JP2020162537A - 魚釣用スピニングリール - Google Patents
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Abstract
【課題】リール本体の小型化を図りつつ、スプール往復動装置の耐久性の強化を図る。【解決手段】ハンドル軸5の下方においてボディ11の内部に配設され、カバー部材40を後部開口部17の縁部に圧接固定するねじ部材30と、スプール往復動装置50に備わり、スプール軸8の後端部に取り付けられた摺動子52と、ハンドル軸5の下方においてボディ11の内部に設けられ、摺動子52を前後方向に案内する案内部11jと、摺動子52の下部から下方に向けて延在し、下端部が案内部11jに案内される延在部52cと、を備える。ねじ部材30は、案内部11jの上側において、延在部52cに形成された空間部に挿通される構成とした。【選択図】図3
Description
本発明は、魚釣用スピニングリールに関する。
魚釣用スピニングリールは、ボディの内部に、スプールに釣糸を平行に巻回するためのスプール往復動装置を備えている。スプール往復動装置は、一般に、ハンドル軸上の歯車に噛合する連動歯車と、連動歯車に設けられた偏芯突起と、偏芯突起が係合する案内溝が形成された摺動子と、摺動子を案内するガイド軸と、を備えている。摺動子はスプール軸の後端部に固定されている。
一方、魚釣り操作性や携帯性向上のために、リール本体の小型化、軽量化を図った魚釣用スピニングリールが知られている(特許文献1参照)。
特許文献1の魚釣用スピニングリールでは、リール本体の後部に後部開口部が形成されている。後部開口部は、スプール往復動装置の構成部材の一部を受け入れ可能である。このような構成とすることで、スプール往復動装置の前後ストロークの機能を低下させることなくリール本体の小型化、軽量化が可能となる。スプール往復動装置のガイド軸は、後部開口部を通じて後方に延在しており、後部開口部を覆うカバー部材に支持されている。
特許文献1の魚釣用スピニングリールでは、リール本体の後部に後部開口部が形成されている。後部開口部は、スプール往復動装置の構成部材の一部を受け入れ可能である。このような構成とすることで、スプール往復動装置の前後ストロークの機能を低下させることなくリール本体の小型化、軽量化が可能となる。スプール往復動装置のガイド軸は、後部開口部を通じて後方に延在しており、後部開口部を覆うカバー部材に支持されている。
ところで、実釣時に釣糸をスプールに巻き取る際には、釣糸に負荷が加わった状態となっているために、軸回り方向の外力がスプールに加わる。この軸回り方向の外力は、スプール軸を介して摺動子を傾ける方向の外力として作用し、摺動子の前後往復動の範囲に亘って、リール本体の前後方向に延在するガイド軸に対して主に左右方向の外力として作用する。
特許文献1の魚釣用スピニングリールでは、ガイド軸の後端部がカバー部材に支持されている構成であるため、前記した軸回り方向の外力がカバー部材にも作用する。カバー部材に外力が作用すると、カバー部材に変形が生じたり、リール本体に対するカバー部材の取付位置が所定の位置からズレたりするおそれがあった。このように、カバー部材に変形やズレ等が生じると、その影響で摺動子の円滑な前後動が得られなくなるおそれがあるとともに、スプール往復動装置の耐久性も低下してしまう。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、リール本体の小型化を図りつつ、スプール往復動装置の耐久性の強化を図ることができる魚釣用スピニングリールを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る魚釣用スピングリールは、側部開口部が形成され、内部にスプール往復動装置が収容されたボディと、前記側部開口部を塞ぐ蓋部材と、を備えている。また、魚釣用スピニングリールは、前記ボディの後部に形成され、前記スプール往復動装置の構成部材の少なくとも一部を受け入れ可能な後部開口部と、前記後部開口部を塞ぐカバー部材と、を備え、前記ボディと前記蓋部材とでハンドル軸を回転自在に支持している。そして、魚釣用スピニングリールは、前記ハンドル軸の下方において前記ボディの内部に配設され、前記カバー部材を前記後部開口部の縁部に圧接固定するねじ部材と、前記スプール往復動装置に備わり、スプール軸の後端部に取り付けられた摺動子と、前記ハンドル軸の下方において前記ボディの内部に設けられ、前記摺動子を前後方向に案内する案内部と、前記摺動子の下部から下方に向けて延在し、下端部が前記案内部に案内される延在部と、を備えている。前記ねじ部材は、前記案内部の上側において、前記延在部に形成された空間部に挿通されている。
この魚釣用スピニングリールによれば、摺動子は、その下部から下方に向けて延在する延在部を備えており、延在部がボディの内部に設けられた案内部に案内されるので、スプール軸を中心とする軸回り方向の外力が摺動子に作用した場合に、摺動子が傾くのを好適に防止できる。したがって、スプール往復動装置の耐久性の強化を図ることができる。
また、摺動子の延在部を利用して、カバー部材を固定するためのねじ部材を挿通できるので、別途、ねじ部材の挿通スペースを設ける必要がなくなり、リール本体の小型化を図ることができる。
また、摺動子の延在部を利用して、カバー部材を固定するためのねじ部材を挿通できるので、別途、ねじ部材の挿通スペースを設ける必要がなくなり、リール本体の小型化を図ることができる。
また、前記ねじ部材は、前記空間部を仕切る前記延在部の内面に対して非接触状態に挿通されていることが好ましい。
このように構成することによって、スプール軸を中心とする軸回り方向の外力が摺動子に作用した場合に、この外力がねじ部材に作用するのを防止できる。これによって、ねじ部材を介してカバー部材に外力が作用することがなく、カバー部材の変形やカバー部材の取り付位置が所定の位置からズレたりするのを防止できる。
このように構成することによって、スプール軸を中心とする軸回り方向の外力が摺動子に作用した場合に、この外力がねじ部材に作用するのを防止できる。これによって、ねじ部材を介してカバー部材に外力が作用することがなく、カバー部材の変形やカバー部材の取り付位置が所定の位置からズレたりするのを防止できる。
また、前記カバー部材の内面には、前記ねじ部材が螺合する取付部が設けられており、前記ねじ部材は、前記ボディの前部側から前記ボディの内部に挿入され、前記空間部を通じて前記取付部に螺合されることが好ましい。
このように構成することによって、ねじ部材をボディの前部側から組み付けることができ、カバー部材の外面にねじ部材が露出するのを防止できる。
このように構成することによって、ねじ部材をボディの前部側から組み付けることができ、カバー部材の外面にねじ部材が露出するのを防止できる。
本発明では、リール本体の小型化を図りつつ、スプール往復動装置の耐久性の強化を図ることができる魚釣用スピニングリールが得られる。
以下、魚釣用スピニングリールの実施形態について図面を参照して説明する。以下の説明において、「前後」「上下」を言うときは、図1に示した方向を基準とし、「左右」を言うときは、図3に示す方向を基準とする。
はじめに魚釣用スピニングリール1の基本構造について説明する。
図1に示すように、魚釣用スピニングリール1は、ハンドル5aを備えるリール本体10と、ハンドル5aの巻き取り操作により回転するロータ2と、ハンドル5aの巻き取り操作により前後方向に往復運動するスプール3と、を備えている。
図1に示すように、魚釣用スピニングリール1は、ハンドル5aを備えるリール本体10と、ハンドル5aの巻き取り操作により回転するロータ2と、ハンドル5aの巻き取り操作により前後方向に往復運動するスプール3と、を備えている。
リール本体10は、左側に向って開口する円形の側部開口部16が形成されたボディ11を備えている。また、リール本体10は、ボディ11から上方に延びて上端に釣竿取付脚12aが形成された脚部12を備えている。側部開口部16には、円形の蓋部材14が螺合されて固定されている。
ボディ11の後部には、図示しないシール部材を介してカバー部材40が装着されている。
ボディ11の後部には、図示しないシール部材を介してカバー部材40が装着されている。
ボディ11内には、図2に示すように、収容空間S1が形成されている。収容空間S1には、駆動軸筒7及びスプール軸8が挿入されている。駆動軸筒7は、ボディ11に回転自在に支持されている。
駆動軸筒7の前端7a及びスプール軸8の前端8aは、図2に示すように、ボディ11の前部11aの前方に突出している。そして、駆動軸筒7の前端にロータ2(図1参照)が取り付けられ、スプール軸8の前端8aにスプール3(図1参照)が取り付けられている。
一方、駆動軸筒7の後端7b及びスプール軸8の後端8bは、ボディ11内に配置されている。駆動軸筒7の後部には、ピニオンギャ7cが一体に形成されている。スプール軸8の後端8bには、スプール往復動装置50の摺動子52が図示しないねじによって一体に固定されている。
駆動軸筒7の前端7a及びスプール軸8の前端8aは、図2に示すように、ボディ11の前部11aの前方に突出している。そして、駆動軸筒7の前端にロータ2(図1参照)が取り付けられ、スプール軸8の前端8aにスプール3(図1参照)が取り付けられている。
一方、駆動軸筒7の後端7b及びスプール軸8の後端8bは、ボディ11内に配置されている。駆動軸筒7の後部には、ピニオンギャ7cが一体に形成されている。スプール軸8の後端8bには、スプール往復動装置50の摺動子52が図示しないねじによって一体に固定されている。
ボディ11は、左側に向って開口する有底箱状(筒状)に形成されており、筒状の筒部15と、筒部15の右側を閉塞する右壁部21と、を備えている。
筒部15の左端部は、側部開口部16を構成している。側部開口部16の内側には、蓋部材14から右側に突出する図示しない円筒状の挿入部が挿入されている。側部開口部16の内周面には、図示しない雌ねじ部が形成されている。また、雌ねじ部は、挿入部の外周面に形成された図示しない雄ねじ部と螺合しており、ボディ11と蓋部材14とが一体になっている。
ボディ11内には、ハンドル5aの巻き取り操作により駆動軸筒7とスプール軸8を駆動させるための構成として、左右方向に延在するハンドル軸5と、ハンドル軸5に連結するドライブギャ6及び歯車6aとが収容されている。また、ボディ11内には、スプール往復動装置50が収容されている。
ハンドル軸5は、ボディ11の右壁部21と、蓋部材14(図1参照)とを貫通している。ハンドル軸5の端部は、ハンドル5aに設けられた図示しない連結軸と螺合しており、ハンドル5aを巻き取り操作すると、ハンドル軸5が回転軸O1回りに回転する。
ドライブギャ6は、前方に配置されたピニオンギャ7cに噛合する歯車であり、中央部がハンドル軸5に貫通され、ハンドル軸5と一体に回転軸O1回りに回転する。
以上から、ハンドル5aを巻き取り操作すると、ハンドル軸5及びドライブギャ6が回転し、その回転駆動力がピニオンギャ7cに伝達し、駆動軸筒7及びロータ2が回転する。
以上から、ハンドル5aを巻き取り操作すると、ハンドル軸5及びドライブギャ6が回転し、その回転駆動力がピニオンギャ7cに伝達し、駆動軸筒7及びロータ2が回転する。
歯車6aは、ドライブギャ6と一体に形成された歯車である。歯車6aは、スプール往復動装置50の連動歯車54に噛合し、ハンドル5aの巻き取り操作による回転駆動力を連動歯車54に伝達する。
右壁部21は、前後方向及び上下方向に延在する板状の壁部であり、側面視で回転軸O1を中心とする略円形状に形成されている。
右壁部21の内側面(左側面)には、ボディ11の強度を向上させるため、左方に突出するリブ22が形成されている。リブ22は、軸受7dを介して駆動軸筒7の後端7bを支持している。また、リブ22は、カラー8cを介してスプール軸8を摺動自在に支持している。
右壁部21の内側面(左側面)には、ボディ11の強度を向上させるため、左方に突出するリブ22が形成されている。リブ22は、軸受7dを介して駆動軸筒7の後端7bを支持している。また、リブ22は、カラー8cを介してスプール軸8を摺動自在に支持している。
スプール往復動装置50は、摺動子52と、連動歯車54とを備え、ボディ11の前後方向に延びる上部案内部11g及び下部案内部11jに沿って、摺動子52が前後方向に移動するように構成されている。
摺動子52は、右側面に案内溝53が形成されている。連動歯車54は、案内溝53に係合する偏芯突部55を備えている。
摺動子52は、スプール軸8の後端8bに固定される基部52aと、基部52aの後端上部に連続して上方に延出する上延在部52bと、基部52aの前端下部に連続して下方に延在する下延在部52cと、を備えている。上延在部52bは、基部52aに対して後側に位置しており、また、下延在部52cは、基部52aに対して前側に位置している。つまり、摺動子52は、基部52aを中心として、側面視でスプール軸8の後端8bの後方上部から前方下部に向けて斜めに延在しており、下り階段状を呈している。
摺動子52は、スプール軸8の後端8bに固定される基部52aと、基部52aの後端上部に連続して上方に延出する上延在部52bと、基部52aの前端下部に連続して下方に延在する下延在部52cと、を備えている。上延在部52bは、基部52aに対して後側に位置しており、また、下延在部52cは、基部52aに対して前側に位置している。つまり、摺動子52は、基部52aを中心として、側面視でスプール軸8の後端8bの後方上部から前方下部に向けて斜めに延在しており、下り階段状を呈している。
上延在部52bの上端部には、軸部52b1が上方へ向けて突設されている。軸部52b1には、環状の支持部材52b2が回転可能に抜け止め支持されている。支持部材52b2の外周溝には、Oリング等からなる弾性体52b3が外嵌されている。
弾性体52b3は、ボディ11の右壁部21に形成された上部案内部11gに接触可能に対向している。上部案内部11gは、ハンドル軸5の上側領域に位置し、弾性体52b3が接触可能な左面が平らに形成されている。
弾性体52b3は、ボディ11の右壁部21に形成された上部案内部11gに接触可能に対向している。上部案内部11gは、ハンドル軸5の上側領域に位置し、弾性体52b3が接触可能な左面が平らに形成されている。
下延在部52cの下端部には、前後に一対の軸部52c1が下方へ向けて突設されている。各軸部52c1には、転がり軸受52c2が抜止されるように外嵌されている。
各転がり軸受52c2は、ボディ11の下側壁11hに形成された下部案内部11jに当て付いている。下部案内部11jは、ハンドル軸5の下側領域に位置し、転がり軸受52c2が当て付く左面が平らに形成されている。各転がり軸受52c2は、釣糸の巻取り時にスプール3及びスプール軸8を介して摺動子52に加わる軸回り方向の外力を受けて下部案内部11jに当接し、摺動子52を前後方向に円滑に転がり案内する。下部案内部11jは、特許請求の範囲における「案内部」に相当する。
各転がり軸受52c2は、ボディ11の下側壁11hに形成された下部案内部11jに当て付いている。下部案内部11jは、ハンドル軸5の下側領域に位置し、転がり軸受52c2が当て付く左面が平らに形成されている。各転がり軸受52c2は、釣糸の巻取り時にスプール3及びスプール軸8を介して摺動子52に加わる軸回り方向の外力を受けて下部案内部11jに当接し、摺動子52を前後方向に円滑に転がり案内する。下部案内部11jは、特許請求の範囲における「案内部」に相当する。
また、弾性体52b3は、上部案内部11gと接触することによる変形作用により、スプール軸8を中心とした摺動子52の回転方向のガタを吸収することができ、転がり軸受52c2の軽快な転がり案内作用を助長する。なお、弾性体52b3は、上部案内部11gに常時接触させて各転がり軸受52c2に予圧を付与することが好ましい。これによって、ガタをより好適に吸収することができる。
なお、下延在部52c(転がり軸受52c2)は、基部52aに対して前側に位置しており、釣糸を介して外力を受けるスプール3により近づいた位置に配設されている。このため、基部52aの直下に転がり軸受52c2を配置した場合に比べて、摺動子52に加わる軸回り方向の外力を下部案内部11jにより好適に逃がすことができる。
下延在部52cは、特許請求の範囲における「案内部に案内される延在部」に相当する。下延在部52cには、貫通孔52c3が形成されている。貫通孔52c3は、下部案内部11jの上側において下延在部52cを前後方向に貫通している。貫通孔52c3の内径は、後記する下側取付ねじ部材30の外径よりも大径である。具体的には、下側取付ねじ部材30の後記する当接部35を非接触状態に挿通可能に大径に形成されている(図5参照)。貫通孔52c3の内部空間は、特許請求の範囲における「空間部」に相当する。空間部は、貫通孔52c3の内面で仕切られる。
以上から、ハンドル5aの巻き取り操作によってハンドル軸5及び歯車6aが回転すると、連動歯車54が回転する。そして、連動歯車54の偏芯突部55が摺動子52の案内溝53の内面を押圧し、回転運動が前後動に変換されて摺動子52とスプール軸8(スプール3)が前後方向に往復運動する。
カバー部材40は、樹脂製の部材からなる。カバー部材40は、側面視で略三日月状に形成されている(図1参照)。カバー部材40は、上側取付ねじ25及び下側取付ねじ部材30の上下2つの金属製のねじ部材によって、ボディ11(筒部15)の後部開口部17を覆うように固定されている。
カバー部材40の内面は、後方に窪んでいる。言い換えると、カバー部材40は、前方に向って開口する有底筒状を呈し、カバー部材40の前面側に空間が形成されている。これよって、後部開口部17を通じてボディ11内から後方に突出するスプール往復動装置50の摺動子52の一部や連動歯車54の一部をカバー部材40内に収容することができる。
カバー部材40の上部内面には、上ボス部41が前方(脚部12側)へ向けて突出形成されている。上ボス部41には、金属製の雌ねじ部材43がインサート成形されている。雌ねじ部材43には、ボディ11の前面側から挿入された上側取付ねじ25が螺合される。
カバー部材40の下部内面には、取付部としての下ボス部42が前方へ向けて突出形成されている。下ボス部42にも金属製の雌ねじ部材43がインサート成形されている。雌ねじ部材43には、下側取付ねじ部材30の雄ねじ部33が螺合される。雌ねじ部材43の前面は、下ボス部42の前面と面一に露出している。
下側取付ねじ部材30は、図4に示すように、ボディ11の前後方向に全長が大きく形成されたねじ部材である。下側取付ねじ部材30は、ボディ11を貫通する軸部31と、軸部31の一端(前端)に設けられ軸部31が他端側(後端)に移動するのを規制する頭部32とを備えている。また、下側取付ねじ部材30は、軸部31の他端(後端)に設けられた雄ねじ部33と、雄ねじ部33の前側近傍部位に設けられた、雄ねじ部33よりも大径に形成された当接部35とを備えている。
軸部31は、ボディ11の挿通孔11mよりも小径とされた中間部分を備えている。軸部31の一端側には、中間部分よりも大径とされた太部34が形成されている。
頭部32は、太部34よりも大径に形成されている。頭部32は、ボディ11の前部11aに形成された凹部11kに位置している。凹部11kは、その前方に配設される磁気シール機構11eによって液密にシールされている。
雄ねじ部33は、カバー部材40の下ボス部42に備わる雌ねじ部材43に螺合している。雄ねじ部33の後端部には、後方へ延在する小径棒状の案内部36が形成されている。案内部36は、螺合時に、雌ねじ部材43の内側に挿通され、雄ねじ部33を雌ねじ部材43に螺合する際のガイドとして機能する。
太部34の外径は、円柱状を呈しており、ボディ11の挿通孔11mの内径に対応した大きさとなっている。太部34の後部は、後方へ向けてテーパー状に窄まっており、挿通孔11mに挿入し易くなっている。
当接部35は、軸部31に一体成形されており、軸部31の雄ねじ部33の外径よりも大径の円形に形成されている。当接部35は前方へ向けてテーパー状に窄まる略円錐形状を呈している。当接部35の後面35aは雄ねじ部33側に対向しており、当接部35の後面35aには、カバー部材40の下ボス部42の前面(雌ねじ部材43の前面)が当て付けられている。当接部35の後面35aは断面リング状とされており表面が平らに形成されている。
なお、当接部35は、略円錐形状を呈するものに限られることはなく、螺合時に下ボス部42の前面が当て付けられる部位を含む形状であれば、種々の形状のものを採用し得る。
なお、当接部35は、略円錐形状を呈するものに限られることはなく、螺合時に下ボス部42の前面が当て付けられる部位を含む形状であれば、種々の形状のものを採用し得る。
このような下側取付ねじ部材30は、ボディ11の前方から凹部11kに挿入され、挿通孔11mに挿通される。雄ねじ部33(当接部35)は、摺動子52の貫通孔52c3を貫通してカバー部材40の雌ねじ部材43に螺合される。下側取付ねじ部材30を締め付けるとカバー部材40の下ボス部42が下側取付ねじ部材30の当接部35の後面35aに近づいて当て付けられ、カバー部材40の下部がボディ11にしっかりと固定される。つまり、下側取付ねじ部材30がボディ11に対して螺合される構造ではなく、螺着持における圧着力が当接部35の後面35aによる度当てにより抑制される。したがって、ボディ11の対応する部分を肉厚に形成する必要がない。これによって、ボディ11の小型化及び軽量化が可能となり、キャスティングや巻き取り操作等の魚釣操作性が向上する。
以上説明した本実施形態では、摺動子52は、その下部から下方に向けて延在する下延在部52cを備えており、下延在部52cがボディ11の下部案内部11jに案内される。したがって、スプール軸8を中心とする軸回り方向の外力が摺動子52に作用した場合に、摺動子52が傾くのを好適に防止できる。したがって、スプール往復動装置50の耐久性の強化を図ることができる。
また、摺動子52の前後往復動に支障なく下延在部52cを利用して、カバー部材40を固定するための下側取付ねじ部材30を挿通できるので、別途、ねじ部材の挿通スペースを設ける必要がなくなり、リール本体10の小型化を図ることができる。
また、下側取付ねじ部材30は、下延在部52cの貫通孔52c3に対して非接触状態に挿通されている。これによって、スプール軸8を中心とする軸回り方向の外力が摺動子52に作用した場合に、この外力が下側取付ねじ部材30に作用するのを防止できる。したがって、下側取付ねじ部材30を介してカバー部材40に外力が作用することがなく、カバー部材40の変形やカバー部材40の取り付位置が所定の位置からズレたりするのを防止できる。
また、下側取付ねじ部材30は、ボディ11の前部11a側からボディ11の内部に挿入され、貫通孔52c3を通じて下ボス部42の雌ねじ部材43に螺合される。したがって、下側取付ねじ部材30をボディ11の前部11a側から組み付けることができ、カバー部材40の外面に下側取付ねじ部材30が露出するのを防止できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
例えば、前記実施形態では、摺動子52の下延在部52cに貫通孔52c3を設けて下側取付ねじ部材30を空間部に挿通するように構成したが、これに限られることはなく、下延在部52cの左側部の前後方向に開口部を延在する空間部としての凹部を設けて、この凹部内に下側取付ねじ部材30を配置してもよい。この場合、下側取付ねじ部材30は、凹部に対して非接触状態に配置される。つまり、凹部や貫通孔52c3は、下側取付ねじ部材30との間に非接触状態で摺動子52の前後往復動に干渉しない空間部となる所定の間隔を有するように形成されている。
例えば、前記実施形態では、摺動子52の下延在部52cに貫通孔52c3を設けて下側取付ねじ部材30を空間部に挿通するように構成したが、これに限られることはなく、下延在部52cの左側部の前後方向に開口部を延在する空間部としての凹部を設けて、この凹部内に下側取付ねじ部材30を配置してもよい。この場合、下側取付ねじ部材30は、凹部に対して非接触状態に配置される。つまり、凹部や貫通孔52c3は、下側取付ねじ部材30との間に非接触状態で摺動子52の前後往復動に干渉しない空間部となる所定の間隔を有するように形成されている。
また、下側取付ねじ部材30は、カバー部材40の後面側からボディ11内に挿入されて、カバー部材40を固定するものであってもよい。
1 魚釣用スピニングリール
5 ハンドル軸
11 ボディ
11j 下部案内部(案内部)
13 側部開口部
14 蓋部材
17 後部開口部
30 下側取付ねじ部材(ねじ部材)
40 カバー部材
52 摺動子
52c3 貫通孔(空間部)
52c 下延在部(延在部)
52c 延在部
5 ハンドル軸
11 ボディ
11j 下部案内部(案内部)
13 側部開口部
14 蓋部材
17 後部開口部
30 下側取付ねじ部材(ねじ部材)
40 カバー部材
52 摺動子
52c3 貫通孔(空間部)
52c 下延在部(延在部)
52c 延在部
Claims (3)
- 側部開口部が形成され、内部にスプール往復動装置が収容されたボディと、
前記側部開口部を塞ぐ蓋部材と、
前記ボディの後部に形成され、前記スプール往復動装置の構成部材の少なくとも一部を受け入れ可能な後部開口部と、
前記後部開口部を塞ぐカバー部材と、を備え、前記ボディと前記蓋部材とでハンドル軸を回転自在に支持する魚釣用スピニングリールであって、
前記ハンドル軸の下方において前記ボディの内部に配設され、前記カバー部材を前記後部開口部の縁部に圧接固定するねじ部材と、
前記スプール往復動装置に備わり、スプール軸の後端部に取り付けられた摺動子と、
前記ハンドル軸の下方において前記ボディの内部に設けられ、前記摺動子を前後方向に案内する案内部と、
前記摺動子の下部から下方に向けて延在し、下端部が前記案内部に案内される延在部と、を備え、
前記ねじ部材は、前記案内部の上側において、前記延在部に形成された空間部に挿通されていることを特徴とする魚釣用スピニングリール。 - 前記ねじ部材は、前記空間部を仕切る前記延在部の内面に対して非接触状態に挿通されていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
- 前記カバー部材の内面には、前記ねじ部材が螺合する取付部が設けられており、
前記ねじ部材は、前記ボディの前部側から前記ボディの内部に挿入され、前記空間部を通じて前記取付部に螺合されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の魚釣用スピニングリール。
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