JP2020067750A - 学習方法、装置及びプログラム、並びに設備の異常診断方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このような状況を克服するために、近年、機械学習等のパターン認識技術を用いて設備の異常診断を行うことにより、技術者の作業負荷軽減が図られている(特許文献1、2を参照)。
そこで、周期的に動作する設備の動作に応じた振動等を検出し、検出した時系列データを周波数データに変換し、周波数スペクトルを解析することによって、構成する機器の種別に依存することなく当該設備の異常を検出することが知られている(特許文献3、4を参照)。
そこで、雑音成分を取り除くことにより検出精度を向上させる技術が提案されている(特許文献5を参照)。
しかしながら、特許文献5では、正則化パラメータとして、経験的な判断基準(正則化パラメータ≦0.01)しか示されておらず、適切に設定することが困難であった。
本発明の設備の異常診断方法は、設備で計測される計測データを用いて、前記設備の異常診断を行う設備の異常診断方法であって、前記設備の正常状態の計測データを学習データとして取得する学習データ取得ステップと、前記学習データから雑音成分を取り除くための正則化パラメータを算出する正則化パラメータ算出ステップと、前記算出した正則化パラメータを用いて、前記学習データにおける特徴量間の偏相関係数を正則化モデルを用いて算出する学習データ処理ステップと、前記設備の計測データを検出データとして取得する検出データ取得ステップと、前記検出データと、前記正則化パラメータ算出ステップで算出した正則化パラメータとを用いて、前記検出データにおける特徴量間の偏相関係数を正則化モデルを用いて算出する検出データ処理ステップとを有し、前記学習データ処理ステップで算出した偏相関係数と、前記検出データ処理ステップで算出した偏相関係数とに基づいて、設備の異常診断を行うことを特徴とする。
本発明の学習装置は、設備で計測される計測データを用いた前記設備の異常診断のための学習を行う学習装置であって、前記設備の正常状態の計測データを学習データとして取得する学習データ取得手段と、前記学習データから雑音成分を取り除くための正則化パラメータを算出する正則化パラメータ算出手段と、前記算出した正則化パラメータを用いて、前記学習データにおける特徴量間の偏相関係数を正則化モデルを用いて算出する学習データ処理手段とを備えたことを特徴とする。
本発明のプログラムは、設備で計測される計測データを用いた前記設備の異常診断のための学習を行うためのプログラムであって、前記設備の正常状態の計測データを学習データとして取得する学習データ取得手段と、前記学習データから雑音成分を取り除くための正則化パラメータを算出する正則化パラメータ算出手段と、前記算出した正則化パラメータを用いて、前記学習データにおける特徴量間の偏相関係数を正則化モデルを用いて算出する学習データ処理手段としてコンピュータを機能させる。
図1は、実施形態に係る設備の異常診断装置100の構成を示す。
実施形態に係る設備の異常診断装置100は、設備で計測される計測データを用いて、設備の劣化や損傷等による異常動作を検出する異常診断を行うものであり、本発明を適用した学習装置及び設備の異常診断装置として機能する。
設備の異常診断装置100は、学習データ取得部101と、学習データ処理部102と、検出データ取得部103と、検出データ処理部104と、記憶部105と、相違算出部106と、異常判定部107と、出力部108とを備える。
ここで、雑音成分は、計測データのサイズ(データ数n×特徴量数m)に依存して変化する特徴があるので、これを正則化パラメータの算出に活用する。具体的には、学習データ(データ数n×特徴量数m)と同一サイズのサンプルデータ(データ数n×変数m)を正規乱数(平均:0、標準偏差:1に従う正規分布から発生する乱数)を用いて作成し、作成したサンプルデータの変数間の偏相関係数を正則化モデルを用いて算出する。その際、正則化パラメータλを0から徐々に(例えば0.00001ずつ)増加させ、逐次、その正則化パラメータλを用いて偏相関係数を算出し、全ての変数間における偏相関係数が零に収束する最小の正則化パラメータλを算出する。このようにして算出した正則化パラメータλを用いて、学習データにおける特徴量間の偏相関係数を正則化モデルを用いて算出する。
式(1)のように一般的な線形モデルを考える。
ここで、正則化項の大きさを設定する正則化パラメータλは、推定される二乗ロス関数に含まれる正則化パラメータである。正則化パラメータλを適切に定めることによって、対象とする設備に合致したモデルを学習することができる。
しかしながら、今回対象とする設備の異常診断においては、目的関数を予測することが目的ではなく、正常状態における学習データの特徴量間の偏相関係数を適切に算出することが重要である。そのため、正則化パラメータλを変化させても、一意に定めることができない。つまり、目的変数の実績値が存在しないため、予測値と実績値との二乗誤差が最小となる正則化パラメータλを定めることができない。
そこで、L1正則化モデルの特徴を活用する。L1正則化モデルにおいては、正則化パラメータλを適切に定めることによって、特徴量間の雑音成分を零に収束させた疎な行列にすることが可能である。この性質を活用し、サンプルデータにおいてサイズ(データ数n×特徴量数m)に依存して変化する雑音成分を適切に取り除く最小の正則化パラメータλが、同一サイズの学習データにおける適切な正則化パラメータλであると言える。
学習データにおける特徴量間の偏相関係数と、検出データにおける特徴量間の偏相関係数との差異として、例えばカルバックライブラー情報量(KL情報量)を用いればよい。KL情報量は、確率分布同士の情報量の差異を算出する尺度であり、式(5)により求められる。P(i),Q(i)は確率分布を指し、DKLは2つの確率分布間の差異を算出する尺度である。
異常判定閾値は、例えば交差検証(Cross-validation)によって求められる。具体的には、学習データ取得部101で取得した正常データである計測データをk個(本例では5個)のデータ集合に分割し、1つのデータ集合を学習データ(本例ではn:20×m:24)とし、同一サイズのサンプルデータ(n:20×m:24)を正規乱数を用いて作成し、作成したサンプルデータの変数間の偏相関係数を正則化モデルを用いて算出する。その際、正則化パラメータλを0から徐々(例えば0.00001ずつ)に増加させ、逐次、その正則化パラメータλを用いて偏相関係数を算出し、全ての変数間における偏相関係数が零に収束する最小の正則化パラメータλを算出する。算出した正則化パラメータλを用いて、学習データ(n:20×m:24)における特徴量間の偏相関係数を正則化モデルを用いて算出する。
次に、残りのk−1個のデータ集合において、検出データ(n:20×m:24)を時系列順に(n×(k−1)+1)個作成し、各々の検出データに対して学習データで算出した正則化パラメータλを用いて特徴量間の偏相関係数を正則化モデルを用いて算出する。算出した各々の検出データにおける特徴量間の偏相関係数と学習データにおける特徴量間の偏相関係数との差異を異常度として算出する。
前述の計算手順において、学習データをk個変えて各々異常度を算出する。算出したp個(本例では105個)の異常度のデータ集合からカーネル密度推定(有限の標本データから母集団の分布を推定する手法)によって、確率密度がq%(本例では99%)となる閾値を異常判定閾値とする。
本発明は、本発明の学習機能や設備の異常診断機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。
Claims (10)
- 設備で計測される計測データを用いた前記設備の異常診断のための学習を行う学習方法であって、
前記設備の正常状態の計測データを学習データとして取得する学習データ取得ステップと、
前記学習データから雑音成分を取り除くための正則化パラメータを算出する正則化パラメータ算出ステップと、
前記算出した正則化パラメータを用いて、前記学習データにおける特徴量間の偏相関係数を正則化モデルを用いて算出する学習データ処理ステップとを有することを特徴とする学習方法。 - 前記正則化パラメータ算出ステップは、
前記学習データと同一サイズのサンプルデータを正規乱数を用いて作成し、
前記サンプルデータの変数間の偏相関係数を正則化モデルを用いて算出するために、正則化パラメータを0から徐々に増加させ、逐次、その正則化パラメータを用いて偏相関係数を算出し、全ての変数間における偏相関係数が零に収束する最小の正則化パラメータを算出することを特徴とする請求項1に記載の学習方法。 - 設備で計測される計測データを用いて、前記設備の異常診断を行う設備の異常診断方法であって、
前記設備の正常状態の計測データを学習データとして取得する学習データ取得ステップと、
前記学習データから雑音成分を取り除くための正則化パラメータを算出する正則化パラメータ算出ステップと、
前記算出した正則化パラメータを用いて、前記学習データにおける特徴量間の偏相関係数を正則化モデルを用いて算出する学習データ処理ステップと、
前記設備の計測データを検出データとして取得する検出データ取得ステップと、
前記検出データと、前記正則化パラメータ算出ステップで算出した正則化パラメータとを用いて、前記検出データにおける特徴量間の偏相関係数を正則化モデルを用いて算出する検出データ処理ステップとを有し、
前記学習データ処理ステップで算出した偏相関係数と、前記検出データ処理ステップで算出した偏相関係数とに基づいて、設備の異常診断を行うことを特徴とする設備の異常診断方法。 - 前記学習データ処理ステップで算出した偏相関係数と、前記検出データ処理ステップで算出した偏相関係数との差異を異常度として算出する相違算出ステップをさらに有することを特徴とする請求項3に記載の設備の異常診断方法。
- 前記異常度に基づいて、前記設備が正常状態であるか、異常状態であるかを判定する異常判定ステップをさらに有することを特徴とする請求項4に記載の設備の異常診断方法。
- 前記異常判定ステップでは、前記異常度を予め設定された異常判定閾値と比較することにより、前記設備が正常状態であるか、異常状態であるかを判定することを特徴とする請求項5に記載の設備の異常診断方法。
- 前記検出データ取得ステップでは、前記検出データのサイズを前記学習データのサイズと同一にすることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の設備の異常診断方法。
- 前記検出データ取得ステップでは、前記学習データ取得ステップで前記学習データとする計測データに所定の処理を行っている場合、前記検出データとする計測データにも前記所定の処理を行うことを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の設備の異常診断方法。
- 設備で計測される計測データを用いた前記設備の異常診断のための学習を行う学習装置であって、
前記設備の正常状態の計測データを学習データとして取得する学習データ取得手段と、
前記学習データから雑音成分を取り除くための正則化パラメータを算出する正則化パラメータ算出手段と、
前記算出した正則化パラメータを用いて、前記学習データにおける特徴量間の偏相関係数を正則化モデルを用いて算出する学習データ処理手段とを備えたことを特徴とする学習装置。 - 設備で計測される計測データを用いた前記設備の異常診断のための学習を行うためのプログラムであって、
前記設備の正常状態の計測データを学習データとして取得する学習データ取得手段と、
前記学習データから雑音成分を取り除くための正則化パラメータを算出する正則化パラメータ算出手段と、
前記算出した正則化パラメータを用いて、前記学習データにおける特徴量間の偏相関係数を正則化モデルを用いて算出する学習データ処理手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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