JP2020173169A - 周径計測装置及び静電容量型センサ素子 - Google Patents

周径計測装置及び静電容量型センサ素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 柱状の測定対象物の周径の変化を、簡便、確実かつ安全に連続して計測することができる周径計測装置を提供する。【解決手段】 柱状の測定対象物の周囲に巻き付け可能なセンサ本体と、前記センサ本体が接続される解析装置とを備え、前記測定対象物の周径を計測するための周径計測装置であって、前記センサ本体は、伸縮可能な検出部を有し、前記測定対象物の周径の変化に応じて、前記測定対象物の周方向に沿って前記検出部が伸縮するセンサ素子と、前記センサ素子と前記解析装置とを接続する接続ケーブルとを備え、前記センサ本体は、スナップボタンの留め外しによって、着脱可能に前記測定対象物の周囲に巻き付けられるように構成され、前記スナップボタンは、凸部材と凹部材とからなり、前記センサ本体を前記測定対象物の周囲に巻き付けた際に、前記凸部材の凸部が前記測定対象物の径方向を向くように設けられている、周径計測装置。【選択図】 図5

Description

本発明は、周径計測装置及びこの周径計測装置に用いられる静電容量型センサ素子に関する。
健康管理の観点からむくみ(浮腫)を測定することが提案されている。
むくみの計測方法として、例えば、特許文献1には超音波診断装置を用いた浮腫度の計測方法が記載されている。
特開2017−86454号公報
特許文献1に記載された浮腫度の計測方法は超音波診断装置を用いて行う。そのため、計測には専用の設備が必要であり、被験者のむくみの状態を簡便に計測することは難しく、また、日常生活を営む被験者のむくみを経時的に計測することも難しかった。
本発明者らは、このような状況のもと鋭意検討を重ね、ふくらはぎの周径のみならず、柱状の測定対象物の周径の変化を、簡便、確実かつ安全に連続して計測することができる周径計測装置を完成した。
(1)本発明の周径計測装置は、柱状の測定対象物の周囲に巻き付け可能なセンサ本体と、上記センサ本体が接続される解析装置とを備え、上記測定対象物の周径を計測するための周径計測装置であって、
上記センサ本体は、伸縮可能な検出部を有し、上記測定対象物の周径の変化に応じて、上記測定対象物の周方向に沿って上記検出部が伸縮するセンサ素子と、上記センサ素子と上記解析装置とを接続する接続ケーブルとを備え、
上記センサ本体は、スナップボタンの留め外しによって、着脱可能に上記測定対象物の周囲に巻き付けられるように構成され、
上記スナップボタンは、凸部材と凹部材とからなり、上記センサ本体を上記測定対象物の周囲に巻き付けた際に、上記凸部材の凸部が上記測定対象物の径方向を向くように設けられている、ことを特徴とする。
本発明の周径計測装置では、センサ本体がスナップボタンの留め外しによって、着脱可能に上記測定対象物の周囲に巻き付けられるように構成されている。そのため、上記センサ本体は、予めリング状に設けられたセンサ本体とは異なり、柱状の測定対象物の端部からリング内に測定対象物を通すようにして取り付ける必要がなく、測定対象物の測定位置に巻き付ければ良いため、簡便に測定対象物に装着することができる。
更に、上記測定対象物では、凸部材と凹部材とからなるスナップボタンが、上記センサ本体を上記測定対象物の周囲に巻き付けた際に、上記凸部材の凸部が上記測定対象物の径方向を向くように設けられている。
そのため、測定対象物の周径が増大する際に、測定対象物の周方向に沿って強い張力が生じても、スナップボタンの上記凸部が楔として機能し、上記センサ本体は、測定対象物の周径の増大によって当該測定対象物から容易に外れてしまうことがない。
また、上記センサ本体がスナップボタンによって着脱可能に構成されているため、センサ本体は、測定対象物の径方向に人為的な力を加えることによって測定対象物から速やかに取り外すことができる。そのため、上記センサ本体は、測定時の安全性も確保されている。
(2)上記(1)の周径計測装置において、上記センサ素子は、
エラストマー製の誘電層と、上記誘電層の上面に形成された第1電極層と、上記誘電層の下面に形成された第2電極層とを含み、上記第1電極層及び上記第2電極層の対向する部分を検出部とするセンシング部と、
上記センシング部の伸縮方向における両端側に設けられた着脱部と
を有する静電容量型センサ素子が好ましい。
この静電容量型センサ素子は、測定対象物の周径が変化した際に、検出部が測定対象物の周方向に沿って伸縮するのに適しており、上記周径計測装置を構成するセンサ素子として好適である。
(3)上記(2)の周径計測装置において、
上記センサ本体は、導電性素材からなる第1スナップボタン及び第2スナップボタンを含み、
各スナップボタンの凸部材及び凹部材の一方が上記センサ素子の上記着脱部に設けられ、
各スナップボタンの凸部材及び凹部材の他方が上記接続ケーブルに設けられ、
上記第1スナップボタンが上記第1電極層と電気的に接続され、上記第2スナップボタンが上記第2電極層と電気的に接続される、
ことが好ましい。
この場合、スナップボタンをセンサ素子と接続ケーブルとを電気的に接続するため接続端子として使用することできる。そのため、周径計測装置において、部品点数の削減や装置の小型化を図ることができる。
(4)本発明の静電容量型センサ素子は、上記(3)の周径計測装置に用いられるセンサ素子であって、
エラストマー製の誘電層と、上記誘電層の上面に形成された第1電極層と、上記誘電層の下面に形成された第2電極層とを含み、上記第1電極層及び上記第2電極層の対向する部分を検出部とするセンシング部と、
上記センシング部の伸縮方向における両端側に設けられた着脱部と、
を有することを特徴とする。
この静電容量型センサ素子は、上記周径計測装置を構成するセンサ素子として好適に使用することができる。
本発明によれば、柱状の測定対象物の周径の変化を、簡便、確実かつ安全に連続して計測することができる。
第1実施形態に係る周径計測装置を示す概略図である。 第1実施形態におけるセンサ素子を示す斜視図である。 (a)は第1実施形態におけるセンサ素子の一部を示す斜視図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。 図2に示したセンサ素子の分解断面図である。 (a)は第1実施形態に係る周径計測装置の使用方法を説明するための図であり、(b)は第1実施形態における接続ケーブルを示す斜視図である。 (a)は第2実施形態におけるセンサ素子の一部を示す斜視図であり、(b)は(a)のB−B線断面図である。 第2実施形態におけるセンサ素子の分解断面図である。 実施例におけるセンサ本体の取り付け箇所を説明するための図である。 実施例で行った周径の計測結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る周径計測装置を示す概略図である。
図2は、本実施形態におけるセンサ素子を示す斜視図である。
図3(a)は、本実施形態におけるセンサ素子の一部(主にセンシング部)を示す斜視図であり、図3(b)は(a)のA−A線断面図である。
図4は、図3に示したセンサ本体の分解断面図である。
図5(a)は本実施形態に係る周径計測装置の使用方法を説明するための図であり、図5(b)は本実施形態における接続ケーブルを示す斜視図である。
本実施形態に係る周径計測装置1は、図1に示すように、静電容量型センサ素子(以下、単にセンサ素子ともいう)2Aと接続ケーブル2Bとを備えたセンサ本体2と、センサ素子2Aと接続ケーブル2Bを介して電気的に接続された解析装置3と、解析装置3での計測結果を表示するための表示器4とを備える。
センサ本体2は、図2〜図5(b)に示すように、シート状のセンサ素子2A(図2参照)と接続ケーブル2B(図5(b)参照)とを備える。
センサ素子2Aは、検出部19を含むセンシング部10と、センシング部10の伸縮方向(図3(a)中、左右方向)における、センシング部10の両端側に設けられた非伸縮性の着脱部30(30A、30B)とを備える。
なお、本発明の実施形態において、センシング部の伸縮方向とは、計測時にセンサ本体(センシング部)が伸縮する方向をいう。
センシング部10は、図3(a)、(b)に示すように、誘電層、電極層、電極接続部を含む積層体である。
センシング部10は、帯状を有し、長手方向(図中、左右方向)に伸縮可能に構成されている。
センシング部10は、伸縮性を有するシート状の誘電層11と、誘電層11のおもて面に形成された表側電極層(第1電極層)12Aと、誘電層11の裏面に形成された裏側電極層(第2電極層)12Bと、表側電極層12Aに連結された上記長手方向に延びる表側配線13Aと、裏側電極層12Bに連結された上記長手方向に延びる裏側配線13Bとを備える。
誘電層11は、ウレタンゴム等のエラストマーを含むエラストマー組成物からなる。表側電極層12A、裏側電極層12B、表側配線13A及び裏側配線13Bは、いずれも、例えば、カーボンナノチューブ等の導電材料を含む導電性組成物からなる。
誘電層11の表側及び裏側のそれぞれには、更に、表側電極層12A及び裏側電極層12Bを覆うように表側保護層15A及び裏側保護層15Bが設けられている。
センシング部10は、非伸縮性の樹脂シート17の上面に銅箔からなる2つの電極接続部16A、16Bが設けられたシート状の接続部材18を備える。センシング部10では、表側配線13Aと電極接続部16A、及び、裏側配線13Bと電極接続部16Bがそれぞれ導電性接着剤14A、14Bを介して電気的に接続されている。
接続部材18は、電極接続部16A及び電極接続部16Bのそれぞれに隣接するように貫通孔22A、22Bが設けられている。貫通孔22A、22Bは、スナップボタン31を構成する凸部材32の凸部32aを挿通させるための貫通孔である。
貫通孔22A、22Bに凸部32aが挿通されたスナップボタン31の凸部材32は、接着剤(図示せず)で樹脂シート17に固定される。
接続部材18において、凸部材32と電極接続部16A、16Bとは半田33で接続される。
センサ素子2Aにおいて、接続部材18の上方には、接続部材18と厚さ方向で重なる位置に、樹脂製の保護シート35が設けられる。これによって、接続部材18の上記電極接続部等が保護される。
なお、スナップボタン31の凸部材として2つパーツからなりカシメ固定される凸部材を採用する場合は、一方のパーツ(の凸部)のみ貫通孔22A、22Bを貫通させ、他方のパーツは樹脂シート36Aの外側に配置し、両者をかしめることによって上記凸部材をセンサ素子に固定すれば良い。
表側電極層12Aと裏側電極層12Bとは、同一の平面視形状を有しており、誘電層11を挟んで表側電極層12Aと裏側電極層12Bとは全体が対向している。
センシング部10では、表側電極層12Aと裏側電極層12Bとの対向した部分が検出部19となる。
上記センシング部において、表側電極層と裏側電極層とは誘電層を挟んでその全体が対向している必要はなく、少なくともその一部が対向していれば良い。
また、上記センシング部を平面視した際に、上記検出部と上記接続部材とは、両者の縁部同士が少し重なっていても良いし(例えば、伸縮方向において1〜2mm程度)、両者の外縁の位置が一致していても良いし、両者の外縁の位置が少し離間していても良い。なお、図3(b)に示したセンシング部10を平面視した際には、検出部19の外縁の位置と接続部材18の外縁の位置とが一致している。
センシング部10は、誘電層11が上記長手方向に伸縮可能である。従って、誘電層11は、表裏面の面積が変化するように変形することができる。また、誘電層11が変形した際には、その変形に追従して表側電極層12A及び裏側電極層12B、並びに、表側保護層15A及び裏側保護層15B(以下、両者を合わせて単に保護層ともいう)も変形することができる。
そのため、センシング部10では、検出部19の静電容量が誘電層11の変形量(電極層の面積変化)と相関をもって変化する。よって、上記検出部の静電容量の変化を検出することで、検出部19の長手方向の長さの変化を把握することができる。
センシング部10の裏面側では、長手方向の一端側(図3(a)中、左右方向の右側)にのみ非伸縮性の部材(樹脂シート17)を備えているが、本発明の実施形態に係るセンサ素子は、センサ素子の裏面側であって、長手方向の他端側(図3(a)中、左右方向の左側)にも非伸縮性の部材(例えば、樹脂シート)を備えていても良い。
センサ素子2Aは、図2、4に示すように、センシング部10の両面に伸縮性の布生地からなる被覆部材21(21A、21B)が設けられている。センサ素子2Aでは、少なくとも検出部19がこの2枚の布生地同士の間に挟み込まれている。被覆部材21を設けることによりセンシング部10を保護することができる。一方、被覆部材21は、センサ素子2Aの厚さ方向において、スナップボタンとは重ならない位置に設けられている。
センサ素子2Aは、センシング部10の長手方向(伸縮方向)の両端側に着脱部30(30A、30B)が設けられている。
着脱部30Aは、塩化ビニル樹脂等からなる2枚の樹脂シート36A、36Bが接着剤(図示せず)で貼り合わせられてなる。ここで、樹脂シート36Aには、スナップボタン31の凸部32a、32bを挿通させる貫通孔136が設けられており、凸部32a、32bは、この貫通孔136を介して樹脂シート36Aの外側に突出している。
センシング部10の一方の端部は、2枚の樹脂シート36A、36Bの間に挟み込まれて固定されている。
着脱部30Bは、塩化ビニル樹脂等からなる2枚の樹脂シート37A、37Bが接着剤(図示せず)で貼り合わせられてなる。着脱部30Bは、貼り合わせられた2枚の樹脂シート37A、37Bを貫通する複数の貫通孔137(137a、137b)を有する。
ここで、貫通孔137aはセンサ素子2Aの長手方向に沿って等間隔に複数個設けられている。貫通孔137bもセンサ素子2Aの長手方向に沿って等間隔に複数個設けられている。
貫通孔137aは、センサ素子2Aを測定対象物の周囲に巻き付けた際に、着脱部30Aの凸部32aが挿通する貫通孔である。貫通孔137bは、センサ素子2Aを測定対象物の周囲に巻き付けた際に、着脱部30Aの凸部32bが挿通する貫通孔である。
貫通孔137a、137bはそれぞれ複数個設けられているため、センサ素子2Aを測定対象物の周囲に巻き付ける際には、測定対象物の周径に応じて適切な位置の貫通孔を選択することができる。そのため、センサ素子2Aは、種々の周径の測定対象物に適切に巻き付けることができる。なお、スナップボタン31の凸部32a、32b及び樹脂シート37A、37Bの寸法は、樹脂シート37B側から挿通された凸部32a、32bが、樹脂シート37A側から外側に突出するように設計されている。ここで、スナップボタン31の凸部32a、32bの樹脂シート37A側から外側に突出する部分の長さは、1mm以上であることが好ましく、2mm以上がより好ましい。一方、上記突出する部分の長さは、5mm以下が好ましい。
センサ素子2Aにおいて、センシング部10の他方の端部は、2枚の樹脂シート37A、37Bの間に挟み込まれて固定されている。
センサ本体2は、このようなセンサ素子2Aと、接続ケーブル2Bとを備える。
接続ケーブル2Bは、図5(a)、(b)に示すように、センサ素子2Aとの接続端子40、アンプ回路44、接続端子40とアンプ回路44とを接続する配線41、及び、アンプ回路44を解析装置3に接続するための配線47を備える。
接続端子40は、スナップボタン31の凹部材42を2個備えている。この凹部材42は、凹部42a、42bが、センサ素子2Aが備えるスナップボタン31の凸部32a、32bと嵌合するように設けられている。
接続端子40において、2個の凹部材42は、樹脂製の支持部材43に接着剤(図示せず)で固定されている。更に、凹部材42は、配線41と半田で接続されている。
周径計測装置1は、解析装置3、及び、表示器4を備える。
解析装置3は、センサ素子2Aが有する検出部19の静電容量を計測する検出回路3a、取得した静電容量に基づいて検出部19の長さを算出する演算部3bを備えている。
検出回路3aは、キャリアを発生させるための発振回路、C/V変換回路、F/V変換回路等を適宜組み合わせて構成される。解析装置3において静電容量を計測するための検出回路の構成はこのような構成に限定されず、静電容量を計測することができる検出回路であれば良い。
また、接続ケーブル2Bが備えるアンプ回路44は、解析装置3が備えていても良い。
表示器4は、モニター4a、記憶部4bを備えている。
表示器4において、モニター4aは測定対象物50の周径の計測結果を表示する。また、記憶部4bは、上記計測結果や、周径の算出に使用したデータを記憶する。
本発明の実施形態において、演算部3b及び表示器4としてパソコンやスマートフォン、タブレット等の端末機器を使用しても良い。
次に、周径計測装置1を用いた測定対象物の周径の計測方法を説明する。
周径計測装置1による計測対象は、柱状(筒状も含む)の測定対象物の外周径(単に周径と称する)である。
周径計測装置1による計測では、図5(a)に示すように、柱状の測定対象物50の周囲にセンサ素子2Aを取り付ける。
具体的には、センサ素子2Aを測定対象物50の周囲に巻きつけて、センサ素子2Aの着脱部30Aが有する凸部32a、32bを、着脱部30Bに設けられた貫通孔137a、137bに挿通させる。その後、樹脂シート37B側から突出した凸部32a、32bに接続ケーブル2Bに設けられた接続端子40の凹部42a、42bを嵌合させてスナップボタンを留める。これにより、センサ本体2を測定対象物50の周径を計測する位置に取り付けることができる。
最後に、接続ケーブル2Bの接続端子40と反対側に設けられたコネクタ48を解析装置3に接続し、測定系を完成する。
なお、センサ素子2Aを巻き付ける際には、予めセンシング部10を少し伸長させた状態(プリテンション状態)で巻き付けても良い。この場合、センサ素子2Aは、計測時により位置ズレしにくくなる。
ここで、センサ本体2の測定対象物50に対する着脱は、スナップボタンの留め外しによって行うことができるため、容易である。また、センサ素子2Aは、測定対象物50の測定位置に巻き付けて取り付けるため、測定対象物50が長さの長い部材であっても、測定対象物50の所望の位置にセンサ素子2Aを簡便に装着することができる。
周径計測装置1による計測では、センシング部10を有するセンサ素子2Aが測定対象物50の周囲に巻き付けられており、測定対象物50の周径の変化(増減)に応じて、センシング部10の誘電層11が伸縮する。その結果、検出部19の静電容量が誘電層11の伸縮量に応じて変化する。従って、検出部19の静電容量の変化を計測することにより、その結果に基づいて測定対象物50の周径の変化を計測することができる。
更に、周径計測装置1では、センサ本体2を測定対象物50に取り付けた際に、スナップボタン31の凸部が測定対象物50の径方向を向くことになる。
そのため、測定対象物50の周径が増大する際に、測定対象物50の周方向に沿って強い張力が生じても、スナップボタン31の凸部が楔として機能する。従って、センサ本体2は、測定対象物50から容易に外れてしまうことがない。
一方、センサ本体2はスナップボタン31によって測定対象物に装着されているため、何らかの理由でセンサ本体2を測定対象物50から早急に取り外す必要が生じた際には、測定対象物50の径方向に力を加えれば速やかに取り外すことができる。そのため、周径計測装置1では、測定時の安全性も確保されている。
加えて、周径計測装置1によれば、測定対象物50にセンサ本体2を取り付けた状態を長期間維持することができるため、測定対象物50の周径の変化を連続的に測定することもできる。
測定対象物50の具体例としては、例えば、手や足が挙げられる。
手や足の周径、特に、手首、足首、ふくらはぎ等の周径を計測すれば手や足におけるむくみ(浮腫)の発生の有無を評価することができる。そして、むくみの発生の有無を評価することは、心疾患や腎疾患等を含む様々な疾患を発見、管理する上で有用である。
他の具体例としては、例えば、陰茎が挙げられる。
陰茎の周径変化を計測することによって、ED(***機能の低下)を評価することができる。
更には、腹囲や胸囲、胴囲等も測定対象物の具体例として挙げられる。
測定対象物50は生体に限定されず、生体以外であっても良い。
生体以外の測定対象物50の具体例としては、ホースやチューブなど、流体を流すための管状物が挙げられる。この菅状物が、流体の流量や圧力の変化によって周径変化するものであれば、その周径変化を計測することによって、流量や圧力の変化を把握することができる。
本発明の実施形態においては、周径が変化し得る柱状のものであれば、その他、種々のものを測定対象物とすることができる。
(第2実施形態)
本実施形態は、センシング部において、配線(表側配線及び裏側配線)とスナップボタンとを電気的に接続する構造が第1実施形態と異なる。
図6(a)は、本実施形態におけるセンサ素子の一部(主にセンシング部)を示す斜視図であり、図6(b)は(a)のB−B線断面図である。図7は、本実施形態におけるセンサ素子の分解断面図である。なお、図6、7において、図3、4と同様の符号が付された部材は、第1実施形態の構成部材と同様の部材である。
本実施形態のセンシング部210では、接続部材としてスナップボタンの凸部材を挿通させる貫通孔の無い接続部材218を採用している。接続部材218は、シート状の部材であり、非伸縮性の樹脂シート217の上面に銅箔からなる2つの電極接続部16A、16Bが形成されている。更に、樹脂シート217の上面には、電極接続部16A、16Bから引き出された接触端子233A、233Bが設けられている。接触端子233A、233Bは、スナップボタン232と接触して電気的に接続される部材である。接触端子233A、233Bは、銅箔製で、銅箔をパターニングして形成されている。
また、センシング部210では、電極接続部16A、16Bの上方に樹脂製の保護シート235が設けられており、電極接続部16A、16Bが保護されている。
センシング部210において、接続部材218は、上述したように貫通孔が形成されておらず、スナップボタンを構成する凸部材232は、基部232cが接触端子233A、233Bと接触することによって電気的導通が確保されている。スナップボタンの凸部232aは樹脂シート36Aに設けられた貫通孔136のみを貫通し、樹脂シート36Aの外側に突出している。
このような構成のセンシング部210を備えたセンサ本体202Aも、第1実施形態のセンサ本体2Aと同様の作用効果を奏することができる。
本実施形態の構成は、接続部材218の寸法が小さい場合に適した構成である。
(他の実施形態)
本発明の実施形態に係るセンサ本体において、当該センサ本体が備えるセンサ素子は、図3(a)、(b)に示したセンサ素子に限定されず、誘電層(第1誘電層)及びその両面に形成された第1電極層及び第2電極層に加えて、第2誘電層及び第3電極層を備えるセンサ素子であっても良い。
このセンサ素子では、第1電極層のおもて面側(誘電層側と反対側)に、更に第2誘電層及び第3電極層がこの順で積層されている。このとき、第2誘電層は、第1誘電層の表側に第1電極層を覆うように積層されており、第3電極層は、第2誘電層を挟んで第1電極層と対向するように積層されていれば良い。
この場合、第1電極層と第2電極層との対向した部分を第1検出部、第1電極層と第3電極層との対向した部分を第2検出部とし、第1検出部の静電容量と第2検出部の静電容量との和をセンサ素子における検出部の静電容量とする。
このような構成のセンサ素子を採用した場合、生体などの導体をノイズ源とする計測精度の低下を抑制することができる。そのため、より正確に測定対象物の周径変化を計測することが可能となる。
第1実施形態に係る周径計測装置1では、センサ素子2Aがスナップボタンの凸部材を備え、接続ケーブル2Bがスナップボタンの凹部材を備えているが、本発明の周径計測装置の実施形態では、センサ素子2Aがスナップボタンの凹部材を備え、接続ケーブル2Bがスナップボタンの凸部材を備えていても良い。この場合も上述したスナップボタンを備えることによる効果を享受することができる。
更には、センサ本体が複数のスナップボタンを備える場合には、センサ素子2Aがスナップボタンの凹部材と凸部材とを混在して備え、接続ケーブル2Bが、センサ素子2Aが備える凹部材及び凸部材と対応する凸部材及び凹部材を備えていても良い。
第1実施形態に係る周径計測装置1において、センシング部10は、図3に示したように、表側電極層12Aに連結された表側配線13Aと裏側電極層12Bに連結された裏側配線13Bとが、センシング部10の長手方向において同じ側(図3中、右側)に形成されている。また、表側配線13A及び裏側配線13Bのそれぞれと電気的に接続された2つのスナップボタン31のそれぞれも同様に同じ側に設けられている。
一方、本発明の実施形態において、上記センシング部を構成する上記表側配線及び上記裏側配線は、電極層(表側電極層及び裏側電極層)に対して同じ側に形成されている必要はなく、平面視時のセンシング部の長手方向において、上記裏側配線は、上記電極層を挟んで上記表側配線と反対側に形成されていても良い。また、この実施形態の場合、裏側配線と電気的に接続されたスナップボタンは、平面視時のセンシング部の長手方向において、表側配線と電気的に接続されたスナップボタンと上記電極層を挟んで反対側に位置するように設けられていることが好ましい。
本発明の実施形態では、周径計測装置の設計に応じて補強部材を設けても良い。例えば、第2実施形態にセンシング部210において、樹脂シート36Aの貫通孔136周辺に当該貫通孔136を補強するため樹脂シートを補強部材として配置しても良い。
本発明の実施形態に係る周径計測装置において、センサ素子は、静電容量型のセンサ素子に限定されない。
上記センサ素子は、例えば、「検出部の伸縮に応じて電気抵抗が変化し、この電気抵抗の変化に応じた検出部の長さの変化を計測するセンサ素子」であっても良いし、「検出部の伸縮に応じてインダクタンスが変化し、このインダクタンスの変化に応じた検出部の長さの変化を計測するセンサ素子」であっても良い。
次に、上述した本発明の実施形態に係る周径計測装置の構成部材について説明する。
[センサ本体]
<センサ素子>
以下、静電容量型センサ素子について説明する。
<<誘電層>>
上記静電容量型センサ素子は、エラストマー製の誘電層を備える。
上記誘電層は、エラストマー組成物を用いて形成されたシート状物であり、その表裏面の面積が変化するように可逆的に変形することができる。従って、上記誘電層は面方向に変形することができる。本発明の実施形態において、誘電層の表裏面とは、誘電層のおもて面及び裏面を意味する。
上記エラストマー組成物としては、例えば、エラストマーと、必要に応じて他の任意成分とを含有するものが挙げられる。
上記エラストマーとしては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、水素添加ニトリルゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上併用しても良い。
上記エラストマーは、ウレタンゴム、シリコーンゴムが好ましい。永久歪み(または永久伸び)が小さいからである。
上記エラストマー組成物は、エラストマー以外に、例えば、可塑剤、酸化防止剤、老化防止剤、着色剤等の添加剤、誘電性フィラー等を含有しても良い。
上記誘電層の平均厚さは、静電容量を大きくして検出感度の向上を図る観点から、10〜1000μmが好ましい。より好ましくは、30〜200μmである。
上記誘電層の変形可能量は、測定対象物の周径の変化量に応じて適宜選択すれば良く、例えば、上記測定対象物が足首である場合には、伸縮方向において、長さが無伸長状態から30%以上増大するように変形可能であることが好ましい。
ここで、30%以上増大するように変形可能であるとは、荷重をかけて伸縮方向の長さを30%増大させても破断することがなく、かつ、荷重を解放すると元の状態に復元する(即ち、弾性変形範囲にある)ことを意味する。
なお、上記誘電層の変形可能な範囲は誘電層の設計(材質や形状等)により制御することができる。
<<電極層(表側電極層及び裏側電極層)>>
上記電極層は、導電材料を含有する導電性組成物からなる。
上記表側電極層及び上記裏側電極層は通常同一の材料を用いて形成されるが、必ずしも同一材料を用いる必要はない。
上記導電材料としては、例えば、カーボンナノチューブ、導電性カーボンブラック、グラファイト、金属ナノワイヤー、金属ナノ粒子、導電性高分子等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上併用しても良い。
上記導電材料としては、カーボンナノチューブや、金属ナノワイヤーなどアスペクト比が大きいものが好ましい。誘電層の変形に追従して変形する電極層の形成に適しているからである。上記導電材料としては、カーボンナノチューブがより好ましい。
上記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブであっても良いし、多層カーボンナノチューブであっても良い。
上記導電性組成物は、上記導電材料以外に、例えば、導電材料のつなぎ材料として機能するバインダー成分や、各種添加剤を含有しても良い。
上記添加剤としては、例えば、導電材料のための分散剤、バインダー成分のための架橋剤、加硫促進剤、加硫助剤、老化防止剤、可塑剤、軟化剤、更には着色剤等が挙げられる。
<<保護層>>
上記センサ素子は、上記保護層(表側保護層及び裏側保護層)を備えていても良い。上記保護層を設けることにより、電極層等を外部から電気的に絶縁することができる。また、上記保護層を設けることにより、センサ素子の強度や耐久性を高めることができる。
上記保護層の材質としては、例えば、上記誘電層の材質と同様のエラストマー組成物等が挙げられる。
<<配線>>
上記静電容量型センサ素子は、図3(a)等に示したように、通常、各電極層と接続された各配線が形成されている。
各配線は、誘電層の変形を阻害せず、かつ、誘電層が変形しても導電性が維持されるものであれば良く、例えば、上記電極層と同様の導電性組成物からなるものが挙げられる。
<<接続部材>>
上記接続部材は、シート状の基材と、上記基材の上面に形成された複数の電極接続部とからなる。
上記シート状の基材としては、例えば、樹脂フィルムや樹脂板、不織布等の布生地等を使用することができる。上記シート状の基材は、上記伸縮性基材が伸縮しても実質的に伸縮(変形)しないものが好ましい。当該基材が容易に変形すると、電極接続部等が破断する等の不都合が発生しやすくなるからである。
上記樹脂フィルムや樹脂板の樹脂材料としては特に限定されず、例えば、PET等のポリエステル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)等が挙げられる。
上記電極接続部としては、例えば、銅箔等の金属箔からなるもの等が挙げられる。更に、上記電極接続部は銅箔以外にも、例えば、金属材料からなる印刷層やメッキ層であっても良い。
上記電極接続部は、例えば、接着剤を用いて上記基材に固定されている。
上記電極接続部は、電極層に接続された配線(表側配線や裏側配線)と導電性接着剤を介して電気的に接続されている。上記導電性接着剤としては特に限定されず、従来公知の導電性接着剤を使用することができ、市販品も使用することができる。
上記接続部材を構成するシート状の基材には、スナップボタンの凸部を挿通させるための貫通孔が設けられていても良い。
上述した通り、本発明の実施形態において、上記スナップボタンの凸部を挿通させるための貫通孔は、任意の構成要素である。
上記貫通孔が設けられていないシート状の基材を用いる場合には、第2実施形態のような構成を採用すれば良い。また、上記貫通孔が設けられていないシート状の基材を用いる場合には、例えば、図6(a)に示した樹脂シート217上に、凸部が樹脂シート217の上側(図6中、上側)を向くようにスナップボタンを構成する凸部材を取り付けても良い。
このような構成を備えたセンシング部は、例えば、特開2016−90487号公報に記載されたセンサシートの作製方法と同様の方法を用いて誘電層の表裏面に電極層と保護層とが積層されたセンシング部を作製した後、上記接続部材を取り付けることにより製造することができる。
<<被覆部材>>
上記被覆部材は、主に上記センシング部の上下に設けられた絶縁性の部材である。
上記被覆部材としては、例えば、伸縮性を有する布生地や、エラストマー組成物からなる部材が挙げられる。上記被覆部材は、伸縮異方性を有する部材が好ましい。
上記伸縮性を有する布生地は特に限定されず、織物であっても良いし、編物であっても良く、更には不織布であっても良い。
上記布生地は、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着材、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の粘着剤を用いて上記センサ素子と一体化されている。ここで、上記粘着剤は、上記誘電層の伸縮を阻害しない柔軟性が必要である。
<<着脱部>>
上記着脱部は、センシング部の伸縮方向の両端側に設けられた領域であり、非伸縮性の部材からなる。
上記着脱部は、例えば、非伸縮性の樹脂フィルムや、非伸縮性の布生地を貼り合わせて構成される。
上記着脱部は、上記センサ素子の厚さ方向において検出部と重ならない位置に設けられている。
また、上記着脱部を構成する樹脂フィルムには、スナップボタンの凸部を挿通させる貫通孔が設計に応じて必要個数設けられている。
また、着脱部は、スナップボタンの凸部材又は凹部材を備えている。
<接続ケーブル>
接続ケーブルは、センサ素子と解析装置とを接続するための部材である。
上記接続ケーブルは、センサ素子と接続するための接続端子を有しており、この接続端子には、上記着脱部が備えるスナップボタンの凸部材又は凹部材と対になる、スナップボタンの凸部材又は凹部材が設けられている。
上記接続ケーブルは、上述した通り、センシング部における検出部の静電容量を増幅するためのアンプ回路を有していても良い。
<スナップボタン>
スナップボタンは、凸部材と凹部材とからなる部材である。本発明の実施形態においてスナップボタンとは、凸部材の凸部が凹部材の凹部に嵌合して互いに固定される構成を備えるものであれば良い。
上記スナップボタンの素材は、導電性素材が好ましい。その理由は既に説明した通りである。
上記スナップボタンは、平面視した際の径寸法が10mm以下のものが好ましい。上記径寸法が10mmを超えると、センサ本体を測定対象物に取り付けた際に、センサ素子が当該測定対象物の外周面に沿いにくくなる。上記スナップボタンは、上記径寸法が7mm以下のものがより好ましい。
上記スナップボタンは、大きく分けて2種類がある。1つ目は、凸部材及び凹部材のそれぞれが1つのパーツからなるスナップボタンであり、このタイプのスナップボタンは、例えば縫製で取り付けて使用する。もう1つは、凸部材及び凹部材のそれぞれが2つのパーツからなるスナップボタンであり、このタイプのスナップボタンは、例えばカシメ固定で取り付けて使用する。本発明の実施形態では、いずれのスナップボタンも使用することができる。
また、上記スナップボタンは、種々の名称で呼ばれることがあり、例えば、バネホック、ドットボタン、アメリカンホック、リングスナップ等は、いずれも上記スナップボタンに含まれる。
<解析装置>
上記解析装置は、上記センサ本体と接続されている。上記解析装置は、各センサ素子の上記検出部の静電容量に基づき、測定対象物の周径(及びその変化)を算出する。
上記静電容量を計測する方法としては特に限定されず、上述した検出回路3aを用いる方法のほか、従来公知の種々の方法を用いて計測することができる。
<表示器>
上記表示器により上記周径計測装置の使用者は、上記静電容量の変化に基づく測定対象物の周径の変化をリアルタイムで確認することができる。
上記表示器は、モニターや記憶部等を備える。上記記憶部は解析装置3が備えていても良い。
上記表示器としては、パソコン、スマートフォン、タブレット等の端末機器を利用しても良い。
上記周径計測装置において、解析装置3と表示器4との接続は有線で行われても良いし、無線で接続されていても良い。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、図2、図5(b)、図6、図7に示したセンサ本体とほぼ同じ構造のセンサ本体2を作製した。その後、このセンサ本体2を用いて、被験者の足首の経時変化を約20時間、連続的に計測した。
<センサ本体の作製>
ここでは、図2に示したセンサ素子2Aと同様の構成のセンサ素子を作製した。
(1)誘電層の作製
ポリオール(パンデックスGCB−41、DIC社製)100質量部に対して、可塑剤(ジオクチルスルホネート)40重量部と、イソシアネート(パンデックスGCA−11、DIC社製)17.62重量部とを添加し、アジテータで90秒間撹拌混合し、誘電層用の原料組成物を調製した。
次に、原料組成物を2枚の保護フィルムの間に挟み込んだ状態で搬送しつつ、加熱装置(架橋炉)内で加熱した。ここでは、炉内温度70℃、炉内時間30分間の条件で架橋硬化させ、保護フィルム付きの所定厚みのロール巻シートを得た。その後、70℃に調節した炉で12時間後架橋させ、ポリエーテル系ウレタンエラストマーからなる厚さ100μmのシートを作製した。
得られたウレタンシートを所定のサイズに裁断し、誘電層11を作製した。誘電層11は、ウレタンシートを8mm×75mm×厚さ100μmに裁断し、更に角部の一か所を8mm×4mm×厚さ100μmのサイズで切り落として作製した。
作製した誘電層について、切断時伸び(%)及び比誘電率を計測した。切断時伸び(%)は505%、比誘電率は5.8であった。
上記切断時伸びは、JIS K 6251に準拠して計測した。このとき、引張速度は500mm/minとした。
上記比誘電率は、20mmΦの電極で誘電層を挟み、LCRハイテスタ(日置電機社製、3522−50)を用いて計測周波数1kHzで静電容量を計測した後、電極面積と計測試料の厚さから算出した。
(2)電極層材料の調製
大陽日酸社製の高配向カーボンナノチューブ(層数4〜12層、繊維径10〜20nm、繊維長さ150〜300μm、炭素純度99.5%)30mgをイソプロピルアルコール(IPA)30gに添加し、ジェットミル(ナノジェットパル JN10−SP003、常光社製)を用いて湿式分散処理を施し、2倍に希釈して濃度0.05重量%のカーボンナノチューブ分散液を得た。
(3)保護層の作製
裁断寸法を変更した以外は、上述した(1)誘電層の作製と同様の方法を用いて、ポリエーテル系ウレタンエラストマー製で、8mm×75mm×厚さ100μmの裏側保護層15Bと、8mm×67mm×厚さ100μmの表側保護層15Aとを作製した。
(4)センサ素子の作製
(a)上記(3)の工程で作製した裏側保護層15Bの片面(表面)に、離型処理されたPETフィルムに所定の形状の開口部が形成されたマスク(図示せず)を貼り付けた。
上記マスクには、第2電極層及び第2配線に相当する開口部が形成されており、開口部のサイズは、第2電極層に相当する部分が、幅5mm×長さ50mm、第2配線に相当する部分が幅1.5mm×長さ6mmである。
次に、上記(2)の工程で調製したカーボンナノチューブ分散液を単位面積(cm)あたりの塗布量が0.223gとなるようにエアブラシを用いて塗布した。続いて、100℃で10分間乾燥させ、第2電極層12B及び第2配線13Bを形成した。その後、マスクを剥離した。
(b)第2電極層12Bの全体と第2配線13Bの一部とを被覆するように、上記(1)の工程で作製した誘電層11を裏側保護層15B上に積層した。
更に、誘電層11の表側に、上記工程(a)で採用した手法と同様の手法を用いてカーボンナノチューブ分散液を塗布し、乾燥させることによって所定の位置(第2電極層12B及び第1電極層12Aを平面視した際に、両者が重なる位置)に第1電極層12A及び第1配線13Aを形成した。
(c)第1電極層12A及び第1配線13Aを形成した誘電層11の表側に、第1電極層12Aの全体と第1配線13Aの一部とを被覆するように、上記(3)の工程で作製した表側保護層15Aを積層した。
(d)8mm×15mm×厚さ50μmのポリイミド製のシート217の上面に銅箔からなる2つの電極接続部16A、16Bが形成され、更に、電極接続部16A、16Bに近接する位置に銅箔製の接触端子233A、233Bがパターニングして形成された接続部材218を作製した。接続部材218を裏側保護層の裏面側に接着剤を用いて固定した。このとき、接続部材218は、シート217の縁部が検出部19の縁部と厚さ方向で重なる位置に固定した。
その後、第1配線13Aと電極接続部16A、及び、第2配線13Bと電極接続部16Bをそれぞれ半田で接続した。
更に、第1、第2配線13A、13B、電極接続部16A、16Bを保護するために、これらの上側にPETシート235を取り付けた。PETシート235は、接着剤を用いて表側保護層15Aの端部に固定した。
(e)ポリエステルからなる伸縮性の布(KKF5550、宇仁繊維)を60mm×14mmに裁断したものを2枚用意した。次に、このポリエステル布同士の間でセンシング部10を挟み込むように2枚のポリエステル布を下記の方法で準備した伸縮性を有するアクリル系粘着剤層Aを用いて貼り合わせて被覆部材21を設けた。
粘着剤層Aは、粘着剤(綜研化学社製、SKダイン1720)50重量部に、メチルエチルケトン(MEK)50重量部及び硬化剤(綜研化学社製、L−45)2質量部を添加し、あわとり練太郎(Thinky社製、型番:ARE−310)で混合(2000rpm、120秒)、脱泡(2000rpm、120秒)して混合物を得た。次に、得られた混合物を、表面が離型処理されたPETフィルム(藤森工業社製、50E−0010KF)にアプリケーターを用いて100μmのウエット膜厚で成膜した後、送風式のオーブンを用いて100℃、30分間の条件で硬化させて作製した。硬化した粘着剤層Aの厚さは30μmとした。
(f)塩化ビニル製樹脂フィルム(バンドー化学社製、エクシード)を用意し、所定のサイズに裁断したものを4枚作成した。ここでは、
着脱部30Aを作製するための樹脂フィルム36として、15mm×20mmに裁断したものを2枚(36A、36B)用意した。樹脂フィルム36Aには、所定の位置に貫通孔136を形成した。
着脱部30Bを作製するための樹脂フィルム37として、250mm×20mmに裁断したものを2枚(37A、37B)用意した。樹脂フィルム37A、37Bには、所定の位置に貫通孔137a、137bを形成した。
(g)スナップボタン(石崎プレス工業社製、500番スナップ7mm、錫鍍金真鍮製)を用意した。このスナップボタンの凸部材232を、凸部材232の基部232cで接触端子233A、233Bと接触するように配置し、更に、基部232cと接触端子233A、233Bとを半田で接続し、凸部材232をシート217に固定した。
次に、各組の樹脂フィルムでセンシング部10の長手方向両端部のそれぞれを挟み込むように、各組の樹脂フィルムをホットメルトで貼り合わせて、着脱部30A、30Bを形成した。このとき、着脱部30Aは、凸部材232の凸部232a、232bが樹脂フィルム36Aに設けた貫通孔136に挿通され、凸部232a、232bの先端が樹脂フィルム36Aの表面から突出するように形成した。
このような工程を経て、センサ素子を作製した。
(5)接続ケーブルの作製
長さ約1mの3芯ケーブルを用意し、このケーブルの一方の端部をアンプ回路に接続し、他方の端部に解析装置3(図1参照)と接続可能なコネクタを設けた。
さらに、上記アンプ回路には、2本の電線(日立金属社製、UL1571)41を介して、スナップボタン(石崎プレス工業社製、500番スナップ7mm、錫鍍金真鍮製)31の凹部材42を接続した。凹部材42と電線41との接続は半田によって行った。また、2個の凹部材42は樹脂製の支持部材43に接着剤で固定した。
<解析装置他>
解析装置として、電源バッテリー(リチウムイオンバッテリー)、無線モジュール(Bluetooth(登録商標))、アナログ・デジタル変換器、制御IC等を備えたトランスミッタを用いた。
また、表示器としてスマートフォンを用意し、このスマートフォンで上記無線モジュールからリアルタイムでデータを受信して記録した。
(試験例1)
図8に示したように、被験者(健康な成人男性)の足首の周囲にセンサ素子2Aを巻き付け、スナップボタンにより接続ケーブル2Bと接続した。これにより、センサ素子2Aは、被験者の足首の周囲に取り付けられた状態で維持された。
その後、おおむね下記のスケジュールで被験者に活動してもらい、その時の足首の周径の変化を約20時間、計測し続けた。計測は0.1秒間隔で行った。
[活動スケジュール]
午前 0時〜午前 6時:睡眠
午前 6時〜午前 7時:通勤
午前 7時〜午後 7時:仕事中
午後 7時〜午後 8時:通勤
被験者の足首51の周径の経時変化として、センサ素子の検出部の長さの変化を図9に示した。図9において上下段のグラフは同じ測定結果を示すグラフである。
図9のグラフには、0.1秒間隔で取得した上記検出部の長さについて、60秒間ごとの平均値をプロットした。また、図9のグラフには、上記検出部の長さの10分平均値も併せて描画した。
なお、図9に示した値は、上述した通りセンサ素子の検出部の長さであり、被験者の足首51の周径は、上記検出部の長さにセンサ素子2Aの非伸縮部の長さを加えることによって算出することができる。
図9の下段のグラフに記載したように、本試験例に係る計測方法によれば、睡眠時に徐々に足首の周径が減少してむくみが回復したこと、及び、活動時に徐々に足首の周径が増加してむくみが生じたことを計測することができた。
なお、図9の下段のグラフで、睡眠中に生じたプロットの大きな変動は、被験者の***変化によるものと考えられた。
1 周径計測装置
2 センサ本体
2A (静電容量型)センサ素子
2B 接続ケーブル
3 解析装置
3a 検出回路
3b 演算部
4 表示器
4a モニター
4b 記憶部
10 センシング部
11 誘電層
12A 表側電極層(第1電極層)
12B 裏側電極層(第2電極層)
13A 表側配線(第1配線)
13B 裏側配線(第2配線)
14A、14B 導電性接着剤
15A 表側保護層
15B 裏側保護層
16A、16B 電極接続部
17 樹脂シート
18 接続部材
19 検出部
21、21A、21B 被覆部材
22A、22B、136 貫通孔
30、30A、30B 着脱部
31 スナップボタン
32 凸部材
32a、32b 凸部
35 保護シート
36、36A、36B、37、37A、37B 樹脂シート
40 接続端子
41、47 配線
42 凹部材
42a、42b 凹部
43 支持部材
44 アンプ回路
50 測定対象物
51 足首
137、137a、137b 貫通孔

Claims (4)

  1. 柱状の測定対象物の周囲に巻き付け可能なセンサ本体と、前記センサ本体が接続される解析装置とを備え、前記測定対象物の周径を計測するための周径計測装置であって、
    前記センサ本体は、伸縮可能な検出部を有し、前記測定対象物の周径の変化に応じて、前記測定対象物の周方向に沿って前記検出部が伸縮するセンサ素子と、前記センサ素子と前記解析装置とを接続する接続ケーブルとを備え、
    前記センサ本体は、スナップボタンの留め外しによって、着脱可能に前記測定対象物の周囲に巻き付けられるように構成され、
    前記スナップボタンは、凸部材と凹部材とからなり、前記センサ本体を前記測定対象物の周囲に巻き付けた際に、前記凸部材の凸部が前記測定対象物の径方向を向くように設けられている、周径計測装置。
  2. 前記センサ素子は、静電容量型センサ素子であって、
    前記静電容量型センサ素子は、エラストマー製の誘電層と、前記誘電層の上面に形成された第1電極層と、前記誘電層の下面に形成された第2電極層とを含み、前記第1電極層及び前記第2電極層の対向する部分を検出部とするセンシング部と、
    前記センシング部の伸縮方向における両端側に設けられた着脱部とを有する、請求項1に記載の周径計測装置。
  3. 前記センサ本体は、導電性素材からなる第1スナップボタン及び第2スナップボタンを含み、
    各スナップボタンの凸部材及び凹部材の一方が前記センサ素子の前記着脱部に設けられ、
    各スナップボタンの凸部材及び凹部材の他方が前記接続ケーブルに設けられ、
    前記第1スナップボタンが前記第1電極層と電気的に接続され、前記第2スナップボタンが前記第2電極層と電気的に接続される、
    請求項2に記載の周径計測装置。
  4. 請求項3に記載の周径計測装置に用いられるセンサ素子であって、
    エラストマー製の誘電層と、前記誘電層の上面に形成された第1電極層と、前記誘電層の下面に形成された第2電極層とを含み、前記第1電極層及び前記第2電極層の対向する部分を検出部とするセンシング部と、
    前記センシング部の伸縮方向における両端側に設けられた着脱部と、を有する静電容量型センサ素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102322216B1 (ko) * 2021-05-06 2021-11-04 이수현 플렉스 센서를 이용한 변위측정센서 및 이를 이용한 변위측정방법
US20220203794A1 (en) * 2020-06-23 2022-06-30 Hitachi Astemo, Ltd. Calibration device, suspension system, saddle-type vehicle, and calibration method

Cited By (2)

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