JP2020145414A - インダクタ - Google Patents

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Genki Toyama
元気 遠山
工 新井
Takumi Arai
工 新井
龍太 植松
Ryuta Uematsu
龍太 植松
祐一 土屋
Yuichi Tsuchiya
祐一 土屋
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Abstract

【課題】素体内部に埋設された金属体から引き出されて屈曲部が形成された外部端子のめっきに亀裂が発生するのを抑えることができるインダクタを提供する。【解決手段】インダクタは、底面、上面及び4つの側面を有する素体内に埋設された第1金属部の両端から、素体の外部へ露出する、めっき層を有する板形状の第2金属部を備え、第2金属部のめっき層を有しない面を素体の側面に対向するように折り曲げて形成された第1屈曲部6と、素体の底面に対向するように折り曲げて形成された第2屈曲部8を有する外部端子を形成する。第2屈曲部8の内周面の半径をR1、第2屈曲部8における第2金属部の厚みをtとした時に、tに対するR1の比率で定まる値λによって、第2屈曲部8の曲げの中立面16の半径R2は、R2=R1+λ×tで求められ、第2屈曲部8の外周面の半径をR3とすると、R3=R1+tで求められる。【選択図】図3

Description

本発明は、インダクタ、特に表面実装型のインダクタに関する。
電源回路に用いられるインダクタは、高周波領域で低いインダクタンス値を有し、大電
流を流すことが求められている。そのため、金属磁性粉を含有する素体内に埋設された金
属板の両端を素体から引き出し、素体の側面と底面に沿って折り曲げ、外部端子としたインダクタが提供されている(例えば、先行文献1参照)。
WO2009/075110
この種の従来のインダクタは、実装基板へのはんだ実装時に、外部端子のはんだ濡れ性を良くするために、一般的に外部端子にめっきが施されている。
この様な従来のインダクタは、その製造過程において、素体から引き出された金属板が折り曲げられることで外部端子が形成されるので、金属板が折り曲げ加工される際に、折り曲げられた部分のめっき層が引き延ばされる方向に力が加わる。従って、この折り曲げられた部分でめっきに亀裂が発生し易い。特に、素体の低背化(小型化)が進んだインダクタにおいては、折り曲げにより金属板に加わる力が大きくなるため、さらにめっきに亀裂が発生し易くなる。外部端子の表面のめっきに亀裂が発生し、実装基板へのはんだ実装時にはんだ濡れ不足によるはんだ付け不良が生じる場合があった。
本発明の1態様は、素体内部に埋設された金属体から引き出されて屈曲部が形成された外部端子のめっきに亀裂が発生するのを抑えることができるインダクタを提供することを目的とする。
本発明の1態様に係るインダクタは、底面、底面に対向する上面及び、底面と上面に隣接する4つの側面を有する素体と、素体内に埋設された第1金属部及び第1金属部の両端に位置し、素体の対向する側面から素体の外部へ露出する第2金属部を有する金属体を備える。第2金属部は、めっき層を有する第1面と、第1面と反対側の第2面とを有する板形状であり、第2面を素体の側面に対向するように第2金属部を折り曲げて形成された第1屈曲部と、第2面を素体の底面に対向するように第2金属部を折り曲げて形成された第2屈曲部を有する外部端子を形成する。そして、第2屈曲部の内周面の半径をR1、第2屈曲部における第2金属部の厚みをtとした時に、tに対するR1の比率で定まる値λは、R1/tが0.5未満ではλは0.3であり、R1/tが0.5以上1.5未満ではλは0.35であり、R1/tが1.5以上3.0未満ではλは0.43であり、R1/tが5.0以上ではλは0.5であるとき、第2屈曲部の曲げの中立面の半径R2は、R2=R1+λ×tで求められ、第2屈曲部の外周面の半径をR3とすると、R3=R1+tで求められ、第1屈曲部の終端のうちの第2金属部の末端側の終端と、第2屈曲部の終端のうちの第1金属部側の終端間の長さを第1距離(A)とし、第2金属部の末端と、第2屈曲部の終端のうちの第2金属部の末端側の終端間の長さを第2距離(B)とすると、中立面の長さは、A+B+R2×2×π×90°/360°で求められ、第1距離(A)と、第2距離(B)と、第2屈曲部の外周面の合計の長さは、A+B+R3×2×π×90°/360°で求められ、(前記外周面の長さ−前記中立面の長さ)/前記外周面の長さ×100で定義される外周面伸び率εは、第1距離(A)を素体の側面の底面と交差する方向の長さよりも短く、第2距離(B)を素体の対向する側面間の距離の半分より短くしたときに、13%以下である。
本発明の1態様は、素体内部に埋設された金属体から引き出されて屈曲部が形成された外部端子のめっきに亀裂が発生するのを抑えることができるインダクタを提供する。
本発明の第1の実施形態に係るインダクタを示す模式的な斜視図である。 図1に示すインダクタのAA線における模式的な断面図である。 図1に示すインダクタのBB線における模式的な断面図である。 図1に示すインダクタの模式的な底面図である。 図1に示すインダクタにおける、素体の外部へ露出した第2金属部の部分の詳細を示す模式的な部分拡大断面図である。 表1に示す実施例及び比較例におけるめっき層表面の一例を示す写真である。 本発明の第2の実施形態に係るインダクタを示す模式的な断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための実施形態や実施例を説明する。なお、以下に説明するインダクタは、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、
特定的な記載がない限り、本発明を以下のものに限定しない。
各図面中、同一の機能を有する部材には、同一符号を付している場合がある。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態や実施例に分けて示す場合があるが、
異なる実施形態や実施例で示した構成の部分的な置換または組み合わせは可能である。後述の実施形態や実施例では、前述と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態や実施例ごとには逐次言及しないものとする。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張して示している場合もある。
<第1の実施形態>
はじめに、図1、図2Aから2C及び図3を参照しながら、本発明の実施形態1に係るインダクタの説明を行う。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るインダクタを示す模式的な斜視図である。図2Aは、図1のインダクタのAA線における模式的な断面図である。図2Bは、図1のインダクタのBB線における模式的な断面図である。図2Cは、図1に示すインダクタの模式的な底面図である。図3は、図1に示すインダクタにおける、素体の外部へ露出した第2金属部の部分の詳細を示す模式的な部分拡大断面図である。
本実施形態に係るインダクタ1は、表面実装型のインダクタであって、底面2bと、底面2bに対向する上面2dと、底面2b及び上面2dに隣接する4つの側面を有する素体2を備える。インダクタ1は、更に、素体2内に埋設された第1金属部4a及び、第1金属部4aの長手方向の両端に位置し、素体2の対向する側面2cから素体2の外部へ露出する第2金属部4bを有する金属体4を備える。金属体4は、めっき層4cを有する第1面4dと、第1面4dと反対側の第2面4eとを有する板形状である。第2金属部4bは、第2面4eを素体2の側面2cに対向するように第2金属部4bを折り曲げて形成された第1屈曲部6と、第2面4eを素体2の底面2bに対向するように第2金属部4bを折り曲げて形成された第2屈曲部8を有する。この第2金属部4bによって、素体2に沿って側面2cから底面2bまで延在する外部端子が形成される。
(素体)
素体2は、長手方向及び短手方向を有する矩形の底面2b、底面2bに対向して長手方向及び短手方向を有する矩形の上面2d、底面2bの長手方向の辺に接続されて互いに対向する2つの矩形の側面2e、及び底面2bの短手方向の辺に接続されて互いに対向する2つの矩形の側面2cを含む略直方体形状である。側面2cと底面2bとは略直交している。底面2bには、金属体4の第2金属部4bの一部を収容するための2つの凹部2aが設けられている。凹部2aは、底面2bの長手方向の中央部よりも側面2c側にそれぞれ設けられている。底面2bは、高さが低い凹部2aの底面とその間を繋ぐ高さが高い中央領域から構成される。凹部2aの寸法は、素体2の長手方向の長さが、図2Cに示す様に、素体2の長手方向の長さWの半分より短く、かつ、以下に記載する第2金属部4bの第2直線部12の長手方向の長さ以上である。
素体2は、磁性粉を含有する複合材料によって構成されている。磁性粉は、例えば、鉄を含む金属磁性体、アモルファス合金、ナノ結晶等の金属磁性粒子、フェライト粉等である。複合材料はさらに樹脂等の結着剤を含んでいてもよく、結着剤は、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等が用いられる。本実施形態の素体2の寸法は、例えば、長手方向の長さが2.5mm、短手方向の長さが2.0mm、底面2bと底面2bの反対側の面である上面2dとの間の距離(厚さ)が1.0mmである、いわゆる252010サイズに形成される。
(金属体)
金属体4は、長手方向と短手方向とを有する板形状であり、めっき層4cで覆われている第1面4dと第1面4dの反対側の第2面4eとを備える。金属体4は、金属体4の長手方向の中心側に位置する第1金属部4aと、第1金属部4aの長手方向の両側に連続した金属体4の長手方向の両端側に位置する2つの第2金属部4bを備える。
金属体4は、銅製である金属母材4gと、金属母材4gの一方の表面全体に形成されるめっき層4cとから構成され、例えば、厚みが150μmに形成される。金属体4の短手方向は、第1金属部4aと第2金属部4bとで寸法が異なっており、例えば、第1金属部4aを600μm、第2金属部4bを2000μmとすることができる。金属体4のめっき層4cは、例えば、金属母材4gに接して設けられる第1層のニッケル(Ni)めっきと、第1層上に設けられる第2層のスズ(Sn)めっきを含んで形成される。
(第1金属部)
第1金属部4aは、第1金属部4aの第2面4eが素体2の底面2bと略平行になるように、素体2の内部に埋設されている。この時、第1金属部4aのめっき層4cは、素体2の底面2bとは反対側に配置される。第1金属部4aは、コイル導体部として機能する。第1金属部4aの寸法は、長手方向の長さが素体2の長手方向の長さと略一致し、短手方向の長さが図2Bに示すように、素体2の短手方向の長さよりも短く形成されている。
(第2金属部)
第2金属部4bは、素体2の側面2cから素体2の外部に引き出して外部端子を形成する。第2金属部4bは、第2面4eを素体2の側面2cに対向するように第2金属部4bを折り曲げて形成された第1屈曲部6と、第2面4eを素体2の底面2bに対向するように第2金属部4bを折り曲げて形成された第2屈曲部8を有する。第2金属部4bの短手方向は、第1屈曲部6と第1屈曲部6を除いた領域とで寸法が異なっており、第1屈曲部6における短手方向の長さが第1金属部4aの短手方向の長さと略同一であり、第1屈曲部6を除いた領域における短手方向の長さが第1金属部4aの短手方向の長さより長くなっている。また、第2金属部4bの第1屈曲部6を除いた領域における短手方向の長さは、素体2の短手方向の長さと略同一であるか、又は、素体2の短手方向の長さよりやや短い。さらに、図3に示す様に、第1屈曲部6の終端のうち第2金属部4bの末端4f側の終端6aと、第2屈曲部8の終端のうち第1金属部4a側の終端8cと、の間の領域に第1の直線部10が形成される。第1の直線部10の長手方向に位置する、第1屈曲部6の終端6aと第2屈曲部8の終端8c間の長さ(第1距離A)は、図2Aに示す、素体2の底面2b及び上面2dの間の距離(素体2の高さ)よりも短く形成されている。また、図3に示す様に、第2金属部4bの末端4fと、第2屈曲部8の終端のうち第2金属部4bの末端4f側の終端8dと、の間の領域に第2直線部12が形成される。第2直線部12の長手方向に位置する、第2金属部4bの末端4fと、第2屈曲部8の終端8d間の長さ(第2距離B)は、図2Cに示す、素体2の長手方向の長さWの半分の長さより短く形成されている。第2金属部4bの少なくとも一部、特に、底面2bに位置する第2直線部12は、インダクタ1を実装基板の配線に接続するために用いられる。
(第1屈曲部)
第1屈曲部6は、第2金属部4bの第2面4eが素体2の側面2cに対向するように、第2金属部4bを折り曲げて形成されている。なお、本実施形態では、図2Aに示すように、第1屈曲部6は、内角が鈍角になるように、第2金属部4bを折り曲げて形成されている。ここで、第1屈曲部6の内角とは、第1金属部4aの第2面4eにおける長手方向の直線L1と、第1屈曲部6と第2屈曲部8とを接続する第1直線部10の第2面4eにおける長手方向の直線L2と、が形成する角度である。つまり、第1屈曲部6は、第1直線部10の第2面4eと素体2の側面2cが平行でなく、所定の角度を有するように、第2金属部4bを折り曲げて形成されている。これにより、第1直線部10と素体2の側面2cとの間に空隙14が設けられる。ただし、本発明はこれに限られるものではなく、第1屈曲部6は、内角がほぼ直角になるように、第2金属部4bを折り曲げて第1直線部10の第2面4eと素体2の側面2cとが接触させても良い。
(第2屈曲部)
第2屈曲部8は、第2金属部4bの第2面4eが素体2の底面2bに対向するように第2金属部4bを折り曲げて形成されている。図2Aに示すように、第2屈曲部8は、第2屈曲部8によって折り曲げられた第2金属部4bの第2直線部12の第2面4eが、素体2の底面2bに設けられた凹部2aの底面である底面2bに略平行になるように、第2金属部4bを折り曲げて形成されている。第2直線部12は、全長にわたって素体2の凹部2aに収容される。第1屈曲部6の内角が鈍角に形成されている場合には、第2直線部12の第2面4eが、素体2の底面2bに略平行になるようにするため、第2屈曲部8の内角は鋭角に形成され得る。
次に、図3を参照しながら、第2屈曲部8について、さらに詳細に説明する。
第2屈曲部8は、第1面4dにより形成される外周面8aと、第2面4eにより形成される内周面8bを有する。曲げ加工された第2屈曲部8は、さらに、外周面8a及び内周面8bの間に位置する中立面16を有する。中立面16は、曲げ加工において、伸び及び圧縮が生じない面である。中立面16の外側(外周面8a側)には引張応力が生じ、中立面16の内側(内周面8b側)には、圧縮応力が生じる。
まず、内周面の半径R1と、第2屈曲部8における外周面8a及び内周面8bの間の距離つまり、第2屈曲部8における第2金属部4bの厚さ(以下、「第2屈曲部8の厚さ」と記載)tと、厚さtに対する内周面の半径R1の比率で定まる値λと、を用いて中立面の半径R2及び外周面の半径R3を求めると、
R2=R1+λ×t
R3=R1+t
となる。
ここで、λの値は、内周面の半径R1及び第2屈曲部8の厚さtの比で定まり、R1/tが0.5未満の場合は0.3、R1/tが0.5〜1.5の場合は0.35、R1/tが1.5〜3.0の場合は0.43、R1/tが5.0以上の場合は0.5となる(株式会社ミスミ「MiSUMi−VONA技術情報」 https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categorie/press mold design/pr03/c0091.html)。
次に、第1直線部10の長手方向の第1距離Aと第2直線部12の長手方向の第2距離Bを用いて、第2屈曲部8における、中立面16の長手方向の長さD1及び外周面の長手方向の長さD2を求める。上記のように空隙14を形成すると、第2屈曲部8の内角は鋭角でもあり得るが、本実施形態に係るインダクタ1は数mm単位の寸法であるため、第2屈曲部8の内角を90°に近似することができる。そのため、中立面16の長手方向の長さD1及び外周面の長手方向の長さD2は、
D1=A+B+R2×2×π×90°/360°
D2=A+B+R3×2×π×90°/360°
となる。
次に、第2屈曲部8における外周面伸び率εを、
ε=(外周面の長さD2−中立面の長さD1)/外周面の長さD2×100
と定義することができる。
<実施例>
第2屈曲部8の厚さt、内周面の半径R1及びそれにより算出される外周面伸び率εを異ならせたインダクタ1を実際に製造して、第2金属部4bの外周面8aのめっき層表面を観察して亀裂の有無を判断した。第2屈曲部8の厚みtを0.1〜0.2の範囲で変更し、内周面の半径R1を0.1〜0.246の範囲で変更し、その結果として、第1距離(A)を素体の側面の底面と交差する方向の長さ(側面2cの高さ)よりも短く、第2距離(B)を素体の対向する側面間の距離の半分より短くしたときの外周面伸び率εを1.59%〜14.24%の範囲で変更して、以下の表1に示すような実施例及び比較例を製造した。表1は、第2屈曲部8に関する要素を変化させたときの第2屈曲部8におけるめっき層4cの表面の亀裂を観測した結果を示す表である。
実施例に用いたインダクタを形成するために用いた材料について説明する。素体2の材料として、鉄を含む金属磁性体の金属磁性粒子と、エポキシ樹脂の結着剤からなる複合材料を用いた。金属体4は、銅製の導電性金属母材(JIS H3100のC1100RH)の片面にニッケルめっき、半光沢スズめっきの順にめっき層を施した金属体を用いた。この金属体4は、第1金属部4aの短手方向の長さが0.55mm、第2金属部4bの短手方向の長さが1.8mmであった。また、実施例1から実施例4、比較例1、2の金属体4の全体の厚みが0.10mmであり、そのうち、ニッケルめっきの厚みが0.5〜1.0μm、スズめっきの厚みが5〜8μmであった。さらに、実施例5から実施例7の金属体4の全体の厚みが0.12mmであり、そのうち、ニッケルめっきの厚みが0.5〜1.0μm、スズめっきの厚みが5〜8μmであった。またさらに、実施例8、実施例9の金属体4の全体の厚みが0.2mmであり、そのうち、ニッケルめっきの厚みが0.5〜1.0μm、スズめっきの厚みが5〜8μmであった。また、ニッケルめっきは硬度(HV)が100から600、抗張力が35から108Kg/mmのものが用いられ、スズめっきは硬度(HV)が5から60のものが用いられた。
表1の表に示すように、外周面伸び率εの値が13.64の比較例1及び14.24の比較例2では、めっきに亀裂が発生した。一方、外周面伸び率εの値が12.83の実施例4及び10.47の実施例3では、めっきに亀裂が発生しなかった。また、外周面伸び率εの値が10.47よりも小さい他の実施例においても、めっきに亀裂が発生しないことが確認された。
この試験におけるめっきの亀裂の有無は、図4(a)のSEM写真(比較例2)において印が付けられている部分のように、下地の銅が露出している場合には、めっきに亀裂が発生しているとし、図4(b)のSEM写真(実施例3)のように、下地の銅が露出している部分が発見できない場合は、めっきに亀裂が発生しないとした。
以上の結果から、第1距離(A)を素体の側面の底面と交差する方向の長さよりも短く、第2距離(B)を素体の対向する側面間の距離の半分より短くしたときの外周面伸び率εが13%以下の場合には外部端子のめっきに亀裂が生じず、外周面伸び率εが13%を越えると亀裂が生じることを知見した。
以上のように、本実施形態に係るインダクタ1は、底面2bと底面に対向する上面2d及び、底面2bと上面2dに隣接する4つの側面を有する素体2と、素体2内に埋設された第1金属部4a及び第1金属部4aの長手方向の両端に位置し、素体2の対向する側面2cから素体2の外部へ露出する第2金属部4bを有する金属体4を備え、第2金属部4bは、めっき層4cを有する第1面4dと、第1面4dと反対側の第2面4eとを有する板形状であり、第2面4eを素体2の側面2cに対向するように第2金属部を折り曲げて形成された第1屈曲部6と、第2面4eを素体2の底面2bに対向するように第2金属部を折り曲げて形成された第2屈曲部8を有する外部端子を形成し、第2屈曲部8の内周面8bの半径をR1とし、第2屈曲部8における第2金属部4bの厚みをtとした時に、tに対するR1の比率で定まる値λは、R1/tが0.5未満ではλは0.3であり、R1/tが0.5以上1.5未満ではλは0.35であり、R1/tが1.5以上3.0未満ではλは0.43であり、R1/tが5.0以上ではλは0.5であるとき、第2屈曲部8の曲げの中立面16の半径R2は、R2=R1+λ×tで求められ、第2屈曲部8の外周面8aの半径をR3とすると、R3=R1+tで求められ、第1屈曲部6の終端のうちの第2金属部4bの末端側の終端6aと、第2屈曲部8の終端のうちの第1金属部4a側の終端8cとの間の長さを第1距離Aとし、第2金属部4bの末端4fと、第2屈曲部8の終端のうちの第2金属部4bの末端4f側の終端8dとの間の長さを第2距離Bとすると、中立面16の長さは、A+B+R2×2×π×90°/360°で求められ、第1距離Aと、第2距離bと、第2屈曲部8の外周面の合計の長さは、A+B+R3×2×π×90°/360°で求められ、(外周面8aの長さ−中立面16の長さ)/外周面8aの長さ×100で定義される外周面伸び率εは、第1距離(A)を素体の側面の底面と交差する方向の長さよりも短く、第2距離(B)を素体の対向する側面間の距離の半分より短くしたときに、13%以下1.59%以上である。
<効果>
このように構成されたインダクタ1は、第1距離(A)を素体の側面の底面と交差する方向の長さよりも短く、第2距離(B)を素体の対向する側面間の距離の半分より短くした状態で、(外周面8aの長さ−中立面16の長さ)/外周面8aの長さ×100で定義される外周面伸び率εを13%以下になるように、第2屈曲部8の厚みt、内周面の半径R1を調節することにより、素体2の底面2bと側面2cが交差する角部に近接して湾曲している第2屈曲部8においてめっきに亀裂が発生しない。これにより、インダクタ1を、例えば、インダクタ1を実装基板へのはんだ実装する際、はんだ濡れ不足によるはんだ付け不良の発生を抑制することができる。
また、このように構成されたインダクタ1は、第1直線部10及び素体2の側面2cの間に空隙14が形成される。これにより、第1屈曲部の折り曲げによって第2金属部4bにかかる負荷を低減することができ、第2金属部4bの表面に亀裂が生じることを防止できる。
さらに、このように構成されたインダクタ1は、第2直線部12が素体2に設けられた凹部2aの底面である素体2の底面2bに平行に配置されている。これにより、インダクタ1の実装性が向上し、第2金属部4bの第2直線部12の素体2への固着強度が向上する。
さらに、このように構成されたインダクタ1は、第1金属部4a及び第2金属部4bの第1屈曲部6の短手方向の長さが、第2金属部4bの第1直線部10、第2屈曲部8及び第2直線部12の短手方向の長さより短くなっている。これにより、金属体4を折り曲げて第1屈曲部6を形成する際に要する力が低減されて、素体2にかかる応力が緩和される。
さらに、このように構成されたインダクタ1は、素体2の側面2cから引き出された金属体4の一部である第2金属部4bを外部端子として利用している。これにより、外部端子を別途設ける必要がない。特に、第1直線部10、第2屈曲部8及び第2直線部12の部分の短手方向の長さを長くすることにより、外部端子として電気的に接続する面積を大きく取ることができる。
さらに、このように構成されたインダクタ1は、第1距離Aが素体2の側面2cの、底面2bと直交する方向への長さより短く形成されている。これにより、第1屈曲部6の終端のうち第2金属部4bの末端4f側の終端6aと、第2屈曲部8の終端のうち第1金属部4a側の終端8cと、の間の領域を直線部に形成することができ、曲げ加工時に金型で確実に挟み込める。また、このように構成されたインダクタ1は、第2距離Bが素体2の対向する側面2c間の距離の半分より短く形成されている。これにより、2つの第2直線部12が、素体2の底面2bで接触しショートすること防ぐ。
さらに、このように構成されたインダクタ1は、金属体4の第1面4dに、金属母材4gに接して設けられる第1層のニッケル(Ni)メッキと、第1層上に設けられる第2層のスズ(Sn)メッキを含んで形成されるめっき層4cが設けられている。このように構成されたインダクタ1は、外部端子として機能する第2金属部4bにおける、はんだのぬれ性が向上し、信頼性の高い実装が可能にする。
またさらに、伸び率εが1.59%未満となると外部端子がインダクタから大きく突出してインダクタの形状が大きくなる傾向がある。
<製造方法>
次に、本実施形態に係るインダクタ1の製造方法について説明する。
インダクタ1の製造方法は、
(a)金属体4を金型に配置する工程と、
(b)磁性粉を含有する複合材料を金型内に充填させて、第1金属部4aを複合材料で被覆する工程と、
(c)複合材料を加圧して、第2金属部4bが側面2cから露出し、かつ、第1金属部4aが埋設する素体2を得る工程と、
(d)第2金属部4bの両端部からそれぞれ所定の距離離間した部分を折り曲げて、第2屈曲部8を形成する工程と、
(e)第2金属部4bの素体2の側面2cに近接した短手方向の長さが短い部分を折り曲げて、第1屈曲部6を形成する工程と、を含む。
以下、第2屈曲部8を形成する工程及び第1屈曲部6を形成する工程について説明する。
(第2屈曲部8を形成する工程)
第2屈曲部8を形成する工程では、第2金属部4bの第1面4d側及び第2面4e側から、所望の位置に金型を押し当てて、外周面伸び率εが13%以下になる第2屈曲部8を形成するように第2金属部4bを折り曲げる。この時、第2屈曲部8の終端のうち第2金属部4bの末端4f側の終端8dから第2金属部4bの末端4fに至るまでの領域(つまり、後の第2直線部12に該当する領域)、及び、第2屈曲部8の終端のうち第1金属部4a側の終端8cから第1金属部4aの端部に至るまでの領域(つまり、後の第1直線部10に該当する領域)には、例えば、金型の平面部分を押し当てて、該領域を変形させないで第2屈曲部8を形成する。
(第1屈曲部6を形成する工程)
第1屈曲部6を形成する工程では、素体2を固定して、第2金属部4bの所望の位置に、第1面4d側から、金型を押し当てる。金型の第1面4dと接する接触面は平面である。このとき、金型の接触面が素体2の側面2cと所定の角度を有するように金型を移動させる。これにより、第1屈曲部6の内角を鈍角に形成することができる。
<効果>
以上のような方法により、第1屈曲部6の内角を鈍角に形成することができる。
また、以上のような方法により、第2屈曲部8の終端のうち第2金属部4bの末端4f側の終端8dから第2金属部4bの末端4fに至るまでの領域、及び、第2屈曲部8の終端のうち第1金属部4a側の終端8cから第1金属部4aの端部に至るまでの領域を直線状に形成できる。
<第2の実施形態>
次に、図5を参照して、本発明の第2の実施形態に係るインダクタ21を説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係るインダクタ21を示す模式的な断面図である。
図5は、図2Aに示す断面と同様な位置の断面を示す。第2の実施形態に係るインダクタ21は、上記の第1の実施形態に係るインダクタ1と、第1金属部の構造が異なる。
なお、図5において、上記の第1の実施形態に係るインダクタ1と同一部材には同一符号を付している。
インダクタ21の第1金属部24aは、2つの板部24hとコイル部24iとを備える。コイル部24iは、1巻き以上の巻数を有するコイル形状である。コイル部24iは、横断面が円形又は矩形の巻線を渦巻き状に巻回することにより形成される。板部24hは第1の実施形態の第1金属部4aと同様、めっき層を有する第1面24jと第1面24jの反対側の第2面24kを有する。板部24hは、素体2内において、素体2の長手方向に互いにその端部が離間した状態で、かつ、それぞれの第2面24kが素体2の底面2bと平行な平面上に配置されるように、素体2内に埋設される。板部24hは、素体2の長手方向に延在する。コイル部24iは2枚の板部24hの第2面24k側に跨って配置され、リード25を介して板部24hに接続されている。板部24hの素体2から露出した領域については、上記の第1の実施形態と同様であり、詳細な説明は省略する。
<効果>
このように構成されたインダクタ21は、コイル部24iの巻き数を変更させることでインダクタンス値を大きくすることができる。
本発明の実施の形態、実施の態様を説明したが、開示内容は構成の細部において変化してもよく、実施の形態、実施の態様における要素の組合せや順序の変化等は請求された本発明の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
1 インダクタ
2 素体
2a 凹部
2b 底面
2c 側面
2d 上面
4 金属体
4a 第1金属部
4b 第2金属部
4c めっき層
4d 第1面
4e 第2面
4f 末端
4g 金属母材
6 第1屈曲部
6a 第1屈曲部の終端
8 第2屈曲部
8a 第2屈曲部の外周面
8b 第2屈曲部の内周面
8c、8d 第2屈曲部の終端
10 第1直線部
12 第2直線部
14 空隙
16 中立面
21 インダクタ
24a 第1金属部
24h 板部
24i コイル部
24j 第1面
24k 第2面
25 リード
A 第1距離
B 第2距離
D1 中立面の長手方向の長さ
D2 外周面の長手方向の長さ
L1、L2 直線
R1 第2屈曲部の内周面の半径
R2 第2屈曲部の中立面の半径
R3 第2屈曲部の外周面の半径
t 第2屈曲部の厚さ
ε 外周面の伸び率

Claims (3)

  1. 底面、前記底面に対向する上面及び、前記底面と前記上面に隣接する4つの側面を有する素体と、
    前記素体内に埋設された第1金属部及び、前記第1金属部の両端に位置し、前記素体の対向する側面から前記素体の外部へ露出する第2金属部を有する金属体を備え、
    前記第2金属部は、めっき層を有する第1面と、前記第1面と反対側の第2面とを有する板形状であり、前記第2面を前記素体の側面に対向するように前記第2金属部を折り曲げて形成された第1屈曲部と、前記第2面を前記素体の前記底面に対向するように前記第2金属部を折り曲げて形成された第2屈曲部を有する外部端子を形成し、
    前記第2屈曲部の内周面の半径をR1、
    前記第2屈曲部における前記第2金属部の厚みをtとした時に、
    tに対するR1の比率で定まる値λは、
    R1/tが0.5未満ではλは0.3であり、
    R1/tが0.5以上1.5未満ではλは0.35であり、
    R1/tが1.5以上3.0未満ではλは0.43であり、
    R1/tが5.0以上ではλは0.5であるとき、
    前記第2屈曲部の曲げの中立面の半径R2は、R2=R1+λ×tで求められ、
    前記第2屈曲部の外周面の半径をR3とすると、R3=R1+tで求められ、
    前記第1屈曲部の終端のうちの前記第2金属部の末端側の終端と、前記第2屈曲部の終端のうちの前記第1金属部側の終端間の長さを第1距離Aとし、
    前記第2金属部の末端と、前記第2屈曲部の終端のうちの前記第2金属部の末端側の終端間の長さを第2距離Bとすると、
    前記中立面の長さは、A+B+R2×2×π×90°/360°で求められ、
    前記第1距離Aと、前記第2距離Bと、前記第2屈曲部の外周面の合計の長さは、A+B+R3×2×π×90°/360°で求められ、
    (前記外周面の長さ−前記中立面の長さ)/前記外周面の長さ×100で定義される外周面伸び率εは、前記第1距離Aを前記素体の側面の前記底面と交差する方向の長さよりも短く、前記第2距離Bを前記素体の対向する側面間の距離の半分より短くしたときに、13%以下であることを特徴とするインダクタ。
  2. 前記めっき層は、ニッケルめっきによる第1層と前記第1層上に形成されたスズめっきによる第2層を含む請求項1に記載のインダクタ。
  3. 前記金属体が、板形状又は1以上の巻数のコイル形状を有する請求項1又は請求項2に記載のインダクタ。
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