JP2020133624A - 車載内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒装置における還元反応を促進し、再始動時に過剰な酸素の還元を速やかに完了させて浄化能力を迅速に回復させることができる車載内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】制御装置は、フューエルカット制御を行う噴射制御部と、点火装置を制御する点火制御部と、アイドリングストップ制御を実行するアイドリングストップ制御部と、過給制御部と、を備えている。制御装置では、燃焼室への燃料の供給が再開されて機関運転を再開したとき(時刻t13)に、噴射制御部が、空燃比を理論空燃比よりもリッチにするリッチ還元制御を実行する。そして、この制御装置では、過給制御部が、フューエルカット制御が実行されているときにウェイストゲートバルブを閉弁させて、その後の機関運転に伴い解除条件が成立するまでの間(時刻t10〜時刻t14)、閉弁状態に保持する閉弁保持制御を実行する。【選択図】図7

Description

この発明は車載内燃機関の制御装置に関するものである。
特許文献1には、内燃機関を自動的に停止し、再始動させることによりアイドリング運転の継続を抑制するアイドリングストップ制御を実行する車載内燃機関を制御する制御装置が開示されている。こうしたアイドリングストップ制御を実行する車両では、内燃機関の運転を停止している間に触媒装置に酸素が吸蔵されるため、再始動直後は触媒装置に酸素が過剰に吸蔵されており、排気の浄化能力が低下している。そこで、特許文献1に記載の制御装置では、再始動時には、空燃比が理論空燃比よりもリッチになるように燃料噴射量を増量し、余剰の燃料を含む排気を触媒装置に導入して触媒装置に吸蔵されている酸素を還元するリッチ還元制御を実行している。
特開2012−036849号公報
こうしたリッチ還元制御により排気の浄化能力を回復させる上では、酸素の還元を速やかに完了させ、浄化能力を迅速に回復させることが望まれている。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するための車載内燃機関の制御装置は、燃料噴射弁と、点火装置と、ウェイストゲートポートを開閉することにより過給圧を制御するウェイストゲートバルブを搭載したターボチャージャと、排気通路における前記ターボチャージャのタービンよりも下流側に配置され、酸素吸蔵能力を有していて排気を浄化する触媒装置と、を備える車載内燃機関に適用される。そして、この制御装置は、前記燃料噴射弁を制御し、減速中に燃焼室への燃料の供給を停止するフューエルカット制御を行う噴射制御部と、前記点火装置を制御する点火制御部と、機関運転を自動的に停止させ再始動させることによりアイドリング運転の継続を抑制するアイドリングストップ制御を実行するアイドリングストップ制御部と、前記ウェイストゲートバルブの開閉を制御する過給制御部と、を備えている。この制御装置は、前記燃焼室への燃料の供給が再開されて機関運転を再開したときに、前記噴射制御部が、空燃比を理論空燃比よりもリッチにするリッチ還元制御を実行する車載内燃機関の制御装置であり、この制御装置では、前記過給制御部が、前記フューエルカット制御が実行されているときに前記ウェイストゲートバルブを閉弁させて、その後の機関運転に伴い解除条件が成立するまでの間、閉弁状態に保持する閉弁保持制御を実行する。
ウェイストゲートバルブが閉弁状態に保持されている場合には、排気通路を流れるガスがターボチャージャのタービンホイールを通過するようになる。タービンホイールを通過して下流側に流れるガスは、タービンホイールの回転に伴い、旋回流となって触媒装置に到達する。そのため、閉弁保持制御を実行していれば、機関運転が再開されてリッチ還元制御が実行されているときに、余剰の燃料を含む排気がタービンホイールを通過し、旋回流となった排気が触媒装置に導入されることになる。この場合、遠心力により排気が排気通路内で拡散し、燃料を含んだ排気が触媒装置に均一に導入されやすくなる。また、旋回流であれば、排気が旋回せずに下流側に向かってまっすぐに流れる場合と比較して、触媒と燃料とが接触する時間を確保できる。そのため、上記構成によれば、リッチ還元制御による触媒装置内の酸素の還元を効率的に行うことができる。
また、上記構成によれば、閉弁保持制御によりウェイストゲートバルブを閉弁させたあと、その後の機関運転に伴って解除条件が成立するまでの間は、ウェイストゲートバルブが閉弁状態に保持される。そのため、機関運転が再開されたときには、すでにウェイストゲートバルブが閉弁状態になっている。したがって、リッチ還元制御の開始時から排気がタービンホイールを通過するようになり、上記の旋回流による作用を生じさせることができる。
したがって、上記構成によれば、旋回流によって触媒装置における還元反応を促進し、再始動時に過剰な酸素の還元を速やかに完了させて浄化能力を迅速に回復させることができるようになる。
車載内燃機関の制御装置の一態様では、前記過給制御部は、前記フューエルカット制御が開始された時点で、前記閉弁保持制御を開始して前記ウェイストゲートバルブを閉弁させる。
フューエルカット制御が実行されていれば、ウェイストゲートバルブを閉弁させても内燃機関の出力トルクが増大することはない。そのため、リッチ還元制御に備えて予めウェイストゲートバルブを閉弁させておくことができる。上記構成によれば、フューエルカット制御が開始された時点から閉弁保持制御を開始するため、最も早い時点からその後のリッチ還元制御に備えてウェイストゲートバルブを閉弁させておくことができる。
なお、フューエルカット制御の実行中は、燃焼室への燃料の供給が停止されているため、燃焼は行われないものの、吸入空気量を制限した状態で吸気及び排気が行われるため、燃焼室内が負圧になる。そのため、フューエルカット制御の実行中にウェイストゲートバルブを閉弁させると、ウェイストゲートバルブの開度が小さくなり、座面に近づいたときにこうした負圧や排気の脈動によってウェイストゲートバルブが振動しやすくなる。その結果、ウェイストゲートバルブが座面に衝突し、音が発生するが、フューエルカット制御の実行中には内燃機関における燃焼が行われておらず、燃焼による音や振動が発生していないため、ウェイストゲートバルブが座面に衝突する音が目立ちやすい。
これに対して、車載内燃機関の制御装置の一態様では、前記過給制御部が、前記フューエルカット制御の実行条件が成立しているときに前記フューエルカット制御の実行に先立って前記ウェイストゲートバルブを閉弁させて、その後の機関運転に伴い解除条件が成立するまでの間、閉弁状態に保持する閉弁保持制御を実行する。
こうした構成によれば、フューエルカット制御を実行する前に、ウェイストゲートバルブを閉弁させ、ウェイストゲートバルブが閉じている状態でフューエルカット制御が開始される。すなわち、内燃機関における燃焼が行われており、ウェイストゲートバルブの振動が発生しにくく、且つウェイストゲートバルブが座面に衝突する音が目立ちにくいときに、ウェイストゲートバルブが閉弁されることになるため、ウェイストゲートバルブが座面に衝突する音が乗員に聞こえにくくなる。
また、この構成であっても、閉弁保持制御によりウェイストゲートバルブを閉弁させたあと、その後の機関運転に伴って解除条件が成立するまでの間は、ウェイストゲートバルブが閉弁状態に保持される。そのため、機関運転が再開されたときには、すでにウェイストゲートバルブが閉弁状態になっている。したがって、リッチ還元制御の開始時から排気がタービンホイールを通過するようになり、上記の旋回流による作用を生じさせることができる。
前記触媒装置よりも下流側に空燃比センサを備えた前記車載内燃機関に適用される車載内燃機関の制御装置の一態様では、前記過給制御部は、前記燃焼室への燃料の供給が再開されて機関運転を再開してから前記空燃比センサによって理論空燃比よりもリッチであることが検知されたことを条件に、前記閉弁保持制御を終了させる。
リッチ還元制御によって排気とともに導入される燃料が、触媒装置に吸蔵されている酸素の還元によって消費し尽くされているときには、空燃比センサには燃料を含まない排気が到達する。一方で、酸素の還元が進行し、触媒装置における酸素の吸蔵量が少なくなると、燃料が消費し尽くされずに触媒装置を通過して空燃比センサに到達するようになる。そのため、上記構成のように、空燃比センサによって理論空燃比よりもリッチであることが検知されたことを条件に、閉弁保持制御を終了させる構成を採用すれば、空燃比センサの検出結果に基づいて、燃料が消費し尽くされなくなるまで酸素の還元が進行していることを確認して閉弁保持制御を終了させることができる。
車載内燃機関の制御装置の一態様では、前記点火制御部は、前記リッチ還元制御を実行している間、点火時期を遅角させる点火遅角制御を実行する。
点火時期を遅角させることにより、NOxの発生を抑制することができる。上記構成によれば、リッチ還元制御が完了していない間は、点火時期を遅角させてNOxの排出を抑制するため、触媒装置の浄化能力が回復するまでの間のNOxの排出を抑制することができる。
吸気バルブの開閉タイミングを変更する吸気側可変バルブタイミング機構と、排気バルブの開閉タイミングを変更する排気側可変バルブタイミング機構と、を備える車載内燃機関に適用される車載内燃機関の制御装置の一態様では、前記吸気側可変バルブタイミング機構及び排気側可変バルブタイミング機構を制御するバルブタイミング制御部を備え、前記バルブタイミング制御部は、前記リッチ還元制御を実行している間、前記排気側可変バルブタイミング機構により前記排気バルブの閉弁タイミングを最大限遅角させた状態で、前記吸気側可変バルブタイミング機構によって前記吸気バルブの開弁タイミングを調整することにより前記排気バルブ及び前記吸気バルブの双方が開弁している期間であるバルブオーバーラップを制御する排気最遅角制御を実行する。
バルブオーバーラップを利用して、排気を燃焼室内に還流させることにより、NOx及びHCの排出を抑制することができる。上記構成のように、排気バルブの閉弁タイミングを最大限遅角させた状態で、吸気バルブの開弁タイミングを調整することによりバルブオーバーラップを調整するようにすれば、目標とするバルブオーバーラップの大きさを実現しながらも、吸気バルブの閉弁タイミングを極力遅くして、実圧縮比を小さくすることができる。したがって、上記構成によれば、吸気バルブの閉弁タイミングを遅くすることによるアトキンソンサイクルの実現と、目標とするバルブオーバーラップの実現とを両立しやすくなる。ひいてはアトキンソンサイクルによってポンピングロスを低減し、燃料の消費量を抑制してNOxやHCの排出を抑制することができる。
実施形態の制御装置と、同制御装置の制御対象である車載内燃機関の構成を示す模式図。 ターボチャージャにおけるタービンハウジングの断面図。 リッチ還元制御の開始を決定するルーチンの処理の流れを示すフローチャート。 リッチ還元制御の終了を決定するルーチンの処理の流れを示すフローチャート。 閉弁保持制御の開始を決定するルーチンの処理の流れを示すフローチャート。 閉弁保持制御の終了を決定するルーチンの処理の流れを示すフローチャート。 各制御の実行タイミングの関係を示すタイミングチャート。 第2実施形態において閉弁保持制御の開始を決定するルーチンの処理の流れを示すフローチャート。 第2実施形態においてフューエルカット制御の開始を決定するルーチンの処理の流れを示すフローチャート。 第2実施形態における閉弁保持制御の実行タイミングとフューエルカット制御の実行タイミングとの関係を示すタイミングチャート。
(第1実施形態)
以下、車載内燃機関の制御装置の第1実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
図1に示すように、制御装置100が制御する車載内燃機関である内燃機関10には、ウェイストゲートバルブ60を備えたターボチャージャ50が搭載されている。ターボチャージャ50は、内燃機関10の吸気通路12に配置されたコンプレッサハウジング51と、内燃機関10の排気通路19に配置されたタービンハウジング52とを備えている。
吸気通路12におけるコンプレッサハウジング51よりも上流側の部分には、吸入空気量と吸気の温度とを検出するエアフロメータ33が設けられている。一方、吸気通路12におけるコンプレッサハウジング51よりも下流側の部分には、上流側から順に、インタークーラ70、スロットルバルブ31、吸気圧センサ36が設けられている。インタークーラ70は、冷却水との熱交換により吸気を冷却する。スロットルバルブ31は、モータで駆動され、吸入空気量を調整する。
また、内燃機関10には、燃焼室11に対する吸気通路12の接続部である吸気ポート13に、吸気ポート13を流れる吸気中に燃料を噴射する燃料噴射弁であるポート噴射弁14が設けられている。また、燃焼室11には、燃焼室11内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁である筒内噴射弁15と、燃焼室11に導入された空気との燃料との混合気を火花放電により着火する点火装置16が設けられている。そして、燃焼室11には、排気ポート22を介して、タービンハウジング52が設置された排気通路19が接続されている。
なお、内燃機関10は直列4気筒の内燃機関であり4つの燃焼室11を備えているが、図1には、そのうちの1つのみが図示されている。燃焼室11内で混合気が燃焼すると、ピストン17が往復動し、内燃機関10の出力軸であるクランクシャフト18が回転する。そして、燃焼後の排気は燃焼室11から排気通路19に排出される。
吸気ポート13には吸気バルブ23が設けられている。そして、排気ポート22には排気バルブ24が設けられている。これら吸気バルブ23及び排気バルブ24は、クランクシャフト18の回転が伝達される吸気カムシャフト25及び排気カムシャフト26の回転に伴って開閉動作する。
吸気カムシャフト25には、クランクシャフト18に対する吸気カムシャフト25の位相を変更することにより吸気バルブ23の開閉タイミングを変更する吸気側可変バルブタイミング機構27が設けられている。また、排気カムシャフト26には、クランクシャフト18に対する排気カムシャフト26の位相を変更することにより排気バルブ24の開閉タイミングを変更する排気側可変バルブタイミング機構28が設けられている。
吸気側可変バルブタイミング機構27と、排気側可変バルブタイミング機構28と、クランクシャフト18とには、タイミングチェーン29が巻き掛けられている。これにより、クランクシャフト18が回転すると、タイミングチェーン29を介して回転が伝達され、吸気側可変バルブタイミング機構27とともに吸気カムシャフト25が回転し、排気側可変バルブタイミング機構28とともに排気カムシャフト26が回転する。
排気通路19におけるタービンハウジング52よりも下流側の部分には、排気中のCO、HCを酸化すると同時にNOxを還元する三元触媒を担持した触媒装置80が設けられている。なお、触媒装置80は、排気通路19を流れるガスに含まれる酸素を吸蔵する酸素吸蔵能力を有している。
図2に示すように、タービンハウジング52には、排気通路19を構成する上流側排気管20と下流側排気管21が接続されている。タービンハウジング52にはタービンホイール54が収容されている。タービンホイール54は、コンプレッサハウジング51に収容されているコンプレッサホイール53とベアリングハウジング56に収容されているシャフト55を介して連結されている。そのため、上流側排気管20を通じてタービンハウジング52内に導入された排気の流勢により、タービンホイール54が回転すると、コンプレッサホイール53も回転し、吸気が圧縮されて燃焼室11に送り込まれる。
タービンハウジング52には、タービンホイール54を迂回してタービンホイール54よりも下流側に排気を流すウェイストゲートポート57が設けられている。ウェイストゲートバルブ60は、ウェイストゲートポート57の出口を開閉することにより、過給圧を制御する。すなわち、ウェイストゲートバルブ60を全閉の状態に保持すれば、上流側排気管20を通じてタービンハウジング52に導入された排気はタービンホイール54を通過して下流側排気管21に流れるようになり、タービンホイール54及びコンプレッサホイール53が回転して過給圧が高くなる。一方で、ウェイストゲートバルブ60を開いた状態にすれば、上流側排気管20を通じてタービンハウジング52に導入された排気がタービンホイール54を迂回するウェイストゲートポート57を通じて下流側排気管21に流れるようになり、過給圧が低くなる。
なお、ウェイストゲートバルブ60はアクチュエータ61によって駆動される。なお、アクチュエータ61は電動のモータであってもよいし、空気圧や油圧を利用して作動するものであってもよい。
図1に示すように、排気通路19におけるタービンハウジング52と触媒装置80との間の部分には、排気通路19を流れるガスの酸素濃度に応じた検出値を出力するセンサ、すなわち混合気の空燃比を検出する空燃比センサである上流側A/Fセンサ34が設置されている。また、排気通路19における触媒装置80よりも下流側の部分には、上流側A/Fセンサ34と同様の空燃比センサである下流側A/Fセンサ35が設置されている。
制御装置100は、内燃機関10を制御対象とし、スロットルバルブ31、ポート噴射弁14、筒内噴射弁15、点火装置16、吸気側可変バルブタイミング機構27、排気側可変バルブタイミング機構28、ウェイストゲートバルブ60などの各種操作対象機器を操作することによって、内燃機関10を制御する。
制御装置100には、アクセルポジションセンサ30によって運転者のアクセルの操作量の検出信号が入力され、車速センサ41によって車両の走行速度である車速の検出信号が入力されている。
さらに、制御装置100には、上記のエアフロメータ33、上流側A/Fセンサ34、下流側A/Fセンサ35、吸気圧センサ36に加え、各種のセンサの検出信号が入力されている。例えば、スロットルポジションセンサ32は、スロットルバルブ31の開度を検出する。クランクポジションセンサ38は、クランクシャフト18の回転位相を検出する。水温センサ37は、内燃機関10の冷却水の温度である冷却水温を検出する。なお、制御装置100は、クランクポジションセンサ38の検出信号から、内燃機関10のクランクシャフト18の回転速度である機関回転速度を算出している。吸気側カムポジションセンサ39は、吸気カムシャフト25の回転位相を検出する。制御装置100は、吸気側カムポジションセンサ39の検出信号と、クランクポジションセンサ38の検出信号とから吸気バルブ23の開閉タイミングを示すクランクシャフト18に対する吸気カムシャフト25の位相を算出する。排気側カムポジションセンサ40は、排気カムシャフト26の回転位相を検出する。制御装置100は、排気側カムポジションセンサ40の検出信号と、クランクポジションセンサ38の検出信号とから排気バルブ24の開閉タイミングを示すクランクシャフト18に対する排気カムシャフト26の位相を算出する。
制御装置100は、これら各種センサの出力信号を取り込むとともにこれらの出力信号に基づいて各種の演算を行い、その演算結果に応じて機関運転にかかる各種の制御を実行する。
制御装置100は、こうした各種の制御を行う制御部として、ポート噴射弁14及び筒内噴射弁15を制御する噴射制御部101と、点火装置16を制御する点火制御部102と、吸気側可変バルブタイミング機構27及び排気側可変バルブタイミング機構28を制御するバルブタイミング制御部103とを備えている。さらに、制御装置100は、アクチュエータ61を駆動してウェイストゲートバルブ60を制御する過給制御部104と、機関運転を自動的に停止させ再始動させることによりアイドリング運転の継続を抑制するアイドリングストップ制御を実行するアイドリングストップ制御部105も備えている。
噴射制御部101は、アクセルの操作量、車速、吸入空気量、機関回転速度及び機関負荷率などに基づいて、燃料噴射量についての制御目標値である目標燃料噴射量を算出する。なお、機関負荷率は、基準流入空気量に対する、1気筒の1燃焼サイクル当たりの流入空気量の比である。ここで、基準流入空気量は、スロットルバルブ31の開度を最大としたときの1気筒の1燃焼サイクル当たりの流入空気量であり、機関回転速度に応じて決められている。噴射制御部101は、基本的には、空燃比が理論空燃比になるように目標燃料噴射量を算出する。そして、ポート噴射弁14と筒内噴射弁15における噴射時期や燃料噴射時間についての制御目標値を算出する。ポート噴射弁14と筒内噴射弁15は、これらの制御目標値に応じたかたちで開弁駆動される。これにより、そのときどきの内燃機関10の運転状態に見合う量の燃料が、噴射されて、燃焼室11に供給される。なお、内燃機関10では、運転状態に応じていずれの燃料噴射弁から燃料を噴射するのかを切り替える。そのため、内燃機関10では、ポート噴射弁14と筒内噴射弁15の双方から燃料を噴射する場合の他に、ポート噴射弁14のみから燃料を噴射する場合や、筒内噴射弁15のみから燃料を噴射する場合がある。また、噴射制御部101は、アクセルの操作量がゼロになっている減速中などに、燃料の噴射を停止して燃焼室11への燃料の供給を停止し、燃料消費率の低減を図るフューエルカット制御も行う。
点火制御部102は、点火装置16による火花放電の時期である点火時期を算出して点火装置16を操作し、混合気に点火する。
バルブタイミング制御部103は、機関回転速度と機関負荷率に基づいて、クランクシャフト18に対する吸気カムシャフト25の位相の目標値と、クランクシャフト18に対する排気カムシャフト26の位相の目標値を算出し、吸気側可変バルブタイミング機構27と排気側可変バルブタイミング機構28とを操作する。これにより、バルブタイミング制御部103は、吸気バルブ23の開閉タイミングと、排気バルブ24の開閉タイミングを制御する。その一例として、バルブタイミング制御部103は、排気バルブ24及び吸気バルブ23の双方が開弁している期間であるバルブオーバーラップを制御する。
過給制御部104は、車速とアクセル操作量、機関回転速度と機関負荷率などに基づいて目標とするウェイストゲートバルブ60の開度を算出し、アクチュエータ61を駆動してウェイストゲートバルブ60の開度を制御する。すなわち、過給制御部104は、ウェイストゲートバルブ60の開閉を制御する。
アイドリングストップ制御部105は、噴射制御部101及び点火制御部102に指令を出し、車両が停止しているときに燃料の供給と点火を停止させて機関運転を自動的に停止させ、車両を発進させるときに自動的に燃料の供給と点火を再開して機関運転を再開させる。すなわち、アイドリングストップ制御部105は、機関運転を自動的に停止させ再始動させることによりアイドリング運転の継続を抑制するアイドリングストップ制御を実行する。
ところで、フューエルカット制御が実行され、車両が惰性で走行しているときには、排気通路19を通じて触媒装置80に空気が流れ込む。そして、その後に車両が停止し、アイドリングストップ制御などにより機関運転が停止されたときには、触媒装置80が空気にさらされた状態が継続する。その結果、触媒装置80が酸素を大量に吸蔵し、内燃機関10が再始動されたときには、触媒装置80における酸素の吸蔵量が過剰に多くなっていて排気の浄化能力が低下しているおそれがある。そこで、制御装置100では、燃焼室11への燃料の供給が再開して機関運転を再開したときに、噴射制御部101が、空燃比を理論空燃比よりもリッチにするリッチ還元制御を実行する。こうしてリッチ還元制御を実行することにより、余剰の燃料が排気とともに触媒装置80に導入され、触媒装置80に吸蔵されている酸素が燃料との反応によって還元される。
次に、図3及び図4を参照してこのリッチ還元制御にかかる一連の処理について説明する。図3に示すフローチャートは、リッチ還元制御の開始を決定するルーチンにおける処理の流れを示している。このルーチンは、制御装置100が稼働している間、制御装置100によって繰り返し実行される。
図3に示すように、このルーチンを開始すると、制御装置100はまずステップS100の処理において、アイドリングストップ制御による内燃機関10の再始動時であるか否かを判定する。すなわち、制御装置100はアイドリングストップ制御によって内燃機関10が自動停止させられている状態からの再始動が行われているときであるか否かを判定する。
制御装置100は、ステップS100の処理においてアイドリングストップ制御による再始動時であると判定した場合(ステップS100:YES)には、処理をステップS110へと進める。そして、ステップS110の処理では、制御装置100の噴射制御部101が、リッチ還元制御を開始する。リッチ還元制御では、噴射制御部101はリッチ還元制御を実行しない場合と比較して空燃比をリッチにし、空燃比が理論空燃比よりもリッチになるように、目標燃料噴射量に対して増量した燃料を噴射する。
そして、続くステップS120の処理では、制御装置100の点火制御部102が点火時期遅角制御を開始する。点火時期遅角制御では、点火制御部102は点火時期遅角制御を実行しない場合と比較して点火時期を遅角側に補正し、点火時期遅角制御を実行しない場合の点火時期よりも遅角側の時期に点火装置16の火花放電を行う。
さらに、ステップS120に続くステップS130の処理では、制御装置100のバルブタイミング制御部103が排気最遅角制御を開始する。排気最遅角制御では、バルブタイミング制御部103は排気側可変バルブタイミング機構28によって排気バルブ24の開閉タイミングを最も遅角側に設定する。そして、排気バルブ24の開閉タイミングを最も遅角側に設定した状態で、吸気側可変バルブタイミング機構27によって吸気バルブ23の開閉タイミングを調整することによってバルブオーバーラップを制御する。すなわち、排気最遅角制御を実行しているときには、バルブタイミング制御部103は排気バルブ24の開閉タイミングを最も遅角側に設定した状態で、排気最遅角制御を実行していないときと同じバルブオーバーラップを実現するように、吸気バルブ23の開閉タイミングを調整する。
こうしてステップS110〜ステップS130の処理を通じてリッチ還元制御と点火時期遅角制御と排気最遅角制御とを開始すると、制御装置100はこのルーチンを終了する。
また、図3に示すように、制御装置100は、ステップS100の処理においてアイドリングストップ制御による再始動時ではないと判定した場合(ステップS100:NO)には、ステップS110〜ステップS130の処理を実行せずに、このルーチンを終了する。すなわち、制御装置100は、アイドリングストップ制御による再始動時でない場合には、リッチ還元制御と点火時期遅角制御と排気最遅角制御とを実行しない。
図4に示すフローチャートは、リッチ還元制御の終了を決定するルーチンにおける処理の流れを示している。このルーチンは、リッチ還元制御が実行されているときに制御装置100によって繰り返し実行される。
図4に示すように、このルーチンを開始すると、制御装置100はまずステップS200の処理において、下流側A/Fセンサ35の検出値であるリアA/F値がリッチ判定値以下であるか否かを判定する。リッチ判定値はリアA/F値がリッチ判定値以下であることに基づいて触媒装置80よりも下流側の排気に未燃の燃料が含まれていることを判定するための閾値であり、理論空燃比であることを示す値よりも僅かに小さい値、すなわちリッチであることを示す値に設定されている。
制御装置100は、ステップS200の処理においてリアA/F値がリッチ判定値以下であると判定した場合(ステップS200:YES)には、処理をステップS210へと進める。
そして、制御装置100は、ステップS210の処理においてリッチ還元制御を終了させる。すなわちステップS210の処理では、制御装置100の噴射制御部101が、リッチ還元制御を終了する。これにより、噴射制御部101はリッチ還元制御による燃料噴射量の増量を停止して目標燃料噴射量に応じた燃料噴射を実行するようになる。
そして、続くステップS220の処理では、制御装置100の点火制御部102が点火時期遅角制御を終了する。これにより、点火制御部102は点火時期遅角制御による点火時期の遅角側への補正を停止し、点火時期遅角制御による補正を施していない点火時期での点火装置16の火花放電を行うようになる。
さらに、ステップS220に続くステップS230の処理では、制御装置100のバルブタイミング制御部103が排気最遅角制御を終了する。これにより、バルブタイミング制御部103は、排気バルブ24の開閉タイミングを最も遅角側に設定した状態を解除する。これにより、バルブタイミング制御部103は、機関回転速度と機関負荷率に基づいて、クランクシャフト18に対する吸気カムシャフト25の位相の目標値と、クランクシャフト18に対する排気カムシャフト26の位相の目標値を算出し、吸気側可変バルブタイミング機構27と排気側可変バルブタイミング機構28とを操作するようになる。すなわち、バルブタイミング制御部103は、排気バルブ24の開閉タイミングと吸気バルブ23の開閉タイミングの双方を操作することによってバルブオーバーラップを制御するようになる。
こうしてステップS210〜ステップS130の処理を通じてリッチ還元制御と点火時期遅角制御と排気最遅角制御とを終了すると、制御装置100はこのルーチンを終了する。
また、図4に示すように、制御装置100は、ステップS200の処理においてリアA/F値がリッチ判定値よりも大きいと判定した場合(ステップS200:NO)には、ステップS210〜ステップS230の処理を実行せずに、このルーチンを終了する。
すなわち、制御装置100は、リッチ還元制御を実行しているが、リアA/F値がリッチ判定値よりも高く、触媒装置80よりも下流側の排気に未燃の燃料が含まれていないことが推定される場合には、リッチ還元制御と点火時期遅角制御と排気最遅角制御とを終了させない。要するに、制御装置100においては、噴射制御部101は、リッチ還元制御によって触媒装置80に吸蔵されている酸素が還元され、触媒装置80における還元反応によって燃料が消費し尽くされずに触媒装置80を通過して下流側A/Fセンサ35に到達するようになるまでリッチ還元制御を継続する。
なお、こうしたリッチ還元制御により排気の浄化能力を回復させる上では、触媒装置80における酸素の還元を速やかに完了させ、浄化能力を迅速に回復させることが好ましい。そこで、制御装置100では、リッチ還元制御による酸素の還元を促進するためにウェイストゲートバルブ60を閉弁状態に保持する閉弁保持制御を実行するようにしている。
次に、図5及び図6を参照して閉弁保持制御について説明する。図5は閉弁保持制御の開始を決定するルーチンにおける処理の流れを示している。このルーチンは制御装置100が稼働している間、制御装置100によって繰り返し実行される。
図5に示すように、このルーチンを開始すると、制御装置100はまずステップS300の処理において、フューエルカット制御が実施されているか否かを判定する。制御装置100は、ステップS300の処理においてフューエルカット制御が実施されていると判定した場合(ステップS300:YES)には、処理をステップS310へと進める。
そして、ステップS310の処理では、制御装置100の過給制御部104が、閉弁保持制御を開始する。閉弁保持制御では、過給制御部104がウェイストゲートバルブ60を閉弁させて閉弁状態に保持する。なお、ステップS300の処理においてフューエルカット制御が実施されていると判定したときに、すでに閉弁保持制御が開始されており、閉弁保持制御が実施されている場合には、ステップS310の処理では何もせずに、そのまま閉弁保持制御を継続する。
一方で、ステップS300の処理においてフューエルカット制御が実施されていないと判定した場合(ステップS300:NO)には、制御装置100はステップS310の処理を実行せずにそのままこのルーチンを終了する。
内燃機関10を稼働させているときにこのルーチンを繰り返し実行することにより、フューエルカット制御が開始された時点から閉弁保持制御が開始されるようになる。
図6に示すフローチャートは閉弁保持制御の終了を決定するルーチンにおける処理の流れを示している。このルーチンは、閉弁保持制御が実行されているときに制御装置100によって繰り返し実行される。
図6に示すように、このルーチンを開始すると、制御装置100はまずステップS400の処理において、リアA/F値がリッチ判定値以下であるか否かを判定する。制御装置100は、ステップS400の処理においてリアA/F値がリッチ判定値以下であると判定した場合(ステップS400:YES)には、処理をステップS410へと進める。
そして、制御装置100は、ステップS410の処理において閉弁保持制御を終了させる。すなわちステップS410の処理では制御装置100の過給制御部104が、閉弁保持制御を終了する。これにより、過給制御部104は車速とアクセル操作量、機関回転速度と機関負荷率などに基づいて目標とするウェイストゲートバルブ60の開度を算出し、アクチュエータ61を駆動してウェイストゲートバルブ60の開度を制御するようになる。
また、図6に示すように、制御装置100は、ステップS400の処理においてリアA/F値がリッチ判定値よりも大きいと判定した場合(ステップS400:NO)には、ステップS410の処理を実行せずに、このルーチンを終了する。すなわち、過給制御部104は、燃焼室11への燃料の供給が再開されて機関運転を再開してから下流側A/Fセンサ35によって理論空燃比よりもリッチであることが検知されたことを条件に、閉弁保持制御を終了させる。
このように、制御装置100は、閉弁保持制御を実行しているが、リアA/F値がリッチ判定値よりも高く、触媒装置80よりも下流側の排気に未燃の燃料が含まれていないことが推定される場合には、閉弁保持制御を終了させない。要するに、制御装置100においては、下流側A/Fセンサ35によって理論空燃比よりもリッチであることが検知されたことが閉弁保持制御の解除条件になっている。制御装置100では、リッチ還元制御によって触媒装置80に吸蔵されている酸素が還元され、触媒装置80における還元反応によって燃料が消費し尽くされずに触媒装置80を通過して下流側A/Fセンサ35に到達するようになるまで閉弁保持制御を継続するようになっている。
次に、図7を参照して第1実施形態の作用について説明する。なお、図7は車両が減速して停止し、その後に再発進するときの各制御の推移を示すタイミングチャートである。
図7に示すように、車両が減速し始めると時刻t10においてフューエルカット制御が開始され(ステップS300:YES)、閉弁保持制御が開始されて(ステップS310)ウェイストゲートバルブ60が閉弁状態に保持されるようになる。フューエルカット制御が実行されると、燃料の供給が停止し、空気が燃焼室11を通過して排気通路19を流れるようになるため、上流側A/Fセンサ34の検出値であるフロントA/F値と、下流側A/Fセンサ35の検出値であるリアA/F値はともにリーンであることを示す値になる。燃料を含まない空気が触媒装置80を通過するため、触媒装置80は酸素を吸蔵する。
時刻t11において車速の低下に伴い、フューエルカット制御が停止され、アイドリング運転に移行すると、燃料の供給が再開されるため、フロントA/F値及びリアA/F値は理論空燃比よりもリッチ側の値に変化する。
時刻t12において車両が停止し、アイドリングストップ制御により内燃機関10の運転が停止されると、燃料の供給が停止する。フロントA/F値及びリアA/F値は理論空燃比近傍の値に変化する。こうして内燃機関10の運転が停止されている間は、触媒装置80は排気通路19内の空気にさらされる。そのため、触媒装置80は酸素を吸蔵する。
時刻t13において、アイドリングストップ制御による運転の停止が解除され、内燃機関10が再始動されると(ステップS100:YES)、リッチ還元制御と、点火時期遅角制御と、排気再遅角制御とが開始される(ステップS110、ステップS120、ステップS130)。これにより、空燃比が理論空燃比よりもリッチになるように増量させた状態で燃料が供給され、余剰の燃料を含んだ排気が触媒装置80に導入されるようになる。そのため、このときにはフロントA/F値がリッチ側の値になる。なお、リッチ還元制御が開始された直後は排気に含まれる燃料が触媒装置80に吸蔵されている酸素の還元によって消費され、下流側A/Fセンサ35に到達しないため、リアA/F値は理論空燃比近傍の値になっている。リッチ還元制御が継続されて、酸素の還元が進行し、触媒装置80における酸素の吸蔵量が少なくなると、燃料が消費し尽くされずに触媒装置80を通過して下流側A/Fセンサ35に到達するようになる。
そして、時刻t14においてリーンA/F値がリッチ判定値以下になると(ステップS200:YES、ステップS400:YES)、リッチ還元制御が終了し(ステップS210)、閉弁保持制御も終了する(ステップS410)。また、同時に点火時期遅角制御と排気最遅角制御も終了する(ステップS2220、ステップS230)。
このように制御装置100では、フューエルカット制御が開始された時点から閉弁保持制御を開始するため、リッチ還元制御を開始したときにはウェイストゲートバルブ60がすでに閉弁された状態に保持されている。そして、リッチ還元制御を実行している間、閉弁保持制御が継続していてウェイストゲートバルブが閉弁状態に保持されている。
また、リッチ還元制御を実行している間は、点火時期遅角制御が実行され、点火時期が遅角された状態で機関運転が行われる。さらに、リッチ還元制御を実行している間は、排気再遅角制御が実行され、排気バルブ24の開閉タイミングを最も遅角側に設定した状態でオーバーラップの制御が行われる。
こうした第1実施形態の制御装置100による効果について説明する。
(1)ウェイストゲートバルブ60が閉弁状態に保持されている場合には、排気通路19を流れるガスがターボチャージャ50のタービンホイール54を通過するようになる。タービンホイール54を通過して下流側に流れるガスは、タービンホイール54の回転に伴い、旋回流となって触媒装置80に到達する。そのため、閉弁保持制御を実行していれば、機関運転が再開されてリッチ還元制御が実行されているときに、余剰の燃料を含む排気がタービンホイール54を通過し、旋回流となった排気が触媒装置80に導入されることになる。この場合、遠心力により排気が排気通路19内で拡散し、燃料を含んだ排気が触媒装置80に均一に導入されやすくなる。また、旋回流であれば、排気が旋回せずに下流側に向かってまっすぐに流れる場合と比較して、触媒と燃料とが接触する時間を確保できる。そのため、上記構成によれば、リッチ還元制御による触媒装置80内の酸素の還元を効率的に行うことができる。
(2)フューエルカット制御を開始したときに閉弁保持制御を開始して、閉弁保持制御によりウェイストゲートバルブ60を閉弁させたあと、その後の機関運転に伴って解除条件が成立するまでの間は、ウェイストゲートバルブ60が閉弁状態に保持される。そのため、機関運転が再開されたときには、すでにウェイストゲートバルブ60が閉弁状態になっている。したがって、リッチ還元制御の開始時から排気がタービンホイール54を通過するようになり、上記の旋回流による作用を生じさせることができる。したがって、上記構成によれば、旋回流によって触媒装置80における還元反応を促進し、再始動時に過剰な酸素の還元を速やかに完了させて浄化能力を迅速に回復させることができるようになる。
(3)フューエルカット制御が実行されていれば、ウェイストゲートバルブ60を閉弁させても内燃機関10の出力トルクが増大することはない。そのため、リッチ還元制御に備えて予めウェイストゲートバルブ60を閉弁させておくことができる。上記構成では、フューエルカット制御が開始された時点から閉弁保持制御を開始するため、最も早い時点からその後のリッチ還元制御に備えてウェイストゲートバルブ60を閉弁させておくことができる。
(4)リッチ還元制御によって排気とともに導入される燃料が、触媒装置80に吸蔵されている酸素の還元によって消費し尽くされているときには、下流側A/Fセンサ35には燃料を含まない排気が到達する。一方で、酸素の還元が進行し、触媒装置80における酸素の吸蔵量が少なくなると、燃料が消費し尽くされずに触媒装置80を通過して下流側A/Fセンサ35に到達するようになる。そのため、上記構成のように、下流側A/Fセンサ35によって理論空燃比よりもリッチであることが検知されたことを条件に、閉弁保持制御を終了させる構成を採用すれば、下流側A/Fセンサ35の検出結果に基づいて、燃料が消費し尽くされなくなるまで酸素の還元が進行していることを確認して閉弁保持制御を終了させることができる。
(5)点火時期を遅角させることにより、NOxの発生を抑制することができる。上記構成によれば、リッチ還元制御が完了していない間は、点火時期遅角制御を実行して点火時期を遅角させてNOxの排出を抑制するため、触媒装置80の浄化能力が回復するまでの間のNOxの排出を抑制することができる。
(6)バルブオーバーラップを利用して、排気を燃焼室11内に還流させることにより、NOx及びHCの排出を抑制することができる。上記構成のように、排気バルブ24の閉弁タイミングを最大限遅角させた状態で、吸気バルブ23の開弁タイミングを調整することによりバルブオーバーラップを調整する排気再遅角制御を実行すれば、目標とするバルブオーバーラップの大きさを実現しながらも、吸気バルブ23の閉弁タイミングを極力遅くして、実圧縮比を小さくすることができる。したがって、上記構成によれば、吸気バルブ23の閉弁タイミングを遅くすることによるアトキンソンサイクルの実現と、目標とするバルブオーバーラップの実現とを両立しやすくなる。ひいてはアトキンソンサイクルによってポンピングロスを低減し、燃料の消費量を抑制してNOxやHCの排出を抑制することができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
・フューエルカット制御が開始された時点から閉弁保持制御を開始するようにしていたが、開弁保持制御の開始時期は、フューエルカット制御の開始時点からではなくてもよい。再始動が行われてリッチ還元制御が開始される前に閉弁保持制御を開始しておけば、リッチ還元制御が開始された時点から旋回流を利用して触媒装置80に均一に燃料を導入する効果を得ることができる。
(第2実施形態)
続いて車載内燃機関の制御装置の第2実施形態について、図8〜図10を参照して説明する。ここでは、上記第1実施形態と共通する構成については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
第1実施形態では、フューエルカット制御が開始された時点から閉弁保持制御を開始するようにしていたが、第2実施形態の制御装置100では、フューエルカット制御が開始される前から閉弁保持制御を開始し、フューエルカット制御の実行に先立ってウェイストゲートバルブ60を閉弁させる。
第2実施形態の制御装置100では、第1実施形態の制御装置100と同様に、図3及び図4を参照して説明した処理を通じてリッチ還元制御を実行する。第1実施形態の制御装置100では、図5を参照して説明したルーチンを通じてフューエルカット制御が開始されたときに閉弁保持制御を開始するようにしていたが、第2実施形態の制御装置100では、図5を参照して説明したルーチンに替えて、図8に示すルーチンを実行する。図8に示されているこのルーチンは制御装置100が稼働している間、制御装置100によって繰り返し実行される。
図8に示すように、このルーチンを開始すると、制御装置100は、まずステップS500の処理において、フューエルカット実行条件が成立しているか否かを判定する。フューエルカット実行条件は、フューエルカット制御を実行するための要件であり、アクセルの操作量がゼロであることと、機関回転速度がフューエルカット許可回転速度以上であること、との論理積条件になっている。制御装置100は、ステップS500の処理においてフューエルカット実行条件が成立していると判定した場合(ステップS500:YES)には、処理をステップS510へと進める。
そして、ステップS510の処理では、制御装置100の過給制御部104が、閉弁保持制御を開始する。閉弁保持制御では、過給制御部104がウェイストゲートバルブ60を閉弁させて閉弁状態に保持する。なお、ステップS500の処理においてフューエルカット実行条件が成立していると判定したときに、すでに閉弁保持制御が開始されており、閉弁保持制御が実施されている場合には、ステップS510の処理では何もせずに、そのまま閉弁保持制御を継続する。
一方で、ステップS500の処理においてフューエルカット実行条件が成立していないと判定した場合(ステップS500:NO)には、制御装置100はステップS510の処理を実行せずにそのままこのルーチンを終了する。
内燃機関10を稼働させているときにこのルーチンを繰り返し実行することにより、フューエルカット実行条件が成立した時点から閉弁保持制御が開始されるようになる。
なお、第2実施形態の制御装置100でも、閉弁保持制御の終了タイミングは、図6を参照して説明したルーチンを通じて決定される。
次に、図9を参照して第2実施形態の制御装置100におけるフューエルカット制御の開始タイミングの決定について説明する。図9に示すフローチャートは第2実施形態の制御装置100においてフューエルカット制御の開始を決定するルーチンにおける処理の流れを示している。このルーチンは制御装置100が稼働している間、制御装置100によって所定の周期毎に繰り返し実行される。
図9に示すように、このルーチンを開始すると、制御装置100はまずステップS600の処理において、S500の処理と同様にフューエルカット実行条件が成立しているか否かを判定する。制御装置100は、ステップS600の処理においてフューエルカット実行条件が成立していると判定した場合(ステップS600:YES)には、処理をステップS610へと進める。
そして、制御装置100は、ステップS610の処理においてカウンタCNTをカウントアップさせる。カウンタCNTはフューエルカット実行条件が成立してからの経過時間を計時するためのカウンタである。具体的には制御装置100は、ステップS610の処理を実行する度にカウンタCNTを1つずつ増大させる。
次に、制御装置100は、ステップS620の処理を実行する。ステップS620の処理において、制御装置100はカウンタCNTが閾値Cth以上であるか否かを判定する。なお、閾値Cthは、カウンタCNTが閾値Cthに達したことに基づいて、フューエルカット実行条件が成立して閉弁保持制御を開始し、ウェイストゲートバルブ60を閉弁させ始めてからウェイストゲートバルブ60が閉じきるまでの時間が十分に経過したことを判定できるようにその大きさが設定されている。すなわち、このステップS610では、カウンタCNTが閾値Cth以上になっていることに基づいてウェイストゲートバルブ60を閉弁させるのに十分な時間が経過していることを判定している。
制御装置100は、ステップS620の処理においてカウンタCNTが閾値Cth以上であると判定した場合(ステップS620:YES)には、処理をステップS630へと進める。ステップS630では、制御装置100の噴射制御部101が、フューエルカット制御を開始する。そして、制御装置100は、次のステップS640の処理においてカウンタCNTをゼロにリセットし、このルーチンを一旦終了する。一方で、制御装置100は、ステップS620の処理においてカウンタCNTが閾値Cth未満であると判定した場合(ステップS620:NO)には、ステップS630の処理及びステップS640の処理を実行せずに、そのままこのルーチンを一旦終了する。
なお、制御装置100は、ステップS600の処理においてフューエルカット実行条件が成立していないと判定した場合(ステップS600:NO)には、ステップS610〜S630の処理を実行せずに、ステップS640の処理を実行し、カウンタCNTをゼロにリセットしてこのルーチンを一旦終了する。
すなわち、制御装置100では、このルーチンを通じて、フューエルカット実行条件が成立してから一定の遅延時間TDが経過後にフューエルカット制御を開始させるようにしている。カウンタCNTが閾値Cthに到達するまでの期間が遅延時間TDに相当する。そして、遅延時間TDの長さは、フューエルカット実行条件が成立してから閉弁を開始してウェイストゲートバルブ60を閉弁させるのに十分な時間に設定されている。
次に、図10を参照して第2実施形態の作用について説明する。なお、図10は、車両が減速して停止するときの各制御の推移を示すタイミングチャートである。すなわち、図10では、図7における時刻t11までの状態を示している。時刻t11以降の各制御の推移は図7を参照して説明した第1実施形態と同様である。
図10に示すように、時刻t7においてアクセルの操作量がゼロになると、フューエルカット実行条件が成立する。なお、図10では、アクセルの操作量がゼロである状態をアクセルがOFFになっている状態として示し、アクセルの操作が行われている状態をアクセルがONになっている状態として示している。
フューエルカット実行条件が成立すると(ステップS500:YES、ステップS600:YES)、時刻t8において閉弁保持制御が開始されて(ステップS510)、ウェイストゲートバルブ60が閉弁される。また、フューエルカット実行条件が成立している間はカウンタCNTのカウントアップが繰り返される(ステップS610)。
時刻t9において、カウンタCNTが閾値Cth以上になったと判定されると(ステップS620:YES)、フューエルカット制御が開始される(ステップS630)。フューエルカット制御が実行されると、燃料の供給が停止し、空気が燃焼室11を通過して排気通路19を流れるようになる。これにより、図7を参照して説明したように、上流側A/Fセンサ34の検出値であるフロントA/F値と、下流側A/Fセンサ35の検出値であるリアA/F値はともにリーンであることを示す値になる。燃料を含まない空気が触媒装置80を通過するため、触媒装置80は酸素を吸蔵する。
時刻t11において車速の低下に伴い、機関回転速度が低下して機関回転速度がフューエルカット許可回転速度未満になると、フューエルカット実行条件が成立しなくなる。すると、フューエルカット制御が停止され、アイドリング運転に移行する。アイドリング運転に移行すると、燃料の供給が再開されるため、フロントA/F値及びリアA/F値は理論空燃比よりもリッチ側の値に変化する。
以後の推移は図7を参照して説明した第1実施形態の場合と同様である。
すなわち、車両が停止し、アイドリングストップ制御により内燃機関10の運転が停止されたあと、アイドリングストップ制御による運転の停止が解除され、内燃機関10が再始動される(ステップS100:YES)。すると、リッチ還元制御と、点火時期遅角制御と、排気再遅角制御とが開始される(ステップS110、ステップS120、ステップS130)。これにより、空燃比が理論空燃比よりもリッチになるように増量させた状態で燃料が供給され、余剰の燃料を含んだ排気が触媒装置80に導入されるようになる。そのため、このときにはフロントA/F値がリッチ側の値になる。リッチ還元制御が継続されて、酸素の還元が進行し、触媒装置80における酸素の吸蔵量が少なくなると、燃料が消費し尽くされずに触媒装置80を通過して下流側A/Fセンサ35に到達するようになる。
そして、リーンA/F値がリッチ判定値以下になると(ステップS200:YES、ステップS400:YES)、リッチ還元制御が終了し(ステップS210)、閉弁保持制御も終了する(ステップS410)。また、同時に点火時期遅角制御と排気最遅角制御も終了する(ステップS2220、ステップS230)。
第2実施形態の制御装置100でも、閉弁保持制御によりウェイストゲートバルブ60を閉弁させたあと、その後の機関運転に伴って解除条件が成立するまでの間は、ウェイストゲートバルブ60が閉弁状態に保持される。そのため、機関運転が再開されたときには、すでにウェイストゲートバルブ60が閉弁状態になっている。したがって、リッチ還元制御の開始時から排気がタービンホイールを通過するようになり、上記第1実施形態と同様に旋回流による作用を生じさせることができる。
また、リッチ還元制御を実行している間は、点火時期遅角制御が実行され、点火時期が遅角された状態で機関運転が行われる。さらに、リッチ還元制御を実行している間は、排気再遅角制御が実行され、排気バルブ24の開閉タイミングを最も遅角側に設定した状態でオーバーラップの制御が行われる。
なお、フューエルカット制御の実行中は、燃焼室11への燃料の供給が停止されているため、燃焼は行われないものの、吸入空気量を制限した状態で吸気及び排気が行われる。そのため、燃焼室11内が負圧になる。フューエルカット制御の実行中にウェイストゲートバルブ60を閉弁させると、ウェイストゲートバルブ60の開度が小さくなり、座面に近づいたときにこうした負圧や排気の脈動によってウェイストゲートバルブ60が振動しやすくなる。振動しているウェイストゲートバルブ60が座面に衝突すると、音が発生するが、フューエルカット制御の実行中には内燃機関10における燃焼が行われておらず、燃焼による音や振動が発生していないため、ウェイストゲートバルブ60が座面に衝突する音が目立ちやすい。
これに対して、第2実施形態の制御装置100では、過給制御部104が、フューエルカット制御の実行条件が成立しているときに、時刻t9におけるフューエルカット制御の実行に先立って、時刻t8の時点で閉弁保持制御を開始し、ウェイストゲートバルブ60を閉弁させている。
こうした構成によれば、フューエルカット制御を実行する前に、ウェイストゲートバルブ60を閉弁させ、ウェイストゲートバルブ60が閉じている状態でフューエルカット制御が開始される。
第2実施形態の制御装置100によれば、上記第1実施形態の(1)、(2)、(4)〜(6)と同様の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(7)内燃機関10における燃焼が行われており、ウェイストゲートバルブ60の振動が発生しにくく、且つウェイストゲートバルブ60が座面に衝突する音が目立ちにくいときに、ウェイストゲートバルブ60が閉弁されることになるため、ウェイストゲートバルブ60が座面に衝突する音が乗員に聞こえにくくなる。
上記第2実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
・カウンタCNTを用いて遅延時間TDの経過を判定する例を示したが、遅延時間TDの経過を判定してフューエルカット制御を開始する態様でなくてもよい。他の手段を利用してウェイストゲートバルブ60の閉弁を確認してからフューエルカット制御を開始するようにしてもよい。例えば、アクチュエータ61がウェイストゲートバルブ60の閉弁動作を開始してからアクチュエータ61の動作が止まって動かなくなったことに基づいてウェイストゲートバルブ60が閉弁したと判定し、フューエルカット制御を実行するようにしてもよい。
その他、上記各実施形態に共通して変更可能な要素としては次のようなものがある。上記各実施形態及び上記の変更例と、以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・空燃比センサとして酸素濃度の高低の変化に応じて連続的に出力値が変化するA/Fセンサを採用した内燃機関に適用した例を示したが、空燃比を検出するための空燃比センサはA/Fセンサに限らない。例えば、出力値が理論空燃比をまたいで大きく変化し、空燃比がリッチであるときにリッチであることを示す出力値を出力し、リーンであるときにリーンであることを示す出力値を出力するO2センサを用いてもよい。
・空燃比センサによって理論空燃比よりもリッチであることが検知されたことを条件に、閉弁保持制御を終了させる例を示したが、閉弁保持制御の解除条件はこうした態様に限らない。例えば、閉弁保持制御を実行しながらのリッチ還元制御が一定の期間に亘って継続したことを解除条件とすることもできる。
・リッチ還元制御と、点火時期遅角制御と、排気再遅角制御と、閉弁保持制御とがすべて同時に終了するようにした例を示したが、各制御の終了タイミングは同じでなくてもよい。すなわち、各制御の解除条件は同じでなくてもよい。例えば、リッチ還元制御が閉弁保持制御よりも先に終了してもよいし、リッチ還元制御よりも閉弁保持制御が先に終了してもよい。閉弁保持制御を実行しながらリッチ還元制御を実行している期間があれば、その期間においては旋回流を利用して触媒装置80に均一に燃料を導入する効果を得ることができる。
・アイドリングストップ制御による再始動時にリッチ還元制御を実行する例を示したが、リッチ還元制御を、フューエルカット制御が終了して燃料の供給が再開されるときにも実行するようにしてもよい。フューエルカット制御の実行中にも触媒装置80に酸素が吸蔵されるため、酸素吸蔵量が過剰になる可能性がある。フューエルカット制御が終了して燃料の供給が再開されるときにも、上記の実施形態と同様に閉弁保持制御を実行していれば、旋回流を利用して触媒装置80に均一に燃料を導入する効果を得ることができる。
・排気通路19に触媒装置を2つ以上備える内燃機関に、上記実施形態の制御装置と同様の構成を採用することもできる。触媒装置が2つ以上設けられている場合、下流側の触媒装置における酸素の還元が完了するまでリッチ化還元制御を継続するようにしてもよい。なお、閉弁保持制御によって発生する旋回流による作用はタービンホイール54に最も近い最上流側の触媒装置には及ぶが、下流側の触媒装置にはほとんど及ばない。そのため、この場合には、上流側の触媒装置における酸素の還元が完了した時点で閉弁保持制御を終了させるようにしてもよい。
10…内燃機関、11…燃焼室、12…吸気通路、13…吸気ポート、14…ポート噴射弁、15…筒内噴射弁、16…点火装置、17…ピストン、18…クランクシャフト、19…排気通路、20…上流側排気管、21…下流側排気管、22…排気ポート、23…吸気バルブ、24…排気バルブ、25…吸気カムシャフト、26…排気カムシャフト、27…吸気側可変バルブタイミング機構、28…排気側可変バルブタイミング機構、29…タイミングチェーン、30…アクセルポジションセンサ、31…スロットルバルブ、32…スロットルポジションセンサ、33…エアフロメータ、34…上流側A/Fセンサ、35…下流側A/Fセンサ、36…吸気圧センサ、37…水温センサ、38…クランクポジションセンサ、39…吸気側カムポジションセンサ、40…排気側カムポジションセンサ、41…車速センサ、50…ターボチャージャ、51…コンプレッサハウジング、52…タービンハウジング、53…コンプレッサホイール、54…タービンホイール、55…シャフト、56…ベアリングハウジング、57…ウェイストゲートポート、60…ウェイストゲートバルブ、61…アクチュエータ、70…インタークーラ、80…触媒装置、100…制御装置、101…噴射制御部、102…点火制御部、103…バルブタイミング制御部、104…過給制御部、105…アイドリングストップ制御部。

Claims (6)

  1. 燃料噴射弁と、点火装置と、ウェイストゲートポートを開閉することにより過給圧を制御するウェイストゲートバルブを搭載したターボチャージャと、排気通路における前記ターボチャージャのタービンよりも下流側に配置され、酸素吸蔵能力を有していて排気を浄化する触媒装置と、を備える車載内燃機関に適用され、
    前記燃料噴射弁を制御し、減速中に燃焼室への燃料の供給を停止するフューエルカット制御を行う噴射制御部と、前記点火装置を制御する点火制御部と、機関運転を自動的に停止させ再始動させることによりアイドリング運転の継続を抑制するアイドリングストップ制御を実行するアイドリングストップ制御部と、前記ウェイストゲートバルブの開閉を制御する過給制御部と、を備え、前記燃焼室への燃料の供給が再開されて機関運転を再開したときに、前記噴射制御部が、空燃比を理論空燃比よりもリッチにするリッチ還元制御を実行する車載内燃機関の制御装置であり、
    前記過給制御部が、前記フューエルカット制御が実行されているときに前記ウェイストゲートバルブを閉弁させて、その後の機関運転に伴い解除条件が成立するまでの間、閉弁状態に保持する閉弁保持制御を実行する車載内燃機関の制御装置。
  2. 前記過給制御部は、前記フューエルカット制御が開始された時点で、前記閉弁保持制御を開始して前記ウェイストゲートバルブを閉弁させる
    請求項1に記載の車載内燃機関の制御装置。
  3. 燃料噴射弁と、点火装置と、ウェイストゲートポートを開閉することにより過給圧を制御するウェイストゲートバルブを搭載したターボチャージャと、排気通路における前記ターボチャージャのタービンよりも下流側に配置され、酸素吸蔵能力を有していて排気を浄化する触媒装置と、を備える車載内燃機関に適用され、
    前記燃料噴射弁を制御し、減速中に燃焼室への燃料の供給を停止するフューエルカット制御を行う噴射制御部と、前記点火装置を制御する点火制御部と、機関運転を自動的に停止させ再始動させることによりアイドリング運転の継続を抑制するアイドリングストップ制御を実行するアイドリングストップ制御部と、前記ウェイストゲートバルブの開閉を制御する過給制御部と、を備え、前記燃焼室への燃料の供給が再開されて機関運転を再開したときに、前記噴射制御部が、空燃比を理論空燃比よりもリッチにするリッチ還元制御を実行する車載内燃機関の制御装置であり、
    前記過給制御部が、前記フューエルカット制御の実行条件が成立しているときに前記フューエルカット制御の実行に先立って前記ウェイストゲートバルブを閉弁させて、その後の機関運転に伴い解除条件が成立するまでの間、閉弁状態に保持する閉弁保持制御を実行する車載内燃機関の制御装置。
  4. 前記触媒装置よりも下流側に空燃比センサを備えた前記車載内燃機関に適用され、
    前記過給制御部は、前記燃焼室への燃料の供給が再開されて機関運転を再開してから前記空燃比センサによって理論空燃比よりもリッチであることが検知されたことを条件に、前記閉弁保持制御を終了させる
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の車載内燃機関の制御装置。
  5. 前記点火制御部は、前記リッチ還元制御を実行している間、点火時期を遅角させる点火遅角制御を実行する
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の車載内燃機関の制御装置。
  6. 吸気バルブの開閉タイミングを変更する吸気側可変バルブタイミング機構と、排気バルブの開閉タイミングを変更する排気側可変バルブタイミング機構と、を備える車載内燃機関に適用され、
    前記吸気側可変バルブタイミング機構及び排気側可変バルブタイミング機構を制御するバルブタイミング制御部を備え、
    前記バルブタイミング制御部は、前記リッチ還元制御を実行している間、前記排気側可変バルブタイミング機構により前記排気バルブの閉弁タイミングを最大限遅角させた状態で、前記吸気側可変バルブタイミング機構によって前記吸気バルブの開弁タイミングを調整することにより前記排気バルブ及び前記吸気バルブの双方が開弁している期間であるバルブオーバーラップを制御する排気最遅角制御を実行する
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の車載内燃機関の制御装置。
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