JP2020164409A - セメント組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】セメントクリンカ、石膏及び混合材を含む混合物からなり、この混合物における混合材の含有率が5%を超えているセメント組成物であって、二酸化炭素の発生量を増加させることなく強度発現性を高めることが可能なものを提供する。
【解決手段】セメントクリンカC、石膏G及び混合材Aの混合物Mからなるセメント組成物であって、混合材Aは、混合物Mに対して5.0質量%以上12.0質量%以下の割合で含まれており、かつ、石灰石及び高炉スラグを含むセメント組成物。セメントクリンカCの鉱物組成は、C3Sが48.0質量%以上70.0質量%以下、C2Sが9.0質量%以上22.0質量%以下、C3Aが8.0質量%以上14.0質量%以下、C4AFが7.0質量%以上12.0質量%以下であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、セメントクリンカ、石膏及び混合材からなるセメント組成物に関する。
セメント組成物は、セメントクリンカ、石膏及び混合材により構成されている。そして、この混合材には、主に石灰石が使用されている。例えば、下記特許文献1には、セメントクリンカ、無水石膏及び炭酸カルシウム(石灰石)からなる混合物であって、この混合物に対して炭酸カルシウムが5質量%の割合で含まれているセメント組成物が記載されている。
ところで、近年では、セメント焼成装置からの二酸化炭素排出量を低く抑えるため、普通ポルトランドセメントの製造において、セメントクリンカの使用量を低減し、さらに多くの混合材を使用することが検討されている。しかし、このように混合材の使用量が増加すると、生成されるセメント組成物の強度発現性を充分に高くすることができないおそれがある。
そこで、セメント組成物の強度発現性を充分に高くするために、セメントクリンカの品質(鉱物組成など)を調整することが考えられる。しかし、このような調整を行う場合には、セメントキルンにさらに多くの燃料を投入する必要が生じるおそれがある。よって、セメント組成物を製造するにあたり、二酸化炭素の発生量が増加するおそれがある。
特開2007−186360号公報
そこで、本発明は、セメントクリンカ、石膏及び混合材を含む混合物からなり、この混合物における混合材の含有率が5%を超えているセメント組成物であって、二酸化炭素の発生量を増加させることなく強度発現性を高めることが可能なものを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、セメントクリンカ、石膏及び混合材の混合物からなるセメント組成物であって、前記混合材は、前記混合物に対して5.0質量%以上12.0質量%以下の割合で含まれており、かつ、石灰石及び高炉スラグを含むことを特徴とする。
本発明によれば、石灰石に加えて高炉スラグが混合材としてセメント組成物に含まれるため、異なる粒径を有する2種類の物質(石灰石、高炉スラグ)が混合材としてセメント組成物に含まれる。そして、セメントクリンカ及び石膏の混合物における空隙が混合材により効率よく充填されるため、混合材として石灰石のみを使用する場合に比較して、長期強度発現性を高めることができる。
上記セメント組成物において、前記セメントクリンカのTiO2含有率、MnO含有率、P2O5含有率、Na2O含有率及びK2O含有率をそれぞれT質量%、M質量%、P質量%、N質量%及びK質量%と定義した場合における前記セメントクリンカの物性値「(T+M+P)/(N+0.658×K)」が0.700以上1.400以下であることが好ましい。
これによれば、セメントクリンカの水和時にセメントクリンカに含まれるSO3をセメントクリンカの外部に溶出することを促進する促進要素(Na2O及びK2O)と阻害する阻害要素(TiO2、MnO及びP2O5)とがセメントクリンカにおいて均等に含まれることになる。このため、上記セメント組成物を水と混練すると(このセメント組成物に含まれるセメントクリンカが水和すると)、上記促進要素によって多くのSO3がセメントクリンカから溶出され、かつ、セメントクリンカからのSO3の溶出速度が過剰に速くなることが上記阻害要素により抑制されるため、セメントクリンカに含まれる多くのSO3が長時間にわたって徐々にセメントクリンカから溶出される。つまり、上記セメント組成物を水と混練すると、セメントクリンカから溶出される多くのSO3と石灰石及び高炉スラグとを徐々に反応させることができるため、高い強度及び長時間にわたる高い流動性を発揮するセメント混練物を製造することができる。
また、上記セメント組成物において、前記セメントクリンカの鉱物組成は、C3Sが48.0質量%以上70.0質量%以下、C2Sが9.0質量%以上22.0質量%以下、C3Aが8.0質量%以上14.0質量%以下、C4AFが7.0質量%以上12.0質量%以下であることが好ましい。これにより、上述した充填がさらに効率よくなされるため、長期強度発現性をさらに高めることができる。
さらに、上記セメント組成物において、前記混合材は、前記混合物に対して6.0質量%以上12.0質量%以下の割合で含まれており、前記石膏は、前記混合物に対してSO3換算で1.8質量%以上2.4%質量以下の割合で含まれていることが好ましい。これにより、セメントクリンカに含まれるC3Aの急激な水和反応を石膏により効果的に抑制することができ、セメントクリンカに含まれるC3Aと石灰石との反応をより確実に生じさせることができる。このため、石灰石の一部に代えて高炉スラグを使用する場合のみならず、石灰石の使用量を変えずに高炉スラグの使用量を増加させる場合であっても、セメント組成物の長期強度発現性をさらに高めることができる。
以上のように、本発明によれば、セメントクリンカ、石膏及び混合材を含む混合物からなり、この混合物における混合材の含有率が5%を超えているセメント組成物において、二酸化炭素の発生量を増加させることなく強度発現性を高めることができる。
本発明の一実施形態に係るセメント組成物を製造するセメント仕上装置を示す全体構成図である。
図1は、本発明の一実施形態に係るセメント組成物を製造するセメント仕上装置を示す全体構成図である。図1に示すように、セメント仕上装置1は、セメント焼成装置(不図示)から排出されたクリンカCを貯蔵するクリンカサイロ2と、クリンカサイロ2から排出されたクリンカCを石膏Gと共に破砕する仕上ミル3と、仕上ミル3から排出された破砕物Dを分級する分級装置4と、分級装置4から排出された微粒側混合物Fを混合材Aと共に混合する混合装置5と、混合装置5から排出される混合物M(セメント組成物)を貯蔵するセメントサイロ6とを備える。ここで、分級装置4は、粗粒側混合物Rを仕上ミル3に戻す。
クリンカCの鉱物組成は、C3Sが55.2質量%以上62.0質量%以下、C2Sが12.7質量%以上18.6質量%以下、C3Aが10.1質量%以上12.2質量%以下、C4AFが9.1質量%以上9.6質量%以下であることが好ましい。さらに、クリンカCのTiO2含有率、MnO含有率、P2O5含有率、Na2O含有率及びK2O含有率をそれぞれT質量%、M質量%、P質量%、N質量%及びK質量%と定義した場合におけるクリンカCの物性値「(T+M+P)/(N+0.658×K)」が0.853以上1.141以下であることが好ましい。
混合物Mにおいて、石膏GはSO3換算で1.8質量%以上2.4質量%以下の割合で含まれていることが好ましい。
混合材Aには、石灰石及び高炉スラグを使用する。また、混合物Mにおいて混合材Aが6.5質量%以上10.0質量%以下の割合で含まれるように混合物Mを製造する。
なお、混合物M(セメント組成物)におけるクリンカC、石膏G及び混合材Aの割合の調整は、混合装置5に供給するクリンカC、石膏G及び混合材Aの量を調整することで行う。また、混合物Mにおける石灰石及び高炉スラグの割合の調整は、混合装置5に供給する石灰石及び高炉スラグの量を調整することで行う。
次に、本発明の一実施形態に係るセメント組成物の試験例について説明する。
表1は、この試験例において使用したセメントクリンカ(図1に示す「クリンカC」に相当)の鉱物組成を示している。表1に示す鉱物組成は、ボーグ式(Bogue式)により算出したものである。表1において、C3Sはケイ酸三カルシウム(3CaO・SiO2)であり、C2Sはケイ酸二カルシウム(2CaO・SiO2)であり、C3Aはアルミン酸三カルシウム(3CaO・Al2O3)であり、C4AFは鉄アルミン酸四カルシウム(4CaO・Al2O3・Fe2O3)である。表1に示すように、この試験例において使用したセメントクリンカの鉱物組成は、C3Sが55.2質量%以上62.0質量%以下、C2Sが12.7質量%以上18.6質量%以下、C3Aが10.1質量%以上12.2質量%以下、C4AFが9.1質量%以上9.6質量%以下である。
Figure 2020164409
表2は、この試験例において使用したセメントクリンカ(図1に示す「クリンカC」に相当)の化学組成を示している。表2において、ig.loss(Ignition Loss)は、強熱原料(揮発性物質)を意味している。また、Na2Oeqは、全アルカリを意味している。ここで、全アルカリは、Na2O+0.658×K2Oにより算出した。また、f.CaOは、遊離酸化カルシウムを意味している。遊離酸化カルシウムとは、セメント原料を焼成した時に二酸化ケイ素や酸化アルミニウムと反応せずに残った酸化カルシウムをいう。
Figure 2020164409
表3は、この試験例において使用したセメントクリンカ(図1に示す「クリンカC」に相当)のモジュラスを示している。ここで、表3において、HM(Hydraulic Modulus)は水硬率を示しており、SM(Silica Modulus)はケイ酸率を示しており、IM(Iron Modulus)は鉄率を示しており、AI(Activity Index)は活動係数を示している。そして、HMは、(SiO2+Al2O3+Fe2O3)に対するCaOの割合である。また、SMは、(Al2O3+Fe2O3)に対するSiO2の割合である。さらに、IMは、Fe2O3に対するAl2O3の割合である。AIは、Al2O3に対するSiO2の割合である。そして、表3に示すように、この試験例において使用したクリンカにおいては、HMが2.15以上2.21以下であり、SMが2.18以上2.42以下であり、IMが1.86以上2.18以下であり、AIが3.19以上3.70以下である。
Figure 2020164409
表4は、この試験例において使用したセメントクリンカ(図1に示す「クリンカC」に相当)における、全アルカリに占める所定成分(TiO2、MnO、P2O5)の含有率(セメントクリンカの物性値)を示している。表4に示すように、この試験例において使用したセメントクリンカの上記含有率は、0.780以上1.326以下である。
Figure 2020164409
表5は、この試験例において使用した各混合材(図1に示す「混合材A」に相当)の化学組成を示している。
Figure 2020164409
表6は、この試験例において使用した各混合材(図1に示す「混合材A」に相当)の粉末度(ブレーン比表面積)及び活性度指数を示している。ここで、活性度指数は、材齢28日のものを測定した。
Figure 2020164409
次に、セメントクリンカ(Cli1〜Cli8)、石膏及び石灰石(混合材)を様々な割合で混合し、これにより得られたセメント組成物の性質(圧縮強さ、フロー値、粉末度を示すブレーン比表面積)を、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準拠して測定した。さらに、これらの試験結果を比較例A〜Hとした。表7は、これら比較例A〜Hを示している。なお、「圧縮強さ」は、材齢28日の時点におけるものである。また、「フロー値」は、練り混ぜ直後におけるものである。
Figure 2020164409
さらに、セメントクリンカ(Cli1〜Cli8)、石膏(図1に示す「石膏G」に相当)、石灰石(図1に示す「混合材A」の一部に相当)及び高炉スラグ(図1に示す「混合材A」の一部に相当)を様々な割合で混合し、これにより得られた混合物(図1に示す「混合物M」に相当)の性質(圧縮強さ、フロー値維持率)を測定した。さらに、これらの試験結果を比較例1〜12及び実施例1〜20とした。表8及び表9は、これら比較例及び実施例を示している。ここで、混合材は、この混合物に対して6.5質量%以上10.0質量%以下の割合とした。石膏は、この混合物に対してSO3換算で1.2質量%の割合とした。また、「圧縮強さ」は、材齢28日の時点におけるものである。さらに、「フロー値維持率」とは、練り混ぜ直後のフロー値に対する練り混ぜ30分後のフロー値の割合である。セメント混練物におけるフロー値維持率が高いほど、このセメント混練物が長期的に高い流動性を有することになる。
表8において、実施例1〜12は、それぞれ比較例1〜12における石灰石の一部に高炉スラグを使用したものに相当し、それぞれ比較例1〜12に比較して、フロー値維持率がほぼ変化せずに圧縮強さが高くなっている。また、表9において、実施例14、16、18、20は、それぞれ実施例13、15、17、19における石灰石の一部に高炉スラグを使用したものに相当し、それぞれ実施例13、15、17、19に比較してフロー値維持率がほぼ変化せずに圧縮強さが高くなっている。
つまり、表8及び表9は、セメントクリンカ、石膏及び混合材を混合して得られる混合物からなるセメント組成物において、混合材が混合物に対して6.5質量%以上10.0質量%以下の割合で含まれており、かつ、混合材として石灰石及び高炉スラグを含む場合においては、石灰石に代えて高炉スラグを使用することで、フロー値維持率をほぼ変化させずに長期強度発現性(表8及び表9に示す「圧縮強さ」に相当)を高めることができることを示している。
さらに、表8及び表9において、実施例1〜8、13〜20におけるフロー値維持率(81%〜84%)は、実施例9〜12におけるフロー値維持率(73%〜75%)に比較すると高くなっている。ここで、本発明者は、セメント組成物の組成とセメント混練物のフロー値維持率との関係について研究を進めた結果、次のような知見を得ることができた。
セメントクリンカの水和時にセメントクリンカに含まれるSO3をセメントクリンカの外部に溶出することを促進する促進要素(Na2O及びK2O)と阻害する阻害要素(TiO2、MnO及びP2O5)とがセメントクリンカにおいて均等に含まれていると、このセメントクリンカを含むセメント組成物を水と混練した場合(このセメントクリンカが水和した場合)、上記促進要素によって多くのSO3がセメントクリンカから溶出され、かつ、セメントクリンカからのSO3の溶出速度が過剰に速くなることが上記阻害要素により抑制されるため、セメントクリンカに含まれる多くのSO3が長時間にわたって徐々にセメントクリンカから溶出される。これにより、セメントクリンカから溶出される多くのSO3と石灰石及び高炉スラグとが徐々に反応するため、高い強度及び長時間にわたる高い流動性を有するセメント混練物が製造される。
つまり、表8及び表9に示す実施例及び比較例から次のことを導出することができる。セメントクリンカ、石膏及び混合材の混合物からなるセメント組成物において、前記混合材が前記混合物に対して6.5質量%以上10.0質量%以下の割合で含まれており、さらに石灰石及び高炉スラグが含まれており、前記セメントクリンカのTiO2含有率、MnO含有率、P2O5含有率、Na2O含有率及びK2O含有率をそれぞれT質量%、M質量%、P質量%、N質量%及びK質量%と定義した場合における前記セメントクリンカの物性値「(T+M+P)/(N+0.658×K)」が0.853以上1.141以下であれば、高い強度及び長時間にわたる高い流動性を発揮するセメント混練物を製造することができる。
Figure 2020164409
Figure 2020164409
また、セメントクリンカ(Cli2、Cli3)、石膏(図1に示す「石膏G」に相当)、石灰石(図1に示す「混合材A」の一部に相当)及び高炉スラグ(図1に示す「混合材A」の一部に相当)を様々な割合で混合し、これにより得られた混合物(図1に示す「混合物M」に相当)の性質(圧縮強さ)を測定した。ここで、混合材は、この混合物に対して7.5質量%又は10.0質量%以下の割合とした。また、石膏は、実施例A1〜A4においてはSO3換算で1.2質量%とし、実施例B1〜B8においてはSO3換算で1.8質量%又は2.4質量%のいずれかとした。表10は、これらの実施例を示している。なお、圧縮強さは、材齢28日の時点におけるものである。
表10において、実施例A1〜A4は、すべて石膏含有率が1.2質量%である。そして、実施例A2、A4は、それぞれ実施例A1、A3において高炉スラグの使用量を増加させたものに相当し、それぞれ実施例A1、A3に比較して圧縮強さが低くなっている。
一方、表10において、実施例B1〜B8は、石膏含有率が1.8質量%又は2.4質量%のいずれかである。そして、実施例B2、B4、B6、B8は、それぞれ実施例B1、B3、B5、B7において高炉スラグの使用量を増加させたものに相当し、かつ、それぞれ実施例B1、B3、B5、B7に比較して圧縮強さが高くなっている。
つまり、表10は、セメントクリンカ、石膏及び混合材の混合物からなるセメント組成物において、混合材が混合物に対して7.5質量%以上10.0質量%以下の割合で含まれており、かつ、混合材が石灰石及び高炉スラグを含んでおり、さらに、石膏が混合物に対してSO3換算で1.8質量%以上2.4質量%以下の割合で含まれていれば、石灰石の使用量を変えずに高炉スラグの使用量を増加させる場合であっても、セメント組成物の長期強度発現性をさらに高めることができることを示している。
Figure 2020164409
以上のように、上記実施の形態によれば、石灰石に加えて高炉スラグが混合材Aとして混合物M(セメント組成物)に含まれるため、異なる粒径を有する2種類の物質(石灰石、高炉スラグ)が混合材Aとして混合物M(セメント組成物)に含まれる。そして、クリンカC及び石膏Gの混合物における空隙が混合材Aにより効率よく充填されるため、混合材Aとして石灰石のみを使用する場合に比較して、長期強度発現性を高めることができる。
上記実施の形態によれば、クリンカCのTiO2含有率、MnO含有率、P2O5含有率、Na2O含有率及びK2O含有率をそれぞれT質量%、M質量%、P質量%、N質量%及びK質量%と定義した場合におけるクリンカCの物性値「(T+M+P)/(N+0.658×K)」が0.780以上1.326以下であるため(好ましくは0.853以上1.141以下であるため)、高い強度及び長時間にわたる高い流動性を発揮するセメント混練物を混合物Mから製造することができる。
また、上記実施の形態において、クリンカCの鉱物組成は、C3Sが55.2質量%以上62.0質量%以下、C2Sが12.7質量%以上18.6質量%以下、C3Aが10.1質量%以上12.2質量%以下、C4AFが9.1質量%以上9.6質量%以下であるため、上述した充填がさらに効率よくなされ、長期強度発現性をさらに高めることができる。
さらに、上記実施の形態において、混合材Aは、混合物Mに対して7.5質量%以上10.0質量%以下の割合で含まれており、石膏Gは、混合物Mに対してSO3換算で1.8質量%以上2.4質量%以下の割合で含まれていることが好ましい。これにより、クリンカCに含まれるC3Aの急激な水和反応を石膏により効果的に抑制することができ、クリンカCに含まれるC3Aと石灰石との反応をより確実に生じさせることができる。このため、石灰石の一部に代えて高炉スラグを使用する場合のみならず、石灰石の使用量を変えずに高炉スラグの使用量を増加させる場合であっても、混合物M(セメント組成物)の長期強度発現性をさらに高めることができる。
なお、上記実施の形態において、混合材Aが混合物Mに対して5.0質量%又は6.0質量%以上12.0質量%以下の割合で含まれており、クリンカCのTiO2含有率、MnO含有率、P2O5含有率、Na2O含有率及びK2O含有率をそれぞれT質量%、M質量%、P質量%、N質量%及びK質量%と定義した場合におけるクリンカCの物性値「(T+M+P)/(N+0.658×K)」が0.700以上1.400以下であり、クリンカCにおいてC3Sが48.0質量%以上70.0質量%以下、C2Sが9.0質量%以上22.0質量%以下、C3Aが8.0質量%以上14.0質量%以下、C4AFが7.0質量%以上12.0質量%以下であってもよい。この場合においても、上記実施の形態ほどではないが、高い強度及び長時間にわたる高い流動性を有するセメント混練物を製造できると考えられる。
1 セメント仕上装置
2 クリンカサイロ
3 仕上ミル
4 分級装置
5 混合装置
6 セメントサイロ
A 混合材
C クリンカ
D 破砕物
F 微粒側混合物
G 石膏
M 混合物
R 粗粒側混合物
Figure 2020164409

Claims (4)

  1. セメントクリンカ、石膏及び混合材の混合物からなるセメント組成物であって、
    前記混合材は、前記混合物に対して5.0質量%以上12.0質量%以下の割合で含まれており、かつ、石灰石及び高炉スラグを含むことを特徴とするセメント組成物。
  2. 前記セメントクリンカのTiO2含有率、MnO含有率、P2O5含有率、Na2O含有率及びK2O含有率をそれぞれT質量%、M質量%、P質量%、N質量%及びK質量%と定義した場合における前記セメントクリンカの物性値「(T+M+P)/(N+0.658×K)」が0.700以上1.400以下であることを特徴とする請求項1に記載のセメント組成物。
  3. 前記セメントクリンカの鉱物組成は、C3Sが48.0質量%以上70.0質量%以下、C2Sが9.0質量%以上22.0質量%以下、C3Aが8.0質量%以上14.0質量%以下、C4AFが7.0質量%以上12.0質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のセメント組成物。
  4. 前記混合材は、前記混合物に対して6.0質量%以上12.0質量%以下の割合で含まれており、
    前記石膏は、前記混合物に対してSO3換算で1.8質量%以上2.4質量%以下の割合で含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のセメント組成物。
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