JP2020147543A - 2’−アリールビフェニリル基を有するトリアジン化合物 - Google Patents

2’−アリールビフェニリル基を有するトリアジン化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動電圧、発光効率および寿命を高次元に達成した有機電界発光素子の作製に資するとともに、高い耐熱性を有するトリアジン化合物、および有機電界発光素子用材料、ならびに該トリアジン化合物の製造方法を提供すること。【解決手段】式(1)で表される特定の構造を有するトリアジン化合物。【選択図】図2

Description

本開示は、トリアジン化合物およびその製造方法、ならびに、有機電界発光素子用材料に関する。
有機電界発光素子は、小型モバイル用途を中心に実用化が始まっている。しかしながら最近の有機電界効果発光素子は徐々に改良されているものの、更なる性能向上が求められている。ここで、有機電界発光素子の性能向上とは、駆動電圧の低減、発光効率の向上、高寿命化の3つについて、いずれかを犠牲にすることなくこれらを高度に達成することであり、特に用途拡大の観点からその実現が強く求められている。
また、有機電界発光素子は、小型モバイル用途以外の用途にも実用化が始まっていて、例えば、車載用の表示装置として用いられる。
ここで、特許文献1は、電子輸送材料として特定の構造を有するトリアジン化合物を開示している。
特開2011−063584号公報
しかしながら、特許文献1にかかるトリアジン化合物であっても、駆動電圧、発光効率および寿命について、さらなる改良が求められている。
さらに、車載用の表示装置などの用途では高温環境に曝されること、また、小型モバイル用途であってもその普及に伴い高温環境を含めた多様な環境下で使用されることが増えていることから、有機電界発光素子に用いられる材料にはさらなる耐熱性が求められている。
そこで、本開示の一態様は、駆動電圧、発光効率および寿命を高次元に達成した有機電界発光素子の作製に資するとともに、高い耐熱性を有するトリアジン化合物、および有機電界発光素子用材料、ならびに該トリアジン化合物の製造方法を提供することに向けられている。また、本開示の他の態様は、駆動電圧、発光効率および寿命を高次元に達成し、耐熱性に優れた有機電界発光素子を提供することに向けられている。
本開示の一態様にかかるトリアジン化合物は、式(1)で表される:
Figure 2020147543
式中、
ArおよびArは、各々独立に、フェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を表す;
Arは、3または4環からなる、
芳香族炭化水素基、
含窒素複素環基または、
ヘテロ原子が16族元素である複素環基を表す;
Arは、フェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を表す;
Ar、Ar、ArおよびArは、各々独立に、フッ素原子、メチル基およびフェニル基からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい;
Rは、各々独立に、炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数6から13の単環、連結環、もしくは縮合環の芳香族炭化水素基を表す;
pは、0または1を表す;
qは、1または2を表す。
本開示の他の態様にかかる式(1)で表されるトリアジン化合物の製造方法は、式(2)で表される化合物と、式(3)で表される化合物と、をカップリング反応させることを含む:
Figure 2020147543
式中、
ArおよびArは、各々独立に、フェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を表す;
Arは、3または4環からなる、
芳香族炭化水素基、
含窒素複素環基または、
ヘテロ原子が16族元素である複素環基を表す;
Arは、フェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を表す;
Ar、Ar、ArおよびArは、各々独立に、フッ素原子、メチル基およびフェニル基からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい;
Rは、各々独立に、炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数6から13の単環、連結環、もしくは縮合環の芳香族炭化水素基を表す;
pは、0または1を表す;
qは、1または2を表す;
は、ZnY、MgY、Sn(Y、または、2つの(OY)基が一体となってホウ素原子とともに環を形成していてもよいB(OYを表す;
およびYは、各々独立に、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す;
は、各々独立に、炭素数1から4のアルキル基またはフェニル基を表す;
は、各々独立に、水素原子、炭素数1から4のアルキル基またはフェニル基を表す;
は、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基またはヨウ素原子を表す。
本開示の他の態様にかかる式(1)で表されるトリアジン化合物の製造方法は、式(4)で表される化合物と、式(5)で表される化合物と、をカップリング反応させることを含む:
Figure 2020147543
式中、
ArおよびArは、各々独立に、フェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を表す;
Arは、3または4環からなる、
芳香族炭化水素基、
含窒素複素環基または、
ヘテロ原子が16族元素である複素環基を表す;
Arは、フェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を表す;
Ar、Ar、ArおよびArは、各々独立に、フッ素原子、メチル基およびフェニル基からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい;
Rは、各々独立に、炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数6から13の単環、連結環、もしくは縮合環の芳香族炭化水素基を表す;
pは、0または1を表す;
qは、1または2を表す;
は、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基またはヨウ素原子を表す;
は、ZnY、MgY、Sn(Y、または、2つの(OY)基が一体となってホウ素原子とともに環を形成していてもよいB(OYを表す;
およびYは、各々独立に、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す;
は、各々独立に、炭素数1から4のアルキル基またはフェニル基を表す;
は、各々独立に、水素原子、炭素数1から4のアルキル基またはフェニル基を表す。
本開示の他の態様にかかる有機電界発光素子用材料は、上記トリアジン化合物を含有する。
本開示の他の態様にかかる有機電界発光素子は、上記トリアジン化合物を含有する。
本開示の一態様によれば、駆動電圧、発光効率および寿命を高次元に達成した有機電界発光素子の作製に資するとともに、高い耐熱性有するトリアジン化合物および有機電界発光素子用材料、ならびに、該トリアジン化合物の製造方法を提供することができる。
本開示の他の態様によれば、駆動電圧、発光効率および寿命を高次元に達成し、耐熱性に優れた有機電界発光素子を提供することができる。
本開示の一態様にかかる有機エレクトロルミネッセンス素子の積層構成の一例を示す概略断面図である。 本開示の一態様にかかる有機エレクトロルミネッセンス素子の他の積層構成の例(素子実施例−1の構成)を示す概略断面図である。
以下、本開示の一態様にかかるトリアジン化合物について詳細に説明する。
本開示の一態様にかかるトリアジン化合物は、式(1)で表される:
Figure 2020147543
式中、
ArおよびArは、各々独立に、フェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を表す;
Arは、3または4環からなる、
芳香族炭化水素基、
含窒素複素環基または、
ヘテロ原子が16族元素である複素環基を表す;
Arは、フェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を表す;
Ar、Ar、ArおよびArは、各々独立に、フッ素原子、メチル基およびフェニル基からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい;
Rは、各々独立に、炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数6から13の単環、連結環、もしくは縮合環の芳香族炭化水素基を表す;
pは、0または1を表す;
qは、1または2を表す。
本発明者らは、式(1)で示すような構造を有するトリアジン化合物において、分子内の適切な位置に1,2−フェニレン部位を導入することで分子構造の捻じれを付与すると、上記課題を解決できると推測している。
以下、本開示の一態様にかかるトリアジン化合物(以下、単にトリアジン化合物(1)とも称する。)についてより詳細に説明する。
トリアジン化合物(1)におけるAr、Ar、Ar、Ar、R、pおよびqの定義について説明する。
[Ar、Arについて]
ArおよびArは、各々独立に、フェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を表す。ArおよびArは、各々独立に、フッ素原子、メチル基およびフェニル基からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい。
トリアジン化合物(1)の合成が容易な点で、ArおよびArは、同一の基であることが好ましい。
また、トリアジン化合物(1)が電子輸送性材料特性に優れる点で、ArおよびArが、それぞれ独立に、フェニル基またはビフェニリル基であることが好ましい。
[Arについて]
Arは、3または4環からなる、
(i)芳香族炭化水素基、
(ii)含窒素複素環基または、
(iii)ヘテロ原子が16族元素である複素環基を表す。
(i)芳香族炭化水素基
該芳香族炭化水素基としては、例えば、フェナントリル基、アントリル基、ピレニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、トリフェニレニル基、フルオランテニル基が挙げられる。これらの基はフッ素原子、メチル基、およびフェニル基からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい。トリアジン化合物(1)の合成が容易な点で、Arが、無置換の3または4環からなる芳香族炭化水素基またはメチル基で置換された3または4環からなる芳香族炭化水素基であることが好ましく、フェナントレニル基、ジメチルフルオレニル基、トリフェニレニル基が特に好ましい。
(ii)含窒素複素環基
該含窒素複素環としては、例えば、ベンゾ[b]キノリル基、ベンゾ[c]キノリル基、ベンゾ[f]キノリル基、ベンゾ[g]キノリル基、ベンゾ[h]キノリル基、フェナジニル基、アザピレニル基、ジアザピレニル基、アザトリフェニレニル基、ジアザトリフェニレニル基等が挙げられる。これらの基はフッ素原子、メチル基、およびフェニル基からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい。トリアジン化合物(1)がより高性能な有機電界発光素子の形成に資するものとなる点で、Arが、無置換のベンゾ[c]キノリル基、ベンゾ[h]キノリル基、アザピレニル基、アザトリフェニレニル基、ジアザトリフェニレニル基であることが好ましい。
(iii)複素環基
該複素環基としては、例えば、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ベンゾナフトフラニル基またはベンゾナフトチオフェニル基が挙げられる。これらの基はフッ素原子、メチル基、およびフェニル基からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい。トリアジン化合物(1)がより高性能な有機電界発光素子の形成に資するものとなる点で、Arが、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基であることが好ましい。
[Arについて]
Arは、フェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を表す。これらの基はフッ素原子、メチル基およびフェニル基からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい。トリアジン化合物(1)の合成が容易な点で、Arが、フェニル基またはビフェニリル基であることが好ましい。
[Rについて]
Rは、各々独立に、炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数6から13の単環、連結環、もしくは縮合環の芳香族炭化水素基を表す。Rで表される芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、フルオレニル基が挙げられる。
Rで表される芳香族炭化水素基は、炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。該炭素数1から4のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状アルキル基のいずれでもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、2−メチルプロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、2−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基を例示することができる。
トリアジン化合物(1)の合成が容易な点で、Rは、フェニル基またはビフェニリル基であることが好ましい。
[pについて]
pは、0または1を表す。トリアジン化合物(1)の合成が容易な点で、pは0であることが好ましい。
[qについて]
qは、1または2を表す。トリアジン化合物(1)の合成が容易な点で、qは1であることが好ましい。
[トリアジン化合物(1)の具体例]
トリアジン化合物(1)の具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下の1−1から1−78に示す構造の化合物を具体的に例示することができる。有機電界発光素子における電子輸送材としての性能が良い点で、トリアジン化合物(1)としては1−1または1−2で表される化合物が好ましい。
Figure 2020147543
Figure 2020147543
Figure 2020147543
Figure 2020147543
Figure 2020147543
Figure 2020147543
Figure 2020147543
次に、本開示の他の態様にかかるトリアジン化合物の製造方法(以下、トリアジン化合物(1)の製造方法と称する。)について説明する。
トリアジン化合物(1)は、次の反応式に示される工程1または2により製造することができる。
すなわち、トリアジン化合物(1)の製造方法は、
式(2)で表される化合物と、式(3)で表される化合物と、を、カップリング反応させることを含む、または、
式(4)で表される化合物と、式(5)で表される化合物と、をカップリング反応させることを含む。
Figure 2020147543
Figure 2020147543
式中、
ArおよびArは、各々独立に、フェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を表す;
Arは、3または4環からなる、
芳香族炭化水素基、
含窒素複素環基または、
ヘテロ原子が16族元素である複素環基を表す;
Arは、フェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を表す;
Ar、Ar、ArおよびArは、各々独立に、フッ素原子、メチル基およびフェニル基からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい;
Rは、各々独立に、炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数6から13の単環、連結環、もしくは縮合環の芳香族炭化水素基を表す;
pは、0または1を表す;
qは、1または2を表す;
は、ZnY、MgY、Sn(Y、または、2つの(OY)基が一体となってホウ素原子とともに環を形成していてもよいB(OYを表す;
は、ZnY、MgY、Sn(Y、または、2つの(OY)基が一体となってホウ素原子とともに環を形成していてもよいB(OYを表す;
およびYは、各々独立に、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す;
は、各々独立に、炭素数1から4のアルキル基またはフェニル基を表す;
は、各々独立に、水素原子、炭素数1から4のアルキル基またはフェニル基を表す;
は、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基またはヨウ素原子を表す;
は、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基またはヨウ素原子を表す。
工程1は、トリアジン化合物(2)と化合物(3)とを、触媒の存在下で反応させ、トリアジン化合物(1)を製造する工程である。工程1は、鈴木−宮浦反応、根岸反応、玉尾−熊田反応、スティレ反応等の、一般的なカップリング反応の反応条件を適用することにより、収率よく目的物を得ることができる。工程1に鈴木−宮浦反応の反応条件を適用する場合は、塩基存在下に行うことが好ましい。また、触媒としてはパラジウム触媒が好ましい。
工程1に用いられる式(2)で表される化合物は、例えば、特許第6326930号公報に開示されている方法、または式(4)で表される化合物から一般的な有機金属化合物を合成する反応(例えばAngew.Chem.Int.Ed.2007,46,5359−5363 参照)を用いて合成することができる。
式(2)で表される化合物としては、以下の2−1から2−36に示す構造の化合物を例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、式(2−1)から(2−36)中、Mは式(2)と同じ定義である。
Figure 2020147543
Figure 2020147543
Figure 2020147543
Figure 2020147543
で表される基としては、特に限定されるものではないが、例えばZnY、MgY、Sn(Yまたは、2つの(OY)基が一体となってホウ素原子とともに環を形成していてもよいB(OY等が挙げられる。これらの中でも、B(OYが好ましい。
ZnY、MgYとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ZnCl、ZnBr、ZnI、MgCl、MgBr、MgI等が例示できる。
Sn(Yとしては、特に限定されるものではないが、例えば、Sn(Me)、Sn(Bu)等が例示できる。
B(OYとしては、特に限定されるものではないが、例えば、B(OH)、B(OMe)、B(OPr)、B(OBu)、B(OPh)等を例示することができる。なお、Meはメチル基、Prはイソプロピル基、Buはブチル基、Phはフェニル基を示す。また、2つの(OY)基が一体となってホウ素原子とともに環を形成している場合のB(OYの例としては、特に限定されるものではないが、例えば、次の(I)から(VI)で表される基が例示でき、収率がよい点で(II)で表される基が好ましい。
Figure 2020147543
工程1で用いられる、化合物(3)は例えば国際公開2017/209297号に従い、製造することができる。また、市販品を用いてもよい。
化合物(3)としては次の3−1から3−6を例示できるが本発明はこれらに限定されるものではない。なお、式(3−1)から(3−6)中、Xは式(3)と同じ定義である。
Figure 2020147543
で表される脱離基としては、特に限定されるものではないが、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、ヨウ素原子を例示することができ、トリアジン化合物(1)の収率がよい点で、塩素原子または臭素原子が好ましい。ただし、原料の入手性からトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を用いた方が好ましい場合もある。
工程1で用いることのできるパラジウム触媒としては、特に限定されるものではないが、具体的には、
塩化パラジウム、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、硝酸パラジウム等のパラジウム塩;
π−アリルパラジウムクロリドダイマ−、パラジウムアセチルアセトナト、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム等の錯化合物;および、
ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム等の第三級ホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体;
を例示することができる。
第三級ホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体は、パラジウム塩または錯化合物に第三級ホスフィンを添加し、反応系中で調製することもできる。この際用いることのできる第三級ホスフィンとしては、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリシクロへキシルホスフィン、tert−ブチルジフェニルホスフィン、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、2−(ジフェニルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロへキシルホスフィノ)ビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリ(2−フリル)ホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリス(2,5−キシリル)ホスフィン、(±)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−ジシクロへキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル等が例示できる。
これらの中でも、第三級ホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体が収率がよい点で好ましく、2−ジシクロへキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルまたはトリフェニルホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体がさらに好ましい。
第三級ホスフィンとパラジウム塩または錯化合物とのモル比は1:10〜10:1の範囲にあることが好ましく、収率がよい点で1:2〜3:1の範囲にあることがさらに好ましい。工程1で用いるパラジウム触媒の量に制限はないが、収率がよい点で、パラジウム触媒のモル当量はホウ素化合物に対して0.005〜0.5モル当量の範囲にあることが好ましい。
工程1で用いられる塩基としては、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物塩;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム等の金属炭酸塩;酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等の金属酢酸塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等の金属リン酸塩;フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム等の金属フッ化物塩;ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムイソプロピルオキシド、カリウムtert−ブトキシド等の金属アルコキシド;等を挙げることができる。中でも反応収率がよい点で、金属炭酸塩および金属リン酸塩が好ましく、炭酸カリウムまたはリン酸カリウムがさらに好ましい。塩基の量に特に制限は無いが、反応収率がよい点で、塩基とホウ素化合物とのモル比は、1:2〜10:1の範囲にあることが好ましく、1:1〜4:1の範囲にあることがさらに好ましい。
工程1は溶媒中で実施することができ、該溶媒としては、水;ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン等の芳香族炭化水素;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、4−フルオロエチレンカーボネート等の炭酸エステル;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、γ−ラクトン等のエステル;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)等のアミド;N,N,N’,N’−テトラメチルウレア(TMU)、N,N’−ジメチルプロピレンウレア(DMPU)等のウレア;および、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、オクタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、2,2,2−トリフルオロエタノール等のアルコール;等を例示することができ、これらを任意の比で混合して用いてもよい。溶媒の使用量に特に制限はない。これらのうち、反応収率がよい点で水、エーテル、アミド、アルコールまたはこれらの混合溶媒が好ましく、THFと水の混合溶媒またはトルエンとブタノールとの混合溶媒がさらに好ましい。
工程1は、0℃〜200℃から適宜選択された温度にて実施することができ、反応収率がよい点で100℃〜160℃から適宜選択された温度にて実施することが好ましい。
工程1は、反応の終了後に通常の処理をすることで得られる。必要に応じて、再結晶、カラムクロマトグラフィー、昇華または分取HPLC等で精製してもよい。
続いて工程2について説明する。
工程2は、式(4)で表される化合物と、式(5)で表される化合物(5)と、を、触媒の存在下で反応させ、トリアジン化合物(1)を製造する工程である。工程2は、鈴木−宮浦反応、根岸反応、玉尾−熊田反応、スティレ反応等の、一般的なカップリング反応の反応条件を適用することにより、収率よく目的物を得ることができる。工程2に鈴木−宮浦反応の反応条件を適用する場合は、塩基存在下に行うことが好ましい。また、触媒としてはパラジウム触媒が好ましい。
工程2で用いられる、式(4)で表されるトリアジン化合物は、例えば特許第5812583号公報に開示されている方法に従い、製造することができる。
式(4)で表されるトリアジン化合物は、式(2)で表される化合物の具体例である式(2−1)〜(2−36)におけるMを、Xに置き換えた化合物を例示することができる。ここで、Xは式(4)と同じ定義である。
で表される脱離基としては、特に限定されるものではないが、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基またはヨウ素原子を例示することができ、トリアジン化合物(1)の収率が良い点で、塩素原子または臭素原子が好ましい。
工程2で用いられる、式(5)で表される化合物は、例えばJournal of AmericanChemical Society,134巻,18932頁,2012年に従い、製造することができる。また、式(3)で表される化合物から、一般的な有機金属化合物を合成する反応(例えばAngew.Chem.Int.Ed.2007,46,5359−5363)を用いて合成することができ、市販品を用いてもよい。
式(5)で表される化合物は、式(3−1)〜(3−6)で表される化合物におけるXをMに置き換えた骨格を例示することができる。Mは式(5)と同じ定義である。
工程2で用いることのできるパラジウム触媒、塩基、溶媒、反応温度、後処理(精製)としては、工程1にて例示したものと同じのものを例示することができ、その好ましい構成についても同様である。
トリアジン化合物(1)は、例えば、有機電界発光素子や光電素子等の有機電子素子用途に用いることができる。これらの中でも、トリアジン化合物(1)は、有機電界発光素子用材料として用いることが好ましい。
<有機電界発光素子用材料>
本開示の一態様にかかる有機電界発光素子用材料は、前述したトリアジン化合物(1)を含有する。
トリアジン化合物(1)は、例えば、有機電界発光素子用電子輸送材料として用いることができる。トリアジン化合物(1)を含む有機電界発光素子用材料は、駆動電圧、発光効率および寿命を高次元に達成し、種々の用途および様々な環境下で利用可能な有機電界発光素子の作製に資するものである。
<有機電界発光素子>
本開示の一態様にかかる有機電界発光素子用材料は、前述したトリアジン化合物(1)を含有する。
<有機電界発光素子>
以下、トリアジン化合物(1)を含む有機電界発光素子(以下、単に有機電界発光素子と称することがある)について説明する。
本開示の一態様にかかる有機電界発光素子は、トリアジン化合物(1)を含有する。
有機電界発光素子の構成については特に限定されるものではないが、例えば、以下に示す(i)〜(v)の構成が挙げられる。
(i):陽極/発光層/陰極
(ii):陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(iii):陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(iv):陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(v):陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
トリアジン化合物(1)は、上記のいずれの層に含まれていてもよいが、有機電界発光素子の発光特性に優れる点で、発光層および該発光層と陰極との間の層からなる群より選ばれる1層以上に含まれることが好ましい。したがって、上記(i)〜(v)に示された構成の場合、トリアジン化合物(1)が、発光層、電子輸送層および電子注入層からなる群より選ばれる1層以上に含まれることが好ましい。
以下、本開示の一態様にかかる有機電界発光素子を、上記(v)の構成を例に挙げて、図1を参照しながらより詳細に説明する。
なお、図1に示す有機電界発光素子は、いわゆるボトムエミッション型の素子構成を有するものであるが、本開示の一態様にかかる有機電界発光素子はボトムエミッション型の素子構成に限定されるものではない。すなわち、本開示の一態様にかかる有機電界発光素子は、トップエミッション型など、他の公知の素子構成であってもよい。
図1は、本開示の一態様にかかるトリアジン化合物を含む有機電界発光素子の積層構成の一例を示す概略断面図である。
有機電界発光素子100は、基板1、陽極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6、電子注入層7および陰極8をこの順で備える。ただし、これらの層の一部の層が省略されていてもよく、また逆に他の層が追加されていてもよい。例えば、発光層5と電子輸送層6との間に正孔阻止層が設けられていてもよく、正孔注入層3が省略され、陽極2上に正孔輸送層4が直接設けられていてもよい。また、例えば電子注入層の機能と電子輸送層の機能とを単一の層で併せ持つ電子注入・輸送層のような、複数の層が有する機能を併せ持った単一の層を、当該複数の層の代わりに備えた構成であってもよい。さらに、例えば単層の正孔輸送層4、単層の電子輸送層6が、それぞれ複数層からなっていてもよい。
<<トリアジン化合物(1)を含有する層>>
図1に示される構成例において有機電界発光素子100は、発光層5、電子輸送層6および電子注入層7からなる群より選ばれる1層以上にトリアジン化合物(1)を含む。特に、電子輸送層6がトリアジン化合物(1)を含むことが好ましい。なお、トリアジン化合物(1)は、有機電界発光素子が備える複数の層に含まれていてもよい。
なお、以下においては、電子輸送層6がトリアジン化合物(1)を含む有機電界発光素子100について説明する。
[基板1]
基板1としては特に限定はなく、例えばガラス板、石英板、プラスチック板などが挙げられる。
基板1としては、例えば、ガラス板、石英板、プラスチック板、プラスチックフィルムなどが挙げられる。これらの中でも、ガラス板、石英板、光透過性プラスチックフィルムが好ましい。
光透過性プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルムが挙げられる。
なお、基板1側から発光が取り出される構成の場合、基板1は光の波長に対して透明である。
[陽極2]
基板1上(正孔注入層3側)には陽極2が設けられている。
陽極の材料としては、仕事関数の大きい(例えば4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物が挙げられる。陽極の材料の具体例としては、Auなどの金属;CuI、酸化インジウム−スズ(ITO;Indium Tin Oxide)、SnO、ZnOなどの導電性透明材料が挙げられる。
発光が陽極を通過して取り出される構成の有機電界発光素子の場合、陽極は当該発光を通すかまたは実質的に通す導電性透明材料で形成される。
[正孔注入層3、正孔輸送層4]
陽極2と後述する発光層5との間には、陽極2側から、正孔注入層3、正孔輸送層4がこの順で設けられている。
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、この正孔注入層、正孔輸送層を陽極と発光層の間に介在させることによって、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入される。
また、正孔注入層、正孔輸送層は、電子障壁性の層としても機能する。すなわち、陰極から注入され、電子注入層および/または電子輸送層より発光層に輸送された電子は、発光層と正孔注入層および/または正孔輸送層との界面に存在する電子の障壁により、正孔注入層および/または正孔輸送層に漏れることが抑制される。その結果、該電子が発光層内の界面に累積され、発光効率が向上する等の効果をもたらし、発光性能の優れた有機電界発光素子が得られる。
正孔注入層、正孔輸送層の材料としては、正孔注入性、正孔輸送性、電子障壁性の少なくともいずれかを有するものである。正孔注入層、正孔輸送層の材料は、有機物、無機物のいずれであってもよい。
正孔注入層、正孔輸送層の材料の具体例としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー(特にチオフェンオリゴマー)、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物などが挙げられる。これらの中でも、有機電界発光素子の性能がよい点で、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物が好ましく、特に芳香族第三級アミン化合物が好ましい。
芳香族第三級アミン化合物およびスチリルアミン化合物の具体例としては、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノフェニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(m−トリル)−〔1,1’−ビフェニル〕−4,4’−ジアミン(TPD)、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノビフェニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン、N−フェニルカルバゾール、4,4’−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、4,4’,4’’−トリス〔N−(m−トリル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)などが挙げられる。
また、p型−Si、p型−SiCなどの無機化合物も正孔注入層の材料、正孔輸送層の材料の一例として挙げることができる。
正孔注入層、正孔輸送層は、一種または二種以上の材料からなる単構造であってもよく、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
[発光層5]
正孔輸送層4と後述する電子輸送層6との間には、発光層5が設けられている。
発光層の材料としては、燐光発光材料、蛍光発光材料、熱活性化遅延蛍光発光材料が挙げられる。発光層では電子・正孔対が再結合し、その結果として発光が生じる。
発光層は、単一の低分子材料または単一のポリマー材料からなっていてもよいが、より一般的には、ゲスト化合物でドーピングされたホスト材料からなっている。発光は主としてドーパントから生じ、任意の色を有することができる。
ホスト材料としては、例えば、ビフェニリル基、フルオレニル基、トリフェニルシリル基、カルバゾール基、ピレニル基、アントリル基を有する化合物が挙げられる。より具体的には、DPVBi(4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)−1,1’−ビフェニル)、BCzVBi(4,4’−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)1,1’−ビフェニル)、TBADN(2−ターシャルブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン)、ADN(9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン)、CBP(4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル)、CDBP(4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−2,2’−ジメチルビフェニル)、2−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−9−[4−(4−フェニルフェニルキナゾリン−2−イル)カルバゾール、9,10−ビス(ビフェニル)アントラセン等が挙げられる。
蛍光ドーパントとしては、例えば、アントラセン、ピレン、テトラセン、キサンテン、ペリレン、ルブレン、クマリン、ローダミン、キナクリドン、ジシアノメチレンピラン化合物、チオピラン化合物、ポリメチン化合物、ピリリウム、チアピリリウム化合物、フルオレン誘導体、ペリフランテン誘導体、インデノペリレン誘導体、ビス(アジニル)アミンホウ素化合物、ビス(アジニル)メタン化合物、カルボスチリル化合物、等が挙げられる。蛍光ドーパントはこれらから選ばれる2種以上を組み合わせたものであってもよい。
燐光ドーパントとしては、例えば、イリジウム、白金、パラジウム、オスミウム等の遷移金属の有機金属錯体が挙げられる。
蛍光ドーパント、燐光ドーパントの具体例としては、Alq3(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム)、DPAVBi(4,4’−ビス[4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]ビフェニル)、ペリレン、ビス[2−(4−n−ヘキシルフェニル)キノリン](アセチルアセトナート)イリジウム(III)、Ir(PPy)3(トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III))、およびFIrPic(ビス(3,5−ジフルオロ−2−(2−ピリジル)フェニル−(2−カルボキシピリジル)イリジウム(III)))等が挙げられる。
また、発光材料は発光層のみに含有されることに限定されるものではない。例えば、発光材料は、発光層に隣接した層(正孔輸送層4、または電子輸送層6)が含有していてもよい。これによってさらに有機電界発光素子の電流効率を高めることができる。
発光層は、一種または二種以上の材料からなる単層構造であってもよく、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
[電子輸送層6]
発光層5と後述する電子注入層7との間には、電子輸送層6が設けられている。
電子輸送層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有する。電子輸送層を陰極と発光層との間に介在させることによって、電子がより低い電界で発光層に注入される。
電子輸送層は、前述したとおり、トリアジン化合物(1)を含むことが好ましい。また、電子輸送層は、トリアジン化合物(1)に加えてさらに従来公知の電子輸送材料から選ばれる1種以上を含んでいてもよい。
なお、トリアジン化合物(1)が電子輸送層に含まれず、他の層に含まれる場合は、従来公知の電子輸送材料から選ばれる1種以上を、電子輸送層を構成する電子輸送材料として用いることができる。
従来公知の電子輸送性材料としては、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、土類金属錯体等が挙げられる。アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、土類金属錯体としては、例えば、8−ヒドロキシキノリナートリチウム(Liq)、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリナート)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(o−クレゾラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)−1−ナフトラートアルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)−2−ナフトラートガリウム等が挙げられる。
電子輸送層は、一種または二種以上の材料からなる単層構造であってもよく、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
本態様にかかる有機電界発光素子においては、電子注入性を向上させ、素子特性(例えば、発光効率、定電圧駆動、または高耐久性)を向上させる目的で、電子注入層を設けてもよい。
[電子注入層7]
電子輸送層6と後述する陰極8との間には、電子注入層7が設けられている。
電子注入層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有する。電子注入層を陰極と発光層との間に介在させることによって、電子がより低い電界で発光層に注入される。
電子注入層の材料としては、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フレオレニリデンメタン、アントラキノジメタン、アントロン等の有機化合物が挙げられる。また、電子注入層の材料としては、SiO、AlO、SiN、SiON、AlON、GeO、LiO、LiON、TiO、TiON、TaO、TaON、TaN、Cなどの各種酸化物、窒化物、酸化窒化物等の無機化合物も挙げられる。
[陰極8]
電子注入層7上には陰極8が設けられている。
陽極を通過した発光のみが取り出される構成の有機エレクトロルミネッセンス素子の場合、陰極は任意の導電性材料から形成することができる。
陰極の材料としては、例えば、仕事関数の小さい金属(以下、電子注入性金属とも称する)、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物が挙げられる。ここで、仕事関数の小さい金属とは、例えば、4eV以下の金属である。
陰極の材料の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属などが挙げられる。
これらの中で、電子注入性および酸化などに対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物などが好ましい。
[各層の形成方法]
以上説明した、電極(陽極、陰極)を除く各層は、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB(Langmuir−Blodgett method)法などの公知の方法によって薄膜化することにより、形成することができる。各層の材料は、それ単独で用いてもよく、必要に応じて結着樹脂などの材料、溶剤と共に用いてもよい。
このようにして形成された各層の膜厚については特に制限はなく、状況に応じて適宜選択することができるが、通常は5nm〜5μmの範囲である。
陽極および陰極は、電極材料を蒸着やスパッタリングなどの方法によって薄膜化することにより、形成することができる。蒸着やスパッタリングの際に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよく、蒸着やスパッタリングなどによって薄膜を形成した後、フォトリソグラフィーで所望の形状のパターンを形成してもよい。
陽極および陰極の膜厚は、1μm以下であることが好ましく、10nm以上200nm以下であることがより好ましい。
なお、トリアジン化合物(1)を含む層を形成するは、上記の従来公知の電子輸送性材料と併用してもよい。したがって、例えば、トリアジン化合物(1)と従来公知の電子輸送性材料とを共蒸着してもよく、トリアジン化合物(1)の層に従来公知の電子輸送性材料の層を積層してもよい。
有機電界発光素子は、照明用や露光光源のような一種のランプとして使用してもよいし、画像をスクリーン等に投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用してもよい。動画再生用の表示装置として有機電界発光素を使用する場合、駆動方式としては、単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式であってもよく、アクティブマトリクス方式であってもよい。また、異なる発光色を有する有機電界発光素子を2種以上使用することにより、フルカラー表示装置を作製することが可能である。
トリアジン化合物(1)は、電子輸送層として用いた際に従来公知のトリアジン化合物に比べて、発光効率および長寿命特性が顕著に優れる有機電界発光素子を提供することができる。更に、トリアジン化合物(1)はその立体障害骨格によってアモルファス性が高く、高い膜質安定性を有する。このため有機電界発光素子の駆動安定性の向上や、発光効率の向上等の効果が得られる。またさらに、トリアジン化合物(1)は、その特徴的な骨格から、化学的安定性が高く、有機電界発光素子の長寿命化に寄与することが可能である。
トリアジン化合物(1)は、有機電界発光素子の電子輸送層として用いることで素子の低電圧駆動、高効率化および長寿命化のいずれも高次元に達成可能なトリアジン化合物を提供することができる。さらに、トリアジン化合物(1)を用いた、低電圧駆動、高効率化および長寿命化を発揮し得る有機電界発光素子を提供することができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定して解釈されるものではない。
H−NMR測定]
H−NMRの測定には、Bruker ASCEND 400(400MHz;BRUKER製)を用いた。H−NMRは、重クロロホルム(CDCl)を測定溶媒とし、内部標準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を用いて測定した。
[DSC測定(ガラス転移温度、結晶化温度、融点)]
化合物1−1,1−2(後述する合成実施例1〜2で得られたもの)のガラス転移温度、結晶化温度、および融点の測定はDSC(Differential scanning calorimetry)装置 DSC6220(製品名、日立ハイテクサイエンス社製)を用いて窒素雰囲気下(流量50ml/min)にて行った。DSC測定におけるリファレンスは酸化アルミニウム(Al)を使用し、試料は10mgで測定を行った。
測定の前処理として、試料を50℃から融点以上の温度まで10℃/分の速度で温度を上昇させて融解させた後、液体窒素にて急冷を行った。続いて、前処理した試料を50℃から10℃/分の速度で温度を上昇させ、ガラス転移温度、結晶化温度および融点を測定した。
ETL−2(詳細は後述する)のガラス転移温度、結晶化温度および融点の測定はDSC(Differential scanning calorimetry)装置 DSC7020(製品名、日立ハイテクサイエンス社製)を用いて窒素雰囲気下(流量50ml/min)にて行った。DSC測定におけるリファレンスは酸化アルミニウム(Al)を使用し、試料は10mgで測定を行った。
測定の前処理として、試料を30℃から融点以上の温度まで15℃/分の速度で温度を上昇させて融解させた後、液体窒素にて急冷を行った。続いて、前処理した試料を30℃から5℃/分の速度で温度を上昇させ、ガラス転移温度、結晶化温度および融点を測定した。
[発光特性測定]
有機電界発光素子の発光特性は、25℃環境下、各実施例(後述)で作製した素子に直流電流を印加し、輝度計 BM−9(製品名、トプコンテクノハウス社製)を用いて評価した。
また、試薬類は市販品を用いた。
合成実施例−1
Figure 2020147543
アルゴン雰囲気下で、4,6‐ジフェニル‐2‐[3‐(フェナントレン‐9‐イル)‐5‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)フェニル]‐1,3,5‐トリアジン(7.83g,13mmol)、酢酸パラジウム(144mg,0.64mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(XPhos,544mg,1.3mmol)および炭酸セシウム(12.5g,38mmol)に、THF(128mL)に溶解した2’‐クロロ‐1,1’:4’,1”‐テルフェニル(4.40g,17mmol)を滴下し、80℃にて17時間撹拌した。室温まで放冷後、反応混合物に水およびメタノールを加えて析出した固体をろ別し、水およびメタノールで洗浄した。得られた固体をトルエン(115℃,470mL)に溶解し、活性炭を加えて暫く撹拌した。撹拌後の液体をセライトろ過した後、低沸分を留去した。この粗精製物をトルエンから繰り返し再結晶することで、目的物である4,6‐ジフェニル‐2‐[3”‐(フェナントレン‐9‐イル)‐4’‐フェニル‐1,1’:2’,1”‐テルフェニル‐5”‐イル]‐1,3,5‐トリアジン(化合物 1−1)を得た(3.94g,43%)。
H−NMR(CDCl):δ8.93(dd,J=1.6Hz,1.6Hz,1H),8.82(dd,J=1.6Hz,1.6Hz,1H),8.77(d,J=9.0Hz,1H),8.74(ddd,J=6.7Hz,3.2Hz,1.4Hz,4H),8.72−8.74(m,1H),7.92(d,J=1.9Hz,1H),7.89(dd,J=7.6Hz,1.4Hz,1H),7.73−7.77(m,3H),7.63−7.71(m,3H),7.59−7.62(m,2H),7.54−7.58(m,5H),7.44−7.53(m,6H),7.36−7.41(m,6H).
得られた化合物 1−1のガラス転移温度は138℃、融点は277℃、結晶化温度は観測されなかった。
合成実施例−2
Figure 2020147543
アルゴン雰囲気下、4,6‐ジフェニル‐2‐[3‐(フェナントレン‐9‐イル)‐5‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)フェニル]‐1,3,5‐トリアジン(5.00g,8.2mmol)、2’‐ヨード‐1,1’:3’,1”‐テルフェニル(3.20g,9.0mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(472mg,0.41mmol)、炭酸セシウム(7.99g,25mmol)をトルエン(82mL)に懸濁した。この懸濁液を、24時間加熱還流した。放冷後、反応混合物に水およびメタノールを加え、生じた固体をろ別した。得られた固体をトルエン(115℃,120ml)に溶解し、活性炭を加えて暫く撹拌した。撹拌後の液体をセライトろ過した後、室温まで放冷し、析出した固体をろ別することで、目的物である4,6‐ジフェニル‐2‐[3”‐(フェナントレン‐9‐イル)‐3’‐フェニル‐1,1’:2’,1”‐テルフェニル‐5”‐イル]‐1,3,5‐トリアジン(化合物 1−2)を得た(4.10g,70%)。
HNMR(CDCl)δ8.75(d,J=8.2Hz,1H),8.71(d,J=8.0,Hz,1H),8.66(dd,J=8.0,1.6Hz,4H),8.56(dd,J=1.6,1.6Hz,1H),8.43(dd,J=1.6,1.6Hz,1H),7.87(dd,J=7.7,1.5Hz,1H),7.50−7.69(m,13H),7.42(ddd,J=7.0,7.0,1.0Hz,1H),7.24−7.39(m,12H).
得られた化合物 1−2の融点は290℃、結晶化温度は213℃、ガラス転移温度は観測されなかった。
参考例−1
Figure 2020147543
窒素雰囲気下、2‐[3‐クロロ‐5‐(フェナントレン‐9‐イル)フェニル]‐4,6‐ジフェニル‐1,3,5‐トリアジン(1.00g,1.9mmol)、フェニルボロン酸(282mg,2.3mmol)、酢酸パラジウム(13.0mg,0.06mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(XPhos,55.0mg,0.12mmol)、1,4−ジオキサン(50mL)および2M−リン酸三カリウム水溶液(2.9mL,5.8mmol)を300mLの4つ口フラスコに加え、95℃で6時間撹拌した。得られた反応液を室温まで放冷後、反応混合物に水(100mL)を加え、析出物をろ取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄し、灰色粉末を得た。得られた灰色粉末をトルエンで再結晶することにより精製し、目的物である4,6‐ジフェニル‐2‐[5‐(フェナントレン‐9‐イル)‐ビフェニル‐3‐イル]‐1,3,5‐トリアジン(化合物 ETL−1)の灰色粉末(収量700mg,収率65%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ7.45(t,J=7.3Hz,1H),7.52−7.63(m,9H),7.67(t,J=7.2Hz,1H),7.73(t,J=7.8Hz,1.3Hz,2H),7.84(dd,J=8.1Hz,1.0Hz,2H),7.88(s,1H),7.98(dd,J=7.8Hz,1.4Hz,1H),8.01−8.04(m,2H),8.77−8.80(m,5H),8.85(d,J=8.3Hz,1H),8.93(t,J=1.7Hz,1H),9.12(t,J=1.7Hz,1H).
得られた化合物ETL−1のガラス転移温度は108℃、結晶化温度は207℃、融点は260℃であった。
以上の結果より、本開示の一態様にかかるトリアジン化合物である化合物 1−1は、参考例−1で得られた従来公知のトリアジン化合物(化合物 ETL−1)と比べて高いガラス転移温度を有することがわかった。さらに、本開示の一態様にかかるトリアジン化合物はその骨格の特徴から結晶性が低く、結晶化温度が検出されないまたは結晶化温度が高いことがわかった。従って、トリアジン化合物(1)は薄膜形成時に高いアモルファス性が期待でき、トリアジン化合物(1)を用いた有機電界発光素子を作製した際に高い駆動安定性や高発光効率化を発揮していると推測される。
ついで、得られた化合物を用いて素子評価を実施した。
素子実施例−1(図2参照)
(基板1、陽極2の用意)
陽極2をその表面に備えた基板1として、2mm幅の酸化インジウム−スズ(ITO)膜(膜厚110nm)がストライプ状にパターンされたITO透明電極付きガラス基板を用意した。ついで、この基板をイソプロピルアルコールで洗浄した後、オゾン紫外線洗浄にて表面処理を行った。
(真空蒸着の準備)
洗浄後の表面処理が施された基板上に、真空蒸着法で各層の真空蒸着を行い、各層を積層形成した。
まず、真空蒸着槽内に前記ガラス基板を導入し、1.0×10−4Paまで減圧した。そして、以下の順で、各層の成膜条件に従ってそれぞれ作製した。なお、各有機材料は抵抗加熱方式により成膜した。
(正孔注入層3の作製)
昇華精製したN−[1,1’−ビフェニル]−4−イル−9,9−ジメチル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9H−フルオレン−2−アミンと1,2,3−トリス[(4−シアノ−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)メチレン]シクロプロパンとを99:1(質量比)の割合で10nm成膜し、正孔注入層3を作製した。成膜速度は0.1nm/秒の速度であった。
(第一正孔輸送層41の作製)
昇華精製したN−[1,1’−ビフェニル]−4−イル−9,9−ジメチル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9H−フルオレン−2−アミンを0.2nm/秒の速度で85nm成膜し、第一正孔輸送層41を作製した。
(第二正孔輸送層42の作製)
昇華精製したN−フェニル−N−(9,9−ジフェニルフルオレン−2−イル)−N−(1,1’−ビフェニル−4−イル)アミンを0.15nm/秒の速度で5nm成膜し、第二正孔輸送層42を作製した。
(発光層5の作製)
昇華精製した3−(10−フェニル−9−アントリル)−ジベンゾフランと2,7−ビス[N,N−ジ−(4−tertブチルフェニル)]アミノ−ビスベンゾフラノ−9,9’−スピロフルオレンとを95:5(質量比)の割合で20nm成膜し、発光層5を作製した。成膜速度は0.1nm/秒であった。
(正孔阻止層9の作製)
合成実施例−1で合成した4,6‐ジフェニル‐2‐[3”‐(フェナントレン‐9‐イル)‐4’‐フェニル‐1,1’:2’,1”テルフェニル‐5”‐イル]−1,3,5−トリアジンを0.05nm/秒の速度で6nm成膜し、正孔阻止層9を作製した。
(電子輸送層6の作製)
昇華精製した4,6−ジフェニル−2−[5−(フェナントレン−9−イル)−3−(ジメチルピリジン−3−イル)フェニル]−1,3,5−トリアジンおよび8−ヒドロキシキノリノラートリチウム(以下、Liq)を50:50(質量比)の割合で25nm成膜し、電子輸送層6を作製した。成膜速度は0.15nm/秒であった。
(電子注入層7の作製)
Liqを0.02nm/秒の速度で1nm成膜し、電子注入層7を作製した。
(陰極8の作製)
最後に、基板1上のITOストライプ(陽極2)と直交するようにメタルマスクを配し、陰極8を成膜した。陰極は、銀/マグネシウム(質量比1/10)と銀とを、この順番で、それぞれ80nmと20nmとで成膜し、2層構造とした。銀/マグネシウムの成膜速度は0.5nm/秒、銀の成膜速度は成膜速度0.2nm/秒であった。
以上により、図2に示すような発光面積4mm有機電界発光素子100を作製した。なお、それぞれの膜厚は、触針式膜厚測定計(DEKTAK、Bruker社製)で測定した。
さらに、この素子を酸素および水分濃度1ppm以下の窒素雰囲気グローブボックス内で封止した。封止は、ガラス製の封止キャップと成膜基板(素子)とを、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製)を用いて行った。
素子参考例−1
素子実施例−1において、正孔阻止層9に、4,6−ジフェニル−2−[5−(フェナントレン−9−イル)−ビフェニル−3−イル]−1,3,5−トリアジン(ETL−1)およびLiqを50:50(質量比)の割合で25nm成膜(成膜速度0.15nm/秒)する代わりに、ETL−1およびLiqを50:50(質量比)の割合で25nm成膜(成膜速度0.15nm/秒)した以外は、素子実施例−1と同じ方法で有機電界発光素子を作製した。
作製した有機電界発光素子に直流電流を印加し、上記発光特性測定に記載した方法に従って発光特性を評価した。
発光特性として、電流密度10mA/cmを流した時の電圧(V)、電流効率(cd/A)を測定し、連続点灯時の素子寿命を測定した。当該素子寿命は初期輝度を1000cd/mで駆動したときの連続点灯時の輝度減衰時間を測定し、輝度(cd/m)が3%減じるまでに要した時間を測定した。なお、電圧(V)、電流効率(cd/A)および寿命の値は、素子参考例−1を100とした時の相対値で表した。結果を表1に示す。
Figure 2020147543
表1より、参考例に比べて、トリアジン化合物(1)を用いた有機電界発光素子は、ガラス転移温度が高く耐熱性に優れるとともに、電圧と、発光効率と、素子寿命と、において、これらを高次元に達成し得ることが見出された。
1.基板
2.陽極
3.正孔注入層
4.正孔輸送層
5.発光層
6.電子輸送層
7.電子注入層
8.陰極
9.正孔阻止層
51.第一の正孔輸送層
52.第二の正孔輸送層
100.有機電界発光素子

Claims (15)

  1. 式(1)で表されるトリアジン化合物:
    Figure 2020147543
    式中、
    ArおよびArは、各々独立に、フェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を表す;
    Arは、3または4環からなる、
    芳香族炭化水素基、
    含窒素複素環基または、
    ヘテロ原子が16族元素である複素環基を表す;
    Arは、フェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を表す;
    Ar、Ar、ArおよびArは、各々独立に、フッ素原子、メチル基およびフェニル基からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい;
    Rは、各々独立に、炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数6から13の単環、連結環、もしくは縮合環の芳香族炭化水素基を表す;
    pは、0または1を表す;
    qは、1または2を表す。
  2. ArおよびArが、同一の基である請求項1に記載のトリアジン化合物。
  3. ArおよびArが、各々独立に、フェニル基またはビフェニリル基である請求項1または2に記載のトリアジン化合物。
  4. Arが、無置換の、もしくは、メチル基で置換された、3または4環からなる芳香族炭化水素基である請求項1から3のいずれか1項に記載のトリアジン化合物。
  5. Arが、フェナントレニル基、ジメチルフルオレニル基またはトリフェニレニル基である請求項1から4のいずれか1項に記載のトリアジン化合物。
  6. Arが、フェニル基またはビフェニリル基である請求項1から5のいずれか1項に記載のトリアジン化合物。
  7. Rが、フェニル基またはビフェニリル基である請求項1から6のいずれか1項に記載のトリアジン化合物。
  8. pが0である、請求項1から7のいずれか1項に記載のトリアジン化合物。
  9. qが1である、請求項1から8のいずれか1項に記載のトリアジン化合物。
  10. 式(2)で表される化合物と、式(3)で表される化合物と、を、カップリング反応させることを含む、式(1)で表されるトリアジン化合物の製造方法:
    Figure 2020147543
    式中、
    ArおよびArは、各々独立に、フェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を表す;
    Arは、3または4環からなる、
    芳香族炭化水素基、
    含窒素複素環基または、
    ヘテロ原子が16族元素である複素環基を表す;
    Arは、フェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を表す;
    Ar、Ar、ArおよびArは、各々独立に、フッ素原子、メチル基およびフェニル基からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい;
    Rは、各々独立に、炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数6から13の単環、連結環、もしくは縮合環の芳香族炭化水素基を表す;
    pは、0または1を表す;
    qは、1または2を表す;
    は、ZnY、MgY、Sn(Y、または、2つの(OY)基が一体となってホウ素原子とともに環を形成していてもよいB(OYを表す;
    およびYは、各々独立に、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す;
    は、各々独立に、炭素数1から4のアルキル基またはフェニル基を表す;
    は、各々独立に、水素原子、炭素数1から4のアルキル基またはフェニル基を表す;
    は、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基またはヨウ素原子を表す。
  11. 式(4)で表される化合物と、式(5)で表される化合物と、をカップリング反応させることを含む、式(1)で表されるトリアジン化合物の製造方法:
    Figure 2020147543
    式中、
    ArおよびArは、各々独立に、フェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を表す;
    Arは、3または4環からなる、
    芳香族炭化水素基、
    含窒素複素環基または、
    ヘテロ原子が16族元素である複素環基を表す;
    Arは、フェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を表す;
    Ar、Ar、ArおよびArは、各々独立に、フッ素原子、メチル基およびフェニル基からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい;
    Rは、各々独立に、炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数6から13の単環、連結環、もしくは縮合環の芳香族炭化水素基を表す;
    pは、0または1を表す;
    qは、1または2を表す;
    は、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基またはヨウ素原子を表す;
    は、ZnY、MgY、Sn(Y、または、2つの(OY)基が一体となってホウ素原子とともに環を形成していてもよいB(OYを表す;
    およびYは、各々独立に、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す;
    は、各々独立に、炭素数1から4のアルキル基またはフェニル基を表す;
    は、各々独立に、水素原子、炭素数1から4のアルキル基またはフェニル基を表す。
  12. またはMが、B(OYである請求項10または11に記載のトリアジン化合物の製造方法。
  13. 前記カップリング反応が、第三級ホスフィンを配位子として有するパラジウム触媒の存在下で行われる、請求項10から12のいずれか1項に記載の製造方法。
  14. 前記カップリング反応が、トリフェニルホスフィンまたは2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルを配位子として有するパラジウム触媒の存在下で行われる、請求項10から13のいずれか1項に記載の製造方法。
  15. 請求項1から9のいずれか1項に記載のトリアジン化合物を含有する、有機電界発光素子用材料。
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