JP2020070772A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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央亮 稲葉
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Abstract

【課題】オイル希釈及び粒子状物質PMの排出量を高い精度でかつ安定的に抑制できる、燃料噴射制御装置を提供する。【解決手段】空燃比検出器が検出した空燃比に基づいて燃料噴射装置による燃料噴射量を補正する燃料噴射制御装置において、内燃機関の定常運転状態で燃料噴射装置による噴射タイミングを一時的に変更したときの燃料噴射量の変化に基づき、変更前よりも燃料噴射量が少なくなる噴射タイミングを新たな噴射タイミングとして求め、新たな噴射タイミングに基づき燃料噴射装置による燃料噴射を行わせる。【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、詳しくは、燃料噴射装置による噴射タイミングを制御する技術に関する。
特許文献1が開示する筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置は、機関始動時の冷却水温度及び機関始動後の吸入空気量積算値がそれぞれ所定値以下であるときに、燃料による潤滑油の希釈度合を推定するための希釈度合カウンタ値をカウントアップする。
そして、特許文献1の燃料噴射制御装置は、希釈度合カウンタ値が所定値以上であることを条件に燃料希釈発生フラグをONに設定し、更に、燃料希釈発生フラグがONであることを条件に、吸気行程噴射の燃料噴射時期を進角側の時期に変更する。
特開2003−322044号公報
ところで、燃料による潤滑油の希釈(オイル希釈)は、ボア壁に付着した燃料をピストンがオイルパン側に掻き寄せることで、燃料がオイルに混入することで発生する。
また、排気中の粒子状物質PMは、ピストン頂面に付着した燃料が気化しきれない状態で蒸し焼き状態になって発生する。
したがって、吸気行程噴射で噴射タイミングを進角し、燃料噴射弁の噴孔とピストン頂面との距離がより短いときに噴射させれば、ボア壁への燃料付着が少なくなってオイル希釈の進行を抑制できるが、逆に、ピストン頂面への燃料付着が増えて粒子状物質PMが増えてしまうという問題があった。
更に、オイル希釈の抑制と粒子状物質PMの排出量の抑制とを両立できる噴射タイミングは、内燃機関毎にばらつきがあり、更に、デポジットの付着などによって経時的に変化する。
このため、設計上の噴射タイミングによる燃料噴射では、オイル希釈及び粒子状物質PMの排出量を高い精度でかつ安定的に抑制することが難しいという問題があった。
本発明は、従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、オイル希釈及び粒子状物質PMの排出量を高い精度でかつ安定的に抑制できる、内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
本発明の一態様によると、空燃比検出器が検出した空燃比に基づいて燃料噴射装置による燃料噴射量を補正する燃料噴射制御装置において、内燃機関の定常運転状態で前記燃料噴射装置による噴射タイミングを一時的に変更したときの燃料噴射量の変化に基づき、変更前よりも燃料噴射量が少なくなる噴射タイミングを新たな噴射タイミングとして求め、前記新たな噴射タイミングに基づき前記燃料噴射装置による燃料噴射を行わせるようにした。
上記発明によると、噴射タイミングが、ピストン及びボア壁への燃料付着が少なくなるように変更され、内燃機関毎のばらつきや経時変化があっても、オイル希釈及び粒子状物質PMの排出量を高い精度でかつ安定的に抑制できる。
内燃機関のシステム構成図である。 吸気行程での噴射タイミングと、PM排出量及びオイル希釈度合との相関を示す線図である。 噴射タイミングの更新処理の手順を示すフローチャートである。 噴射タイミングの更新処理の手順を示すフローチャートである。 噴射タイミングと空燃比補正係数KAF(燃料噴射量)との相関を示す線図である。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る燃料噴射制御装置を適用する、内燃機関の一態様を示す構成図である。
図1に示す内燃機関1は、車両用の火花点火ガソリン機関であり、機関本体1aに点火装置4、燃料噴射装置としての燃料噴射弁5を備える。
エアークリーナ7を介して吸入される空気は、電制スロットル8のスロットルバルブ8aで流量を調節された後、吸気通路2aを経て燃焼室10に吸引される。
燃料噴射弁5は、各気筒にそれぞれ備えられ、各燃焼室10内(シリンダ内)に直接燃料を噴射する。
つまり、内燃機関1は、筒内直接噴射式機関である。
電制スロットル8は、スロットルモータ8bでスロットルバルブ8aを開閉する装置であり、スロットルバルブ8aの開度TPSに対応する信号を出力するスロットル開度センサ8cを備える。
回転数検出装置6は、リングギア14の突起を検出することで、クランクシャフト17の所定回転角毎の回転角信号NEを出力する。
水温センサ15は、機関本体1aに設けられたウォータジャケット18内の冷却水の温度(以下、水温TWと称する)に対応する信号を出力する。
流量検出装置9は、電制スロットル8の上流側に配置され、内燃機関1の吸入空気流量QARに対応する信号を出力する。
また、排気通路(排気管)3aに配置した排気浄化触媒装置12は、内燃機関1の排気を浄化する。
空燃比検出器の一態様である空燃比センサ11は、排気浄化触媒装置12の上流側の排気通路3aに配置され、排気空燃比RABF(酸素濃度)に対応する信号を出力する。
また、排気温度センサ16は、排気浄化触媒装置12の上流側の排気通路3aに配置され、排気浄化触媒装置12の入口での排気温度TEX(℃)に対応する信号を出力する。
図示省略した高圧燃料供給装置は、燃料タンク内の燃料を所定の高圧に昇圧して各燃料噴射弁5に供給する。
マイクロコンピュータを内蔵する電子制御装置(以下、ECU)13は、前述した各種センサから出力される、開度TPSの信号、吸入空気流量QARの信号、回転角信号NE、水温TWの信号、排気空燃比RABFの信号、排気温度TEXの信号などを取り込む。
そして、ECU13は、取り込んだ信号に基づき燃料噴射弁5を制御する、燃料噴射制御装置の一態様である。更に、ECU13は、点火装置4、電制スロットル8にも操作量を出力し、点火装置4の点火時期やスロットルバルブ8aの開度を制御して、内燃機関1の運転を制御する。
ECU13は、データ(各種センサの計測結果や各種装置に出力する操作量)の入出力を行うために、アナログ入力回路20、A/D変換回路21、デジタル入力回路22、出力回路23及びI/O回路24を備える。
また、ECU13は、データの演算処理を行うために、MPU(Microprocessor Unit)26、ROM(Read Only Memory)27、RAM(Random Access Memory)28、を含むマイクロコンピュータを備える。
アナログ入力回路20には、吸入空気流量QARの信号、開度TPSの信号、排気空燃比RABFの信号、排気温度TEXの信号、及び、水温TWの信号などが入力される。
アナログ入力回路20に入力された各種信号は、それぞれA/D変換回路21に供給されてデジタル信号に変換され、バス25上に出力される。
また、デジタル入力回路22に入力された回転角信号NEは、I/O回路24を介してバス25上に出力される。
バス25には、MPU26、ROM27、RAM28、タイマ/カウンタ(TMR/CNT)29等が接続されている。そして、MPU26、ROM27、RAM28は、バス25を介してデータの授受を行う。
MPU26には、クロックジェネレータ30からクロック信号が供給され、MPU26は、クロック信号に同期して様々な演算や処理を実行する。
ROM27は、例えばデータの消去と書き換えが可能なEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)で構成され、ECU13を動作させるためのプログラム、設定データ及び初期値などを記憶する。
ROM27が記憶する情報は、バス25を介してRAM28及びMPU26に読み込まれる。
RAM28は、MPU26による演算結果や処理結果を一時的に記憶する作業領域として用いられる。
なお、タイマ/カウンタ29は、時間の測定や様々な回数の測定などに用いられる。
MPU26による演算結果や処理結果は、バス25上に出力された後、I/O回路24を介して出力回路23から点火装置4、燃料噴射弁5、電制スロットル8などに供給される。
ECU13は、機関運転状態に基づき演算した燃料噴射量TIを開弁パルス信号に変換し、気筒毎の噴射タイミングになると開弁パルス信号を燃料噴射弁5に出力する。燃料噴射弁5は、開弁パルス信号のオン期間で開弁し、開弁時間に比例する量の燃料を燃焼室10内に直接噴射する。
ここで、ECU13は、燃料噴射量の演算において、吸入空気量に応じて基本燃料噴射量TPを演算し、また、空燃比センサ11が検出する実空燃比が目標空燃比に近づくように、基本燃料噴射量TPを補正するための空燃比補正係数KAFを実空燃比と目標空燃比との偏差に基づいて演算する、空燃比フィードバック制御を実施する。
更に、ECU13は、空燃比補正係数KAFによる補正量を機関運転領域毎に空燃比学習補正値LAFとして学習する。
そして、ECU13は、基本燃料噴射量TPを、空燃比補正係数KAF及び空燃比学習補正値LAFからなる空燃比補正量で補正して最終的な燃料噴射量TIを求める。
また、ECU13は、吸気行程噴射における燃料噴射弁5による噴射タイミングを更新する機能をソフトウェアとして備える。
ECU13のROM27には、設計値(初期値)としての噴射タイミングが格納される。係る設計値(初期値)は、オイル希釈を抑制でき、かつ、粒子状物質PMの排出量を抑えることができる噴射タイミングに適合される。
ここで、オイル希釈は、燃料噴射弁5が噴射した燃料が燃焼室10内のボア壁に付着し、ボア壁に付着した燃料がピストンによってオイルパン側に掻き寄せられてオイルに混入することで進行する。一方、粒子状物質PMは、燃料噴射弁5が噴射した燃料がピストン頂面に付着し、ピストン頂面に付着した燃料が蒸発しきれずに蒸し焼き状態になって発生する。
したがって、オイル希釈を抑制でき、かつ、粒子状物質PMの排出量を抑えることができる噴射タイミングとは、ボア壁への燃料付着及びピストン頂面への燃料付着を共に抑えることができる噴射タイミングである。
図2は、吸気行程噴射における燃料噴射弁5による噴射タイミングと、オイル希釈度合及び粒子状物質PMの排出量との相関を例示する。
ピストン頂面への燃料付着は、噴射タイミングが進角し、燃料噴射弁5の噴孔とピストン頂面との距離が近くなることで増大し、所定の噴射タイミングITAよりも進角することで急増する。
一方、噴射タイミングが進角して吸気上死点(吸気TDC)に近づくと、噴射タイミングにおいてボア壁のうちピストンで覆われる部分が増大し、ボア壁への燃料付着が減ってオイル希釈度合が低下する。
つまり、噴射タイミングを進角させることでオイル希釈を抑制できるが、噴射タイミングを進角し過ぎると、ピストン頂面への燃料付着が多くなって粒子状物質PMの排出量が増大する。
したがって、粒子状物質PMの排出量を抑制できる範囲内(図2の噴射タイミングITAよりも遅角側)で可及的に進角した時期(図2の噴射タイミングITA近傍)に噴射タイミングを設定すれば、オイル希釈を抑制でき、かつ、粒子状物質PMの排出量を抑えることができる。
そこで、ECU13の開発設計段階で、粒子状物質PMの排出量を抑制できる範囲内で可及的に進角した噴射タイミングを実験やシミュレーションなどによって求め、係る噴射タイミングを設計値(初期値)としてメモリに格納させる。
但し、オイル希釈の抑制と粒子状物質PMの排出量の抑制とを両立できる噴射タイミングは、内燃機関1毎にばらつきがあり、更に、デポジットの付着などによって経時的に変化する場合がある。
このため、設計値(初期値)である噴射タイミングに基づいて燃料噴射弁5による燃料噴射を実施したときに、所期の粒子状物質PMの排出量よりも多くなったり、オイル希釈が過剰に進行したりする可能性がある。
そこで、ECU13は、噴射タイミングを、オイル希釈の抑制と粒子状物質PM排出量の抑制とを両立できる噴射タイミングに更新(学習)する処理を実施する。
ここで、オイル希釈の抑制と粒子状物質PMの排出量の抑制とを両立できる噴射タイミングとは、ボア壁への燃料付着及びピストン頂面への燃料付着を共に抑えられる噴射タイミングである。
そして、ボア壁やピストン頂面への燃料付着が多くなると、混合気形成に供される燃料量が減って空燃比がリーン化し、空燃比のリーン化を空燃比センサ11が検出すると、ECU13は、空燃比フィードバック制御によって燃料噴射弁5による燃料噴射量を増量補正することになる。
したがって、噴射タイミングを変化させたときの空燃比フィードバック制御による燃料噴射量の補正量の変化は、噴射タイミングによる燃料付着量の変化に相関し、燃料噴射量が可及的に少なくなる噴射タイミングがオイル希釈の抑制と粒子状物質PMの排出量の抑制とを両立できる噴射タイミングであると推定できる。
このため、ECU13は、空燃比フィードバック制御の結果としての燃料噴射量を監視しつつ、噴射タイミングを一時的(若しくは暫定的)に変化させる処理を実施することで、燃料噴射量(換言すれば、燃料付着量)が可及的に少なくなる噴射タイミングを探索し、燃料噴射量が可及的に少なくなることでオイル希釈の抑制と粒子状物質PMの排出量の抑制とを両立できる噴射タイミングに、メモリ上の噴射タイミングを更新する。
これにより、内燃機関1毎のばらつきや経時変化があっても、オイル希釈及び粒子状物質PMの排出量を高い精度でかつ安定的に抑制できる。
以下では、吸気行程噴射における噴射タイミングの更新処理を、図3及び図4のフローチャートを参照しつつ詳細に説明する。
ECU13は、ステップS101で、空燃比学習補正値LAFの初回学習が終了しているか否かを判断する。なお、空燃比学習補正値LAFの初回学習が終了している状態とは、空燃比補正係数KAFによる補正量に基づき空燃比学習補正値LAFを更新した履歴が存在する状態である。
空燃比学習補正値LAFの初回学習が終了していない状態では、ECU13は、ベース空燃比の目標空燃比からのずれを空燃比学習補正値LAFから判断することができないので、噴射タイミングの更新処理へ進むことなく待機する。
一方、空燃比学習補正値LAFの初回学習が終了している場合、ECU13は、ステップS102に進み、空燃比学習補正値LAFが初期値を含む所定範囲内であるか否かを判断する。
ここで、空燃比学習補正値LAFが前記所定範囲を逸脱したときに、ベース空燃比の目標空燃比からのずれが大きく、許容値を超える燃料付着(ボア壁の燃料付着及びピストン頂面の燃料付着)が発生している、換言すれば、噴射タイミングが最適値から許容範囲を超えてずれている、とECU13が推定できるように前記所定範囲を適合してある。
ECU13は、空燃比学習補正値LAFが前記所定範囲を逸脱していると判断すると、ステップS104以降に進んで、噴射タイミングの更新処理を実施する。
また、ECU13は、空燃比学習補正値LAFが前記所定範囲内である場合、ステップS103に進む。
ECU13は、ステップS103で、走行距離カウンタの値に基づき更新処理の要否判断を行う。
走行距離カウンタは、噴射タイミングを更新したときに零にリセットされ、更新後の走行距離を計測するカウンタである。
ECU13は、更新後の走行距離が設定値を超えたときに、ステップS104以降に進んで、噴射タイミングの更新処理を実施する。
一方、空燃比学習補正値LAFが前記所定範囲内であって、前回の更新処理後からの走行距離が所定値よりも短い場合、ECU13は噴射タイミングの更新処理は不要と判断して、本ルーチンを終了させる。
ECU13は、ステップS104で、車速が所定速度域内でかつスロットル開度が所定開度域内であって吸気行程噴射を実施する空燃比フィードバック制御域で、内燃機関1が定常運転されているか否かを判断する。
そして、空燃比フィードバック制御域内で内燃機関1が定常運転されている場合、ECU13は、更新処理の実施条件が成立していると判断して、ステップS105に進む。
なお、ECU13は、空燃比フィードバック制御域内で内燃機関1が定常運転されているという条件に加えて、内燃機関1の暖機運転が完了していることや燃料噴射量の演算に用いる各種センサが正常であることなどを更新処理の実施条件として判断することができる。
ECU13は、ステップS105で、空燃比学習、つまり、空燃比学習補正値LAFの更新を停止させる。
噴射タイミングの更新処理では、最適な噴射タイミングを探索するために噴射タイミングを一時的に変化させるが、このときに発生する空燃比ずれに基づき空燃比学習補正値LAFを更新すると、更新処理完了後の空燃比の制御精度が悪化する可能性がある。
そこで、ECU13は、噴射タイミングの更新処理中は、空燃比学習補正値LAFの更新を停止させ、空燃比学習補正値LAFを更新処理開始前の値に保持する。
次いで、ECU13は、ステップS106で、現時点の噴射タイミングと、現時点での空燃比補正係数KAF(空燃比補正値)とを、噴射タイミングを一時的に変更する前の制御データ(基準データ)としてメモリに保存する。
次いで、ECU13は、ステップS107で、噴射タイミングを一時的に現時点の噴射タイミングから所定角度だけ遅角させる。
そして、ECU13は、ステップS108で、ステップS107で遅角させた噴射タイミングで燃料噴射させた状態での空燃比補正係数KAF(n)と、メモリに保存してある遅角処理前の噴射タイミングで燃料噴射させた状態での空燃比補正係数KAF(n-1)とを比較する。
ここで、空燃比補正係数KAF(n)が空燃比補正係数KAF(n-1)よりも小さい場合は、目標空燃比の混合気を形成させるために必要な燃料噴射量が、噴射タイミングを遅角させたことで減少したことになる。
換言すれば、空燃比補正係数KAF(n)が空燃比補正係数KAF(n-1)よりも小さい場合は、噴射タイミングを遅角させたことで、ボア壁及びピストン頂面に付着する燃料が減ったことを示す。
但し、噴射タイミングを更に遅角させることで、ボア壁及びピストン頂面に付着する燃料を更に減らせる可能性がある。このため、ECU13は、空燃比補正係数KAF(n)が空燃比補正係数KAF(n-1)よりも小さい場合は、噴射タイミングの遅角方向を探索方向として定め、ステップS109以降で、噴射タイミングを更に遅角させていったときの空燃比補正係数KAF(燃料噴射量)の変化を観察する。
ECU13は、ステップS109で、現時点での噴射タイミング、及び、現時点での空燃比補正係数KAF(空燃比補正値)を、前回値としてメモリに保存し、次のステップS110では、噴射タイミングを更に所定角度だけ遅角させる。
そして、ECU13は、ステップS111で、ステップS109でメモリに保存した前回の噴射タイミングでの空燃比補正係数KAF(n-1)と、ステップS110で遅角させた現状の噴射タイミングでの空燃比補正係数KAF(n)とを比較する。
ここで、空燃比補正係数KAF(n)が空燃比補正係数KAF(n-1)よりも大きい場合は、目標空燃比の混合気を形成させるために必要な燃料噴射量が、噴射タイミングを遅角させたことで増大したことになる。
つまり、空燃比補正係数KAF(n)が空燃比補正係数KAF(n-1)よりも大きい場合は、前回までは噴射タイミングを遅角させることで目標空燃比の混合気を形成させるために必要な燃料噴射量が減っていたのに対し、今回の更なる遅角によって燃料噴射量が逆に増えたことになり、前回の噴射タイミングでの燃料噴射量が略極小値に相当することになる。
換言すれば、噴射タイミングと燃料噴射量との相関において燃料噴射量が極小値になる噴射タイミングが見つかったことになる。
そして、燃料噴射量が極小値であることは、ボア壁及びピストン頂面に付着する燃料量が可及的に少なくなって、オイル希釈の抑制と粒子状物質PMの排出量の抑制とが両立することになる。
このため、ECU13は、ステップS111で空燃比補正係数KAF(n)が空燃比補正係数KAF(n-1)よりも大きいと判断すると、ステップS112に進み、メモリに保存してある空燃比補正係数KAF(n-1)を得たときの噴射タイミング、つまり、燃料噴射量が最も少なくなったときの噴射タイミングを新たな噴射タイミングに定める。
そして、ECU13は、メモリの噴射タイミングを新たに定めた噴射タイミングに更新し、以後は、更新した噴射タイミング(新たな噴射タイミング)に基づいて燃料噴射弁5による吸気行程噴射を行わせる。
なお、ECU13は、ステップS112で、例えば、空燃比補正係数KAF(n)を得たときの噴射タイミングと空燃比補正係数KAF(n-1)を得たときの噴射タイミングとの中間値を更新後の噴射タイミングに定めることができる。
このように、ECU13は、探索方向に向けて噴射タイミングを変化させていったときに燃料噴射量が減少変化から増大変化に切り替わる噴射タイミングに基づき、更新後の噴射タイミング(新たな噴射タイミング)を求める。
ECU13は、ステップS111で、空燃比補正係数KAF(n)が空燃比補正係数KAF(n-1)以下であると判断した場合、つまり、前回から引き続いて、噴射タイミングを遅角させることで目標空燃比の混合気を形成させるために必要な燃料噴射量が減少する傾向を示していて、燃料噴射量が極小値になったと認めることができない場合、ステップS113に進む。
ECU13は、ステップS113で、一時的に遅角させた噴射タイミングが、噴射タイミングの変更を許可する所定クランク角範囲内であるか否か(遅角限界値を超えたか否か)を判断する。
そして、一時的に遅角させた噴射タイミングが前記所定クランク角範囲内である場合、ECU13は、ステップS109−ステップS111の処理を繰り返し、噴射タイミングを更に遅角して燃料噴射量が極小値になる噴射タイミングを探索する。
一方、ECU13は、ステップS113で、一時的に遅角させた噴射タイミングが前記所定クランク角範囲から逸脱している(遅角限界値を超えた)と判断すると、ステップS114に進む。
ECU13は、ステップS114で、噴射タイミングを一時的に遅角させる前の設定値(ステップS106で保存させた噴射タイミング)に戻し、燃料噴射量が極小値になる噴射タイミングの探索を停止する。
また、ECU13は、ステップS108で、空燃比補正係数KAF(n)が空燃比補正係数KAF(n-1)以上であると判断した場合、目標空燃比の混合気を形成させるために必要な燃料噴射量が、噴射タイミングを遅角させたことで増大したことになる。
この場合、ECU13は、逆に噴射タイミングを進角させれば、目標空燃比の混合気を形成させるために必要な燃料噴射量が減ると推定してステップS115以降に進む。
換言すれば、ECU13は、ステップS108で、空燃比補正係数KAF(n)が空燃比補正係数KAF(n-1)以上であると判断した場合、噴射タイミングの進角方向を探索方向として定め、ステップS115以降で、噴射タイミングを進角させていったときの燃料噴射量の変化を観察する。
なお、ステップS115−ステップS120は、先に説明したステップS109−ステップS114と、噴射タイミングの探索方向(変更方向)が異なるだけで処理内容は実質的に同じであるので、詳細な説明を省略する。
図5は、噴射タイミングによる空燃比補正係数KAF(燃料噴射量)の変化を説明するための図である。
図5の実線は、設計値(初期値)としての噴射タイミングの前後における空燃比補正係数KAFの変化を示す。
設計値であるときに空燃比補正係数KAFが極小値になり、設計値から遅角方向に噴射タイミングを変更すると、ボア壁への燃料付着が増えることで空燃比補正係数KAFが増え、逆に、設計値から進角方向に噴射タイミングを変更すると、ピストン頂面への燃料付着が増えることで空燃比補正係数KAFが増える。
係る特性に対して、例えば、図5に点線で示すように、空燃比補正係数KAFが極小値になる噴射タイミングが遅角方向にずれた場合、設計値から噴射タイミングを遅角させることで、空燃比補正係数KAFは減少変化することになる。
つまり、図3のフローチャートのステップS108で、ECU13が、噴射タイミングの遅角に伴って空燃比補正係数KAF(燃料噴射量)の減少変化を検知するのは、図5に点線で示す特性の場合である。
そして、ECU13は、噴射タイミングの遅角に伴う空燃比補正係数KAF(燃料噴射量)の減少変化を検知すると、更に、噴射タイミングを遅角させることで、空燃比補正係数KAF(燃料噴射量)が減少変化から増大変化に切り替わる噴射タイミングを、空燃比補正係数KAF(燃料噴射量)が極小値になる噴射タイミングとして求める。ここで、ECU13は、空燃比補正係数KAF(燃料噴射量)が極小値になる噴射タイミングを新たな噴射タイミングとし、噴射タイミングを更新する。
図5の一点鎖線は、空燃比補正係数KAFが極小値になる噴射タイミングが進角方向にずれた場合の特性を示し、この場合、ECU13は、噴射タイミングを進角方向に変化させ、空燃比補正係数KAF(燃料噴射量)が極小値になる噴射タイミングを求めることになる。
このように、ECU13は、燃料噴射弁5における吸気行程噴射の噴射タイミングを、ピストン及びボア壁への燃料付着が少なくなるように更新するので、内燃機関1毎のばらつきや経時変化があっても、オイル希釈及び粒子状物質PMの排出量を高い精度でかつ安定的に抑制できる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定するものではなく、様々な変形例を含む。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定しない。
また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
上記実施形態において、内燃機関1は、筒内噴射式内燃機関であるが、吸気バルブ上流の吸気管内に燃料噴射装置(燃料噴射弁)が燃料を噴射するポート噴射式内燃機関においても、空燃比制御の結果としての燃料噴射量が少なくなる方向に噴射タイミングを更新することができる。
また、ECU13は、噴射タイミングを一時的に遅角若しくは進角方向に変化させていったときに空燃比補正係数KAF(燃料噴射量)の変化方向が減少から増大に反転すると、噴射タイミングを逆方向に微小角度ずつ変化させていって、空燃比補正係数KAF(燃料噴射量)が極小値になる噴射タイミングをより細かく探査することができる。
また、ECU13は、遅角限界値或いは進角限界値まで噴射タイミングを変更しても空燃比補正係数KAF(燃料噴射量)の変化方向が反転しなかった場合、遅角限界値或いは進角限界値に噴射タイミングを更新することができる。
また、ECU13は、遅角限界値或いは進角限界値まで噴射タイミングを変更しても空燃比補正係数KAF(燃料噴射量)の変化方向が反転しなかった場合、許容レベルを超えるばらつきや経時変化の発生を運転者に通知することができる。
また、ECU13は、更新処理の実施条件が成立したときに、空燃比補正係数KAF(燃料噴射量)が極小値になる噴射タイミングまで噴射タイミングを変化させずに、例えば、図3のステップS108で空燃比補正係数KAF(燃料噴射量)の減少を判断した場合に、ステップS107で所定角度だけ遅角させた噴射タイミングを更新後の噴射タイミング(新たな噴射タイミング)に定め、ステップS109−ステップS111の処理を省略することができる。つまり、ECU13は、更新処理の実施条件が成立する毎に、それまでよりも空燃比補正係数KAF(燃料噴射量)が小さくなる噴射タイミングに更新することができる。
1…内燃機関、5…燃料噴射弁、11…空燃比センサ(空燃比検出器)、13…ECU(燃料噴射制御装置)

Claims (6)

  1. 内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射装置と、前記内燃機関の空燃比を検出する空燃比検出器とを備えた前記内燃機関に適用され、前記空燃比検出器が検出した空燃比に基づいて前記燃料噴射装置による燃料噴射量を補正する燃料噴射制御装置であって、
    前記内燃機関の定常運転状態で前記燃料噴射装置による噴射タイミングを一時的に変更したときの燃料噴射量の変化に基づき、変更前よりも燃料噴射量が少なくなる噴射タイミングを新たな噴射タイミングとして求め、前記新たな噴射タイミングに基づき前記燃料噴射装置による燃料噴射を行わせる、
    内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 変更前の噴射タイミングでの燃料噴射量と、変更前の噴射タイミングよりも進角又は遅角させた噴射タイミングでの燃料噴射量とを比較して、変更前の噴射タイミングよりも燃料噴射量が少なくなる噴射タイミングの変更方向を探索方向として求め、
    前記探索方向に向けて噴射タイミングを変化させていったときに燃料噴射量が減少変化から増大変化に切り替わる噴射タイミングに基づき、新たな噴射タイミングを求める、
    請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 所定のクランク角度範囲内で噴射タイミングを変更する、
    請求項1又は請求項2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 噴射タイミングを一時的に変更する処理を実施していないことを条件に、前記空燃比検出器が検出した空燃比に基づく燃料噴射量の補正量を学習して、燃料噴射量を補正するための学習値を求める、
    請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 前記学習値が所定範囲を逸脱したときに、噴射タイミングを一時的に変更して新たな噴射タイミングを求める、
    請求項4記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  6. 前記燃料噴射装置は、前記内燃機関の筒内に燃料を直接噴射する装置であって、
    前記噴射タイミングは、前記燃料噴射装置による吸気行程噴射での噴射タイミングである、
    請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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