JP2020083141A - ヘッドレスト支持構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性を高める。【解決手段】ヘッドレスト支持構造は、所定の初期位置P0に配置されたヘッドレスト1Hのステイ3Sがシートバックに差し込まれ、ステイ3Sを介してヘッドレスト1Hをシートバックに対して揺動可能に支持するサポート機構10と、サポート機構10によるヘッドレスト1Hの揺動可能な範囲を制限するストッパ機構20と、ヘッドレスト1Hを初期位置P0から揺動させる外力が入力されたときに、ヘッドレスト1Hの揺動を減衰させるダンパ機構30と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、車両に装備されたシートのヘッドレストをシートバックに支持する構造に関する。
車両用シートの一つとして、ヘッドレストのステイがシートバックに差し込まれたシートが知られている。このような差し込み式のシートに着座する乗員は、シートバックで背部が支えられるほか、ヘッドレストで頭部の後傾が抑えられる。
上記のヘッドレストについて車両衝突時の挙動を設定することで、乗員の保護性向上を図る技術が提案されている。たとえば、後面衝突時に乗員の頭部が後傾するのを抑えるために、乗員の胴部がシートバックに押し付けられると、ヘッドレストを前方へ揺動させる機構が作動する技術が検討されている(特許文献1参照)。
特開2015−9611号公報
しかしながら、シートバックに対する乗員胴部の押し付けをヘッドレストの揺動に必要とする上述の機構では、シートバックに対して乗員の胴部が押し付けられることなくヘッドレストに衝撃が入力される際の緩衝性を確保することができないおそれがある。
よって、安全性を高めるうえで改善の余地がある。
本件のヘッドレスト支持構造は、このような課題に鑑み案出されたもので、安全性を高めることを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的である。
(1)ここで開示するヘッドレスト支持構造は、所定の初期位置に配置されたヘッドレストのステイがシートバックに差し込まれ、前記ステイを介して前記ヘッドレストを前記シートバックに対して揺動可能に支持するサポート機構と、前記サポート機構による前記ヘッドレストの揺動可能な範囲を制限するストッパ機構と、前記ヘッドレストを前記初期位置から揺動させる外力が入力されたときに、前記ヘッドレストの揺動を減衰させるダンパ機構と、を備えている。
(2)前記ストッパ機構は、前記ヘッドレストが前記初期位置から揺動方向の一方へ変位した所定の第一位置に対して前記一方への変位を制限する第一機構を有することが好ましい。
(3)また、前記ストッパ機構は、前記ヘッドレストが前記初期位置から揺動方向の他方へ変位した所定の第二位置に対して前記他方への変位を制限する第二機構を有することが好ましい。
(4)あるいは、前記ストッパ機構は、前記ヘッドレストが前記初期位置に対して揺動方向の他方への変位するのを制限する第三機構を有することが好ましい。
(5)前記ダンパ機構は、前記ヘッドレストを前記初期位置へ向けて付勢する付勢部材を有することが好ましい。
(6)また、前記ダンパ機構は、前記初期位置からの前記ヘッドレストの揺動で圧壊する潰部を有することが好ましい。
(7)前記ストッパ機構は、前記ヘッドレストの揺動に伴って傾倒する可動面を前記シートバックで固定された不動面に面接触させて前記ヘッドレストの揺動範囲を制限することが好ましい。
(8)前記サポート機構は、前記ステイの嵌挿されたガイドブラケットに取り付けられた回転軸を前記シートバックのフレームに取り付けられた軸受部に対して回動自在に支持することが好ましい。
(9)さらに、前記ダンパ機構は、前記フレームに対して前記ステイとは反対側に突設された支持ブラケットと前記ステイとの間に介装されたことが好ましい。
(10)そのほか、前記シートバックの内部に配索された保護材よりも前記シートバックの内側に前記ヘッドレストの揺動にともなって前記ステイの前記シートバックに差し込まれた部分の揺動する範囲が設定されたことが好ましい。
開示のヘッドレスト支持構造によれば、安全性を高めることができる。
ヘッドレスト支持構造の適用されるシートを部分的に破断させて示す斜視図である。 ヘッドレスト支持構造の要部を示す模式図である。 ヘッドレスト支持構造の作用を例説するグラフであり、ヘッドレストに入力される荷重を縦軸に示し、ヘッドレストの変位を横軸に示す。 ヘッドレスト支持構造の第一変形例の要部を示す模式図である。 ヘッドレスト支持構造の第二変形例の要部を示す模式図である。
実施形態としてのヘッドレスト支持構造を説明する。
本実施形態のヘッドレスト支持構造は、車両に装備されたシート(車両用シート)においてヘッドレストをシートバックに対して支持する構造である。このヘッドレスト支持構造は、シートバックとは別体に設けられたヘッドレストを支持する。
下記の一実施形態では、自動車の前方を向いて乗員が着座するシートに設けられたヘッドレスト支持構造を例示する。ここでは、車両の前進方向を前方とし、その反対方向を後方とし、前方を基準に左右方向(車幅方向)を定める。また、重力の方向を下方とし、その逆を上方として説明する。また、図中に示すUP,FR,RHは、車両上方,車両前方,車両右方のそれぞれに対応する。
[I.一実施形態]
以下に述べる一実施形態では、ヘッドレスト支持構造について、構成を項目[1]で説明し、作用を項目[2]で説明し、効果を項目[3]で説明する。
[1.構成]
図1に示すように、シート1には、以下に示す三つの部材が設けられている。
・シートクッション1C:座面をなす部材
・ シートバック1B :背もたれをなす部材
・ ヘッドレスト1H :枕状の部材
シートクッション1Cは、前方から後方に向かうにつれてやや下方傾斜して配置される。シートバック1Bは、下方から上方に向かうにつれてやや後方傾斜して配置され、シートクッション1Cの後端に対して上方に立設される。ヘッドレスト1Hは、シートバック1Bの上方に配置される。ヘッドレスト1Hは、「ヘッドレストレイン」の略称であり、保安基準では「頭部後傾抑止装置」とも称される。
これらのシートクッション1C,シートバック1B,ヘッドレスト1Hには、骨格をなすフレームやスプリングといった部材がポリウレタンやポリエチレンなどのパッドに内蔵されている。
たとえば、シートバック1Bには、以下に例示する部材がパッド2Pに内蔵される。
・サイドフレーム2S:左右のそれぞれに立設された骨格部材
・アッパフレーム2U:サイドフレーム2Sの上端どうしを連結する骨格部材
・ スプリング2B :サイドフレーム2Sどうしの間に掛け渡されたバネ部材
・ 保護ワイヤ2W :サイドフレーム2Sどうしの間に掛け渡された保護材
フレーム2S,2Uは、シートバック1Bの骨格をなす硬質な部材である。
スプリング2Bは、シートバック1Bのクッション性や乗員の支持性を適正化する弾性部材である。
保護ワイヤ2Wは、シートバック1Bに内蔵された部材の後方(一方)への飛び出しを防止するために配索された保護用の部材である。
ここでは、アッパフレーム2U(「アッパパイプ」とも称される)の前後方向かつ上下方向に沿う断面形状が半円形状に形成されている。この半円形状は、前方で上下に沿って延びる直線部とこの直線部における上下の各端部から後方に膨出する半円部が連結された形状をなす。
言い換えれば、アッパフレーム2Uは、車幅方向に沿う筒軸をもつ円筒が車幅方向かつ上下方向に沿って切断された半円筒状の部位(以下「半円筒部」と称する)2Cと、半円筒部2Cの上下で車幅方向に沿う端縁を連結する平面状の部位(以下「前面部」と称する)2Fとに大別される。
ヘッドレスト1Hにも、フレーム3Fがパッド3Pに内蔵されている。このヘッドレスト1Hには、フレーム3Fをパッド3Pに内蔵する本体部1Mから下方に突出するステイ3Sが設けられている。ステイ3Sは、フレーム3Fに結合され、左右のそれぞれに突設される。
ステイ3Sは、シートバック1Bに差し込まれ、ヘッドレスト1Hをシートバック1Bに対して支持する部材である。ここでは、円筒状のステイ3Sを例に挙げる。
つぎに、ヘッドレスト1Hをシートバック1Bに支持する構造を説明する。
この支持構造には、ステイ3Sが挿通されるホルダ5と、ホルダ5が嵌装されるガイドブラケット6とが設けられる。このように、ホルダ5を介してステイ3Sがガイドブラケット6に嵌挿される。ここでは、四角筒状のガイドブラケット6にホルダ5が嵌め込まれている。
ホルダ5は、挿通されたステイ3Sを保持する部材である。このホルダ5には、ステイ3Sの外形に応じた内部空間が貫設されている。ステイ3Sが円筒状をなすことから、ホルダ5の内面は円筒面をなす。一方、ホルダ5の外面は、ガイドブラケット6に応じた四角筒面をなす。
ここでは、雁首状の上部が露出した状態でホルダ5の他部がシートバック1Bに埋め込まれ、ガイドブラケット6やシートバック1Bへのホルダ5の埋没防止が図られている。
そのほか、ホルダ5に対するステイ3Sの位置の固定とその解除とが切り替え可能に構成されている。このように位置を切り替える機構の一例としては、ホルダ5に設けられた突起がステイ3Sで上下方向に間隔をあけて並ぶ複数の凹部に係脱自在に設けられた機構が挙げられる。
ホルダ5に対するステイ3Sの相対的な上下方向位置を変更することで、ヘッドレスト1Hの高さ位置が調節可能となっている。たとえば、ヘッドレスト1Hが最も高い位置に調節されたときに、ホルダ5の下端やガイドブラケット6の下端とステイ3Sの下端と同位置となるように、ステイ3S,ホルダ5,ガイドブラケット6の各寸法が設定される。
ガイドブラケット6は、ステイ3Sの挿通されたホルダ5のアッパフレーム2Uへの取り付けを案内する部材であり、シートバック1Bに内蔵されている。このガイドブラケット6は、上述のように四角筒状をなすうえに、その筒面が前後左右のそれぞれを向いて配置される。
上記のガイドブラケット6は、図2に示すように、下記のサポート機構10,ストッパ機構20,ダンパ機構30を介してアッパフレーム2Uに連結されている。
・サポート機構10:ステイ3Sを揺動可能に支持する機構
・ストッパ機構20:ステイ3Sの揺動可能な範囲を制限する機構
・ ダンパ機構30 :ステイ3Sの揺動を減衰させる機構
上記の機構10,20,30は、車両衝突時におけるヘッドレスト1Hの挙動を設定するためにシートバック1Bの内部に配備された機構である。
サポート機構10によって可能とされたステイ3Sの揺動は、その範囲がストッパ機構20で制限され、ダンパ機構30で減衰させられる。
――サポート機構――
サポート機構10は、ステイ3Sを介してヘッドレスト1Hの本体部1M(図1参照)を揺動可能に支持する。このサポート機構10には、ガイドブラケット6に取り付けられた回転軸11が設けられ、この回転軸11を回動自在に支持する軸受部12(図1参照)がアッパフレーム2Uに取り付けられている。
ここでは、ガイドブラケット6に対して左右のそれぞれに回転軸11が突設され、アッパフレーム2Uの前面部2Fに固定された軸受部12(図1参照)が前方に突設されている(このことからサポート機構10は「トラニオン機構」とも言える)。このように回転軸11が支承されるサポート機構10によるステイ3Sの揺動は、つぎに説明するストッパ機構20で制限される。
――ストッパ機構――
ストッパ機構20は、サポート機構10によるステイ3Sの揺動範囲を構造的(メカニカル)に制限する。
このストッパ機構20には、ステイ3Sの揺動と一体的に連動するガイドブラケット6の傾倒範囲を制限するストッパ部材2Mが設けられている。ストッパ部材2Mは、アッパフレーム2Uに対して前方であって、ガイドブラケット6に対して後方に配置される。このストッパ部材2Mは、ガイドブラケット6には固定されず、アッパフレーム2Uの前面部2Fに固定されている。
上記のストッパ部材2Mには、ガイドブラケット6の傾倒範囲を制限する部位として、以下に示す二種の面SU,SL(不動面)が設けられている。
・上側面SU(第一不動面):揺動範囲の一方を制限する面状の部位
・下側面SL(第二不動面):揺動範囲の他方を制限する面状の部位
上記の面SU,SLは、ストッパ部材2Mの前側に配置される。
上側面SUは、回転軸11の軸芯に対して上方に配置され、下方から上方へ向けてやや後方に傾斜して設けられる。
この上側面SUは、ヘッドレスト1Hの本体部が後方(一方)へ揺動したときに、この揺動に連動して傾倒したガイドブラケット6において後方を向く筒面(以下「後面」と称する,可動面)6Mが面状に接触(以下「面接触」と略称する)する位置に設けられる。
一方、下側面SLは、回転軸11の軸芯に対して下方に配置され、上方から下方へ向けてやや後方に傾斜して設けられる。
この下側面SLは、ヘッドレスト1Hの本体部1Mが前方(他方)へ揺動したときに、この揺動に連動して傾倒したガイドブラケット6において後方を向く後面6Mが面接触する位置に設けられる。
上記のようにして、ヘッドレスト1Hの本体部1Mが前後へ揺動する範囲が制限される。逆に言えば、本体部1Mの前後揺動を許容する限度に応じて、上側面SUや下側面SLの傾斜角度(配向)が設定される。
敷衍して言えば、ストッパ機構20は、ガイドブラケット6の後面6Mをストッパ部材2Mの面SU,SLに面接触させてヘッドレスト1Hの揺動範囲を制限する。
このストッパ機構20には、ストッパ部材2Mの上側面SUにガイドブラケット6の後面6Mが面接触したときの第一位置P1(所定の第一位置,図2に二点鎖線で示す)に対するステイ3Sの後傾(揺動方向の一方への変位)を制限する第一ストッパ機構21(第一機構)が設けられている。
同様に、ストッパ機構20には、ストッパ部材2Mの下側面SLにガイドブラケット6の後面6Mが面接触したときの第二位置P2(所定の第二位置,図2に二点鎖線で示す)に対するステイ3Sの前傾(揺動方向の他方への変位)を制限する第二ストッパ機構22(第二機構)が設けられている。
そのほか、ストッパ機構20で制限されたステイ3Sの揺動範囲(ステイ3Sのシートバック1Bに差し込まれた部分の揺動する範囲)は、保護ワイヤ2W(図1参照)よりもシートバック1Bの内側に設定されている。
上記のように揺動範囲が制限されたステイ3Sは、つぎに説明するダンパ機構30によって、第一位置P1と第二位置P2との間に設定された初期位置P0(所定の初期位置,図2に実線で示す)にステイ3Sの位置が保持される。
――ダンパ機構――
ダンパ機構30は、車両衝突時にヘッドレスト1Hの本体部1M(図1参照)へ乗員の頭部が衝突した際のように、初期位置P0からステイ3Sを揺動させる外力が入力されたときに、ステイ3Sの揺動を減衰させる。
このダンパ機構30には、上記の外力を減衰させるリターンスプリング31(付勢部材)が設けられ、リターンスプリング31の取付用に支持ブラケット32も設けられている。
リターンスプリング31は、ガイドブラケット6やホルダ5を介してステイ3Sを初期位置P0へ向けて付勢する。言い換えれば、初期位置P0から他の位置へ揺動(変位)したステイ3Sは、リターンスプリング31によって初期位置P0へ向けて押し戻される。
このような反力を発生させるリターンスプリング31によって、初期位置P0からステイ3Sを揺動させる外力が減衰させられる。ステイ3Sに外力が入力されなければ、リターンスプリング31によってステイ3Sが初期位置P0に保持される。
上記のリターンスプリング31は、ガイドブラケット6と支持ブラケット32との間に介装され、両端が固定端とされる。このリターンスプリング31は、一端3aがガイドブラケット6に取り付けられ、他端3bが支持ブラケット32に取り付けられる。
この支持ブラケット32は、アッパフレーム2Uに対してステイ3Sとは反対側に突設される。ここで例に挙げる支持ブラケット32は、アッパフレーム2Uに対して後方に延びるとともに下方に延びるL字状をなす。このようにして、アッパフレーム2Uに対して後方かつ下方でリターンスプリング31の他端3bが固定される。リターンスプリング31の一端3aは、ガイドブラケット6に対して回転軸11の軸芯よりも下方に固定される。
上記のように配置されたリターンスプリング31は、ステイ3Sが初期位置P0にあるときに自然長の状態をなし、ステイ3Sが初期位置P0よりも第一位置P1側にあるときに伸張状態をなし、ステイ3Sが初期位置P0よりも第二位置P2側にあるときに圧縮状態をなす。
なお、リターンスプリング31は、通常時(車両衝突時のような異常時以外)にヘッドレスト1Hの本体部1Mへの入力が想定される大きさの外力によってはほぼ伸縮しない程度のバネ定数に設定されている。このように硬いリターンスプリング31を採用することで、通常時にヘッドレスト1Hの揺動が抑えられ、ドライバビリティあるいは車室の居住性の確保に資する。
[2.作用]
つぎに、図3を参照して、ヘッドレスト支持構造の作用を説明する。
具体的には、ヘッドレスト1Hに対して後方へ向けて入力される荷重L(図3の縦軸)とヘッドレスト1Hの変位D(図3の横軸)との関係を説明する。
本実施形態のヘッドレスト支持構造は、第一荷重L1がヘッドレスト1Hに入力されたときに、リターンスプリング31が伸張変形し、ストッパ部材2Mの上側面SUにガイドブラケット6の後面6Mが接触して、ヘッドレスト1Hの変位Dは第一変位D1をなす。このようにして、ステイ3Sを介したヘッドレスト1Hの後傾が第一ストッパ機構21(ストッパ機構20)によって制限される。
荷重Lが0(ゼロ)から第一荷重L1までの第一荷重範囲R1における変位D(図3に実線で示す)には、荷重Lに応じたステイ3Sやフレーム3Fの撓み変形による構造的な変位のほか、荷重Lに応じたリターンスプリング31の伸張変形による機構的な変位が加重される。
荷重Lが第一荷重L1よりも大きい第二荷重範囲R2における変位D(図3に実線で示す)には、第一ストッパ機構21によってヘッドレスト1Hの揺動が制限されることから、荷重Lに応じたステイ3Sやフレーム3Fの撓み変形による構造的な変位のみが現れる。
上記のように、第二荷重範囲R2よりも第一荷重範囲R1のほうが荷重Lに対してヘッドレスト1Hが変位しやすい(図3では傾きが小さい)。さらに、第一荷重範囲R1では、リターンスプリング31の伸張変形に応じた機構的な変位によって、荷重Lの減衰が促進される。
一方、シートバックのフレームにステイが固定された従来のヘッドレスト支持構造の変位D(図3に一点鎖線で示す)では、第一荷重範囲R1においても第二荷重範囲R2と同様に、荷重Lに応じたステイ3Sやフレーム3Fの撓み変形による構造的な変位のみが現れる。そのため、第一荷重範囲R1において、荷重Lは減衰されにくい。
そのほか、法規面や安全面から求められる下記の所定要件(図3には斜線を付して示す)が設定されたとしても、フレーム2S,2Uの剛性やリターンスプリング31のバネ定数といった機械特性を適宜設計することにより、この所定要件を満たすことができる。
・所定要件:所定の第二荷重L2よりも大きい荷重Lが入力された際に所定の第二変
位D2よりも小さい変位Dに抑えられること
[3.効果]
(1)本実施形態のヘッドレスト支持構造によれば、ストッパ機構20によってヘッドレスト1Hの揺動範囲が制限されるうえに、ダンパ機構30によってヘッドレスト1Hの揺動が減衰させられることから、ヘッドレスト1Hに入力される荷重を緩衝することができる。
たとえば、乗員の頭部がヘッドレスト1Hに跳ね返って前傾するのを抑えることができ、頭部が前傾する速度(いわゆる「ヘッドリバウンド速度」)も抑えられる。あるいは、胴部がシートバック1Bに押し付けられることなく乗員の頭部がヘッドレスト1Hへ向けて後傾する際であっても、ヘッドレスト1Hの緩衝性を確保することができる。
よって、安全性を高めることができる。
(2)第一ストッパ機構21によってヘッドレスト1Hの後傾が制限されるうえに、この後傾がダンパ機構30によって減衰させられることから、シート1に着座する乗員の頭部が過度に後傾するのを後面衝突時に抑えることができる。さらに、ヘッドレスト1Hに跳ね返って頭部が前傾するのも抑えることができる。よって、乗員の損傷を軽減あるいは防止することができる。
(3)また、第二ストッパ機構22によってヘッドレスト1Hの前傾が制限されるうえに、この前傾がダンパ機構30によって減衰させられることから、ヘッドレスト1Hに後方から前方へ向けて衝突するものに対する緩衝性を確保することができる。シート1の後方に位置する乗員や荷物などのヘッドレスト1Hへの衝撃を前面衝突時に緩衝することができる。
(4)ダンパ機構30のリターンスプリング31によってヘッドレスト1Hの揺動が減衰されることから、ヘッドレスト1Hが大きく変位するほど揺動を減衰させる反力も大きくなる。このように変位の大きさに応じた減衰特性が設定されることにより、安全性の向上に資する。
(5)ストッパ機構20においてガイドブラケット6の後面6Mがストッパ部材2Mの面SU,SLに面接触した状態でヘッドレスト1Hの揺動範囲が制限されることから、点接触や線接触でヘッドレストの揺動範囲が制限させる機構と比較して、揺動範囲を確実に制限することができる。
(6)そのほか、サポート機構10においてステイ3Sの嵌挿されたガイドブラケット6に取り付けられた回転軸11が軸受部12に対して回動自在に支持されることから、ホルダ5(ガイドブラケット6)に対してステイ3Sの相対的な上下方向位置を変更することができる。このようにして、ヘッドレスト1Hの高さを調節する既存の機能を保持したまま、ヘッドレスト1Hを揺動させるサポート機構10を設けることができる。
(7)支持ブラケット32がアッパフレーム2Uの後方に延びることから、アッパフレーム2Uの前方に配置されたステイ3Sとの間に前後に延びる空間が確保される。そのため、ダンパ機構30のリターンスプリング31が伸縮するマージン(変形代)を確保することができる。これにより、ヘッドレスト1Hに入力された荷重の減衰領域を確保あるいは拡大することができ、安全性向上に資する。
(8)なお、保護ワイヤ2Wよりもシートバック1Bの内側にステイ3Sの揺動範囲が設定されることから、保護ワイヤ2Wを利用して機構10,20,30の保護性を高めることができる。
[II.変形例]
上述した実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
たとえば、図4に例示する第一変形例や図5に例示する第二変形例のヘッドレスト支持構造を用いてもよい。
第一変形例のヘッドレスト支持構造は、図4に示すように、ストッパ機構20′において、初期位置P0′に対するステイ3S′の前傾を制限する第三ストッパ機構23′(第三機構)が上述の第二ストッパ機構22に替えて設けられていてもよい。この場合のストッパ部材2M′における下側面SL′は、ヘッドレスト1H′が初期位置P0′のときにガイドブラケット6′の後面6M′が面接触する位置に設けられる。図4には、上下方向に沿って延びる下側面SL′を例示する。
上記のように、ヘッドレスト1H′が初期位置P0′から前方(揺動方向の他方)へ変位するのを制限する第三ストッパ機構23′が設けられることにより、後方へ揺動したヘッドレスト1H′が初期位置P0′よりも前方へ揺り戻ることを防ぐことができ、安全性向上に資する。ストッパ部材2M′を簡素化することもできる。
また、図4に示すように、上述のリターンスプリング31′に替えてまたは加えて、初期位置P0′からのヘッドレスト1H′の揺動で圧壊する潰部33′(ダンパ機構30′)が設けられていてもよい。図4には、ガイドブラケット6′の後面6M′とストッパ部材2M′の上側面SU′との間に介装された潰部33′を例示する。
上記の潰部33′が設けられる場合には、リターンスプリング31′を省略することができ、ダンパ機構30′の省スペース化や簡素化に寄与する。リターンスプリング31′および潰部33′が併設される場合には、初期位置P0′にヘッドレスト1H′を確実に保持することができ、減衰特性の調節範囲を拡充することもできる。
第二変形例のヘッドレスト支持構造は、図5に示すように、一実施形態で上述のヘッドレスト支持構造にダンパ34″が増設されている。すなわち、ダンパ機構30″として、リターンスプリング31″のほかにダンパ34″が設けられている。たとえば、オイルダンパ(「オイルショックアブソーバー」とも称される)がダンパ34″として用いられる。
上記のようにダンパ34″の設けられたヘッドレスト支持構造によれば、ヘッドレスト1H″のステイ3S″から入力される荷重がリターンスプリング31″だけでなくダンパ34″によっても緩衝される。よって、緩衝性を高めることができる。オイルダンパのように荷重の入力速度が高いほど減衰力の大きいダンパ34″が用いられた場合には、高速で入力された荷重に対しては大きな減衰力を抗力として発生させることができる。このようなダンパ34″の減衰特性やリターンスプリング31″のバネ定数を適宜設定することで、荷重の入力速度やヘッドレスト1H″の変位を勘案した緩衝性を設計することもでき、荷重の緩衝性および安全性をより一層高めうる。
そのほか、ガイドブラケットに取り付けられた回転軸は、左右のそれぞれに設けられた構造に限らず、左右で共通の一本が用いられてもよい。
なお、車両に装備されたシートの向きヘッドレストの揺動方向は、上述の配向に限らない。たとえば、左右方向を向いて乗員が着座するシートに、上述のヘッドレスト支持構造が適用されてもよい。このような配向の場合には、上述の一実施形態における前後方向を左右方向に読み替えればよい。
1 シート(車両用シート)
1B シートバック
1C シートクッション
1H,1H′,1H″ ヘッドレスト
1M 本体部
2B スプリング
2C 半円筒部
2F 前面部
2P パッド
2S サイドフレーム
2U アッパフレーム(アッパパイプ)
2W 保護ワイヤ(保護材)
3F フレーム
3P パッド
3S,3S′,3S″ ステイ
5 ホルダ
6 ガイドブラケット
6M,6M′ 後面(可動面)
10 サポート機構
11 回転軸
12 軸受部
20,20′ ストッパ機構
21 第一ストッパ機構(第一機構)
22 第二ストッパ機構(第二機構)
23′ 第三ストッパ機構(第三機構)
2M,2M′ ストッパ部材
30,30′,30″ ダンパ機構
31,31′,31″ リターンスプリング(付勢部材)
3a 一端
3b 他端
32 支持ブラケット
33′ 潰部
34″ ダンパ
D 変位
D1 第一変位
D2 第一変位
L 荷重
L1 第一荷重
L2 第二荷重
P0,P0′ 初期位置
P1 第一位置
P2 第二位置
R1 第一荷重範囲
R2 第二荷重範囲
SU,SU′ 上側面(第一不動面,不動面)
SL,SL′ 下側面(第二不動面,不動面)

Claims (10)

  1. 所定の初期位置に配置されたヘッドレストのステイがシートバックに差し込まれ、前記ステイを介して前記ヘッドレストを前記シートバックに対して揺動可能に支持するサポート機構と、
    前記サポート機構による前記ヘッドレストの揺動可能な範囲を制限するストッパ機構と、
    前記ヘッドレストを前記初期位置から揺動させる外力が入力されたときに、前記ヘッドレストの揺動を減衰させるダンパ機構と、
    を備えたことを特徴とするヘッドレスト支持構造。
  2. 前記ストッパ機構は、前記ヘッドレストが前記初期位置から揺動方向の一方へ変位した所定の第一位置に対して前記一方への変位を制限する第一機構を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドレスト支持構造。
  3. 前記ストッパ機構は、前記ヘッドレストが前記初期位置から揺動方向の他方へ変位した所定の第二位置に対して前記他方への変位を制限する第二機構を有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のヘッドレスト支持構造。
  4. 前記ストッパ機構は、前記ヘッドレストが前記初期位置に対して揺動方向の他方への変位するのを制限する第三機構を有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のヘッドレスト支持構造。
  5. 前記ダンパ機構は、前記ヘッドレストを前記初期位置へ向けて付勢する付勢部材を有する
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のヘッドレスト支持構造。
  6. 前記ダンパ機構は、前記初期位置からの前記ヘッドレストの揺動で圧壊する潰部を有する
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のヘッドレスト支持構造。
  7. 前記ストッパ機構は、前記ヘッドレストの揺動に伴って傾倒する可動面を前記シートバックで固定された不動面に面接触させて前記ヘッドレストの揺動範囲を制限する
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のヘッドレスト支持構造。
  8. 前記サポート機構は、前記ステイの嵌挿されたガイドブラケットに取り付けられた回転軸を前記シートバックのフレームに取り付けられた軸受部に対して回動自在に支持する
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のヘッドレスト支持構造。
  9. 前記ダンパ機構は、前記フレームに対して前記ステイとは反対側に突設された支持ブラケットと前記ステイとの間に介装された
    ことを特徴とする請求項8に記載のヘッドレスト支持構造。
  10. 前記シートバックの内部に配索された保護材よりも前記シートバックの内側に前記ヘッドレストの揺動にともなって前記ステイの前記シートバックに差し込まれた部分の揺動する範囲が設定された
    ことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のヘッドレスト支持構造。
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