JP2020123480A - 導電膜の製造方法、色素増感型太陽電池用対向電極の製造方法、色素増感型太陽電池用光電極の製造方法および配線の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、本発明の導電膜の製造方法は、基材との密着性に優れた導電膜を製造する際に用いることができる。そして、本発明の導電膜の製造方法を用いて製造した導電膜は、特に限定されることなく、色素増感型太陽電池用電極および配線などの各種製品を製造する際に用いることができる。
本発明の導電膜の製造方法は、基材の表面に対してエキシマUV処理を行った後に、エキシマUV処理された基材の表面に導電性ペーストを塗布する工程を含むことを必要とする。そして、本発明の導電膜の製造方法によれば、基材との密着性に優れた導電膜を効率良く形成することができる。
本発明に用いる基材は、特に限定されることなく、金属基材、樹脂基材およびガラス基材などの既知の基材を用いることができる。
そして、本発明の製造方法において、上記基材の表面に対して行う「エキシマUV処理」とは、希ガスや希ガスハライド化合物のガスが封じられたランプから放射される光であるエキシマUV光を基材の表面に対して照射することを意味する。
本発明に用いる導電性ペーストは、導電材および分散媒を含み、任意に、その他の成分を含有していてもよい。
そして、導電性ペーストに含まれる導電材としては、特に限定されることなく、既知の導電材を用いることができる。具体的には、導電材としては、導電性炭素材料、金属酸化物、金属およびこれら2種以上の組み合わせなどが挙げられる。中でも、本発明の製造方法によって得られる導電膜を各種用途に使用できる観点から、導電性ペーストは、導電性炭素材料、金属酸化物および金属からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
ここで、導電材として含まれる導電性炭素材料としては、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、ファーネスブラックなど)、グラファイト、グラフェン、カーボンフレーク、炭素繊維(例えば、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ(CNT)、気相成長炭素繊維など)などが挙げられる。中でも、本発明の製造方法により得られる導電膜を用いることで優れた機能を有する色素増感型太陽電池用対向電極を得る観点からは、導電性炭素材料としてカーボンナノチューブを用いることが好ましい。これらは、1種単独で、または、2種以上を組み合わせて使用することができる。
ここで、導電材として含まれるカーボンナノチューブ(CNT)の種類としては、特に限定されることはなく、単層CNTおよび/または多層CNTを用いることができるが、単層から5層までのCNTであることが好ましく、単層CNTであることがより好ましい。CNTの層数が少ないほど、配合量が少量であっても、本発明の製造方法によって得られる導電膜の導電性や機械的強度を高めることができる。また、CNTとして、例えばカルボン酸基やスルホン酸基などの酸基が導入された酸基導入CNTを用いてもよい。なお、酸基導入CNTの形成方法は特に限定されず、酸基導入CNTは、例えば、硝酸や硫酸などの強酸によりCNTを表面処理することにより形成することができる。
なお、本発明において、「CNT」の平均長さは、走査型電子顕微鏡(SEM)画像上で、例えば、20本のCNTについて長さを測定し、個数平均値を算出することで求めることができる。
なお、本発明において、「BET比表面積」とは、BET法を用いて測定した窒素吸着比表面積を指す。
(1)全表面への窒素分子の単分子吸着層形成過程
(2)多分子吸着層形成とそれに伴う細孔内での毛管凝縮充填過程
(3)細孔が窒素によって満たされた見かけ上の非多孔性表面への多分子吸着層形成過程
なお、「屈曲点の位置」は、前述した(1)の過程の近似直線Aと、前述した(3)の過程の近似直線Bとの交点である。
ここで、CNTの全比表面積S1および内部比表面積S2は、そのt−プロットから求めることができる。具体的には、まず、(1)の過程の近似直線の傾きから全比表面積S1を、(3)の過程の近似直線の傾きから外部比表面積S3を、それぞれ求めることができる。そして、全比表面積S1から外部比表面積S3を差し引くことにより、内部比表面積S2を算出することができる。
また、導電材として含まれる金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ等の金属酸化物が挙げられる。中でも、変換効率が向上した色素増感型太陽電池の製造に好適に用い得る色素増感型太陽電池用光電極を効率良く形成する観点からは、金属酸化物として酸化チタンを用いることが好ましい。なお、これらは、1種単独で、または、2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、導電材として含まれる金属としては、例えば、銀、銅、白金、金、アルミニウム、インジウムなどが挙げられる。中でも、本発明の製造方法により得られる導電膜を用いて導電性の高い配線を形成する観点からは、金属として銀を用いることが好ましい。なお、これらは、1種単独で、または、2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、導電性ペーストに含まれる分散媒としては、特に限定されることなく、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、ベンジルアルコール、テルピネオール(Terpineol)、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセチルアセトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジグライム、ブチルカルビトール等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、炭酸ジエチル、TXIB(1−イソプロピル−2,2−ジメチルトリメチレンジイソブチレート)、酢酸カルビトール、酢酸ブチルカルビトール等のエステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシドおよびスルホン類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1,2−トリクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族類;等が挙げられる。これらは、1種単独で、または、2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、本発明において「水系のペースト」とは、分散媒の50質量%以上、好ましくは70質量%以上が水であるペーストを意味する。
また、導電性ペーストは、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に、結着剤、導電助剤、分散剤、界面活性剤等を含有してもよい。これらは公知のものを適宜使用すればよい。
そして、本発明に用いる導電性ペーストは、上述した各成分を混合することにより得られる。なお、各成分を混合する順番に特に制限はない。ここで、導電性ペースト中の導電材の割合は、導電性ペースト中に含まれる固形分中、50質量%以上とすることが好ましく、70質量%以上とすることがより好ましく、90質量%以上とすることが更に好ましく、100質量%とすることが最も好ましい。なお、導電性ペーストの固形分濃度は、特に限定されないが、導電性ペーストを用いて形成した導電膜を色素増感型太陽電池用光電極や配線の製造に用いる場合には、導電性ペーストの固形分濃度は、通常、40質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上であり、また、通常、99質量%以下、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。また、導電性ペーストを用いて形成した導電膜を色素増感型太陽電池用対向電極の製造に用いる場合には、導電性ペーストの固形分濃度は、通常、0.01質量%以上10質量%以下であり、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
そして、エキシマUV処理された基材の表面上に導電性ペーストを塗布する方法としては、特に限定されず、公知の塗布方法を採用することができる。具体的には、塗布方法としては、バーコーター法、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、ロールナイフコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、グラビアオフセット法等を用いることができる。中でも、導電膜の生産性を向上させる観点から、スクリーン印刷法を用いることが好ましい。
本発明の製造方法により形成される導電膜は、例えば、色素増感型太陽電池用電極や配線を製造する際に用いることができる。
本発明の色素増感型太陽電池用対向電極の製造方法は、上述した本発明の製造方法により形成された導電膜を用いて色素増感型太陽電池用対向電極を形成する工程を含むものである。本発明の製造方法によれば、変換効率の高い色素増感型太陽電池の製造に好適に用い得る色素増感型太陽電池用対向電極を形成することができる。
本発明の色素増感型太陽電池用光電極の製造方法は、上述した本発明の方法により形成された導電膜を用いて色素増感型太陽電池用光電極を形成する工程を含むものである。本発明の製造方法によれば、変換効率の高い色素増感型太陽電池の製造に好適に用い得る色素増感型太陽電池用光電極を形成することができる。
そして、本発明の製造方法により形成される色素増感型太陽電池用対向電極および/または色素増感型太陽電池用光電極を用いることで、色素増感型太陽電池を形成することができる。なお、色素増感型太陽電池は、光電極、電解質層、対向電極をこの順に並べることにより形成することができる。そして、色素増感型太陽電池を形成する際に、光電極および/または対向電極として、本発明の製造方法により形成される色素増感型太陽電池用光電極および/または色素増感型太陽電池用対向電極を用いることで、変換効率に優れた色素増感型太陽電池を形成することができる。
更に、電解質層を増粘・ゲル化する目的で、ゲル化剤、ポリマー、架橋性モノマー、チタン等の無機粒子などを溶媒中に溶解・分散させてもよい。
本発明の配線の製造方法は、上述した本発明の方法により形成された導電膜を用いて配線を形成する工程を含むものである。本発明の製造方法によれば、上述した方法により得られる導電膜を配線として、基材に密着した配線を効率良く形成することができる。
実施例および比較例において、表面処理後の基材のシート抵抗、塗布性、変換効率、基材の表面処理時間およびペーストの塗布時間の合計時間は、以下の方法で測定および評価した。
用いた基材について、表面処理後のシート抵抗を、抵抗率計(三菱化学アナリテック社製、「MCP−T610」)を用いて測定した。
CNTペーストおよび酸化チタンペーストそれぞれを、A5サイズの基材に対し、1本当たり幅1cm×長さ5cmの長方形の帯となるようにして、当該帯を幅方向に5mm間隔で5本塗布した。そして、ペーストを乾燥後、得られた塗布物について、20倍ルーペを用い目視で観察し、以下の基準で評価した。塗布したペーストによって発生したピンホールが少ないほど、導電性ペーストの塗布性に優れる。
〔評価基準〕
A:ピンホールの発生なし
B:直径1mm未満のピンホールの発生あり
C:直径1mmを超えるピンホールの発生あり
光源として、150Wキセノンランプ光源にAM1.5Gフィルタを装着した擬似太陽光照射装置(PEC−L11型、ペクセル・テクノロジーズ社製)を用いた。光量は、1sun(AM1.5G、100mW/cm2(JIS C8912のクラスA))に調整した。作製した色素増感型太陽電池をソースメータ(2400型ソースメータ、Keithley社製)に接続し、以下の電流電圧特性の測定を行なった。
1sunの光照射下、バイアス電圧を0Vから0.8Vまで0.01V単位で変化させながら出力電流を測定した。出力電流の測定は、各電圧ステップにおいて、電圧を変化させた後、0.05秒後から0.15秒後までの値を積算することで行った。バイアス電圧を、逆方向に0.8Vから0Vまで変化させる測定も行い、順方向と逆方向の測定の平均値を光電流とした。
上記の電流電圧特性の測定結果より、変換効率(%)を算出した。
〔評価基準〕
A:変換効率が4.0%以上
B:変換効率が3.5%以上3.9%以下
C:変換効率が3.0%以上3.4%以下
D:変換効率が3.0%未満
対向電極を作製した際の基材の表面の処理時間およびCNTペーストの塗布時間と、光電極を作製した際の基材の表面の処理時間および酸化チタンペーストの塗布時間との合計時間を求めた。合計時間が短いほど、色素増感型太陽電池の生産性に優れる。
<CNTの調製>
国際公開第2006/011655号の記載に従って、スーパーグロース法によりSGCNTを調製した。
次に、容積500mLの三口フラスコに、温度計、水流式還流冷却器および撹拌機を取り付け、当該三口フラスコに、上記のSGCNTを1gと、硫酸(東京化成社製、純度96%)80mLとを加えた。この三口フラスコを155℃のオイルバスにつけ、内温が130℃になってから6時間加熱撹拌し、反応させた。
反応終了後、室温まで放冷し、イオン交換水を加え、上澄みをデカンテーションし、更にイオン交換水を加え、洗浄排水が中性(pH=6.8)になるまでこの操作を繰り返した。以上により、ウェットの状態で29.6gの硫酸処理SGCNTを得た。
なお、得られた硫酸処理SGCNTは、主に単層CNTから構成され、BET比表面積が900m2/gであった。また、平均直径(Av)が3.2nm、平均直径(Av)に対する、直径の標準偏差(σ)に3を乗じた値(3σ)が1.9nm、それらの比(3σ/Av)が0.59であった。
100mLのガラス容器に、水40g、エタノール10g、および硫酸処理SGCNT0.075gを加えた。
このガラス容器の内容物に対して、バス型超音波洗浄機(BRANSON社製、5510J−MT(42kHz、180W))を用いて、2時間分散処理を行った後、分散装置(吉田機械(株)製、「ナノヴェイタNVC−ES008」)を用いて、100MPa−10passの条件で分散処理を行い、CNTペースト(導電性ペースト)を得た。
インジウム−スズ酸化物(ITO)をスパッタ処理したポリエチレンナフタレートフィルム(ITO−PENフィルム、フィルム厚み125μm、ITO厚み300nm、シート抵抗15Ω/□)を基材として用いた。そして、エキシマUV装置(浜松ホトニクス社製、「L12431」、光源:キセノンエキシマランプ)を用いて、基材のITO面を上にして搬送テーブルにセットし、10m/minの搬送速度でキセノンエキシマランプ下を2回通過させてエキシマUV処理を行った。その際、基材をセットしてから、エキシマUV処理後に基材を取り出すまでに要した時間は2分であった。また、エキシマUV光の照射距離は3mm、照射量は200mJ/cm2であった。
それから、スクリーン印刷機(セリアコーポレーション社製、「SSA−PC430E」)を用いて、スクリーン印刷法により、エキシマUV処理された基材のITO面にCNTペーストを塗布した。その際、スクリーン印刷機に基材を置き、CNTペーストを印刷後に基材を回収するまでに要した時間は1分であった。そして、基材に対するCNTペーストの塗布性を評価した。結果を表1に示す。
そして、CNTペーストを、温度125℃で20分間乾燥させて、ITO面上に導電膜を形成し、対向電極とした。
インジウム−スズ酸化物(ITO)をスパッタ処理したポリエチレンナフタレートフィルム(ITO−PENフィルム、フィルム厚み125μm、ITO厚み300nm、シート抵抗15Ω/□)を基材として用いた。そして、エキシマUV装置(浜松ホトニクス社製、「L12431」、光源:キセノンエキシマランプ)を用いて、基材のITO面を上にして搬送テーブルにセットし、10m/minの搬送速度でエキシマランプ下を2回通過させてエキシマUV処理を行った。その際、基材をセットしてから、エキシマUV処理後に基材を取り出すまでに要した時間は2分であった。また、エキシマUV光の照射距離は3mm、照射量は200mJ/cm2であった。
それから、スクリーン印刷機(セリアコーポレーション社製、「SSA−PC430E」)を用いて、スクリーン印刷法により、エキシマUV処理された基材のITO面に酸化チタンペースト(ペクセル・テクノロジーズ社製、「PECC−C01−06」)を塗布した。印刷機に基材を置き、酸化チタンペーストを印刷後に基材を回収するまでに要した時間は1分間であった。そして、基材に対する酸化チタンペーストの塗布性を評価した。結果を表1に示す。
そして、酸化チタンペーストを、温度150℃で20分間乾燥させて、ITO面上に導電膜を形成し、積層体を得た。
この積層体の1本の長方形(幅:1cm×長さ:5cm)を、長さ2.5cmの大きさにカットし、さらに積層体の幅方向の2mm内側、長さ方向は片側より2mm内側に、導電膜を直径6mmの円になるように成形した。これを増感色素溶液〔増感色素:ルテニウム錯体(N719、ソラロニクス社製)、溶媒:アセトニトリル、tert−ブタノール、濃度:0.4mM〕に、40℃で2時間浸漬させることで、増感色素を導電膜に吸着させた。浸漬処理の後、積層体をアセトニトリルで洗浄し、乾燥させることで光電極を得た。
各成分の濃度がヨウ素0.05mol/L、ヨウ化リチウム0.1mol/L、t−ブチルピリジン0.5mol/L、および、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージド0.6mol/Lとなるように、上記各成分をメトキシアセトニトリルに溶解して、電解液を得た。
サーリンフィルム(厚み25μm、デュポン社製)を、14mm四方に切り取り、更に中心部を直径9mmにくり抜き、スペーサーフィルムを作製した。前記対向電極と光電極とを、このスペーサーフィルムをはさんで導電膜の導電面が内側になるように対向させて貼り合せ、110℃に加熱したホットプレートの上で1分間熱圧着させた。
放冷後、対向電極に穴をあけ、この穴から上記電解液を注液した。電解液を注液後、サーリンフィルム(厚み25μm、デュポン社製)を用いて、電解液の注入に用いた穴を封じることで色素増感型太陽電池を得た。
そして、得られた色素増感型太陽電池の変換効率を評価した。結果を表1に示す。
対向電極の作製において、2mmのガラス板に基材を両面テープで固定し、スクリーン印刷法に替えて、バーコーター(テスター産業株式会社製、「PI−1210」)を用いて、バーコーター法によりCNTペーストを塗布し、その後、ガラス板から基材を剥がした以外は実施例1と同様にして、対向電極、光電極および色素増感型太陽電池を作製した。その際、ガラス板に基材を置き、塗布後に基材をガラス板から剥離するまでに要した時間は5分であった。そして、実施例1と同様にして各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。
光電極の作製において、2mmのガラス板に基材を両面テープで固定し、スクリーン印刷法に替えて、バーコーター(テスター産業株式会社製、「PI−1210」)を用いて、バーコーター法により酸化チタンペーストを塗布し、その後、ガラス板から基材を剥がした以外は実施例1と同様にして、対向電極、光電極および色素増感型太陽電池を作製した。その際、ガラス板に基材を置き、塗布後に基材をガラス板から剥離するまでに要した時間は5分であった。そして、実施例1と同様にして各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。
光電極の作製において、2mmのガラス板に基材を両面テープで固定し、スクリーン印刷法に替えて、バーコーター(テスター産業株式会社製、「PI−1210」)を用いて、バーコーター法により酸化チタンペーストを塗布し、その後、ガラス板から基材を剥がした以外は実施例2と同様にして、対向電極、光電極および色素増感型太陽電池を製造した。その際、ガラス板に基材を置き、塗布後に基材をガラス板から剥離するまでに要した時間は5分であった。そして、実施例2と同様にして各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。
対向電極および光電極それぞれの作製において、エキシマUV装置にN2ガスを導入し、キセノンエキシマランプ照射位置のO2濃度を5%にした。そして、エキシマUV処理時のテーブルの搬送速度を15m/minに変更してキセノンエキシマランプ下を1回通過させてエキシマUV処理を行ったこと以外は実施例1と同様にして、対向電極、光電極および色素増感型太陽電池を製造した。その際、基材をセットしてから、エキシマUV処理後に基材を取り出すまでに要した時間は1分であった。そして、実施例1と同様にして各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。
対向電極および光電極それぞれの作製において、エキシマUV処理に替えて、UVオゾン装置(株式会社テクノビジョン社製、「UV−208」)を用いてUVオゾン処理を基材のITO面に対して1.5分間行った以外は実施例1と同様にして、対向電極、光電極および色素増感型太陽電池を製造した。その際、基材をセットしてから、UVオゾン処理後に基材を取り出すまでに要した時間は2分であった。そして、実施例1と同様にして各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。
対向電極および光電極それぞれの作製において、UVオゾン処理時間を3.5分間に替えた以外は比較例1と同様にして、対向電極、光電極および色素増感型太陽電池を製造した。その際、基材をセットしてから、UVオゾン処理後に基材を取り出すまでに要した時間は4分であった。そして、比較例1と同様にして各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。
対向電極および光電極のそれぞれの作製において、エキシマUV処理に替えて、UVオゾン装置(株式会社テクノビジョン社製、「UV−208」)を用いて、基材のITO面に対して2分間UVオゾン処理を行った以外は実施例4と同様にして、対向電極、光電極および色素増感型太陽電池を製造した。そして、実施例4と同様にして各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。
対向電極および光電極それぞれの作製において、UVオゾン処理に替えて、コロナ処理装置(春日電機社製、「KT1403W−23」)を用いてコロナ処理を行った。その際、コロナ処理は0.07kWで行い、コロナの照射距離は5mm、基材の搬送速度は10m/minとし、1回の処理とした。それ以外は比較例1と同様にして対向電極、光電極および色素増感型太陽電池を作製した。その際、基材をセットしてから、コロナ処理後に基材を取り出すまでに要した時間は1分であった。そして、比較例1と同様にして各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。
これに対して、比較例1〜3より、基材をUVオゾン処理によって処理すると、当該基材に対して導電性ペーストを効率良く塗布することができず、結果として、基材に対する導電膜の密着性は低下することが分かる。また、基材に対する密着性が低下した導電膜を備えた電極を用いると、変換効率に優れた色素増感型太陽電池を作製できないことが分かる。
また、表1の比較例4より、基材をコロナ処理によって処理すると、当該基材へのダメージが大きく、シート抵抗値の上昇が見られることが分かる。
また、本発明によれば、本発明の製造方法により得られた導電膜を用いた色素増感型太陽電池用対向電極の製造方法、色素増感型太陽電池用光電極の製造方法、および配線の製造方法を提供することができる。
Claims (13)
- 基材の表面に対してエキシマUV処理を行った後に、前記エキシマUV処理された前記基材の前記表面に導電性ペーストを塗布する工程を含む、導電膜の製造方法。
- 前記エキシマUV処理において、N2ガスを導入しながらエキシマUV光を照射する、請求項1に記載の導電膜の製造方法。
- 前記基材の表面の酸素濃度が15%以下となるように前記N2ガスを導入する、請求項2に記載の導電膜の製造方法。
- 前記基材が、支持体と、前記支持体上に形成され、且つ、前記導電性ペーストが塗布される導電層とを備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。
- 前記導電性ペーストをスクリーン印刷法により塗布する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。
- 前記導電性ペーストが水系のペーストである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。
- 前記導電性ペーストが、導電性炭素材料、金属酸化物および金属からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により形成された導電膜を用いて色素増感型太陽電池用対向電極を形成する工程を含む、色素増感型太陽電池用対向電極の製造方法。
- 前記導電性ペーストがカーボンナノチューブを含む、請求項8に記載の色素増感型太陽電池用対向電極の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により形成された導電膜を用いて色素増感型太陽電池用光電極を形成する工程を含む、色素増感型太陽電池用光電極の製造方法。
- 前記導電性ペーストが酸化チタンを含む、請求項10に記載の色素増感型太陽電池用光電極の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により形成された導電膜を用いて配線を形成する工程を含む、配線の製造方法。
- 前記導電性ペーストが銀を含む、請求項12に記載の配線の製造方法。
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JP2014130827A (ja) * | 2008-05-20 | 2014-07-10 | Dainippon Printing Co Ltd | 導電性パターンの形成方法とその形成装置並びに導電性基板 |
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JP2014130827A (ja) * | 2008-05-20 | 2014-07-10 | Dainippon Printing Co Ltd | 導電性パターンの形成方法とその形成装置並びに導電性基板 |
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