JP2020090651A - ポリフェニレンエーテル、硬化性組成物、ドライフィルム、硬化物、および電子部品 - Google Patents

ポリフェニレンエーテル、硬化性組成物、ドライフィルム、硬化物、および電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】低誘電特性を維持し、種々の有機溶媒に可溶で、低温硬化性に優れる熱硬化性のポリフェニレンエーテルの提供。【解決手段】側鎖不飽和炭素結合を有するポリフェニレンエーテルの側鎖不飽和炭素結合の一部または全部をエポキシ化して得られる側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルであって、前記側鎖不飽和炭素結合を有するポリフェニレンエーテルが、少なくとも下記条件1および下記条件2をいずれも満たすフェノール類(A)、または、少なくとも下記条件1を満たし下記条件2を満たさないフェノール類(B)と下記条件1を満たさず下記条件2を満たすフェノール類(C)の混合物を含む原料フェノール類からなることを特徴とする側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテル。(条件1)オルト位およびパラ位に水素原子を有する。(条件2)パラ位に水素原子を有し、不飽和炭素結合を含む官能基を有する【選択図】なし

Description

本発明は、ポリフェニレンエーテル、硬化性組成物、ドライフィルム、硬化物、および電子部品に関する。
第5世代通信システム(5G)に代表される大容量高速通信や自動車のADAS(先進運転システム)向けミリ波レーダー等などの普及により通信機器の信号の高周波化が進んできた。
しかし、配線板材料として従来のエポキシ樹脂などの使用では比誘電率(Dk)や誘電正接(Df)が十分に低くないために、周波数が高くなるほど誘電損失に由来する伝送損失の増大が起こり、信号の減衰や発熱などの問題が生じていた。そのため、低誘電特性にすぐれたポリフェニレンエーテルが使用されてきたが、ポリフェニレンエーテルは熱可塑性樹脂であるために耐熱性の問題があった。
その問題を解決するための手段として非特許文献1には、ポリフェニレンエーテルの分子内にアリル基を導入させて、熱硬化性樹脂とすることが提案されている。
J. Nunoshige, H. Akahoshi, Y. Shibasaki, M. Ueda, J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem. 2008, 46, 5278-3223.
しかしながら、ポリフェニレンエーテルは可溶する溶媒が限られており、非特許文献1の手法で得られたポリフェニレンエーテルも、クロロホルムやトルエン等の非常に毒性が高い溶媒にしか溶解しない。そのため、樹脂ワニスの取り扱いや、配線板用途のような塗膜化して硬化させる工程における溶媒暴露の管理が難しいという問題があった。
また、近年、低コスト化を目的に汎用の基材(FR−4)に高周波材料をハイブリッド(複合)化したミリ波モジュール基板が増えてきている。汎用のFR−4材とハイブリット化するためには低温(200℃以下、好ましくは180℃以下)で積層できる材料が望ましい。
そこで本発明の目的は、低誘電特性を維持しつつも、種々の溶媒(毒性の高い有機溶媒以外の有機溶媒、例えばシクロヘキサノン)にも可溶であり、低温硬化性に優れる熱硬化性のポリフェニレンエーテルを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記目的の実現に向け鋭意検討した結果、特定のフェノール類を使用して得られたポリフェニレンエーテルの側鎖不飽和炭素結合に着目し、このポリフェニレンエーテルの側鎖不飽和炭素結合をエポキシ化したものを使用することにより、上記課題を解決可能なことを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明(1)は、側鎖不飽和炭素結合を有するポリフェニレンエーテルの側鎖不飽和炭素結合の一部または全部をエポキシ化して得られる側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルであって、
前記側鎖不飽和炭素結合を有するポリフェニレンエーテルが、少なくとも下記条件1および下記条件2をいずれも満たすフェノール類(A)、または、少なくとも下記条件1を満たし下記条件2を満たさないフェノール類(B)と下記条件1を満たさず下記条件2を満たすフェノール類(C)の混合物を含む原料フェノール類からなることを特徴とする側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルである。
(条件1)
オルト位およびパラ位に水素原子を有する
(条件2)
パラ位に水素原子を有し、不飽和炭素結合を含む官能基を有する
本発明(1)は、好ましくは、側鎖不飽和炭素結合を有するポリフェニレンエーテルの側鎖不飽和炭素結合の一部または全部をエポキシ化して得られる側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルであって、
前記側鎖不飽和炭素結合を有するポリフェニレンエーテルが、少なくとも下記条件1および下記条件2をいずれも満たすフェノール類(A)、または、少なくとも下記条件1を満たし下記条件2を満たさないフェノール類(B)と下記条件1を満たさず下記条件2を満たすフェノール類(C)の混合物を含む原料フェノール類からなり、コンフォメーションプロットで算出された傾きが0.6未満であることを特徴とする側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルである。
(条件1)
オルト位およびパラ位に水素原子を有する
(条件2)
パラ位に水素原子を有し、不飽和炭素結合を含む官能基を有する
本発明(2)は、本発明(1)の側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルと、エポキシ基反応性架橋型硬化剤と、を含む硬化性組成物である。
本発明(3)は、本発明(2)の硬化性組成物を基材に塗布して得られる、ドライフィルムまたはプリプレグである。
本発明(4)は、本発明(2)の硬化性組成物を硬化して得られる、硬化物である。
本発明(5)は、本発明(4)の硬化物を含む、積層板である。
本発明(6)は、本発明(4)の硬化物を有する、電子部品である。
本発明によれば、低誘電特性を維持しつつも、種々の溶媒(毒性の高い有機溶媒以外の有機溶媒、例えばシクロヘキサノン)にも可溶であり、低温硬化性に優れる熱硬化性のポリフェニレンエーテルを提供することが可能となる。
本願では、特願2018−134338の記載の全てが引用され組み込まれる。
なお、説明した化合物に異性体が存在する場合、特に断らない限り、存在し得る全ての異性体が本発明において使用可能である。
また、本発明において、「不飽和炭素結合」は、特に断らない限り、エチレン性またはアセチレン性の炭素間多重結合(二重結合または三重結合)を示す。
本発明において、原料フェノール類の説明を行う際に「オルト位」や「パラ位」等と表現した場合、特に断りがない限り、フェノール性水酸基の位置を基準(イプソ位)とする。
本発明において、単に「オルト位」等と表現した場合、「オルト位の少なくとも一方」等を示す。従って、特に矛盾が生じない限り、単に「オルト位」とした場合、オルト位のどちらか一方を示すと解釈してもよいし、オルト位の両方を示すと解釈してもよい。
本発明において、ポリフェニレンエーテル(PPE)の原料として用いられ、ポリフェニレンエーテルの構成単位になり得るフェノール類を総称して、「原料フェノール類」とする。
以下、側鎖不飽和炭素結合がエポキシ化されていないポリフェニレンエーテルのことを単にポリフェニレンエーテルと表記する場合がある。
<<側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテル>>
本発明の側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルは、分岐構造を有し、かつ、側鎖不飽和炭素結合を有する所定のポリフェニレンエーテルの側鎖不飽和炭素結合の一部または全部をエポキシ化したものである。側鎖不飽和炭素結合は、典型的には、ポリフェニレンエーテルの構成単位である原料フェノール類が置換基として有する不飽和炭素結合に由来する。
本発明の側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルは、側鎖不飽和炭素結合の一部または全部がエポキシ化されている。このため、低誘電特性、耐溶剤性がより優れた硬化物が得られる。また、エポキシ化することで熱硬化温度を比較的低温にさせることができる。
側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルの数平均分子量は、1,000〜20,000または1,000〜10,000であることが好ましい。さらに、多分散指数(PDI:重量平均分子量/数平均分子量)は、1.5〜20であることが好ましい。
側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルのエポキシ化率は、少なくとも1%であり、最大100%である。この範囲に調整することで、低誘電特性と耐溶剤性を確保することができる。
側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルのエポキシ化率とは、当該ポリフェニレンエーテルが有する側鎖不飽和炭素結合の数と側鎖エポキシ基の数の合計に占める側鎖エポキシ基数の割合である。それぞれの数は1H NMR(400MHz,CDCl3,TMS)を利用して解析することができる。
本発明の側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルは、典型的には、エポキシ化剤によって、側鎖不飽和炭素結合を有するポリフェニレンエーテルにおける一部または全部の側鎖不飽和炭素結合をエポキシ化することで得られる。
エポキシ化剤の種類、反応温度、反応時間、触媒の有無および触媒の種類等については、適宜設計可能である。エポキシ化剤として2種類以上の化合物を使用してもよい。
エポキシ化剤としては、不飽和炭素結合をエポキシ化できるものであればよく特に制限されない。典型的には、有機過酸が挙げられる。有機過酸としては過カルボン酸が挙げられる。過カルボン酸としては、過蟻酸、過酢酸、過プロピオン酸、トリフルオロ過酢酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸が挙げられる。
なお、側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルは、その末端フェノール性水酸基が所定のエポキシ化剤によってエポキシ化されていてもよい。このようなエポキシ化剤としては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンなどのエピハロヒドリンが挙げられる。
側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルの前駆体である所定のポリフェニレンエーテルは、(形態1)少なくとも、下記条件1および下記条件2をいずれも満たすフェノール類(A)を必須成分として含む原料フェノール類、または、(形態2)少なくとも、下記条件1を満たし下記条件2を満たさないフェノール類(B)と下記条件1を満たさず下記条件2を満たすフェノール類(C)との混合物を必須成分として含む原料フェノール類、を酸化重合させて得られるものである。
(条件1)
オルト位およびパラ位に水素原子を有する
(条件2)
パラ位に水素原子を有し、不飽和炭素結合を含む官能基を有する
ここで、条件1を満たすフェノール類{例えば、フェノール類(A)およびフェノール類(B)}は、オルト位に水素原子を有するため、フェノール類と酸化重合される際に、イプソ位、パラ位のみならず、オルト位においてもエーテル結合が形成され得るため、分岐鎖状の構造を形成することが可能となる。
条件1を満たさないフェノール類{例えば、フェノール類(C)および下記フェノール類(D)}は、酸化重合される際には、イプソ位およびパラ位においてエーテル結合が形成され、直鎖状に重合されていく。
また、条件2を満たすフェノール類{例えば、フェノール類(A)およびフェノール類(C)}は、少なくとも不飽和炭素結合を含む炭化水素基を有する。従って、条件2を満たすフェノール類を原料として合成されるポリフェニレンエーテルは、不飽和炭素結合を含む炭化水素基を官能基として有することで、架橋性を有することとなる。
このように、所定のポリフェニレンエーテルは、その構造の一部が、少なくともイプソ位、オルト位、パラ位の3か所がエーテル結合されたベンゼン環により分岐することとなる。所定のポリフェニレンエーテルは、例えば、骨格中に少なくとも式(5)で示されるような分岐構造を有するポリフェニレンエーテルであり、少なくとも一つの不飽和炭素結合を含む炭化水素基を官能基として有する化合物と考えられる。
式(5)中、R〜Rは、水素原子、または炭素数1〜15(好ましくは、炭素数1〜12)の炭化水素基である。ただし、R〜Rの少なくとも一つが、不飽和炭素結合を有する炭化水素基である。
次に、上記形態1は、原料フェノール類として、さらにフェノール類(B)および/またはフェノール類(C)を含む形態であってもよい。また、上記形態2は、原料フェノール類として、さらにフェノール類(A)を含む形態であってもよい。
所定のポリフェニレンエーテルは、上記形態2であることか、上記形態1においてフェノール類(B)および/またはフェノール類(C)を更なる必須成分として含む形態であることが好ましい。
また、本発明の効果を阻害しない範囲内で、原料フェノール類は、その他のフェノール類を含んでいてもよい。
その他のフェノール類としては、例えば、パラ位に水素原子を有し、オルト位に水素原子を有せず、不飽和炭素結合を含む官能基を有しないフェノール類であるフェノール類(D)が挙げられる。
上記形態1および上記形態2のいずれにおいても、所定のポリフェニレンエーテルの高分子量化のために、原料フェノール類として、フェノール類(D)をさらに含むことが好ましい。
所定のポリフェニレンエーテルは、上記形態2において、原料フェノール類として、フェノール類(D)をさらに含む形態であることがもっとも好ましい。
さらに、上記形態2においては、工業的・経済的な観点から、フェノール類(B)が、o−クレゾール、2−フェニルフェノール、2−ドデシルフェノールおよびフェノールの少なくともいずれか1種であり、フェノール類(C)が、2−アリル−6−メチルフェノールであることが好ましい。
以下、フェノール類(A)〜(D)に関してより詳細に説明する。
フェノール類(A)は、上述のように、条件1および条件2のいずれも満たすフェノール類、即ち、オルト位およびパラ位に水素原子を有し、不飽和炭素結合を含む官能基を有するフェノール類であり、好ましくは下記式(1)で示されるフェノール類(a)である。
式(1)中、R〜Rは、水素原子、または炭素数1〜15の炭化水素基である。ただし、R〜Rの少なくとも一つが、不飽和炭素結合を有する炭化水素基である。なお、酸化重合時に高分子化することが容易になるという観点から、炭化水素基は、炭素数1〜12であることが好ましい。
式(1)で示されるフェノール類(a)としては、o−ビニルフェノール、m−ビニルフェノール、o−アリルフェノール、m−アリルフェノール、3−ビニル−6−メチルフェノール、3−ビニル−6−エチルフェノール、3−ビニル−5−メチルフェノール、3−ビニル−5−エチルフェノール、3−アリル−6−メチルフェノール、3−アリル−6−エチルフェノール、3−アリル−5−メチルフェノール、3−アリル−5−エチルフェノール等が例示できる。式(1)で示されるフェノール類は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
フェノール類(B)は、上述のように、条件1を満たし、条件2を満たさないフェノール類、即ち、オルト位およびパラ位に水素原子を有し、不飽和炭素結合を含む官能基を有しないフェノール類であり、好ましくは下記式(2)で示されるフェノール類(b)である。
式(2)中、R〜Rは、水素原子、または炭素数1〜15の炭化水素基である。ただし、R〜Rは、不飽和炭素結合を有しない。なお、酸化重合時に高分子化することが容易になるという観点から、炭化水素基は、炭素数1〜12であることが好ましい。
式(2)で示されるフェノール類(b)としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、o−tert−ブチルフェノール、m−tert−ブチルフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、2−ドデシルフェノール、等が例示できる。式(2)で示されるフェノール類は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
フェノール類(C)は、上述のように、条件1を満たさず、条件2を満たすフェノール類、即ち、パラ位に水素原子を有し、オルト位に水素原子を有せず、不飽和炭素結合を含む官能基を有するフェノール類であり、好ましくは下記式(3)で示されるフェノール類(c)である。
式(3)中、RおよびR10は、炭素数1〜15の炭化水素基であり、RおよびRは、水素原子、または炭素数1〜15の炭化水素基である。ただし、R〜R10の少なくとも一つが、不飽和炭素結合を有する炭化水素基である。なお、酸化重合時に高分子化することが容易になるという観点から、炭化水素基は、炭素数1〜12であることが好ましい。
式(3)で示されるフェノール類(c)としては、2−アリル−6−メチルフェノール、2−アリル−6−エチルフェノール、2−アリル−6−フェニルフェノール、2−アリル−6−スチリルフェノール、2,6−ジビニルフェノール、2,6−ジアリルフェノール、2,6−ジイソプロペニルフェノール、2,6−ジブテニルフェノール、2,6−ジイソブテニルフェノール、2,6−ジイソペンテニルフェノール、2−メチル−6−スチリルフェノール、2−ビニル−6−メチルフェノール、2−ビニル−6−エチルフェノール等が例示できる。式(3)で示されるフェノール類は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
フェノール類(D)は、上述のように、パラ位に水素原子を有し、オルト位に水素原子を有せず、不飽和炭素結合を含む官能基を有しないフェノール類であり、好ましくは下記式(4)で示されるフェノール類(d)である。
式(4)中、R11およびR14は、不飽和炭素結合を有しない炭素数1〜15の炭化水素基であり、R12およびR13は、水素原子、または不飽和炭素結合を有しない炭素数1〜15の炭化水素基である。なお、酸化重合時に高分子化することが容易になるという観点から、炭化水素基は、炭素数1〜12であることが好ましい。
式(4)で示されるフェノール類(d)としては、2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2−エチル−6−n−プロピルフェノール、2−メチル−6−n−ブチルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジトリルフェノール等が例示できる。式(4)で示されるフェノール類は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
ここで、本発明において、炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基などが挙げられ、好ましくはアルキル基、アリール基、アルケニル基である。不飽和炭素結合を有する炭化水素基としては、アルケニル基、アルキニル基などが挙げられる。なお、これらの炭化水素基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
さらに、その他のフェノール類として、パラ位に水素原子を有しないフェノール類等を含んでいてもよい。
原料フェノール類の合計に対する条件1を満たすフェノール類の割合が、1〜50mol%であることが好ましい。
原料フェノール類の合計に対する条件2を満たすフェノール類の割合が0.5〜99mol%であることが好ましく、1〜99mol%であることがより好ましい。
以上説明したような原料フェノール類を公知慣用の方法にて酸化重合させて得られる所定のポリフェニレンエーテルは、数平均分子量が2,000〜30,000であることが好ましい。5,000〜30,000であることがより好ましく、8,000〜30,000であることが更に好ましく、8,000〜25,000であることが特に好ましい。さらに、所定のポリフェニレンエーテルは、多分散指数(PDI:重量平均分子量/数平均分子量)が、1.5〜20であることが好ましい。
なお本発明において、数平均分子量および重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定を行い、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線により換算したものである。
所定のポリフェニレンエーテルの水酸基価は、数平均分子量(Mn)が10,000以上の場合、7.0以上であってもよい。言い換えると、数平均分子量(Mn)が5,000以上の場合、14.0以上であってもよく、数平均分子量(Mn)が20,000以上の場合、所定のポリフェニレンエーテルの水酸基価は3.5以上であってもよい。
所定のポリフェニレンエーテルは、重量平均分子量(Mw)が130,000以上でクロロホルムに対して溶解させた場合の濃度が0.5(g/mL)の場合、溶液粘度が250以下(P)であることが好ましい。また、重量平均分子量(Mw)が35,000以上で濃度が0.5(g/mL)の場合、溶液粘度が250以下(P)であることが好ましい。
所定のポリフェニレンエーテル1gは、25℃で、好ましくは100gのシクロヘキサノンに対して(より好ましくは、100gの、シクロヘキサノン、DMFおよびPMAに対して)可溶である。なお、ポリフェニレンエーテル1gが100gの溶剤(例えば、シクロヘキサノン)に対して可溶とは、ポリフェニレンエーテル1gと溶剤100gとを混合したときに、濁りおよび沈殿が目視で確認できないことを示す。所定のポリフェニレンエーテルは、25℃で、100gのシクロヘキサノンに対して、1g以上可溶であることがより好ましい。
ここで、ポリフェニレンエーテルの分岐構造(分岐の度合い)は、以下の分析手順に基づいて確認することができる。
<分析手順>
ポリフェニレンエーテルのクロロホルム溶液を、0.1、0.15、0.2、0.25mg/mLの間隔で調製後、0.5mL/minで送液しながら屈折率差と濃度のグラフを作成し、傾きから屈折率増分dn/dcを計算する。次に、下記装置運転条件にて、絶対分子量を測定する。RI検出器のクロマトグラムとMALS検出器のクロマトグラムを参考に、分子量と回転半径の対数グラフ(コンフォメーションプロット)から、最小二乗法による回帰直線を求め、その傾きを算出する。
<測定条件>
装置名 :HLC8320GPC
移動相 :クロロホルム
カラム :TOSOH TSKguardcolumnHHR−H
+TSKgelGMHHR−H(2本)
+TSKgelG2500HHR
流速 :0.6mL/min.
検出器 :DAWN HELEOS(MALS検出器)
+Optilab rEX(RI検出器、波長254nm)
試料濃度 :0.5mg/mL
試料溶媒 :移動相と同じ。試料5mgを移動相10mLで溶解
注入量 :200μL
フィルター :0.45μm
STD試薬 :標準ポリスチレン Mw 37,900
STD濃度 :1.5mg/mL
STD溶媒 :移動相と同じ。試料15mgを移動相10mLで溶解
分析時間 :100min
絶対分子量が同じ樹脂において、高分子鎖の分岐が進行しているものほど重心から各セグメントまでの距離(回転半径)は小さくなる。そのため、GPC−MALSにより得られる絶対分子量と回転半径の対数プロットの傾きは、分岐の程度を示し、傾きが小さいほど分岐が進行していることを意味する。本発明においては、上記コンフォメーションプロットで算出された傾きが小さいほどポリフェニレンエーテルの分岐が多いことを示し、この傾きが大きいほどポリフェニレンエーテルの分岐が少ないことを示す。
ポリフェニレンエーテルにおいて、上記傾きは、例えば、0.6未満であり、0.55以下、0.50以下、0.45以下、又は、0.40以下であることが好ましい。上記傾きがこの範囲である場合、ポリフェニレンエーテルが十分な分岐を有していると考えられる。なお、上記傾きの下限としては特に限定されないが、例えば、0.05以上、0.10以上、0.15以上、又は、0.20以上である。
なお、コンフォメーションプロットの傾きは、ポリフェニレンエーテルの合成の際の、温度、触媒量、攪拌速度、反応時間、酸素供給量、溶媒量を変更することで調整可能である。より具体的には、温度を高める、触媒量を増やす、攪拌速度を速める、反応時間を長くする、酸素供給量を増やす、及び/又は、溶媒量を少なくすることで、コンフォメーションプロットの傾きが低くなる(ポリフェニレンエーテルがより分岐し易くなる)傾向となる。
<<用途>>
本発明の側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルは、低誘電特性、耐溶剤性がより優れた硬化物が得られ、熱硬化温度を低下させることが可能なことから、様々な用途に適用することができる。
以下、本発明の側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルの具体的な用途として、硬化性組成物(単に組成物とも表現する場合がある)、および該硬化性組成物を硬化して得られる硬化物について説明する。
なお、組成物の固形分とは、溶媒(特に有機溶媒)以外の組成物を構成する成分、またはその質量や体積を意味する。
<硬化性組成物>
本発明の硬化性組成物は、上述した側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルを含む。また、以下に説明する成分を含んでもよい。
硬化性組成物は、エポキシ基反応性架橋型硬化剤を含む。
エポキシ基反応性架橋型硬化剤は、側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルを3次元架橋するものである。
本発明に係るエポキシ基反応性架橋型硬化剤としては、エポキシ樹脂とともに一般に使用される架橋型硬化剤であれば限定されない。このようなエポキシ基反応性架橋型硬化剤としては、例えば、アミノ基、カルボキシル基、酸無水基、フェノール性水酸基、チオール基、エステル基などの反応基を1分子中に複数を有する化合物が挙げられる。より具体的には、アミド系硬化剤、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、エステル系硬化剤などが挙げられる。エポキシ基反応性架橋型硬化剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
アミド系硬化剤としては、ジシアンジアミド、脂肪族ポリアミドが挙げられる。
アミン系硬化剤としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、メタキシレンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、アンモニア、トリエチルアミン、ジエチルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4、4’−ジアミノジフェニルエーテルが挙げられる。
フェノール系硬化剤としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、p−キシレンノボラック樹脂が挙げられる。
イミダゾール系硬化剤の具体例としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ドデシル無水コハク酸、無水クロレンディック酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメート)、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物が挙げられる。
エポキシ基反応性架橋型硬化剤としては、1分子中に2個以上のエステル基を有するエステル系硬化剤が特に好ましい。多くの硬化剤はエポキシ基と反応すると水酸基を生じ、このため誘電特性等に悪影響を及ぼす恐れがある。他方、エステル系硬化剤は、エポキシ基と反応する際に水酸基を生じることがないため、硬化物は良好な誘電特性を発揮できる。エステル系硬化剤はカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物との縮合反応によって得ることができる。
カルボン酸化合物としては、酢酸、プロピオン酸、フルオロ酢酸、安息香酸、ニトロ安息香酸、クロロ安息香酸、チオ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ベンゼントリカルボン酸、ベンゼンテトラカルボン酸等が挙げられる。
ヒドロキシ化合物としてフェノール化合物またはナフトール化合物を用いて得られるエステル系硬化剤が好ましい。フェノール化合物またはナフトール化合物としては、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。
エステル系硬化剤としては、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。市販されている活性エステル化合物としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール縮合構造を含む活性エステル化合物、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物等がある。
具体的には、ジシクロペンタジエン型ジフェノール縮合構造を含む活性エステル化合物としてEXB9451、EXB9460、HPC8000−65T(DIC株式会社製、活性基当量約223)、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物としてDC808(三菱化学株式会社製、活性基当量約149)、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物としてYLH1026(三菱化学株式会社製、活性基当量約200)、YLH1030(三菱化学株式会社製、活性基当量約201)、YLH1048(三菱化学株式会社製、活性基当量約245)、2,2−ビス(4−アセトキシフェニル)プロパン(活性エステル基当量約156)等が挙げられる。
エポキシ基反応性架橋型硬化剤の配合量は、側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテル100質量部に対して5〜50質量部としてもよい。言い換えると、エポキシ基反応性架橋型硬化剤の配合量は、組成物の固形分全量基準で、1〜10質量%としてもよい。上記範囲内の場合、強靭性、耐熱性などをバランスよく実現できる。
本発明の硬化性組成物は、エラストマーを含んでもよい。エラストマーを含むことで製膜性が向上する。エラストマーとしては、側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルに対する十分な相溶性を有していれば特に制限されない。
エラストマーは、熱硬化性エラストマーと熱可塑性エラストマーとに大別される。いずれも製膜性を向上させることができるため使用可能であるが、硬化物の引張特性を向上させることができるため熱可塑性エラストマーがより好ましい。
熱硬化性エラストマーとしては、例えばポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリクロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレン−プロピレンゴム等のジエン系合成ゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ポリウレタンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロルヒドリンゴム等の非ジエン系合成ゴム、および天然ゴム等を挙げることができる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、アクリル系エラストマー、シリコーン系エラストマーが挙げられる。ポリフェニレンエーテルとの相溶性および誘電特性の高さから特にスチレン系エラストマーが好ましい。
スチレン系エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー等のスチレン−ブタジエン共重合体;スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー等のスチレン−イソプレン共重合体;スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマーなどが挙げられる。加えて、これらの共重合体の水添物が挙げられる。
スチレン系エラストマーにおけるスチレンブロックの含有比率は、20〜70mol%であることが好ましい。
ここでスチレン系エラストマーの原料モノマーとしては、スチレンだけでなく、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン等のスチレン誘導体が含まれる。
エラストマーの重量平均分子量は、1,000〜300,000または2,000〜150,000としてもよい。重量平均分子量が前記下限値以上であると低熱膨張性に優れ、前記上限値以下であると他の成分との相溶性に優れる。
エラストマーの配合量は、側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテル100質量部に対して50〜200質量部としてもよい。言い換えると、エラストマーの配合量は、組成物の固形分全量基準で、30〜70質量%としてもよい。上記範囲内の場合、良好な硬化性、成形性、耐薬品性をバランスよく実現できる。
硬化性組成物は、過酸化物を含むことが好ましい。また、硬化性組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、その他の成分を含んでいてもよい。
過酸化物は、本発明のエポキシ化ポリフェニレンエーテルに含まれ得る不飽和炭素結合を開き、架橋反応を促進する作用を有する。
過酸化物としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ブテン、アセチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トルイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチレンパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、等があげられる。過酸化物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
過酸化物としては、これらの中でも、取り扱いの容易さと反応性の観点から、1分間半減期温度が130℃から180℃のものが望ましい。このような過酸化物は、反応開始温度が比較的に高いため、乾燥時など硬化が必要でない時点での硬化を促進し難く、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の保存性を貶めず、また、揮発性が低いため乾燥時や保存時に揮発せず、安定性が良好である。
過酸化物の添加量は、過酸化物の総量で、硬化性組成物の固形分100質量部に対し、0.01〜20質量部とするのが好ましく、0.05〜10質量部とするのがより好ましく、0.1〜10質量部とするのが特に好ましい。過酸化物の総量をこの範囲とすることで、低温での効果を十分なものとしつつ、塗膜化した際の膜質の劣化を防止することができる。
また、必要に応じてアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ化合物やジクミル、2,3−ジフェニルブタン等のラジカル開始剤を含有してもよい。
硬化性組成物は、通常、ポリフェニレンエーテルが溶媒(溶剤)に溶解した状態で提供または使用される。側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルは、従来のポリフェニレンエーテルに比べて溶剤に対する溶解性が高いため、硬化性組成物の用途に応じて、使用する溶剤の選択肢を幅広いものとすることができる。
本発明の硬化性組成物に使用可能な溶剤の一例としては、クロロホルム、塩化メチレン、トルエン等の従来使用可能な溶媒の他、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(CA)、メチルエチルケトン、酢酸エチル、等の比較的安全性の高い溶媒等が挙げられる。溶媒は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
硬化性組成物中の溶媒の含有量は特に限定されず、硬化性組成物の用途に応じて適宜調整可能である。
硬化性組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、上述のポリフェニレンエーテル以外の樹脂やその他の添加剤等の公知慣用の原料を含んでいてもよい。例えば、ポリフェニレンエーテル以外の樹脂、上述したもの以外のポリフェニレンエーテル、シリカなどの無機充填剤、リン含有化合物などの難燃剤、を含んでいてもよい。また、上述したエポキシ反応性架橋型硬化剤以外の架橋型硬化剤(例えば、TAICやトリアリルシアヌレートなどのトリアリルイソシアヌレート)を含んでいてもよい。
なお、このような硬化性組成物は、各原料を適宜混合することにより得られる。
<硬化物>
硬化物は、上述した硬化性組成物を硬化することで得られる。
硬化性組成物から硬化物を得るための方法は、特に限定されるものではなく、硬化性組成物の組成に応じて適宜変更可能である。一例として、上述したような基材上に硬化性組成物の塗工(例えば、アプリケーター等による塗工)を行う工程を実施した後、必要に応じて硬化性組成物を乾燥させる乾燥工程を実施し、加熱(例えば、イナートガスオーブン、ホットプレート、真空オーブン、真空プレス機等による加熱)によりポリフェニレンエーテルを熱架橋させる熱硬化工程を実施すればよい。なお、各工程における実施の条件(例えば、塗工厚、乾燥温度および時間、加熱温度および時間等)は、硬化性組成物の組成や用途等に応じて適宜変更すればよい。
<ドライフィルム、プリプレグ>
本発明のドライフィルムまたはプリプレグは、上述した硬化性組成物を基材に塗布して得られるものである。
ここで基材とは、銅箔等の金属箔、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等のフィルム、ガラスクロス、アラミド繊維等の繊維が挙げられる。
ドライフィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に硬化性組成物を塗布乾燥させ、必要に応じてポリプロピレンフィルムを積層することにより得られる。
プリプレグは、例えば、ガラスクロスに硬化性組成物を含浸乾燥させることにより得られる。
<積層板>
本発明においては、上述のプリプレグを用いて積層板を作製することができる。
詳しく説明すると、本発明のプリプレグを一枚または複数枚重ね、さらにその上下の両面または片面に銅箔等の金属箔を重ねて、その積層体を加熱加圧成形することにより、積層一体化された両面に金属箔または片面に金属箔を有する積層板を作製することができる。
<電子部品>
このような硬化物は、優れた誘電特性や耐熱性を有するため、電子部品用等に使用可能である。
硬化物を有する電子部品としては、特に限定されないが、好ましくは、第5世代通信システム(5G)に代表される大容量高速通信や自動車のADAS(先進運転システム)向けミリ波レーダー等が挙げられる。
次に、実施例および比較例により、本発明ついて詳細に説明するが、本発明はこれらには何ら限定されない。
なお、コンフォメーションプロットの傾きは、前述の方法に従って求めた。
<<ポリフェニレンエーテルの調製>>
側鎖エポキシ化PPEおよび非側鎖エポキシ化PPEを以下の通りに調製した。PPE−1〜PPE−4の合成に使用したフェノール類およびその配合比(モル比)、エポキシ化に関する情報を表1に示す。
<PPE−1>
(PPE−1に係る合成物の合成)
3Lの二つ口ナスフラスコに、ジ−μ−ヒドロキソ−ビス[(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)銅(II)]クロリド(Cu/TMEDA)5.3gと、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)5.7mLを加えて十分に溶解させ、10ml/minにて酸素を供給した。о−クレゾール10.0g、2−アリル−6−メチルフェノール13.7g、2,6−ジメチルフェノール90.3gをトルエン1.5Lに溶解させ、フラスコに滴下し、600rpmの回転速度で攪拌しながら40℃で6時間反応させた。反応終了後、メタノール20L:濃塩酸22mLの混合液で再沈殿させてろ過にて取り出し、80℃で24時間乾燥させ、PPE−1に係る合成物を得た。
(側鎖エポキシ化)
滴下漏斗を備えた二つ口ナスフラスコに50gのPPE−1に係る合成物とテトラヒドロフラン400mLを加え、氷浴中で攪拌した。メタクロロ過安息香酸(mCPBA)31gをテトラヒドロフラン1.6Lに溶解させた溶液を30分かけて滴下し、室温で24時間攪拌した。反応溶液をメタノール中に再沈させて濾過により取り出し、80℃で24時間乾燥させてPPE−1を得た。
得られた固体(PPE−1)を、1H NMR(400MHz,CDCl3,TMS)で2〜3.5ppm付近のエポキシ基由来のピークの発現と、5〜6.5ppm付近のアリル基の消失から、側鎖のアリル基の50%がエポキシ化されたことを確認した。
以下の通り、原料フェノール類の種類およびその配合比を変更して、フェノール類の合計の配合量は変更せずに、PPE−1と同様に、PPE−2およびPPE−3を得た。PPE−1と同様に、いずれも側鎖のアリル基の50%がエポキシ化されたことを確認した。
<PPE−2>
原料フェノール類の配合比を変更し、mCPBAを93g使用した以外は側鎖エポキシ化PPE−1の合成方法と同じ方法で側鎖エポキシ化PPE(PPE−2)を得た。
<PPE−3>
原料フェノール類の配合比を変更し、mCPBAを155g使用した以外は側鎖エポキシ化PPE−1の合成方法と同じ方法で側鎖エポキシ化PPE(PPE−3)を得た。
<PPE−4>
PPE−1に係る合成物(エポキシ化されていないポリフェニレンエーテル)をPPE−4とした。
<<組成物ワニスの作製>>
各成分を以下の表に記載の質量配合割合で、固形分濃度が50質量%となるように、シクロヘキサノンを添加し、混合させワニスを作製した。
表中の「DMAP」は、4−ジメチルアミノピリジンを示し、「パーブチルP」は、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンを示す。
<低温硬化性>
厚さ18μm銅箔のシャイン面に、各組成物を、硬化物の厚みが50μmになるようにアプリケーターで塗布した。次に、熱風式循環式乾燥炉で90℃30分乾燥させた。その後、熱風循環式乾燥炉で所定温度にて60分加熱し、硬化膜を得た。
各硬化膜に対しトルエンを含浸したウエスで10回ラビング試験を行い、硬化膜が溶解しないものを硬化したと判断した。
具体的には、180℃の加熱で得た硬化膜が溶解しないものを「◎」、200℃の加熱で得た硬化膜が溶解しないものを「〇」、200℃の加熱で得た硬化膜が溶解したものを「×」と評価した。
<誘電特性>
誘電特性である比誘電率Dkおよび誘電正接Dfは、以下の方法に従って測定した。
厚さ18μm銅箔のシャイン面に、各組成物を、硬化物の厚みが50μmになるようにアプリケーターで塗布した。次に、熱風式循環式乾燥炉で90℃30分乾燥させた。その後、熱風循環式乾燥炉で180℃60分加熱した。組成物を硬化後、銅箔をエッチング除去して硬化膜を得た。
硬化膜を長さ80mm、幅45mm、厚み50μmに切断し、これを試験片としてSPDR(Split Post Dielectric Resonator)共振器法により測定した。測定器には、キーサイトテクノロジー合同会社製のベクトル型ネットワークアナライザE5071C、SPDR共振器、計算プログラムはQWED社製のものを用いた。条件は、周波数10GHz、測定温度25℃とした。
誘電特性評価としてDkが2.8未満、かつ、Dfが0.005未満のものを「〇」、これに該当しないものを「×」と評価した。

Claims (6)

  1. 側鎖不飽和炭素結合を有するポリフェニレンエーテルの側鎖不飽和炭素結合の一部または全部をエポキシ化して得られる側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルであって、
    前記側鎖不飽和炭素結合を有するポリフェニレンエーテルが、少なくとも下記条件1および下記条件2をいずれも満たすフェノール類(A)、または、少なくとも下記条件1を満たし下記条件2を満たさないフェノール類(B)と下記条件1を満たさず下記条件2を満たすフェノール類(C)の混合物を含む原料フェノール類からなることを特徴とする側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテル。
    (条件1)
    オルト位およびパラ位に水素原子を有する
    (条件2)
    パラ位に水素原子を有し、不飽和炭素結合を含む官能基を有する
  2. 請求項1に記載の側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルと、エポキシ基反応性架橋型硬化剤と、を含む硬化性組成物。
  3. 請求項2に記載の硬化性組成物を基材に塗布して得られる、ドライフィルムまたはプリプレグ。
  4. 請求項2に記載の硬化性組成物を硬化して得られる、硬化物。
  5. 請求項4に記載の硬化物を含む、積層板。
  6. 請求項4に記載の硬化物を有する、電子部品。

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