JP2020063911A - イムノクロマトグラフィー用テストストリップおよび被検出物質の検出方法 - Google Patents

イムノクロマトグラフィー用テストストリップおよび被検出物質の検出方法 Download PDF

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【課題】反応完了時間が短く、感度にも優れたイムノクロマトグラフィー用テストストリップを提供する。【解決手段】被検出物質を含有する可能性のあるサンプルを展開させることにより被検出物質を検出するイムノクロマトグラフィー用テストストリップであって、被検出物質を含有する可能性のあるサンプルを供給するサンプル供給部を有する、サンプルパッドeと、被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原が固定化されたライン状の検出部を少なくとも1つ有する、不溶性メンブレン担体を含み、サンプル供給部と検出部の間に、被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原が標識体に固定化されたコンジュゲートを含有するライン状のコンジュゲート部fが設けられ、そして、コンジュゲート部のラインの中心線とライン状の検出部の中心線との距離が9〜21mmであることを特徴とするイムノクロマトグラフィー用テストストリップ。【選択図】図1

Description

本発明は、インフルエンザウイルス等の被検出物質を検出するためのイムノクロマトグラフィー用テストストリップおよび該イムノクロマトグラフィー用テストストリップを使用した、被検出物質の検出方法に関する。
サンプル中の検出すべき被検出物質を抗原抗体反応により検出する方法の一つとして、イムノクロマトグラフィー用テストストリップを用いた測定方法が従来から行われている。イムノクロマトグラフィーは、被検出物質である抗原または抗体に対する抗体または抗原を、クロマトグラフ媒体である不溶性メンブレン担体上に固定化して、固定相である検出部を作成し、コンジュゲート(検出試薬)である上記被検出物質と結合可能な抗体または抗原によって感作された標識体を移動相として用い、被検出物質と移動相であるコンジュゲートとを特異的に反応させ、さらに固定相である検出部において、コンジュゲートと結合した被検出物質を、検出部に固定化された抗体または抗原に特異的に反応させるものである。そして、通常、標識体として、金コロイドなどのコロイド状金属粒子や、カラーラテックス粒子が用いられるので、検出部における色から、サンプル中の被検出物質の存在や、場合によってはその量を検出する。
イムノクロマトグラフィー用テストストリップの構成としては、特許文献1に示されている通り、サンプルを供給するためのサンプルパッド、移動相であるコンジュゲートを配置させるためのコンジュゲートパッド、サンプルとコンジュゲートの複合体を展開するとともに、検出のための検出部を有する不溶性メンブレン担体、及び不溶性メンブレン担体を展開してきたサンプルを吸収するための吸収パッドが配置されているのが一般的である。しかしながら、上記構成のイムノクロマトグラフィー用テストストリップは、コンジュゲートパッドからコンジュゲートがリリースされ難いため、反応が完了するまでに時間がかかったり、或いは、バックグラウンドが上昇し易いといった問題点があった。
特許文献2に記載のように、サンプル供給部及びライン状のコンジュゲート部を有するコンジュゲートパッドを含み、かつ、コンジュゲートパッドのサンプル供給部の下面は不溶性メンブレン担体の上面と接触せず、コンジュゲートパッドのコンジュゲート部の下面は不溶性メンブレン担体の上面と接触していることを特徴とするイムノクロマトグラフィー用テストストリップにより、反応完了時間や感度を改良する試みもなされている。しかしながら、特許文献2に記載の技術では、生体試料をサンプル供給部に添加してから判定を行うまでに15分の時間を要しており、反応完了時間をさらに短縮しても十分な感度を確保することができる技術が望まれていた。
米国特許第6352862号公報 国際公開第2012/043746号パンフレット
本発明の目的は、反応完了時間が短く、感度にも優れたイムノクロマトグラフィー用テストストリップを提供することにある。
本発明は具体的には、以下の通りである。
<1>被検出物質を含有する可能性のあるサンプルを展開させることにより被検出物質を検出するイムノクロマトグラフィー用テストストリップであって、以下の(1)および(2)を含み、(1)または(2)において、サンプル供給部と検出部の間に、被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原が標識体に固定化されたコンジュゲートを含有するライン状のコンジュゲート部が設けられ、そして、コンジュゲート部のラインの中心線とライン状の検出部の中心線との距離が9〜21mmであることを特徴とするイムノクロマトグラフィー用テストストリップ
(1)被検出物質を含有する可能性のあるサンプルを供給するサンプル供給部を有する、サンプルパッド
(2)被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原が固定化されたライン状の検出部を少なくとも1つ有する、不溶性メンブレン担体、
<2>標識体に固定化された、被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原と、検出部に固定化された、被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原とは、別のものである、<1>に記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップ、
<3>ラテラルフロー式である、<1>又は<2>に記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップ、
<4>被検出物質がインフルエンザウイルスであり、標識体に固定化された被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原および検出部に固定化された被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原が抗インフルエンザウイルスモノクローナル抗体である、<1>〜<3>のいずれかに記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップ、
<5>コンジュゲート部が、サンプルパッドに設けられている、<1>〜<4>のいずれかに記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップ、
<6>ライン状のコンジュゲート部のライン幅が、2〜8mmである、<1>〜<5>のいずれかに記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップ、
<7>サンプル供給部に生体試料を供給してから5分後におけるコントロール捕捉試薬固定化部のシグナル強度が、サンプル供給部に生体試料を供給してから15分後におけるコントロール捕捉試薬固定化部のシグナル強度の80%以上である、<1>〜<6>のいずれかに記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップ、並びに
<8><1>〜<7>のいずれかに記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップを使用する、被検出物質の検出方法であって、(A)〜(D)の工程を含み、前記工程(A)〜(D)の全てが、15分未満の間に行われることを特徴とする、前記検出方法
(A)サンプル供給部と被検出物質とを接触させること、
(B)サンプル中の被検出物質とコンジュゲートとを接触させ、第一複合体を形成させること、
(C)前記第一複合体と、検出部に固定化された、被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原とを接触させ、第二複合体を形成させること、並びに
(D)コンジュゲートに由来するシグナルを測定することにより、前記第二複合体の形成を確認すること。
イムノクロマトグラフィー用テストストリップを上記構成とすることで、サンプル供給部に生体試料を供給してから短時間で被検出物質の検出を行うことが可能となる。
尚、本発明において、抗原または抗体を固定化させるとは、標識体または不溶性メンブレン担体に物理的あるいは化学的に抗原または抗体を担持させることである。
また、上記コンジュゲート部は、サンプル展開方向、即ち、サンプルパッドのサンプル供給部の中心と不溶性メンブレン担体の下流側端部の中心を結ぶ線に対して直行する方向にライン状に配置されているのが好ましい。
さらに、本発明でいう検出とは、定性的な検出だけでなく、定量が可能な被検出物質については定量的な検出も含む。
上記イムノクロマトグラフィー用テストストリップにおいて、標識体に固定化された被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原と、検出部に固定化された被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原とは、別のものであることが好ましい。即ち、標識体に固定化された被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原と、検出部に固定化された被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原とは、各々被検出物質の別の部位を認識する抗体または抗原であることが好ましい。標識体及び検出部に別の抗体または抗原を固定させることで、感度がより優れたものとなる。
本発明のイムノクロマトグラフィー用テストストリップによれば、サンプル供給部に生体試料を供給してから短時間(例えば5分)且つ高感度で被検出物質の検出を行うことが可能である。
本発明のイムノクロマトグラフィー用テストストリップの構造の一例を示す模式図である。図1は、積層される前の、イムノクロマトグラフィー用テストストリップの構造の側面図を示す。 サンプルパッドの一実施態様の上面図を示す。
(被検出物質)
本発明において、被検出物質としては、ウイルス、及び一般に抗原抗体反応を利用して測定し得るタンパク質などの生理活性物質等が挙げられる。
上記ウイルスとしては、例えば、インフルエンザA型ウイルスやインフルエンザB型ウイルスなどのインフルエンザウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス等が挙げられ、上記タンパク質としては、例えば、ヒトヘモグロビン、B型肝炎ウイルス抗体、C型肝炎ウイルス抗体、ヒト免疫不全ウイルス抗体等が挙げられる。中でも、インフルエンザウイルスを被検出物質とするのが好ましく、後述する検出部を複数個所(例えば2箇所)形成して、インフルエンザA型ウイルスおよびインフルエンザB型ウイルスを被検出物質とするのがより好ましい。
(サンプル)
本発明において、被検出物質を含有する可能性のあるサンプルとしては、体液などの主に生体(生物)由来の物質やそれらから被検出物質を抽出した抽出液等が挙げられる。生体(生物)由来の物質としては、具体的には、血液、尿、便、鼻孔・鼻腔・咽頭・鼻咽頭などを由来とする鼻汁液や鼻汁吸引液、喀痰やスワブ検体として収集された分泌液、唾液等が挙げられる。中でも、被検出物質をインフルエンザウイルスとする場合、サンプルとしては、鼻孔・鼻腔・咽頭・鼻咽頭などを由来とする鼻汁液や鼻汁吸引液、喀痰やスワブ検体として収集された呼吸器分泌液等が好ましい。上記の生体(生物)由来物質やその抽出液は、そのままサンプルとして用いてもよく、適宜希釈液によって希釈してサンプルとしてもよい。また、適宜濾過したものをサンプルとして用いてもよい。
(被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原)
本発明で用いられる被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原は、被検出物質に結合可能な抗体または抗原であり、被検出物質がウイルスや抗原の場合は抗体、被検出物質が抗体の場合は抗原が好ましい。被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原は、後述する標識体および検出部に固定化される。標識体および検出部に固定化される抗体または抗原は同一であってもよいが、標識体と検出部とで別のものであることが好ましい。標識体に固定化される抗体または抗原と、検出部に固定化される抗体または抗原とで、別のものを用いることにより、得られるイムノクロマトグラフィー用テストストリップにおいて、コンジュゲートと結合した被検出物質と検出部の抗体または抗原との反応と、コンジュゲートと結合した被検出物質と未反応のコンジュゲートとの反応とが競合するのを抑制することができるとともに、コンジュゲートと結合した被検出物質と検出部の抗体または抗原との反応性を上げることができ、結果としてイムノクロマトグラフィー用テストストリップの感度が良好になる。なお、別のものとは、種類が異なることをいい、抗体の場合は異なるエピトープを認識する抗体であり、抗原の場合は異なるエピトープを有する抗原をいう。
さらに、標識体および検出部に固定化される抗体はモノクローナル抗体が好ましい。モノクローナル抗体を用いることで、反応の特異性を上げることができる。
被検出物質がインフルエンザウイルスの場合、標識体及び検出部に固定化される抗体は、インフルエンザウイルスを検出できる抗体であればいずれでもよいが、抗インフルエンザA型ウイルスモノクローナル抗体、抗インフルエンザB型ウイルスモノクローナル抗体等の抗インフルエンザウイルスモノクローナル抗体が好ましい。
また、これらの抗体の分子全体のほかに、抗原抗体反応活性を有する抗体の機能性断片も本発明では同じく抗体として取り扱う。抗体の機能性断片としては、動物への免疫工程を経て得られたもののほか、遺伝子組み換え技術を使用して得られたものや、キメラ抗体が挙げられる。抗体の機能性断片としては、例えば、F(ab')2、Fab’などが挙げられる。これらの機能性断片は前記抗体をタンパク質分解酵素(例えば、ペプシンやパパインなど)で処理することにより製造できる。
(標識体)
本発明で用いられる標識体は、従来からイムノクロマトグラフィー用テストストリップに用いられている公知の標識体を用いることができる。例えば、金コロイド粒子や白金コロイド粒子などのコロイド状金属粒子、カラーラテックス粒子、磁性粒子などが好ましく、特に金コロイド粒子が好ましい。
標識体の粒径は、用いる標識体に応じて適当な粒径の標識体を用いるのが好ましい。例えば、標識体として金コロイド粒子を用いる場合、その粒径としては20〜70nmが好ましく、特に45〜65nmが好ましい。上記の金コロイド粒子は、一般に知られている方法、例えば、加熱したテトラクロロ金(III)酸水溶液にクエン酸三ナトリウム水溶液を滴下攪拌することによって製造することができる。
(コンジュゲート)
本発明で用いられるコンジュゲートは、上記のような標識体に被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原が固定化されたものである。被検出物質がインフルエンザウイルスの場合、コンジュゲートは、金コロイド粒子に抗インフルエンザウイルスモノクローナル抗体が固定化されたものが好ましい。
被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原を標識体へ固定化させる方法としては、物理吸着、化学結合等が挙げられ、物理吸着により固定化させるのが一般的である。例えば、抗インフルエンザウイルスモノクローナル抗体を金コロイド粒子へ固定化させる場合、通常緩衝液に金コロイド粒子及び抗インフルエンザウイルスモノクローナル抗体を添加し、物理吸着によって固定化させる。この際、抗体濃度は20〜100μg/mLに調整されるのが好ましい。緩衝液とそのpHは、例えば、0.5〜5mMリン酸緩衝液(pH6〜8)、0.5〜5mMホウ酸緩衝液(pH8〜9.5)等が好ましい。
また、金コロイド粒子などの標識体上の、抗体または抗原が結合していない領域は、BSAなどでブロッキングするのが好適である。
(サンプルパッド)
本発明で用いられるサンプルパッドは、サンプルが展開可能であり、かつ、コンジュゲートを保持可能なパッド状の多孔質材料からなり、その一部にサンプル供給部を有する。また、サンプル供給部の下流には、多孔質材料部分が存在しており、サンプル供給部に供給されたサンプルは、多孔質材料を展開して、サンプルパッド又は不溶性メンブレン担体に設けられたコンジュゲート部に到達するようにされているのが好ましい。
上記サンプル供給部は、被検出物質を含有する可能性のあるサンプルを供給する部位であり、多孔質材料の一部に形成されており、サンプル供給部がサンプルパッドの上流側となる。
(コンジュゲート部)
コンジュゲート部は、コンジュゲートを含有する部位であり、上記サンプル供給部よりも下流側のサンプルパッド上又は不溶性メンブレン担体上にライン状に形成される。ライン状のコンジュゲート部は、サンプル展開方向、即ち、サンプルパッドのサンプル供給部の中心と後述する不溶性メンブレン担体の下流側端部の中心を結ぶ線、に対して直行する方向にライン状に配置されているのが好ましい。換言すれば、ライン状のコンジュゲート部は、サンプルパッド及び不溶性メンブレン担体の長手方向に対して垂直の方向にライン状に配置されているのが好ましい。コンジュゲート部は、サンプルパッドに形成されていることが好ましく、この場合、サンプルパッドのコンジュゲート部よりも下流側の全てがコンジュゲート部である必要はなく、コンジュゲート部のさらに下流側にはコンジュゲートを含まない多孔質材料部分が存在していてもよい。
コンジュゲート部の位置は、当業者であれば適切な長さに調節することができるが、ライン状のコンジュゲート部のラインの中心線が、サンプル供給部から10〜23mm下流側に配置されているのが好ましく、10〜21mm下流側に配置されているのがより好ましい。また、ライン状のコンジュゲート部のラインの中心線が、サンプルパッドの下流側端部から少なくとも3mm以上上流側に配置されているのが好ましい。なお、本明細書において、コンジュゲート部又は検出部の「中心線」とは、サンプルパッドの長手方向に対して垂直方向に引かれる中心線を意味し、サンプルパッドの長手方向に対して平行方向に引かれる中心線を意味するものではない。
本明細書では、ライン状のコンジュゲート部のラインの、サンプルパッドの長手方向における長さをコンジュゲート部の「ライン幅」と称する。ライン状のコンジュゲート部のライン幅は、被検出物質の検出に必要な量のコンジュゲートを含有させられる程度のライン幅があればよく、2〜8mmが好ましく、3〜7mmがより好ましい。コンジュゲート部のラインのライン幅は、ライン全体にわたり同一の幅であることが好ましい。
ライン状のコンジュゲート部の一部が下流側及び/又は上流側に突出している場合も考えられる。この場合、突出していない部分及び突出した部分のいずれかが上記のライン幅を有すればよいが、突出していない部分が、上記のライン幅を有することが好ましい。
サンプルパッドは、その下流側の端部の下面が後述する不溶性メンブレン担体の上面に接触するように不溶性メンブレン担体と積層される。サンプルパッドにおいて、サンプル供給部の下面は不溶性メンブレン担体の上面と接触していてもしていなくともよい。サンプルパッドにコンジュゲート部が設けられている場合、コンジュゲート部の下面は不溶性メンブレン担体の上面と接触していてもしていなくともよい。不溶性メンブレン担体にコンジュゲート部が設けられている場合、コンジュゲート部の上面は不溶性メンブレン担体の下面と接触していてもしていなくともよいが、接触していないことが好ましい。被検出物質を含有する可能性のあるサンプルがサンプルパッドのサンプル供給部に供給されると、サンプルは、上流側のサンプル供給部から、コンジュゲートを含まない多孔質材料部分を通って下流側のコンジュゲート部へと流れる。コンジュゲート部では、サンプル中の被検出物質(例えば、インフルエンザウイルス)とコンジュゲート(例えば、抗インフルエンザウイルスモノクローナル抗体が固定化された金コロイド粒子)とが複合体(凝集体)を形成する。
上記サンプルパッドを構成する多孔質材料としては、紙、セルロース混合物、ニトロセルロース、ポリエステル、アクリロニトリルコポリマー、ガラス、レーヨン等のような不織繊維からなるパッドが挙げられる。中でもガラス繊維からなるパッド(グラスファイバー製パッド)が好ましい。
サンプルパッドの全長、すなわち、サンプルパッド上流側の端部から下流側の端部までの長さは、当業者であれば適切な長さに調節することができるが、具体的には、14〜34mm、18〜32mm、又は20〜30mmの長さに調節することができる。
(不溶性メンブレン担体)
本発明で用いられる不溶性メンブレン担体は、被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原が固定化された少なくとも1つのライン状の検出部を有する。ライン状の検出部は、サンプル展開方向、即ち、サンプルパッドのサンプル供給部の中心と後述する不溶性メンブレン担体の下流側端部の中心を結ぶ線、に対して直行する方向にライン状に配置されているのが好ましい。換言すれば、ライン状の検出部は、不溶性メンブレン担体の長手方向に対して垂直の方向にライン状に配置されているのが好ましい。被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原の不溶性メンブレン担体への固定化は、従来公知の方法で実施することができる。ラテラルフロー式のイムノクロマトグラフィー用テストストリップの場合には、次のように固定化を行う。上記の抗体または抗原を所定の濃度で含有する液を調製し、次に、ノズルから液を一定の速度で吐出しながら不溶性メンブレン担体の長手方向に対して垂直の方向に移動させることのできる機構を有する装置などを用いて、上記液を不溶性メンブレン担体の長手方向に対して垂直の方向にライン状、例えばライン幅1〜5mm、2〜4mmのライン状に不溶性メンブレン担体に塗布し、乾燥させることにより固定化させることができる。なお、本明細書では、ライン状の検出部のラインの、不溶性メンブレン担体の長手方向における長さを検出部の「ライン幅」と称する。検出部のラインのライン幅は、ライン全体にわたり同一の幅であることが好ましい。
ライン状の検出部の一部が下流側及び/又は上流側に突出している場合も考えられる。この場合、突出していない部分及び突出した部分のいずれかが上記のライン幅を有すればよいが、突出していない部分が、上記のライン幅を有することが好ましい。
上記液の抗体または抗原の濃度は0.1〜5mg/mLが好ましく、0.5〜2mg/mLがさらに好適である。また、抗体または抗原の不溶性メンブレン担体への固定化量は、ラテラルフロー式の場合には上記の装置のノズルからの吐出速度を調節することによって最適化でき、0.5〜2μL/cmが好適である。
なお、上記ラテラルフロー式のイムノクロマトグラフィー用テストストリップを用いた測定方法は、サンプルパッドの、不溶性担体と接触する部分から供給されるサンプルが、毛細管現象により不溶性メンブレン担体に対して並行方向に移動するように展開する方式の測定方法である。
また、上記の抗体または抗原を所定の濃度で含有する液は、緩衝液に抗体または抗原を添加することにより調製することができる。該緩衝液の種類としては、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、グッド緩衝液など通常使用される緩衝液をあげることができる。緩衝液のpHは6.0〜9.5の範囲が好ましく、6.5〜8.5がより好ましく、7.0〜8.0がさらに好ましい。緩衝液には、さらに塩化ナトリウムなどの塩類、スクロースなどの安定剤や保存剤、プロクリンなどの防腐剤等を含んでもよい。塩類は塩化ナトリウムなどのようにイオン強度の調整のために含ませるもののほか、水酸化ナトリウムなど緩衝液のpHを調整する目的で添加するものも含まれる。
不溶性メンブレン担体に抗体または抗原を固定化した後、さらに、通常使用されるブロッキング剤を溶液あるいは蒸気状にして抗体または抗原を固定化した部位以外を被覆し、ブロッキングを行うこともできる。
なお、不溶性メンブレン担体には、従来からイムノクロマトグラフィー用テストストリップで用いられているコントロール捕捉試薬を固定化してもよい。該コントロール捕捉試薬は、アッセイの信頼性を担保するための試薬であって、サンプルパッドに含ませたコントロール試薬を捕捉するものである。例えば、サンプルパッドに標識されたKLHをコントロール試薬として含む場合には、抗KLH抗体などがコントロール捕捉試薬に該当する。コントロール捕捉試薬を固定化する位置は、アッセイ系の設計に適合するよう適宜選択することができるが、例えば、最も上流に位置する検出部の中心線から、2〜15mm、2〜10mm、又は3〜8mmに位置するように設計することができる。コンジュゲート部のラインの中心線を基準としたコントロール捕捉試薬を固定化する位置としては、コンジュゲート部のラインの中心線から、12〜35mm、14〜30mm、又は15〜27mm下流側に位置することができる。以下、不溶性メンブレン担体において、コントロール捕捉試薬を固定化した位置をコントロール捕捉試薬固定化部と呼ぶことがある。
本発明で用いられる不溶性メンブレン担体を構成するメンブレンとしては、従来からイムノクロマトグラフィー用テストストリップの不溶性メンブレン担体として用いられている公知のメンブレンが使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン類、ガラス、セルロースやセルロース誘導体などの多糖類、セラミックス等からなる繊維から構成されるメンブレンがあげられる。具体的には、ザルトリウス社、ミリポア社、東洋濾紙社、ワットマン社などから市販されているガラス繊維ろ紙やニトロセルロース膜などが挙げられる。不溶性メンブレン担体の平均孔径又は保留粒子径は、これらに限定されるものではないが0.1〜20μmのものを用いることができ、0.5〜16μmのものがより好ましく、0.7〜10μmのものがさらに好ましい。なお、これらの平均孔径又は保留粒子径の数値は、ASTM−F316−86により計測した値である。
不溶性メンブレン担体の全長、すなわち、不溶性メンブレン担体上流側の端部から下流側の端部までの長さは、当業者であれば適切な長さに調節することができるが、具体的には、15〜40mm、18〜35mm、又は20〜30mmの長さに調節することができる。
(コンジュゲート部と検出部との距離)
本発明のイムノクロマトグラフィー用テストストリップは、コンジュゲート部の中心線と検出部の中心線との距離が9〜21mmであることを特徴とする。コンジュゲート部の中心線と検出部の中心線との距離が21mmより大きい場合は、コンジュゲートと被検出物質との複合体が検出部に展開されるまでに多くの時間が必要となり、反応完了までの時間が長くなる。一方で、コンジュゲート部の中心線と検出部の中心線との距離が9mm未満である場合は、検出感度が低下する。検出部が複数ある場合には、最も上流にある検出部の中心線とコンジュゲート部の中心線との距離が9〜21mmであることができる。コンジュゲート部の中心線と検出部の中心線との距離は、例えば、9mm〜20.0mm、9mm〜18.0mm、又は10mm〜18.0mmであることができる。コンジュゲート部の中心線と検出部の中心線との距離は、好ましくは、9mm〜16.5mmであり、より好ましくは10.5mm〜16.5mmである。
(吸収パッド)
本発明のイムノクロマトグラフィー用テストストリップにおいては、上記不溶性メンブレン担体の下流側端部に吸収パッドを設置するのが好ましい。吸収パッドとは、不溶性メンブレン担体を移動・通過したサンプルを吸収することにより、サンプルの展開を制御する液体吸収性を有する部位である。吸収パッドとしては、従来からイムノクロマトグラフィー用テストストリップに用いられている公知の吸収パッドが用いられ、例えば、ろ紙を用いることができる。
吸収パッドの全長、すなわち、吸収パッド上流側の端部から下流側の端部までの長さは、当業者であれば適切な長さに調節することができると考えられるが、具体的には、20〜100mm、20〜80mm、又は20〜60mmの長さに調節することができる。
本発明のイムノクロマトグラフィー用テストストリップでは、サンプル供給部に生体試料を供給してから5分後におけるコントロール捕捉試薬固定化部のシグナル強度が、サンプル供給部に生体試料を供給してから15分後におけるコントロール捕捉試薬固定化部のシグナル強度の80%以上であることが好ましい。
(イムノクロマトグラフィー用テストストリップ)
イムノクロマトグラフィー用テストストリップは、プラスチック製粘着シートのような固相支持体上に配置させることが好ましい。該固相支持体は、サンプル及びコンジュゲートの毛管流を妨げない物質で構成する。また、イムノクロマトグラフィー用テストストリップを固相支持体上に接着剤等で固定化してもよい。この場合、接着剤の成分等においてもサンプル及びコンジュゲートの毛管流を妨げない物質で構成する。なお、不溶性メンブレン担体の機械的強度を上げ且つアッセイ中の水分の蒸発(乾燥)を防ぐ目的でポリエステルフィルムなどをラミネートすることも可能である。該イムノクロマトグラフィー用テストストリップは、イムノクロマトグラフィー用テストストリップの大きさ、サンプルの添加方法や添加位置、不溶性メンブレン担体の検出部の形成位置、シグナルの検出方法などを考慮した適当な容器(ハウジング)に格納・搭載して使用することができ、このように格納・搭載された状態を「デバイス」という。
また、本発明のイムノクロマトグラフィー用テストストリップは、サンプルパッドと不溶性メンブレン担体を含み、さらに測定条件、サンプルに応じて他の試薬や構成を含み得る。他の試薬としては、例えば非特異反応を防止するブロッキング剤が挙げられ、他の構成としては、例えば、試料中における測定に不要な成分を除去するための追加のパッドが挙げられる。
(イムノクロマトグラフィー用テストストリップの製造方法)
上記イムノクロマトグラフィー用テストストリップの製造方法は特には限定されないが、製造の手順としては、パッド状の多孔質材料の一部(コンジュゲート部となる部分)にコンジュゲート液をライン状に塗布すること、乾燥させてサンプルパッドを作成すること、そしてこのサンプルパッドと検出部を有する不溶性メンブレン担体とを接触させてイムノクロマトグラフィー用テストストリップとすることが好ましい。
例えば、本発明のイムノクロマトグラフィー用テストストリップの製造方法は、以下の(1)〜(3)の工程を有するものである。
(1)サンプルパッドとなるパッド状の多孔質材料の一部に、被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原が標識体に固定化されたコンジュゲートを含有するコンジュゲート液をライン状に塗布し、乾燥させてコンジュゲート部を形成し、前記コンジュゲート部以外の一部をサンプル供給部とする、サンプルパッドを作成する工程
(2)被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原が固定化されたライン状の検出部を少なくとも1つ有する不溶性メンブレン担体を準備する工程
(3)(2)で準備した不溶性メンブレン担体の上流側に、(1)で得られたサンプルパッドをコンジュゲート部のラインの中心線とライン状の検出部の中心線との距離が9〜21mmとなるように積層する工程
上記コンジュゲート液は、通常用いられる緩衝液にコンジュゲートを含有させたものであり、コンジュゲートの濃度はコンジュゲート部に含有させるコンジュゲート量に応じて適宜調整される。
上記コンジュゲート液は、液を一定速度で吐出することのできるノズル等を用いて、サンプルパッドとなるパッド状の多孔質材料の一部(コンジュゲート部となる部分)に、塗布される。その後、加熱乾燥、自然乾燥等により乾燥させてサンプルパッドが得られる。
尚、サンプルパッドはサンプル供給部を有するが、サンプル供給部はコンジュゲートを含まない多孔質材料部分であり、サンプルの展開性、イムノクロマトグラフィー用テストストリップを格納する容器等に応じて、適切な位置に配置することができる。
不溶性メンブレン担体の形成方法、サンプルパッドと不溶性メンブレン担体との積層方法等は上記で述べた通りである。不溶性メンブレン担体にコンジュゲート部を設ける場合、不溶性メンブレン担体へのコンジュゲート液の塗布は、サンプルパッドへ行う場合と同様に行うことができる。
(イムノクロマトグラフィー用テストストリップを使用する被検出物質の検出方法)
本発明の被検出物質の検出方法は、以下の工程(A)〜(D)を含み、前記工程(A)〜(D)の全てが、15分未満の間に行われることを特徴とする。
(A)サンプル供給部と被検出物質とを接触させること、
(B)サンプル中の被検出物質とコンジュゲートとを接触させ、第一複合体を形成させること、
(C)前記第一複合体と、検出部に固定化された、被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原とを接触させ、第二複合体を形成させること、並びに
(D)コンジュゲートに由来するシグナルを測定することにより、前記第二複合体の形成を確認すること。
前記工程(A)〜(D)の全ては、好ましくは、2分以上且つ15分未満、より好ましくは、5分以上且つ15分未満、さらに好ましくは5分以上且つ10分未満、最も好ましくは5分以上且つ7分未満の間に行われる。本発明の被検出物質の検出方法は、工程(A)〜(D)を15分未満の間に行っても、被検出物質の検出を十分な感度で行うことができるという特徴がある。
(その他)
本発明のイムノクロマトグラフィー用テストストリップの作製は実施例に記載の方法を適宜、修飾・改変して行うことができる。
コンジュゲートに由来するシグナルを測定する方法としては、公知の方法に従って行えばよく、例えば、吸光度あるいは反射光の強度を測定すればよい。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
〔抗インフルエンザウイルスモノクローナル抗体の調製〕
以下の試験に用いた抗インフルエンザA型ウイルスモノクローナル抗体および抗インフルエンザB型ウイルスモノクローナル抗体は、抗原としてリコンビナントインフルエンザ核タンパクを用い、マウスに免疫し、当業者がモノクローナル抗体を製造するために通常行う方法を用いて得られた。
〔テストストリップ作製例1〕本発明のイムノクロマトグラフィー用テストストリップの作製
1)金コロイド粒子標識抗インフルエンザウイルスモノクローナル抗体(コンジュゲート)の作製
抗インフルエンザA型ウイルスモノクローナル抗体および抗インフルエンザB型ウイルスモノクローナル抗体を以下に示す抗体濃度と緩衝液条件に調製した。1 OD/mLの金コロイド粒子溶液20mLに対し各抗体溶液を1mL添加し、室温で10分間撹拌した。該金コロイド粒子−抗インフルエンザA型ウイルスモノクローナル抗体混合液および該金コロイド−抗インフルエンザB型ウイルスモノクローナル抗体混合液に対し、10%ウシ血清アルブミン(BSA)水溶液を2mL添加し、さらに5分間撹拌後、10℃にて、10,000rpmで45分間遠心し、沈渣(コンジュゲート)を得た。得られたコンジュゲートに対し、Conjugate Dilution Buffer(Scripps社製)を添加しコンジュゲートを懸濁させた。
2)サンプルパッドの作製
上記1)で調製したコンジュゲートを、8〜20OD/mLとなるように、1.33%カゼイン、4%スクロース溶液(pH7.5)と混合してコンジュゲート液を作製し、全長28mmのグラスファイバー製パッドに、パッドの上流端より13mm、15mm、17mm、又は19mmの位置にライン幅4mmのラインを形成するように滲みこませた。70℃、30分間加温することにより乾燥させ、コンジュゲート部を含むサンプルパッドとした。
3)抗インフルエンザウイルスモノクローナル抗体が固定化された不溶性メンブレン担体(抗体固定化メンブレン)の作製
ニトロセルロースメンブレン(孔径8μm)の短辺の一端に、リン酸緩衝液で0.75mg/mLに調整した抗インフルエンザA型ウイルスモノクローナル抗体、1.0mg/mLに調整した下記抗インフルエンザB型ウイルスモノクローナル抗体及び0.75mg/mLに調整した抗マウスIgG 抗体を、不溶性メンブレン担体の長手方向に対して垂直の方向にライン状に塗布した。その後、70℃、45分乾燥し、抗体固定化メンブレンとした。ラインは、テストストリップを組み立てた際に上流側から、インフルエンザA型ウイルスモノクローナル抗体(g)、抗インフルエンザB型ウイルスモノクローナル抗体(h)、コントロール抗体(i)の順になるように塗布した。インフルエンザA型ウイルスモノクローナル抗体ラインの中心線とコントロール抗体ラインの中心線は6mmとした。
4)イムノクロマトグラフィー用テストストリップの作製
2)で作製したサンプルパッドの各々を、コンジュゲート部のラインの中心線とインフルエンザA型ウイルスモノクローナル抗体ラインの中心線との距離をそれぞれ、15.5mm、13.5mm、11.5mm、又は9.5mmとなるように調整し、イムノクロマトグラフィー用テストストリップ1を作製した。
〔テストストリップ作製例2〕本発明のイムノクロマトグラフィー用テストストリップの作製
全長28mmのグラスファイバー製パッド8枚を用いたこと、グラスファイバー製パッドの上流端より11mm、13mm、15mm、17mm、19mm、21mm、23mm又は25mmの位置にライン幅4mmのラインを形成するようにコンジュゲート液を滲みこませたこと、並びにコンジュゲート部のラインの中心線とインフルエンザB型ウイルスモノクローナル抗体ラインの中心線との距離がそれぞれ、20.5mm、18.5mm、16.5mm、14.5mm、12.5mm、10.5mm、8.5mm、又は6.5mmとなるように調整したこと以外は、テストストリップ作製例1と同様の作製方法により、イムノクロマトグラフィー用テストストリップ2を作製した。
〔実施例1〕
上記テストストリップ作製例1及び2で作製したイムノクロマトグラフィー用テストストリップを用いて、インフルエンザウイルスの検出試験を行った。
1.試験方法
(1)試料
インフルエンザウイルスA型抗原およびインフルエンザウイルスB型抗原を2%BSAを含むPBS(pH7.4)でそれぞれ1/160〜1/2560に希釈したものを模擬試料とした。(2)手順
上記(1)で調製した模擬試料135μLをテストチューブに分注し、イムノクロマトグラフィー用ストリップを挿入し、2(又は2.5)、5、7(又は7.5)、10、及び15分後に、検出部分の抗体固定化メンブレン上のテストラインA又はB、及びコントロールラインの発色強度をイムノクロマトリーダー(浜松ホトニクス社製)を用いて測定した。
2.試験結果
イムノクロマトグラフィー用デバイス1の各測定時点におけるテストラインA発色強度、コントロールライン発色強度、およびコントロールラインの対15分発色強度比(%)の結果を表1〜3に示す。数値は全てN=2の平均値である。
Figure 2020063911
Figure 2020063911
Figure 2020063911
イムノクロマトグラフィー用ストリップ2の各測定時点におけるテストラインB発色強度、コントロールライン発色強度、およびコントロールラインの対15分発色強度比(%)の結果を表4〜6に示す。数値は全てN=2の平均値である。
Figure 2020063911
Figure 2020063911
Figure 2020063911
(1)テストラインの検出感度
イムノクロマトグラフィー用テストストリップ1では、テストラインAの中心線とコンジュゲート部のラインとの距離がそれぞれ15.5mm、13.5mm、11.5mm、又は9.5mmのいずれの場合においても、サンプル供給部にサンプルを供給してから5分後に測定した場合に、十分な測定強度を確認することができた(表1参照)。
イムノクロマトグラフィー用テストストリップ2では、テストラインBの中心線とコンジュゲート部のラインとの距離がそれぞれ20.5mm、18.5mm、16.5mm、14.5mm、12.5mm、又は10.5mmのいずれの場合においても、サンプル供給部にサンプルを供給してから5分後に測定した場合に、十分な測定強度を確認することができた。一方で、テストラインBの中心線とコンジュゲート部のラインとの距離がそれぞれ8.5mm又は6.5mmである場合は、サンプル供給部にサンプルを供給してから5分後に測定した場合に、発色強度が40を下回り、十分な測定強度を確認することができず、検出感度が低下する結果となった(表4参照)。
(2)コントロールラインの検出感度
イムノクロマトグラフィー用デバイス1では、テストラインAの中心線とコンジュゲート部のラインとの距離がそれぞれ15.5mm、13.5mm、11.5mm、又は9.5mmのいずれの場合においても、サンプル供給部にサンプルを供給してから5分後に測定した場合に、80%以上の対15分発色強度比を確認することができた(表3参照)。
イムノクロマトグラフィー用デバイス2では、テストラインBの中心線とコンジュゲート部のラインとの距離がそれぞれ20.5mm、18.5mm、16.5mm、14.5mm、12.5mm、10.5mm、 8.5mm、又は6.5mmのいずれの場合においても、サンプル供給部にサンプルを供給してから5分後に測定した場合に、80%以上の対15分発色強度比を確認することができた(表6参照)。
本発明のイムノクロマトグラフィー用テストストリップによれば反応完了時間が短く、感度にも優れたイムノクロマトグラフィー用テストストリップを提供することができる。
(a)プラスチック製粘着シート
(b)フィルム
(c)吸収パッド
(d)抗体固定化メンブレン
(e)サンプルパッド
(f)コンジュゲート部
(g)テストラインA
(h)テストラインB
(i)コントロールライン
(D)コンジュゲート部のラインの中心線と検出部の中心線との距離
(W)コンジュゲート部のライン幅

Claims (8)

  1. 被検出物質を含有する可能性のあるサンプルを展開させることにより被検出物質を検出するイムノクロマトグラフィー用テストストリップであって、以下の(1)および(2)を含み、(1)または(2)において、サンプル供給部と検出部の間に、被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原が標識体に固定化されたコンジュゲートを含有するライン状のコンジュゲート部が設けられ、そして、コンジュゲート部のラインの中心線とライン状の検出部の中心線との距離が9〜21mmであることを特徴とするイムノクロマトグラフィー用テストストリップ。
    (1)被検出物質を含有する可能性のあるサンプルを供給するサンプル供給部を有する、サンプルパッド
    (2)被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原が固定化されたライン状の検出部を少なくとも1つ有する、不溶性メンブレン担体
  2. 標識体に固定化された、被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原と、検出部に固定化された、被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原とは、別のものである、請求項1に記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップ。
  3. ラテラルフロー式である、請求項1又は2に記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップ。
  4. 被検出物質がインフルエンザウイルスであり、標識体に固定化された被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原および検出部に固定化された被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原が抗インフルエンザウイルスモノクローナル抗体である、請求項1〜3のいずれかに記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップ。
  5. コンジュゲート部が、サンプルパッドに設けられている、請求項1〜4のいずれかに記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップ。
  6. ライン状のコンジュゲート部のライン幅が、2〜8mmである、請求項1〜5のいずれかに記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップ。
  7. サンプル供給部に生体試料を供給してから5分後におけるコントロール捕捉試薬固定化部のシグナル強度が、サンプル供給部に生体試料を供給してから15分後におけるコントロール捕捉試薬固定化部のシグナル強度の80%以上である、請求項1〜6のいずれかに記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップ。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップを使用する、被検出物質の検出方法であって、(A)〜(D)の工程を含み、前記工程(A)〜(D)の全てが、15分未満の間に行われることを特徴とする、前記検出方法。
    (A)サンプル供給部と被検出物質とを接触させること、
    (B)サンプル中の被検出物質とコンジュゲートとを接触させ、第一複合体を形成させること、
    (C)前記第一複合体と、検出部に固定化された、被検出物質に対して免疫学的に反応する抗体または抗原とを接触させ、第二複合体を形成させること、並びに
    (D)コンジュゲートに由来するシグナルを測定することにより、前記第二複合体の形成を確認すること
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