JP2020150233A - 半導体記憶装置 - Google Patents

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卓由 掛川
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Abstract

【課題】半導体記憶装置の動作特性を改善する。【解決手段】実施形態の半導体記憶装置は、基板と、第1導電体層SLと、複数の第2導電体層WLと、第1ピラーMPと、を含む。第1導電体層SLは、基板の上方に設けられ、第1のN型半導体領域NRと第1のP型半導体領域PRとを含む。複数の第2導電体層WLは、第1導電体層SLの上方で、互いが第1方向に離れて積層されて設けられる。第1ピラーMPは、第1半導体層31と第1絶縁体層33とを含む。第1半導体層31は、第1方向に沿って複数の第2導電体層WLを貫通して設けられ、第1のN型半導体領域NRと第1のP型半導体領域PRとのそれぞれと接触している。第1絶縁体層33は、第1半導体層31と複数の第2導電体層WLとの間に設けられる。【選択図】図9

Description

実施形態は、半導体記憶装置に関する。
データを不揮発に記憶することが可能なNAND型フラッシュメモリが知られている。
米国特許出願公開第2018/0040742号明細書
半導体記憶装置の動作特性を改善する。
実施形態の半導体記憶装置は、基板と、第1導電体層と、複数の第2導電体層と、第1ピラーと、を含む。第1導電体層は、基板の上方に設けられ、第1のN型半導体領域と第1のP型半導体領域とを含む。複数の第2導電体層は、第1導電体層の上方で、互いが第1方向に離れて積層されて設けられる。第1ピラーは、第1半導体層と第1絶縁体層とを含む。第1半導体層は、第1方向に沿って複数の第2導電体層を貫通して設けられ、第1のN型半導体領域と第1のP型半導体領域とのそれぞれと接触している。第1絶縁体層は、第1半導体層と複数の第2導電体層との間に設けられる。
第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成例を示すブロック図。 第1実施形態に係る半導体記憶装置の備えるメモリセルアレイの回路構成の一例を示す回路図。 第1実施形態に係る半導体記憶装置の備えるメモリセルアレイの平面レイアウトの一例を示す平面図。 第1実施形態の変形例に係る半導体記憶装置の備えるメモリセルアレイの平面レイアウトの一例を示す平面図。 第1実施形態に係る半導体記憶装置の備えるメモリセルアレイの詳細な平面レイアウトの一例を示す平面図。 第1実施形態に係る半導体記憶装置の備えるメモリセルアレイの断面構造の一例を示す、図5のVI−VI線に沿った断面図。 第1実施形態に係る半導体記憶装置におけるメモリピラーの断面構造の一例を示す、図6のVII−VII線に沿った断面図。 第1実施形態に係る半導体記憶装置の読み出し動作における電子の挙動の一例を示す模式図。 第1実施形態に係る半導体記憶装置の消去動作における正孔の挙動の一例を示す模式図。 第2実施形態に係る半導体記憶装置の備えるメモリセルアレイの回路構成の一例を示す回路図。 第2実施形態に係る半導体記憶装置の備えるメモリピラーの断面構造の一例を示す断面図。 第2実施形態に係る半導体記憶装置の備えるメモリピラーの断面構造の一例を示す、図11のXII−XII線に沿った断面図。 第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造途中の断面構造の一例を示すメモリセルアレイの断面図。 第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造途中の断面構造の一例を示すメモリセルアレイの断面図。 第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造途中の断面構造の一例を示すメモリセルアレイの断面図。 第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造途中の断面構造の一例を示すメモリセルアレイの断面図。 第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造途中の断面構造の一例を示すメモリセルアレイの断面図。 第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造途中の断面構造の一例を示すメモリセルアレイの断面図。 第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造途中の断面構造の一例を示すメモリセルアレイの断面図。 第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造途中の断面構造の一例を示すメモリセルアレイの断面図。 第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造途中の断面構造の一例を示すメモリセルアレイの断面図。 第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造途中の断面構造の一例を示すメモリセルアレイの断面図。 第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造途中の断面構造の一例を示すメモリセルアレイの断面図。 第2実施形態に係る半導体記憶装置の読み出し動作における電子及び正孔の挙動の一例を示す模式図。 第2実施形態に係る半導体記憶装置の消去動作における正孔の挙動の一例を示す模式図。 第2実施形態に係る半導体記憶装置の読み出し動作における電子及び正孔の挙動の一例を示す模式図。 第2実施形態の第1変形例に係る半導体記憶装置の備えるメモリピラーの断面構造の一例を示す断面図。 第2実施形態の第1変形例に係る半導体記憶装置の備えるメモリピラーの断面構造の一例を示す、図27のXXVIII−XXVIII線に沿った断面図。 第2実施形態の第2変形例に係る半導体記憶装置の備えるメモリピラーの断面構造の一例を示す断面図。 第2実施形態の第3変形例に係る半導体記憶装置の備えるメモリピラーの断面構造の一例を示す断面図。
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。各実施形態は、発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示している。図面は模式的又は概念的なものであり、各図面の寸法及び比率等は必ずしも現実のものと同一とは限らない。本発明の技術思想は、構成要素の形状、構造、配置等によって特定されるものではない。
尚、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付す。参照符号を構成する文字の後の数字は、同じ文字を含んだ参照符号によって参照され、且つ同様の構成を有する要素同士を区別するために使用される。同じ文字を含んだ参照符号で示される要素を相互に区別する必要がない場合、これらの要素はそれぞれ文字のみを含んだ参照符号により参照される。
[1]第1実施形態
以下に、第1実施形態に係る半導体記憶装置1について説明する。
[1−1]半導体記憶装置1の構成
[1−1−1]半導体記憶装置1の全体構成
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の構成例を示している。半導体記憶装置1は、データを不揮発に記憶することが可能なNAND型フラッシュメモリであり、外部のメモリコントローラ2によって制御される。半導体記憶装置1とメモリコントローラ2との間の通信は、例えばNANDインターフェイス規格をサポートしている。
図1に示すように、半導体記憶装置1は、例えばメモリセルアレイ10、コマンドレジスタ11、アドレスレジスタ12、シーケンサ13、ドライバモジュール14、ロウデコーダモジュール15、並びにセンスアンプモジュール16を備えている。
メモリセルアレイ10は、複数のブロックBLK0〜BLKn(nは1以上の整数)を含んでいる。ブロックBLKは、データを不揮発に記憶することが可能な複数のメモリセルの集合であり、例えばデータの消去単位として使用される。また、メモリセルアレイ10には、複数のビット線及び複数のワード線が設けられる。各メモリセルは、例えば1本のビット線と1本のワード線とに関連付けられている。メモリセルアレイ10の詳細な構成については後述する。
コマンドレジスタ11は、半導体記憶装置1がメモリコントローラ2から受信したコマンドCMDを保持する。コマンドCMDは、例えばシーケンサ13に読み出し動作、書き込み動作、消去動作等を実行させる命令を含んでいる。
アドレスレジスタ12は、半導体記憶装置1がメモリコントローラ2から受信したアドレス情報ADDを保持する。アドレス情報ADDは、例えばブロックアドレスBAd、ページアドレスPAd、及びカラムアドレスCAdを含んでいる。例えば、ブロックアドレスBAd、ページアドレスPAd、及びカラムアドレスCAdは、それぞれブロックBLK、ワード線、及びビット線の選択に使用される。
シーケンサ13は、半導体記憶装置1全体の動作を制御する。例えば、シーケンサ13は、コマンドレジスタ11に保持されたコマンドCMDに基づいてドライバモジュール14、ロウデコーダモジュール15、及びセンスアンプモジュール16等を制御して、読み出し動作、書き込み動作、消去動作等を実行する。
ドライバモジュール14は、読み出し動作、書き込み動作、消去動作等で使用される電圧を生成する。そして、ドライバモジュール14は、例えばアドレスレジスタ12に保持されたページアドレスPAdに基づいて、選択されたワード線に対応する信号線に生成した電圧を印加する。
ロウデコーダモジュール15は、アドレスレジスタ12に保持されたブロックアドレスBAdに基づいて、対応するメモリセルアレイ10内の1つのブロックBLKを選択する。そして、ロウデコーダモジュール15は、例えば選択されたワード線に対応する信号線に印加された電圧を、選択されたブロックBLK内の選択されたワード線に転送する。
センスアンプモジュール16は、書き込み動作において、メモリコントローラ2から受信した書き込みデータDATに応じて、各ビット線に所望の電圧を印加する。また、センスアンプモジュール16は、読み出し動作において、ビット線の電圧に基づいてメモリセルに記憶されたデータを判定し、判定結果を読み出しデータDATとしてメモリコントローラ2に転送する。
以上で説明した半導体記憶装置1及びメモリコントローラ2は、それらの組み合わせにより1つの半導体装置を構成しても良い。このような半導体装置としては、例えばSDTMカードのようなメモリカードや、SSD(solid state drive)等が挙げられる。
[1−1−2]メモリセルアレイ10の回路構成
図2は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の備えるメモリセルアレイ10の回路構成の一例を、メモリセルアレイ10に含まれた複数のブロックBLKのうち1つのブロックBLKを抽出して示している。図2に示すように、ブロックBLKは、例えば4つのストリングユニットSU0〜SU3を含んでいる。
各ストリングユニットSUは、ビット線BL0〜BLm(mは1以上の整数)にそれぞれ関連付けられた複数のNANDストリングNSを含んでいる。各NANDストリングNSは、例えばメモリセルトランジスタMT0〜MT7、並びに選択トランジスタST1及びST2を含んでいる。メモリセルトランジスタMTは、制御ゲート及び電荷蓄積層を含み、データを不揮発に保持する。選択トランジスタST1及びST2のそれぞれは、各種動作時におけるストリングユニットSUの選択に使用される。
各NANDストリングNSにおいて、メモリセルトランジスタMT0〜MT7は、直列接続される。選択トランジスタST1のドレインは、関連付けられたビット線BLに接続され、選択トランジスタST1のソースは、直列接続されたメモリセルトランジスタMT0〜MT7の一端に接続される。選択トランジスタST2のドレインは、直列接続されたメモリセルトランジスタMT0〜MT7の他端に接続される。選択トランジスタST2のソースは、ソース線SLに接続される。
同一のブロックBLKにおいて、メモリセルトランジスタMT0〜MT7の制御ゲートは、それぞれワード線WL0〜WL7に共通接続される。ストリングユニットSU0〜SU3内の選択トランジスタST1のゲートは、それぞれ選択ゲート線SGD0〜SGD3に共通接続される。選択トランジスタST2のゲートは、選択ゲート線SGSに共通接続される。
以上で説明したメモリセルアレイ10の回路構成において、ビット線BLは、各ストリングユニットSUで同一のカラムアドレスが割り当てられたNANDストリングNSによって共有される。ソース線SLは、例えば複数のブロックBLK間で共有される。
1つのストリングユニットSU内で共通のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTの集合は、例えばセルユニットCUと称される。例えば、それぞれが1ビットデータを記憶するメモリセルトランジスタMTを含むセルユニットCUの記憶容量が、「1ページデータ」として定義される。セルユニットCUは、メモリセルトランジスタMTが記憶するデータのビット数に応じて、2ページデータ以上の記憶容量を有し得る。
尚、第1実施形態に係る半導体記憶装置1が備えるメモリセルアレイ10の回路構成は、以上で説明した構成に限定されない。例えば、各NANDストリングNSが含むメモリセルトランジスタMT並びに選択トランジスタST1及びST2の個数は、それぞれ任意の個数に設計され得る。各ブロックBLKが含むストリングユニットSUの個数は、任意の個数に設計され得る。
[1−1−3]メモリセルアレイ10の構造
以下に、第1実施形態におけるメモリセルアレイ10の構造の一例について説明する。
尚、以下で参照される図面において、X方向はワード線WLの延伸方向に対応し、Y方向はビット線BLの延伸方向に対応し、Z方向は半導体記憶装置1が形成される半導体基板20の表面に対する鉛直方向に対応している。平面図には、図を見易くするためにハッチングが適宜付加されている。平面図に付加されたハッチングは、ハッチングが付加された構成要素の素材や特性とは必ずしも関連していない。本明細書では、図を見易くするために絶縁層(層間絶縁膜)、配線、コンタクト等の構成要素が適宜省略されている。
(メモリセルアレイ10の平面レイアウト)
図3は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の備えるメモリセルアレイ10の平面レイアウトの一例であり、メモリセルアレイ10の一部の領域を抽出して示している。図3に示すように、メモリセルアレイ10は、例えば複数のN型半導体領域NRと、複数のP型半導体領域PRと、コンタクトLIとを含んでいる。
N型半導体領域NRは、N型不純物が拡散した半導体の領域である。N型半導体領域NRには、例えばリン(P)又はヒ素(As)がドープされる。P型半導体領域PRは、P型不純物が拡散した半導体の領域である。P型半導体領域PRには、例えばボロン(B)等がドープされる。例えば、N型半導体領域NR及びP型半導体領域PRのそれぞれは、X方向に延伸して設けられ、N型半導体領域NR及びP型半導体領域PRは、Y方向において交互に配置される。言い換えると、N型半導体領域NR及びP型半導体領域PRは、ストライプ状に配置される。
コンタクトLIは、複数のN型半導体領域NRと複数のP型半導体領域PRとのそれぞれと電気的に接続される。コンタクトLIは、例えばY方向に延伸した板状に設けられ、交互に配置されたN型半導体領域NR及びP型半導体領域PRのX方向における一端領域に配置される。N型半導体領域NR及びP型半導体領域PRのそれぞれには、2つ以上のコンタクトLIが接続されても良い。
図4は、第1実施形態の変形例に係る半導体記憶装置1の備えるメモリセルアレイ10の平面レイアウトの一例であり、メモリセルアレイ10の一部の領域を抽出して示している。図4に示すように、メモリセルアレイ10は、櫛状のN型半導体領域NRと、櫛状のP型半導体領域PRと、コンタクトLIN及びLIPとを含んでいても良い。
具体的には、第1実施形態の変形例では、N型半導体領域NR及びP型半導体領域PRの櫛状部分において、図3と同様にストライプ状に配置されたN型半導体領域NR及びP型半導体領域PRが形成される。そして、N型半導体領域NRの櫛状部分は、X方向の一方側においてY方向に延伸した接続領域と連続的に設けられ、P型半導体領域PRの櫛状部分は、X方向の他方側においてY方向に延伸した接続領域と連続的に設けられる。
コンタクトLINは、N型半導体領域NRの接続領域と重なるように配置され、N型半導体領域NRに電気的に接続される。コンタクトLIPは、P型半導体領域PRの接続領域と重なるように配置され、P型半導体領域PRに電気的に接続される。コンタクトLIN及びLIPは、共通に制御されても良いし、独立に制御されても良い。つまり、第1実施形態の変形例では、ドライバモジュール14がN型半導体領域NR及びP型半導体領域PRのそれぞれに異なる電圧を印加することも可能である。
尚、第1実施形態及び第1実施形態の変形例において、コンタクトLI、LIN及びLIPのそれぞれの形状は、板状でなくても良い。コンタクトLI、LIN及びLIPのそれぞれが複数の柱状のコンタクトによって構成されても良い。
図5は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の備えるメモリセルアレイ10のより詳細な平面レイアウトの一例であり、1つのストリングユニットSUに対応する領域を抽出して示している。図5に示すように、メモリセルアレイ10は、例えば複数のスリットSLTと、複数のメモリピラーMPと、複数のコンタクトCVと、複数のビット線BLとをさらに含んでいる。
複数のスリットSLTは、それぞれがX方向に延伸し、Y方向に配列している。スリットSLTは、絶縁体を含み、例えばワード線WLに対応する配線層と、選択ゲート線SGDに対応する配線層と、選択ゲート線SGSに対応する配線層とのそれぞれを分割する。
メモリピラーMPの各々は、例えば1つのNANDストリングNSとして機能する。複数のメモリピラーMPは、例えば隣り合うスリットSLT間の領域において、4列の千鳥状に配置される。また、各メモリピラーMPは、Y方向に隣り合うN型半導体領域NR及びP型半導体領域PRのそれぞれと重なって配置される。
本例において、Y方向に隣り合う2本のメモリピラーMPは、互いに異なるN型半導体領域NR及びP型半導体領域PRと重なっている。X方向とY方向にそれぞれずれて且つ隣り合う2本のメモリピラーMPは、N型半導体領域NR及びP型半導体領域PRの一方を共有し、他方を共有していない。尚、各メモリピラーMPは、少なくとも隣り合うN型半導体領域NR及びP型半導体領域PRのそれぞれと重なって配置されていれば良い。
複数のビット線BLは、それぞれがY方向に延伸し、X方向に配列している。各ビット線BLは、ストリングユニットSU毎に少なくとも1つのメモリピラーMPと重なるように配置される。本例において各メモリピラーMPには、2本のビット線BLが重なって配置される。メモリピラーMPに重なっている複数のビット線BLのうち1本のビット線BLと、当該メモリピラーMPとの間には、コンタクトCVが設けられる。各メモリピラーMPは、コンタクトCVを介して対応するビット線BLと電気的に接続される。
以上で説明した第1実施形態に係る半導体記憶装置1の備えるメモリセルアレイ10の平面レイアウトでは、スリットSLTによって区切られた領域が、1つのストリングユニットSUに対応している。そして、メモリセルアレイ10には、例えば図5に示されたレイアウトがY方向に繰り返し配置される。
尚、隣り合うスリットSLT間におけるメモリピラーの個数及び配置は、図5を用いて説明した構成に限定されず、適宜変更され得る。隣り合うスリットSLT間には、選択ゲート線SGDを分割するスリットが設けられても良い。隣り合うスリットSLT間において選択ゲート線SGDが分割された場合には、隣り合うスリットSLT間に複数のストリングユニットSUが設けられる。
(メモリセルアレイ10の断面構造)
図6は、図5のVI−VI線に沿った断面図であり、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の備えるメモリセルアレイ10の断面構造の一例を示している。図6に示すように、メモリセルアレイ10は、例えば絶縁体層21と、導電体層22と、複数のN型半導体層23と、複数のP型半導体層24と、導電体層25〜28とをさらに含んでいる。
具体的には、半導体基板20上に、絶縁体層21が設けられる。図示が省略されているが、絶縁体層21の内部には、センスアンプモジュール16等の回路が設けられる。絶縁体層21上に、導電体層22が設けられる。導電体層22は、例えばXY平面に沿って広がった板状に形成され、例えばタングステン(W)を含んでいる。尚、導電体層22は、半導体で構成されても良いし、省略されても良い。
導電体層22上に、複数のN型半導体層23と、複数のP型半導体層24とが設けられる。言い換えると、導電体層22上に半導体層が設けられ、導電体層22上の半導体層には、N型不純物がドープされた複数のN型半導体層23と、P型不純物がドープされたP型半導体層24とが含まれている。N型半導体層23は、例えばリン(P)又はヒ素(As)を含んでいる。P型半導体層24は、例えばボロン(B)を含んでいる。
N型半導体層23は、N型半導体領域NRに対応し、P型半導体層24は、P型半導体領域PRに対応している。つまり、N型半導体層23とP型半導体層24とは、Y方向において交互に設けられる。また、N型半導体層23の上面とP型半導体層24の上面とは揃っている。第1実施形態では、導電体層22とN型半導体層23とP型半導体層24との組が、ソース線SLとして使用される。
複数のN型半導体層23と複数のP型半導体層24との上方に、絶縁体層を介して導電体層25が設けられる。導電体層25は、例えばXY平面に沿って広がった板状に形成され、選択ゲート線SGSとして使用される。導電体層25は、例えばタングステン(W)を含んでいる。
導電体層25の上方に、絶縁体層と導電体層26とが交互に積層される。導電体層26は、例えばXY平面に沿って広がった板状に形成される。例えば、積層された複数の導電体層26は、半導体基板20側から順に、それぞれワード線WL0〜WL7として使用される。導電体層26は、例えばタングステン(W)を含んでいる。
最上層の導電体層26の上方に、絶縁体層を介して導電体層27が設けられる。導電体層27は、例えばXY平面に沿って広がった板状に形成され、選択ゲート線SGDとして使用される。導電体層27は、例えばタングステン(W)を含んでいる。
導電体層27の上方に、絶縁体層を介して導電体層28が設けられる。例えば導電体層28は、Y方向に沿って延伸したライン状に形成され、ビット線BLとして使用される。つまり、図示せぬ領域において複数の導電体層28は、X方向に沿って配列している。導電体層28は、例えば銅(Cu)を含んでいる。
メモリピラーMPの各々は、Z方向に沿って延伸して設けられ、導電体層25〜27を貫通している。また、メモリピラーMPの各々は、例えばコア部材30、半導体層31、トンネル絶縁膜32、絶縁膜33、及びブロック絶縁膜34を含んでいる。
コア部材30は、Z方向に沿って延伸して設けられる。例えば、コア部材30の上端は、導電体層27よりも上層に含まれ、コア部材30の下端は、導電体層25よりも下層に含まれる。半導体層31は、例えばコア部材30の周囲を覆っている。半導体層31の底部は、隣り合うN型半導体層23及びP型半導体層24のそれぞれと接触している。トンネル絶縁膜32は、半導体層31の側面を覆っている。絶縁膜33は、トンネル絶縁膜32の側面を覆っている。ブロック絶縁膜34は、絶縁膜33の側面を覆っている。
コア部材30は、例えば酸化シリコン(SiO)等の絶縁体を含んでいる。半導体層31は、例えばシリコンを含んでいる。トンネル絶縁膜32及びブロック絶縁膜34のそれぞれは、例えば酸化シリコン(SiO)を含んでいる。絶縁膜33は、例えば窒化シリコン(SiN)を含んでいる。
メモリピラーMP内の半導体層31の上面には、柱状のコンタクトCVが設けられる。図示された領域には、2本のメモリピラーMPのうち、1本のメモリピラーMPに対応するコンタクトCVが表示されている。当該領域においてコンタクトCVが接続されていないメモリピラーMPには、図示されない領域においてコンタクトCVが接続される。
コンタクトCVの上面には、1個の導電体層28、すなわち1本のビット線BLが接触している。1個の導電体層28には、例えば隣り合うスリットSLTによって区切られた空間のそれぞれにおいて、1本のコンタクトCVが接続される。
スリットSLTは、例えばXZ平面に沿って広がった板状に形成され、導電体層25〜27を分割している。スリットSLTの上端は、導電体層27と導電体層28との間の層に含まれ、スリットSLTの下端は、導電体層25よりも下層に含まれている。スリットSLTは、例えば酸化シリコン(SiO)等の絶縁体を含んでいる。
図7は、図6のVII−VII線に沿った断面図であり、第1実施形態に係る半導体記憶装置1におけるメモリピラーMPの断面構造の一例を示している。より具体的には、図7は、半導体基板20の表面に平行且つ導電体層26を含む層における、メモリピラーMPの断面構造を示している。図7に示すように、導電体層26を含む層では、例えばコア部材30は、メモリピラーMPの中央部に設けられる。半導体層31は、コア部材30の側面を囲っている。トンネル絶縁膜32は、半導体層31の側面を囲っている。絶縁膜33は、トンネル絶縁膜32の側面を囲っている。ブロック絶縁膜34は、絶縁膜33の側面を囲っている。導電体層26は、ブロック絶縁膜34の側面を囲っている。
以上で説明したメモリピラーMPの構造では、メモリピラーMPと導電体層25とが交差する部分が、選択トランジスタST2として機能する。メモリピラーMPと導電体層26とが交差する部分が、メモリセルトランジスタMTとして機能する。メモリピラーMPと導電体層27とが交差する部分が、選択トランジスタST1として機能する。つまり、半導体層31は、メモリセルトランジスタMT並びに選択トランジスタST1及びST2のそれぞれのチャネルとして使用される。絶縁膜33は、メモリセルトランジスタMTの電荷蓄積層として使用される。これにより、メモリピラーMPの各々は、例えば1つのNANDストリングNSとして機能する。
尚、以上で説明したメモリセルアレイ10の構造はあくまで一例であり、メモリセルアレイ10はその他の構造を有していても良い。例えば、導電体層26の個数は、ワード線WLの本数に基づいて設計される。選択ゲート線SGSには、複数層に設けられた複数の導電体層25が割り当てられても良い。選択ゲート線SGSが複数層に設けられる場合に、導電体層25と異なる導電体が使用されても良い。選択ゲート線SGDには、複数層に設けられた複数の導電体層27が割り当てられても良い。メモリピラーMPと導電体層28との間は、2つ以上のコンタクトを介して電気的に接続されても良いし、その他の配線を介して電気的に接続されても良い。スリットSLT内は、複数種類の絶縁体により構成されても良い。例えば、スリットSLTに酸化シリコンが埋め込まれる前に、スリットSLTの側壁として窒化シリコン(SiN)が形成されても良い。
[1−2]半導体記憶装置1の動作
以下に、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の読み出し動作及び消去動作について順に説明する。動作の説明では、図6に示された1本のメモリピラーMPに対応する部分が抽出され、ある時刻においてソース線SL、ビット線BL、ワード線WL、並びに選択ゲート線SGD及びSGSのそれぞれに印加される電圧と、メモリピラーMP内を通過する電子又は正孔の挙動との一例が示された図面が使用される。
尚、以下の説明における各動作では、ビット線BLの電圧はセンスアンプモジュール16によって制御され、ワード線WL並びに選択ゲート線SGD及びSGSのそれぞれの電圧はロウデコーダモジュール15によって制御され、ソース線SLの電圧はドライバモジュール14によって制御されるものと仮定する。また、読み出し動作において、選択されたワード線WLのことを選択ワード線と呼び、非選択のワード線WLのことを非選択ワード線と呼ぶ。選択ワード線に接続されたメモリセルトランジスタMTのことを選択メモリセルと呼ぶ。各配線に印加される電圧については、適宜参照符号のみで記載する。
(読み出し動作について)
図8は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の読み出し動作における電子の挙動の一例を示している。図8に示すように、読み出し動作では、例えばビット線BLに電圧VBLが印加され、ソース線SLに電圧VSSが印加され、選択ゲート線SGD及びSGSのそれぞれに電圧VSGが印加され、選択ワード線WLに読み出し電圧VCGが印加され、非選択ワード線WLに読み出しパス電圧VREADが印加される。
VSSは、接地電圧であり、例えば0Vである。VBLは、VSSよりも高い。VSGは、VSSよりも高く、読み出し動作において、VSGが印加された選択トランジスタST1及びST2のそれぞれがオン状態になる電圧である。VCGは、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧を調べるための電圧である。VREADは、VCGよりも高く、VREADが印加されたメモリセルトランジスタMTが記憶するデータに依らずにオン状態になる電圧である。
読み出し動作において上述した各電圧が印加されると、選択ゲート線SGDに接続された選択トランジスタST1と、選択ゲート線SGSに接続された選択トランジスタST2と、非選択ワード線WLに接続されたメモリセルトランジスタMTとのそれぞれがオン状態になる。選択ワード線WLに接続された選択メモリセルは、記憶するデータに基づいてオン状態又はオフ状態になる。図8には、選択メモリセルがオン状態である場合の一例が示されている。
選択メモリセルがオン状態である場合、ソース線SL及びビット線BL間において、NANDストリングNSのチャネル(メモリピラーMP内の半導体層31)を介した電流が流れる。具体的には、ソース線SLのN型半導体領域NRに含まれた電子(e)が、半導体層31を介して、ソース線SLよりも電圧の高いビット線BLに向かって移動する。つまり、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の読み出し動作では、NANDストリングNSを流れる電子が、N型半導体領域NR(N型半導体層23)から供給される。
ビット線BLの電圧が選択メモリセルの状態に基づいて変化すると、センスアンプモジュール16が、ビット線BLの電圧に基づいてメモリセルトランジスタMTの閾値電圧を判定する。以上のように、第1実施形態に係る半導体記憶装置1は、選択メモリセルに記憶されたデータを読み出すことが出来る。
(消去動作について)
図9は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の消去動作における正孔の挙動の一例を示している。図9に示すように、消去動作では、例えばビット線BL並びに選択ゲート線SGD及びSGSのそれぞれがフローティング状態にされ、ソース線SLに消去電圧VERAが印加され、ワード線WLに電圧VSSが印加される。VERAは、VSSよりも高く、消去動作で使用される高電圧である。
消去動作において上述したように各電圧が印加されると、ソース線SLの電圧に基づいて、チャネル(半導体層31)の電圧が上昇し、チャネルの電圧上昇に応じてビット線BL並びに選択ゲート線SGD及びSGSのそれぞれの電圧が上昇する。チャネルの電圧が上昇すると、ソース線SLのP型半導体領域PRからチャネル内に正孔(h)が移動する。つまり、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の消去動作では、正孔が、P型半導体領域PR(P型半導体層24)からNANDストリングNSのチャネルに供給される。
また、消去動作では、ワード線WLにVSSが印加されているため、メモリセルトランジスタMTの制御ゲート−チャネル間で電圧差が生じる。言い換えると、高いチャネル電圧と低いワード線WL電圧との間で電圧の勾配が形成される。すると、チャネル内の正孔が、電荷蓄積層(絶縁膜33)に注入され、書き込まれたデータに基づいて電荷蓄積層に保持された電子と、注入された正孔との再結合が発生する。その結果、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧が低下する。以上のように、第1実施形態に係る半導体記憶装置1は、メモリセルトランジスタMTに記憶されたデータを消去することが出来る。
[1−3]第1実施形態の効果
以上で説明した第1実施形態に係る半導体記憶装置1に依れば、半導体記憶装置1の消去特性を改善することが出来る。以下に、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の詳細な効果について説明する。
メモリセルが三次元に積層された半導体記憶装置では、例えば半導体基板の上方にソース線SL、選択ゲート線SGS、ワード線WL、選択ゲート線SGDを含む積層配線構造が設けられる。そして、メモリピラーMPが、ソース線SLの上方の積層配線構造を貫通して設けられ、最下層に配置されたソース線SLに電気的に接続される。半導体基板の上方にメモリセルアレイが設けられた構造を有する半導体記憶装置では、例えばソース線SLが半導体層を含む導電体層によって構成される。
また、半導体記憶装置は、例えばメモリピラーMP内のチャネルに電子電流を流すことによって読み出し動作を実行する。読み出し動作に電子電流が使用される場合、メモリピラーMP内のチャネルに電子を供給するため、例えばソース線SLとしてリン等のN型不純物がドープされた半導体層が使用される。一方で、N型不純物がドープされた半導体層がソース線SLとして使用された場合、消去動作時にソース線SLからメモリピラーMP内のチャネルに正孔を注入することが出来なくなる。
この対策としては、消去動作時にGIDL(Gate-Induced-Drain-Leakage)を使用することが考えられる。消去動作時にGIDLが使用される場合、例えばソース線SLに消去電圧VERAが印加され、メモリピラーMPの下部に高電界領域が形成される。すると、例えば選択トランジスタST2の近傍においてGIDLによる正孔が発生し、メモリピラーMP内のチャネルに正孔が注入される。
しかしながら、GIDLによって発生する正孔は、ソース線SLとして使用される半導体層における不純物拡散のばらつきの影響が大きい。また、GIDLによる正孔の発生量のばらつきによって、消去動作時における正孔が不足し、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧の低下量が小さくなる可能性がある。このため、GIDLを用いた消去動作では、消去特性を安定させることが困難である。
そこで、第1実施形態に係る半導体記憶装置1は、ソース線SLとして使用される半導体層において、ストライプ状に配置されたN型半導体領域NR及びP型半導体領域PRを備えている。そして、各メモリピラーMP内の半導体層31(チャネル)の底部が、N型半導体領域NR及びP型半導体領域PRのそれぞれと接続される。
その結果、第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、読み出し動作時にN型半導体領域NR(半導体層23)がチャネルに電子を供給し、消去動作時にP型半導体領域PR(半導体層24)がチャネルに正孔を供給することが出来る。つまり、第1実施形態に係る半導体記憶装置1におけるソース線SLの構造は、読み出し動作で使用される電子と、消去動作で使用される正孔との両方を発生させることが出来る。
また、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の消去動作における正孔の供給量は、P型半導体領域PR内の正孔が使用されることから、GIDLを使用した場合よりも安定している。従って、第1実施形態に係る半導体記憶装置1は、消去動作時の正孔不足による消去特性の劣化を抑制することが出来、消去特性を改善することが出来る。
[2]第2実施形態
第2実施形態に係る半導体記憶装置1は、第1実施形態と同様のN型半導体領域NR及びP型半導体領域PRを有し、各メモリピラーMP内に2つのNANDストリングNSが設けられる。以下に、第2実施形態に係る半導体記憶装置1について、第1実施形態と異なる点を説明する。
[2−1]半導体記憶装置1の構成
[2−1−1]メモリセルアレイ10の回路構成
図10は、第2実施形態に係る半導体記憶装置1の備えるメモリセルアレイ10の回路構成の一例を、メモリセルアレイ10に含まれた2つのストリングユニットSU0及びSU1を抽出して示している。図10に示すように、各ストリングユニットSUは、複数のメモリグループMGを含んでいる。
メモリグループMGの各々は、2つのNANDストリングNSa及びNSbを含んでいる。NANDストリングNSaは、例えばメモリセルトランジスタMTa0〜MTa7、並びに選択トランジスタSTa1及びSTa2を含んでいる。NANDストリングNSbは、例えばメモリセルトランジスタMTb0〜MTb7、並びに選択トランジスタSTb1及びSTb2を含んでいる。
メモリセルトランジスタMTa及びMTbのそれぞれは、メモリセルトランジスタMTと同様に機能する。選択トランジスタSTa1及びSTb1のそれぞれは、選択トランジスタST1と同様に機能する。選択トランジスタSTa2及びSTb2のそれぞれは、選択トランジスタST2と同様に機能する。同じメモリグループMGに含まれた選択トランジスタSTa1及びSTb1のそれぞれのドレインは、同じビット線BLに接続される。
各NANDストリングNSaにおいて、メモリセルトランジスタMTa0〜MTa7は、直列接続される。選択トランジスタSTa1のドレインは、関連付けられたビット線BLに接続され、選択トランジスタSTa1のソースは、直列接続されたメモリセルトランジスタMTa0〜MTa7の一端に接続される。選択トランジスタSTa2のドレインは、直列接続されたメモリセルトランジスタMTa0〜MTa7の他端に接続される。選択トランジスタSTa2のソースは、ソース線SLに接続される。
各NANDストリングNSbにおいて、メモリセルトランジスタMTb0〜MTb7は、直列接続される。選択トランジスタSTb1のドレインは、関連付けられたビット線BLに接続され、選択トランジスタSTb1のソースは、直列接続されたメモリセルトランジスタMTb0〜MTb7の一端に接続される。選択トランジスタSTb2のドレインは、直列接続されたメモリセルトランジスタMTb0〜MTb7の他端に接続される。選択トランジスタSTb2のソースは、ソース線SLに接続される。
同一のブロックBLKにおいて、メモリセルトランジスタMTa0〜MTa7の制御ゲートは、それぞれワード線WLa0〜WLa7に共通接続される。ストリングユニットSU0及びSU1内の選択トランジスタSTa1のゲートは、それぞれ選択ゲート線SGDa0及びSGDa1に共通接続される。選択トランジスタSTa2のゲートは、選択ゲート線SGSaに共通接続される。
同一のブロックBLKにおいて、メモリセルトランジスタMTb0〜MTb7の制御ゲートは、それぞれワード線WLb0〜WLb7に共通接続される。ストリングユニットSU0及びSU1内の選択トランジスタSTb1のゲートは、それぞれ選択ゲート線SGDb0及びSGDb1に共通接続される。選択トランジスタSTb2のゲートは、選択ゲート線SGSbに共通接続される。
以上で説明したメモリセルアレイ10の回路構成において、ビット線BLは、各ストリングユニットSUで同一のカラムアドレスが割り当てられたNANDストリングNSa及びNSbによって共有される。ソース線SLは、例えば複数のブロックBLK間で共有される。また、ワード線WLa及びWLb、選択ゲート線SGDa及びSGDb、並びに選択ゲート線SGSa及びSGSbのそれぞれは、ロウデコーダモジュール15によって独立に制御される。
[2−1−2]メモリセルアレイ10の構造
以下に、図11及び図12を用いて、第2実施形態に係る半導体記憶装置1の備えるメモリセルアレイ10の構造の一例について説明する。図11は、半導体基板20の表面と平行且つワード線WLa及びWLbを含む断面におけるメモリピラーMPの構造の一例を示している。図12は、図11のXII−XII線に沿った断面図であり、半導体基板20の表面と鉛直且つ積層配線構造を含む断面におけるメモリピラーMPの構造の一例を示している。図11及び図12に示すように、メモリセルアレイ10は、分割層40、並びに導電体層25a、25b、26a、26b、27a及び27bを含んでいる。
分割層40は、例えばX方向に延伸して設けられ、X方向に沿って配列された複数の絶縁領域を含んでいる。分割層40は、積層されたワード線WL並びに選択ゲート線SGS及びSGDを分割している。ワード線WLに対応する導電体層26は、分割層40によって導電体層26a及び26bに分離される。選択ゲート線SGSに対応する導電体層25は、分割層40によって導電体層25a及び25bに分離される。選択ゲート線SGDに対応する導電体層27は、分割層40によって導電体層27a及び27bに分離される。
例えば、導電体層25a、25b、26a、26b、27a及び27bのそれぞれは、X方向に延伸したライン状に設けられる。そして、導電体層25aの上方に、絶縁体層を介して複数の導電体層26aが配置される。最上層の導電体層26aの上方に、絶縁体層を介して導電体層27aが配置される。同様に、導電体層25bの上方に、絶縁体層を介して複数の導電体層26bが配置される。最上層の導電体層26bの上方に、絶縁体層を介して導電体層27bが配置される。導電体層26a及び26bは、それぞれワード線WLa及びWLbに対応している。導電体層25a及び25bは、それぞれ選択ゲート線SGSa及びSGSbに対応している。導電体層27a及び27bは、それぞれ選択ゲート線SGDa及びSGDbに対応している。
また、分割層40は、X方向に隣り合う絶縁領域間において、メモリピラーMPによって貫通(分断)された部分を有している。分割層40を貫通したメモリピラーMPは、隣り合う導電体層26a及び26bのそれぞれと、隣り合う導電体層25a及び25bのそれぞれと、及び隣り合う導電体層27a及び27bのそれぞれと対向している。第2実施形態におけるメモリピラーMPは、平面視において例えば四角形である。また、第2実施形態におけるメモリピラーMPは、コア部材30、半導体層31、トンネル絶縁膜32、絶縁膜33a及び33b、並びにブロック絶縁膜34a及び34bを含んでいる。
コア部材30は、Z方向に延伸して設けられ、メモリピラーMPの中央部に設けられる。半導体層31は、コア部材30の周囲を覆っている。トンネル絶縁膜32は、半導体層31の側面を覆っている。また、トンネル絶縁膜32は、X方向において分割層40に接触している。絶縁膜33a及びブロック絶縁膜34aは、トンネル絶縁膜32と、導電体層25a、26a及び27aのそれぞれとの間にそれぞれ設けられる。絶縁膜33b及びブロック絶縁膜34bは、トンネル絶縁膜32と、導電体層25b、26b及び27bのそれぞれとの間にそれぞれ設けられる。絶縁膜33a及び33bのそれぞれは、トンネル絶縁膜32に接触している。また、絶縁膜33a及び33bは、トンネル絶縁膜32に接触している部分を除いて、それぞれブロック絶縁膜34a及び34bに覆われている。ブロック絶縁膜34aは、導電体層25a、26a又は27aに接触している。ブロック絶縁膜34bは、導電体層25b、26b又は27bに接触している。
第2実施形態において、N型半導体領域NR及びP型半導体領域PRは、第1実施形態と同様にY方向において交互に配置される。一方で、N型半導体領域NRは、例えば導電体層26a及び26bと分割層40の一部と重なって設けられ、P型半導体領域PRは、例えば分割層40の直下且つ分割層40と平行に設けられる。このため、第2実施形態では、N型半導体領域NR及びP型半導体領域PRが交互に配置される領域において、例えばP型半導体領域PRのY方向における幅が、N型半導体領域NRのY方向における幅よりも狭くなる。メモリピラーMP内の半導体層31は、Y方向に隣り合うN型半導体層23と、これらのN型半導体層23間のP型半導体層24とのそれぞれに接触している。そして、第2実施形態におけるN型半導体領域NR及びP型半導体領域PRは、第1実施形態の変形例と同様に、独立に制御可能に構成される。
また、第2実施形態において、各メモリピラーMP内の半導体層31の上面には、第1実施形態と同様に柱状のコンタクトCVが設けられる。そして、コンタクトCVの上面には、1個の導電体層28、すなわち1本のビット線BLが接触している。
以上で説明したメモリピラーMPの構造では、メモリピラーMPと導電体層26a(ワード線WLa)との対向部分がメモリセルトランジスタMTaとして機能し、メモリピラーMPと導電体層26b(ワード線WLb)との対向部分がメモリセルトランジスタMTbとして機能する。同様に、メモリピラーMPと導電体層25a(選択ゲート線SGSa)との対向部分が選択トランジスタSTa2として機能し、メモリピラーMPと導電体層25b(選択ゲート線SGSb)との対向部分が選択トランジスタSTb2として機能する。メモリピラーMPと導電体層27a(選択ゲート線SGDa)との対向部分が選択トランジスタSTa1として機能し、メモリピラーMPと導電体層27b(選択ゲート線SGDb)との対向部分が選択トランジスタSTb1として機能する。
つまり、第2実施形態に係る半導体記憶装置1では、メモリセルトランジスタMTa及びMTbは、それぞれ絶縁膜33a及び33bを電荷蓄積層として使用している。メモリセルトランジスタMTa及びMTb、並びに選択トランジスタSTa1、STb1、STa2及びSTb2は、半導体層31(チャネル)を共有している。Z方向に並んだ選択トランジスタSTa1及びSTa2並びにメモリセルトランジスタMTa0〜MTa7の組が、NANDストリングNSaに対応している。Z方向に並んだ選択トランジスタSTb1及びSTb2並びにメモリセルトランジスタMTb0〜MTb7の組が、NANDストリングNSbに対応している。
また、半導体基板20の表面と平行な方向(例えばY方向)において、メモリセルトランジスタMTa0〜MTa7並びに選択トランジスタSTa1及びSTa2は、それぞれメモリセルトランジスタMTb0〜MTb7並びに選択トランジスタSTb1及びSTb2と対向している。言い換えると、メモリセルトランジスタMTa0〜MTa7並びに選択トランジスタSTa1及びSTa2は、それぞれメモリセルトランジスタMTb0〜MTb7並びに選択トランジスタSTb1及びSTb2と、分割層40によって分割された領域を介して隣り合っている。第2実施形態に係る半導体記憶装置1のその他の構成は、例えば第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
[2−2]半導体記憶装置1の製造方法
以下に、第2実施形態に係る半導体記憶装置1における、メモリセルアレイ10内の積層配線構造の形成に関する一連の製造工程の一例について説明する。図13〜図23のそれぞれは、第2実施形態に係る半導体記憶装置1の製造途中の断面構造の一例を示している。図13〜図23のそれぞれの下側は、図12に対応する領域の断面に対応し、図13〜図23のそれぞれの上側は、各図面内のA1−A2線に沿った断面に対応している。
まず、図13に示すように、積層配線に対応する複数の犠牲部材52が積層される。具体的には、半導体基板20上に、センスアンプモジュール16に対応する回路を含む絶縁体層21が形成される。絶縁体層21上に、導電体層22及び半導体層50が順に積層される。半導体層50上に、絶縁体層51及び犠牲部材52が交互に積層される。最上層の犠牲部材52上に、絶縁体層53が形成される。半導体層50は、例えばリン又はヒ素がドープされたN型のポリシリコンである。犠牲部材52は、例えば窒化シリコン(SiN)である。
次に、図14に示すように、分割層40に対応するスリットDIVが形成される。具体的には、まずフォトリソグラフィ等によって、分割層40に対応する領域が開口したマスクが形成される。それから、形成されたマスクを用いた異方性エッチングによって、スリットDIVが形成される。本工程においてスリットDIVは、絶縁体層51及び53並びに複数の犠牲部材52を分断し、スリットDIVの底部において半導体層50の一部が露出する。各犠牲部材52は、スリットDIVによって犠牲部材52a及び52bに分かれる。本工程における異方性エッチングは、例えばRIE(Reactive Ion Etching)である。
次に、スリットDIVを利用したイオン注入処理によって、N型半導体領域NR及びP型半導体領域PRが形成される。具体的には、まず図15に示すように、スリットDIVの側面及び底面に絶縁膜54が形成される。それから、絶縁膜54を介したイオン注入処理が実行され、スリットDIVの底部に位置する半導体層50にイオンが注入される。このイオン注入処理によって半導体層50に注入されるイオンとしては、例えばボロン(B)が使用される。これにより、図16に示すように、スリットDIVの底部にP型半導体層24、すなわちP型半導体領域PRが形成される。そして、本工程において半導体層50内でイオンが注入されない領域が、N型半導体層23、すなわちN型半導体領域NRに対応している。本工程で形成された絶縁膜54は、イオン注入処理が実行された後に除去される。その後、スリットDIV内に絶縁膜が埋め込まれ、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)によって上面が平坦化される。これにより、図17に示すように、スリットDIV内に分割層40が形成される。
次に、図18に示すように、メモリピラーMPに対応するメモリホールMHが形成される。具体的には、まずフォトリソグラフィ等によって、メモリピラーMPに対応する領域が開口したマスクが形成される。それから、形成されたマスクを用いた異方性エッチングによって、メモリホールMHが形成される。本工程においてメモリホールMHは、分割層40を貫通する。そして、メモリホールMHの側面では、分割層40を介して隣り合う犠牲部材52a及び52bのそれぞれの側面が露出し、メモリホールMHの底部では、隣り合うN型半導体層23と、これらのN型半導体層23間のP型半導体層24とのそれぞれの一部が露出する。本工程における異方性エッチングは、例えばRIEである。尚、本工程のエッチングでは、絶縁体層51及び53並びに犠牲部材52a及び52bのそれぞれの一部が除去されても良い。
次に、メモリホールMHを利用したウェットエッチングが実行され、メモリホールMHの側面において露出した犠牲部材52a及び52bのそれぞれの一部が除去される。これにより、図19に示すように、メモリホールMHの側面が、犠牲部材52a及び52bが除去された部分においてリセスされた形状に加工される。以下では、本工程で犠牲部材52a及び52bが除去された部分のことをリセス部と呼ぶ。
次に、メモリホールMHを利用して、メモリピラーMPが形成される。具体的には、まず図20に示すように、ブロック絶縁膜34及び絶縁膜33が順に形成される。本工程においてブロック絶縁膜34は、リセス部が埋まらないように形成され、絶縁膜33は、リセス部が埋まるように形成される。それから、図21に示すように、メモリホールMH内でリセス部を除いた部分に形成された絶縁膜33及びブロック絶縁膜34が除去される。これにより、犠牲部材52aに接するブロック絶縁膜34a及び絶縁膜33aの組と、犠牲部材52bに接するブロック絶縁膜34b及び絶縁膜33bの組とが形成される。
その後、メモリホールMHの側面及び底面と、絶縁体層53の上面とに、トンネル絶縁膜32、半導体層31、及びコア部材30が順に形成され、メモリホールMH内がコア部材30によって埋め込まれる。本工程において、半導体層31を形成する前にメモリホールMHの底面におけるトンネル絶縁膜32は除去され、半導体層31は、メモリホールMHの底部に露出したN型半導体層23及びP型半導体層24のそれぞれに接触するように形成される。そして、メモリホールMH上部に形成されたコア部材30の一部が除去され、その空間に半導体材料(半導体層31)が埋め込まれる。本工程において絶縁体層53よりも上層に残存するトンネル絶縁膜32、及び半導体層31は、例えばCMPによって除去される。これにより、図22に示すように、メモリホールMH内にメモリピラーMPに対応する構造体が形成される。
次に、積層配線の置換処理が実行される。具体的には、まず側面で犠牲部材52a及び52bのそれぞれが露出するスリット又はホールが形成される。そして、当該スリット又はホールを介したエッチングによって、犠牲部材52a及び52bが除去される。それから、犠牲部材52a及び52bが除去された空間のそれぞれに導電体が埋め込まれ、スリット又はホール内に形成された導電体が除去される。これにより、図23に示すように、導電体層25a、25b、26a、26b、27a及び27bが形成される。尚、導電体層25a、25b、26a、26b、27a及び27bが形成された後に、本工程で形成されたスリット又はホール内は、例えば絶縁体によって埋め込まれる。
以上で説明した第2実施形態に係る半導体記憶装置1の製造工程によって、メモリピラーMPと、ソース線SLに対応するN型半導体領域NR及びP型半導体領域PRと、メモリピラーMPに接続されるワード線WLa及びWLb並びに選択ゲート線SGSa、SGSb、SGDa及びSGDbとのそれぞれが形成される。
尚、以上で説明した製造工程はあくまで一例であり、各製造工程の間にはその他の処理が挿入されても良い。第2実施形態に係る半導体記憶装置1では、導電体層22を形成する工程が省略されても良い。この場合、絶縁体層21が形成された後に、絶縁体層21上に半導体層50が形成される。その他の製造工程については上記説明と同様である。
[2−3]半導体記憶装置1の動作
以下に、第2実施形態に係る半導体記憶装置1の読み出し動作及び消去動作について順に説明する。動作の説明では、図12に示された1本のメモリピラーMPに対応する部分が抽出され、ある時刻においてソース線SL、ビット線BL、ワード線WL、並びに選択ゲート線SGD及びSGSのそれぞれに印加される電圧と、メモリピラーMP内を通過する電子又は正孔の挙動との一例が示された図面が使用される。
尚、以下の説明における各動作では、ワード線WLa及びWLb並びに選択ゲート線SGDa、SGDb、SGSa及びSGSbのそれぞれの電圧はロウデコーダモジュール15によって制御されるものと仮定する。選択されたメモリセルトランジスタMTを含むNANDストリングNSa又はNSbのことを選択ストリングと呼び、選択されたメモリセルトランジスタMTを含まないNANDストリングNSa又はNSbのことを非選択ストリングと呼ぶ。
(読み出し動作について)
図24は、第2実施形態に係る半導体記憶装置1の読み出し動作における電子及び正孔の挙動の一例を示している。図24に示された一例では、NANDストリングNSa内のメモリセルトランジスタMTが選択されている。図24に示すように、読み出し動作では、例えばビット線BLに電圧VBLが印加され、N型半導体領域NRに電圧VSSが印加され、P型半導体領域PRに電圧VHIが印加される。選択ストリングに対応する選択ゲート線SGDa、選択ゲート線SGSa、選択ワード線WLa、及び非選択ワード線WLaには、それぞれVSG、VSG、VCG、及びVREADが印加される。非選択ストリングに対応する選択ゲート線SGDb、選択ゲート線SGSb、ワード線WLbには、それぞれVSS、VBC、及びVBCが印加される。VHIは、例えばVSSよりも高く、読み出し動作時において非選択ストリングに正孔を供給することが可能な電圧である。VBCは、VSSよりも低く、例えば負電圧である。
読み出し動作において上述した各電圧が印加されると、選択ストリング内の各トランジスタは、NMOSトランジスタとして動作する。選択ストリング内において、選択ゲート線SGDaに接続された選択トランジスタSTa1と、選択ゲート線SGSaに接続された選択トランジスタSTa2と、非選択ワード線WLaに接続されたメモリセルトランジスタMTaとのそれぞれがオン状態になり、選択ワード線WLaに接続された選択メモリセルは、記憶するデータに基づいてオン状態又はオフ状態になる。図24には、選択メモリセル(メモリセルトランジスタMTa4)がオン状態である場合の一例が示されている。
選択メモリセルがオン状態である場合、ソース線SLのN型半導体領域NR及びビット線BL間において、NANDストリングNSaのチャネル(メモリピラーMP内の半導体層31)を介した電流が流れる。具体的には、ソース線SLのN型半導体領域NRに含まれた電子(e)が、選択ストリング内の半導体層31を介してN型半導体領域NRよりも電圧の高いビット線BLに向かって移動する。
一方で、読み出し動作において上述した各電圧が印加されると、非選択ストリング内の各トランジスタは、PMOSトランジスタとして動作する。非選択ストリング内において、選択ゲート線SGDbに接続された選択トランジスタSTb1はオフ状態になり、選択ゲート線SGSbに接続された選択トランジスタSTb2と、ワード線WLbに接続されたメモリセルトランジスタMTbとのそれぞれがオン状態になる。
すると、P型半導体領域PRと非選択ストリングのチャネルとの間で電圧の勾配が形成されているため、ソース線SLのP型半導体領域PRから、NANDストリングNSbのチャネル内に正孔(h)が移動する。つまり、第2実施形態に係る半導体記憶装置1の読み出し動作では、正孔が、P型半導体領域PR(P型半導体層24)から非選択ストリングNSに供給される。そして、VBCは例えば負の電圧であるため、非選択ストリングのチャネル内の正孔は、メモリセルトランジスタMTbの近傍に集まる。
第2実施形態に係る半導体記憶装置1の読み出し動作では、以上のように選択ストリング及び非選択ストリングが動作する。そして、ビット線BLの電圧が選択メモリセルの状態に基づいて変化すると、センスアンプモジュール16が、ビット線BLの電圧に基づいてメモリセルトランジスタMTの閾値電圧を判定する。以上のように、第2実施形態に係る半導体記憶装置1は、選択メモリセルに記憶されたデータを読み出すことが出来る。
(消去動作について)
図25は、第2実施形態に係る半導体記憶装置1の消去動作における正孔の挙動の一例を示している。図25に示すように、消去動作では、例えばビット線BL並びに選択ゲート線SGDa、SGDb、SGSa及びSGSbのそれぞれがフローティング状態にされ、ソース線SLに消去電圧VERAが印加され、各ワード線WLa及びWLbに電圧VSSが印加される。
消去動作において上述した各電圧が印加されると、ソース線SLの電圧に基づいて、チャネル(半導体層31)の電圧が上昇し、チャネルの電圧上昇に応じてビット線BL並びに選択ゲート線SGDa、SGDb、SGSa及びSGSbのそれぞれの電圧が上昇する。チャネルの電圧が上昇すると、ソース線SLのP型半導体領域PRからチャネル内に正孔(h)が移動する。つまり、第2実施形態に係る半導体記憶装置1の消去動作では、正孔が、P型半導体領域PR(P型半導体層24)からNANDストリングNSa及びNSbのそれぞれのチャネルに供給される。
また、消去動作では、各ワード線WLa及びWLbにVSSが印加されているため、メモリセルトランジスタMTa及びMTbのそれぞれの制御ゲート−チャネル間で電圧差が生じる。言い換えると、第1実施形態と同様に、高いチャネル電圧と低いワード線WL電圧との間で電圧の勾配が形成される。すると、チャネル内の正孔が電荷蓄積層(絶縁膜33a及び33b)に注入され、書き込まれたデータに基づいて電荷蓄積層に保持された電子と、注入された正孔との再結合が発生する。その結果、メモリセルトランジスタMTa及びMTbのそれぞれの閾値電圧が低下する。以上のように、第2実施形態に係る半導体記憶装置1は、メモリセルトランジスタMTa及びMTbのそれぞれに記憶されたデータを消去することが出来る。
[2−4]第2実施形態の効果
以上で説明した第2実施形態に係る半導体記憶装置1に依れば、半導体記憶装置1における誤読み出しの発生を抑制することが出来る。以下に、第2実施形態に係る半導体記憶装置1の詳細な効果について説明する。
メモリセルが三次元に積層された半導体記憶装置において、記憶密度を向上させるためには、メモリピラーMPを平面視において分割して動作させることが考えられる。例えば、メモリピラーMPの電荷蓄積層がY方向に分割され、分割されたメモリピラーMPの一方及び他方にそれぞれ対応するようにワード線WLが分割されると、メモリピラーMP内に2つのNANDストリングNSa及びNSbが形成される。
このような半導体記憶装置の読み出し動作では、例えばメモリピラーMP内に、読み出し対象のメモリセルトランジスタMT(選択メモリセル)を含む選択ストリングと、選択メモリセルを含まない非選択ストリングとが含まれる。また、メモリピラーMPに含まれた選択ストリングと非選択ストリングとは、共通のビット線BLに接続される。
この場合、選択メモリセルのデータを正しく読み出すために、非選択ストリングにおけるソース線SL及びビット線BL間の電流経路が遮断される。例えば、非選択ストリングにおける電流経路は、非選択ストリング内の選択トランジスタST1及びST2をオフ状態にすることによって遮断することが出来る。これにより、半導体記憶装置は、選択ストリングのみに電流を流すことが出来、選択メモリセルに対する読み出し動作を実行することが出来る。
以上で説明した半導体記憶装置の読み出し動作では、選択メモリセルと対向するメモリセルトランジスタMT(以下、背面メモリセルと呼ぶ)との干渉効果によって誤読み出しが発生することも考えられる。具体的には、背面メモリセルが保持するデータに応じて背面メモリセルの電荷蓄積層(絶縁膜33b)において電界が生じる。そして、背面メモリセルにおける電界により選択メモリセルの見かけ上の閾値電圧が変化することによって、誤読み出しが発生する可能性がある。
そこで、第2実施形態に係る半導体記憶装置1は、メモリピラーMPが分割された構造において、第1実施形態と同様にメモリピラーMPの底部がN型半導体領域NR及びP型半導体領域PRのそれぞれに接続された構造を有し、N型半導体領域NR及びP型半導体領域PRが独立に制御可能に構成される。そして、第2実施形態に係る半導体記憶装置1は、読み出し動作において、P型半導体領域PRに例えば正電圧を印加し、選択メモリセルと対向する背面メモリセルに接続されたワード線に例えば負電圧を印加する。
図26は、第2実施形態に係る半導体記憶装置1の読み出し動作における電子及び正孔の挙動の一例を示している。また、図26には、選択メモリセル及び非選択メモリセルを含むメモリピラーMPの断面構造が抽出され、メモリセルトランジスタMTaが選択され、メモリセルトランジスタMTbが非選択である場合の一例が示されている。
図26に示すように、第2実施形態に係る半導体記憶装置1の読み出し動作では、選択ワード線WLaには読み出し電圧VCGが印加され、非選択ワード線WLbには例えばVSSよりも低い電圧であるVBCが印加され、N型半導体領域NRにVSSが印加され、P型半導体領域PRにVHIが印加される。
すると、メモリセルトランジスタMTaのチャネル、すなわち選択ストリングに対応するチャネル領域には、N型半導体領域NRから供給された電子による電子電流が流れる。一方で、メモリセルトランジスタMTbのチャネル、すなわち非選択ストリングに対応するチャネル領域には、P型半導体領域PRから供給された正孔が引き寄せられる。つまり、選択メモリセルのチャネルと、背面メモリセルの電荷蓄積層との間に、P型半導体領域PRから供給された正孔が集まった状態が形成される。
これにより、第2実施形態に係る半導体記憶装置1は、読み出し動作時における背面メモリセルの電界を、背面メモリセルのチャネル部分に集まった正孔によって遮蔽することが出来る。その結果、第2実施形態に係る半導体記憶装置1は、読み出し動作における背面メモリセル(非選択ストリング)の影響を抑制することが出来、誤読み出しの発生を抑制することが出来る。
尚、第2実施形態に係る半導体記憶装置1は、第1実施形態と同様に、P型半導体領域PRから発生した正孔を用いた消去動作を実行することも出来る。つまり、第2実施形態に係る半導体記憶装置1は、第1実施形態と同様に、消去動作時の正孔不足による消去特性の劣化を抑制することが出来、消去特性を改善することが出来る。
[2−5]第2実施形態の変形例
以上で説明した第2実施形態に係る半導体記憶装置1におけるメモリピラーMPの構造は、その他の構造であっても良い。以下に、第2実施形態の第1〜第3変形例におけるメモリピラーMPの構造について順に説明する。
(第2実施形態の第1変形例)
まず、図27及び図28を用いて、第2実施形態の第1変形例に係る半導体記憶装置1におけるメモリピラーMPの構造の一例について説明する。図27及び図28は、それぞれ図11及び図12と同様の領域を示している。図27及び図28に示すように、第2実施形態の第1変形例におけるメモリピラーMPは、NANDストリングNSa及びNSb内のトランジスタで絶縁膜33が共有された構造を有している。
具体的には、各メモリピラーMPにおいて、絶縁膜33は、トンネル絶縁膜32の側面を覆っている。言い換えると、絶縁膜33は、Z方向に延伸した筒状に設けられる。つまり、絶縁膜33(電荷蓄積層)がNANDストリングNSa及びNSb内で連続的に設けられている。このような場合においても、第2実施形態の第1変形例に係る半導体記憶装置1は、メモリピラーMP内で対向するメモリセルトランジスタMTa及びMTb間で異なるデータを記憶することが出来、第2実施形態と同様に動作することが出来る。
(第2実施形態の第2変形例)
次に、図29を用いて、第2実施形態の第2変形例に係る半導体記憶装置1におけるメモリピラーMPの構造の一例について説明する。図29は、図11と同様の領域を示している。図29に示すように、第2実施形態の第2変形例におけるメモリピラーMPは、平面視において楕円状に設けられる。そして、NANDストリングNSa及びNSb内のトランジスタで絶縁膜33及びブロック絶縁膜34が共有された構造を有している。
具体的には、各メモリピラーMPにおいて、絶縁膜33は、トンネル絶縁膜32の側面を覆っている。ブロック絶縁膜34は、絶縁膜33の側面を覆っている。第2実施形態の第2変形例におけるメモリピラーMPの図12に対応する領域における断面構造は、例えば第2実施形態の第1変形例と、ブロック絶縁膜34がZ方向に延伸した形状を有する点を除いて同様である。このような場合においても、第2実施形態の第2変形例に係る半導体記憶装置1は、メモリピラーMP内で対向するメモリセルトランジスタMTa及びMTb間で異なるデータを記憶することが出来、第2実施形態と同様に動作することが出来る。
(第2実施形態の第3変形例)
次に、図30を用いて、第2実施形態の第3変形例に係る半導体記憶装置1におけるメモリピラーMPの構造の一例について説明する。図30は、図11と同様の領域を示している。図30に示すように、第2実施形態の第3変形例におけるメモリピラーMPは、平面視において楕円状に設けられる。そして、NANDストリングNSa及びNSb内のトランジスタでトンネル絶縁膜32、絶縁膜33及びブロック絶縁膜34が分離された構造を有している。具体的には、メモリピラーMPは、コア部材30、半導体層31、トンネル絶縁膜32a及び32b、絶縁膜33a及び33b、並びにブロック絶縁膜34a及び34bを含んでいる。
コア部材30は、Z方向に延伸して設けられ、メモリピラーMPの中央部に設けられる。半導体層31は、コア部材30の周囲を覆っている。また、半導体層31は、X方向において分割層40に接触している。ワード線WLa及びWLbを含む断面において、トンネル絶縁膜32a、絶縁膜33a、及びブロック絶縁膜34aは、半導体層31と、導電体層26aとの間に設けられる。トンネル絶縁膜32b、絶縁膜33b、及びブロック絶縁膜34bは、半導体層31と、導電体層26bとの間に設けられる。トンネル絶縁膜32aは、絶縁膜33a及び半導体層31に挟まれている。ブロック絶縁膜34aは、導電体層26a及び絶縁膜33aに挟まれている。トンネル絶縁膜32bは、絶縁膜33b及び半導体層31に挟まれている。ブロック絶縁膜34bは、導電体層26b及び絶縁膜33bに挟まれている。
選択ゲート線SGDa及びSGDbを含む断面におけるメモリピラーMPの構造と、選択ゲート線SGSa及びSGSbを含む断面におけるメモリピラーMPの構造とは、ワード線WLa及びWLbを含む断面におけるメモリピラーMPの構造と同様のため、説明を省略する。第2実施形態の第3変形例におけるメモリピラーMPの図12に対応する領域における断面構造は、例えばトンネル絶縁膜32がZ方向においてNANDストリングNSa及びNSb内のトランジスタ毎に分離された構造を有する点を除いて第2実施形態と同様である。このような場合においても、第2実施形態の第3変形例に係る半導体記憶装置1は、メモリピラーMP内で対向するメモリセルトランジスタMTa及びMTb間で異なるデータを記憶することが出来、第2実施形態と同様に動作することが出来る。
[3]その他の変形例等
実施形態の半導体記憶装置は、基板と、第1導電体層と、複数の第2導電体層と、第1ピラーと、を含む。第1導電体層は、基板の上方に設けられ、第1のN型半導体領域と第1のP型半導体領域とを含む。複数の第2導電体層は、第1導電体層の上方で、互いが第1方向に離れて積層されて設けられる。第1ピラーは、第1半導体層と第1絶縁体層とを含む。第1半導体層は、第1方向に沿って複数の第2導電体層を貫通して設けられ、第1のN型半導体領域と第1のP型半導体領域とのそれぞれと接触している。第1絶縁体層は、第1半導体層と複数の第2導電体層との間に設けられる。これにより、半導体記憶装置1の消去特性を改善することが出来る。
上記実施形態では、メモリセルトランジスタMTの電荷蓄積層が絶縁膜である場合について例示したが、第1実施形態、第2実施形態、及び第2実施形態の第3変形例のそれぞれは、電荷蓄積層として半導体や金属のような導電体が使用されても良い。つまり、第1実施形態、第2実施形態、及び第2実施形態の第3変形例に係る半導体記憶装置1のそれぞれは、絶縁膜33が導電体に置き換えられたフローティングゲート型のメモリセルトランジスタMTを備えていても良い。上記実施形態及び変形例におけるメモリセルトランジスタMTの構成は、メモリピラーMP内の電荷蓄積層の構造に応じて設計される。例えば、各メモリピラーMPにおいて、電荷蓄積層がY方向及びZ方向の両方向でメモリセルトランジスタMT毎に分離されている場合は、電荷蓄積層として絶縁膜及び導電体のいずれも使用することが出来る。電荷蓄積層として使用される導電体は、半導体、金属、及び絶縁体のうち2種類以上を用いた積層構造を有していても良い。一方で、各メモリピラーMPにおいて、電荷蓄積層がY方向及びZ方向の両方向でメモリセルトランジスタMT毎に分離されていない場合は、電荷蓄積層として絶縁膜が使用される。尚、電荷蓄積層がY方向及びZ方向でメモリセルトランジスタMT毎に分離されているか否かに依らず、トンネル絶縁膜及びブロック絶縁膜のそれぞれは、メモリピラーMPにおけるNANDストリングNSa及びNSb内のトランジスタで共有されていても分離されていても良く、また、メモリピラーMP内でZ方向に延伸していてもメモリセルトランジスタMT毎に分離されていても良い。
上記実施形態において、N型半導体層23にドープされたN型不純物(例えばリン又はヒ素)の濃度は、例えば1019(atoms/cm3)以上である。同様に、P型半導体層24にドープされたP型不純物(例えばボロン)の濃度は、例えば1019(atoms/cm3)以上である。P型半導体層24がN型半導体層23に対応する半導体層50へのイオン注入によって形成される場合、P型半導体層24におけるP型不純物の濃度は、P型半導体層24におけるN型不純物の濃度よりも高く設計される。また、N型半導体層23とP型半導体層24とは隣接しているため、製造工程の熱処理によって、N型半導体層23及びP型半導体層24間で互いに不純物が拡散する可能性がある。このため、N型半導体層23及びP型半導体層24の境界は明確になっていなくても良く、隣接するN型半導体層23及びP型半導体層24の境界部分では、不純物の濃度勾配が形成され得る。
第2実施形態では、N型半導体層23及びP型半導体層24が第1実施形態と同様にY方向において交互に配置された場合について例示したが、N型半導体層23及びP型半導体層24の配置はこれに限定されない。半導体記憶装置1の読み出し動作において、N型半導体領域NR及びP型半導体領域PRが独立に制御可能であって、メモリピラーMPにおける2つのNANDストリングNSa及びNSbの一方のチャネルにN型半導体領域NRから電子が移動し、他方のチャネルにP型半導体領域PRから正孔が移動出来る構造であれば、N型半導体層23及びP型半導体層24は全く異なる配置にされても良い。
また、第2実施形態では、平面視におけるメモリピラーMPの形状が四角形である場合について例示したが、平面視におけるメモリピラーMPの形状は完全な四角形でなくても良い。例えば、平面視においてメモリピラーMPの角は円弧状に形成されていても良いし、側面部分が丸みを帯びていても良い。
上記実施形態において、メモリセルアレイ10の構造はその他の構造であっても良い。例えば、メモリピラーMPは、複数のピラーがZ方向に2本以上連結された構造であっても良い。また、メモリピラーMPは、選択ゲート線SGDに対応するピラーと、ワード線WLに対応するピラーとが連結された構造であっても良い。スリットSLT内は、複数種類の絶縁体により構成されても良い。各メモリピラーMPと重なるビット線BLの本数は、任意の本数に設計され得る。
上記実施形態において、メモリセルアレイ10は、ワード線WL0及び選択ゲート線SGS間と、ワード線WL7及び選択ゲート線SGD間とのそれぞれに、1本以上のダミーワード線を有していても良い。ダミーワード線が設けられる場合、メモリセルトランジスタMT0及び選択トランジスタST2間と、メモリセルトランジスタMT7及び選択トランジスタST1間とのそれぞれには、ダミーワード線の本数に対応してダミートランジスタが設けられる。ダミートランジスタは、メモリセルトランジスタMTと同様の構造を有し、データの記憶に使用されないトランジスタである。メモリピラーMPがZ方向に2本以上連結される場合、ピラーの連結部分の近傍のメモリセルトランジスタMTがダミートランジスタとして使用されても良い。
上記実施形態では、半導体記憶装置1がメモリセルアレイ10下にセンスアンプモジュール16等の回路が設けられた構造を有する場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、半導体記憶装置1は、センスアンプモジュール16等が設けられたチップと、メモリセルアレイ10が設けられたチップとが貼り合わされた構造であっても良い。
上記実施形態で説明に使用した図面では、メモリピラーMPの外径が層位置に応じて変化しない場合が例示されているが、これに限定されない。例えば、メモリピラーMPは、テーパー形状や逆テーパー形状を有していても良いし、中間部分が膨らんだ形状を有していても良い。同様に、スリットSLTがテーパー形状や逆テーパー形状を有していても良いし、中間部分が膨らんだ形状を有していても良い。
本明細書において“接続”は、電気的に接続されている事を示し、例えば間に別の素子を介することを除外しない。“電気的に接続される”は、電気的に接続されたものと同様に動作することが可能であれば、絶縁体を介していても良い。“柱状”は、半導体記憶装置1の製造工程において形成されたホール内に設けられた構造体であることを示している。“外径”は、半導体基板20の表面と平行な断面における、構成要素の直径のことを示している。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…半導体記憶装置、2…メモリコントローラ、10…メモリセルアレイ、11…コマンドレジスタ、12…アドレスレジスタ、13…シーケンサ、14…ドライバモジュール、15…ロウデコーダモジュール、16…センスアンプモジュール、20…半導体基板、21…絶縁体層、22、25〜28…導電体層、23、24、31…半導体層、30…コア部材、32…トンネル絶縁膜、33…絶縁膜、34…ブロック絶縁膜、CV…コンタクト、BLK…ブロック、SU…ストリングユニット、MT…メモリセルトランジスタ、ST1,ST2…選択トランジスタ、BL…ビット線、WL…ワード線、SGD…選択ゲート線

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板の上方に設けられ、第1のN型半導体領域と第1のP型半導体領域とを含む第1導電体層と、
    前記第1導電体層の上方で、互いが第1方向に離れて積層された複数の第2導電体層と、
    前記第1方向に沿って前記複数の第2導電体層を貫通し、前記第1のN型半導体領域と前記第1のP型半導体領域とのそれぞれと接触した第1半導体層と、前記第1半導体層と前記複数の第2導電体層との間に設けられた第1絶縁体層と、を含む第1ピラーと、
    を備える、半導体記憶装置。
  2. 消去動作を実行するコントローラをさらに備え、
    前記コントローラは、前記消去動作時に、前記第1導電体層に消去電圧を印加し且つ前記複数の第2導電体層のそれぞれに前記消去電圧よりも低い電圧を印加し、前記第1のP型半導体領域から前記第1半導体層に正孔が供給される、
    請求項1に記載の半導体記憶装置。
  3. 前記第1方向に沿って前記複数の第2導電体層を貫通した第2半導体層と、前記第2半導体層と前記複数の第2導電体層との間に設けられた第2絶縁体層と、を含み、前記第1ピラーと隣り合う第2ピラーと、
    前記第1方向に沿って前記複数の第2導電体層を貫通した第3半導体層と、前記第3半導体層と前記複数の第2導電体層との間に設けられた第3絶縁体層と、を含み、前記第1ピラーと前記第2ピラーとのそれぞれと隣り合う第3ピラーと、
    をさらに備え、
    前記第1導電体層は、第2のN型半導体領域と第2のP型半導体領域とをさらに含み、
    前記第1のN型半導体領域と前記第2のN型半導体領域と前記第1のP型半導体領域と前記第2のP型半導体領域とのそれぞれは、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延伸して設けられ、
    前記第1のN型半導体領域と前記第2のN型半導体領域との間に前記第1のP型半導体領域が配置され、前記第1のP型半導体領域と前記第2のP型半導体領域との間に前記第2のN型半導体領域が配置され、
    前記第2半導体層は、前記第1のP型半導体領域と前記第2のN型半導体領域とのそれぞれと接触し、前記第3半導体層は、前記第2のN型半導体領域と前記第2のP型半導体領域とのそれぞれと接触する、
    請求項1に記載の半導体記憶装置。
  4. 基板と、
    前記基板の上方に設けられ、第1のN型半導体領域と、第2のN型半導体領域と、前記第1のN型半導体領域と前記第2のN型半導体領域との間の第1のP型半導体領域とを含む第1導電体層と、
    前記第1のN型半導体領域の上方で、互いが第1方向に離れて積層された第2導電体層及び第3導電体層と、
    前記第2のN型半導体領域の上方で、前記第2導電体層及び前記第3導電体層と互いに離隔しつつ同じ層にそれぞれ設けられた第4導電体層及び第5導電体層と、
    前記第2導電体層と前記第4導電体層との間且つ前記第3導電体層と前記第5導電体層との間に、前記第1方向と交差する第2方向に沿って設けられた複数の絶縁領域と、
    前記第1方向に沿って延伸し且つ前記複数の絶縁領域間に設けられ、前記第1のN型半導体領域と前記第2のN型半導体領域と前記第1のP型半導体領域とのそれぞれと接触した第1半導体層と、前記第1半導体層と前記第2乃至第5導電体層との間に設けられた第1絶縁体層と、を含む第1ピラーと、
    を備える、半導体記憶装置。
  5. 読み出し動作を実行するコントローラをさらに備え、
    前記第1ピラーと前記第2導電体層との対向部分と、前記第1ピラーと前記第3導電体層との対向部分と、前記第1ピラーと前記第4導電体層との対向部分と、前記第1ピラーと前記第5導電体層との対向部分とのそれぞれは、それぞれ第1乃至第4メモリセルトランジスタとして機能し、
    前記コントローラは、前記第1メモリセルトランジスタを選択した読み出し動作時に、前記第1導電体層内の前記第1のN型半導体領域と前記第2のN型半導体領域とのそれぞれに第1電圧を印加し、前記第1導電体層内の前記第1のP型半導体領域に前記第1電圧よりも高い第2電圧を印加し、前記第2導電体層に読み出し電圧を印加し、前記第3導電体層に前記読み出し電圧よりも高い読み出しパス電圧を印加し、前記第4導電体層及び前記第5導電体層に前記第1電圧よりも低い電圧を印加する、
    請求項4に記載の半導体記憶装置。
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