品に存在するミクロの凹凸に密着することができ、熱抵抗が大きくなりすぎず、熱を効率的に排出することができるために好ましい。
このような硬化物の硬度であれば、発熱部品や冷却部品に存在するミクロの凹凸に密着することができ、熱抵抗が大きくなりすぎず、熱を効率的に排出することができるために好ましい。
本発明の熱伝導性樹脂組成物及び熱伝導性樹脂硬化物は、高熱伝導性、及び、低比重の両方が達成されるため、放熱材料として有効な高熱伝導性樹脂組成物及び高熱伝導性樹脂硬化物となる。
また、前記熱伝導性樹脂組成物及び熱伝導性樹脂硬化物は母材となる熱硬化性樹脂成分が50〜80体積%と多く、窒化ホウ素と窒化ホウ素以外の熱伝導性フィラーの充填率を制限することで、樹脂組成物の流れ性や加工性を良好なものとし、成型方法や使用形態によらず安定した熱伝導性を示す熱伝導性樹脂組成物及び熱伝導性樹脂硬化物を提供する。
上述のように、熱伝導性が高く、かつ、比重が小さい、放熱材料として有効な高熱伝導性樹脂組成物及び高熱伝導性樹脂硬化物の開発が求められていた。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、母材となる熱硬化性樹脂成分50〜80体積%、窒化ホウ素5〜20体積%、及び窒化ホウ素以外の熱伝導性フィラー10〜45体積%を含有する樹脂組成物及びその硬化物が、比重が小さい高熱伝導性樹脂組成物及びその硬化物となり、放熱部材として好適であることを見出した。また、前記窒化ホウ素には鱗片状窒化ホウ素の一次粒子が放射状に凝集した二次粒子を選択し、前記熱伝導性フィラーには比重が2.0〜6.0である無機フィラーを選択して配合することにより、高熱伝導性樹脂組成物及びその硬化物の比重がより小さく、かつ、熱伝導性がより高くなることを見出し、本発明の好ましい実施形態を完成させた。
即ち、本発明は、熱硬化性樹脂成分50〜80体積%、窒化ホウ素5〜20体積%、及び前記窒化ホウ素以外の熱伝導性フィラー10〜45体積%を含有する熱伝導性樹脂組成物である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
熱伝導性樹脂組成物
[窒化ホウ素]
本発明の熱伝導性樹脂組成物に含まれる窒化ホウ素としては、鱗片状窒化ホウ素の一次粒子が放射状に凝集した二次粒子であることが好ましい。このような形態の粒子であれば、等方的な熱伝導性を有するため、熱伝導性樹脂組成物とした場合に成型方法や使用形態によらず安定した熱伝導性を示す。
熱伝導性樹脂組成物
[窒化ホウ素]
本発明の熱伝導性樹脂組成物に含まれる窒化ホウ素としては、鱗片状窒化ホウ素の一次粒子が放射状に凝集した二次粒子であることが好ましい。このような形態の粒子であれば、等方的な熱伝導性を有するため、熱伝導性樹脂組成物とした場合に成型方法や使用形態によらず安定した熱伝導性を示す。
窒化ホウ素の二次粒子径については、特に限定されるものではないが、10〜200μmの粒子径であることが好ましい。このような二次粒子径の窒化ホウ素であれば、樹脂中に分散させやすく、混合しやすい。また、熱伝導性シートを製造する場合、窒化ホウ素の凝集二次粒子が大きすぎると表面のタックが損なわれ、基材への密着性が悪くなり、熱を効率的に排出することができない。そのため、窒化ホウ素の凝集二次粒子は熱伝導性樹脂層の厚みの80%以下であることが好ましい。
本発明において、樹脂組成物内で熱伝導性を高くするためには、窒化ホウ素を5〜20体積%含有することを要し、好ましくは5〜15体積%である。窒化ホウ素が5体積%未満だと、熱伝導性樹脂組成物及び熱伝導性樹脂硬化物の熱伝導性が不十分となる。また、窒化ホウ素が20体積%を超えると、熱伝導性樹脂組成物の流れ性と成形性が低下する。
[窒化ホウ素以外の熱伝導性フィラー]
本発明の熱伝導性樹脂組成物に含まれる窒化ホウ素以外の熱伝導性フィラーとしては、比重が2.0〜6.0の無機粒子が好ましい。例えば、アルミニウム、ケイ素等の金属、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の金属窒化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、グラファイト、人工ダイヤモンド、炭化珪素等を使用することができる。特に、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムは、比重が軽く、樹脂への充填性が優れているため、前記熱伝導性フィラーとして好適である。これらの熱伝導性フィラーは、単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の熱伝導性樹脂組成物に含まれる窒化ホウ素以外の熱伝導性フィラーとしては、比重が2.0〜6.0の無機粒子が好ましい。例えば、アルミニウム、ケイ素等の金属、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の金属窒化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、グラファイト、人工ダイヤモンド、炭化珪素等を使用することができる。特に、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムは、比重が軽く、樹脂への充填性が優れているため、前記熱伝導性フィラーとして好適である。これらの熱伝導性フィラーは、単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、これらの中でも特に比重が軽く、樹脂への充填性が優れる水酸化アルミニウム、または酸化アルミニウムが好適である。
本発明において、樹脂組成物内で熱伝導性を高くするためには、前記熱伝導性フィラーを10〜45体積%含有することを要し、好ましくは10〜25体積%である。前記熱伝導性フィラーが10体積%未満だと、熱伝導性樹脂組成物及び熱伝導性樹脂硬化物の熱伝導性が不十分となる。また、前記熱伝導性フィラーが45体積%を超えると、熱伝導性樹脂組成物及び熱伝導性樹脂硬化物の比重が大きくなる。また、熱伝導性樹脂組成物の流れ性と成形性が低下する。
[熱硬化性樹脂成分]
本発明の熱伝導性樹脂組成物の母材となる熱硬化性樹脂は特に限定されることはなく、例えば、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などを用いることができる。特にシリコーン樹脂は硬化方法が簡便であるため好適である。本発明の熱硬化性樹脂成分は、硬化前のこれらの樹脂の原料、硬化剤、触媒等の熱硬化性樹脂の一般的な原料を含有することができる。
本発明の熱伝導性樹脂組成物の母材となる熱硬化性樹脂は特に限定されることはなく、例えば、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などを用いることができる。特にシリコーン樹脂は硬化方法が簡便であるため好適である。本発明の熱硬化性樹脂成分は、硬化前のこれらの樹脂の原料、硬化剤、触媒等の熱硬化性樹脂の一般的な原料を含有することができる。
本発明の熱伝導性樹脂組成物は熱硬化性樹脂成分を50〜80体積%含有する。熱硬化性樹脂成分が50体積%未満であると、熱伝導性樹脂組成物の流れ性と成形性が低下する。また、熱硬化性樹脂成分が80体積%を超えると、熱伝導性樹脂組成物及び熱伝導性樹脂硬化物の熱伝導性が不十分となる。
以下にシリコーン樹脂成分について詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下にシリコーン樹脂成分について詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[オルガノポリシロキサン成分]
母材となるオルガノポリシロキサン成分としては、特に限定されないが、シリコーン組成物の母材となる成分が挙げられる。例えば、付加硬化型のシリコーン組成物の主ポリマーとして用いられるオルガノポリシロキサンであり、特には、(A−1)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンが好ましい。該(A−1)成分としては、下記一般式(1)で示される構造を有し、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンが挙げられる。
母材となるオルガノポリシロキサン成分としては、特に限定されないが、シリコーン組成物の母材となる成分が挙げられる。例えば、付加硬化型のシリコーン組成物の主ポリマーとして用いられるオルガノポリシロキサンであり、特には、(A−1)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンが好ましい。該(A−1)成分としては、下記一般式(1)で示される構造を有し、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンが挙げられる。
R1 aSiO(4−a)/2 (1)
(式中、R1は独立して置換または非置換の炭素原子数1〜18、好ましくは1〜8の1価炭化水素基を表わし、aは1.90〜2.05である。)
(式中、R1は独立して置換または非置換の炭素原子数1〜18、好ましくは1〜8の1価炭化水素基を表わし、aは1.90〜2.05である。)
(A−1)成分、特に上記(1)で示される構造を有するオルガノポリシロキサンは、好ましくは、重合度が20〜12,000、より好ましくは50〜10,000である。
前記R1としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基およびオクタデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基およびシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基およびナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基および3−フェニルプロピル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフルオロプロピル基および3−クロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基およびヘキセニル基等のアルケニル基等が挙げられる。
前記母材となるオルガノポリシロキサン成分が(A−1)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである場合、更に、本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、以下の(A−2)ケイ素原子に直接結合した水素原子を少なくとも2つ以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(A−3)白金系硬化触媒、(A−4)付加反応制御剤を含むものとすることができる。
(A−2)成分のケイ素原子に直接結合した水素原子を少なくとも2つ以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A−1)成分と反応し、架橋剤として作用するものであり、その分子構造に特に制限はなく、従来製造されている例えば線状、環状、分岐状、三次元網状構造(樹脂状)等各種のものが使用可能であるが、1分子中に2個以上、好ましくは3個以上の珪素原子に結合した水素原子(Si−Hで表されるヒドロシリル基)を有する必要があり、通常、2〜300個、好ましくは3〜200個、より好ましくは4〜100個程度のSi−H基を有することが望ましい。
(A−2)成分の配合量は、ケイ素原子に直接結合した水素原子のモル数が(A−1)成分由来のアルケニル基のモル数の0.1〜5.0倍量となる量とすることが好ましい。
このような(A−2)成分としては、下記一般式(2)で示されるものが好ましい。
R2 bHcSiO(4−b−c)/2 (2)
上記R2としては、アルケニル基等の脂肪族不飽和結合を除く、好ましくは炭素数1〜10の珪素原子に結合した非置換の1価炭化水素基であり、このR2における非置換1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基等が挙げられる。R2の非置換1価炭化水素基としては、好ましくはアルキル基、アリール基であり、特にはメチル基、フェニル基であることが難燃性の点から望ましい。また、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0で、かつb+cが0.8〜3.0を満足する正数であり、好ましくは、bは1.0〜2.0、cは0.01〜1.0、b+cが1.5〜2.5である。
R2 bHcSiO(4−b−c)/2 (2)
上記R2としては、アルケニル基等の脂肪族不飽和結合を除く、好ましくは炭素数1〜10の珪素原子に結合した非置換の1価炭化水素基であり、このR2における非置換1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基等が挙げられる。R2の非置換1価炭化水素基としては、好ましくはアルキル基、アリール基であり、特にはメチル基、フェニル基であることが難燃性の点から望ましい。また、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0で、かつb+cが0.8〜3.0を満足する正数であり、好ましくは、bは1.0〜2.0、cは0.01〜1.0、b+cが1.5〜2.5である。
(A−3)成分の白金系硬化触媒は、(A−1)成分中のアルケニル基と(A−2)成分中のSi−H基とのヒドロシリル化付加反応を促進するための触媒である。この付加反応触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の白金族金属触媒が挙げられる。なお、この付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができるが、通常、白金族金属として(A−1)成分に対して0.5〜1,000ppm、特に1〜500ppm程度配合することが好ましい。
(A−4)成分の付加反応制御剤は、上記(A−3)成分の付加反応触媒に対して硬化反応抑制作用を有する化合物であれば特に限定されず、従来から公知のものを用いることができる。その具体例としては、トリフェニルホスフィン等のリン含有化合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール等の窒素原子を含有する化合物;硫黄原子を含有する化合物;アセチレンアルコール類等のアセチレン系化合物;アルケニル基を2個以上含む化合物;ハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸誘導体等が挙げられる。付加反応制御剤の配合量は、付加反応制御剤の有する硬化反応抑制作用の度合いがその化学構造により異なるため、使用する付加反応制御剤ごとの最適な量に調整することが好ましい。最適な量の反応制御剤を配合することにより、熱伝導性樹脂組成物は室温での長期貯蔵安定性および硬化性に優れたものとなる。
[ウエッター]
ウエッターとしては、ジフェニルシランジオールや分子鎖両末端シラノール基封鎖オルガノシロキサンオリゴマー等のシラノール基含有シラン及び/又はシロキサンオリゴマーなどが用いられる。シロキサンオリゴマーとしては、平均重合度10〜100のポリシロキサンが好ましい。また、ウエッターの配合量としては、(A−1)オルガノポリシロキサン100質量部に対し、0〜150質量部とすることが好ましく、より好ましくは5〜130質量部、更に好ましくは10〜100質量部の範囲の配合量とすることができる。
ウエッターとしては、ジフェニルシランジオールや分子鎖両末端シラノール基封鎖オルガノシロキサンオリゴマー等のシラノール基含有シラン及び/又はシロキサンオリゴマーなどが用いられる。シロキサンオリゴマーとしては、平均重合度10〜100のポリシロキサンが好ましい。また、ウエッターの配合量としては、(A−1)オルガノポリシロキサン100質量部に対し、0〜150質量部とすることが好ましく、より好ましくは5〜130質量部、更に好ましくは10〜100質量部の範囲の配合量とすることができる。
[熱伝導性樹脂組成物の熱伝導率]
熱伝導性樹脂組成物の熱伝導率は好ましくは1.0W/(m・K)以上であり、より好ましくは1.2W/(m・K)以上であり、更に好ましくは1.4W/mK以上である。前記熱伝導率が1.0W/(m・K)以上であれば、発熱体からの熱を十分冷却部位に伝える事ができるために好ましい。本発明において熱伝導率はISO22007−2に準拠して測定した値であり、用いる装置は例えば京都電子製TPS−2500Sである。
熱伝導性樹脂組成物の熱伝導率は好ましくは1.0W/(m・K)以上であり、より好ましくは1.2W/(m・K)以上であり、更に好ましくは1.4W/mK以上である。前記熱伝導率が1.0W/(m・K)以上であれば、発熱体からの熱を十分冷却部位に伝える事ができるために好ましい。本発明において熱伝導率はISO22007−2に準拠して測定した値であり、用いる装置は例えば京都電子製TPS−2500Sである。
[熱伝導性樹脂組成物の比重]
熱伝導性樹脂組成物の比重は好ましくは2.0以下であり、より好ましく1.7以下であり、更に好ましくは1.5以下である。前記比重が2.0以下であれば、低比重化の効果が十分であり、熱伝導性樹脂組成物の硬化物である熱伝導性樹脂硬化物の軽量化も十分達成され好ましい。比重はJIS K 6249に準拠して測定した値である。
熱伝導性樹脂組成物の比重は好ましくは2.0以下であり、より好ましく1.7以下であり、更に好ましくは1.5以下である。前記比重が2.0以下であれば、低比重化の効果が十分であり、熱伝導性樹脂組成物の硬化物である熱伝導性樹脂硬化物の軽量化も十分達成され好ましい。比重はJIS K 6249に準拠して測定した値である。
熱伝導性樹脂硬化物
本発明では、上記熱伝導性樹脂組成物の硬化物である熱伝導性樹脂硬化物を提供する。硬化条件としては、特に限定されないが、上記熱伝導性樹脂組成物が100〜300℃の温度範囲で、10秒〜1時間加熱されることが好ましい。
本発明では、上記熱伝導性樹脂組成物の硬化物である熱伝導性樹脂硬化物を提供する。硬化条件としては、特に限定されないが、上記熱伝導性樹脂組成物が100〜300℃の温度範囲で、10秒〜1時間加熱されることが好ましい。
[熱伝導性樹脂硬化物の熱伝導率]
熱伝導性樹脂硬化物の熱伝導率は好ましくは1.0W/(m・K)以上であり、より好ましくは1.2W/(m・K)以上であり、更に好ましくは1.4W/mK以上である。前記熱伝導率が1.0W/(m・K)以上であれば、発熱体からの熱を十分冷却部位に伝える事ができるために好ましい。本発明において熱伝導率はISO22007−2に準拠して測定した値であり、用いる装置は例えば京都電子製TPS−2500Sである。
熱伝導性樹脂硬化物の熱伝導率は好ましくは1.0W/(m・K)以上であり、より好ましくは1.2W/(m・K)以上であり、更に好ましくは1.4W/mK以上である。前記熱伝導率が1.0W/(m・K)以上であれば、発熱体からの熱を十分冷却部位に伝える事ができるために好ましい。本発明において熱伝導率はISO22007−2に準拠して測定した値であり、用いる装置は例えば京都電子製TPS−2500Sである。
[熱伝導性樹脂硬化物の比重]
熱伝導性樹脂硬化物の比重は好ましくは2.0以下であり、より好ましくは1.7以下であり、更に好ましくは1.5以下である。比重が2.0以下であれば、低比重化の効果が十分であり、熱伝導性樹脂硬化物の軽量化が十分達成され好ましい。比重はJIS K 6249に準拠して測定した値である。
熱伝導性樹脂硬化物の比重は好ましくは2.0以下であり、より好ましくは1.7以下であり、更に好ましくは1.5以下である。比重が2.0以下であれば、低比重化の効果が十分であり、熱伝導性樹脂硬化物の軽量化が十分達成され好ましい。比重はJIS K 6249に準拠して測定した値である。
[熱伝導性樹脂硬化物の硬度]
熱伝導性樹脂硬化物のアスカ―C硬度計で測定された硬度は60以下であることが好ましく、より好ましくは40以下1以上である。熱伝導性樹脂硬化物の硬度がアスカ―C60以下であれば、発熱部品や冷却部品に存在するミクロの凹凸に密着することができ、熱抵抗が大きくなりすぎず、熱を効率的に排出することができるために好ましい。
熱伝導性樹脂硬化物のアスカ―C硬度計で測定された硬度は60以下であることが好ましく、より好ましくは40以下1以上である。熱伝導性樹脂硬化物の硬度がアスカ―C60以下であれば、発熱部品や冷却部品に存在するミクロの凹凸に密着することができ、熱抵抗が大きくなりすぎず、熱を効率的に排出することができるために好ましい。
[熱伝導性樹脂硬化物の厚み]
本発明の熱伝導性樹脂硬化物の厚みは0.35mm以上が好ましく、より好ましくは0.75mm以上である。前記厚みが0.35mm以上であれば、熱伝導性樹脂硬化物が発熱部品、冷却部品など部材の公差を吸収することができ、密着性を維持することができる。
本発明の熱伝導性樹脂硬化物の厚みは0.35mm以上が好ましく、より好ましくは0.75mm以上である。前記厚みが0.35mm以上であれば、熱伝導性樹脂硬化物が発熱部品、冷却部品など部材の公差を吸収することができ、密着性を維持することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
下記実施例および比較例に用いられている(A)〜(C)成分を下記に示す。
下記実施例および比較例に用いられている(A)〜(C)成分を下記に示す。
シリコーン樹脂成分(A)は(A−1)〜(A−7)で構成される。
(A−1)成分:主ポリマーとなる下記式で示されるオルガノポリシロキサン成分(ジメチルビニル基で両末端封止したジメチルポリシロキサン、n=190)100質量部、
(A−1)成分:主ポリマーとなる下記式で示されるオルガノポリシロキサン成分(ジメチルビニル基で両末端封止したジメチルポリシロキサン、n=190)100質量部、
(A−3)成分:白金系硬化触媒として5質量%塩化白金酸2−エチルヘキサノール溶液0.4質量部、
(A−4)成分:付加反応制御剤としてエチニルメチリデンカルビノール0.1質量部、
(A−4)成分:付加反応制御剤としてエチニルメチリデンカルビノール0.1質量部、
(B)成分:窒化ホウ素
(B−1)凝集窒化ホウ素:粒度分布30〜80μm、平均粒径60μm、形状:鱗片状の凝集体
(B−2)凝集窒化ホウ素:粒度分布30〜60μm、平均粒径40μm、形状:鱗片状の凝集体
(B−1)凝集窒化ホウ素:粒度分布30〜80μm、平均粒径60μm、形状:鱗片状の凝集体
(B−2)凝集窒化ホウ素:粒度分布30〜60μm、平均粒径40μm、形状:鱗片状の凝集体
(C)成分:熱伝導性フィラー
(C−1)下記(C−1−1):(C−1−2):(C−1−3)=1:2:2(質量比)で構成される水酸化アルミニウム
(C−1−1)水酸化アルミニウム:平均粒径:50μm、形状:不定形
(C−1−2)水酸化アルミニウム:平均粒径:8μm、形状:不定形
(C−1−3)水酸化アルミニウム:平均粒径:2μm、形状:不定形
(C−2)下記(C−2−1):(C−2−2):(C−2−3)=1:2:4(質量比)で構成される酸化アルミニウム
(C−2−1)酸化アルミニウム:平均粒径:20μm、形状:不定形
(C−2−2)酸酸化アルミニウム:平均粒径:5μm、形状:不定形
(C−2−3)酸酸化アルミニウム:平均粒径:1μm、形状:不定形
(C−3)酸化亜鉛:平均粒径:0.5μm、形状:不定形
(C−4)銀:平均粒径:10μm、形状:不定形
(C−1)下記(C−1−1):(C−1−2):(C−1−3)=1:2:2(質量比)で構成される水酸化アルミニウム
(C−1−1)水酸化アルミニウム:平均粒径:50μm、形状:不定形
(C−1−2)水酸化アルミニウム:平均粒径:8μm、形状:不定形
(C−1−3)水酸化アルミニウム:平均粒径:2μm、形状:不定形
(C−2)下記(C−2−1):(C−2−2):(C−2−3)=1:2:4(質量比)で構成される酸化アルミニウム
(C−2−1)酸化アルミニウム:平均粒径:20μm、形状:不定形
(C−2−2)酸酸化アルミニウム:平均粒径:5μm、形状:不定形
(C−2−3)酸酸化アルミニウム:平均粒径:1μm、形状:不定形
(C−3)酸化亜鉛:平均粒径:0.5μm、形状:不定形
(C−4)銀:平均粒径:10μm、形状:不定形
(A)から(C)成分を表1及び2に示す含有量でプラネタリーミキサーにより60分間混練し熱伝導性シリコーン組成物を得た。その後、各種物性を下記評価方法に従って評価した。
(評価方法)
[流れ性・成形性]
熱伝導性シリコーン組成物をレオメーター(HAAKE RheoStress 6000)を用いて25℃で測定し、せん断粘度が10s−1以下、粘度が75Pa・s以下であるかを基準として流れ性を評価した。
[流れ性・成形性]
熱伝導性シリコーン組成物をレオメーター(HAAKE RheoStress 6000)を用いて25℃で測定し、せん断粘度が10s−1以下、粘度が75Pa・s以下であるかを基準として流れ性を評価した。
熱伝導性シリコーン組成物を6mm厚の金型に流し込み、1時間脱泡した後、110℃/10分で加熱硬化させた熱伝導性低比重シートに発泡がないかを基準として成形性を評価した。
流れ性及び成形性が基準を満たす場合を○、流れ性、成形性のどちらか一方又はどちらの基準も満たさない場合を×と評価した。
流れ性及び成形性が基準を満たす場合を○、流れ性、成形性のどちらか一方又はどちらの基準も満たさない場合を×と評価した。
[比重]
熱伝導性シリコーン組成物を2mm厚の金型に流し込み、110℃/10分で加熱硬化させて得られた熱伝導性低比重シートの比重を水中置換法で測定した。
熱伝導性シリコーン組成物を2mm厚の金型に流し込み、110℃/10分で加熱硬化させて得られた熱伝導性低比重シートの比重を水中置換法で測定した。
[熱伝導率・アスカーC硬度]
得られた熱伝導性シリコーン組成物をテフロン(登録商標)シートに挟み込み、110℃/10分で加熱硬化させた。得られた熱伝導性シリコーン硬化物の熱伝導率をTPS−2500Sで、アスカーC硬度をアスカーC硬度計で測定した。
得られた熱伝導性シリコーン組成物をテフロン(登録商標)シートに挟み込み、110℃/10分で加熱硬化させた。得られた熱伝導性シリコーン硬化物の熱伝導率をTPS−2500Sで、アスカーC硬度をアスカーC硬度計で測定した。
窒化ホウ素として実施例1では平均粒径60μmの凝集窒化ホウ素を用い、実施例2〜5では平均粒径40μmの凝集窒化ホウ素を用いた。熱伝導性フィラーとしては実施例1〜3で水酸化アルミニウムを用い、実施例4では酸化アルミニウムを用い、実施例5では酸化亜鉛を用いた。実施例1〜5のように、シリコーン樹脂成分に窒化ホウ素及び熱伝導性フィラーを配合することで、低比重、高熱伝導性のシリコーン樹脂組成物とその硬化物を安定して得ることができる。
比較例1では、シリコーン樹脂成分が90体積%、窒化ホウ素が10体積%になるように配合した。熱伝導性低比重シートの比重は1.10と非常に低く抑えられるが、熱伝導性シリコーン硬化物の熱伝導率は0.58W/(m・K)と熱伝導性が不十分となる。比較例2では、シリコーン樹脂成分が75体積%、窒化ホウ素が25体積%になるように配合した。配合した後のシリコーン樹脂組成物はペースト状ではなく、シリコーン樹脂成分と窒化ホウ素が分離した固体状になってしまい、熱伝導性の安定したシートを作ることができなかった。尚、一回性の熱伝導率は2.05W/(m・K)を示した。
比較例3ではシリコーン樹脂成分が54体積%、熱伝導性フィラーとした水酸化アルミニウムが46体積%となるように配合した。熱伝導性低比重シートの比重は1.61と低く抑えられるが、シリコーン硬化物の熱伝導率は0.89W/(m・K)と熱伝導性が不十分となる。
比較例4では、シリコーン樹脂成分が65体積%、窒化ホウ素が25体積%、熱伝導性フィラーとした水酸化アルミニウムが10体積%となるように配合した。比較例2と同様にシリコーン樹脂成分と窒化ホウ素が分離した固体状の組成物になってしまい、熱伝導性の安定したシートを作ることができなかった。尚、一回性の熱伝導率は3.92W/(m・K)を示した。このように窒化ホウ素が多すぎると、熱伝導性の高い樹脂組成物は得られが、樹脂組成物をペースト状にすることが困難であり、物性の安定した樹脂組成物とその硬化物を得るという目的を達成することができない。
比較例5では、シリコーン樹脂成分が40体積%、窒化ホウ素が10体積%、熱伝導性フィラーとした水酸化アルミニウムが50体積%となるように配合した。比較例2や比較例4と同様にシリコーン樹脂成分と窒化ホウ素が分離した固体状の樹脂組成物になってしまい、熱伝導性の安定したシートを作ることができなかった。尚、一回性の熱伝導率としては、2.72W/(m・K)を示した。このように熱伝導性フィラーが多すぎても、樹脂組成物をペースト状にすることが困難となる。
比較例6では、シリコーン樹脂成分が82体積%、窒化ホウ素が10体積%、熱伝導性フィラーとした銀が7体積%となるように配合した。熱伝導性低比重シートの比重は1.84であるが、シリコーン硬化物の熱伝導率は0.82W/(m・K)と熱伝導性が不十分となる。このように熱伝導性樹脂組成物の比重を下げようとした場合、銀のように比重が重い熱伝導性フィラーの配合量を少なくする必要があるが、熱伝導性フィラーの樹脂に対する充填率が下がってしまい、熱伝導性は大きく低下してしまう。
以上のように、熱硬化性樹脂成分に所定量の窒化ホウ素と窒化ホウ素以外の熱伝導性フィラーを配合して得られる低比重熱伝導性樹脂組成物は、成形性が良好であり、モバイル機器や自動車などの放熱部材の軽量化にも貢献できることが判った。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
比較例6では、シリコーン樹脂成分が82体積%、窒化ホウ素が10体積%、熱伝導性フィラーとした銀が8体積%となるように配合した。熱伝導性低比重シートの比重は1.84であるが、シリコーン硬化物の熱伝導率は0.82W/(m・K)と熱伝導性が不十分となる。このように熱伝導性樹脂組成物の比重を下げようとした場合、銀のように比重が重い熱伝導性フィラーの配合量を少なくする必要があるが、熱伝導性フィラーの樹脂に対する充填率が下がってしまい、熱伝導性は大きく低下してしまう。
Claims (7)
- 熱硬化性樹脂成分50〜80体積%、窒化ホウ素5〜20体積%、及び前記窒化ホウ素以外の熱伝導性フィラー10〜45体積%を含有するものであることを特徴とする熱伝導性樹脂組成物。
- 前記窒化ホウ素は鱗片状窒化ホウ素の一次粒子が放射状に凝集した二次粒子であることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性樹脂組成物。
- 前記熱伝導性フィラーの比重が2.0〜6.0であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱伝導性樹脂組成物。
- 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱伝導性樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする熱伝導性樹脂硬化物。
- 熱伝導率が1.0W/(m・K)以上であることを特徴とする請求項4に記載の熱伝導性樹脂硬化物。
- 比重が2.0以下であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の熱伝導性樹脂硬化物。
- アスカーC硬度計で測定された硬度が60以下であることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の熱伝導性樹脂硬化物。
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