JP2020104067A - 中空糸膜の洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】養液栽培にて使用されることにより、雑菌だけでなく肥料などの有機物も多く含まれる養液の排液を濾過した中空糸膜に対しても、中空糸膜の濾過能力の低下の原因となる目詰まりなどを解消することができる中空糸膜の洗浄方法を提供する。【解決手段】養液栽培の排液を中空糸膜にて濾過する濾過装置1で実施される中空糸膜11の洗浄方法であって、前記排液と当接する前記中空糸膜における原水側を前記排液にて濾過時より多い流量で掛け流すフラッシング工程と、25〜45℃に加温された洗浄液を0.1〜1.0MPaにて前記濾過装置に送液する加温加圧含浸工程と、前記洗浄液を0.1〜1.0MPaに保って静置する漬け置き工程と、25〜45℃に加温された前記洗浄液を前記濾過装置に循環するように送液する循環工程とを備える中空糸膜の洗浄方法。【選択図】図1

Description

本発明は、養液による農作物の栽培から排出された排液を再度栽培に利用するために精製するときに使用される中空糸膜の洗浄方法に関する。
従来、養液栽培にて養液を循環して使用するためには、使用後の養液中には雑菌等が繁殖しており、農作物の病害対策のためにこれら雑菌等を除去する必要がある。また、使用後の養液中には、肥料など有機物が多く存在するために、紫外線照射や銀イオンを添加によっても十分な除菌効果が上がらず、中空糸膜を用いた濾過装置による除菌が考えられている。しかしながら、中空糸膜は長期の使用により目詰まりが発生することが知られており、特に養液栽培に使用後の排液中には、上記のように雑菌だけでなく肥料などの有機物も多く含まれるために、より目詰まりしやすい状況にあった。
一般的に、中空糸膜の洗浄には、透過水側から原水側へ液体又は気体にて逆流させる逆流洗浄や、原水側の膜表面をフラッシングする方法などが知られている。
例えば、特許文献1には、水浄化システムにおける洗浄方法ではあるが、クエン酸及び洗剤を含有する混合水溶液を用いて、中空糸膜などの分離膜における原水側の表面をフラッシング、透過水側から原水側へ逆流洗浄の一方又は両方を行う洗浄方法が開示されている。
特開2007−869号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている洗浄方法は、河川水から浄化水を得るための分離膜で使用され、分離膜の原水側に付着した難水溶性物質を除去するためのものであるため、養液栽培にて使用されることにより、雑菌だけでなく肥料などの有機物も多く含まれる養液の排液を濾過した中空糸膜に対しては、十分な洗浄効果や除菌効果が得られず、逆流洗浄では、中空糸膜の孔が広がり、寿命が低下してしまうという課題があった。
そこで、本発明では、養液栽培にて使用されることにより、雑菌だけでなく肥料などの有機物も多く含まれる養液の排液を濾過した中空糸膜に対しても、中空糸膜の濾過能力の低下の原因となる目詰まりなどを解消することができる中空糸膜の洗浄方法を提供することを目的とする。
〔1〕すなわち、本発明における中空糸膜の洗浄方法は、養液栽培の排液を中空糸膜にて濾過する濾過装置で実施される中空糸膜の洗浄方法であって、前記排液と当接する前記中空糸膜における原水側を前記排液にて濾過時より多い流量で掛け流すフラッシング工程と、25〜45℃に加温された洗浄液を0.1〜1.0MPaにて前記濾過装置に送液する加温加圧含浸工程と、前記洗浄液を0.1〜1.0MPaに保って静置する漬け置き工程と、25〜45℃に加温された前記洗浄液を前記洗浄液が貯留されている洗浄液タンクと前記濾過装置との間を循環するように送液する循環工程とを備えることを特徴とする中空糸膜の洗浄方法である。
〔2〕そして、前記洗浄液が、アルカリ性洗浄液又は塩素系洗浄液であることを特徴とする前記〔1〕に記載の中空糸膜の洗浄方法である。
〔3〕そして、制御装置により、前記フラッシング工程と、前記加温加圧含浸工程と、前記循環工程と、前記漬け置き工程の制御が前記排液に応じて実施されることを特徴とする前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の中空糸膜の洗浄方法である。
以上、本発明によれば、養液栽培にて使用されることにより、雑菌だけでなく肥料などの有機物も多く含まれる養液の排液を濾過した中空糸膜に対しても、中空糸膜の濾過能力の低下の原因となる目詰まりなどを解消することができる。
本発明の洗浄方法を用いる装置の概要を示すブロック図である。 本発明の洗浄方法を実施するためのバルブの開閉等を示す図である。 本発明の洗浄方法等を用いた場合における中空糸膜の濾過量を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨が明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。また、数値範囲を示す記載は、上限と下限を含むものである。
図1には、養液栽培に用いられる装置等の概要図が示されており、図示しない養液培地で農作物を栽培した後に排出される排液を貯留する排液タンク3と、排液タンク3から送液された排液を濾過する濾過装置1と、濾過装置1にて濾過され再度養液培地へ供給するための濾液を貯留する濾過タンク4と、さらに、濾過装置1を洗浄するための洗浄液が貯留されている洗浄液タンク2を備えており、そして、それらの設備を接続するための配管及びそれらの配管を通液させる又は通液させないための弁SV1乃至SV9なども備えている。
(濾過装置)
濾過装置1は、農作物を栽培した後に排出される排液を濾過するための装置であって、内部に中空糸膜11が設けられており、実質的には中空糸膜11にて濾過が行われる。図1において、中空糸膜11が直列に2台配設されているが、他の実施形態において、中空糸膜11を1台としてもよいし、2台を並列に配設してもよいし、3台以上を直列又は並列に配設してもよい。
(中空糸膜)
中空糸膜11は、側面に微細な孔を複数有する細長い筒状の構造を有している。濾過装置1において、図1に示すように中空糸膜11が複数本並設され、モジュール化される。一般的には中空糸膜の外壁側を原水側として、内壁側に濾過水を透過する方式であるが、本発明で採用した中空糸膜は、中空糸膜11の内壁が原水側となり、養液の排液は、中空糸膜11の内側を通過し中空糸膜11を透過したものは濾過水となり、濾過されずに中空糸膜11から排出されるものは、濃縮水となる。
ここで、中空糸膜11の材料としては、ポリビニルアルコール系樹脂により親水化処理されたポリスルホン系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、親水性高分子が注入されたポリスルホン系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、酢酸セルロース系樹脂、親水化処理されたポリエチレン系樹脂などの親水性素材からなるものが、養液の排液に含有される有機物が付着しにくく剥離性に優れている点で好ましいが、他の素材で構成された中空糸膜を用いることもできる。例えば、ポリオレフィン系、ポリスルホン系、ポリエーテルスルホン系、酢酸セルロース系、ポリフッ化ビニリデン系、ポリパーフルオロエチレン系、ポリメタクリル酸エステル系、ポリエステル系、ポリアミド系などの有機高分子系の素材で構成された中空糸膜、セラミック系などの無機系の素材で構成された中空糸膜などを使用条件、所望する濾過性能などに応じて選択することができる。
有機高分子系の中空糸膜を使用する場合、中空糸膜の製造方法は特に限定されることはなく、素材の特性及び所望する中空糸膜性能に応じて、公知の方法から適宜選択した方法を選択することができる。一般的には、溶融紡糸法、湿式紡糸法、乾湿式紡糸法などが採用される。また、透水性の観点から中空糸膜は緻密層と支持層とを有する傾斜構造を持つことが好ましいが、一般に溶融紡糸法により製造される中空糸は対称構造となることから、乾湿式紡糸法などの相転換法により製造することが好ましい。
本実施形態で使用される中空糸膜11の孔径は特に限定されないが、0.001〜5ミクロンの範囲内であることが、高い透水性を有し、濾過効率が低下するおそれが小さいことから好ましい。なお、ここでいう孔径とは、コロイダルシリカなどの粒子径が既知の各種基準物質を中空糸膜11で濾過した際に、その90%が排除される基準物質の粒子径をいう。孔径は均一であることが好ましい。
(洗浄液タンク)
洗浄液タンク2は、中空糸膜11を洗浄するための洗浄液を貯留するためのタンクである。図1に示すように、洗浄液タンク2に貯留されている洗浄液は、送液ポンプP2にて濾過装置1へ送液される。洗浄液タンク2の下部には、ヒーターHが備えられており、洗浄液タンク2に貯留されている洗浄液を所定の温度に加温することができる。ヒーターHの制御については、ヒーターHに接続されている温度調節装置Cが、図示しない制御装置に接続されており、洗浄の種類に応じて作動して洗浄液を、ヒーターH加温したり加温しなかったり制御される。
また、洗浄液タンク2の内部には、液面センサーS1が洗浄液と接触可能に設けられており、洗浄液タンク2に貯留が所定量よりも多くなったり少なくなったりしたときに、図示しない制御装置に通知することができる。
洗浄液タンク2は、薬剤タンク21と配管で接続されており、薬剤タンク21は、アルカリ性薬剤又は塩素系薬剤など洗浄するための薬剤原液が貯留されている。薬剤タンク21からアルカリ性薬剤又は塩素系薬剤などの薬剤が洗浄液タンク2へ供給されるとともに、給水装置WSから供給される水が、第二弁SV2、濾過装置1、各配管などを経由して、さらに、第四弁SV4又は第九弁SV9の少なくとも一方及び第八弁SV8、各配管を通過してそれら配管や濾過装置1を水洗して洗浄液タンク2に供給されることで、洗浄液タンク2内で薬剤を希釈してアルカリ性洗浄液又は塩素系洗浄液などが調整される。なお、アルカリ性洗浄液は、25℃でpHが9〜14のアルカリ性を示す洗浄液であり、塩素系洗浄液は、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素化合物が含有されている洗浄液である。
(排液タンク)
排液タンク3は、図示しない養液培地で農作物を栽培した後に排出される排液を貯留するタンクであり、その養液培地と配管にて接続されている。排液タンク3内の排液は、排液タンク3から送液ポンプP1により濾過装置1へ続く配管に排出される。その排出された排液は、フィルターF1、フィルターF2、フィルターF3を順番に通過して、排液に含まれている各種不純物を段階的に取り除く。具体的には、フィルターF1、フィルターF2、フィルターF3は、0.1〜100μmの範囲で順番に空隙が小さくなっており、排液に溶解しない径の大きい不純物から順に取り除かれる。フィルターF1、フィルターF2、フィルターF3は、それぞれ物理的に取替え可能であり、一定の期間使用することにより、圧力計G1、G2で所定以上の圧力差が生じた場合には、フィルターF1、フィルターF2、フィルターF3に目詰まりが発生したと判断して、フィルターF1、フィルターF2、フィルターF3を新しい物に交換することができる。そして、フィルターF1、フィルターF2、フィルターF3を通過した排液は、第一弁SV1を通過して濾過装置1へと送液される。
そして、排液タンク3へは、濾過装置1において中空糸膜11を透過せずに濃縮された濃縮液が、第九弁SV9を通過し、第六弁SV6又は第七弁SV7の少なくとも一方を通過して、戻ってくることができるように配管が接続されている。このように、排液タンク3へ戻ってきた濃縮液を、再度濾過装置1へ送液することができ、廃棄する液を減少することができる。また、複数回濾過装置1へ送液するなどして排液中に溶解している不用成分の濃度が上昇し、再利用できなくなった濃縮液については、第五弁SV5を通じて系外に排水することもできる。
また、排液タンク3の内部には、液面センサーS2が排液と接触可能に設けられており、排液タンク3に貯留が所定量よりも多くなったり少なくなったりしたときに、図示しない制御装置に通知することができる。
(濾過タンク)
濾過タンク4は、濾過装置1にて濾過された濾液を貯留するタンクである。濾過装置1にて濾過された濾液は、第三弁SV3を通過し、流量計FMを通過して濾過タンク4に貯留される。そして、濾過タンク4に貯留された濾液は、図示しない養液培地へと送液し、再び農作物を栽培することができ、排液を循環して使用することができる。
また、濾過タンク4の内部には、液面センサーS3が排液と接触可能に設けられており、濾過タンク4に貯留が所定量よりも多くなったり少なくなったりしたときに、図示しない制御装置に通知することができる。
(中空糸膜の洗浄方法)
中空糸膜11の洗浄方法は、フラッシング工程、加温加圧含浸工程、漬け置き工程、循環工程などを組み合わせることにより実施される。
(フラッシング工程)
フラッシング工程は、排液と当接する中空糸膜11における原水側を排液にて濾過時より多い流量で掛け流す工程である。例えば、内壁側から外壁側に向かって濾過する中空糸膜11であると、中空糸膜11の内壁側が原水側となる。具体的には、図1、図2に示すように、第一弁SV1、第九弁SV9、第六弁SV6、第七弁SV7が開いた状態で、第二弁SV2、第三弁SV3、第四弁SV4、第五弁SV5、第八弁SV8が閉じた状態で、排液タンク3から排液が、送液ポンプP1の稼働により排出され、そして、濾過装置1内の中空糸膜11の原水側を、濾過を行うときよりも多い流量で通液し、排液タンク3に戻る工程である。このように、排液を用いて中空糸膜11の原水側を掛け流すことにより、中空糸膜11の微細な孔の周囲に滞留する有機物微粒子などの不純物を物理的に取り除くことができる。なお、第一弁SV1乃至第九弁SV9は電磁弁となっており、それらと接続されている図示しない制御装置において所定のプログラムが命令に従って実行され、それらの弁の開閉が制御される。この場合、各弁の開閉状態を遠隔で監視できるようにすることで正常な稼動状態を管理することもできる。
(加温加圧含浸工程)
加温加圧含浸工程は、25〜45℃に加温された洗浄液を0.1〜1.0MPaにて濾過装置1に送液する工程である。具体的には、図1、図2に示すように、第四弁SV4、第八弁SV8が開いた状態で、第一弁SV1、第二弁SV2、第三弁SV3、第五弁SV5、第六弁SV6、第七弁SV7、第九弁SV9が閉じた状態で、ヒーターHで25〜45℃に加温された洗浄液が、洗浄液タンク2から送液ポンプP2の稼働により排出され、そして、0.1〜1.0MPaの水圧にて濾過装置1内の中空糸膜11の原水側から濾過側、すなわち、中空糸膜11の微細な孔を通じ濾過する方向へ通液させる洗浄工程である。このように、所定温度に加温された洗浄液を用いて濾過装置1内の中空糸膜11の微細な孔を通液することにより、中空糸膜11の微細な孔の中に詰まった有機物微粒子などの不純物に洗浄液を十分含浸させ洗浄することができる。
洗浄液の温度は、25〜45℃に加温することが好ましく、30〜40℃がさらに好ましい。洗浄液の温度をこの範囲とすると、中空糸膜11の微細な孔の中に詰まった有機物微粒子などの不純物を十分に溶解又は分解させることができ、洗浄液に溶解している塩素化合物などの成分が揮発して洗浄効果の低減や作業環境への悪影響を防ぐことができる。一方でアルカリ性化合物は、揮発しにくいが、上記温度の範囲で加温することで同様の洗浄効果が得られる。
また、洗浄液を濾過装置1に送液する圧力は、中空糸膜の許容圧内でより高圧となるように0.1〜1.0MPaであることが好ましく、0.15〜0.5MPaであることがさらに好ましい。洗浄液を濾過装置1に送液する圧力をこの範囲とすると、濾過装置1内の中空糸膜11の微細な孔を通液させることができ、中空糸膜11の微細な孔の中に詰まった有機物微粒子などの不純物に洗浄液を十分含浸させ洗浄することができる。
(漬け置き工程)
漬け置き工程は、洗浄液を0.1〜1.0MPaに保って送液経路内で静置する工程である。具体的には、加温加圧含浸工程の洗浄時に、ヒーターHで25〜45℃に加温された洗浄液が、洗浄液タンク2から送液ポンプP2の稼働により排出され、そして、0.1〜1.0MPaの水圧にて濾過装置1内の中空糸膜11の原水側から濾過側、すなわち、中空糸膜11の微細な孔を濾過する方向へ通液した後に、図1、図2に示すように、第九弁SV9が開いた状態、第一弁SV1、第二弁SV2、第三弁SV3、第四弁SV4、第五弁SV5、第六弁SV6、第七弁SV7、第八弁SV8が閉じた状態とし、加圧状態を2〜4時間程度維持して、濾過装置1内の中空糸膜11を洗浄液にて漬け置き状態にする工程である。このように、所定温度に加温された洗浄液を所定の圧力で保つことにより、濾過装置1内の中空糸膜11の微細な孔の中に付着した有機物微粒子などの不純物を化学的に溶解又は分解させて取り除くことができる。
洗浄液の温度は、25〜45℃に加温することが好ましく、30〜40℃がさらに好ましい。洗浄液の温度をこの範囲とすると、中空糸膜11の微細な孔の中に付着した有機物微粒子などの不純物を十分に溶解又は分解させることができ、洗浄液に溶解している塩素化合物などの成分が揮発して洗浄効果の低減や作業環境への悪影響を防ぐことができる。
また、洗浄液の圧力は、中空糸膜の許容圧内でより高圧となるように0.1〜1.0MPaに保つことが好ましく、0.15〜0.5MPaに保つことがさらに好ましい。洗浄液を濾過装置1に送液する圧力をこの範囲とすると、濾過装置1内の中空糸膜11の微細な孔の中まで浸漬させることができ、中空糸膜11の微細な孔の中に付着した有機物微粒子などの不純物に洗浄液を十分含浸させ、かつ、溶解又は分解させることができる。
(循環工程)
循環工程は、25〜45℃に加温された洗浄液を、洗浄液が貯留されている洗浄液タンク2と濾過装置1との間を循環するように送液する工程である。具体的には、図1、図2に示すように、第四弁SV4、第八弁SV8、第九弁SV9が開いた状態で、第一弁SV1、第二弁SV2、第三弁SV3、第五弁SV5、第六弁SV6、第七弁SV7が閉じた状態で、ヒーターHで25〜45℃に加温された洗浄液が、洗浄液タンク2から送液ポンプP2の稼働により排出され、そして、濾過装置1内の中空糸膜11の原水側から濾過側、すなわち、中空糸膜11の微細な孔を通じ濾過する方向と、原水側から濃縮側、すなわち、中空糸膜11にて濾過せずに第九弁SV9の方向へ通液し、洗浄液タンク2に戻る工程を所定時間繰り返す工程である。このように、所定温度に加温された洗浄液を用いて洗浄液タンク2から濾過装置1を循環して通液することにより、中空糸膜11の微細な孔の中及び壁面に詰まったり付着したりした有機物微粒子などの不純物を化学的に溶解又は分解させて取り除くことができる。また、加温加圧含浸工程などと同様に、洗浄液の温度は、25〜45℃に加温することが好ましく、30〜40℃がさらに好ましい。
これらの工程を定期的に繰り返すことにより、中空糸膜11の濾過能力の低下の原因となる目詰まりなどを解消することができ、中空糸膜11の濾過量を一定の範囲で維持することができる。また、加温加圧含浸工程などの工程が実施される時間間隔又は洗浄の周期は、栽培する農作物の種類に応じて中空糸膜11の汚れの程度が異なるために、中空糸膜11の汚れに応じて任意に設定することができる。
このように、これらのフラッシング工程、加温加圧含浸工程、漬け置き工程、循環工程などが組み合わせられる洗浄方法により、中空糸膜11の濾過能力の低下の原因となる目詰まりなどを解消することができ、中空糸膜11の濾過量を一定の範囲で維持することができる。また、これらの工程の他に、給水装置WSから水道水などの水を供給し、濾過装置1内の中空糸膜11を水洗する工程などを組み合わせることも可能である。
また、濾過装置1、洗浄液タンク2、排液タンク3、濾過タンク4や各弁などが設けられている場所とは物理的に離れた遠隔地において、各弁の開閉の操作及び各工程の実施やそれらの工程の実施状況の監視などの管理を行うようにすることができる。例えば、図示しない制御装置を、濾過装置1などとは遠隔地に設置して制御装置を動作させるために操作したり、または、図示しない制御装置を、濾過装置1などが設けられている場所に併せて設置し、遠隔地においてその制御装置と有線又は無線にて接続されている情報端末を操作したりすることにより管理を行うことができる。このように、遠隔地においても管理を行うことにより、操作する者が実際の現場にいる必要がなく、また、複数の場所に設置されている濾過装置1を含む複数のシステムを集中的に管理することができるという効果を奏する。
<実施例1>
農業用ビニールハウス内で農作物の養液栽培を行い、排液及び洗浄液を用いて以下のように濾過装置1内の中空糸膜11の洗浄を行った。すなわち、10分周期でフラッシング工程を実施し、3日周期で35℃に加温した洗浄液を0.2MPaにて濾過装置1に送液する加温加圧含浸工程を実施し、加温加圧含浸後に2時間漬け置き洗浄し、その後20分循環洗浄を実施した。
<比較例1>
加温加圧含浸工程、循環工程を行わなかった以外、実施例1と同様に濾過装置1内の中空糸膜11の洗浄を行った。
<比較例2>
加温加圧含浸工程を行わなかった以外、実施例1と同様に濾過装置1内の中空糸膜11の洗浄を行った。
実施例1、比較例1〜2において、横軸に使用日数、縦軸に中空糸膜11の濾過流量を取ったグラフを図3に示す。
図3に示すように、実施例1では、排液を通液したときに中空糸膜11の濾過流量は、80日ほど経過しても目標流量の5L/分を維持することができ、中空糸膜11の濾過能力の低下の原因となる目詰まりなどを解消することができていることが分かった。一方、比較例1及び比較例2では、数日から10日ほどで中空糸膜11の濾過流量は、目標流量の5L/分を下回り、その後目標流量へ回復することはなかった。
1・・・濾過装置
11・・・中空糸膜
2・・・洗浄液タンク
21・・・薬剤タンク
3・・・排液タンク
4・・・濾過タンク
P1〜P3・・・送液ポンプ
SV1〜SV9・・・第一弁〜第九弁
H・・・ヒーター
C・・・温度調節装置
F1〜F3・・・フィルター
S1〜S3・・・液面センサー
G1、G2・・・圧力計
FM・・・流量計
WS・・・給水装置

Claims (3)

  1. 養液栽培の排液を中空糸膜にて濾過する濾過装置で実施される中空糸膜の洗浄方法であって、
    前記排液と当接する前記中空糸膜における原水側を前記排液にて濾過時より多い流量で掛け流すフラッシング工程と、
    25〜45℃に加温された洗浄液を0.1〜1.0MPaにて前記濾過装置に送液する加温加圧含浸工程と、
    前記洗浄液を0.1〜1.0MPaに保って静置する漬け置き工程と、
    25〜45℃に加温された前記洗浄液を前記洗浄液が貯留されている洗浄液タンクと前記濾過装置との間を循環するように送液する循環工程とを備えることを特徴とする中空糸膜の洗浄方法。
  2. 前記洗浄液が、アルカリ性洗浄液又は塩素系洗浄液であることを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜の洗浄方法。
  3. 制御装置により、
    前記フラッシング工程と、前記加温加圧含浸工程と、前記循環工程と、前記漬け置き工程が前記排液に応じて実施されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の中空糸膜の洗浄方法。
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