JP2020093267A - アルミニウム接合体、その製造方法及びアルミニウム接合体に用いられるブレージングシート - Google Patents

アルミニウム接合体、その製造方法及びアルミニウム接合体に用いられるブレージングシート Download PDF

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Abstract

【課題】接合強度の高いろう付継手を備えたアルミニウム接合体、その製造方法及びこのアルミニウム接合体に用いられるブレージングシートを提供する。【解決手段】アルミニウム接合体1は、第1部品2と、第2部品3と、第1部品2と第2部品3との間に介在し、両者を接合するろう付継手4と、を有している。第1部品2は、アルミニウム合金からなる心材21と、心材21上に存在するろう材層22と、を備えたブレージングシート20である。第2部品3は、アルミニウム材から構成されている。ろう付継手は、150MPa以上の接合強度を有している。【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウム接合体、その製造方法及びこのアルミニウム接合体に用いられるブレージングシートに関する。
アルミニウム製品は、比強度が高い、熱伝導性に優れている、電気伝導性を有する等の特性を活かし、様々な分野で使用されている。例えば、航空機に使用される熱交換器等の、高い強度が要求されるアルミニウム製品は、6000系合金等の比較的高い強度を有するアルミニウム合金からなる部品を有している。このようなアルミニウム製品を作製する場合には、アルミニウム材(アルミニウム及びアルミニウム合金を含む。以下同じ。)からなる複数の部品をディップろう付によって接合する方法が採用されている。
ディップろう付では、まず、機械加工等によりアルミニウム材からなる複数の部品を作製する。そして、これらの部品を所望の形状に組み立てて組立体を準備する。この組立体を溶融したフラックス浴中に浸漬することにより、複数の部品をろう付する(例えば、特許文献1)。
特開昭63−317258号公報
従来、高い強度が要求されるアルミニウム製品を作製する場合には、アルミニウム製品を構成する各部品の強度を高くすることが求められているものの、部品同士を接合するろう付継手の接合強度についてはほとんど注目されていなかった。しかし、近年、例えば構造部品や摺動部品等に用いられるアルミニウム製品において、各部品の強度に加えて、ろう付継手の強度を高めることが要求されることがある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、接合強度の高いろう付継手を備えたアルミニウム接合体、その製造方法及びこのアルミニウム接合体に用いられるブレージングシートを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、第1部品と、第2部品と、前記第1部品と前記第2部品との間に介在し、両者を接合するろう付継手と、を有するアルミニウム接合体であって、
前記第1部品は、アルミニウム合金からなる心材と、前記心材上に存在するろう材層と、を備えたブレージングシートであり、
前記第2部品はアルミニウム材から構成されており、
前記ろう付継手は、150MPa以上の接合強度を有する、アルミニウム接合体にある。
本発明の他の態様は、前記の態様のおける前記第1部品となるブレージングシートであって、
Mg:0.30質量%以上1.80質量%未満を含むアルミニウム合金からなる心材と、
Al−Si系合金からなり、5〜215μmの厚みを有し、前記心材上に積層されたろう材層と、を備え、
前記ろう材層の厚みX[μm]と前記心材中のMg量Y[質量%]とが下記式(1)または下記式(2)のいずれかを満たす、ブレージングシートにある。
Y≧X/120(但し、X≧36) ・・・(1)
Y≧0.30(但し、X<36) ・・・(2)
本発明のさらに他の態様は、前記の態様のアルミニウム接合体の製造方法であって、
Mg:0.30質量%以上1.80質量%未満を含むアルミニウム合金からなる心材と、Al−Si系合金からなり、5〜215μmの厚みを有し、前記心材上に積層されたろう材層と、を備え、前記ろう材層の厚みX[μm]と前記心材中のMg量Y[質量%]とが下記式(1)または下記式(2)のいずれかを満たすブレージングシートからなる第1部品を準備し、
前記第2部品を準備し、
前記第1部品と前記第2部品とをろう付する、アルミニウム接合体の製造方法にある。
Y≧X/120(但し、X≧36) ・・・(1)
Y≧0.30(但し、X<36) ・・・(2)
前記アルミニウム接合体における第1部品は、アルミニウム合金からなる心材と、心材上に存在するろう材層と、を備えたブレージングシートである。そして、第1部品と第2部品とは、ブレージングシートのろう材層に由来するろう材を備えたろう付継手を介して接合されている。また、ろう付継手は、前記特定の範囲の接合強度を有している。それ故、前記アルミニウム接合体は、高い接合強度を有する用途に好適である。
また、前記の製造方法においては、前記特定のブレージングシートからなる第1部品と、アルミニウム材からなる第2部品とを別々に準備した後、両者のろう付を行う。第1部品を構成するブレージングシートの心材には、Mgが含まれている。Mgは、ろう付の初期段階において、ろう材層内に移動する。また、ろう付が進行し、ろう材層が溶融した後は、溶融ろう中に溶出する。そして、心材中のMg量及びろう材層の厚みを前記特定の範囲とすることにより、溶融ろう中のMg量を十分に多くすることができる。このような溶融ろうが凝固することにより、第1部品と第2部品との間に形成されるろう付継手のろう材を、Mgによって強化することができる。
以上のように、前記の製造方法によれば、心材から拡散したMgによってろう付継手を強化し、ろう付継手の接合強度を格段に高めることができる。
実施例1における、アルミニウム接合体の一部断面図である。 実施例1における、ろう付前の第1部品と第2部品との当接部の一部断面図である。
前記アルミニウム接合体における第1部品は、ろう付後のブレージングシート、つまり、アルミニウム合金からなる心材と、心材上に存在するろう材層と、を有している。なお、第1部品のろう材層は、ろう付加熱中にブレージングシートから生じた溶融ろうの一部が心材の表面に残留した状態で凝固することによって形成される。
アルミニウム接合体における第1部品のろう材層、つまり、ろう付後のろう材層は、例えば、心材の表面上に形成されていてもよい。また、後述するように、ろう付前のブレージングシートが心材とろう材層との間に中間材を有する場合には、ろう材層は、中間材の表面上に形成されていてもよい。
心材を構成するアルミニウム合金としては、Mgを含むアルミニウム合金の中から所望の特性に応じて適切な合金を採用することができる。心材は、例えば、比較的強度の高いJIS A6000系合金またはA7000系合金から構成されていてもよい。なお、心材の具体的な組成の例については、後述する。
第2部品は、アルミニウム材からなり、ろう付継手を介して第1部品に接合されている。第2部品を構成するアルミニウム材としては、アルミニウム及びアルミニウム合金の中から所望の特性に応じて適切なものを採用することができる。第2部品は、例えば、比較的強度の高いJIS A6000系合金またはA7000系合金から構成されていてもよい。
第1部品と第2部品との間には、ろう付継手が介在しており、第1部品と第2部品とはろう付継手を介して接合されている。ここで、前述した「ろう付継手」は、第1部品の心材と第2部品との間に充填されたろう材と、第1部品の心材と第2部品との隙間から外方に延出したフィレットとを含む概念である。
ろう付継手の接合強度は150MPa以上である。ろう付継手の接合強度は、170MPa以上であることがより好ましく、200MPa以上であることがさらに好ましい。
ろう付継手の接合強度は、アルミニウム接合体から、いずれかのろう付継手と、ろう付継手を介して接合された第1部品及び第2部品とを含む小片を切り出した後、JIS Z2241:2011の規定に準じた方法によってこの小片の引張試験を行うことにより得られる値である。
ろう付継手は、Mg:0.25質量%以上を含有するアルミニウム合金からなるろう材を有していることが好ましい。ろう付継手におけるろう材中のMg量を前記特定の範囲とすることにより、ろう付継手の接合強度をより高めることができる。ろう付継手の接合強度をさらに高める観点からは、ろう付継手におけるろう材中のMg量は、0.40質量%以上であることがより好ましい。
前記アルミニウム接合体は、前記の態様の製造方法により作製することができる。前記の態様の製造方法においては、まず、第1部品及び第2部品を準備する。第1部品を構成するブレージングシートは、Mg:0.30質量%以上1.80質量%未満を含むアルミニウム合金からなる心材と、Al−Si系合金からなり、5〜215μmの厚みを有し、前記心材上に積層されたろう材層と、を備え、前記ろう材層の厚みX[μm]と前記心材中のMg量Y[質量%]とが下記式(1)または下記式(2)のいずれかを満たしている。
Y≧X/120(但し、X≧36) ・・・(1)
Y≧0.30(但し、X<36) ・・・(2)
ブレージングシートの心材は、ろう付加熱において溶融せず、ろう付後に第1部品の形状を構成する材料である。心材は、Mg:0.30質量%以上1.80質量%未満を含むアルミニウム合金から構成されている。より具体的には、心材を構成するアルミニウム合金は、Mg:0.30質量%以上1.80質量%未満を含み、残部がAl(アルミニウム)及び不可避的不純物からなる化学成分を有していてもよい。また、心材を構成するアルミニウム合金には、必須成分としてのMg以外に、1種または2種以上の任意成分が含まれていてもよい。心材中の任意成分としては、例えば、Si、Cu(銅)、Mn(マンガン)、Zn(亜鉛)、Ti(チタン)等がある。
心材中のMgは、ろう付加熱時に心材から拡散してろう材層内へ移動する。また、ろう材の溶融後には、心材から溶融ろう中へMgが溶出する。そして、Mgを含む溶融ろうが第1部品と第2部品との間で凝固することにより、Mgによって強化されたろう材を含むろう付継手を形成することができる。心材中のMg量を少なくとも0.30質量%以上とすることにより、ろう付継手におけるろう材中のMg量を十分に多くし、接合強度を向上させることができる。
また、ろう付前のブレージングシートは、単に心材中のMg量を0.30質量%以上にするだけではなく、ろう材層の厚みに応じて前記式(1)または前記式(2)のいずれかを満たしている。
ろう付前のブレージングシートにおけるろう材層の厚みが36μm以上である場合、ろう材層の厚みが厚くなるほど、心材からろう材層内へ拡散し、または溶融ろう中へ溶出するMgの量が少なくなりやすい。そのため、ろう材層の厚みが36μm以上の場合には、前記式(1)のようにろう材層の厚みが厚いほど心材中のMg量を多くすることにより、ろう付継手におけるろう材中のMgの量を十分に多くし、接合強度をより向上させることができる。一方、ろう材層の厚みが36μm未満である場合には、前記式(2)のように、心材中のMg量を0.30質量%以上とすればよい。
心材中のMg量が、ろう材層の厚みに応じて選択される前記式(1)または前記式(2)のいずれかを満たさない場合には、ろう付継手におけるろう材中のMgの量が不足するため、接合強度の低下を招くおそれがある。心材中のMg量が1.80質量%以上の場合には、心材の融点が過度に低下するおそれがある。そのため、ろう付加熱中に、第1部品の変形や溶融ろうが心材中へ浸透するエロージョンと呼ばれる現象が発生しやすくなる。
ろう付前のブレージングシートにおける心材上には、Al−Si系合金からなるろう材層が設けられている。ろう材層を構成するAl−Si系合金としては、Si:6質量%以上13質量%以下を含むアルミニウム合金を採用することができる。より具体的には、Al−Si系合金は、Si:6質量%以上13質量%以下を含み、残部がAl及び不可避的不純物からなる化学成分を有していてもよい。また、Al−Si系合金には、必須成分としてのSiの他に、1種または2種以上の任意成分が含まれていてもよい。
例えば、ろう材層を構成するAl−Si系合金中には、任意成分として、Bi(ビスマス):0.0050質量%以上0.060質量%未満が含まれていてもよい。ろう材層中のBiは、溶融ろうの濡れ性をより向上させ、ろう付不良の発生をより効果的に抑制することができる。しかし、ろう材層中のBi量が過度に多い場合には、ブレージングシートの製造過程において、ろう材層の表面に形成される酸化皮膜が厚くなり、ろう付性の悪化を招くおそれがある。ろう材層中のBiの含有量を前記特定の範囲とすることにより、前述した問題を回避しつつ、ろう付不良の発生をより効果的に抑制することができる。
また、フラックスを用いずに第1部品と第2部品とのろう付を行う場合には、ろう材層を構成するAl−Si系合金中に、Mg:0質量%超え0.60質量%以下のMgが含まれていてもよい。この場合には、ろう付の初期段階において、ろう材層の表面に存在する微量のMgによって第1部品の表面に存在する酸化皮膜を脆弱化することができる。
更にろう付加熱を継続し、第1部品の温度が450℃程度を超えると、中間材中のMgがろう材層内に拡散し、ろう材層内のMg量が次第に多くなる。そして、ろう材が溶融すると、溶融ろう中のMgが一気にろうの表面に到達する。このとき、第1部品の表面に存在する酸化皮膜は、前述したようにろう付の初期段階において脆弱化されている。それ故、中間材から拡散した多量のMgを含むろうによって酸化皮膜を速やかに破壊することができる。
以上の結果、前記特定の範囲のMgを含むろう材層を備えた第1部品を用い、フラックスを用いずにろう付を行うことにより、第1部品と第2部品とのろう付性をより向上させることができる。
また、ろう材層を構成するAl−Si系合金中には、任意成分として、Be(ベリリウム)、Li(リチウム)等が添加されていてもよい。
ろう付前のブレージングシートにおけるろう材層の厚みは、5〜215μmの範囲内から適宜設定することができる。ろう材層の厚みが5μm未満の場合には、ろう付時に生じる溶融ろうの量が不足し、ろう付不良の発生を招くおそれがある。ろう材層の厚みが215μmを超える場合には、心材からろう材層の表面までの距離が過度に長くなるため、ろう付継手におけるろう材中のMg量が少なくなるおそれがある。その結果、ろう付継手の接合強度の低下を招くおそれがある。
ろう付前のブレージングシートは、心材とろう材層との間に、Mg:0.80質量%以上6.50質量%未満を含有するアルミニウム合金からなる中間材を有していてもよい。中間材を構成するアルミニウム合金は、具体的には、Mg:0.80質量%以上6.50質量%未満を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる化学成分を有していてもよい。また、中間材を構成するアルミニウム合金には、必須成分としてのMg以外に、1種または2種以上の任意成分が含まれていてもよい。
中間材中のMgも、心材中のMgと同様に、ろう付加熱中にろう材層中へ拡散し、または溶融ろう中に溶出する。これにより、ろう付継手におけるろう材中のMg量をより多くし、接合強度をより高くすることができる。
中間材中のMg量が0.80質量%未満の場合には、ろう付継手におけるろう材中のMg量が不足し、接合強度を向上させる効果が低くなるおそれがある。また、中間材中のMg量が6.50質量%以上の場合には、ブレージングシートの製造過程における中間材の圧延性が低くなり、ブレージングシートを作製することが難しくなるおそれがある。
中間材には、必須成分としてのMg以外に、任意成分として、Si:0質量%超え13.0質量%以下が含まれていてもよい。この場合には、中間材の溶融開始温度をより低くし、ろう付加熱中における中間材からろう材層中へのMgの拡散及び溶融ろうへの溶出をより促進することができる。その結果、第1部品の表面に到達するMg量を十分に多くし、ろう付継手の接合強度をより高くすることができる。
中間材中のSiの含有量が13.0質量%を超える場合には、ブレージングシートの製造過程における中間材の圧延性が低くなり、ブレージングシートを作製することが難しくなるおそれがある。
前述した構成のブレージングシートを準備した後、前記ブレージングシートに成形加工を施して前記第1部品を作製する。成形加工の方法は特に限定されることはなく、例えば、プレス加工等を採用することができる。
前記の態様の製造方法においては、ブレージングシートを準備してからろう付するまでの間に、酸又はアルカリを用いてブレージングシートの表面にエッチングを施すことが好ましい。この場合には、ブレージングシートの製造過程において形成された厚い酸化皮膜をエッチングによって脆弱化し、ろう付性をさらに向上することができる。
その後、前記第1部品と前記第2部品とをろう付する。ろう付の初期段階においては、心材中のMgが固体のろう材層中に拡散し、ろう材層内へ移動する。また、ろう付が進行し、ろう材が溶融し始めると、心材から溶融ろう中へのMgが溶出する。このようなMgを含む溶融ろうが第1部品と第2部品との間で凝固することにより、両者の間にろう付継手が形成される。
また、ブレージングシートを用いたろう付においては、ブレージングシートの全面に溶融ろうが形成される。この溶融ろうの大部分は表面張力によって第1部品と第2部品との隙間に集まり、ろう付継手を形成する。第1部品と第2部品との隙間に移動しなかった溶融ろうは、心材の表面に残留し、ろう付前よりも厚みが減少したろう材層として残存する。以上により、第1部品と第2部品とをろう付し、アルミニウム接合体を得ることができる。
第1部品と第2部品とのろう付は、フラックスを用いて行ってもよいし、フラックスを用いずに行ってもよい。フラックスを用いてろう付を行う場合には、例えば、第1部品及び第2部品の少なくとも一方にフラックスを塗布した後、第1部品と、第2部品との間にフラックスを介在させた状態でろう付を行う方法を採用することができる。この場合、第1部品及び第2部品に塗布するフラックスとしては、フルオロアルミン酸カリウム等を含むフッ化物系フラックスや、セシウムを含むセシウム系フラックス等を使用することができる。
第1部品及び第2部品に塗布するフラックスとしては、セシウム系フラックスを使用することが好ましい。セシウム系フラックスは、心材からろう材層内へ拡散し、または溶融ろう中に溶出したMgと反応しにくい。そのため、フラックスとの反応によるろう材中のMg量の減少を抑制し、ろう付継手の接合強度の低下を抑制することができる。また、セシウム系フラックスによれば、Mgとの反応生成物の量を低減することができるため、フラックスとMgとの反応生成物によるろう付性の悪化を抑制することもできる。
また、第1部品と第2部品とを所望の形状に組み立てて組立体を作製した後、溶融した塩化物系フラックス浴に組立体を浸漬してろう付を行う方法を採用することもできる。
フラックスを用いてろう付を行う場合には、ろう材層中にMgを含まない第1部品を用いることが好ましい。ろう材層中にMgを含む場合、フラックスとろう材層中のMgとの反応によってMgが消費され、ろう材層中のMgによる酸化皮膜の脆弱化の効果が得られなくなるおそれがある。また、ろう材層中のMg量が過度に多い場合には、第1部品の表面にMgとフラックスとの反応生成物が形成され、ろう付性の悪化を招くおそれもある。
第1部品と第2部品とのろう付をフラックスを用いずに行う場合には、例えば、第1部品と第2部品とを所望の形状に組み立てて組立体を作製した後、不活性ガス中でフラックスを用いずにろう付を行う方法を採用することができる。心材や中間材に含まれるMgは、ろう材を強化するだけではなく、第1部品や第2部品の表面に存在する酸化皮膜を破壊する作用を有している。
そのため、Mgを含む心材や中間材を備えた第1部品を用いてろう付を行うことにより、心材や中間材から第1部品の表面に移動したMgによって酸化皮膜を破壊し、フラックスを用いずにろう付を行うことができる。また、この場合には、フラックスを用いる場合のようにMgがフラックスとの反応によって消費されないため、ろう付継手におけるろう材中のMg量をより多くすることができる。
更に、第1部品と第2部品とのろう付をフラックスを用いずに行う場合には、フラックスやろう材層を所望の位置に保持するためのバインダを使用する必要がない。それ故、ろう付中におけるバインダの熱分解によるガスの発生を回避し、ひいてはろう付継手内へのボイドの形成を抑制することができる。
これらの結果、第1部品と第2部品とのろう付をフラックスを用いずに行うことにより、ろう付継手の接合強度をより向上させることができる。
ろう付に用いる不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウムなどを使用することができる。ろう付中の不活性ガスの圧力は、例えば、1〜110000Paの範囲内とすることができる。つまり、ろう付は、大気圧または大気圧よりも若干高い圧力下で行ってもよいし、1Pa以上の真空中で行ってもよい。
ろう付中の不活性ガスの圧力が過度に低い場合には、ろう付加熱の際に溶融ろうからMgが蒸発しやすい。そのため、ろう付継手におけるろう材中のMg量が不足し、ろう付継手の強度の低下を招くおそれがある。ろう付中の不活性ガスの圧力を1Pa以上とすることにより、かかる問題を回避し、前記特定の範囲の接合強度をより確実に実現することができる。
前記製造方法においては、ろう付を行った後、前記アルミニウム接合体に溶体化処理を行い、次いで、前記アルミニウム接合体に人工時効処理を行うことが好ましい。溶体化処理においては、アルミニウム接合体をろう材の溶体化処理温度まで加熱した後急冷することにより、ろう材をMgの過飽和固溶体とする。
次に、人工時効処理を行うことにより、ろう付継手におけるろう材中に、Mgを含む金属間化合物を微細に析出させる。この金属間化合物は、ろう材の粒界に析出し、ろう材の強度をより向上させる作用を有する。それ故、溶体化処理及び人工時効処理を施すことにより、ろう付継手の接合強度をより向上させることができる。
溶体化処理における処理温度は、例えば、480〜560℃の範囲から適宜設定することができる。また、溶体化処理における急冷方法は特に限定されることはなく、例えば水焼入等を採用することができる。
人工時効処理における保持温度は、例えば、160〜220℃の範囲から適宜設定することができる。また、人工時効処理における保持時間は、例えば、4〜24時間の範囲から適宜設定することができる。
(実施例1)
前記アルミニウム接合体及びその製造方法の実施例を、図1〜図2を用いて説明する。図1に示すように、アルミニウム接合体1は、第1部品2と、第2部品3と、第1部品2と第2部品3との間に介在し、両者を接合するろう付継手4と、を有している。第1部品2は、アルミニウム合金からなる心材21と、心材21上に存在するろう材層22と、を備えたブレージングシート20である。第2部品3は、アルミニウム材から構成されている。ろう付継手4は、150MPa以上の接合強度を有している。
本例のアルミニウム接合体1は、平板状を呈する第1部品2と、平板状を呈し、第1部品2に対して垂直に配置された第2部品3と、を有している。また、第1部品2と第2部品3との間には、T字状のろう付継手4、つまり、T継手が形成されている。
第1部品2は、具体的には、ろう付後のブレージングシート20から構成されている。つまり、第1部品2は、その形状を形作る心材21と、心材21上に配置されたろう材層22と、を有している。ろう材層22は、ろう付前のブレージングシート20におけるろう材層22のうち、ろう付加熱後に心材21上に残留した溶融ろうによって形成される。
第2部品3は、具体的には、JIS A6951合金からなる厚み3mmの板材である。第2部品3は、その端面31が第1部品2の心材21に対向して配置されている。第1部品2と第2部品3の端面31との間には、ろう材23が充填されている。これにより、ろう付継手4に、端面31と心材21とが平面同士で接合されてなる面接合部41を形成することができる。
第1部品2と第2部品3との間には、ろう付継手4が介在している。本例のろう付継手4は、第1部品2の心材21と第2部品3の端面31との隙間に充填されたろう材23を含む面接合部41と、面接合部41の外方に延出したろう材23からなるフィレット42とを有している。フィレット42は、第1部品2の心材21上に存在するろう材層22に連なっており、第2部品3に近づくにつれて次第に厚みが厚くなっている。そして、フィレット42の厚みは、第2部品3の側面32と接する部分において最も厚みが厚くなっている。なお、本明細書におけるフィレット42は、ろう材23のうち、第1部品2の心材21上に存在するろう材層22の厚みよりも厚い部分をいう。
本例のろう付継手は、150MPa以上の接合強度を有している。ろう付継手4の接合強度は、以下のようにして測定することができる。まず、引張試験機の固定チャックに、治具を介して第1部品2を取り付ける。この際、治具によって第1部品2を厚み方向における両面から拘束することにより、引張試験中の第1部品2の変形を抑制する。次に、引張試験機のクロスヘッドに第2部品3を取り付ける。そして、クロスヘッドの移動速度を10mm/分として引張試験を行い、荷重−変位曲線を取得する。
得られた荷重−変位曲線における最大荷重を、ろう付継手4の最大断面積、つまり、フィレット42の面積と第2部品3の端面31の面積との合計で除することにより、ろう付継手4の引張強さが算出される。この引張強さを、ろう付継手4の接合強度とする。
アルミニウム接合体1の具体的な態様は、本例の態様に限定されるものではない。例えば、アルミニウム接合体1は、第1部品2及び第2部品3に加えて、さらに他の部品を有していてもよい。また、第1部品2及び第2部品3の形状は、アルミニウム接合体1の用途に応じて適宜変更することができる。更に、ろう付継手4は、第1部品2の端部と第2部品の端部とが重ね合わされてなる重ね継手や、第1部品2の両面に第2部品3が接合されてなる十字継手、第1部品2及び第2部品3の少なくとも一方に設けられた屈曲部において接合されたフレア継手等の、他の形態の接手であってもよい。
本例のアルミニウム接合体1は、例えば、以下の方法により作製することができる。まず、Mg:0.30質量%以上1.80質量%未満を含むアルミニウム合金からなる心材21と、Al−Si系合金からなり、5〜215μmの厚みを有し、心材21上に積層されたろう材層22と、を備え、ろう材層22の厚みX[μm]と心材21中のMg量Y[質量%]とが下記式(1)または下記式(2)のいずれかを満たす、ブレージングシート200を準備し、これを第1部品2とする。
Y≧X/120(但し、X≧36) ・・・(1)
Y≧0.30(但し、X<36) ・・・(2)
これとは別に、JIS A6951合金からなる板材を準備し、これを第2部品3とする。
このようにして準備した第1部品2のろう材層22に第2部品3の端面31を当接させて、図2に示す組立体10を作製する。
その後、組立体10のろう付を行い、第1部品2の心材21と第2部品3との間にろう付継手4を形成する。以上により、アルミニウム接合体1を得ることができる。
本例のアルミニウム接合体1における第1部品2は、アルミニウム合金からなる心材21と、心材21上に存在するろう材層22と、を備えたろう付後のブレージングシート20である。そして、第1部品2と第2部品3とは、ブレージングシート20のろう材層22に由来するろう材23を備えたろう付継手4を介して接合されている。このように、ブレージングシート20からなる第1部品2を用いることにより、ろう付後に形成されるろう付継手4を、心材21から拡散したMgによって強化することができる。その結果、ろう付継手4の接合強度を格段に高めることができる。
また、本例のろう付継手4は、第1部品2の心材21と第2部品3の端面31とが平面同士で接合された面接合部41を有している。このように、ろう付継手4に面接合部41を設けることにより、ろう付継手4の接合強度をより向上させることができる。
更に、本例のろう付継手4は、面接合部41の外部に延出したろう材23からなるフィレット42を有している。これにより、ろう付継手4における、ろう材23と第2部品3の接合面積、及び、ろう材23と心材21との接合面積をより広くし、ろう付継手4の接合強度をより向上させることができる。
(実施例2)
本例は、種々のブレージングシート200からなる第1部品2と第2部品3との間に形成されるろう付継手4の接合強度及びろう付性を評価した例である。なお、本例以降の例において用いる符号のうち、既出の例において使用した符号と同一のものは、特に説明のない限り既出の例と同様の構成要素等を表す。
本例において使用した第1部品は、表1に示す積層構造を有する厚み2mmのブレージングシート200である。また、第2部品3は、JIS A6951合金またはA6061合金からなる厚み3mmの平板である。
なお、表1中の記号「Bal.」は、残部であることを示す記号であり、記号「−」は、当該元素を積極的に添加していないことを示す記号である。記号「−」により示された元素の含有量は、具体的には、0.05質量%以下(但し、0質量%を含む)である。また、「クラッド率」欄には、ろう材層及び中間材のクラッド率、つまり、ろう付前のブレージングシート200の厚みに対するろう材層又は中間材の厚みの比率(%)を記載し、「厚み」欄には、ろう材層及び中間材の厚み(μm)を記載した。
表1に示すブレージングシートのうち、ブレージングシートS18、S20については、その製造過程において、圧延中に割れやクラッド接合不良などの問題が発生するため、以降の評価を行っていない。
第1部品2及び第2部品3を準備した後、第1部品2のろう材層22に第2部品3の端面31を突き当てて組立体10を得る。この組立体10を、以下の(1)〜(4)のいずれかの方法によってろう付することにより、第1部品2と第2部品3との間に面接合部41及びフィレット42を含むろう付継手4を形成し、アルミニウム接合体1(試験体T1〜T25)を得ることができる。
(1)フラックス塗布法
組立体10を作製する前に、予め、第1部品2のろう材層22に、2質量%のセシウムを含むセシウム系フラックスを塗布する。セシウム系フラックスの塗布量は5g/m2とする。その後、前述したように組立体10を作製し、不活性ガス雰囲気炉を用いて組立体10のろう付を行う。
より具体的には、炉内に組立体10を配置した後、窒素ガスによって炉内をパージし、炉内の酸素濃度を15体積ppmまで低下させる。その後、炉内温度が600℃に到達するまで組立体を加熱することにより、第1部品2と第2部品3とのろう付を行ってアルミニウム接合体1を得る。炉内の温度が600℃に到達した後、加熱を停止し、炉内にて溶融ろうが凝固するまでアルミニウム接合体1を冷却する。その後、アルミニウム接合体1を炉から取り出し、室温まで冷却する。
(2)フラックス浸漬法
塩化リチウム(LiCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化ナトリウム(NaCl)を主成分とし、フッ化リチウム(LiF)、フッ化カリウム(KF)、フッ化アルミニウム(AlF3)を添加したフラックスを溶融させたフラックス浴を準備する。このフラックス浴の温度を602℃に保持し、フラックス浴中に組立体10を1分間浸漬する。これにより、第1部品2と第2部品3とのろう付を行ってアルミニウム接合体1を得る。フラックス浴から取り出したアルミニウム接合体1を湯洗し、ついで水洗することにより、アルミニウム接合体1に付着したフラックスを除去する。
(3)フラックスフリー法
セシウム系フラックスを第1部品2に塗布しない以外は、前述したフラックス塗布法と同様の方法によりろう付を行い、アルミニウム接合体1を得る。
(4)真空ろう付法
組立体10を真空炉内に配置した後、炉内から大気を排気しつつ、組立体を550℃になるまで加熱する。組立体の温度が550℃に到達した時点の炉内の圧力は、例えば、5×10-3〜7×10-3Paである。組立体の温度が550℃に到達した後、排気を継続しながら炉内にアルゴンガスを導入する。そして、炉内の圧力が1Pa以上となるようにアルゴンガスの供給量を調整しながら組立体を600℃で加熱する。これにより、第1部品2と第2部品3とのろう付を行ってアルミニウム接合体1を得る。炉内の温度が600℃に到達した後、加熱を停止し、炉内にて溶融ろうが凝固するまでアルミニウム接合体1を冷却する。その後、アルミニウム接合体1を炉から取り出し、室温まで冷却する。
本例では、前記のいずれかの方法によってろう付を行ったアルミニウム接合体1に、更に溶体化処理及び人工時効処理を行う。溶体化処理においては、具体的には、アルミニウム接合体1を550℃の塩浴炉に3分間浸漬して加熱した後、水焼入れを行う。人工時効処理においては、溶体化処理を行ったアルミニウム接合体1を、空気炉を用いて175℃の温度に8時間保持する。
以上の処理を行ったアルミニウム接合体1におけるろう付継手4の接合強度は、以下のようにして測定することができる。まず、引張試験機の固定チャックに、治具を介して第1部品2を取り付ける。この際、治具によって第1部品2を厚み方向における両面から拘束することにより、引張試験中の第1部品2の変形を抑制する。次に、引張試験機のクロスヘッドに第2部品3を取り付ける。そして、クロスヘッドの移動速度を10mm/分として引張試験を行い、荷重−変位曲線を取得する。
得られた荷重−変位曲線における最大荷重を、ろう付継手4の最大断面積、つまり、フィレット42の面積と第2部品3の端面31の面積との合計で除することにより、ろう付継手4の引張強さが算出される。本例においては、この引張強さの値をろう付継手4の接合強度とする。ろう付継手4の接合強度は、表2の「接合強度」欄に記載した通りである。
また、アルミニウム接合体1のろう付性は、ろう付継手4に形成されるフィレット42の形状に基づいて評価することができる。フィレット42の形状の評価に当たっては、フィレット42を目視により観察し、フィレット42の形状を評価する。表2の「フィレットの形状」欄に記載した記号の意味は、以下の通りである。
A+:均一な形状を有し、表面が平滑であり、脚長0.5mm以上のフィレットが形成されている
A:均一な形状を有し、表面が平滑であり、脚長0.5mm未満のフィレットが形成されている状態
B:均一な形状を有するが表面がやや粗いフィレット、または、やや不均一な形状を有するが表面が平滑なフィレットのいずれかが形成されている状態
C:形状が不均一なフィレット、または、表面が顕著に荒れているフィレットが形成されている状態
D:フィレットが断続的に形成されている、または、フィレットが全く形成されていない状態
フィレット42の形状の評価においては、連続したフィレットが形成されている記号A+〜Cの場合を、許容できる程度のろう付性を有しているため合格と判定し、連続したフィレットが形成されていない記号Dの場合を、ろう付性が低いため不合格と判定する。
Figure 2020093267
Figure 2020093267
表1及び表2に示すように、試験体T1〜T13、T15〜T16、T19、T21、T24〜T25には、前記特定の範囲のMgを含む心材21を備えたブレージングシートからなる第1部品2が用いられている。表2に示すように、これらのブレージングシートは、優れたろう付性を有し、前記(1)〜(4)のいずれのろう付方法においても、150MPa以上の接合強度を有するろう付継手4を形成することができる。
これらのブレージングシートの中でも、特に、前記特定の範囲のMgを含む中間材を備えたブレージングシートS6〜S11、S19は、中間材を有しないブレージングシートよりも更に高い接合強度を有するろう付継手4を形成することができ、ろう付継手4の接合強度を格段に向上させることができる。
試験体T14、T21には、ろう材層22中にMgが含まれているブレージングシートが用いられているため、フラックスを用いたろう付には適さない。それ故、これらの試験体については、フラックス塗布法及びフラックス浸漬法によるろう付を実施していない。しかし、これらの試験体には、前記特定の範囲のMgを含む心材21を備えたブレージングシートからなる第1部品2が用いられているため、フラックスを用いないろう付では、150MPa以上の接合強度を有するろう付継手4を形成することができる。
試験体T17には、心材21中のMg量が前記特定の範囲よりも少ないブレージングシートS15が用いられている。そのため、ろう付継手4におけるろう材23中のMg量が不足し、接合強度の低下を招くおそれがある。
試験体T18には、心材21中のMg量が前記特定の範囲よりも多いブレージングシートS16が用いられている。そのため、心材21にエロージョンが発生し、ろう付継手4の接合強度が低くなりやすい。
本発明に係るアルミニウム接合体、その製造方法及びブレージングシートの態様は、前述した各実施例の態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更することができる。
1 アルミニウム接合体
2 第1部品
21 心材
22 ろう材層
3 第2部品
4 ろう付継手

Claims (9)

  1. 第1部品と、第2部品と、前記第1部品と前記第2部品との間に介在し、両者を接合するろう付継手と、を有するアルミニウム接合体であって、
    前記第1部品は、アルミニウム合金からなる心材と、前記心材上に存在するろう材層と、を備えたブレージングシートであり、
    前記ろう付継手は、150MPa以上の接合強度を有する、アルミニウム接合体。
  2. 前記ろう付継手は、Mg:0.25質量%以上を含有するアルミニウム合金からなるろう材を有している、請求項1に記載のアルミニウム接合体。
  3. 請求項1または2に記載のアルミニウム接合体における前記第1部品となるブレージングシートであって、
    Mg:0.30質量%以上1.80質量%未満を含むアルミニウム合金からなる心材と、
    Al−Si系合金からなり、5〜215μmの厚みを有し、前記心材上に積層されたろう材層と、を備え、
    前記ろう材層の厚みX[μm]と前記心材中のMg量Y[質量%]とが下記式(1)または下記式(2)のいずれかを満たす、ブレージングシート。
    Y≧X/120(但し、X≧36) ・・・(1)
    Y≧0.30(但し、X<36) ・・・(2)
  4. 請求項1または2に記載のアルミニウム接合体の製造方法であって、
    Mg:0.30質量%以上1.80質量%未満を含むアルミニウム合金からなる心材と、Al−Si系合金からなり、5〜215μmの厚みを有し、前記心材上に積層されたろう材層と、を備え、前記ろう材層の厚みX[μm]と前記心材中のMg量Y[質量%]とが下記式(1)または下記式(2)のいずれかを満たすブレージングシートからなる第1部品を準備し、
    前記第2部品を準備し、
    前記第1部品と前記第2部品とをろう付する、アルミニウム接合体の製造方法。
    Y≧X/120(但し、X≧30) ・・・(1)
    Y≧0.30(但し、X<30) ・・・(2)
  5. 前記ブレージングシートは、Mg:0.80質量%以上6.50質量%未満を含有するアルミニウム合金からなり、前記心材と前記ろう材層との間に介在する中間材を有する、請求項4に記載のアルミニウム接合体の製造方法。
  6. 前記中間材には、更に、Si:0質量%超え13.0質量%未満が含まれている、請求項5に記載のアルミニウム接合体の製造方法。
  7. 前記ろう材層中に、更に、Mg:0質量%超え0.60質量%以下が含まれている前記ブレージングシートからなる前記第1部品を用い、前記第1部品と前記第2部品とを、不活性ガス中においてフラックスを用いずにろう付する、請求項4〜6のいずれか1項に記載のアルミニウム接合体の製造方法。
  8. 前記ろう材層には、更に、Bi:0.010質量%以上0.060質量%未満が含まれている、請求項4〜7のいずれか1項に記載のアルミニウム接合体の製造方法。
  9. 前記ろう付を行った後、前記アルミニウム接合体に溶体化処理を行い、次いで、前記アルミニウム接合体に人工時効処理を行う、請求項4〜8のいずれか1項に記載のアルミニウム接合体の製造方法。
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