JP2020092682A - ペット用排尿処理材の製造方法 - Google Patents

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英和 黒▲崎▼
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正範 田中
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Isao Saito
功 齊藤
雄希 長井
Yuki Nagai
雄希 長井
悌治 佐藤
Teiji Sato
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Abstract

【課題】 収納袋からトイレケースに一群のペレットを注ぎ入れる際に、その一部がトイレケース外にこぼれたとしても、それが床面上に広く散らかることがなく、しかも吸尿性能にも優れたペット用排尿処理材を製造する方法を提供する。【解決手段】 適宜な水分を含んだ天然の、又はアルカリ処理された膨潤性スメクタイト系粘土を、所定断面形状の多数の押出孔を有する成型盤に通過させたのち、これを適宜長さに切断、及び乾燥することで、所定断面形状及び所定長さを有する柱状ペレット群からなるペット用排尿処理材を生成するにおいて、前記押出孔の断面輪郭形状の包絡線が、扁平環状又は比較的に長い直線部分を含む環状であり、かつ生成された柱状ペレット群の80重量%以上を構成する個々の柱状ペレットのサイズは、3メッシュの篩は通過するものの、10メッシュの篩は通過しない範囲のサイズである。【選択図】図3

Description

本発明は、ペット用排尿処理材の製造方法に係り、特に、スメクタイト系粘土を主原料とするペレット集合体で構成されるペット用排尿処理材の製造方法に関する。
従来のスメクタイト系粘土を主原料とするペット用排尿処理材(以下、ベントナイト系ペット用排尿処理材と表現することがある)は、「猫砂」等と称されて、ペレットの集合体として提供されるのが一般的である(特許文献1参照)。
このようなベントナイト系ペット用排尿処理材は、ペット用トイレ等と称される比較的底の浅いトレイに適当な深さ敷き詰められ、使用済み部分、即ち濡れて凝集固化した部分のみを取り除くようにして使用される。
すなわち、この種の排尿処理材は、吸尿により急激に膨潤した個々のペレット表層の泥状化域が相互に押し重なるように渾然一体となり塊状物となって固化するという作用機序により尿を吸収固化し使用済み部分のみを簡易に取り除けるものである。
特開2013−000036号公報
この種の排尿処理材を構成する個々のペレットは、ペット(例えば、猫)が踏んだときに足の裏に突き刺すような苦痛や不快感を与えないように、球状や円柱状といった丸みを帯びた立体形状であるのが一般的である。そのため、例えば、新規にトイレを準備するために、あるいは、不足分を補うために、収納袋からトイレケースに一群のペレットを注ぎ入れる際に、その一部が誤ってトイレケース外にこぼれると、それが転がって、床面上に広く散らかると言う問題点があった。
本発明は、上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、収納袋からトイレケースに一群のペレットを注ぎ入れる際に、その一部がトイレケース外にこぼれたとしても、それが床面上に広く散らかることがなく、しかも吸尿性能にも優れたペット用排尿処理材を製造する方法を提供することにある。
本発明の他の目的並びに作用効果については、以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
上述の技術的課題は、以下の構成を有するペット用排尿処理材の製造方法により解決することができると考えられる。
すなわち、本発明に係るペット用排尿処理材の製造方法は、適宜な水分を含んだ天然の、又はアルカリ処理された膨潤性スメクタイト系粘土を、所定断面形状の多数の押出孔を有する成型盤に通過させたのち、これを適宜の長さに切断、及び乾燥することで、前記押出孔通過後の収縮程度により定まる所定断面形状及び所定の長さを有する柱状ペレット群からなるペット用排尿処理材を生成するペット用排尿処理材の製造方法であって、
前記押出孔の断面輪郭形状の包絡線が、扁平環状又は比較的に長い直線部分を含む環状であり、かつ生成された柱状ペレット群の80重量%以上を構成する個々の柱状ペレットのサイズは、3メッシュの篩は通過するものの、10メッシュの篩は通過しない範囲のサイズとするものである。
なお、前記の包絡線は数学上の定義で言う包絡線とは多少異なる意味合いを有し、ここで言う「断面輪郭形状の包絡線」とは、断面輪郭形状が楕円形、四角形、三角形、等々と言ったように凸面又は凸曲面にて囲まれている場合には、その包絡線とは断面輪郭形状をなぞる環状であり、断面輪郭形状が十字形、三日月形と言ったように凹面又は凹曲面にて囲まれている場合には、突部同士を繋ぐ曲線乃至直線からなる環状となるものである。つまり、それらの環状線は、床面との接触面又は接触等価面を表すこととなる。
このような構成によれば、製造される個々の柱状ペレットのそれぞれは、押出孔通過後、全体的に僅かに収縮して角部にやや丸みは帯びるとはいえ、その断面輪郭形状は、基本的には、その包絡線が扁平環状又は比較的に長い直線部分を含む環状となるものであるから、その周面に幅の広い平坦部や曲率の大なる曲面部が生じたり、或いは2つの突条部により安定的に床面着座することで、従来の真円形断面の柱状ペレットや球状ペレットに比べて明らかに転がり難さが増すこととなる。そのため、収納袋からトイレケースに一群のペレットを注ぎ入れる際に、その一部がトイレケース外にこぼれたとしても、それが床面上に広く散らかることがなくなる。
加えて、従前の断面真円形状の柱状ペレットの場合に比べて、嵩密度が小さくなるため、例えば袋詰め商品として販売する場合、1袋当たり必要なスメクタイト系粘土の量が従来よりも少なくて済み、その分だけコストダウンが可能となるほか、1袋当たりの軽量化により運搬の容易化も可能となる。
また、柱状ペレット群の80重量%以上は、3メッシュの篩は通過するものの、10メッシュの篩は通過しない範囲のサイズであるから、想定される堆積状態において生ずるペレット相互間の隙間の大きさは、その隙間を尿が流下する速度とペレット内部への尿の吸収による膨潤固化が進行する速度とが調和した最適な大きさとなる。そのため、トイレケースに敷き詰められたペレットの上に放出された尿は、ペレット堆積層中に隙間を通って染み込むものの、トイレケースの底に達することなく、比較的に浅い深さにおいて、ペレット堆積層中に吸収され尽くすこととなり、結果として、廃棄されるべきペレットの少量化により、使用期間の増加が期待される。また、トイレケースの底に到達する尿も殆ど無いか極少量であることにより、トイレケースの底面では尿を腐敗させる常在菌も繁殖せず、より衛生的に保たれることにより、尿の腐敗による分解悪臭であるアンモニア等の発生の抑制も期待される。
好ましい実施の態様においては、前記押出孔の内周には、1又は2以上の突起が設けられていてもよい。
このような構成によれば、押出孔の内周に設けられた1又は2以上の突起は、押出成形に際して、生成物の表面を引っ掻くこととなるため、生成物たる柱状ペレットの表面には、その長手方向に沿って適当な深さの溝が形成される。そのため、扁平な柱状ペレット同士が密接して堆積したり、柱状ペレットの平坦部同士が密接して堆積することで、放出された尿の流路が極度に狭められた場合にも、柱状ペレット相互間の溝によって、尿の流路が確保される利点がある。
好ましい実施の態様においては、前記成型盤の押出孔を通過させる際の前記膨潤性スメクタイト系粘土の含水率は、20〜40%である方がよい。
このような構成によれば、押出成形時の押出圧力、並びに、押出生成物の収縮程度を適正化することができる。
好ましい実施の態様においては、前記柱状ペレット群からなるペット用排尿処理材の膨潤度は、10mL/2g以上である方がよい。
このような構成によれば、尿を吸収した際、適度な大きさ、かつ強度を有した固化物を得ることが出来る。
好ましい実施の態様においては、前記柱状ペレット群を構成する個々の柱状ペレットの長さは、3〜15mmである方がよい。
このような構成によれば、トイレケースに放出された際の密集具合の適正化を図りつつも、柱状ペレットの断面に関する設計自由度を確保して、個々のペレットの吸尿量を適正化することができる。
好ましい実施の態様においては、包絡線が扁平環状となる押出孔の断面輪郭形状とは、平行な2本の等長線分の両端のそれぞれに半円形を向かい合わせに連接した如き小判形であってもよい。
このような構成によれば、十分な幅の平坦部とそれらを繋ぐ曲面部とを確保することができ、転がり難さを適正に確保しつつも、ペット(例えば、猫)の足裏に対して突き刺さるような苦痛や不快感を与えることがなく、かつ袋入り商品化する場合には、嵩密度の適正化により、一袋当たりのコストダウンを図ることもできる。
好ましい実施の態様においては、包絡線が扁平環状となる押出孔の断面輪郭形状とは、2以上の等径円を互いにその一部を重ねて直線状に連接してなる瓢箪形ないし串刺し団子形であってもよい。
このような構成によれば、隣接する半円状山部の間に谷部が生ずることで、山部の尾根同士を結ぶ平面が床面への着座面となって転がり難さが確保される一方、山部と山部との間に生ずる谷部が溝となって、密集して堆積された際にも、尿の流路が適正に確保されるという利点がある。
好ましい実施の態様においては、包絡線が比較的に長い直線部分を含む環状となる押出孔の断面輪郭形状とは、長方形、台形、三角形、又は十字形が含まれていてもよい。
このような構成によれば、長方形、台形、三角形等の画数の少ない多角形の場合には、その周面の一部には比較的に広い平坦部が生ずるため、転がり難さが確保される。また、十字形の場合には、隣接する稜線同士を繋ぐ平面が着座面となるために、転がり難さが確保されると共に、隣接する稜線同士の間に生ずる谷部が溝となって、密集して堆積された際にも、尿の流路が適正に確保されるという利点がある。
そのため、上述の各製造方法により製造されるペット用排尿処理材によれば、収納袋からトイレケースに一群のペレットを注ぎ入れる際に、その一部がトイレケース外にこぼれたとしても、それが床面上に広く散らかることがなくなる。
本発明に係るペット用排尿処理材の製造方法によれば、製造される個々の柱状ペレットのそれぞれは、その周面に幅の広い平坦部や曲率の大なる曲面部が生じたり、或いは2つの突条部により安定的に床面着座することで、従来の真円形断面の柱状ペレットや球状ペレットに比べて明らかに転がり難さが増すこととなる。そのため、収納袋からトイレケースに一群のペレットを注ぎ入れる際に、その一部がトイレケース外にこぼれたとしても、それが床面上に広く散らかることがなくなる。
加えて、従前の断面真円形状の柱状ペレットの場合に比べて、嵩密度が小さくなるため、例えば袋詰め商品として販売する場合、その軽量化により1袋当たりのコストダウンが可能となり運搬の容易化も可能となる。
また、柱状ペレットのサイズが、その堆積状態において生ずるペレット相互間の隙間の大きさを、その隙間を尿が流下する速度と膨潤固化が進行する速度とが調和した最適な大きさとなすため、トイレケースに敷き詰められたペレットの上に放出された尿は比較的に浅い深さにおいてペレット堆積層中に吸収され尽くすこととなり、結果として廃棄されるべきペレットの少量化による使用期間の増加とアンモニア等の悪臭に対する防臭効果の増大が期待される。
本発明に係るペット用排尿処理材の製造方法を示す図である。 ペット用排尿処理材の製造工程を示すゼネラルフローチャートである。 押出造粒機用の成型盤の一例を示す図である。 本発明に係るペット用排尿処理材の一実施形態を示す図である。 転がり距離試験の測定方法及び測定結果を示す図(その1)である。 転がり距離試験の測定方法及び測定結果を示す図(その2)である。 凝集性の試験結果を示す図である。 ペット用排尿処理材の使用例を示す図である。 成型盤の押出孔形状の例を示す図である。 嵩密度の測定結果を示す図である。 粒径による固化性の差を示す図である。
以下に、本発明に係るペット用排尿処理材の製造方法の好適な一実施例を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
<1.1 構成>
<ペット用排尿処理材の製造方法の一例>
図1,2を参照しながら、本発明に係るペット用排尿処理材の製造方法の一例を説明する。
先ずはじめに、原土採掘工程(図2、S101)においては、新潟県新発田市所在のサブベントナイト粘土鉱床2から、原土となるスメクタイト系粘土1を採掘する(図1(a)参照)。
次いで、破砕工程(図2、S102)においては、必要に応じて原土に水を添加して混練したのち、平型ロール式粗砕機3(回転式粉砕機 H−8700型 石川時鉄工所製)にて破砕して、水分含有率が約31%の粗砕物4を得る(図1(b)参照)。
次に、混練工程(図2、S103)においては、150℃乾物換算で10kgの粗砕物4に対して、アルカリ化合物として炭酸ナトリウム(Na2CO3)の粉末300g(=5.67当量)を添加したのち、孔径10mmの押出孔を多数有する成型盤を備えた単軸式横型押出造粒機(図示を省略)に3回かけて混合・捏和し、粗造粒物4'を得る。
次に、造粒工程(図2、S104)においては、粗造粒物4'を短径61a(=2mm)×長径61b(=4mm)の小判型押出孔61を多数有する成型盤6(図3参照)を備えたディスクペレッター(回転ロール式縦型押出造粒機)を用いて押し出し、孔から押し出された個々の柱状部を適切な長さで切断することで、未乾燥状態にある一群の柱状ペレット5が得られる(図1(c)参照)。
次いで、乾燥工程(図2、S105)においては、回転式乾燥炉により未乾燥状態にある一群の柱状ペレット5を150〜170℃で乾燥し、解砕機と篩分機にかけて、全長c(=4〜10mm)、断面の短径a(=約2mm)、断面の長径b(=約4mm)の断面小判状の柱状ペレット5'を得た(図4参照)。
なお、図1において混練工程、乾燥工程は図示を省略している。得られた一群の柱状ペレット5'、3メッシュの篩及び10メッシュの篩に順にかけたところ、全体の約85%が3メッシュの篩を通過し、且つ10メッシュの篩を通過しないサイズであった。
上述の造粒工程で用いられる押出造粒機用成型盤の一例が図3に示されている。ここで図3(a)は成型盤6の全体図、図3(b)は押出孔61の拡大図である。同図に示されるように、成型盤6には多数の押出孔61が設けられており、これらの押出孔61から粗造粒物4'が成形されて押し出されることにより、柱状ペレット5の基本的な断面形状が決定される。より正確には、押出孔61から押し出された後に図示されてないブレードで適当な長さに切り落とされ、回転式乾燥炉で乾燥されることでペット用排尿処理材5が完成するため、乾燥工程での多少の縮みや欠け等が生じることもあるが、押出孔61から押し出された際の形状やサイズと大きな差異はない。なお、この例では、押出孔61の断面形状は、例えば、短径Da2(=1〜5mm)、長径Da1(=2〜15mm)の小判形である。
本発明において、スメクタイト系粘土にアルカリ化合物を添加するのは、所謂活性化処理を行うためであり、スメクタイト系粘土にアルカリ剤を添加して混練することでスメクタイト系粘土のスメクタイト層間にアルカリ陽イオンが導入され、スメクタイト系粘土の膨潤性と固化性が向上する。
また、ここで用いるアルカリ化合物としては、炭酸塩、ケイ酸塩、水酸化物等既知のものを適宜選択して用いることができるが、充分な膨潤性向上効果が得られ、安価であるという理由から炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、水酸化ナトリウムが好ましい。
次いで、本発明に係るペット用排尿処理材を構成する柱状ペレット5'の一実施形態について、図4を参照しつつ説明する。柱状ペレット5'はスメクタイト系粘土を主原料とするものであり、大きさは一例として断面の短径a(=1〜4mm)、長径b(=3〜6mm)、全長c(=4〜10mm)である。当該柱状ペレット5'の断面形状は成型盤6の押出孔61の断面輪郭形状により、全長cは押出成型時の切断位置により大凡決定されるが、乾燥時や袋に充填して販売店に搬送する際に一部欠けたり折れたりすることもある。同図において、ペット用排尿処理材5'の断面形状は略小判形状である。
次いで、図9(a)〜(f)には成型盤6の押出孔の断面形状の例が示されている。図9(a)は略小判型形状の例であり、一例として長径Da1は4mm、短径Da2は2mmである。図9(b)は長方形形状の例であり、一例として長辺の長さDb1は5mm、短辺の長さDb2は1.5〜3mmである。図9(c)は円形を二つ繋げた略瓢箪形状の例であり、一例として長径Dc1は4mm、短径Dc2は2.5mmである。図9(d)は円形を三つ繋げた略串刺し団子形状の例であり、一例として長径Dd1は5mm、短径Dd2は2mmである。図9(e)は正三角形形状の例であり、一例として一辺の長さDeは4mmである。図9(f)は従来例に相当する真円形状の例であり、一例として直径Dfは3mmである。本発明において成型盤6の押出孔形状としては、図9(a)〜(e)の構造に加え、三日月形、十字型等の形状を採用してもよい。
図9(a)〜図9(d)から明らかなように、以上述べた略小判形形状、長方形形状、略瓢箪形形状、略串刺し団子形状の押出孔の輪郭を取り巻く包絡線は、いずれも、扁平な環状となる。そのため、それらの押出孔を通過して成形された柱状ペレット5は、扁平な立体形状となることから、平坦な床面上に安定的に着座することができ、転がり難い立体形状であると言える。
図9(a)、図9(b)及び図9(e)に示される小判形形状、長方形形状及び三角形形状の押出孔の輪郭を取り巻く包絡線の一部には、比較的に長い直線状部分が含まれていることから、それらの押出孔を通過して成形された柱状ペレット5は、平坦な一面を有する立体形状となる。そのため、その平坦な一面を介して、平坦な床面上に安定的に着座することができ、その点からも、転がり難い立体形状であると言える。
図9(c)及び図9(d)に示される略瓢箪形形状及び略串刺し団子形状の押出孔については、その内周には突起61cが存在するため、そのような押出孔を通過して成形された柱状ペレット5の表面には長手方向に沿う溝が形成される。そのため、互いに密接して堆積された場合にも、それらの溝によって、尿の流路が確保される。
このように本発明のペット用排尿処理材の製造工程においては様々な押出孔形状を採用することができるが、これらの中でも外周面の一部が平面である構造が好ましく、更に成型盤の押出孔の加工の容易さ、押出成形時の摩耗による孔の形状維持、成形品の割れや欠けによる形状変化の少なさ、使用時に零れたペット用排尿処理材を人やペットが踏んだ際の痛みや不快感の少なさ、という理由から小判型が最も好ましい。また、より高い吸尿性と軽量化を求めるのであれば、外周面に溝を有する構造が好ましい。
次いで、図5,6には本発明に係る柱状ペレット5の転がり距離試験の測定方法及び測定結果が示されている。なお、図5,6において、基本形の断面は図9(a)、変形例1の断面は図9(b)(5×1.5mm)、変形例2の断面は図9(b)(5×3mm)、変形例3の断面は図9(c)、従来例1の断面は図9(f)に相当し、それぞれ長さは3〜10mm程度である。また、従来例2は直径3mmの球形である。
<1.2 飛び散り距離測定方法>
転がり距離試験の測定方法が図5(a)に示されている。この試験においては、長さ22.5cm、幅15cmのポリエチレンテレフタレート製の板7(以下、PET板と記す場合がある)7を端部が金属製バット底面に接し且つバット底面と30°の角度をなすように設置し、斜面終端部、すなわちプラスチック板7と金属製バットとの接地部分D0から20cmの位置であるD1より少量(この例では10粒程度)のペレット5'を転がり落とす。転がり落ちたペレット5'の到達地点をDXとし、接地部分D0から到達地点DXまでの距離を測定して、これを当該ペレット5'の転がり距離DR(mm)とする。なお、各試料の転がり距離DRは、各試料毎の(10粒の平均値)を採用した。
図6(a)〜(f)には転がり距離試験後の各試料の飛散状態が示されている。なお、図6(a)〜(f)の各図は測定時の写真に基づくものである。従来例1,2に係るペレット5'は金属製バット8内に広く散らばっているのに対して(図6(e)、(f)参照)、基本形、及び変形例1〜3に係るペット用排尿処理材5'はあまり飛散せずPET板7の接地部分D0近傍に留まっていることがわかる(図6(a)〜(d)参照)。
また、図6(a)〜(f)に示された各試料毎の転がり距離を比較したグラフが図5(b)に示されている。同図に示されるように、一般的なペレットの形状である従来例1(円柱形状)、従来例2(球形)は転がり距離DRが100mm以上であったが、基本形(略小判型)、変形例1(長方形)、変形例2(長方形)、変形例3(円連結形状)についてはいずれも転がり距離DRが50mm以下であり、本発明の立体形状を採用することで転がり距離が改善されたことがわかる。
<1.4 固化性能についての検証>
ペレット5'の凝集性の試験結果及び試験方法が図7,8に示されている。ここで図7は凝集性の試験結果を示す図面代用写真、図8はペット用排尿処理剤の使用例を示す図面である。
凝集性の試験においては、はじめに試料となる各ペレット5'をペット用トイレに深さ15cm分を敷き詰め(図8参照)、疑似尿(後段にて説明する)20mlを10秒間かけて注ぐ。
しばらく放置し、吸尿部分が固化した後にこの固化物5"を採取して固化物5"の鉛直方向の長さを測定し、固化長(mm)とした。固化物5"の固化長が短いということは、吸尿時に尿がペット用排尿処理材に速やかに吸収されてペット用トイレの下方まで流れないことを意味し、ペット用排尿処理材群としての吸水(尿)性が高いことを意味する。
図7は疑似尿を用いた際の固化物であり、基本形及び変形例の固化長が従来例の固化長よりも短く、基本形及び変形例のペット用排尿処理材が優れた固化性能を有していることがわかり、特に外周部に溝を有する変形例3では顕著である。
基本形、変形例、従来例に係るペレット5'はすべて同一の原材料から製造されたものであるにも関わらずこのような差異が生じたのは形状の差によるものと考えられる。基本形及び各変形例に係るペレット5'は、ペット用トイレ等に敷き詰めた際に従来例1よりも各ペット用排尿処理材5'同士の間に隙間が生じやすいにも係わらず固化長が短くなるのは、基本形及び各変形例に係るペット用排尿処理材は平面を有する構造であるために粒子同士が平行に重なる機会が増え、鉛直方向からの尿液(疑似尿)の流れを阻害することで、結果としてこの隙間により尿液が素早く吸収されることによるものと推測される。又、本発明の基本形及びその変形によるペレットと従来の円柱状ペレットの比較において、仮に、同一体積または同一重量を有するペレット間のそれぞれのペレットの外表面積を比較すると、本発明のペレットの方が従来の円柱状のペレットよりもやや大きくなることが尿液のペレット内部への吸収を早める一因となっているとも考えられる。
<1.5 疑似尿の所定処方>
先に述べた疑似尿は、猫尿中の電解質成分を模して発明者等が考案し、次の手順で作成されたものである。5Lのビーカーに2kgの脱イオン水を入れ、撹拌しながら、各々別々に秤取した以下の7種の試薬を順次加え入れて溶解する。
1_CaCl2・2H2O(=147.01;≧99%):0.22g
2_MgCl2・6H2O(=203.30;≧97%):2.83g
3_KCl(=74.55;≧99%):27.11g
4_NaCl(=58.44;≧99%):3.54g
5_Na2SO4(=142.04;≧99%):17.22g
6_NaHCO3(=84.01;≧99.5%):17.73g
7_NaH2PO4・2H2O(=155.99;≧99%):37.82g
次いで、脱イオン水を加えて全量を3kgとなし、さらに撹拌して均質な溶液とすることで、疑似尿を得た。得られた疑似尿のpHを測定すると、pH:6.0〜6.5(20〜30℃)であった。
<1.6 膨潤度試験方法>
本発明において、成形後のペット用排尿処理材の膨潤度は以下の手順で測定されたものである。純水100mLを入れたメスシリンダーに、当該試料の150℃乾燥粉末2gを、試料が内壁に殆ど付着しないようにしながら先に加えた試料が殆ど沈着した後に次の試料を加えるようにして順次分け入れる。試料を加え終わった後に24時間静置して、容器内に堆積した試料の見掛け容積を読み取り膨潤度(mL/2g)とした。例えば、24時間後の該見掛け容積が10mLであれば、そのペット用排尿処理材の膨潤度は10mL/2gとなる。該膨潤度が大きいほど、そのペット用排尿処理材が吸収できる吸水量が多いことを意味する。
<1.7 軽量化即ち嵩密度についての検証>
ペレット5'の嵩密度の試験結果が図10に示されている。なお、基本形、変形例、及び従来例の形状は、図5〜7と同様である。嵩密度の測定方法は次の通りである。
試料となる各ペット用排尿処理材5'を1リットルのステンレス容器に投入し、上部の山盛り部分をプラスチック製定規で摺り切り、その重量を測る。量った重量からステンレス容器の重量を引いた値を嵩密度(単位:g/L)とする。図10の結果から明らかなように、本発明に係る基本形、及び変形例1〜3に係るペレット5'は、いずれも従来例1よりも嵩密度が小さく軽量性に優れるものであった。これらのペレット5'はすべて同一の原材料から製造されたものであるにも関わらず、このような差異が生じたのは、基本形及び各変形例に係るペット用排尿処理材5'はその形状から、ペット用トイレ等に敷き詰めた際に従来例1よりも各ペット用排尿処理材5'同士の間に隙間が生じやすく、ペット用排尿処理材の軽量化に寄与したものと推測される。
図11には、粒径の異なる2種のペット用排尿処理材の固化性の違いが示されている。なお同図において固化物の背後に書かれている目盛りは、一マスが1cm角である。基本形と記された左側のペレットは断面が4×2mmの小判型であり、長さが4〜9mmである。一方、参考例1に記されたペレットは断面が8×5mmの小判型であり、長さが10〜20mmである。
本願に係る基本形のペレットは固化長が6〜8cm程度であるのに対して、粒径の大きい参考例1のペレットは19〜20cm程度の固化長となっている。これは参考例1の粒径がベントナイト系のペレットとしては大きすぎるためにペレットを敷き詰めた際にペレット同士の間に大きな隙間が生じ、一度に流れ込む水分量が多くになることにより水分が周囲のペット用排尿処理材に吸収される前に下方に流れたことが原因であると考えられる。ペット用排尿処理材を敷き詰めた際に、ある程度までの大きさの隙間は水分の拡散を早めて吸水が行われていないペレットに水分を届かせることで結果として吸水性を向上させるが、過度に大きな隙間は水分が粒状物周辺に留まらず下方に流れてしまうため、吸水性の悪化に繋がる。このため、ベントナイト系のペレットについては粒径が大きすぎることは好ましくないと考えられる。

Claims (9)

  1. 適宜な水分を含んだ天然の、又はアルカリ処理された膨潤性スメクタイト系粘土を、所定断面形状の多数の押出孔を有する成型盤に通過させたのち、これを適宜の長さに切断、及び乾燥することで、前記押出孔通過後の収縮程度により定まる所定断面形状及び所定の長さを有する柱状ペレット群からなるペット用排尿処理材を生成するペット用排尿処理材の製造方法であって、
    前記押出孔の断面輪郭形状の包絡線が、扁平環状又は比較的に長い直線部分を含む環状であり、かつ生成された柱状ペレット群の80重量%以上を構成する個々の柱状ペレットのサイズは、3メッシュの篩は通過するものの、10メッシュの篩は通過しない範囲のサイズである、ペット用排尿処理材の製造方法。
  2. 前記押出孔の内周には、1又は2以上の突起が設けられている、請求項1に記載のペット用排尿処理材の製造方法。
  3. 前記成型盤の押出孔を通過させる際の前記膨潤性スメクタイト系粘土の含水率は、20〜40%である、請求項1に記載のペット用排尿処理材の製造方法。
  4. 前記柱状ペレット群からなるペット用排尿処理材の膨潤度は、10mL/2g以上である、請求項1に記載のペット用排尿処理材の製造方法。
  5. 前記柱状ペレット群を構成する個々の柱状ペレットの長さは、3〜15mmである、請求項1に記載のペット用排尿処理材の製造方法。
  6. 包絡線が扁平環状となる押出孔の断面輪郭形状とは、平行な2本の等長線分の両端のそれぞれに半円形を連接した如き小判形である、請求項1〜5のいずれか1つに記載のペット用排尿処理材の製造方法。
  7. 包絡線が扁平環状となる押出孔の断面輪郭形状とは、2以上の等径円を互いにその一部を重ねて直線状に連接してなる瓢箪形ないし串刺し団子形である、請求項1〜5のいずれか1つに記載のペット用排尿処理材の製造方法。
  8. 包絡線が比較的に長い直線部分を含む環状となる押出孔の断面輪郭形状とは、長方形、台形、三角形、又は十字形が含まれる、請求項1〜5のいずれか1つに記載のペット用排尿処理材の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法により製造されたペット用排尿処理材。
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