JP2020164604A - アレルゲン低減化組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】不織布、繊維または繊維製品に対して耐洗濯性のある加工ができるアレルゲン低減化組成物、さらにアレルゲン低減化機能を有する不織布、繊維または繊維製品を提供することを目的とする。【解決手段】 チタニアゾルおよびウレタン樹脂を特定の比率において含有するアレルゲン低減化組成物を用い、ダニやスギ花粉等のアレルゲンを低減化させることができ、またカーペット、畳、寝具類、カーテン、衣料品、ぬいぐるみ、マスク、フィルター材料、電気掃除機の集塵袋等の不織布、繊維または繊維製品に耐洗濯性のあるアレルゲンを低減化させる機能を付与することができる。【選択図】 なし

Description

本発明は、アレルゲン低減化組成物に関する。
喘息やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎等のアレルギー性疾患は多くの人が悩まされているものであり、特に近年では増加する傾向となっている。アレルギー性疾患の原因となっているのは環境中に存在する種々のアレルゲンであり、屋内に棲息するダニやペットの毛、花粉、カビが代表的な吸入性のアレルゲンとして良く知られている。特に家屋内に生息する塵性ダニであるヒョウヒダニ類はアレルゲンの発生源として大きな問題となっている。ヒョウヒダニ類は畳、絨毯、寝具、カーテン等の家屋内の繊維製品、あるいは屋外においても電車や自動車等の移動車両の座席シート生地等が生育の温床となる。
ヒョウヒダニ類の中でも、コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)とヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)は代表的な種であり、これらのダニの死骸や糞が強いアレルゲンとなる。また春先に飛散するスギ(Cryptomeria japonica)の花粉をはじめ、多種の植物の花粉もアレルゲンとなるものであり、特にアレルギー性鼻炎を発症させる原因となっている。飛散する花粉は春先のスギ花粉だけでなく、ヒノキ、ヨモギ、ブタクサ、カモガヤ等、多くの種類があり一年を通じて何らかの花粉が飛散している状態であり、いつの時期でも花粉によるアレルギーを引き起こす危険性があると考えられる。
このようなダニや花粉等のアレルゲンを除去するためには、エアコンや空気清浄機を用いて空気をフィルターに通じる方法があるが、除去できるのは空気中に舞うアレルゲンのみであり、フィルターにアレルゲンを集める結果となり、フィルターを交換する際にはアレルゲンが再飛散する危険性がある。また、マスクはスギ等の花粉を吸入するのを防ぐために用いられているが、マスクに付着した花粉のアレルゲンが消失するわけではないので、再飛散することによって吸入してしまう危険性がある。電気掃除機はアレルゲン除去の方法として有効であるが、完全に除去することは困難であり、吸引したゴミに含まれる多量のアレルゲンは集塵袋に貯蔵されるだけであり、集塵袋の廃棄時にアレルゲンが再飛散する危険性が考えられる。
アレルゲンを低減あるいは除去するための薬剤に関しては、タンニン酸が古くから知られており、タンニン酸を応用する方法が提案されてきた。しかしタンニン酸は褐色に呈色しており、さらに経時的に着色が進行することで用途が制限される短所があった。その後、着色や変色を起こしにくいアレルゲン低減化剤として種々の提案が行われ、例えば亜鉛やマグネシウム等の無機塩を利用した方法が提案された。しかしこのような無機塩は水溶性であり、水によって流脱することから繊維や繊維製品等の耐洗濯性が必要な用途には使用できないという問題点があった(特許文献1〜3)。
水によって流脱しないアレルゲン低減化剤については、いくつかの提案が行われている。水によって流脱しないアレルゲン低減化剤としては、非水溶性亜鉛化合物あるいは非水溶性亜鉛・金属酸化物の複合粒子を用いたアレルゲン不活化剤が、さらに二酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウムを用いたアレルゲン不活化剤が提案されているが、耐水性や継続的なアレルゲン不活化性能の点で満足できるものではなかった。またアレルゲン低減化剤として光触媒酸化チタンを利用したものも提案されているが、繊維への加工によって耐洗濯性を有するかどうかについては知られていなかった(特許文献4〜5)。
特開昭61−44821号公報 特表2004−510717号公報 特開2006−239393号公報 特開2006−265498号公報 特開2017−075420号公報
不織布、繊維または繊維製品にダニやスギ花粉等アレルゲンを低減化させる機能を付与し、容易に流脱することがなく、さらに着色や変色を起こすことのないアレルゲン低減化組成物およびこれらのアレルゲン低減化組成物を加工した不織布、繊維または繊維製品を提供することが、本発明の課題である。
本発明者は、このような課題を解決するため鋭意研究を行った結果、高いアレルゲン低減化機能を持つチタニアゾルと、ウレタン樹脂を特定の比率で含有する組成物を使用することによって、高い耐洗濯性のあるアレルゲン低減化効果を付与することが可能であることを見出した。すなわち本発明は、
(1)チタニアゾルおよびウレタン樹脂を含有するアレルゲン低減化組成物であって、組成物中におけるチタニアゾルとウレタン樹脂の、それぞれの固形分の重量比(ウレタン樹脂固形分/チタニアゾル固形分)が0.5〜5であるアレルゲン低減化組成物であり、(2)前記に記載のアレルゲン低減化組成物によって加工した不織布、繊維または繊維製品である。
本発明のアレルゲン低減化組成物を用いることにより、不織布、繊維または繊維製品にダニやスギ花粉等のアレルゲンを低減化させる機能、さらにその機能に高い耐水性を持たせ、アレルゲンを低減化させる機能を持ったフィルター材、マスク等の不織布、繊維または繊維製品を提供することができる。
本発明におけるチタニアゾルは、市販されている工業製品または公知となった方法で製造されたチタニアゾルを使用することができる。例えば、四塩化チタン等の水溶性チタン塩の水溶液にアルカリを添加して析出させた水酸化チタンを酸、特に塩酸や硝酸等の強酸で解膠することによって製造する方法がある。
また、硫酸チタニルを水溶液にして、加熱等により加水分解し、析出した水酸化チタンを中和、濾過、水洗して得られるケーキを、塩酸や硝酸のような強酸で解膠することによりチタニアゾルを製造する方法もある。これらの方法で製造されたチタニアゾルは強酸性のため、安全性、または金属に対する腐食性を考慮すると、pHを5〜9の中性領域に調整したものが特に好適である。またリン酸水溶液をチタニアゾルと混合し、水溶液のチタン化合物とリン酸化合物の反応によって生成した水和リン酸チタン化合物によって被覆する方法も開示されている。
前記チタニアゾルの平均粒子径は、0.01〜2μm、好ましくは0.1〜1μmとすることが好ましい。このような平均粒子径を得るために、ガラスビーズやジルコニアビーズを用いた湿式粉砕、ボールミル、サンドミル、ホモミキサー等により粉砕して調整すればよい。
前記チタニアゾルの固形分濃度は、高濃度の場合には粘性が高くなって取扱いが困難であり、また低濃度であると経時的な液の分離が起こりやすくなるため、5〜40%、好ましくは10〜30%の範囲とするのが好ましい。
本発明のアレルゲン低減化組成物に使用されるウレタン樹脂は、高分子ジオール成分と、イソシアネート基を有する有機イソシアネート化合物から合成され、ジオール成分の種類によって、ポリエーテル系、ポリエステル系,ポリカーボネート系およびこれらの混合系等、種々のものがある。本発明に使用するウレタン樹脂はこれらのポリエーテル系、ポリエステル系,ポリカーボネート系等のいずれを使用しても差し支えなく、また二種類以上を混合して使用することも可能である。これらの中ではポリカーボネート系を使用することが好ましい。またウレタン樹脂を溶剤に溶解させた溶剤系のウレタン樹脂、あるいはウレタン樹脂を水に分散させたウレタン樹脂エマルジョンのいずれも使用可能であるが、ウレタン樹脂エマルジョンを用いることが好ましい。ウレタン樹脂エマルジョンのイオン性はアニオン性または非イオン性であることが望ましい。ウレタン樹脂のエマルジョンには自己乳化型または強制乳化型があるが、いずれの型のものを使用しても差し支えなく、各々の型のものを混合して使用しても差し支えない。
本発明のアレルゲン低減化組成物は、チタニアゾルとウレタン樹脂を混合することによって調製することができ、この製剤を適宜必要に応じて希釈して、不織布、繊維または繊維製品に加工することができる。
チタニアゾルとウレタン樹脂を含有する製剤を調製する場合には、溶媒として水を使用することが好ましく、適宜、極性溶剤等を併用することも可能である。
このような極性溶剤の例としては、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量1000以下)、ポリプロピレングリコール(分子量1000以下)等が挙げられる。これらの溶剤は2種類以上を混合して使用しても差し支えない。
本発明のアレルゲン低減化組成物におけるチタニアゾルとウレタン樹脂の比率は、それぞれの固形分の重量比(ウレタン樹脂固形分/チタニアゾル固形分)が0.5〜5の範囲で使用することができ、さらに好ましくは0.5〜2.5の範囲、またよりさらに好ましくは0.5〜1.5の範囲で使用することができる。この重量比が0.5より小さくなるとウレタン樹脂による耐洗濯性効果が低下し、また5より大きくなるとウレタン樹脂がチタニアゾルを覆いすぎる結果となり、洗濯を行う前の効力が低下する危険性がある。耐水性あるいは効力の発揮に影響のない範囲で、ウレタン樹脂に加えて他の樹脂、例えばアクリル系樹脂等を、ウレタン樹脂の効果に影響のない範囲で併用、混合して使用しても差し支えない。
本発明のアレルゲン低減化組成物には、さらに架橋剤を添加することによって加工品の耐水性をさらに向上させることが可能であり、このような架橋剤としてエポキシ系やメラミン系のものがある。
製剤を行なう上で、安定性の向上等の目的のために界面活性剤を添加することが可能である。界面活性剤は特に限定されず、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤を挙げることができるが、非イオン性またはアニオン性が好ましい。非イオン性界面活性剤の種類は特に限定されるものではないが、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。アニオン性界面活性剤にはアルキルベンゼンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート、ジアルキルスルホサクシネート等が挙げられる。カチオン性界面活性剤では脂肪族アミン塩およびその4級アンモニウム塩等が挙げられ、両イオン性界面活性剤ではベタイン型界面活性剤、アミノカルボン酸塩等が挙げられる。また、これらの非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両イオン性界面活性剤は一種を単独に用いても二種以上を併用してもよい。
本発明のアレルゲン低減化組成物には、公知となっているアレルゲン低減化成分をさらに添加することも可能である。アレルゲン低減化成分としては、ジヒドロキシ安息香酸や2,4,6−トリヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシ安息香酸系化合物またはその塩、パラヒドロキシポリスチレンやポリスチレンスルホン酸塩等のポリスチレン系化合物、柿渋等の天然抽出物、カルシウム塩やストロンチウム塩や希土類塩等の無機塩系化合物が挙げられる。
本発明のアレルゲン低減化組成物は、屋内塵性ダニのアレルゲン除去を目的に使用する場合、殺ダニ剤をさらに添加することが可能である。使用する殺ダニ剤は、屋内塵性ダニに対して致死効果や忌避効果のあるものであれば特に限定はなく、例えば、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、サリチル酸フェニル、シンナムアルデヒド、ヒソップ油、ニンジン種子油等を用いることができ、また天然ピレトリン、フェノトリン、ペルメトリン等のピレスロイド系化合物、フェニトロチオン、マラチオン、フェンチオン、ダイアジノン等の有機リン系化合物、ジコホル、クロルベンジレート、ヘキシチアゾクス、テブフェンピラド、ピリダベン、アミドフルメト等を用いることができる。
本発明のアレルゲン低減化組成物には、防カビ剤または抗菌剤を同時に併用することが可能である。防カビ剤または抗菌剤の種類は、防カビまたは抗菌効果を有するものであれば特に限定されないが、例えば、5−クロロ−N−メチルイソチアゾロン、メチレンビスチオシアネート、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、グルタルアルデヒド、ヨードプロピニルブチルカーバメート、ピリジンチオール−N−オキシドの亜鉛塩、1,2−ベンゾイソチアゾロン、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン、グルコン酸クロルヘキシジン、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、オルトフェニルフェノール、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラクロロメタキシレノール、パラクロロメタクレゾール、ポリリジン、塩化ベンザルコニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、N−n−ブチルベンゾイソチアゾロン、N−オクチルイソチアゾロン、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−ベンズイミダゾリルカルバミン酸メチル、テトラクロロイソフタロニトリル、ジヨードメチルパラトリルスルホン、パラクロロフェニル−3−ヨードプロパギルホルマール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、脂肪酸グリセリンエステル、ヒノキチオール等が挙げられる。
本発明のアレルゲン低減化組成物は、不織布、繊維または繊維製品に加工して使用される。不織布の例としては掃除用ウェットワイパー、マスク、フィルター材料、電気掃除機の集塵袋等が挙げられる。繊維の例としては、綿、麻、羊毛、絹等の天然繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維等の合成繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維等の半合成繊維等の繊維が挙げられ、これらの繊維を2種類以上使用した複合繊維であっても差し支えない。繊維製品の例としては、衣料品、カーペット、ソファー、壁紙、カーテン等のインテリア類、布団側地、布団カバー、布団中綿、シーツ、枕カバー、マット等の寝具類、カーシート、カーマット、天井材および床材等の自動車部品類、ぬいぐるみ等が挙げられる。
本発明のアレルゲン低減化組成物を不織布、繊維または繊維製品に加工する方法としては、アレルゲン低減化組成物の希釈液に繊維を浸漬することによる方法、あるいはアレルゲン低減化組成物の希釈液を不織布、繊維または繊維製品に噴霧する方法等が挙げられる。希釈液を不織布、繊維または繊維製品に加工した後、風乾あるいは加熱により乾燥を行う。乾燥温度には特に制限はなく、室温による風乾または加熱による強制乾燥を行うことができる。加熱する温度については、熱効率から200℃以下が好ましく、また150℃以下がより好ましい。加工の際は不織布、繊維または繊維製品の重量に対して、本発明のアレルゲン低減化組成物のチタニアゾルの固形分(チタニア量)が0.01〜30%、好ましくは0.1〜20%、さらに好ましくは0.5〜10%の範囲とする。
本発明のアレルゲン低減化組成物を製剤化するに際しては、必要に応じてキレート剤、防錆剤、香料、スケール防止剤、消泡剤、帯電防止剤、増粘剤、柔軟加工剤等を添加してもよい。
本発明のアレルゲン低減化組成物はたとえば柔軟剤、消臭剤、防カビ剤、除菌剤、殺虫剤、塗料、接着剤等に添加して使用してもよい。また、木材、コンクリート、金属、石、ガラス等の建材等、ゴム、紙、樹脂、プラスチック等の成型品等に加工してもよい。
本発明組成物および本発明組成物を加工した不織布、繊維または繊維製品は、ハウスダスト中のダニ由来のアレルゲン、イヌやネコ等のペットの毛や上皮、ゴキブリ、羽毛、カビ由来のアレルゲン、およびスギ、ヨモギ、ハルガヤ、ヒノキ、ブタクサ等の花粉、天然ゴムラテックス等の植物アレルゲンを低減化することができる。
本発明を実施例、試験例により更に詳しく説明するが、本発明がこれらによって限定されるものではない。なお、下記に示す%はすべて重量%である。
(チタニアゾルの調製)
イオン交換水600gにヘキサメタリン酸ナトリウム(米山化学工業株式会社製)3.0gを溶解させ、更に硫酸チタニル(キシダ化学株式会社製)を80g溶解させ、100℃の沸騰させた湯浴で2時間加熱し水酸化チタンを調製した。次に70℃まで冷却して25%アンモニア水(和光純薬工業株式会社製)を用いてpHを6.3に調整し、No.5Cのろ紙を敷いた直径12.5cmのヌッチェを用いて吸引ろ過し、さらにイオン交換水約50gで洗浄してケーキ150gを得た。このケーキをイオン交換水100gに分散させ、塩酸(試薬特級、和光純薬工業株式会社製)10gを添加し解膠させた。この分散液に四塩化チタン(和光純薬工業株式会社製)10.7gを添加し、さらに85%リン酸(和光純薬工業株式会社製)2.1gを添加した。2時間撹拌を継続し、再び25%アンモニア水を用いてpHを5.5に調整した。No.5Cのろ紙を敷いた直径12.5cmのヌッチェを用いて吸引ろ過し、さらにイオン交換水で洗浄してケーキ185gを得た。このケーキにイオン交換水120gを添加し、直径1mmのガラスビーズ約400gを用いて20分間、湿式粉砕を行い、チタニアゾル(固形分15%)を得た。このチアニアゾルの平均粒子径を、粒度分布測定装置SALD−2100を用いて測定したところ、平均粒子径は0.7μmであった。またpHを測定した結果、pHは5.6であった。
[実施例1〜6]
表1に示す配合にて実施例1〜6、表2に示す配合にて比較例1〜6を調製した。なおウレタン樹脂エマルジョンまたはアクリル樹脂エマルジョンは以下の市販品を使用した。
・ウレタン樹脂エマルジョン
ユーコートUX−390(登録商標、三洋化成株式会社製、固形分38%)
パーマリンUA−150(登録商標、三洋化成株式会社製、固形分30%)
スーパーフレックス170(登録商標、第一工業製薬株式会社製、固形分33%)
・アクリル樹脂エマルジョン
ボンコートED−85−E(登録商標、DIC株式会社、固形分45%)
ボンコートAC−501(登録商標、DIC株式会社、固形分60%)
Figure 2020164604
Figure 2020164604
(生地への加工)
実施例1〜6または比較例1〜6のアレルゲン低減化組成物各々をイオン交換水で100倍に希釈した希釈液50mlに、ポリエステル生地(240g/m)9cm×23cmを浸漬し、絞り率約220%((浸漬後繊維重量−浸漬前繊維重量)/浸漬前繊維重量)となるように絞った後、105℃の乾燥機にて15分間、加熱乾燥を行った。
(洗濯)
加工したポリエステル生地の半分に切り取り(9cm×11.5cm)、イオン交換水1.5LにJAFET標準配合洗剤2mLを添加した液200mLに入れ、2枚ピッチ羽根(φ=60mm)を取り付けた攪拌機にて300r.p.m.で25分撹拌し、絞り率約320%で絞った。この洗濯操作を2回行った後、すすぎ工程としてイオン交換水200mLに前記生地を入れて同様に300r.p.m.で撹拌し、絞り率約320%で絞った。
[評価試験1](加工生地のダニアレルゲンの低減化効果の測定)
実施例1〜6、比較例1〜6を加工したポリエステル生地および洗濯後のポリエステル生地を4cm×4cmに切り取り、各々をチャック付きポリ袋に入れて標準ダニアレルゲン液(アレルゲン量はタンパク質量として900ng/mL)1mLを加え、前記生地とアレルゲンを接触させた。1時間後にチャック付きポリ袋からダニアレルゲン液を搾り出し、該ダニアレルゲン液に含まれる繊維ゴミを遠心分離機にて取り除いた液をダニアレルゲン抽出液とした。前記ダニアレルゲン抽出液ついて Der f2酵素免疫測定法(ELISA)のサンドイッチ法にてダニアレルゲン低減化効果の測定を行った。まず、リン酸緩衝液(pH7.4、0.1重量%NaN含有)で2μg/mLに希釈したDer f2 モノクローナル抗体15E11を、F16 MAXISORP NUNC−IMMUNO MODULEプレート(NUNC社製)の1ウェルあたり200μLずつ添加し、4℃にて3日感作させた。感作後、液を捨て、ブロッキング試薬{1重量%牛血清アルブミン+リン酸緩衝液(pH7.2、0.1重量%NaN含有)}を1ウェルあたり200μLずつ添加し、37℃で60分間反応させた。反応後、リン酸緩衝液{pH7.2、0.1重量%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート含有}にてプレートをすすいだ。
次に、加工ポリエステル生地と接触させたダニアレルゲン抽出液試料を前記プレート1ウェルあたり100μLずつ滴下し、37℃、60分間反応させた。反応後、リン酸緩衝液{pH7.2、0.1重量%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート含有}にてプレートをすすいだ。ペルオキシダーゼ標識したDer f2モノクローナル抗体を蒸留水で200μg/mLに溶解し、リン酸緩衝液{pH7.2、1重量%牛血清アルブミンおよび0.1重量%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート含有}で1000倍希釈した液を、前記プレート1ウェルあたり100μLずつ添加した。37℃、60分間反応させた後、リン酸緩衝液{pH7.2、0.1重量%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート含有}で、次いで蒸留水でプレートをすすいだ。0.1mol/Lリン酸緩衝液(pH6.2)13mLにオルト−フェニレンジアミンジヒドロクロライド(SIGMA CHEMICAL CO.製:26mg Tablet)と過酸化水素水13μLを加えたものを前記プレート1ウェルあたり100μLずつ添加し、37℃、5分間反応させた。その後直ちに、2mol/L HSOを50μLずつ入れて反応を停止させ、マイクロプレート用分光光度計(テカンジャパン株式会社製)で吸光度(OD490nm)を測定した。結果を表3に示した。
Figure 2020164604
[評価試験2](加工生地のスギ花粉アレルゲンの低減化効果の測定)
実施例1〜6および比較例1〜6の加工ポリエステル生地および洗濯後のポリエステル生地を4cm×4cmに切り取り、チャック付きポリ袋に入れ標準スギ花粉アレルゲン液(アレルゲン量 Cry j1として12.5ng/mL)1mLを加え、前記生地とアレルゲンを接触させた。1時間後にチャック付きポリ袋からスギ花粉アレルゲン液を搾り出し、該スギ花粉アレルゲン液に含まれる繊維ゴミを遠心分離機にて取り除いた液をスギ花粉アレルゲン抽出液とした。前記スギ花粉アレルゲン抽出液について Cry j1酵素免疫測定法(ELISA)のサンドイッチ法にてスギ花粉アレルゲン低減化効果の測定を行った。まず、リン酸緩衝液(pH7.4、0.1重量%NaN含有)で2μg/mLに希釈したCry j1 モノクローナル抗体013を、F16 MAXISORP NUNC−IMMUNO MODULEプレート(NUNC社製)の1ウェルあたり100μLずつ添加し、4℃にて1日感作させた。感作後、液を捨て、ブロッキング試薬{1重量%牛血清アルブミン+リン酸緩衝液(pH7.2、0.1重量%NaN含有)}を1ウェルあたり200μLずつ添加し、37℃、60分間反応させた。反応後、リン酸緩衝液{pH7.2、0.1重量%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート含有}にてプレートをすすいだ。
次に、前記スギ花粉アレルゲン抽出液試料を前記プレート1ウェルあたり100μLずつ滴下し、37℃、60分間反応させた。反応後、リン酸緩衝液{pH7.2、0.1重量%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート含有}にてプレートをすすいだ。ペルオキシダーゼ標識したCry j1モノクローナル抗体053を蒸留水で200μg/mLに溶解し、それをリン酸緩衝液{pH7.2、1重量%牛血清アルブミンおよび0.1重量%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート含有}で1200倍希釈した液を、前記プレート1ウェルあたり100μLずつ添加した。37℃、60分間反応させた後、リン酸緩衝液{pH7.2、0.1重量%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート含有}で前記プレートをすすいだ。0.1mol/Lリン酸緩衝液(pH6.2)13mLにオルト−フェニレンジアミンジヒドロクロライド(SIGMA CHEMICAL CO.製:26mg Tablet)と過酸化水素水13μLを加えたものを前記プレート1ウェルあたり100μLずつ添加し、37℃、5分間反応させた。その後直ちに、2mol/L HSOを50μLずつ入れて反応を停止させ、マイクロプレート用分光光度計(テカンジャパン株式会社製)で吸光度(OD490nm)を測定した。結果を表4に示した。
Figure 2020164604
本発明により、ダニや花粉等のアレルゲンを低減化させることができ、また不織布、繊維または繊維製品に耐洗濯性のある、アレルゲンを低減化させる機能を付与するためのアレルゲン低減化組成物、およびアレルゲンを低減化できる不織布、繊維または繊維製品を提供することができる。











Claims (2)

  1. チタニアゾルおよびウレタン樹脂を含有するアレルゲン低減化組成物であって、該組成物におけるチタニアゾルとウレタン樹脂のそれぞれの固形分の重量比(ウレタン樹脂固形分/チタニアゾル固形分)が0.5〜5であることを特徴とするアレルゲン低減化組成物。
  2. 請求項1に記載のアレルゲン低減化組成物を加工した不織布、繊維または繊維製品。










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