JP2020150909A - 薬剤散布機 - Google Patents

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Abstract

【課題】適切な量の薬剤を圃場に散布することができるような走行状態を、容易に実現することを目的とする。【解決手段】走行しながら薬剤を散布する薬剤散布作業を行う薬剤散布機であって、走行機体と、走行機体に搭載されて圃場に薬剤を散布する散布ノズルと、走行機体に搭載されて薬剤を貯留する薬剤タンクと、人為的操作により走行機体の走行速度を調整する速度操作部と、散布ノズルに薬剤を供給するポンプと、表示パネル30と、走行速度を表示させると共に、走行速度に並んで、散布圧力が調整されて散布ノズルから所定の散布量の薬剤を供給することができる走行速度の範囲である推奨速度範囲を表示パネル30に表示させる制御部とを備える。【選択図】図6

Description

走行しながら薬剤を散布する薬剤散布機に関する。
薬剤散布機は、走行機体に搭載される、エンジンと、薬剤タンクと、ポンプと、ブームユニットとを備える。ブームユニットは、複数の散布ノズルを備え、薬剤タンクに貯留された薬剤がポンプを介して散布ノズルに供給され、散布ノズルから圃場に薬剤が散布される。
また、薬剤散布機は、走行しながら圃場に薬剤を散布し、圃場の単位面積当たりに散布する薬剤の量を調整しながら薬剤を散布することもできる。この際、薬剤散布機は、走行速度に応じてポンプを制御し、薬剤タンクから散布ノズルに薬剤を供給する圧力を調整することにより、単位時間当たりに散布ノズルから散布される薬剤の量を調整する。具体的には、走行速度が速くなるほど、ポンプの圧力を昇圧して、散布ノズルから散布される薬剤の量を増量させて、薬剤散布機が走行する単位時間当たりの散布量を増量して、単位時間(所定の距離を走行する)当たりに散布ノズルから散布される薬剤の量を所定量に調整する(特許文献1参照)。
特開2008−178819号公報
しかしながら、散布ノズルは、対応できる圧力の範囲が決まっている。そのため、単位時間に散布する薬剤の量を所定の量に調整するために、走行速度に応じて散布圧力を調整しても、散布ノズルがその圧力に対応した量の薬剤を散布できない場合がある。つまり、散布ノズルに固有の性能の限界を超えた圧力に調整されても、実際の薬剤の散布量がその圧力に応じた散布量を散布できない場合がある。その結果、走行速度が速すぎる場合や遅すぎる場合には、散布圧力を調整しても、単位面積当たりに、所定量の薬剤を散布できない。
上記問題点を解決するために、本発明は、適切な量の薬剤を圃場に散布することができるような走行状態を、容易に実現することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る薬剤散布機は、走行しながら薬剤を散布する薬剤散布作業を行う薬剤散布機であって、走行機体と、前記走行機体に搭載されて圃場に薬剤を散布する散布ノズルと、前記走行機体に搭載されて前記薬剤を貯留する薬剤タンクと、人為的操作により前記走行機体の走行速度を調整する速度操作部と、前記散布ノズルに前記薬剤を供給するポンプと、表示パネルと、走行速度を表示させると共に、前記走行速度に並んで、散布圧力が調整されて前記散布ノズルから所定の散布量の薬剤を供給することができる前記走行速度の範囲である推奨速度範囲を前記表示パネルに表示させる制御部とを備える。
このような構成により、推奨速度範囲内の走行速度で走行した場合には、この走行速度に応じて散布圧力で調整された薬剤の供給量は、散布ノズルが対応できる範囲内となり、散布ノズルが薬剤を散布する散布量が適切に調整される。そのため、搭乗者は、推奨速度範囲内で走行するように走行速度を調整するだけで、容易に所定の散布量で薬剤を散布することができる。また、表示パネルに、走行速度と並んで推奨速度範囲が表示されることにより、薬剤散布作業を行うのに適した走行速度を一目で認識することができ、適切な量の薬剤を圃場に散布することができる走行速度に容易に調整しながら走行することができる。
また、前記散布量を入力する散布量入力部を備え、前記制御部は、前記推奨速度範囲を前記散布量に応じて変更させることが好ましい。
このような構成により、所望の散布量に応じて適切な推奨速度範囲が表示されるため、散布量に応じたより適切な走行速度で走行することを容易に行うことができる。
また、前記表示パネルは、入力された前記散布量と前記走行速度とを切り替えて表示可能であり、前記散布量はスイッチボックスにより入力されることが好ましい。
このような構成により、1つの表示パネルで走行速度と入力された散布量とを切り換えて表示すると共に、散布量を入力する操作はスイッチボックスで行うことができるため、複数の表示パネルを設ける必要がなくなるので部品点数を削減できると共に、配置スペースを最適化して表示された情報の視認性を向上させることができる。
また、搭載された前記散布ノズルの種類を入力するノズル種類入力部を備え、前記制御部は、前記推奨速度範囲を前記散布ノズルの種類に応じて変更させることが好ましい。
散布可能な単位時間当たりの散布量の範囲が異なる散布ノズルが複数存在し、薬剤散布機は、状況に応じてこれらの散布ノズルを使い分けて装着する場合がある。この際、散布ノズルに対応して、散布ノズルで所望の散布量の薬剤を散布させることができる散布圧力も異なる。その結果、適切な散布を行うことが可能な推奨速度範囲も装着された散布ノズルに応じて異なる。このように、散布ノズルを切り換えたとしても、その散布ノズルに応じた推奨速度範囲を表示することができ、より容易に所定の散布量で薬剤を散布することができる。
また、前記表示パネルは複数の第1のインジケータと前記複数の第1のインジケータと並んで配置される第2のインジケータとを有し、前記第1のインジケータは、前記走行速度に応じた数だけ順に点灯し、前記推奨速度範囲は、前記推奨速度範囲内の前記走行速度である場合に点灯する前記第1のインジケータに隣り合う前記第2のインジケータが点灯することにより表示されても良い。
このような構成により、現状の走行速度と推奨速度範囲とが対応付けられて表示されるため、走行速度を維持すればよい状況であるか、走行速度を変更する必要がある状況であるかを容易に認識することができ、適切な量の薬剤を圃場に散布することができる走行速度で、より容易に走行することができる。
また、前記第1のインジケータは、円弧状に並んでも良い。
このような構成により、現状の走行速度を視覚的にイメージしやすくなり、適切な量の薬剤を圃場に散布することができる走行速度で、より容易に走行することができる。
また、前記ポンプの動作の開始および停止を操作するスイッチと、作業状態を取得する状態取得部とを備え、前記制御部は、前記ポンプの動作の開始時に、前記作業状態に応じて前記薬剤散布作業を制御することが好ましい。
薬剤散布作業開始時は、種々の作業状況に一定の制限があり、この制限の範囲外で薬剤散布作業を行うと適切な薬剤散布作業を行えない場合がある。薬剤散布作業の開始時に、作業状況に応じて薬剤散布作業の制御を適切に行うことにより、薬剤散布作業の作業不良が発生することを抑制することができる。
また、前記作業状態が、前記走行機体の走行速度であり、前記制御部は、前記走行速度が所定の速度範囲内であるか否かによって前記薬剤散布作業を制御しても良い。
薬剤散布作業開始時の走行速度が速すぎると、薬剤散布機が故障したり、薬剤散布作業が不良になる場合がある。そのため、薬剤散布作業の開始時に、走行速度に応じて薬剤散布作業の制御を行うことにより、適切な走行速度で薬剤散布作業を開始でき、薬剤散布機の故障や薬剤散布作業の作業不良が発生することを抑制することができる。
また、前記作業状態が、前記速度操作部の操作状態であり、前記制御部は、前記速度操作部が所定の操作状態であるか否かによって前記薬剤散布作業を制御しても良い。
薬剤散布作業は、速度操作部の操作状態が所定の状態の場合に行われるように制限される場合がある。速度操作部が所定の操作状態である場合に剤散布作業を行うように制御することにより、速度操作部が適切な操作状態である場合にのみ薬剤散布作業を行うことができ、薬剤散布作業の作業不良が発生することを抑制することができる。例えば、副変速装置等の速度操作部によって作業速度と移動速度とに走行速度を制御できることがあり、作業速度において薬剤散布作業を行わないと、適切に薬剤散布作業を行うことができない。この場合、作業速度に速度操作部が操作されている場合のみに薬剤散布作業を行うことにより、薬剤散布作業の作業不良が発生することを抑制することができる。
また、原動機を備え、前記ポンプは前記原動機により駆動され、前記作業状態が、前記原動機の回転数であり、前記制御部は、前記回転数が所定の回転数の範囲内であるか否かによって前記薬剤散布作業を制御しても良い。
ポンプはエンジン等の原動機により駆動される。原動機の回転数が必要な回転数に至らない状態で薬剤散布作業を開始すると、ポンプが所望の圧力で薬剤を供給することができず、散布ノズルから散布される薬剤が不足し、適切な薬剤散布作業が行えない場合がある。そのため、薬剤散布作業の開始時に、原動機の回転数に応じて薬剤散布作業の制御を行うことにより、薬剤散布作業開始時からポンプが適切に動作し、薬剤散布作業の作業不良が発生することを抑制することができる。
また、前記作業状態が、前記ポンプを駆動するポンプ駆動軸の回転数であり、前記制御部は、前記ポンプ駆動軸の回転数が所定の回転数であるか否かによって前記薬剤散布作業を制御しても良い。
散布圧力を制御できる範囲は、ポンプの圧力によって制限される。ポンプの圧力はポンプ駆動軸の回転数によって決まる。そのため、散布圧力を制御できる範囲は、ポンプ駆動軸の回転数によって決まることになる。このことから、適切なポンプ駆動軸の回転数である場合にのみ薬剤散布作業を行うように制御することにより、薬剤散布作業の作業不良が発生することを抑制することができる。
また、前記制御部は、所定の作業状態でない場合に、前記所定の作業状態で前記薬剤散布作業を行うことを促す警告を行っても良い。
このように、薬剤散布作業開始時の走行速度が速すぎる場合や、薬剤散布作業開始時に原動機の回転数が不足する場合等の不適切な作業状態である場合に、その旨を警告することにより、走行速度や原動機の回転数等の作業状態が適切になってから薬剤散布作業を開始するように搭乗者が制御することができるため、薬剤散布機の故障や薬剤散布作業の作業不良等が発生することを抑制することができる。
また、前記制御部は、所定の作業状態でない場合に、前記走行機体を停止させても良い。
薬剤散布作業開始時の走行速度が速すぎる場合や、薬剤散布作業開始時に原動機の回転数が不足する場合等に、走行機体を停止させる。これにより、走行速度や原動機の回転数が適切でない場合には薬剤散布作業を開始することができないため、薬剤散布機の故障や薬剤散布作業の作業不良が発生する状況に至ることを抑制することができる。
また、前記制御部は、前記走行速度が前記所定の速度範囲内でない場合に、前記走行速度を前記所定の速度範囲内に制御しても良い。
このような構成により、走行速度を適切な速度にしてから薬剤散布作業を開始することができ、薬剤散布機の故障や薬剤散布作業の作業不良が発生することを抑制することができる。
また、前記制御部は、前記速度操作部が所定の操作状態でない場合に、前記速度操作部を所定の操作状態となるように制御しても良い。
このような構成により、前記速度操作部を適切な操作状態にしてから薬剤散布作業を開始することができ、薬剤散布機の故障や薬剤散布作業の作業不良が発生することを抑制することができる。
また、前記制御部は、前記回転数が前記所定の回転数の範囲内でない場合に、前記回転数を前記所定の回転数の範囲内に制御しても良い。
このような構成により、原動機の回転数を適切な回転数にしてから薬剤散布作業を開始することができ、薬剤散布作業の作業不良が発生することを抑制することができる。
また、前記制御部は、前記ポンプ駆動軸の回転数が所定の回転数でない場合に、前記ポンプ駆動軸の回転数を所定の回転数となるように制御しても良い。
このような構成により、前記ポンプ駆動軸の回転数を適切な回転数にしてから薬剤散布作業を開始することができ、薬剤散布機の故障や薬剤散布作業の作業不良が発生することを抑制することができる。
また、前記制御部は、前記ポンプの動作中に、前記散布圧力が所定時間継続して所定の値以下である場合に、所定の警告を行っても良い。
薬剤タンクに貯留された薬剤の残量が少なくなるとポンプが所定の供給量の薬剤を供給できなくなりポンプの圧力が低下する。このような状況が続くとポンプが焼付け等を起こし、故障の原因となる。また、薬剤が不足した状態やポンプが故障した状態では、適切な薬剤散布作業を行うことができない。そこで、散布圧力が所定の時間低減した状態が続いている場合に警告を行い、薬剤の補給を行うこと等を促すことにより、適切な薬剤散布作業を継続することが可能になる。
また、前記制御部は、前記ポンプの動作中に、前記散布圧力が所定時間継続して所定の値以下である場合に、前記ポンプを停止させても良い。
このような構成により、散布圧力が所定の時間低減した状態が続いている場合には、ポンプを停止させることにより、適切な薬剤散布作業を行うことができない状況を回避することができる。
ブームスプレーヤの側面図である。 ブームスプレーヤの平面図である。 ブームスプレーヤの前面図である。 車軸ユニットの構成を例示する平面図である。 フロントパネルの構成を例示する図である。 速度を表示する表示パネルの構成を例示する図である。 散布量設定状況を表示する表示パネルの構成を例示する図である。 散布ノズル選択画面を表示する表示パネルの構成を例示する図である。 薬剤散布作業を制御する構成例を説明するブロック図である。
〔薬剤散布機の基本構成〕
本発明に係る薬剤散布機(乗用型管理機)の一例として、図1乃至図3にキャビン付きのブームスプレーヤが示される。このブームスプレーヤに、機体フレーム1と、左右一対の前輪2,2と、左右一対の後輪3,3と、を有する走行機体Cが備えられている。機体フレーム1の下部における前部と後部との夫々に、車軸ユニット4F,4Bが連結され、車軸ユニット4F,4Bの夫々は機体左右に延びる。前部における車軸ユニット4Fの左右両端部に前輪2,2が回転可能に支持され、後部における車軸ユニット4Bの左右両端部に後輪3,3が回転可能に支持される。前輪2,2と後輪3,3との夫々は水平軸芯回りに回転可能である。また、車軸ユニット4F,4Bの夫々における左右両端部は下方に延出し、この下方に延出する箇所が上下向き軸芯回りに回転可能である。これにより、前輪2,2と後輪3,3との夫々は四輪操向が可能に構成されている。
機体フレーム1に、エンジンE(原動機に相当)と、ボンネット6と、キャビン7と、薬剤タンク8と、ブームユニット9と、ブロードキャスター10と、が前後に並んで支持される。エンジンE及びボンネット6は、走行機体Cの前部に設けられ、ボンネット6がエンジンEを上方から覆う。ボンネット6は後上端部を軸芯として、機体横向き軸芯回りに揺動可能に構成されている。
機体フレーム1のうち、キャビン7の下方に対応する箇所に変速機構11が支持されている。エンジンEの動力は、変速機構11を介して前後の車軸ユニット4F,4Bの夫々に分配され、前輪2,2と後輪3,3との夫々に伝達される。
キャビン7はボンネット6及びエンジンEの後方に設けられ、キャビン7は走行機体Cの左右中央箇所に位置する。キャビン7の前面にフロントガラス12が設けられ、キャビン7の左側部に、開閉可能なドア13が設けられている。キャビン7の内部に、搭乗者が搭乗可能な搭乗空間が形成されている。この搭乗空間に、運転座席14と、フロントパネル15と、が備えられている。運転座席14は走行機体Cの中央部に備えられ、搭乗者が着席可能なように構成されている。フロントパネル15は走行機体Cの中央部に備えられ、運転座席14の前方かつフロントガラス12の後方に位置する。
フロントパネル15には、走行速度や各種情報が表示される表示パネル30が設けられる。また、フロントパネル15には、各種設定処理や制御処理を行うスイッチボックス31が設けられる。さらに、フロントパネル15等の運転座席14の周辺には、操向ハンドル16と、例えば主変速レバー(速度操作部に相当)や副変速レバー(速度操作部に相当)等の各種操作具32とが設けられる。操向ハンドル16は、人為操作によって前輪2,2と後輪3,3との夫々の操向操作を可能なように構成されている。走行機体Cの前後進の切換え操作や走行速度の変更操作が、例えば主変速レバーや副変速レバー等の操作具32の操作によって可能であり、ブームユニット9やブロードキャスター10の操作がその他の操作具32によって可能である。
ドア13よりも機体左側に、デッキ部17が設けられ、デッキ部17の機体横外側部における後部から下方にステップ18が延出されている。ドア13の前端部にヒンジが設けられている。ドア13は上下向き軸芯回りに揺動可能に構成され、ドア13の後部が遊端側である。搭乗者は、ステップ18を登ってデッキ部17の後部に立ち、ドア13を開くことによって搭乗空間に入ることができる。
薬剤タンク8はキャビン7の後方に隣接して設けられている。薬剤タンク8の左右両側部は、キャビン7の後部における左右側部のうち、ドア13の後部の位置する箇所まで延出する。このため、薬剤タンク8は平面視でU字状に形成され、薬剤タンク8の形状はキャビン7の後部を囲むように形成されている。
ブームユニット9は、昇降リンク機構19と、ローリング機構20と、センタブーム21と、左右一対のサイドブーム22L,22Rと、を有する。昇降リンク機構19はエンジンE及びボンネット6よりも前側に位置し、昇降リンク機構19は、上下向きの第一油圧シリンダ23を有する。
第一油圧シリンダ23のピストンロッドが第一油圧シリンダ23の下部に位置し、第一油圧シリンダ23は単ロッド式のシリンダである。当該ピストンロッドの上端部にピストン部分が設けられている。第一油圧シリンダ23のシリンダ室内は、ピストン部分を挟んで上下二つのシリンダ室内に区切られる。第一油圧シリンダ23のうち、当該ピストン部分よりも下側のシリンダ室内がロッド側のシリンダ室内であって、当該ピストン部分よりも上側のシリンダ室内がキャップ側のシリンダ室内である。このロッドが第一油圧シリンダ23のシリンダ本体に対して上下に摺動することによって、第一油圧シリンダ23が伸縮可能に構成されている。第一油圧シリンダ23の伸縮動作によって昇降リンク機構19は上下昇降可能に構成されている。
昇降リンク機構19の遊端部にローリング機構20が支持され、ローリング機構20に、センタブーム21と、一対のサイドブーム22L,22Rと、が支持される。センタブーム21の長手方向は機体横向きに配置される。センタブーム21の長手方向両端部に、左右夫々のサイドブーム22L,22Rの長手方向一端部が枢支される。センタブーム21の長手方向両端部の枢支箇所の夫々に第二油圧シリンダ24L,24Rが設けられている。
第二油圧シリンダ24L,24Rの夫々にピストンロッドが設けられている。第二油圧シリンダ24L,24Rの夫々は単ロッド式のシリンダである。機体右側の第二油圧シリンダ24Rにおけるピストンロッドの一端部と、機体右側のサイドブーム22Rの当該枢支箇所の近傍と、が枢支されている。また、機体左側の第二油圧シリンダ24Lにおけるピストンロッドの一端部と、機体左側のサイドブーム22Lの当該枢支箇所の近傍と、が枢支されている。第二油圧シリンダ24L,24Rの夫々におけるピストンロッドの他端部(サイドブーム22L,22Rの位置する側とは反対側の端部)にピストン部分が設けられている。第二油圧シリンダ24L,24Rの夫々のシリンダ室内は、ピストン部分を挟んで二つのシリンダ室内に区切られる。第二油圧シリンダ24L,24Rのうち、当該ピストン部分よりもロッド部分の位置する側のシリンダ室内がロッド側のシリンダ室内であって、当該ピストン部分よりもロッド部分の位置する側と反対側のシリンダ室内がキャップ側のシリンダ室内である。このピストンロッドが第二油圧シリンダ24L,24Rの夫々のシリンダ本体に対して摺動することによって、第二油圧シリンダ24L,24Rの夫々が伸縮可能に構成されている。これらの第二油圧シリンダ24L,24Rの伸縮動作によって左右夫々のサイドブーム22L,22Rが揺動可能に構成されている。
第二油圧シリンダ24Lが伸長動作した場合、サイドブーム22Lは機体横向きに延び、センタブーム21の向きと同じになる。この場合、サイドブーム22Lは走行機体Cよりも機体横外側に延びる。第二油圧シリンダ24Lが収縮動作した場合、サイドブーム22Lは後上がりに傾斜する状態で折り畳まれる。サイドブーム22Lの場合と同様に、第二油圧シリンダ24Rが伸長動作した場合にサイドブーム22Rは機体横向きに延びる。また、第二油圧シリンダ24Rが収縮動作した場合、サイドブーム22Rは後上がりに傾斜する状態で折り畳まれる。サイドブーム22L,22Rは後上がりに傾斜した状態で、サイドブーム22L,22Rの遊端部は前後方向において走行機体Cの後端部に対応する箇所に位置し、かつ、上下方向においてキャビン7の上端部よりも下側に位置する。
センタブーム21と一対のサイドブーム22L,22Rとの夫々に、長手方向に沿って薬剤供給管25が備えられ、この薬剤供給管25に多数の散布ノズル26が備えられる。また、機体フレーム1における運転座席14の下方箇所に散布用ポンプ27(ポンプに相当)が支持され、散布用ポンプ27は、薬剤タンク8に貯留された液体の薬剤を薬剤供給管25に向けて吐出可能に構成されている。
薬剤の散布を行う場合、搭乗者は、左右一対のサイドブーム22L,22Rを機体横向きに延ばし、エンジンEの動力に基づいて散布用ポンプ27を駆動する。エンジンEの動力は、所定の変速機構11等を介してポンプ駆動軸(図示せず)に入力され、ポンプ駆動軸(図示せず)から散布用ポンプ27に入力される。これにより、薬剤タンク8に貯留された液体の薬剤が薬剤供給管25を通じて多数の散布ノズル26から散布される。この状態で、前輪2,2と後輪3,3との回転駆動によって走行機体Cが圃場を走行し、圃場に薬剤が散布される。
また、薬剤の散布を行わない場合、搭乗者は、左右一対のサイドブーム22L,22Rを後上がりの向きに折り畳む。これにより、ブームスプレーヤが農道を走行したり保管用の納屋に駐機したりする場合に、サイドブーム22L,22Rの遊端部が他の物体と接触する虞が軽減される。
〔車軸ユニットの構成〕
図4に、車軸ユニット4F,4Bと変速機構11との平面図が示される。車軸ユニット4Fにおける左右中央箇所に前輪中央伝達ケース41Fが備えられ、前輪中央伝達ケース41Fの内部に前輪中央伝達軸42Fが設けられている。前輪中央伝達軸42Fは左右一対の前輪2,2を回転駆動可能な車軸である。車軸ユニット4Bにおける左右中央箇所に後輪中央伝達ケース41Bが備えられ、後輪中央伝達ケース41Bの内部に後輪中央伝達軸42Bが設けられている。後輪中央伝達軸42Bは左右一対の後輪3,3を回転駆動可能な車軸である。変速機構11の出力軸と同一の軸芯上に、前伝達軸11Fと後伝達軸11Rとが変速機構11から前後方向に延出する。詳述はしないが、前輪中央伝達軸42Fと後輪中央伝達軸42Bとの夫々に公知の作動機構が設けられている。前伝達軸11Fは変速機構11から前方の前輪中央伝達ケース41Fへ延出し、前伝達軸11Fの前端部のギヤが前輪中央伝達軸42Fの作動機構と係合する。また、後伝達軸11Rは変速機構11から後方の後輪中央伝達ケース41Bへ延出し、後伝達軸11Rの後端部のギヤが後輪中央伝達軸42Bの作動機構と係合する。このような構成により、エンジンE(図1参照)の動力は、変速機構11を介して前後の車軸ユニット4F,4Bの夫々に分配され、前輪2,2と後輪3,3との夫々に伝達される。また、後伝達軸11Rには、後伝達軸11Rの回転数を測定する回転センサ28が設けられる。回転センサ28は、後伝達軸11Rの軸回転に伴って回転するギアと、回転に伴って固定位置を通過するギアの歯の個数をカウントするセンサとからなる。回転センサ28は、単位時間あたりにカウントされる歯の個数から後伝達軸11Rの回転数を検出し、エンジンE(図1参照)の回転数や走行速度を算出することができる。なお、回転センサ28は、後伝達軸11Rに限らず、前伝達軸11F、前輪中央伝達軸42F、あるいは後輪中央伝達ケース41Bに設けられても良い。
〔フロントパネルの構成〕
図5に示すように、フロントパネル15は、操向ハンドル16の周囲に、操作具32である主変速レバー32aや副変速レバー32bの他、表示パネル30やスイッチボックス31、薬剤散布作業を開始するために散布用ポンプ27(図1参照)の動作を開始または停止させるポンプスイッチ29(スイッチに相当)等を備える。操作具32である主変速レバー32aや副変速レバー32bは、走行速度を調整する際に用いられる。表示パネル30は、走行速度や各種警告、走行状態、作業状態、設定情報等を表示する。スイッチボックス31は、走行や薬剤散布作業における、各種設定、操作を行うスイッチ類を備える。表示パネル30やスイッチボックス31は、操向ハンドル16により視認が阻害されない位置で、かつ、走行中や薬剤散布作業中に見やすい位置に配置される。
例えば、図6に示すように、表示パネル30は、走行速度が示される走行速度表示33が表示される。また、薬剤散布機は、圃場の単位面積当たりに所定量の薬剤が散布されるように、走行速度に応じて薬剤の散布量を自動的に調整する車速連動制御を行うことができる。この場合、表示パネル30は、走行速度表示33に加えて、車速連動制御中であるか否かの情報や、単位面積当たりの薬剤散布量の情報等を表示することもできる。
また、散布ノズル26(以下、いずれも図2参照)は、単位時間に散布可能な薬剤の散布量の範囲が決まっている。そのため、車速連動制御中に、圃場の単位面積当たりに所定量の薬剤を散布できる走行速度の範囲が決まる。そのため、表示パネル30は、走行速度表示33と共に、適切に車速連動制御を行うことができる推奨速度範囲を表示する推奨速度表示34が表示されても良い。車速連動制御中に推奨速度表示34が表示されることにより、搭乗者は、主変速レバー32a(図5参照)や副変速レバー32b(図5参照)等の操作具32(図5参照)を用いて、走行速度が推奨速度表示34で示された推奨速度範囲内になるように操作するだけで、圃場の単位面積当たりに所定量の薬剤を散布することができる。
走行速度表示33は、例えば、円弧状に並んだ複数のインジケータ35(第1のインジケータに相当)が端から順に点灯する個数により走行速度を表示する構成であっても良い。このような場合、推奨速度表示34は、推奨速度範囲に対応する走行速度において点灯されるインジケータ35と隣り合う位置に設けられることが好ましい。推奨速度表示34もインジケータ(第2のインジケータに相当)とすることもできる。円弧状に並んだ複数のインジケータ35で走行速度を表示することで走行速度が視覚的に認識しやすくなる。さらに、走行速度表示33と隣り合って推奨速度表示34が表示されることで、適切な走行速度で作業走行を行っているか否かが認識しやすくなり、また、走行速度が適切でない場合も、どの程度の速度調整が必要であるかが認識しやすくなり、適切な速度で薬剤散布作業を行い、適切な量の薬剤を散布することが容易となる。
さらに、車速連動制御中に散布される単位面積当たりの薬剤の量は、スイッチボックス31(以下、いずれも図5参照)等により任意の量を設定することができる。この場合、例えば、図6に示す走行速度等の表示と切り替えて、図7に例示するような設定情報を表示することもできる。図7に示す例では、表示パネル30は、車速連動制御中であるか否かを示す車速連動表示36や、設定された単位面積当たりの薬剤の散布量を示す散布量設定値37、散布用ポンプ27(図1参照)の散布圧力を示す圧力値38が表示される。このように、表示パネル30の表示を切り替えて、スイッチボックス31で設定される設定値を表示せることにより、設定値を表示する表示パネルを別途設ける必要がなくなり、部品点数を削減できると共に、視認性の高い表示パネル30に設定値の情報を表示させることができる。なお、このように設定された単位面積当たりの薬剤の散布量に対応して、推奨速度表示34(以下、いずれも図6参照)の表示範囲が変化する。
また、薬剤散布機は、搭載する散布ノズル26を変更することができる。上述のように、散布ノズル26は、単位時間に散布可能な薬剤の散布量が異なり、散布ノズル26毎に推奨速度範囲も異なる。そのため、散布ノズル26を変更可能な薬剤散布機の場合、適切な推奨速度表示34を表示するために、散布ノズル26の種類を薬剤散布機に認識させることが必要となる。そのため、スイッチボックス31は散布ノズル26の選択スイッチを備え、表示パネル30は、散布ノズル26の選択画面が表示されることが好ましい。例えば、表示パネル30は、図8に示すような散布ノズル26の選択画面が表示される。図8に示す例では、表示パネル30は、選択可能な散布ノズル26の種類として、円錐霧ノズルと扇形霧ノズルの2種類を選択可能に表示される。スイッチボックス31は表示された2種類の散布ノズル26から1つを選択することができ、表示パネル30は、いずれの散布ノズル26が選択されたかを示すことができる。例えば、選択された散布ノズル26を囲む線が変色・点灯したり、選択された散布ノズル26の文字やその周囲が変色・点灯したりすることにより、選択された散布ノズル26が示される。
このように搭載された散布ノズル26の種類を入力することにより、搭載された散布ノズル26に応じた推奨速度表示34を表示パネル30に表示させることができる。また、図7に示すように、単位面積当たりの薬剤の散布量が設定されている場合には、搭載された散布ノズル26の種類と設定された単位面積当たりの薬剤の散布量に応じた推奨速度表示34が表示パネル30に表示される。これにより、より適切な推奨速度表示34が表示パネル30に表示され、薬剤散布作業を適切に行うための走行速度に、容易に操作することができる。
〔薬剤散布作業の制御〕
図9に示すように、薬剤散布機は、薬剤散布作業を制御するために、状態取得部50と、ポンプ動作入力部51と、散布量入力部52と、ノズル種類入力部53と、制御部54とを備える。これらは、プロセッサ等のハードウェアで実現され、それぞれが1または複数の機能部で構成されても良く、互いに任意に組み合わされて1または複数の機能部で構成されても良い。また、これらの機能はソフトウェアで実現されても良く、この場合、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムが制御部54等のプロセッサにより実行される。
状態取得部50は、回転センサ28から検出結果を受信する。状態取得部50は、受信した情報から、エンジンEの回転数や走行速度を算出し、作業状態として制御部54に送信する。ポンプ動作入力部51は、ポンプスイッチ29の入力状態と、散布用ポンプ27が薬剤を供給する圧力(散布圧力)とを取得し、この情報を制御部54に送信する。ポンプスイッチ29の入力状態から、散布用ポンプ27が動作開始されたタイミング、または動作停止されたタイミングがわかり、さらに散布用ポンプ27が動作して、薬剤散布作業中であるか否かが判断できる。
散布量入力部52は、スイッチボックス31にて設定された、単位面積当たりの薬剤の散布量を取得し、制御部54に送信する。ノズル種類入力部53は、スイッチボックス31にて選択された、搭載される散布ノズル26の種類を取得し、制御部54に送信する。
制御部54は、受信した単位面積当たりの薬剤の散布量の設定値および受信した搭載される散布ノズル26の種類に関する情報の少なくとも一方から、推奨速度範囲を算出する。また、制御部54は、推奨速度範囲や作業状態等に応じて、薬剤散布作業を制御する。
具体的には、制御部54は、状態判定部55と推奨速度範囲算出部56と作業制御部57とを備える。推奨速度範囲算出部56は、例えば、散布量入力部52から受信した単位面積当たりの薬剤の散布量の設定値と、ノズル種類入力部53から受信した搭載される散布ノズル26の種類とに基づいて推奨速度範囲を算出する。
制御部54の状態判定部55は、まず、ポンプ動作入力部51から受信した情報から、散布用ポンプ27が動作開始されたことを検出する。散布用ポンプ27の動作開始時には、状態判定部55は、状態取得部50が算出した作業状態を判定して、薬剤散布作業を行う上で作業状態に応じた制御が必要か否かを判断する。具体的には、状態判定部55は記憶部55aを備え、記憶部55aに、適切に散布用ポンプ27の動作を開始するために必要な、走行速度や回転数等の制限値が記憶される。そして、状態判定部55は、散布用ポンプ27の動作開始時に、状態取得部50から受信した作業状態と、記憶部55aに記憶される制限値とを比較し、比較結果を作業制御部57に送信する。例えば、作業状態が走行速度である場合、制限値として適切に散布用ポンプ27の動作を開始するために必要な走行速度の上限値と下限値とが記憶部55aに記憶され、受信した走行速度が制限値の範囲内にない場合、比較結果として、状態判定部55は所定の制御が必要であると判定する。また、作業状態がエンジンEの回転数である場合、制限値として適切に散布用ポンプ27の動作を開始するために必要なエンジンEの回転数の上限値と下限値とが記憶部55aに記憶され、受信した回転数が制限値の範囲内にない場合、比較結果として、状態判定部55は所定の制御が必要であると判定する。また、作業状態が副変速レバー32bの操作状態である場合、受信した副変速レバー32bの操作状態が作業速度ない場合、比較結果として、状態判定部55は所定の制御が必要であると判定する。また、作業状態がポンプ駆動軸の回転数である場合、制限値として適切に散布用ポンプ27の動作を開始するために必要なポンプ駆動軸の回転数の上限値と下限値とが記憶部55aに記憶され、受信した回転数が制限値の範囲内にない場合、比較結果として、状態判定部55は所定の制御が必要であると判定する。
制御部54の作業制御部57は、推奨速度範囲算出部56が算出した推奨速度範囲や、状態判定部55の判定結果に基づいて、薬剤散布作業の制御を行う。例えば、作業制御部57は、算出された推奨速度範囲に応じて、表示パネル30に表示される推奨速度表示34を制御する。また、作業制御部57は、算出された推奨速度範囲に基づいて、エンジンEや変速機構11を、推奨速度範囲内の走行速度で走行するように自動的に制御することも可能である。
他にも、散布用ポンプ27の動作開始時に、状態判定部55が走行速度が制限値の範囲内にないと判定した場合、作業制御部57は、表示パネル30に、適正な走行速度に調整するように促す警告を表示させたり、走行を停止させたり、エンジンEや変速機構11を制御して適正な走行速度に調整したりしても良い。このような薬剤散布作業の制御は、警告、走行停止、適正な走行速度に調整という処理が順番に行われても良く、あらかじめ選択したり、スイッチボックス31により随時選択したりすることにより、いずれか1つが選択的に行われても良い。なお、走行速度は、副変速レバー32bにより、移動速度と作業速度とに調整される場合がある。薬剤散布作業は作業速度で行われる必要がある。そのため、散布用ポンプ27の動作開始時に、状態判定部55は、状態取得部50を介して副変速レバー32bの状態を読み込み、移動速度に設定されているか作業速度に設定されているかを判定しても良い。そして、作業制御部57は、移動速度に設定されていると判定されている場合に、作業速度に変更すべき旨の警告や、走行速度を自動的に作業速度に変更する制御等を行っても良い。
また、状態判定部55が、散布用ポンプ27の動作開始時に、エンジンEの回転数が制限値の範囲内にないと判定した場合、作業制御部57は、表示パネル30に、適正な回転数に調整するように促す警告を表示させたり、走行を停止させたり、エンジンEを制御して適正な回転数に調整したりしても良い。
また、状態判定部55が、散布用ポンプ27の動作開始時に、ポンプ駆動軸の回転数が制限値の範囲内にないと判定した場合、作業制御部57は、表示パネル30に、適正な回転数に調整するように促す警告を表示させたり、走行を停止させたり、ポンプ駆動軸を制御して適正な回転数に調整したりしても良い。このような薬剤散布作業の制御は、警告、走行停止、適正な回転数に調整という処理を順番に行われても良く、あらかじめ選択したり、スイッチボックス31により随時選択したりすることにより、いずれか1つが選択的に行われても良い。
以上のように、走行速度やエンジンEの回転数等の作業状態が適切な範囲内でない場合に、警告、走行停止、走行速度や回転数の調整等を行うことにより、薬剤散布機の故障が抑制されると共に、不適切な作業状態で薬剤散布作業を行うことが抑制され、不適切な薬剤散布作業が抑制される。
さらに、散布用ポンプ27の動作中に薬剤タンク8(以下、いずれも図1参照)に貯留される薬剤の残量が不足すると、散布用ポンプ27が焼付いて故障する場合がある。そのため、状態判定部55は、ポンプ動作入力部51を介して散布用ポンプ27の圧力(散布圧力)を経時的に取得し、散布用ポンプ27の動作中または動作開始時に、所定の時間以上所定の圧力以下の状態が継続しているか否かを判定する。そして、状態判定部55が散布用ポンプ27の圧力が所定の時間以上所定の圧力以下の状態が継続していると判定した場合、作業制御部57は、薬剤タンク8に薬剤を補給する旨の警告を表示パネル30に表示させたり、散布用ポンプ27の動作を停止するように制御したりすることもできる。このように、散布用ポンプ27の圧力により薬剤タンク8に貯留された薬剤が不足していることを検出し、警告や散布用ポンプ27の停止を行うことにより、散布用ポンプ27が焼付いて故障することを抑制し、薬剤散布作業が作業不能となることを抑制することができる。
なお、上記説明では散布圧力は散布用ポンプ27の圧力である場合を例に説明されたが、散布ノズル26から散布される薬剤を所定量に調整する散布圧力は、薬剤供給管25から散布ノズル26に供給される薬剤の圧力であっても良い。この場合、薬剤供給管25にバルブ(図示せず)が設けられ、バルブ(図示せず)により散布圧力が調整される。薬剤供給管25のバルブ(図示せず)と散布ノズル26との間の薬剤の流路に圧力センサ(図示せず)が設けられ、圧力センサにより散布圧力が検出されて、散布ノズル26から所定量の薬剤が散布されるように、バルブ(図示せず)が調整されて散布圧力が調整される。また、散布圧力は、散布用ポンプ27の圧力を調整することと、バルブ(図示せず)を調整することの両方により調整されても良い。
本発明の薬剤散布機は、ブームに複数の散布ノズルを備える構成に限らず、走行しながら薬剤を散布する様々な薬剤散布機に適用できる。
8 薬剤タンク
26 散布ノズル
27 散布用ポンプ(ポンプ)
29 ポンプスイッチ(スイッチ)
30 表示パネル
31 スイッチボックス
32 操作具(速度操作部)
50 状態取得部
52 散布量入力部
53 ノズル種類入力部
54 制御部
C 走行機体
E エンジン(原動機)

Claims (19)

  1. 走行しながら薬剤を散布する薬剤散布作業を行う薬剤散布機であって、
    走行機体と、
    前記走行機体に搭載されて圃場に薬剤を散布する散布ノズルと、
    前記走行機体に搭載されて前記薬剤を貯留する薬剤タンクと、
    人為的操作により前記走行機体の走行速度を調整する速度操作部と、
    前記散布ノズルに前記薬剤を供給するポンプと、
    表示パネルと、
    走行速度を表示させると共に、前記走行速度に並んで、散布圧力が調整されて前記散布ノズルから所定の散布量の薬剤を供給することができる前記走行速度の範囲である推奨速度範囲を前記表示パネルに表示させる制御部とを備える薬剤散布機。
  2. 前記散布量を入力する散布量入力部を備え、
    前記制御部は、前記推奨速度範囲を前記散布量に応じて変更させる請求項1に記載の薬剤散布機。
  3. 前記表示パネルは、入力された前記散布量と前記走行速度とを切り替えて表示可能であり、
    前記散布量はスイッチボックスにより入力される請求項2に記載の薬剤散布機。
  4. 搭載された前記散布ノズルの種類を入力するノズル種類入力部を備え、
    前記制御部は、前記推奨速度範囲を前記散布ノズルの種類に応じて変更させる請求項1から3のいずれか一項に記載の薬剤散布機。
  5. 前記表示パネルは複数の第1のインジケータと前記複数の第1のインジケータと並んで配置される第2のインジケータとを有し、
    前記第1のインジケータは、前記走行速度に応じた数だけ順に点灯し、
    前記推奨速度範囲は、前記推奨速度範囲内の前記走行速度である場合に点灯する前記第1のインジケータに隣り合う前記第2のインジケータが点灯することにより表示される請求項1から4のいずれか一項に記載の薬剤散布機。
  6. 前記第1のインジケータは、円弧状に並ぶ請求項5に記載の薬剤散布機。
  7. 前記ポンプの動作の開始および停止を操作するスイッチと、
    作業状態を取得する状態取得部とを備え、
    前記制御部は、前記ポンプの動作の開始時に、前記作業状態に応じて前記薬剤散布作業を制御する請求項1から6のいずれか一項に記載の薬剤散布機。
  8. 前記作業状態が、前記走行機体の走行速度であり、
    前記制御部は、前記走行速度が所定の速度範囲内であるか否かによって前記薬剤散布作業を制御する請求項7に記載の薬剤散布機。
  9. 前記作業状態が、前記速度操作部の操作状態であり、
    前記制御部は、前記速度操作部が所定の操作状態であるか否かによって前記薬剤散布作業を制御する請求項7に記載の薬剤散布機。
  10. 原動機を備え、
    前記ポンプは前記原動機により駆動され、
    前記作業状態が、前記原動機の回転数であり、
    前記制御部は、前記回転数が所定の回転数の範囲内であるか否かによって前記薬剤散布作業を制御する請求項7に記載の薬剤散布機。
  11. 前記作業状態が、前記ポンプを駆動するポンプ駆動軸の回転数であり、
    前記制御部は、前記ポンプ駆動軸の回転数が所定の回転数であるか否かによって前記薬剤散布作業を制御する請求項7に記載の薬剤散布機。
  12. 前記制御部は、所定の作業状態でない場合に、前記所定の作業状態で前記薬剤散布作業を行うことを促す警告を行う請求項7から11のいずれか一項に記載の薬剤散布機。
  13. 前記制御部は、所定の作業状態でない場合に、前記走行機体を停止させる請求項7から12のいずれか一項に記載の薬剤散布機。
  14. 前記制御部は、前記走行速度が前記所定の速度範囲内でない場合に、前記走行速度を前記所定の速度範囲内に制御する請求項8に記載の薬剤散布機。
  15. 前記制御部は、前記速度操作部が所定の操作状態でない場合に、前記速度操作部を所定の操作状態となるように制御する請求項9に記載の薬剤散布機。
  16. 前記制御部は、前記回転数が前記所定の回転数の範囲内でない場合に、前記回転数を前記所定の回転数の範囲内に制御する請求項10に記載の薬剤散布機。
  17. 前記制御部は、前記ポンプ駆動軸の回転数が所定の回転数でない場合に、前記ポンプ駆動軸の回転数を所定の回転数となるように制御する請求項11に記載の薬剤散布機。
  18. 前記制御部は、前記ポンプの動作中に、前記散布圧力が所定時間継続して所定の値以下である場合に、所定の警告を行う請求項1から17のいずれか一項に記載の薬剤散布機。
  19. 前記制御部は、前記ポンプの動作中に、前記散布圧力が所定時間継続して所定の値以下である場合に、前記ポンプを停止させる請求項1から18のいずれか一項に記載の薬剤散布機。
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