JP2020132413A - 用紙搬送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】給紙部の寿命を超えた使用(延命)を可能にしつつ、適切な搬送と生産性を両立させることのできる用紙搬送装置を提供する。【解決手段】給紙ローラ42が寿命を超える前は、給紙トレイからの給紙動作を開始してから用紙先端が給紙センサ44に到達するまでの時間が閾値より短い場合に、その下流の搬送ローラ51に用紙先端が到達するまでの区間で用紙の搬送を一時停止または減速させる遅延制御を行うが、給紙ローラ42が寿命超えの場合は、遅延制御による設計値を超えた遅れやバラつきの発生を回避すべく、遅延制御を実行しない。また給紙ローラ42が寿命を超える場合は給紙間隔を通常より広くする。【選択図】図4

Description

本発明は、給紙トレイに収容された用紙を繰り出して搬送する用紙搬送装置に関する。
近年、複合機や印刷装置において、データサイエンス技術を活用した消耗品の寿命予測が広まってきている。データサイエンス技術の利用・発展により、消耗品の寿命を予測する精度が向上し、適切なタイミングで消耗品の交換を促せるようになったことで、サービスコストを低減しつつ、顧客満足度を維持/向上することが可能になっている。たとえば、正確な寿命予測により、不要な消耗品交換や、サービスマンによる寿命確認、寿命に起因する画像不良などに対応するための急なサービス訪問などが削減される。
このような寿命予測により大きなコスト削減効果が発揮されるのは、交換する消耗品のコストが高い場合である。コストが低い交換部品であっても寿命が尽きるまで使うことでコスト削減に繋がるが、その部品を交換するためだけにサービスマンが訪問してしまうと、サービスコストが高くなってしまう。そのため、低コストの部品に対しては、他の部品との同時交換によるサービスコストの削減が求められており、寿命を予測すると共に、他の部品が交換されるタイミングまで寿命を延ばす制御が望まれる。
たとえば、用紙を搬送する各種のローラにおいては、摩耗すると径が小さくなって、同じ回転角に対する搬送距離が減るので、搬送した用紙の総枚数や累積使用時間に応じて、ローラの回転速度を速くして、摩耗の影響を低減する技術が開示されている(下記特許文献1、2参照)。
ところで、印刷装置や複合機の印刷動作において所望の生産性を得るには、搬送する用紙と用紙の間隔が目標値となるように給紙・搬送を制御することが要求される。しかしながら、用紙が収納されている給紙トレイにおいては使用者による用紙の補給の仕方によって用紙の先端位置にバラつきがあると共に、給紙する際に連れ送りが有ったり無かったりするので、給紙動作を開始してから用紙が実際に給紙トレイを出て所定位置(たとえば、給紙トレイを出てから搬送経路上の最初の給紙センサの位置)に到達するまでの時間(給紙センサ到達時間)にバラつきが生じる。
この給紙センサ到達時間が最も短くなるケースを基準にして給紙間隔を設定しておけば、後続紙が先行紙に追いつく(紙間が短くなり過ぎてジャムになる)ことはないが、給紙センサ到達時間が長くかかるケースでは、紙間が必要以上に空いて生産性が低下したり、紙間が空きすぎてジャムになったりしてしまう。
そこで、給紙センサ到達時間のバラつきによる影響を小さくしつつ生産性を維持するため、給紙センサへの到達が遅いケースを基準に給紙間隔を設定しておき、給紙開始から用紙が最初の給紙センサに到達するまでの時間を計測し、予め定めた閾値時間より早く給紙センサに到達した用紙については、その後の搬送において、給紙ローラの速度を遅くする又は一時停止する、という遅延制御を行って、用紙がその下流の所定位置に到達するタイミングのバラつきを一定範囲内に収める制御が行われる。
特開2015−168492号公報 特開2009−148915号公報
前述の給紙センサ到達時間は、給紙トレイへの用紙の入れ方など、給紙ローラの摩耗とは一切関係のない要因で変動する。そのため、サービスコスト最適化のために、低コスト部品である給紙ローラを寿命を超えて使用する場合に、前述の給紙センサ到達時間に基づいて遅延制御を行うと、設計以上の遅れや、バラつきが発生し、ジャムに至りやすくなってしまう。
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、給紙部の寿命を超えた使用(延命)を可能にしつつ、適切な搬送と生産性を両立させることのできる用紙搬送装置を提供することを目的としている。
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]用紙を収納する収納部と、
用紙を搬送する搬送部と、
収納部の用紙を前記搬送部へ給紙する給紙部と、
前記給紙部の搬送能力に係る状態を検出する状態検出部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、複数の用紙を続けて給紙するとき、前記状態検出部により検出された前記状態に応じて、給紙される複数の用紙の間隔を制御する
ことを特徴とする用紙搬送装置。
上記発明では、複数の用紙を続けて給紙するときは、状態検出部が検出した給紙部の搬送能力(給紙能力)に係る状態に応じて、給紙間隔を制御する。たとえば、給紙ローラが摩耗して搬送能力が低下しているときは、通常より給紙間隔を広げる、といった制御を行う。
[2]前記給紙部の搬送能力に係る状態とは、用紙に接する部材の摩耗状態である
ことを特徴とする[1]に記載の用紙搬送装置。
上記発明では、給紙ローラ等の摩耗が進むと寿命に至るため、摩耗状態の検出は給紙部の搬送能力に係る状態の検出にとって最も有効である。
[3]前記給紙部が給紙する用紙が搬送経路上の第1位置に到達したことを検出する用紙検出部をさらに有し、
前記制御部は、前記給紙部が用紙の給紙動作を開始してからその用紙を前記用紙検出部が検出するまでの第1時間が閾値未満の場合は、閾値以上の場合より、前記用紙が前記第1位置からその下流の第2位置に到達するまでに要する第2時間が長くなるように、前記第1位置から第2位置への搬送を遅延させる遅延制御を行うと共に、前記状態検出部によって検出された前記給紙部の状態に応じて前記遅延制御における遅延量を制御する
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の用紙搬送装置。
上記発明では、用紙の先端が用紙検出部へ早期に到達した場合はその用紙の先端が下流の第2位置に到達するタイミングをその後の搬送で遅延させる遅延制御を行うと共に、給紙部の状態(摩耗状態等)に応じて遅延制御における遅延量を制御する。遅延量の制御には遅延量をゼロにする場合、すなわち、遅延制御を実行しないように制御することも含まれる。
[4]前記制御部は、前記状態検出部によって検出された前記給紙部の状態が第1閾値以上の場合は、前記遅延制御を行わない
ことを特徴とする[3]に記載の用紙搬送装置。
上記発明では、給紙部の摩耗状態等が第1閾値以上の場合は、用紙先端が用紙検出部へ早期に到達した場合であっても遅延制御を行わない(遅延量をゼロにする)。
[5]前記制御部は、前記状態検出部によって検出された前記給紙部の状態が第2閾値未満の場合は、前記遅延量を標準の遅延時間に設定し、
前記状態検出部によって検出された前記給紙部の状態が前記第2閾値以上かつ前記第1閾値未満の場合は、前記遅延量を前記標準の遅延時間より短くゼロより長い第1遅延時間に設定する
ことを特徴とする[4]に記載の用紙搬送装置。
上記発明では、制御部は、給紙部の状態(摩耗状態等)に応じて、遅延制御を実行しない(遅延量ゼロ)場合、遅延量を標準の遅延時間として遅延制御を行う場合、遅延量を標準の遅延時間より短くゼロより長い第1遅延時間として遅延制御を行う場合に、切り替える。
[6]前記制御部は、前記遅延制御として、搬送を一時停止させる一時停止制御と、搬送速度を減速する減速制御を選択でき、前記状態検出部によって検出された前記給紙部の状態が前記第2閾値以上の場合に前記一時停止制御を選択しない
ことを特徴とする[5]に記載の用紙搬送装置。
上記発明では、一時停止制御では静摩擦係数に対応する摩擦力が働くため、再開時に給紙できなくなる可能性がより高くなるが、減速制御では動摩擦係数であり、設計値以上の遅れやバラつきが発生する可能性は低い。そこで、給紙部の状態が第2閾値以上(末期または寿命超えで搬送力が低下している場合)には、一時停止制御を選択しない。
[7]前記給紙部が前記収納部から用紙を繰り出す際に複数枚の用紙が重ねて繰り出される連れ送りの発生を検知する連れ送り検知部をさらに有し、
前記制御部は、前記連れ送り検知部が前記連れ送りの発生を検知した場合は、前記状態検出部によって検出された前記給紙部の状態が前記第1閾値以上であっても、前記遅延量をゼロにしないで前記遅延制御を実行する
ことを特徴とする[4]乃至[6]のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
上記発明では、連れ送りが有る場合には、給紙部が寿命を超える場合であっても「遅延制御を実行しない」とする制御を行わない。
[8]前記制御部は、前記給紙部が給紙する第1の用紙の先端が前記搬送部に到達する前に、先行する第2の用紙の後端に追いつくか否かを判断し、追いつかないと判断した場合は、前記第1の用紙に対して前記遅延制御を行わない
ことを特徴とする[3]乃至[7]のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
上記発明では、遅延制御を行わなくても先行紙に追いつかないと判断した場合には遅延制御を実行しない。不要な加減速や一時停止を回避することで、設計値以上の遅れやバラつきの発生を防ぐ。
[9]前記給紙部が寿命を超えている場合は、寿命を超えていない場合に比べて、給紙される複数の用紙の間隔を広げる
ことを特徴とする[3]乃至[8]のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
上記発明では、給紙部が寿命を超えている場合に「遅延制御なし」とすると先行紙に追いつく可能性があるので、予め給紙間隔を標準より広げておく。
[10]前記第2位置に用紙が到達したことを検出する第2用紙検出部を備え、
前記制御部は、前記給紙部が用紙の給紙動作を開始してから所定の上限時間内に前記第2用紙検出部がその用紙を検出しない場合は、前記給紙部による給紙動作を停止させて再起動する給紙リトライ制御を行い、
前記状態検出部によって検出された前記給紙部の状態が前記第1閾値以上であって、先行して給紙された用紙の中に、前記給紙リトライ制御による給紙が成功したものがある場合は、前記遅延制御を行わない
ことを特徴とする[4]または[5]に記載の用紙搬送装置。
上記発明では、給紙リトライ制御で給紙に成功していない場合は、給紙部の寿命(摩耗)以外の要因で給紙ミスが発生していると考えられるので、遅延制御を行わない制御による効果を得ることが難しい。よって、遅延制御は給紙リトライ制御で給紙に成功していることを条件に行う。
[11]前記制御部は、前記遅延制御として、搬送速度を第1速度に減速する第1減速制御と前記第1速度より遅い第2速度に減速する第2減速制御を選択でき、
前記遅延量を前記第1遅延時間に設定する場合は前記第1減速制御を選択し、前記遅延量を前記標準の遅延時間に設定する場合は前記第2減速制御を選択する、
ことを特徴とする[5]に記載の用紙搬送装置。
上記発明では、遅延制御として、給紙部の状態に応じて、速度の異なる2種類の減速制御を行う。一時停止制御は行わない。
[12]前記状態検出部は、前記給紙部が給紙した用紙の総枚数に基づいて、前記給紙部の状態を検出する
ことを特徴とする[1]乃至[11]のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
上記発明では、給紙部が給紙した総枚数から給紙部の寿命(摩耗状態)を判定する。
[13]前記状態検出部は、前記給紙部が搬送する用紙の搬送速度の実測値と設計値との差に基づいて、前記給紙部の状態を検出する
ことを特徴とする[1]乃至[11]のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
上記発明では、実測された搬送速度と設計値との差から給紙部の寿命を判定する。
[14]前記状態検出部は、前記給紙部の用紙に接する部材の表面状態に基づいて、前記給紙部の状態を検出する
ことを特徴とする[1]乃至[11]のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
上記発明では、給紙ローラ等の表面状態を見て給紙部の寿命を判定する。
[15]前記状態検出部は、前記給紙部が給紙動作を行った総時間に基づいて、前記給紙部の状態を検出する
ことを特徴とする[1]乃至[11]のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
上記発明では、給紙動作の総時間に基づいて給紙部の寿命を判定する。
[16]前記状態検出部は、周囲の温度を勘案して、前記給紙部の状態を検出する
ことを特徴とする[1]乃至[15]のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
上記発明では、周囲温度の影響を考慮に入れて給紙部の搬送能力を判定する。
[17]前記状態検出部は、周囲の湿度を勘案して、前記給紙部の状態を検出する
ことを特徴とする[1]乃至[16]のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
上記発明では、周囲湿度の影響を考慮に入れて給紙部の搬送能力を判定する。
[18]前記状態検出部は、前記給紙部の連続動作時間を勘案して、前記給紙部の状態を検出する
ことを特徴とする[1]乃至[17]のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
上記発明では、連続動作の状況を考慮に入れて給紙部の搬送能力を判定する。
[19]前記状態検出部は、前記給紙部がこれまでに搬送した用紙の物性を勘案して、前記給紙部の状態を検出する
ことを特徴とする[1]乃至[18]のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
上記発明では、これまでに搬送した用紙の物性(紙粉の落ち方)等を考慮に入れて搬送部の搬送能力を判定する。
本発明に係る用紙搬送装置によれば、給紙部の寿命を超えた使用(延命)を可能にしつつ、適切な搬送と生産性を両立させることができる。
本発明の実施の形態に係る用紙搬送装置の機能を備えた画像形成装置を含む画像形成システムの外観を示す図である。 画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。 画像形成装置における用紙搬送経路の全体を示す図である。 画像形成装置が有する用紙搬送経路のうち1段給紙部、2段給紙部に係る部分を抜き出して示す図である。 一時停止で遅延制御を行う場合の動作線を示す図である。 減速で遅延制御を行う場合の動作線を示す図である。 給紙ローラと用紙の間に作用する摩擦力を模式的に示す図である。 用紙が搬送されているときに給紙部の各所に作用する摩擦力を示す図である。 一時停止から搬送を再開するときに給紙部の各所に作用する摩擦力を示す図である。 連れ送りが発生したときに給紙部の各所に作用する摩擦力を示す図である。 連れ送り無し、かつ、遅延制御なしの場合における用紙搬送時間のバラつき具合を示す図である。 連れ送り無し、かつ、停止による遅延制御ありの場合における用紙搬送時間のバラつき具合を示す図である。 遅延制御なしであって、連れ送り有りの場合と無しの場合について用紙搬送時間のバラつき具合を対比して示す図である。 搬送した用紙の総枚数と給紙開始から下流の所定箇所までの用紙搬送時間との関係を示す図である。 搬送した用紙の総枚数と、給紙ローラおよびさばきローラの径(摩耗による径の変化)との関係を示す図である。 一時停止による遅延制御を行った場合の搬送速度の変化を示す図である。 給紙ローラの摩耗状態に応じて給紙間隔を変更する処理を示す流れ図である。 給紙ローラの摩耗状態に応じて遅延制御の実行可否を切り替える処理を示す流れ図である。 給紙ローラの摩耗状態に応じて遅延制御の実行可否および遅延量を切り替える処理を示す流れ図である。 遅延制御が一時停止と減速のどちらで行われるかによって遅延制御を実行する/しないを切り替える処理を示す流れ図である。 連れ送りの有無によって遅延制御の実行可否を切り替える処理を示す流れ図である。 給紙ローラの寿命を超えて使用している際に、給紙した用紙が先行紙に追いつくか否かを給紙毎に判定して、用紙搬送を継続するか、一度停止して再搬送するかを切り替える処理を示す流れ図である。 図18〜図22に示す各処理を統合した処理の一例を示す流れ図である。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る用紙搬送装置の機能を備えた画像形成装置10を含む画像形成システム3の外観を示す図である。図1に示す画像形成システム3は、画像形成装置10に、外付け給紙装置4と、折り、綴じ、穴あけ等の後処理を施す後処理装置5を接続して構成される。
画像形成装置10は、原稿を光学的に読み取ってその複製画像を記録紙に印刷するコピー機能、読み取った原稿の画像データをファイルにして保存したり外部端末へネットワークを通じて送信したりするスキャン機能、PC(Personal Computer)などからネットワークを通じて受信した印刷データに係る画像を記録紙に印刷して出力するプリンタ機能、ファクシミリ手順に従って画像データを送受信するファクシミリ機能などを備えた、所謂、複合機(MFP)である。
図2は、画像形成装置10の概略構成を示すブロック図である。画像形成装置10は、当該画像形成装置10の動作を統括的に制御する制御部としてのCPU(Central Processing Unit)11を有している。CPU11にはバスを通じてROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、画像処理部14、画像メモリ15、LD駆動部16、通信部17、操作パネル18、スキャナ部19、プリンタ部20のエンジン制御部21などが接続されている。
CPU11は、OS(Operating System)プログラムをベースとし、その上で、ミドルウェアやアプリケーションプログラムなどを実行する。ROM12には、各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従ってCPU11が各種処理を実行することで画像形成装置10の各機能が実現される。
RAM13は、CPU11がプログラムに基づいて処理を実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリとして使用される。
画像処理部14は、画像の拡大縮小、回転などの処理のほか、印刷データをイメージデータに変換するラスタライズ処理、画像データの圧縮、伸張処理などを行う。
画像メモリ15は、画像処理部14が処理対象とする画像データや処理後の画像データを一時的に保存するメモリである。
LD駆動部16は、画像メモリ15内の画像データを印刷タイミングに合わせて順次読み出し、その読み出した画像データに対応する駆動信号を、後述する画像形成部のレーザユニットのレーザダイオードへ出力して駆動する。
通信部17は、LAN(Local Area Network)などのネットワークを通じてPC等の外部装置、サーバなどと通信する機能を果たす。
操作パネル18は、各種の操作画面、設定画面等を表示する表示部と、ユーザから各種の操作を受ける操作部の機能を果たす。表示部は液晶ディスプレイとそのドライバなどで構成され、操作部は、スタートボタンやテンキーなどの各種ハードスイッチ、表示部の表示面上に設けられたタッチスクリーンなどで構成される。
スキャナ部19は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する機能を果たす。スキャナ部19は、原稿台にセットされた複数枚の原稿を順次繰り出して読み取るための自動原稿搬送装置を有する。
プリンタ部20は、画像データに応じた画像を記録紙(用紙)上に画像形成する機能を果たす。プリンタ部20は、電子写真プロセスによって画像形成を行う、所謂、レーザープリンタとして構成されている。画像形成の方式は他でもかまわない。
プリンタ部20は、用紙収納部21、給紙部23、搬送部22、画像形成部24、定着部25、エンジン制御部26等を備えている。
エンジン制御部26は、CPU、ROM、RAM等を備え、ROMに格納されたプログラムに従ってCPUが各種の処理を実行することでプリンタ部20の各部の動作を制御する。
用紙収納部21は用紙を複数枚収納する、所謂、給紙トレイである。用紙収納部21は、外付け給紙装置4であってもよい。給紙部23は用紙収納部21に収納されている用紙を順次繰り出して搬送部22へ給紙(搬送部まで搬送)する機能を果たす。搬送部22は、給紙部23から給紙された用紙を画像形成部24、定着部25を経由して、排紙トレイや後段の後処理装置へと搬送する機能を果たす。
画像形成部24は、感光体ドラム、帯電装置、レーザーユニット、現像装置、転写分離装置、クリーニング装置等を備える。画像形成部24は、画像データに応じてオン/オフ駆動されるレーザダイオードが射出するレーザ光を、一様に帯電させた感光体ドラム上にスキャンさせることで感光体ドラム上に画像データに対応する静電潜像を形成し、この静電潜像をトナー等の色材で現像し、その感光体ドラム上のトナー像を、搬送部22が搬送する用紙に転写する。
定着部25は、画像形成部24が用紙上に形成した画像(トナー像)を加圧・加熱によりその用紙に定着させる。
エンジン制御部26には、搬送部22や給紙部23の搬送経路上の各所に設けられて用紙を検出する各種のセンサ(後述する給紙センサ44、搬送センサ52、タイミングセンサ54など)が接続されている。本発明に係る用紙搬送装置は、用紙収納部21、給紙部23、搬送部22、給紙センサ44等のセンサ、これらを制御するエンジン制御部26などで構成される。
エンジン制御部26は、本発明の用紙搬送装置に係る機能として、状態検出部31、連れ送り検出部32、給紙間隔設定部33、遅延制御部34等の機能を果たす。
状態検出部31は、給紙部23の搬送能力(給紙能力)に係る状態を検出(推定を含む)する。検出方法は任意でよいが、以下に各種を例示する。
(1)給紙部23が給紙した用紙の総枚数に基づいて、給紙部の搬送能力に係る状態(給紙ローラ42の寿命・劣化・摩耗の状況)を検出する。最も簡単な方法である。
(2)給紙部23が搬送する用紙の搬送速度の実測値と設計値との差に基づいて、給紙部23の搬送能力に係る状態(給紙ローラ42の寿命・劣化・摩耗の状況)を検出する。計測時間から搬送速度を算出できるため、設計値からの遅れがより正確にわかり、寿命を判定することができる。
(3)給紙部42の用紙に接する部材(給紙ローラ42)の表面状態に基づいて、給紙部42の搬送能力に係る状態(給紙ローラ42の寿命・劣化・摩耗の状況)を検出する。カメラやレーザ測定器を用いて表面状態(凹凸、擦り減り具合等)を検出するので、最も正確に寿命を判定することができる。
(4)給紙部42が給紙動作を行った総時間に基づいて、給紙部42の搬送能力に係る状態(給紙ローラ42の寿命・劣化・摩耗の状況)を検出する。比較的簡単に寿命を判定することができる。
(5)周囲の温度を勘案して、給紙部42の搬送能力に係る状態を検出する。すなわち、上記(1)〜(4)に(5)を組み合わせる。温度が高い場合には、搬送能力が高まる。
(6)周囲の湿度を勘案して、給紙部42の搬送能力に係る状態を検出する。すなわち、上記(1)〜(5)に(6)を組み合わせる。湿度が高い場合には、搬送能力が高まる。
(7)給紙部42の連続動作時間を勘案して、給紙部42の搬送能力に係る状態を検出する。用紙を連続的に給紙すると給紙ローラ42自体が次第に温かくなり、給紙開始当初の冷めた時に比べて搬送能力が向上する。
(8)給紙部42がこれまでに搬送した用紙の物性を勘案して、給紙部42の搬送能力に係る状態を検出する。用紙の物性から、その用紙を給紙する際に発生する紙粉量を推定する。これまでに搬送した用紙から給紙ローラ42に付着した紙粉量が多いほど、搬送能力の低下を招く。
連れ送り検出部32は、給紙部23が用紙収納部21から用紙を繰り出す際に複数枚の用紙が重なって繰り出される「連れ送り」(重送)が発生したことを検出する。たとえば、後述するさばきローラ43の回転状況より連れ送りの有無を検出する。
給紙間隔設定部33は給紙部23が用紙収納部21から連続して用紙を繰り出す際の用紙と用紙の間隔を設定変更する。
遅延制御部34は、用紙収納部21から繰り出した用紙が下流の所定位置に到達するタイミングを遅延させる制御を行う。
図3は、画像形成装置10における用紙の搬送経路を示し、図4は1段給紙部、2段給紙部に係る部分の用紙搬送経路を抜き出して示す。給紙部23は、用紙収納部21に収容されている最上の用紙を繰り出すピックアップローラ41と、ピックアップローラ41の直ぐ下流にあってピックアップローラ41が繰り出した用紙を挟持して搬送する給紙ローラ42、さばきローラ43を備える。
給紙ローラ42は図示省略のモータによって回転駆動され、さばきローラ43は給紙ローラ42に当接するように付勢されており、給紙ローラ42もしくは給紙ローラ42との間に挟まれた用紙から一定以上の力を受けた場合に給紙ローラ42に従動して回転する。さばきローラ43は、給紙ローラ42が搬送する用紙に対して、搬送と反対方向への抵抗力を与える。
給紙部23は、ピックアップローラ41によって用紙収納部21から用紙を繰り出し、この用紙を給紙ローラ42とさばきローラ43の間に挟持して搬送する。給紙部23の搬送経路は搬送部22の搬送経路の途中に合流しており、給紙部23が給紙した用紙は、その後、搬送部22に受け渡されて搬送部22により搬送される。
給紙部23は、ピックアップローラ41によって用紙収納部21から繰り出した用紙を搬送部22に受け渡すまで搬送する。すなわち、用紙の先端が搬送部22側の搬送経路に進入し、少なくとも搬送部22側の最初の搬送ローラ51に挟持されて該搬送ローラ51によって搬送され始めるまで、給紙ローラ42で用紙を搬送する。図4では、給紙部23が用紙を搬送する部分の搬送経路を太線で示してある。
給紙ローラ42の直ぐ下流隣には、その箇所に到達した用紙を検出する給紙センサ44が設けてある。また、搬送ローラ51の直ぐ下流隣には、その箇所に到達した用紙を検出する搬送センサ52が設けてある。
なお、搬送部22の搬送経路のうち、画像形成部24の転写位置に至る直前の箇所には、用紙を挟持して搬送する一対のタイミングローラ53が設けてあり、タイミングローラ53の直ぐ上流隣には、その箇所に到達し用紙を検出するタイミングセンサ54が設けてある。
図4に示すように、給紙センサ44からその後の搬送経路上にある最初の搬送ローラ51までの区間は、背景技術で説明した遅延制御が行われる区間となっている。実施の形態では、遅延制御は、給紙センサ44からその下流の搬送センサ52もしくは搬送ローラ51までの間で実行される。これは制御を簡略化するためのものであり、給紙ローラ42とその下流の搬送ローラ51(さらにその下流のローラを含めても良い)の速度を一致させれば、遅延制御の実行範囲を広げることもできる。
図5は、一時停止で遅延制御を行う場合の動作線を示す図である。横軸は時間、縦軸は距離(搬送距離)を示している。図中、「バラツキ最速」と記載した破線の動作線(グラフ)61は、遅延制御を行わなかった場合に最も早く用紙が最初の搬送ローラ51に到達する場合の動作線を示している。給紙動作開始からTamin時間後に用紙先端が給紙センサ44に到達し、その後、通常の搬送速度で搬送されて搬送ローラ51に到達している。
「バラツキ最遅」と記載した二点鎖線の動作線62は、遅延制御を行わなかった場合に最も遅く用紙が最初の搬送ローラ51に到達する場合の動作線を示している。給紙動作開始からTamax時間後に用紙先端が給紙センサ44に到達し、その後、通常の搬送速度で搬送されて搬送ローラ51に到達している。
「目標値」と記載した破線の動作線63は、遅延制御を行わなかった場合に、目標とするタイミングで用紙が搬送ローラ51に到達する場合の動作線を示している。給紙動作開始からTtgt時間後に用紙先端が給紙センサ44に到達し、その後、通常の搬送速度で搬送されて搬送ローラ51に到達している。
本実施の形態に係る画像形成装置10の遅延制御部34は、給紙ローラ42の劣化・摩耗が少なくその搬送能力が通常の状態では、給紙動作開始から予め定めた閾値時間(Tth)の経過以前に用紙先端が給紙センサ44に到達した場合にのみ遅延制御を実行し、閾値(Tth)時間の経過後に用紙先端が給紙センサ44に到達した場合は遅延制御を実行しない。閾値時間(Tth)は、目標とする生産性(紙間)から許容される到達バラつきを算出して決める。
図5の太線で示す動作線64は、一時停止による遅延制御を実行した場合を示している。この例では、給紙動作開始から閾値時間(Tth)より短いtm時間後に用紙先端が給紙センサ44に到達したので、その用紙の先端が搬送ローラ51に到達するタイミングを、搬送を一時停止させることで(Ttgt - tm)時間だけ遅延させている。一時停止のとき以外の期間は通常の搬送速度で用紙を搬送している。(Ttgt - tm)時間の遅延を標準の遅延量とし、標準の遅延量で行う遅延制御を標準の遅延制御とする。
標準の遅延制御を行うことで、目標のタイミングで用紙先端が搬送ローラ51に到達する。遅延制御では、目標値の動作線63と到達タイミングを一致させることを目標とし、少なくとも、バラつき最遅のグラフ62より遅くならないように遅延量を制御する。
なお、図5に一点鎖線で示す動作線65は、給紙動作開始からtm時間後に用紙先端が給紙センサ44に到達したときに遅延制御を実行せず、そのまま通常の搬送速度で搬送を継続した場合の動作線を示している。
図6は、遅延制御を減速制御で行う場合の動作線を示している。横軸は時間、縦軸は距離(搬送距離)を示している。「バラツキ最速」の動作線61、「バラツキ最遅」の動作線62、「目標値」の動作線63、遅延制御を行わなかった場合の動作線65は、図5に示すものと同一である。
図6の太線で示す動作線66は、減速による標準の遅延制御を実行した場合の動作線を示している。この例では、給紙動作開始から閾値時間(Tth)より短いtm時間後に用紙先端が給紙センサ44に到達したので、この用紙の先端が搬送ローラ51に至るまでの搬送動作における搬送速度を通常の搬送速度より遅くする減速制御を行って、その用紙の先端が搬送ローラ51に到達するタイミングを、(Ttgt - tm)時間だけ遅延させている。減速による遅延制御では搬送の一時停止は行わない。
次に、給紙部23による用紙の搬送と摩擦力との関係について説明する。
図7は、給紙ローラ42と用紙の間に作用する摩擦力を模式的に示す図である。摩擦力=垂直抗力×摩擦係数、の関係がある。垂直抗力は、給紙ローラ42とさばきローラ43で用紙を挟み込む力である。摩擦係数には、物体が動いている時の動摩擦係数と、物体が静止している時の静止摩擦係数の2種類があり、静止摩擦係数 > 動摩擦係数 の関係にある。
図8は、用紙が搬送されているときに給紙部23の各所に作用する摩擦力を示し、図9は、一時停止から給紙部23による搬送を再開するときに各所に作用する摩擦力を示している。搬送中は、給紙ローラ42と用紙との間、および用紙とさばきローラ43との間、用紙と用紙との間にそれぞれ動摩擦係数に対応する摩擦力が働く。
一時停止から搬送を再開する場合は、給紙ローラ42と用紙との間、用紙とさばきローラ43との間、用紙と用紙との間にそれぞれ静止摩擦係数に対応する摩擦力が働く。静止摩擦係数は動摩擦係数より大きいので、一時停止の状態から搬送を再開するときには、搬送中にそれぞれの箇所に働く摩擦力より、大きな摩擦力が作用する。
次に、連れ送りが発生したときに給紙部23の各所に作用する摩擦力について説明する。
図10は、連れ送りが発生したときに給紙部23の各所に作用する摩擦力を示している。連れ送りが発生すると、給紙ローラ42とさばきローラ43の間に複数枚(通常、2枚)の用紙が挟持される。各所に働く摩擦力の大小関係は、給紙ローラ42とこれに接する用紙(上の用紙)との間の摩擦力は「大」、用紙と用紙の間に作用する摩擦力は「中」、さばきローラ43とこれに接する用紙(下の用紙)との間の摩擦力は「大」、である。
給紙ローラ42の回転は摩擦力を介して上の用紙に伝達され該用紙を搬送する。上の用紙が搬送方向に搬送されると用紙間の摩擦力により下の用紙は上の用紙から搬送方向に移動する力を受ける。一方、さばきローラ43は一定以上の力を受けるまでは回転しないので、さばきローラ43はこれに接する下の用紙に対して搬送を阻止する方向の摩擦力(抵抗力)を与える。この摩擦力は用紙間の摩擦力より大きいので、下の用紙は搬送方向に移動せず、上の用紙だけが搬送される。
連れ送りがなければ、給紙ローラ42との摩擦力で搬送される用紙に対して、その搬送を阻止する方向の摩擦力(抵抗力)がさばきローラ43から直接作用するが、連れ送りがあると、搬送を阻止する方向の力は下の用紙から用紙間の摩擦を介して上の用紙に作用するので、上の用紙が受ける搬送を阻止する方向の力は、連れ送りがない場合より小さくなる。すなわち、給紙ローラ42は、連れ送りがあるときは、連れ送りがない場合よりも小さい搬送能力で用紙を搬送することができる。
図11は、連れ送り無し、かつ、遅延制御なしの場合における用紙搬送時間のバラつき具合を示している。給紙動作の開始から用紙先端が給紙センサ44に到達するまでの時間(給紙センサ到達時間とする)が閾値(Tth)時間より長く、通常の搬送速度で搬送を続ければ、用紙先端が最初の搬送ローラ51に到達するタイミングが目標範囲に収まるケースである。そのため、遅延制御が行われない。
ここでは、第1段給紙トレイから給紙する場合について測定した。横軸は給紙センサ44が用紙先端を検知してからタイミングセンサ54が用紙先端を検知するまでの時間(給紙センサ44からタイミングセンサ54までの用紙搬送時間)を示す。縦軸は連れ送りの程度を示しており、上になるほど連れ送りしていないことを示す。破線より上の領域は連れ送り無しに対応する。図には複数枚の測定結果をプロットしてある。図11によれば、連れ送りが無く、かつ、遅延制御を行わない場合には、タイミングセンサ54に到達するまでの用紙搬送時間のバラつきは少ないと言える。
図12は、連れ送り無し、かつ、一時停止による遅延制御ありの場合における用紙搬送時間のバラつき具合を示している。図12は、給紙センサ到達時間が閾値(Tth)時間より短く、用紙先端が最初の搬送ローラ51に到達するまでの時間を目標範囲に収めるために遅延制御を実行したケースである。図11と同様に、第1段給紙トレイから給紙する場合について複数枚の測定結果をプロットしてある。縦軸、横軸は図11と同じである。図12によれば、連れ送りが無く、かつ、遅延制御を行う場合には、タイミングセンサ54に到達するまでの用紙搬送時間のバラつきが比較的大きいと言える。
図11と図12の比較より、連れ送り無しの場合には、遅延制御を実行しない場合の方が、用紙の到達バラつきが少ないことが分かる。遅延制御を実行すると、先行紙に追いつくことはなくなるが、一旦停止して再給紙することの影響により、到達バラつきが発生している。これは、給紙ローラ42の駆動をクラッチの連結と開放で制御しているため、クラッチの応答バラつきや、加減速する時の動摩擦力、停止から起動する際の静止摩擦力による影響と考えられる。
図13は、遅延制御なしであって、連れ送り有りの場合と無しの場合について用紙搬送時間のバラつき具合を対比して示している。給紙センサ到達時間が閾値(Tth)時間より長く、用紙先端が最初の搬送ローラ51に到達するまでの時間が目標範囲に収まるため、遅延制御が行わないケースである。図13には、第1段給紙トレイから給紙し、連れ送り有りの場合と無しの場合についてそれぞれ複数の測定結果をプロットしてある。縦軸、横軸は図11と同じである。連れ送り有りの状態で搬送している用紙は、連れ送り無しの状態で搬送している用紙と比べて、タイミングセンサ54に到達するまでの用紙搬送時間が短くなっていることが分かる。
これは、前述したように、連れ送りがあると、給紙ローラ42によって搬送される用紙は、搬送を阻止する抵抗力(摩擦力)を、さばきローラ43から受けるのではなく、重送している他方の用紙から受けることによる。すなわち、連れ送りがあると、連れ送りが無い場合に比べて用紙が受ける反搬送方向の抵抗力が小さいので、給紙ローラ42が用紙に与える搬送能力が同じであっても、抵抗力が少ない分、用紙が早く搬送される。
次に、給紙ローラ42が搬送した用紙の総枚数と給紙ローラ42の搬送能力の低下との関係を説明する。
図14は、給紙部23が搬送した用紙の総枚数と、給紙センサ44が用紙を検出してからその用紙をタイミングセンサ54が検出するまでの時間(給紙センサ44からタイミングセンサ54まで用紙を搬送するのに要した搬送時間)との関係を示している。実線は実測値に対応するグラフであり、破線は直線近似したグラフである。総枚数が増えるにしたがって、搬送時間が長くなる。すなわち、搬送速度が低下する特性が見られる。
図15は、給紙部23が搬送した用紙の総枚数と、給紙ローラ42およびさばきローラ43の径(摩耗による径の変化)との関係を示している。給紙ローラ42、さばきローラ43のいずれについても、搬送した用紙の総枚数が増えるほど、摩耗により径が小さくなっている。
図14および図15によれば、総枚数が増えるほど給紙ローラ42やさばきローラ43の径が小さくなり、それに伴い、給紙部23の搬送速度が低下することがわかる。なお、搬送した用紙の総枚数が増えるほど、給紙ローラ42やさばきローラ43の表面が劣化して紙粉の影響を受け易くなる。
図16は、一時停止による遅延制御を行った場合の搬送速度の変化を示している。一時停止による遅延制御を実行すると、静止摩擦係数による大きな摩擦力の抵抗を2回受けることになり、給紙開始時に給紙できたとしても、一時停止からの再給紙時に給紙できるとは限らない。したがって、一時停止による遅延制御では、一度、給紙できた用紙の搬送を途中で一時停止させることで、本来は発生しなかったジャムを誘発する可能性が高まる。寿命を超えた給紙ローラ42は、局所的に摩耗していたり、搬送力・摩擦力が弱かったりするため、用紙と接している部分の状態によっては、給紙できない場合が生じる。
以上を踏まえ、本発明に係る画像形成装置10のエンジン制御部26は用紙の給紙・搬送に関して以下の制御を行う。
図17は、給紙ローラ42の摩耗状態に応じて給紙間隔を変更する処理を示す流れ図である。状態検出部31は給紙ローラ42の搬送能力に係る状態として、摩耗状態を検出し、その検出結果から給紙ローラ42が設計値としての寿命を超えているか否かを判断する(ステップS101)。たとえば、給紙の総枚数が寿命枚数を越えているか否かで判断する。
給紙ローラ42が寿命を超えていなければ(ステップS101;No)、標準の給紙間隔を設定して(ステップS102)、本処理を終了する。給紙ローラ42が寿命を超えている場合は(ステップS101;Yes)、標準の給紙間隔より広い給紙間隔を設定して(ステップS103)、本処理を終了する。
なお、給紙ローラ42の寿命の判断基準は、摩耗状態以外でもよく、たとえば、状態検出部31の検出方法として前述した(1)〜(8)、もしくはその他の方法でもよい。また、図17では、給紙ローラ42が寿命を超えている場合は、標準の給紙間隔より広い給紙間隔を設定するが、これに限定されず、場合によっては、給紙間隔を標準より狭く設定してもよい。すなわち、給紙ローラ42が寿命を超えている場合に給紙間隔を標準より広くするか狭くするかは、下流の所定位置に用紙が到達するタイミングのバラつきを少なくするための搬送制御の仕方(遅延制御とするかそれ以外の制御方法を採用するか等)に応じて定めればよい。
図18は、給紙ローラ42の摩耗状態に応じて遅延制御の実行可否を切り替える処理を示す流れ図である。給紙部23による給紙動作を起動し(ステップS201)、給紙ローラ42が寿命を超えているか否かを判断する(ステップS202)。寿命の判断については図17で説明した通り、総枚数を基準とするほか適宜の方法でよい。
給紙ローラ42が寿命を超えていなければ(ステップS202;No)、標準の遅延制御を行う(ステップS203)。ここでは、一時停止による遅延制御を行う。なお、図18の前提として、給紙動作の開始から給紙センサ44が用紙先端を検出するまでの時間(給紙センサ到達時間)が閾値(Tth)を超える場合には、遅延制御を実行しない。すなわち、ステップS203で標準の遅延制御を実行するのは、給紙センサ到達時間が閾値(Tth)以下であって給紙ローラ42が寿命を超えていない場合である。
給紙ローラ42が寿命を超えている場合は(ステップS202;Yes)、遅延制御を実行しない(ステップS204)。すなわち、給紙ローラ42が寿命を超えている場合は、給紙センサ到達時に係らず(閾値(Tth)以下であっても閾値(Tth)を超えていても)、遅延制御を実行しない。
寿命により給紙ローラ42の搬送能力が低下している状態で遅延制御を行うと、一時停止や減速、搬送の再開による加減速で負荷がかかり設計値以上の遅れやバラつきが発生する可能性が高い。そこで、給紙ローラ42が寿命を超える場合や末期のときに遅延制御を実施しないように制御することで、上記の遅れやバラつきの発生を防ぐことができる。
図18の処理を図17の処理(給紙ローラ42の寿命に応じて給紙間隔を変更する処理)と組み合わせても良い。給紙ローラ42が寿命を超えている場合は、用紙を搬送する速度が遅くなっているので、遅延制御を行わないようにしたとしても、下流のセンサに到達するまでに時間がかかり過ぎてジャムと判定されるケースが起こり得る。そのため、図17の処理と図18の処理を組み合わせて、給紙ローラ42が寿命を超える場合に給紙間隔を広げる制御と遅延制御を無しにする制御を併用する。
一方、図18の処理に、図17の処理を組み合わせないようにしても良い。すなわち、給紙ローラ42が寿命を超える場合には、給紙間隔を広げずに、遅延制御を実行しないように制御する。給紙ローラ42が寿命を超えると、用紙を搬送する速度が遅くなっているため、給紙ローラ42への到達が閾値(Tth)より早くても、先行紙に追いついてジャムになる可能性は低い。そのため、給紙間隔を広げない方が、生産性を維持する点で有利になる。
図19は、給紙ローラ42の摩耗状態に応じて遅延制御の遅延量を3段階(遅延量ゼロの場合を含む)に切り替える処理を示す流れ図である。給紙部23による給紙動作を起動し(ステップS301)、給紙ローラ42の寿命を判断する(ステップS302)。寿命の判断については図17で説明した通り、総枚数を基準とするほか適宜の方法でよい。ここでは、給紙ローラ42の寿命(摩耗状態)が初期か、末期か、寿命超え、のいずれであるかを判定する。初期、末期、寿命超え、の判断基準は予め実験等によって決定する。
給紙ローラ42の寿命が初期であれば(ステップS302;初期)、標準の遅延制御を行う(ステップS303)。ここでは、一時停止による遅延制御を行う。なお、図19の前提として、給紙センサ到達時間が閾値(Tth)を超える場合には遅延制御を実行しない。
給紙ローラ42の寿命が末期であれば(ステップS302;末期)、遅延時間(遅延量)をゼロではなく標準より短く設定した遅延制御を行う(ステップS304)。この遅延制御は、一時停止または減速のいずれかで行う。
給紙ローラ42が寿命を超えている場合は(ステップS302;寿命超え)、遅延制御を実行しない(ステップS305)、すなわち、遅延制御における遅延量(遅延時間)をゼロにする。
なお、ステップS303の標準の遅延制御では、一時停止を用いずに第2速度による減速制御(第2減速制御)を行い、遅延時間を標準より短くしたステップS304の遅延制御では、第2速度より速い第1速度による減速制御(第1減速制御)を行うようにしてもよい。これらの速度は、通常の搬送速度>第1速度>第2速度>0、の関係にある。
図19の処理は、給紙ローラ42の寿命に応じて給紙間隔を変更する図17の処理と組み合わせても良い。
給紙ローラ42が寿命を超える場合(あるいは末期以降の場合)に遅延制御を実施しないようにすることで、遅れやバラつきの発生を防ぐことができる。また、遅延時間を標準より短くして遅延制御を実行する場合には、設計値以上の遅れによる影響を低減することができる。
図20は、遅延制御が一時停止と減速のどちらで行われるかによって遅延制御を実行する/しないを切り替える処理を示す流れ図である。図18でステップS202;Yesとなった後、ステップS204に代えて図20の処理が行われる。
図20の処理では、遅延制御が減速制御と一時停止制御のどちらで行われると決定されたかを判断する(ステップS401)。たとえば、給紙センサ到達時間が閾値(Tth)よりさらに短い第1閾値以下の場合は遅延制御を一時停止制御で行うとし、給紙センサ到達時間が第1閾値より長く閾値(Tth)以下ならば減速制御で行うと決定する。遅延制御を一時停止制御で行うと決定された場合は(ステップS401;Yes)、遅延制御を実行しない(ステップS402)。一方、遅延制御を一時停止制御ではなく減速制御で行うと決定された場合は(ステップS401;No)、減速による遅延制御(減速制御)を実施する(ステップS403)。
すなわち、図20の処理では、給紙ローラ42が寿命を超えている場合であっても、遅延制御を実施しないのは、遅延制御を一時停止で行うと決定された場合のみとし、遅延制御を減速で行うと決定された場合には減速による遅延制御を実行する。
このように制御するのは以下の理由による。給紙ローラ42が停止状態から駆動される時に作用する静摩擦力(静止係数による摩擦力)は、駆動中に作用する動摩擦力(動摩擦係数による摩擦力)より大きいので、給紙ローラ42が摩耗している場合には、一時停止から再駆動する際に給紙できない可能性が高まる。一時停止させずに減速させるだけの場合には動摩擦力が作用するので、設計値以上の遅れやバラつきが発生する可能性は低く、適切な状態で搬送することができる。
図21は、連れ送りの有無によって遅延制御の実行可否を切り替える処理を示している。図18でステップS202;Yesとなった場合に、ステップS204に代えて図21の処理が行われる。給紙ローラ42が寿命を超えている場合、連れ送りが発生していなければ(ステップS501;No)、遅延制御を実行しない(ステップS502)。一方、連れ送りが発生している場合は、標準の遅延制御を実行する(ステップS503)。すなわち、連れ送りが有るときは、給紙ローラ42が寿命を超えていたとしても標準の遅延制御を実行する。
図13で示したように、連れ送りが有る場合、搬送中の用紙は、さばきローラ43に接触しておらず、さばきローラ43からの摩擦力は重送された用紙を介して受けるので、搬送を阻害する抵抗力は小さい。そのため、連れ送りが有る場合には、遅延制御を実行した方が適切な搬送となる。一方、連れ送りがない場合には、さばきローラ43との摩擦による影響が大きく、設計以上の遅れやバラつきが発生するので、遅延制御を実行しない。
図22は、給紙した用紙が先行紙に追いつくか否かを給紙毎に判定して用紙搬送を継続するか、一度停止して再搬送するかを切り替える処理を示す流れ図である。図18でステップS202;Yesとなった場合に、ステップS204に代えて図22の処理を実行する。
図22の処理では、給紙した用紙が給紙センサ44に検出されたとき(ステップS601;Yes)、その用紙が先行紙に追いつくか否かを判断する(ステップS602)。先行紙に追いつかないと判断した場合は(ステップS602;No)、遅延制御を実行せずに、そのまま用紙搬送を継続する(ステップS603)。先行紙に追いつくと判断した場合は(ステップS602;Yes)、用紙搬送を停止し、先行紙に追いつかない程度の間隔を空けてから、再給紙する(ステップS604)。すなわち、遅延制御による一時停止からの再搬送を、給紙のやり直し、と置き換える。
遅延制御を行わなくても先行紙に追いつかない場合には、一時停止や加減速を伴う遅延制御を行わないようにすることで、遅延制御による設計値以上の遅れやバラつきの発生を回避する。
先行紙に追いつくか否かは、給紙した用紙が給紙センサ44に到達したタイミングで、給紙した用紙の先端が給紙ローラ42の下流にあるセンサ又はローラ(搬送センサ52又は搬送ローラ51)に到達する時間と、先行紙の後端が給紙ローラ42の下流にあるセンサ又はローラを通過する時間を算出し、先行紙の後端が給紙ローラの下流のセンサ又はローラを通過後に、給紙した用紙の先端がそのセンサまたはローラに到達する場合は、追いつかないと判定する。
図22の処理を行うことで、先行紙に追いつくことが確実になくなり、最大限の生産性を確保することができる。
なお、本実施の形態に係る画像形成装置10では、再給紙の際に給紙ミスが発生した場合(再給紙開始から所定時間が経過しても下流のセンサまたはローラに用紙が到達しない場合)には、給紙ローラ42を停止させて給紙動作をやり直す給紙リトライ制御を実行する。
給紙ローラ42の寿命を超えた使用により、遅延制御を実行しない場合において、給紙中の用紙より以前に給紙された用紙(たとえば、連続給紙された、過去所定枚数もしくは過去所定枚数以上の用紙)の中に、給紙リトライ制御によって給紙が成功した用紙がある場合には、「遅延制御を実行しない」という制御を行う。また、給紙中の用紙より以前に給紙された用紙(たとえば、連続給紙された、過去所定枚数もしくは過去所定枚数以上の用紙)の中に、給紙リトライ制御が実行された用紙が無い場合にも、「遅延制御を実行しない」という制御を行う。
給紙リトライ制御により給紙に成功した場合は、その給紙リトライ制御の起因となった搬送ミスの要因が給紙ローラ42の摩耗であると考えられる。一方、給紙リトライ制御で給紙に成功していない場合は、搬送ミスの要因として給紙ローラ42の寿命(摩耗)以外の要因が考えられる。そこで、前者の場合は、前述した「遅延制御を実行しない」という制御を行い、後者の場合はこれを行っても効果を得難いため、「遅延制御を実行しない」という制御は行わない。
図23は、図18〜図22に示す各処理を統合した処理の一例を示す流れ図である。エンジン制御部26は、給紙部23による給紙動作を起動し(ステップS701)、その給紙した用紙が連続給紙の2枚目以降であるか否かを判断する(ステップS702)。給紙した用紙が連続給紙の2枚目以降でなければ(ステップS702;No)、先行紙は存在しないので、遅延制御無しで該用紙の搬送を行って(ステップS714)、ステップS716へ移行する。
給紙した用紙が連続給紙の2枚目以降ならば(ステップS702;Yes)、用紙先端が給紙センサ44に検出されるのを待ち、検出されたら、給紙動作開始から用紙先端が給紙センサ44に検出されるまでに要した時間(給紙センサ到達時間)が予め定めた閾値(Tth)時間以内であるか否かを判断する(ステップS703)。
給紙センサ到達時間が閾値(Tth)を超える場合は(ステップS703;No)、先行紙に追いつくことは無いと判断し、遅延制御無しで該用紙の搬送を行って(ステップS714)、ステップS716へ移行する。
給紙センサ到達時間が閾値(Tth)以下の場合は(ステップS703;Yes)、給紙ローラ42の寿命を判断する(ステップS704)。給紙ローラ42の寿命が初期であれば(ステップS704;初期)、標準の遅延制御を実施して(ステップS708)、ステップS716へ移行する。
給紙ローラ42の寿命が末期ならば(ステップS704;末期)、連れ送りの有無を判断する(ステップS707)。連れ送り有りの場合は(ステップS707;Yes)、標準の遅延制御を実施して(ステップS708)、ステップS716へ移行する。
連れ送りがなければ(ステップS707;No)、標準より短い遅延時間の遅延制御を、一時停止制御と減速制御のどちらで行うかを決定する(ステップS709)。該決定の結果が減速制御ならば(ステップS710;No)、標準より短い遅延時間による遅延制御を減速で実施して(ステップS715)、ステップS716へ移行する。ステップS709での決定の結果が一時停止制御ならば(ステップS710;Yes)、ステップS711へ移行する。
給紙ローラ42が寿命超えの場合は(ステップS704;寿命超え)、連れ送りの有無を判断し(ステップS705)、連れ送り有りの場合は(ステップS705;Yes)、標準の遅延制御を実施して(ステップS708)、ステップS716へ移行する。
連れ送りがなければ(ステップS705;No)、過去所定枚数内に給紙リトライ制御の成功履歴があるもしくは給紙リトライ制御が実行されていないとの要件を満たすか否かを判断する(ステップS706)。この判断結果が偽ならば(ステップS706;No)、標準の遅延制御を実施して(ステップS708)、ステップS716へ移行する。
前記判断結果が真ならば(ステップS706;Yes)、遅延制御なしで搬送を続けた場合に先行紙に追いつくか否かを調べる(ステップS711)。先行紙に追いつかない場合は(ステップS712;No)、遅延制御なしで搬送を行って(ステップS714)、ステップS716へ移行する。先行紙に追いつくと判断した場合は(ステップS712;Yes)、用紙の搬送を停止して、再給紙を実施し(ステップS713)、ステップS716へ移行する。
ステップS716では、給紙すべき次の用紙があるか否かを判断し、給紙すべき次の用紙があれば(ステップS716;No)、ステップS701に戻って処理を継続する。給紙すべき次の用紙がなければ(ステップS716;Yes)、本処理を終了する。
図18〜図22の処理を統合した図23の処理は一例であり、統合の仕方はこれに限定されるものではない。
本発明によれば、給紙ローラ42の寿命(搬送能力)の状態に応じて、遅延制御の実施/不実施、遅延量(遅延時間)、遅延制御を一時停止で行うか減速で行うか等を切り替えることにより、給紙ローラ42の寿命を超えた使用(延命)を可能にしつつ、適切な搬送と生産性を両立させることができる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
実施の形態の図1、図2等で示した画像形成装置10の構成は一例であり、本発明に係る用紙搬送装置が適用される装置はこれに限定されるものではない。
3…画像形成システム
4…外付け給紙装置
5…後処理装置
10…画像形成装置
11…CPU
12…ROM
13…RAM
14…画像処理部
15…画像メモリ
16…LD駆動部
17…通信部
18…操作パネル
19…スキャナ部
20…プリンタ部
21…用紙収納部
22…搬送部
23…給紙部
24…画像形成部
25…定着部
26…エンジン制御部
31…状態検出部
32…連れ送り検出部
33…給紙間隔設定部
34…遅延制御部
41…ピックアップローラ
42…給紙ローラ
43…さばきローラ
44…給紙センサ
51…搬送ローラ
52…搬送センサ
53…タイミングローラ
54…タイミングセンサ
61…バラつき最速の動作線
62…バラつき最遅の動作線
63…目標値の動作線
64…一時停止による遅延制御を行った場合の動作線
65…遅延制御なしの場合の動作線
66…減速による遅延制御を行った場合の動作線

Claims (19)

  1. 用紙を収納する収納部と、
    用紙を搬送する搬送部と、
    収納部の用紙を前記搬送部へ給紙する給紙部と、
    前記給紙部の搬送能力に係る状態を検出する状態検出部と、
    制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、複数の用紙を続けて給紙するとき、前記状態検出部により検出された前記状態に応じて、給紙される複数の用紙の間隔を制御する
    ことを特徴とする用紙搬送装置。
  2. 前記給紙部の搬送能力に係る状態とは、用紙に接する部材の摩耗状態である
    ことを特徴とする請求項1に記載の用紙搬送装置。
  3. 前記給紙部が給紙する用紙が搬送経路上の第1位置に到達したことを検出する用紙検出部をさらに有し、
    前記制御部は、前記給紙部が用紙の給紙動作を開始してからその用紙を前記用紙検出部が検出するまでの第1時間が閾値未満の場合は、閾値以上の場合より、前記用紙が前記第1位置からその下流の第2位置に到達するまでに要する第2時間が長くなるように、前記第1位置から第2位置への搬送を遅延させる遅延制御を行うと共に、前記状態検出部によって検出された前記給紙部の状態に応じて前記遅延制御における遅延量を制御する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の用紙搬送装置。
  4. 前記制御部は、前記状態検出部によって検出された前記給紙部の状態が第1閾値以上の場合は、前記遅延制御を行わない
    ことを特徴とする請求項3に記載の用紙搬送装置。
  5. 前記制御部は、前記状態検出部によって検出された前記給紙部の状態が第2閾値未満の場合は、前記遅延量を標準の遅延時間に設定し、
    前記状態検出部によって検出された前記給紙部の状態が前記第2閾値以上かつ前記第1閾値未満の場合は、前記遅延量を前記標準の遅延時間より短くゼロより長い第1遅延時間に設定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の用紙搬送装置。
  6. 前記制御部は、前記遅延制御として、搬送を一時停止させる一時停止制御と、搬送速度を減速する減速制御を選択でき、前記状態検出部によって検出された前記給紙部の状態が前記第2閾値以上の場合に前記一時停止制御を選択しない
    ことを特徴とする請求項5に記載の用紙搬送装置。
  7. 前記給紙部が前記収納部から用紙を繰り出す際に複数枚の用紙が重ねて繰り出される連れ送りの発生を検知する連れ送り検知部をさらに有し、
    前記制御部は、前記連れ送り検知部が前記連れ送りの発生を検知した場合は、前記状態検出部によって検出された前記給紙部の状態が前記第1閾値以上であっても、前記遅延量をゼロにしないで前記遅延制御を実行する
    ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
  8. 前記制御部は、前記給紙部が給紙する第1の用紙の先端が前記搬送部に到達する前に、先行する第2の用紙の後端に追いつくか否かを判断し、追いつかないと判断した場合は、前記第1の用紙に対して前記遅延制御を行わない
    ことを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
  9. 前記給紙部が寿命を超えている場合は、寿命を超えていない場合に比べて、給紙される複数の用紙の間隔を広げる
    ことを特徴とする請求項3乃至8のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
  10. 前記第2位置に用紙が到達したことを検出する第2用紙検出部を備え、
    前記制御部は、前記給紙部が用紙の給紙動作を開始してから所定の上限時間内に前記第2用紙検出部がその用紙を検出しない場合は、前記給紙部による給紙動作を停止させて再起動する給紙リトライ制御を行い、
    前記状態検出部によって検出された前記給紙部の状態が前記第1閾値以上であって、先行して給紙された用紙の中に、前記給紙リトライ制御による給紙に成功したものがある場合は、前記遅延制御を行わない
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の用紙搬送装置。
  11. 前記制御部は、前記遅延制御として、搬送速度を第1速度に減速する第1減速制御と前記第1速度より遅い第2速度に減速する第2減速制御を選択でき、
    前記遅延量を前記第1遅延時間に設定する場合は前記第1減速制御を選択し、前記遅延量を前記標準の遅延時間に設定する場合は前記第2減速制御を選択する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の用紙搬送装置。
  12. 前記状態検出部は、前記給紙部が給紙した用紙の総枚数に基づいて、前記給紙部の状態を検出する
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
  13. 前記状態検出部は、前記給紙部が搬送する用紙の搬送速度の実測値と設計値との差に基づいて、前記給紙部の状態を検出する
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
  14. 前記状態検出部は、前記給紙部の用紙に接する部材の表面状態に基づいて、前記給紙部の状態を検出する
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
  15. 前記状態検出部は、前記給紙部が給紙動作を行った総時間に基づいて、前記給紙部の状態を検出する
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
  16. 前記状態検出部は、周囲の温度を勘案して、前記給紙部の状態を検出する
    ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
  17. 前記状態検出部は、周囲の湿度を勘案して、前記給紙部の状態を検出する
    ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
  18. 前記状態検出部は、前記給紙部の連続動作時間を勘案して、前記給紙部の状態を検出する
    ことを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
  19. 前記状態検出部は、前記給紙部がこれまでに搬送した用紙の物性を勘案して、前記給紙部の状態を検出する
    ことを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
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