JP2020175427A - プレス成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高さ方向に凹状に湾曲する断面ハット形状のプレス成形品を割れとしわを抑制してプレス成形するプレス成形方法を提供する。【解決手段】本発明に係るプレス成形方法は、天板部3と縦壁部5とフランジ部7とを有する断面ハット形状であり、側面視で長手方向に沿って高さ方向に凹状に湾曲する凹状湾曲部位11を有するプレス成形品1を成形するものであって、天板相当部23と、長手方向に沿ってねじれた形状のねじれ縦壁部25aを含む縦壁相当部25とが形成され、凹状湾曲相当部位31を有する中間成形品21をプレス成形する第1成形工程と、中間成形品21を目標形状のプレス成形品1にプレス成形する第2成形工程と、を備え、前記第1成形工程におけるねじれ縦壁部25aは、天板相当部23となす角度が凹状湾曲相当部位31の長手方向中央に比べて端部側が小さくなるようにねじれている、ことを特徴とするものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、プレス成形方法に関し、特に、天板部、縦壁部及びフランジ部を有する断面ハット形状であり、側面視で長手方向に沿って高さ方向に凹状に湾曲するプレス成形品のプレス成形方法に関する。
プレス成形とは、鋼板などの金属材料を金型で挟圧することにより、金型の形状を転写して加工を行う方法のことである。特に、自動車部品の多くはプレス成形により製造されている。昨今では、自動車車体の軽量化の観点から車体部品に高強度な鋼板(高張力鋼板)を使用する傾向が強くなっている。しかしながら、鋼板やその他金属材料の特性として強度が増すと延性は乏しくなる傾向があることにより、高張力鋼板のプレス成形では割れやしわといった成形不良がしばしば発生して問題となっている。
自動車車体の骨格部品の中で、フロントサイドメンバやリアサイドメンバなど急峻に湾曲した形状を有する湾曲部品は、プレス成形により製造すると割れやしわが発生しやすいため、難成形部品とされている。最近では、自動車会社や部品会社は自動車車体のさらなる軽量化を目指して、それら湾曲部品の製造に高張力鋼板を適用する検討がされており、割れやしわをいかに防止しながらプレス成形を行うかが課題となっている。
これまでに、割れやしわを抑制して湾曲部品をプレス成形する技術がいくつか提案されている。
例えば、特許文献1には、上面視で湾曲したL字部品のプレス成形において、フランジと縦壁を成形する成形力を利用し材料のパンチ底面でスライドさせて成形することにより、パンチ底のしわとフランジの割れを回避する技術が開示されている。
特許文献2には、上下方向に湾曲した部品に対し、パッドでブランクのパンチ底を板厚方向に加圧しながらドロー成形を行うことで、面外変形を防止してしわを抑制する方法が提案されている。
特許文献3には、長手方向に湾曲した断面ハット状の湾曲プレス部品のプレス成形において、予備成形でブランク材の幅方向端部に折曲部を付与し、該折曲部を残した状態で前記湾曲プレス部品をプレス成形することで、フランジ部におけるしわの発生を抑制する技術が開示されている。当該技術によれば、予備成形においてブランク材の幅方向端部に付与した折曲部により幅方向端部の剛性が高くなり、長手方向に縮む力に対して対抗力が大きくなるために、湾曲形状に起因した肉余りによって長手方向に縮む力が作用しても、フランジ部におけるシワの発生を抑制することができるとされている。
さらに、割れやしわの発生を抑制することを目的とし、ビードを付与して湾曲部品をプレス成形する技術がいくつか提案されている。
特許文献4には、素材の端部を平面視したときに曲率を有し、かつ側面視したときに縦壁面の下方にフランジ面を有する形状に1工程でプレス加工するに際し、縦壁面に凸状ビードを付与し、その直下のフランジ面には凹状ビードを付与することにより、素材成形部のしわ発生を抑制する技術が開示されている。
特許第5168429号公報 特許第5733475号公報 特許第5965159号公報 特開2010−115674号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、パンチ底に座面などの形状がある場合や、袋形状のような閉じられた形状である場合は材料を大きく動かすことができないため、適用可能な部品が限定的であった。
特許文献2に開示されている技術では、ブランクホルダとパッドを同時に使用して成形し、成形品を金型から取り外す際、ブランクホルダかパッドが加圧したままの状態であると、成形品を押し潰してしまうため、動きを止めるロッキング機構が必要となる。しかし、この機構が搭載されているプレス装置は一般的ではないため、汎用性に欠ける。
特許文献3に開示されている技術では、フランジ部の折り曲げ形状は次工程で平坦に成形する必要があるが、曲げ癖が残存してしまうおそれがあった。特に、自動車部品の場合、フランジは他部品との接合面になる場合が多く、高い面精度が求められるため、本成形方法の適用には注意が必要であった。
特許文献4に開示されている技術は、1工程でプレス加工するものであり、しわ発生や割れを防止するために付与したビードがそのまま残ってしまうという問題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、天板部、縦壁部及びフランジ部を有する断面ハット形状であり、長手方向に沿って高さ方向に凹状に湾曲するプレス成形品を、割れやしわを抑制して良好な形状にプレス成形することができるプレス成形方法を提供することを目的とする。
(1)本発明に係るプレス成形方法は、天板部と、該天板部から連続する縦壁部と、該縦壁部から連続するフランジ部とを有する断面ハット形状であり、前記天板部及び/又は前記フランジ部が側面視で長手方向に沿って高さ方向に凹状に湾曲する凹状湾曲部位を有するプレス成形品を成形するものであって、前記天板部に相当する天板相当部と、前記縦壁部に相当し、長手方向に沿ってねじれた形状のねじれ縦壁部を含む縦壁相当部と、が形成され、前記凹状湾曲部位に相当する凹状湾曲相当部位を有する中間成形品をプレス成形する第1成形工程と、該中間成形品を前記プレス成形品にプレス成形する第2成形工程と、を備え、前記第1成形工程におけるねじれ縦壁部は、前記天板相当部となす角度が、前記凹状湾曲相当部位の長手方向中央に比べて端部側が小さくなるようにねじれている、ことを特徴とするものである。
(2)上記(1)に記載のものにおいて、前記第1成形工程におけるねじれ縦壁部は、下式で与えられるねじれ量Tが10°以上20°以下の範囲となるように設定されていることを特徴とするものである。
T=Δθ×(H/L)
ただし、
Δθ:角度差(=θ1−θ2
θ1:凹状湾曲相当部位の長手方向中央におけるねじれ縦壁部と天板相当部とのなす角度(°)
θ2:ねじれ縦壁部の長手方向端部におけるねじれ縦壁部と天板相当部とのなす角度(°)
H:ねじれ縦壁部の縦壁高さ(mm)
L:ねじれ縦壁部の長手方向長さ(mm)
本発明においては、天板部と、該天板部から連続する縦壁部と、該縦壁部から連続するフランジ部とを有する断面ハット形状であり、前記天板部及び/又は前記フランジ部が側面視で長手方向に沿って高さ方向に凹状に湾曲する凹状湾曲部位を有するプレス成形品を成形するものであって、前記天板部に相当する天板相当部と、前記縦壁部に相当し、長手方向に沿ってねじれた形状のねじれ縦壁部を含む縦壁相当部と、が形成され、前記凹状湾曲部位に相当する凹状湾曲相当部位を有する中間成形品をプレス成形する第1成形工程と、該中間成形品を目標形状であるプレス成形品にプレス成形する第2成形工程と、を備え、前記第1成形工程におけるねじれ縦壁部は、前記天板相当部となす角度が、前記凹状湾曲相当部位の長手方向中央に比べて端部側が小さくなるようにねじれていることにより、ねじれ縦壁部にせん断変形を生じさせることができ、割れとしわの発生を抑制して前記プレス成形品を良好な形状にプレス成形することができる。
本発明の実施の形態に係るプレス成形方法においてプレス成形される中間成形品と目標形状であるプレス成形品を説明する図である((a−1)中間成形品の斜視図、(a−2)中間成形品における凹状湾曲部位の中央の断面と長手方向の端部の断面を重ねて示した図、(b)プレス成形品の斜視図)。 本発明において成形対象とするプレス成形品を説明する図である((a)斜視図、(b)上面図、(c)側面図)。 本発明において成形対象とするプレス成形品の長手方向に直角な断面図である。 本発明で成形対象とするプレス成形品を従来のプレス成形方法でプレス成形したときの材料の動きと、該プレス成形品における引張変形及び圧縮変形が生じる部位を説明する図である。 本発明に至った経緯において、せん断変形を生じさせて縦壁部をプレス成形したときの材料の動きを説明する図である。 本発明の実施の形態に係るプレス成形方法の第1成形工程でプレス成形される中間成形品を説明する図である((a)斜視図、(b)上面図、(c)側面図)。 本発明の実施の形態に係るプレス成形方法でプレス成形される中間成形品のねじれ縦壁部における面内せん断変形を示す図である。 本発明の実施の形態に係るプレス成形方法でプレス成形される中間成形品のねじれ縦壁部のねじれ量を与える縦壁高さと長手方向長さを示す図である。 本発明の実施の形態に係るプレス成形方法でプレス成形される中間成形品のねじれ縦壁部の縦壁高さを変更した場合を示す図である((a)斜視図、(b)上面図、(c)側面図)。 本発明の実施の形態に係るプレス成形方法でプレス成形される中間成形品のねじれ縦壁部の長手方向長さを変更した場合を示す図である((a)斜視図、(b)上面図、(c)側面図)。 本発明の実施の形態に係るプレス成形方法でプレス成形される中間成形品のねじれ縦壁部と逆向きにねじれた曲面形状のねじれ縦壁部を有する中間成形品を示す図である((a)斜視図、(b)上面図、(c)側面図)。 本発明の実施の形態に係るプレス成形方法でプレス成形される中間成形品のねじれ縦壁部と逆向きにねじれたねじれ縦壁部における面内せん断変形を示す図である。 本発明の実施の形態に係るプレス成形方法でプレス成形される中間成形品の他の例を示す図である((a)斜視図、(b)上面図、(c)側面図)。 本発明で成形対象とするプレス成形品の他の例を示す図である((a)天板部のみ凹状に湾曲、(b)フランジ部のみ凹状に湾曲)。 本発明の実施の形態に係るプレス成形方法で適用するドロー成形及びフォーム成形を説明する図である((a)、(b)ドロー成形、(c)、(d)フォーム成形)。 本実施例において成形対象とするプレス成形品の長手方向に直角な断面形状を説明する図である。 本実施例においてプレス成形した中間成形品のねじれ縦壁部の長手方向に直角な断面形状を説明する図である((a):凹状湾曲中央、(b)長手方向端部)。
本発明の実施の形態に係るプレス成形方法を説明するに先立って、本発明で成形対象とするプレス成形品と、該プレス成形品をプレス成形する際に割れやしわが発生する理由、さらには、本発明に至った経緯について説明する。なお、本実施の形態においては、プレス成形品の高さ方向は、該プレス成形品のプレス成形方向と一致するものとしている。
<プレス成形品>
本発明で成形対象とするプレス成形品1は、図2及び図3に一例として示すように、天板部3と、天板部3から連続する縦壁部5と、縦壁部5から連続するフランジ部7とを有する断面ハット形状であり、側面視(図2(c))で天板部3とフランジ部7とが長手方向に沿って高さ方向に凹状に湾曲する凹状湾曲部位11を有するものであり、凹状湾曲部位11の長手方向両側には、直線状に延在する直線部位13が設けられている。
ここで、凹状湾曲部位11が長手方向に沿って高さ方向に凹状に湾曲するとは、側面視において凹状に湾曲した円弧の中心が天板部3側に位置することをいう。
プレス成形品1を側面視したときのプレス成形中における材料の動きを図4に示す。ブランク(金属板)をプレス成形する過程において、該ブランクは天板部3と縦壁部5との間のパンチ肩R部4で曲げられて、パンチ肩R部4の曲げ稜線に対して直交方向(図4中の矢印の向き)に材料が動く。
そのため、凹状湾曲部位11においては、天板部3では材料が集って長手方向長さは短くなるのに対し、フランジ部7の長手方向長さは長くなり、天板部3とフランジ部7との長手方向の線長差が生じる。これにより、フランジ部7では引張変形が作用して割れが生じやすく、天板部3では圧縮変形が作用してしわが生じやすい。
このことから、プレス成形品1をプレス成形する際に割れやしわの発生を抑制するためには、凹状湾曲部位11におけるフランジ部7に引張変形や天板部3に圧縮変形を生じさせないようにプレス成形過程での材料の動きを変えることで、天板部3とフランジ部7との長手方向の線長差を低減することが重要であると考えられる。
そこで、凹状湾曲部位11における天板部3とフランジ部7との長手方向の線長差を生じさせないでプレス成形する理想状態を考える。図5に、理想状態での材料の動きを示す。天板部3とフランジ部7との長手方向の線長差を生じさせないためには、図5に示すように、ブランクにおける縦壁部5に相当する部位(以下「縦壁相当部」という。)にせん断変形を生じさせて材料をプレス成形方向と同じ方向に動かす必要がある。しかし、プレス成形においては、基本的に金型は上下方向の移動のみであり、この限られた金型の移動により縦壁相当部の材料に面内せん断変形を生じさせることは容易ではない。
発明者らは材料に面内せん断変形を生じさせる方法の鋭意検討を重ねた。その結果、ブランクにおける縦壁相当部を長手方向に沿って面外にねじれた曲面形状にプレス成形することにより、該縦壁相当部に面内せん断変形を生じさせることができることを見出した。
本発明は、かかる検討に基づいてなされたものであり、以下、本発明の実施の形態に係るプレス成形方法について説明する。
<プレス成形方法>
本実施の形態に係るプレス成形方法は、図1(b)及び図2に例示するプレス成形品1を目標形状としてプレス成形するものであって、ブランクを中間成形品21(図1(a−1)、(a−2))に予成形する第1成形工程と、中間成形品21を目標形状であるプレス成形品1にプレス成形する第2成形工程と、を備えたものである。なお、本発明に係るプレス成形方法に供するブランクは、鋼板のみならず、薄板の塑性体であれば良く、例えば、アルミニウム合金板、マグネシウム合金板、チタン合金板、樹脂板などが挙げられる。また、ブランクの材質強度においても特に制限はない。
≪第1成形工程≫
第1成形工程は、ブランクを中間成形品21(図1(a−1)、(a−2))に予成形する工程である。
中間成形品21は、図1(a−1)に示すように、プレス成形品1の天板部3に相当する天板相当部23と、プレス成形品1の縦壁部5に相当し、縦壁部5に比べて長手方向に沿ってねじれた曲面形状のねじれ縦壁部25aを含む縦壁相当部25と、プレス成形品1のフランジ部7に相当するフランジ相当部27とを有する断面ハット形状であり、プレス成形品1の凹状湾曲部位11に相当する凹状湾曲相当部位31と、直線部位13に相当する直線相当部位33と、を有するものである。
中間成形品21において、ねじれ縦壁部25aは、縦壁相当部25の長手方向の全長にわたって形成されている。図1(a−2)に、凹状湾曲相当部位31の長手方向の中央(以下、「凹状湾曲中央」という。)と、ねじれ縦壁部25aの長手方向の端部(以下、「長手方向端部」という。)それぞれにおける中間成形品21の長手方向に直交する断面の形状を示す。図1(a−2)に示す断面形状は、説明の便宜上、フランジ相当部27の高さ方向の位置を合わせて示している。
ねじれ縦壁部25aは、図1(a−2)に示すように、天板相当部23とのなす角度をθとしたとき、凹状湾曲中央における角度θ1に比べて、長手方向端部における角度θ2の方が小さくなるようにねじれている。そして、このねじれに伴い、ねじれ縦壁部25aと天板相当部23とのなす角度θは、長手方向に沿って連続的に変化している。
なお、本実施の形態においては、中間成形品21の天板相当部23は、図1に示すように、プレス成形品1の天板部3(図2)と同一形状であるものとする。これに対し、中間成形品21のフランジ相当部27は、図1に示すように、縦壁部5と異なる形状であるねじれ縦壁部25aを含む縦壁相当部25に連続するため、図6(b)、(c)に示すとおりプレス成形品1(図2(b)、(c))のフランジ部7と平面視および側面視で異なる形状である。
また、中間成形品21の天板相当部23とねじれ縦壁部25aのなす角度は、凹状湾曲中央(θ1)に比べて長手方向端部(θ2)の方が小さい(図1(a−2)参照)。そのため、中間成形品21の高さ方向における成形品高さは、長手方向に沿って一定ではなく、プレス成形品1の高さ方向における成形品高さと異なる。
さらに、中間成形品21の天板相当部23と縦壁相当部25との間のパンチ肩R部24(図6)の稜線長さ、又は、縦壁相当部25とフランジ相当部27との間のダイ肩R部26(図6)の稜線長さについても、プレス成形品1のパンチ肩R部4及びダイ肩R部6(図2)それぞれの稜線長さと異なる。
例えば、天板相当部23を目標形状であるプレス成形品1の天板部3と同一形状に成形した場合、パンチ肩R部24の稜線長さはプレス成形品1と同じであるが、ダイ肩R部26の稜線長さはプレス成形品1とは異なる。
また、フランジ相当部27を目標形状であるプレス成形品1のフランジ部7と同一形状に成形した場合、ダイ肩R部26の稜線長さはプレス成形品1と同じとしても、パンチ肩R部24の稜線長さはプレス成形品1とは異なる。
≪第2成形工程≫
第2成形工程は、中間成形品21(図1(a−1)、(a−2))を目標形状であるプレス成形品1(図1(b))にプレス成形する工程である。
第2成形工程により、天板相当部23とのなす角度が長手方向に沿って変化するねじれ縦壁部25aを含む縦壁相当部25は、目標形状の縦壁部5に成形される。さらに、フランジ相当部27は、目標形状のフランジ部7に成形される。
≪割れとしわを抑制することができる理由≫
次に、本実施の形態に係るプレス成形方法により、側面視で長手方向に沿って高さ方向に凹状に湾曲するプレス成形品を、割れとしわを抑制してプレス成形することができる理由について説明する。
第1成形工程では、図1に示すように、プレス成形品1の縦壁部5に相当する縦壁相当部25に、長手方向に沿って面外にねじれた曲面形状のねじれ縦壁部25aを形成する。このように、材料(ブランク)が面外にねじれた曲面形状に成形されると、当該材料においては、図7に示すように、面外のせん断変形に加えて面内のせん断変形を受ける。
これにより、凹状湾曲相当部位31における天板相当部23の長手方向の中央への材料の移動が抑制されるとともに、フランジ相当部27における長手方向の端部側への材料の移動も抑制される。そのため、ねじれ縦壁部25aにおいては、図5に示すようにフランジ相当部27の長手方向の線長と天板相当部23の長手方向の線長との線長差が減少する。その結果、第2成形工程において中間成形品21を目標形状にプレス成形したプレス成形品1においては、フランジ部7の割れが抑制されるとともに天板部3のしわが抑制される。
≪ねじれ縦壁部のねじれ量の好適範囲≫
本発明に係るプレス成形方法は、前述の図7に示すとおり、第1成形工程においてねじれ縦壁部25aに面内せん断変形を生じさせることで、目標形状であるプレス成形品1(図2)のフランジ部7における割れと天板部3におけるしわを抑制するものである。
ここで、ねじれ縦壁部25aにおける面内せん断変形の大きさは、ねじれ縦壁部25aのねじれの度合いに依存する。そして、本発明では、ねじれ縦壁部25aのねじれの度合いは、ねじれ縦壁部25aの角度変化及びアスペクト比を用いて表すことができる。
ねじれ縦壁部25aの角度変化は、ねじれ縦壁部25aと天板相当部23とのなす角度の凹状湾曲中央(凹状湾曲相当部位31の長手方向の中央)における角度θ1と、長手方向端部(ねじれ縦壁部25aの長手方向の端部)における角度θ2との角度差Δθ(=θ1−θ2)で与える(図1(a−2)参照)。
ねじれ縦壁部25aのアスペクト比は、図8に示すように、ねじれ縦壁部25aの縦壁高さHと長手方向長さLとの比H/Lで与える。ここで、ねじれ縦壁部の縦壁高さH及び長手方向長さLは、ねじれ縦壁部25aの面内において長手方向に直交する方向の高さ及び長手方向の長さとする。
そして、ねじれ量T(°)は、下式(1)により与える。
T=Δθ×(H/L)=(θ1−θ2)×(H/L) (1)
式(1)より、ねじれ量Tを変えるには、(ア)凹状湾曲中央におけるねじれ縦壁部25aと天板相当部23とのなす角度θ1、(イ)長手方向端部におけるねじれ縦壁部25aと天板相当部23とのなす角度θ2、(ウ)ねじれ縦壁部25aの縦壁高さH、(エ)ねじれ縦壁部25aの長手方向長さL、を変更すればよいことがわかる。
図9に、ねじれ縦壁部25aの高さHを変化させた中間成形品41の一例を、図10に、ねじれ縦壁部25aの長手方向長さLを変化させた中間成形品61の一例を、それぞれ示す。
前述の図1及び図6に示す中間成形品21は、その長手方向の全長にわたってねじれ縦壁部25aが形成されたものであった。一方、図10に示す中間成形品61は、ねじれ縦壁部65aの長手方向長さLをプレス成形品1の縦壁部5の長手方向長さより短くしたものである。そのため、中間成形品61の縦壁相当部65は、長手方向に沿ってねじれたねじれ縦壁部65aと、ねじれ縦壁部65aの長手方向端部から延出してねじれていない面部65bとを有する。そして、中間成形品61においては、長手方向端部におけるねじれ縦壁部65aと天板相当部63となす角度θ2は、中間成形品61全体の長手方向の端部ではなく、ねじれ縦壁部65aのみの長手方向の端部での角度である。
なお、第1成形工程でプレス成形する中間成形品21のねじれ縦壁部25aと天板相当部23のなす角度については、前述のとおり、長手方向端部における角度θ2を凹状湾曲中央における角度θ1よりも小さくすることが必要である。例えば図11に示すように、長手方向端部における角度θ2を凹状湾曲中央における角度θ1より大きくした場合、図12に示すように、ねじれ縦壁部25aにおける面内せん断変形は、図7に示すねじれ縦壁部25aとは逆向きとなる。そのため、中間成形品81を目標形状であるプレス成形品1にプレス成形しても、天板部3とフランジ部7との長手方向の線長差を小さくすることができず、割れやしわの抑制効果が得られない。
さらに、割れやしわを抑制するのに好適なねじれ量Tについて、有限要素法(FEM)によるシミュレーションにより検討した。その結果、ねじれ量Tが10°以上20°以下の範囲となるように設定されていれば、割れとしわの双方を抑制するのに望ましいことを見出した。
ねじれ量Tが10°未満の場合、ねじれ縦壁部25aの面内せん断変形が十分でない場合がある。また、ねじれ量Tが20°超の場合、第1成形工程でねじれ縦壁部25aが過大なせん断変形を受けて縦壁相当部にせん断しわが生じる場合がある。
なお、ねじれ縦壁部25aのアスペクト比H/Lは、ねじれ縦壁部25aの長手方向長さの中央(凹状湾曲中央と長手方向端部との中間位置)における縦壁高さHと、縦壁高さ方向の中央における長手方向長さLとを用いて与えればよい。
≪中間成形品及びプレス成形品の形状について≫
上記の説明では、中間成形品21(図1、図6)や中間成形品41(図9)、中間成形品61(図10)は、いずれも天板相当部が目標形状の天板部と同一の形状であり、フランジ相当部が目標形状のフランジ部7とは異なる形状のものであった。
もっとも本発明は、図13に示す中間成形品101のように、フランジ相当部107を目標形状のフランジ部7(図2)と同一の形状とし、天板相当部103を目標形状の天板部3と異なる形状とするものであってもよい。
このような中間成形品101においても、凹状湾曲中央におけるねじれ縦壁部105aと天板相当部103とのなす角度θ1に比べ、長手方向端部におけるねじれ縦壁部105aと天板相当部103とのなす角度θ2が小さければ、縦壁相当部105に形成されたねじれ縦壁部105aは図7に示すような面内せん断変形を受けてプレス成形される。そのため、中間成形品101を目標形状にプレス成形したプレス成形品1においては、フランジ部7の割れと天板部3のしわの双方を抑制することができる。
ただし、図6に示すように中間成形品21の天板相当部23が目標形状の天板部3と同一形状であれば、第2成形工程で用いる金型のパンチの上に中間成形品21を置いたとき、がたつきが無く安定してプレス成形を行うことができるため、目標形状の天板部3と同一の形状とした天板相当部23の中間成形品21を成形することが好ましい。
また、上記の説明において成形対象としたプレス成形品1は、天板部3とフランジ部7がともに長手方向に沿って高さ方向に凹状に湾曲したものであったが、本発明は、図14に示すように、天板部123のみが凹状に湾曲したプレス成形品121や、フランジ部147のみが凹状に湾曲したプレス成形品141を成形対象とするものであってもよい。
なお、上記の説明は、図2に例示したプレス成形品1のように、凹状湾曲部位11の曲率半径が長手方向において一定のものを成形対象とする場合についてものであった。もっとも、本発明は、曲率半径の異なる凹状湾曲部位が複数連続するようなプレス成形品を成形対象とするものであってもよい。
このような場合、曲率半径が一定の凹状湾曲部位ごとに、該凹状湾曲部位におけるねじれ縦壁部が該凹状湾曲部の長手方向の中央から端部側に向かってねじれた曲面形状となるようにすればよい。そして、各凹状湾曲部位において、該凹状湾曲部位の長手方向の中央に比べて該凹状湾曲部位のねじれ縦壁部の長手方向端部における天板相当部とねじれ縦壁部とのなす角度が小さくなるようにすればよい。
また、本実施の形態で成形対象としたプレス成形品1は、凹状湾曲部位11の長手方向両側に直線部位13を有するものであったが、本発明は、凹状湾曲部位の長手方向の片側に直線部位を有するプレス成形品や、凹状湾曲部位のみを有するプレス成形品を成形対象とするものであってもよい。
さらに、図2に例示したプレス成形品1は、天板部3と縦壁部5とのなす角度が長手方向に沿って一定、すなわち、図3に示すように、プレス成形品1の凹状湾曲中央(凹状湾曲部位11の長手方向の中央)における角度θ1,0と長手方向端部(縦壁部5の長手方向の端部)における角度θ2,0とが等しいものであった。もっとも、本発明は、天板部と縦壁部とのなす角度が長手方向に沿って変化する、すなわち、縦壁部が長手方向に沿ってねじれた曲面形状であるプレス成形品を成形対象とするものであってもよい。
このような場合、中間成形品のねじれ縦壁部の長手方向の端部における角度と凹状湾曲相当部位の長手方向の中央における角度との角度差を、目標形状のプレス成形品の凹状湾曲部位の長手方向の中央(凹状湾曲中央)における角度と、縦壁部の長手方向の端部(長手方向端部)における角度との角度差よりも大きくなるようにして、中間成形品のねじれ縦壁部を目標形状の縦壁部よりもさらに長手方向に沿ってねじれた曲面形状にすればよい。
例えば、中間成形品の凹状湾曲中央における天板相当部とねじれ縦壁部とのなす角度を目標形状の凹状湾曲中央における天板部と縦壁部となす角度とし、中間成形品の長手方向端部における天板相当部とねじれ縦壁部とのなす角度を、目標形状の長手方向端部における天板部と縦壁部とのなす角度よりも小さくすればよい。
≪プレス工法について≫
上記のように第1成形工程においてねじれ縦壁部25aを形成して面内せん断変形を生じさせたとしても、天板相当部23においては圧縮変形を受けてしわの発生が懸念される場合がある。このような場合、第1成形工程は、ブランクホルダとダイとでブランクの端部を挟圧しながらプレス成形するドロー成形が望ましい。
一方、第2成形工程では、ダイとパンチで挟み込んで成形するフォーム成形か、天板部のしわが懸念される場合は、パッドを用いたフォーム成形としてもよい。
図15に、第1成形工程でパッドを用いたフォーム成形(パッド適用フォーム成形)と、第2成形工程でパッドを用いないフォーム成形とした場合の金型とブランクの断面図を示す。
第1成形工程におけるパッド適用フォーム成形(図15(a)、(b))では、まず、ブランク201をパンチ213の上に設置する。続いて、ダイ211とパッド215がパンチ213側に下降してブランク201と接した際、ブランク201における天板相当部203a(図15(c)参照)に相当する部位201aをパッド215とパンチ213で保持した状態となる。そして、パッド215は下方に加圧した状態のままダイ211がさらに下降することで、中間成形品203を成形する。
その後、第2成形工程におけるパッドを用いないフォーム成形(図15(c)、(d))では、パンチ223の上に中間成形品203を設置し、ダイ221をパンチ223側に下降させてパンチ223と挟み込み、目標形状であるプレス成形品205を成形する。
本発明に係るプレス成形方法による作用効果について、具体的なプレス成形実験を行ったので、以下に説明する。
プレス成形実験では、図2に示すように、天板部3と縦壁部5とフランジ部とを有する断面ハット形状であり、側面視で天板部3とフランジ部7とが長手方向に沿って高さ方向に凹状に湾曲する凹状湾曲部位11とその長手方向両側に延在する直線部位13を有するプレス成形品1を成形対象とした。
プレス成形品1の寸法は、図16に示すように、天板部3の幅を60mm、縦壁部5の縦壁高さを70mm、フランジ部7の幅20mm、天板部3と縦壁部5のなす角度を80°とした。さらに、長手方向長さを385mm、凹状湾曲部位11の湾曲の曲率半径をR150mm、側面視したときの直線相当部位33における天板部3とプレス成形方向とのなす角度のうち鈍角側の角度を70°とした。
また、実験においてプレス成形に供した材料は、板厚1.4mm、引張強度1180MPa級の鋼板を使用した。
ここで、第1成形工程でのプレス工法は、パッドを用いたフォーム成形(図15(a)、(b)参照)とし、第2成形工程でのプレス工法はフォーム成形(図15(c)、(d)参照)とした。ここで、第1工程において、パッド荷重は10tonfとした。
第1成形工程は、図6に示すように、天板相当部23と、長手方向に沿ってねじれた形状のねじれ縦壁部25aを含む縦壁相当部25と、フランジ相当部27とが形成され、凹状湾曲相当部位31を有する中間成形品21をプレス成形するものとした。ここで、ねじれ縦壁部25aは、長手方向長さLを250mm、縦壁高さHを70mmとした(図8参照)。
図17に、中間成形品21の断面形状を示す。本実施例では、凹状湾曲相当部位31の長手方向の中央(図17(a))における天板相当部23とねじれ縦壁部25aとのなす角度θ1に比べ、ねじれ縦壁部25aの長手方向の端部(図17(b))における天板相当部23とのなす角度θ2の方が小さいものを本発明例とした。そして、この2つの角度θ1及び角度θ2を変えることにより角度差Δθ(=θ1−θ2)を種々に変更させて中間成形品21を第1成形工程でプレス成形し、続く第2成形工程で目標形状にプレス成形したプレス成形品1における割れとしわの有無により、プレス成形性を評価した。
割れの評価については、割れが有る場合は「×」、割れはないが板厚減少によるくびれが有る場合は「△」、割れ・くびれが一切無い場合は「○」とした。
しわの評価については、顕著なしわがある場合は「×」、微小なしわがある場合は「△」、しわが一切無い場合は「○」とした。
また、本実施例では、フォーム成形又はドロー成形の1工程でプレス成形品1をプレス成形するもの、及び、第1成形工程と第2成形工程の2工程でプレス成形品1をプレス成形するものであって、第1成形工程でプレス成形された中間成形品21の縦壁相当部25が長手方向に沿ってねじれた曲面形状ではないもの、を従来例とした。
さらに、第1成形工程と第2成形工程の2工程でプレス成形品1をプレス成形するものであって、第1成形工程でプレス成形される中間成形品21のねじれ縦壁部25aが、天板相当部23となす角度が凹状湾曲相当部位31の長手方向中央に比べて端部側が大きくなるようにねじれている、すなわち、凹状湾曲中央における角度θ1と長手方向端部における角度θ2との角度差Δθ(=θ1−θ2)が負の値であるものを比較例とした。
そして、従来例及び比較例に係るプレス成形品についても、本発明例と同様に割れとしわの有無を評価した。
表1に、プレス成形条件とプレス成形性の評価結果を示す。
表1において、凹状湾曲中央角度θ1は、中間成形品21の凹状湾曲相当部位31の長手方向の中央における天板相当部23とねじれ縦壁部25aとのなす角度であり(図17(a))、長手方向端部角度θ2は、ねじれ縦壁部25aの長手方向の端部における天板相当部23とねじれ縦壁部25a(又は縦壁相当部25)とのなす角度である(図17(b))。また、角度差Δθ、長手方向長さL及び縦壁高さHは、前述の実施の形態と同様に与えたものであり、ねじれ量Tは、角度差Δθ、長手方向長さL及び縦壁高さHを前述の式(1)に代入して求めたものである。
表1において、従来例2〜従来例4、比較例1〜比較例3及び発明例1〜発明例10は、角度差Δθが同じ条件ごとにまとめて示している。また、従来例1は、フォーム成形の1工程でプレス成形品1を成形したものである。天板部3と縦壁部5とのなす角度は目標形状である100°である。
従来例1においては、天板部3におけるしわの発生は見られなかったものの、フランジ部7に割れが発生した。
従来例2〜従来例4は、凹状湾曲中央角度θ1と長手方向端部角度θ2との角度差Δθが0であるため、縦壁相当部25に面内せん断変形を与えて中間成形品21をプレス成形することができなかった。そのため、中間成形品21を目標形状にプレス成形したプレス成形品1においては、天板部3とフランジ部7の長手方向の線長差が生じ、天板部3におけるしわとフランジ部7における割れの双方を同時に抑制することができなかった。
比較例1〜比較例3は、凹状湾曲中央角度θ1に比べて長手方向端部角度θ2の方が大きいものである。そのため、第1成形工程では凹状湾曲中央角度θ1と長手方向端部角度θ2との角度差Δθが0ではなく、ねじれ縦壁部25aは面内せん断変形を受けて成形されている。しかしながら、当該面内せん断変形の向きが本発明例に係るねじれ縦壁部におけるせん断変形の向きと逆向き(図12参照)であるため、天板相当部23とフランジ相当部27の長手方向の線長差が減少するものではなかった。その結果、目標形状のプレス成形品1においては、天板部3におけるしわとフランジ部7における割れの双方を同時に抑制することができなかった。
本発明例1〜本発明例13は、凹状湾曲中央角度θ1に比べて長手方向端部角度θ2の方が小さいものであり、凹状湾曲中央角度θ1、長手方向端部角度θ2、ねじれ縦壁部25aの長手方向長さL及び縦壁高さHを変更したものである。
表1より、本発明例1〜本発明例4(Δθ=20°)、本発明例5〜本発明例7(Δθ=40°)、本発明例8〜本発明例9(Δθ=60°)、本発明例10(Δθ=80°)や、長手方向端部角度θ2が目標形状の天板部3と縦壁部5のなす角度(=100°)よりも小さい本発明例11(θ2=95°)、ねじれ縦壁部25aの長手方向長さL及び縦壁高さHを変更した本発明例12(L=125mm)及び本発明例13(H=35mm)のいずれにおいても、割れとしわの双方を同時に抑制してプレス成形品がプレス成形できることが示された。
これは、本発明例1〜本発明例13に係る中間成形品21においては、ねじれ縦壁部25aは前掲の図7に示すような面内せん断変形を受けて成形されたことにより、天板部3とフランジ部7の長手方向の線長差が生じるのを低減したためであると考えられる。
さらに、ねじれ量Tが本発明の好適範囲内(10°以上20°以下)である本発明例5〜本発明例7(T=11.2°)、本発明例8〜本発明例9(T=16.8°)、本発明例11(T=18.2°)においては、プレス成形品1に割れとしわの発生は一切見られず、良好な結果が得られた。
以上、本発明に係るプレス成形方法によれば、側面視で長手方向に沿って高さ方向に凹状に湾曲する断面ハット形状のプレス成形品を、割れとしわの双方を抑制してプレス成形することができることが実証された。
1 プレス成形品
3 天板部
4 パンチ肩R部
5 縦壁部
6 ダイ肩R部
7 フランジ部
11 凹状湾曲部位
13 直線部位
21 中間成形品
23 天板相当部
24 パンチ肩R部
25 縦壁相当部
25a ねじれ縦壁部
26 ダイ肩R部
27 フランジ相当部
31 凹状湾曲相当部位
33 直線相当部位
41 中間成形品
43 天板相当部
45 縦壁相当部
45a ねじれ縦壁部
47 フランジ部
51 凹状湾曲相当部位
53 直線相当部位
61 中間成形品
63 天板相当部
65 縦壁相当部
65a ねじれ縦壁部
65b 面部
67 フランジ部
71 凹状湾曲相当部位
73 直線相当部位
81 中間成形品
83 天板相当部
85 縦壁相当部
85a ねじれ縦壁部
87 フランジ部
91 凹状湾曲相当部位
93 直線相当部位
101 中間成形品
103 天板相当部
105 縦壁相当部
105a ねじれ縦壁部
107 フランジ相当部
111 凹状湾曲相当部位
113 直線相当部位
121 プレス成形品
123 天板部
125 縦壁部
127 フランジ部
131 凹状湾曲部位
133 直線部位
141 プレス成形品
143 天板部
145 縦壁部
147 フランジ部
151 凹状湾曲部位
153 直線部位
201 ブランク
201a 部位
203 中間成形品
203a 天板相当部
205 プレス成形品
211 ダイ
213 パンチ
215 パッド
221 ダイ
223 パンチ

Claims (2)

  1. 天板部と、該天板部から連続する縦壁部と、該縦壁部から連続するフランジ部とを有する断面ハット形状であり、前記天板部及び/又は前記フランジ部が側面視で長手方向に沿って高さ方向に凹状に湾曲する凹状湾曲部位を有するプレス成形品を成形するプレス成形方法であって、
    前記天板部に相当する天板相当部と、前記縦壁部に相当し、長手方向に沿ってねじれた形状のねじれ縦壁部を含む縦壁相当部と、が形成され、前記凹状湾曲部位に相当する凹状湾曲相当部位を有する中間成形品をプレス成形する第1成形工程と、
    該中間成形品を前記プレス成形品にプレス成形する第2成形工程と、を備え、
    前記第1成形工程におけるねじれ縦壁部は、前記天板相当部となす角度が、前記凹状湾曲相当部位の長手方向中央に比べて端部側が小さくなるようにねじれている、ことを特徴とするプレス成形方法。
  2. 前記第1成形工程におけるねじれ縦壁部は、下式で与えられるねじれ量Tが10°以上20°以下の範囲となるように設定されていることを特徴とする請求項1記載のプレス成形方法。
    T=Δθ×(H/L)
    ただし、
    Δθ:角度差(=θ1−θ2
    θ1:凹状湾曲相当部位の長手方向中央におけるねじれ縦壁部と天板相当部とのなす角度(°)
    θ2:ねじれ縦壁部の長手方向端部におけるねじれ縦壁部と天板相当部とのなす角度(°)
    H:ねじれ縦壁部の縦壁高さ(mm)
    L:ねじれ縦壁部の長手方向長さ(mm)
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