JP2020104314A - タイヤ用ゴム部材の成形装置及び成形方法、並びに、タイヤの製造方法 - Google Patents

タイヤ用ゴム部材の成形装置及び成形方法、並びに、タイヤの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高品質なタイヤの安定製造に貢献できる、ゴム部材の成形装置を提供する。【解決手段】この成形装置2は、未加硫ゴムGを圧延してストリップSを成形するカレンダー機6と、ストリップSの裏面を内側にしてこのストリップSが巻かれるドラム36とを備える。カレンダー機6は第一ロール18a及び第二ロール18bを備える。第一ロール18aはストリップSの表面を成形する第一成形面を備え、第二ロール18bはストリップSの裏面を成形する第二成形面を備える。ドラム36は、ストリップSの裏面が積層される外周面42を構成する複数のセグメント50を備える。ストリップSの裏面が接触するセグメント50の外面60の表面粗さは、第二成形面の表面粗さと同等である、又は、この第二成形面の表面粗さよりも大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤ用ゴム部材の成形装置及び成形方法、並びに、タイヤの製造方法に関する。
タイヤの製造では、未加硫状態のタイヤ、すなわちローカバーが準備される。この炉カーバーは、多数のゴム部材を組み合わせて構成される。これらゴム部材の成形方法の一つとして、ストリップワインド工法が知られている。この工法では、例えば、未加硫ゴムを圧延してテープ状のストリップが成形される。このストリップを螺旋状に巻き重ねてゴム部材が成形される。
ストリップワインド工法では、未加硫ゴムを圧延してストリップを成形するために、カレンダー機が用いられる。このカレンダー機は、少なくとも2本のロールを備える。一方のロールと他方のロールとの間に設けられる間隙を、未加硫ゴムは通過する。これにより、未加硫ゴムが圧延され、ストリップが得られる。
このストリップワインド工法では、ストリップを螺旋状に巻き重ねてゴム部材を成形するために、ドラム成形機が用いられる。このドラム成形機は、ドラムを備える。ストリップは、このドラムに巻かれる。
高品質なタイヤを安定に製造するために、ゴム部材の成形方法及び成形装置について、様々な検討が行われている。例えば、下記の特許文献1では、カレンダー機に設けられるロールの表面粗さが検討されている。
特開2018−39127号公報
ドラム成形機のドラムは、複数のセグメントを備える。ドラムでは、これらセグメントが周方向に並べられ、ストリップが巻かれる外周面が構成される。
タイヤの製造では、例えば、インナーライナー、チェーファー及びカーカスを含む筒状の部材をドラム上に構成した後、ビードと組み合わされる。この組み合わせのとき、セグメントが径方向外向きに動かされ、ドラムが拡径される。
ストリップは、セグメントに積層される。ドラムが拡径すると、セグメント間の間隔が拡がる。このとき、ストリップがセグメントと密着していると、セグメント間に位置するストリップが局所的に引き延ばされることが懸念される。この場合、ドラム上に構成された筒状部材には、厚い部分と薄い部分とが周方向に交互に形成される。周方向の厚さの変動は、タイヤのユニフォミティに影響する。
例えば、カーカスは並列した多数のコードを含む。前述したようにストリップが局所的に引き延ばされた場合、この引き延ばされた部分において、コードの間隔が拡がる恐れがある。この場合、筒状部材に含まれるカーカスには、コードの間隔が広い部分と狭い部分とが周方向に交互に形成される。周方向のコード間隔の変動は、タイヤのユニフォミティに影響する。
高品質なタイヤを安定に製造するために、ドラム拡径時に、筒状部材全体を一様に引き延ばすことができる技術の確立が求められている。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、高品質なタイヤの安定製造に貢献できる、ゴム部材の成形装置及び成形方法を提供するとともに、高品質なタイヤを安定に製造できる、タイヤの製造方法を提供することを目的としている。
本発明に係るタイヤ用ゴム部材の成形装置は、
未加硫ゴムを圧延してストリップを成形するカレンダー機と、
前記ストリップの裏面を内側にして当該ストリップが巻かれるドラムと
を備える。前記カレンダー機は、回転可能に支持された第一ロール及び第二ロールを備える。前記第一ロールは前記ストリップの表面を成形する第一成形面を備え、前記第二ロールは当該ストリップの裏面を成形する第二成形面を備える。前記ドラムは、前記ストリップの裏面が積層される外周面を構成する複数のセグメントと、これらセグメントを径方向に動かして、当該ドラムの外径をコントロールする移動手段とを備える。前記ストリップの裏面が接触するセグメントの外面の表面粗さは、前記第二成形面の表面粗さと同等である、又は、当該第二成形面の表面粗さよりも大きい。
好ましくは、このタイヤ用ゴム部材の成形装置では、前記第二成形面の表面粗さは5μm以上30μm以下である。
好ましくは、このタイヤ用ゴム部材の成形装置では、前記第二成形面の表面粗さに対する前記セグメントの外面の表面粗さの比は1.0以上1.5以下である。
他の観点によれば、本発明に係るゴム部材の成形方法は、前述の成形装置を用いて、タイヤ用ゴム部材を成形する成形方法である。この成形方法は、
・前記カレンダー機において未加硫ゴムを圧延してストリップを成形する工程、及び
・前記ストリップの裏面を内側にして当該ストリップを前記ドラムに巻く工程
を含む。
さらに他の観点によれば、本発明に係るタイヤの製造方法は、前述の成形方法で成形したゴム部材を用いて、タイヤを製造する製造方法である。この製造方法は、
・前記ゴム部材を含むローカバーを成形する工程、及び
・前記ローカバーを加圧及び加熱する工程
を含む。
本発明では、第二ロールの第二成形面で成形された、ストリップの裏面が、セグメントの外面に載せられる。このセグメントの外面の表面粗さは、第二ロールの第二成形面の表面粗さと同等である、又は、この第二成形面の表面粗さよりも大きい。このため、セグメントに積層されたストリップの、このセグメントとの密着が抑えられる。ドラムが拡径し、セグメント間の間隔が拡がっても、セグメントに対してストリップが滑るので、このドラムに巻かれたストリップは一様に引き延ばされる。本発明では、周方向の厚さの変動が抑えられたゴム部材が得られる。本発明によれば、高品質なタイヤの安定製造に貢献できる、ゴム部材の成形装置及び成形方法が得られるとともに、高品質なタイヤを安定に製造できる、タイヤの製造方法が得られる。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ用ゴム部材の成形装置の一例を概略的に示す説明図である。 図2は、図1の成形装置に設けられるカレンダー機の一例を概略的に示す説明図である。 図3は、図1の成形装置に設けられるドラム成形機の一例を概略的に示す説明図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて、本発明が詳細に説明される。
本発明の一実施形態に係る成形装置は、未加硫ゴムを圧延してテープ状のストリップを成形し、このストリップを螺旋状に巻き重ねてタイヤ用ゴム部材を成形する。
タイヤ用ゴム部材とは、トレッド、サイドウォール等のタイヤの構成部材を得るために準備される、未加硫ゴムを含む部材である。なお、タイヤの構成部材は、ゴム部材を加硫することにより得られる。タイヤの構成部材は、ゴム部材の架橋体である。
未加硫ゴムとは、未加硫状態のゴム組成物である。この未加硫ゴムは、バンバリーミキサー等の混錬機において、基材ゴム及び薬品を混合することにより得られる。未加硫ゴムは、基材ゴム及び薬品を含む。
基材ゴムとしては、タイヤの構成部材に適用されるゴム成分であれば、特に制限はない。この基材ゴムとして用いることができるゴム成分としては、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)及びブチルゴム(IIR)が例示される。基材ゴムは、単独のゴム成分で構成されてもよく、2種以上のゴム成分で構成されてもよい。
薬品としては、タイヤの構成部材に適用される薬品であれば、特に制限はない。この薬品としては、シリカ及びカーボンブラックのような補強剤、アロマチックオイル等のような可塑剤、酸化亜鉛等のような充填剤、ステアリン酸のような滑剤、老化防止剤、加工助剤、硫黄、加硫促進剤等が挙げられる。これら薬品の選定、選定した薬品の含有量等は、タイヤの構成部材の仕様に応じて、適宜決められる。
図1は、タイヤ用ゴム部材を成形するための成形装置2の一例を示す。この成形装置2は、押し出し機4、カレンダー機6、搬送機8及びドラム成形機10を備える。
押し出し機4は、未加硫ゴムGをテープ状に成形する。この押し出し機4は、シリンダー12、スクリュー14及び口金16を有する。
この押し出し機4では、シリンダー12内に未加硫ゴムGが投入される。図示されない駆動手段によりスクリュー14を回転させながら、未加硫ゴムGが口金16を通じて押し出される。図示されないが、口金16は吐出口を備える。口金16に到達した未加硫ゴムGは、この吐出口から排出される。これにより、未加硫ゴムGがテープ状に成形される。
この成形装置2では、未加硫ゴムGをテープ状に成形できれば押し出し機4に特に制限はない。タイヤの製造において一般的に用いられる押し出し機が、この成形装置2の押し出し機4として用いられる。
この成形装置2では、押し出し機4においてテープ状に成形された未加硫ゴムGはカレンダー機6に供給される。
カレンダー機6は、未加硫ゴムGを圧延してストリップSを成形する。このカレンダー機6は、回転可能に支持された、少なくとも2本のロール18を備える。この成形装置2のカレンダー機6は、2本のロール18、すなわち、第一ロール18a及び第二ロール18bを備える。第一ロール18a及び第二ロール18bは、第一ロール18aの回転軸20aと第二ロール18bの回転軸20bとが互いに平行になるように配置される。このカレンダー機6では、第一ロール18aは第二ロール18bの直上に配置される。
図2には、カレンダー機6の第一ロール18a及び第二ロール18bが示される。このカレンダー機6では、図示されない位置調整手段により、第二ロール18bに対する第一ロール18aの位置が調整される。これにより、第一ロール18aと第二ロール18bとの間に設けられる間隙22の大きさがコントロールされる。
図2(a)に示されるように、このカレンダー機6は押し出し機4の前方にセットされる。押し出し機4にて成形されたテープ状の未加硫ゴムGはそのまま、第一ロール18aと第二ロール18bとの間に設けられた間隙22に通される。これにより、未加硫ゴムGが圧延され、ストリップSが成形される。
このカレンダー機6では、第一ロール18aの外周面24aには、テープ状に成形された未加硫ゴムGの表面が押し当てられる。これにより、ストリップSの表面が成形される。この第一ロール18aの外周面24aは、ストリップSの表面を成形する成形面である。この第一ロール18aは、ストリップSの表面を成形する第一成形面24aを有する。
図2(b)に示されるように、このカレンダー機6では、第一ロール18aの第一成形面24aには溝26が設けられる。この溝26は、第一ロール18aの周方向に延びる。この第一成形面24aにおいて、溝26の両側は基準面28と称される。この第一成形面24aは、溝26と、この第一ロール18aの軸方向において、この溝26の外側に位置する一対の基準面28とで構成される。この第一成形面24aでは、第一ロール18aの径方向において、溝26の底30は基準面28の内側に位置する。このカレンダー機6では、第一成形面24aに溝26が設けられたが、この第一成形面24aに溝26は設けられなくてもよい。
このカレンダー機6では、第二ロール18bの外周面24bには、テープ状に成形された未加硫ゴムGの裏面が押し当てられる。これにより、ストリップSの裏面が成形される。この第二ロール18bの外周面24bは、ストリップSの裏面を成形する成形面である。この第二ロール18bは、ストリップSの裏面を成形する第二成形面24bを有する。
図2(b)に示されるように、このカレンダー機6では、第二ロール18bの第二成形面24bには溝は設けられていない。このカレンダー機6では、前述の第一成形面24aのように、この第二成形面24bに溝が設けられてもよい。
このカレンダー機6では、第一成形面24aの溝26と第二成形面24bとの間の間隙22により、ストリップSの本体Mが成形される。第一成形面24aの基準面28と第二成形面24bとの間の間隙22により、ストリップSの耳部Eが成形される。この成形装置2では、カレンダー機6において得られるストリップSの裏面側の部分に、このストリップSの幅方向において、本体Mから外向きに突出する耳部Eが構成される。このカレンダー機6によれば、本体Mの両側に耳部Eは設けられる。
この成形装置2では、カレンダー機6において成形されたストリップSは搬送機8に供給される。
図1に示されるように、搬送機8は、カレンダー機6とドラム成形機10との間に位置する。搬送機8は、ストリップSをドラム成形機10に搬送する。この搬送機8は、フェスツーンとも称される。
搬送機8は、ストリップSを蛇行させるための上ローラ32u及び下ローラ32sを備える。この搬送機8は、上ローラ32uと下ローラ32sとの間の距離を変更することにより、搬送機8を通過するストリップSの長さを調整できる。これにより、ストリップSのたるみが吸収され、ストリップSの成形と、後述するゴム部材の成形とが安定に行われる。
図示されないが、この搬送機8では、長尺の搬送ベルトによって、カレンダー機6からドラム成形機10に向かってストリップSは搬送される。この搬送機8においては、ストリップSの裏面が搬送ベルトに載せられる。ストリップSの裏面は、上ローラ32u等の部材と直接的でなく間接的に接触する。
ドラム成形機10は、コンベヤ部34と、ドラム36とを備える。コンベヤ部34は、コンベヤベルト38と、一対のコンベヤローラ40とを備える。一対のコンベヤローラ40は、コンベヤ部34の前後に間隔をあけて配置される。コンベヤベルト38は、コンベヤローラ40に巻き掛けられる。コンベヤローラ40は、回転可能に支持される。一対のコンベヤローラ40のうち、一方のコンベヤローラ40が、図示されない駆動手段により回転させられる。これにより、コンベヤベルト38が周回する。
このドラム成形機10では、前述の搬送機8によって搬送されてきたストリップSはコンベヤベルト38に載せられる。コンベヤローラ40によってコンベヤベルト38が周回させられ、ストリップSがドラム36に供給される。
このドラム成形機10では、ドラム36は回転可能に支持される。図示されない駆動手段によりドラム36を回転させながら、ストリップSは、その裏面を内側にしてこのドラム36の外周面42に巻かれる。
このドラム成形機10では、コンベヤ部34から送り出されたストリップSがドラム36に載せられる位置に、押し付けローラ44が設けられる。このドラム成形機10では、押し付けローラ44によってストリップSはドラム36に向けて押し付けられる。
このドラム成形機10では、コンベヤローラ40の回転軸46は、このドラム36の回転軸48と互いに平行関係になるように配置される。詳述しないが、コンベヤ部34は、図示されない移動手段により、ドラム36の軸方向に往復移動させられる。
このドラム成形機10では、コンベヤ部34を軸方向に移動させながらストリップSはドラム36に巻かれる。これにより、ストリップSは螺旋状に巻き重ねられ、筒状のゴム部材が成形される。
このドラム成形機10のドラム36は、複数のセグメント50を備える。図1に示されるように、これらセグメント50は、周方向に並べられ、ドラム36の外周面42を構成する。
このドラム成形機10では、図3に示されるように、ドラム36はセグメント50を径方向に動かす移動手段52を備える。移動手段52によってセグメント50が径方向に動かされることにより、ドラム36の外径がコントロールされる。
このドラム成形機10では、周方向に並ぶ複数のセグメント50を径方向に動かしてドラム36の外径をコントロールできれば、移動手段52に特に制限はない。図3には、ドラム成形機10に設けられる移動手段52の一例が示される。
このドラム成形機10では、移動手段52は、ハブ54と、このハブ54から放射状に延びる複数のアーム56とを備える。これらアーム56は、径方向に伸縮可能である。
このドラム成形機10では、図3(b)に示されるようにアーム56が伸びることにより、セグメント50は径方向外向きに動かされる。これにより、ドラム36の外径が拡径される。拡径されたドラム36においては、一のセグメント50と、この一のセグメント50の隣に位置する他のセグメント50との間隔58が拡がる。
このドラム成形機10では、図3(a)に示されるように、アーム56が縮むことにより、セグメント50は径方向内向きに動かされる。これにより、ドラム36の外径が縮径される。縮径されたドラム36においては、セグメント50間の間隔58は狭まる。
タイヤの製造では、例えば、インナーライナー、チェーファー及びカーカスを含む筒状のゴム部材(以下、筒状部材Tとも称される。)をドラム36上に構成した後、この筒状部材Tに、ビード(図示されず)が組み合わされる。この組み合わせのとき、セグメント50が径方向外向きに動かされ、ドラム36が拡径される。この組み合わせが完了すると、この筒状部材Tは他の成形機に供給される。この供給のとき、セグメント50が径方向内向きに動かされ、ドラム36が縮径される。これにより、筒状部材Tがドラム36から解放される。
この成形装置2では、ストリップSはドラム36の外周面42に積層される。前述したように、ドラム36の外周面42は、周方向に並ぶ複数のセグメント50により構成される。ストリップSの裏面は、このセグメント50の外面60と接触する。このため、ストリップSの裏面がセグメント50の外面60と密着した場合には、ドラム36を拡径しセグメント50間の間隔58が拡がると、セグメント50間に位置するストリップSが局所的に引き延ばされることが懸念される。この場合、ドラム36上に構成される筒状部材Tには、厚い部分と薄い部分とが周方向に交互に形成される。周方向の厚さの変動は、タイヤのユニフォミティに影響する。
この成形装置2では、前述したように、第二ロール18bの第二成形面24bで成形された、ストリップSの裏面はセグメント50の外面60に載せられる。この成形装置2では、このセグメント50の外面60の表面粗さは、第二ロール18bの第二成形面24bの表面粗さと同等である、又は、この第二成形面24bの表面粗さよりも大きい。このため、セグメント50に積層されたストリップSの、このセグメント50との密着が抑えられる。ドラム36が拡径し、セグメント50間の間隔58が拡がっても、セグメント50に対してストリップSが滑るので、このドラム36に巻かれたストリップSは一様に引き延ばされる。この成形装置2では、周方向の厚さの変動が抑えられたゴム部材が得られる。この成形装置2は、高品質なタイヤの安定製造に貢献できる。
前述の表面粗さは、JIS B0601:2013で規定される「十点平均粗さ(RzJIS)」を用いて表される。
この成形装置2では、セグメント50の外面60の表面粗さは5μm以上が好ましく、30μ以下が好ましい。
セグメント50の外面60の表面粗さが5μm以上に設定されることにより、セグメント50の外面60へのストリップSの密着が抑えられる。ドラム36拡径時において、ストリップSがセグメント50に対して滑るので、周方向の厚さの変動が抑えられたゴム部材が得られる。この観点から、この表面粗さは10μm以上がより好ましい。
セグメント50の外面60の表面粗さが30μm以下に設定されることにより、ストリップSのセグメント50に対する滑りが抑えられる。ストリップSをドラム36に巻く際に、ストリップSがこのドラム36から滑り落ちることが防止されるので、ストリップSはドラム36に確実に巻かれる。この観点から、この表面粗さは20μm以下がより好ましい。
この成形装置2では、第二ロール18bの第二成形面24bの表面粗さは5μm以上が好ましく、30μ以下が好ましい。
第二ロール18bの第二成形面24bの表面粗さが5μm以上に設定されることにより、第二成形面24bへの未加硫ゴムGの密着が抑えられる。第二成形面24bにより成形されるストリップSの裏面が、この第二成形面24bから容易に剥がれる。この観点から、この表面粗さは10μm以上がより好ましい。
第二ロール18bの第二成形面24bの表面粗さが30μm以下に設定されることにより、第二成形面24bに対する未加硫ゴムGの滑りが効果的に抑えられる。未加硫ゴムGが第二成形面24bに効果的に密着するので、適正な形状を有するストリップSが成形される。この観点から、この表面粗さは20μm以下がより好ましい。
この成形装置2では、第二成形面24bの表面粗さに対するセグメント50の外面60の表面粗さの比は、1.0以上が好ましく、1.5以下が好ましい。
第二成形面24bの表面粗さに対するセグメント50の外面60の表面粗さの比が1.0以上に設定されることにより、セグメント50の外面60へのストリップSの密着が効果的に抑えられる。ドラム36拡径時において、ストリップSがセグメント50に対して効果的に滑るので、周方向の厚さの変動が抑えられたゴム部材が得られる。この観点から、この比は1.1以上がより好ましく、1.2以上がさらに好ましい。
第二成形面24bの表面粗さに対するセグメント50の外面60の表面粗さの比が1.5以下に設定されることにより、ストリップSのセグメント50に対する滑りが効果的に抑えられる。ストリップSをドラム36に巻く際に、ストリップSがこのドラム36から滑り落ちることが防止されるので、ストリップSはドラム36により確実に巻かれる。この観点から、この比は1.4以下がより好ましく、1.3以下がさらに好ましい。
この成形装置2では、第一ロール18aの第一成形面24aの一部をなす溝26の底30の表面粗さは、0.2μm以上が好ましく、5.0μm以下が好ましい。この第一成形面24aの他の一部をなす基準面28の表面粗さは、5.0μm以上が好ましく、30μm以下が好ましい。この基準面28の表面粗さと溝26の底30の表面粗さとの差は、2.0μm以上が好ましく、7.0μm以上がより好ましい。なお、溝26の底30と基準面28との間の部分、すなわち溝26の壁の表面粗さは底30の表面粗さと同等に設定される。
タイヤは、トレッド、サイドウォール等の多数の構成部材を含む。これら構成部材のためのゴム部材のうち、この成形装置2が適用されるのは、カレンダー機6においてストリップSを形成し、ドラム成形機10においてこのストリップSを巻き重ねることにより成形できるゴム部材である。このゴム部材としては、例えば、トレッド、サイドウォール、チェーファー及びインナーライナーが挙げられる。
本発明の他の観点による、一実施形態に係るタイヤ用ゴム部材の成形方法では、前述の成形装置2が用いられる。この成形方法は、
・カレンダー機6において未加硫ゴムGを圧延してストリップSを成形する工程、及び
・ストリップSの裏面を内側にしてこのストリップSをドラム36に巻く工程
を含む。
この成形方法においても、第二ロール18bの第二成形面24bで成形された、ストリップSの裏面はセグメント50の外面60に載せられる。このセグメント50の外面60の表面粗さは、第二ロール18bの第二成形面24bの表面粗さと同等である、又は、この第二成形面24bの表面粗さよりも大きいので、セグメント50に積層されたストリップSの、このセグメント50との密着が抑えられる。ドラム36が拡径し、セグメント50間の間隔58が拡がっても、セグメント50に対してストリップSが滑るので、このドラム36に巻かれたストリップSは一様に引き延ばされる。この成形方法では、周方向の厚さの変動が抑えられたゴム部材が得られる。この成形方法は、高品質なタイヤの安定製造に貢献できる。
本発明のさらに他の観点による、一実施形態に係るタイヤの製造方法では、前述の成形方法で成形されるゴム部材が用いられる。このタイヤの製造方法は、
・成形装置2において成形したゴム部材を含むローカバーを成形する工程、及び
・ローカバーを加圧及び加熱する工程
を含む。
この製造方法では、ローカバー成形工程においては、例えば、図1に示された成形装置2を用いて、インナーライナーのための未加硫ゴムGからなるストリップSを巻き重ねて、インナーライナーのためのゴム部材が成形される。このゴム部材に、チェーファーのためのゴム部材及びカーカスのためのゴム部材を組み合わせて、筒状部材Tが構成される。
このローカバー成形工程においてはさらに、筒状部材Tの両端の部分に、ビードのためのリング状のゴム部材が嵌め合わされる。成形装置2のドラム36が拡径されるとともに筒状部材Tの端部が折り返されて、ビードのためのゴム部材が筒状部材Tと組み合わされる。サイドウォールのためのゴム部材、ベルトのためのゴム部材等がさらに組み合わされ、インナーライナーのためのゴム部材を含む、ローカバーが得られる。
ローカバーの加圧及び加熱工程において、ローカバーはモールド(図示されず)に投入される。ローカバーはモールド内で加圧及び加熱され、ローカバーに含まれるゴム組成物が架橋反応を起こす。これにより、タイヤが得られる。
この製造方法においても、ローカバー成形工程においてインナーライナーのためのゴム部材を成形する際に、第二ロール18bの第二成形面24bで成形されたストリップSの裏面がセグメント50の外面60に載せられる。このセグメント50の外面60の表面粗さは、第二ロール18bの第二成形面24bの表面粗さと同等である、又は、この第二成形面24bの表面粗さよりも大きいので、セグメント50に積層されたストリップSの、このセグメント50との密着が抑えられる。ドラム36が拡径し、セグメント50間の間隔58が拡がっても、セグメント50に対してストリップSが滑るので、このドラム36に巻かれたストリップSは一様に引き延ばされる。この製造方法では、周方向の厚さの変動が抑えられた筒状部材Tを含むローカバーが得られる。この製造方法は、高品質なタイヤを安定に製造できる。
以上説明したように、本発明によれば、高品質なタイヤの安定製造に貢献できる、タイヤ用ゴム部材の成形装置及び成形方法が得られるとともに、高品質なタイヤを安定に製造できる、タイヤの製造方法が得られる。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は前述の実施形態に限定されるものではなく、この技術的範囲には特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
以下、実施例などにより、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示された成形装置を用いてゴム部材を成形し、このゴム部材を含むローカバーを準備した。このローカバーを加圧及び加熱して、タイヤ(サイズ=235/40R19)を製造した。
実施例1では、カレンダー機において、インナーライナーのための未加硫ゴムを圧延してストリップが成形された。ドラム成形機において、このストリップが螺旋状に巻き重ねられて、インナーライナーのためのゴム部材が成形された、このゴム部材に、チェーファー及びカーカスのためのゴム部材が組み合わされ、筒状部材が構成された。このドラム成形機では、ドラムの外周面を構成するセグメントの数は12に設定された。
この実施例1ではさらに、筒状部材の両端の部分に、ビードのためのリング状のゴム部材が嵌め合わされた。ドラムが拡径されるとともに筒状部材の端部が折り返されて、ビードのためのゴム部材が筒状部材と組み合わされた。サイドウォール、ベルト、トレッド等のゴム部材がさらに組み合わされ、インナーライナーのためのゴム部材を含む、ローカバーが準備された。
この実施例1では、第二ロールの第二成形面の表面粗さRCは5.0μmに設定された。セグメントの外面の表面粗さRDは、5.0μmに設定された。したがって、第二成形面の表面粗さRCに対するセグメントの外面の表面粗さRDの比(RD/RC)は1.0であった。表面粗さは、キーエンス社製の表面粗さ計測器(商品名:LT−9000)を用いて計測された。
この実施例1では、第一ロールの第一成形面のうち、基準面の表面粗さは、10μmに設定された。溝の表面粗さは、2.5μmに設定された。
[実施例2−7及び比較例1−2]
実施例2−7及び比較例1−2では、第二ロールの第二成形面の表面粗さRC及びセグメントの外面の表面粗さRDを変えて比(RD/RC)を下記の表1に示された通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを製造した。
[タイヤのユニフォミティ]
タイヤユニフォミティー試験機を用い、「JASO C607:2000」に規定されたユニフォミティ試験方法に準拠して、タイヤのラジアルフォースバリエーション(RFV)を計測した。RFVの12次成分に関する、100本のタイヤの測定結果に基づいて、平均値を得た。その結果が、下記の表1に指数で表される。数値が小さいほどユニフォミティに優れ好ましいことを示す。
[成形性]
ゴム部材の成形性について、下記の格付けに基づいて評価を行った。その結果が、下記の表1に示される。
A・・・トラブルの発生はなく、連続生産が可能である。
B・・・ストリップがドラムに対して滑ることがあるものの、連続生産が可能である。
なお、第二ロールの第二成形面の表面粗さRCを50μmに設定し、セグメントの外面の表面粗さRDを50μmに設定した場合、ストリップがドラムに巻き付かず、ゴム部材の成形が困難であることが確認されている。
表1に示されるように、実施例では、高品質なタイヤが安定に製造されていることが確認される。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された高品質なタイヤを安定に製造するための技術は、種々な用途のタイヤに適用できる。
2 成形装置
4 押し出し機
6 カレンダー機
10 ドラム成形機
18 ロール
18a 第一ロール
18b 第二ロール
24a 第一ロール18aの外周面(第一成形面)
24b 第二ロール18bの外周面(第二成形面)
36 ドラム
42 ドラム36の外周面
48 ドラム36の回転軸
50 セグメント
52 移動手段
58 間隔
60 セグメント50の外面

Claims (5)

  1. 未加硫ゴムを圧延してストリップを成形するカレンダー機と、
    前記ストリップの裏面を内側にして当該ストリップが巻かれるドラムと
    を備え、
    前記カレンダー機が、回転可能に支持された第一ロール及び第二ロールを備え、
    前記第一ロールが前記ストリップの表面を成形する第一成形面を備え、前記第二ロールが当該ストリップの裏面を成形する第二成形面を備え、
    前記ドラムが、前記ストリップの裏面が積層される外周面を構成する複数のセグメントと、これらセグメントを径方向に動かして、当該ドラムの外径をコントロールする移動手段とを備え、
    前記ストリップの裏面が接触するセグメントの外面の表面粗さが、前記第二成形面の表面粗さと同等である、又は、当該第二成形面の表面粗さよりも大きい、タイヤ用ゴム部材の成形装置。
  2. 前記第二成形面の表面粗さが5μm以上30μm以下である、請求項1に記載のタイヤ用ゴム部材の成形装置。
  3. 前記第二成形面の表面粗さに対する前記セグメントの外面の表面粗さの比が1.0以上1.5以下である、請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム部材の成形装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の成形装置を用いて、タイヤ用ゴム部材を成形する成形方法であって、
    前記カレンダー機において未加硫ゴムを圧延してストリップを成形する工程と、
    前記ストリップの裏面を内側にして当該ストリップを前記ドラムに巻く工程と
    を含む、タイヤ用ゴム部材の成形方法。
  5. 請求項4に記載の成形方法で成形したゴム部材を用いて、タイヤを製造する製造方法であって、
    前記ゴム部材を含むローカバーを成形する工程と、
    前記ローカバーを加圧及び加熱する工程と
    を含む、タイヤの製造方法。
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