JP2003344408A - フロースルーアッセイ方法、キット及び装置 - Google Patents
フロースルーアッセイ方法、キット及び装置Info
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Abstract
行えるフロースルーアッセイ方法及びフロースルーアッ
セイ装置を提供すること。 【解決手段】 分析対象物に対する第一のレセプ
ターが結合した着色粒子及び分析対象物に対する第二の
レセプターが結合したシート状担体を用いて、前記シー
ト状担体表面に、着色粒子/第一レセプター/分析対象
物/第二レセプター複合体を形成し、これを検出するこ
とを特徴とするフロースルーアッセイ方法。
Description
あるフロースルーアッセイ方法及びフロースルーアッセ
イ装置に関する。
を用いたフロースルーアッセイ方法において、検体を滴
下後、酵素で標識したレセプターを滴下し、リガンド
(分析対象物)を検出又は測定する方法が知られている
(特公平7−34016号公報)。しかしながらこの方
法は、酵素で標識したレセプターを滴下する工程、未反
応の酵素を除去する工程、更にその酵素に対応する基質
を反応させる工程など、多くの工程が必要であり、時間
もかかるものであった。このような酵素基質反応を行わ
ないフロースルーアッセイ方法としては、Alice R. Arr
edondoらにより、IgG抗体が結合したブルーラテック
スルビーズ、IgM抗体及び検体を混合後、フィルター
濾過する方法が報告されている(Biotechnology Letter
s, 22: 547-550, 2000)。しかしこの方法は、3種類の
物質を混合して、その後フィルター濾過する操作が必要
であるため依然として操作が煩雑であり、臨床診断の場
で用いるには不便であった。
めの操作が極めて容易であり、より迅速に行えるフロー
スルーアッセイ方法、キット及び装置を提供することを
目的とする。
を含む検体液を、前記分析対象物に対する第一のレセプ
ターが結合した着色粒子と接触させ、次いで前記分析対
象物に対する第二のレセプターが結合したシート状担体
を通過させることにより、前記シート状担体表面に、着
色粒子/第一レセプター/分析対象物/第二レセプター
複合体を形成し、これを検出することを特徴とするフロ
ースルーアッセイ方法により解決される。上記課題はま
た、上記シート状担体表面より上部に多孔質性パッドが
配置されており、その多孔質性パッドの表面または中に
上記着色粒子が含有されていることを特徴とする上記フ
ロースルーアッセイ方法により解決される。
る第一のレセプターが結合した着色粒子及び前記分析対
象物に対する第二のレセプターが結合したシート状担体
を含む、フロースルーアッセイ用キット、及び多孔質性
パッドをさらに含み、該多孔質性パッドの表面または中
に該着色粒子が含有されている前記キット、並びに分析
対象物に対する第一のレセプターが結合した着色粒子を
表面または中に含有する多孔質性パッド、及び前記分析
対象物に対する第二のレセプターが結合したシート状担
体を含む、フロースルーアッセイ装置により解決され
る。
たはラテックスである、上記方法、キット及び装置に関
する。本発明はまた、該シート状担体が膜またはフィル
ターである、上記方法、キット及び装置に関する。本発
明はまた、該第一および/または第二のレセプターが抗
体である、上記方法、キット及び装置に関する。本発明
はまた、該分析対象物がウイルスまたは細菌である、上
記方法、キット及び装置に関する。
液を、前記分析対象物に対する第一のレセプターが結合
した着色粒子と混合するなどにより接触させ、次いでこ
の混合液を、前記分析対象物に対する第二のレセプター
が結合したシート状担体に滴下することにより、着色粒
子/第一レセプター/分析対象物/第二レセプター複合
体がシート状担体表面に形成される。一方、複合体とな
らなかった検体中の他の成分や第一レセプターが結合し
た着色粒子などの成分は、担体に捕捉されず通過する。
従って、上記複合体のみがシート状担体表面に残存し、
着色粒子によりこの複合体を視覚により検出することが
できる。以上のように、本発明の方法により検体中の分
析対象物のみを非常に簡便な操作で確実に検出すること
ができる。
がシート状担体上部に配置されている多孔質性パッド表
面または中に配置した場合には、分析対象物を含む検体
液をこの多孔質性パッド上から滴下するのみで同様に着
色粒子/第一レセプター/分析対象物/第二レセプター
複合体がシート状担体表面に形成されて分析対象物を検
出することができ、非常に簡便である。
下に説明する。 (フロースルーアッセイ方法)フロースルーアッセイ方
法の原理は、“Guide to Diagnostic Rapid Test Devic
e Components", 2nd edition, published by Schleiche
r & Schuell company,January 2000, Edited by Lisa V
ickers, p6-8、にフロースルーフォーマット(Flow Thro
ugh Formats)として記載されるとおりである。すなわ
ち、メンブラン等のシート状担体を使用する免疫アッセ
イ法において、分析対象物を含む検体液がシート状担体
を通過し、その際に担体に固定されたレセプターに分析
対象物が捕捉されることを特徴とする方法である。シー
ト状担体の下には検体液を下方に吸引する役割を果た
す、液体を吸収する部材が存在することが好ましく、こ
の部材により、より迅速な検出が可能となる。また、特
公平7−34016号(ハイブリテック)公報もフロー
スルーアッセイ方法の一形態が記載される文献として挙
げられる。
アッセイ方法において、分析対象物に対する第一のレセ
プターが結合した着色粒子を用い、これと分析対象物を
含む検体液とを接触させ、さらにこの検体液を、分析対
象物に対する第二のレセプターが結合したシート状担体
を通過させる方法である。着色粒子/第一レセプター/
分析対象物/第二レセプター複合体がシート状担体表面
に形成され、この複合体を前記マーカーにより検出する
ことができる。また、本発明の第二の方法は、上記フロ
ースルーアッセイ方法において、該シート状担体表面よ
り上部に配置されている、表面または中に着色粒子を含
有する多孔質性パッドの表面上に、分析対象物を含む検
体液を滴下する方法である。着色粒子/第一レセプター
/分析対象物/第二レセプター複合体がシート状担体表
面に形成され、この複合体を前記マーカーにより検出す
ることができる。
いて、水、緩衝液等の検体浮遊液に不溶性である粒子状
物質であって、色素等による着色標識化物等、視覚によ
り検出可能な標識化物を意味する。着色粒子は第一のレ
セプターに結合して使用するので、吸着などの手段によ
りレセプターと結合できることが必要である。また、レ
セプターが結合した着色粒子はシート状担体中を通過し
て担体表面には残存しないことが必要であるので、担体
のポアサイズより小さいサイズの粒子であることが必要
である。担体の種類にもよるが、通常、直径が0.01
〜1μm程度の大きさの粒子であることが好ましい。こ
のような着色粒子としては、例えば金コロイド、着色ラ
テックス等が挙げられる。
した着色粒子は、分析対象物を含む検体液に固体のまま
添加して混合した後にシート状担体を通過させてもよ
く、または着色粒子を緩衝液等に希釈し、この希釈液と
分析対象物を含む検体液とを混合した後に担体を通過さ
せてもよい。着色粒子を希釈する液は、後述する検体浮
遊液について記載されるものを使用することができる。
着色粒子を希釈する場合の希釈倍率は、着色粒子の種
類、抗体の性能により変動するので当業者が適切な濃度
となるように適宜決定することができる。例えば抗体を
結合した金コロイドの場合、530nmでの吸光度が
1.0〜10の金コロイド溶液を使用した場合には、例
えば金コロイド溶液1(容量)に対して、試料溶液(検
体液)を0.1〜20(容量)の割合で、すなわち約1
〜20倍希釈程度で使用できる。また、着色ラテックス
を使用する場合には、0.0001w/v%〜0.01
w/v%程度の範囲で使用できる。
子を、予め第二のレセプターが結合したシート状担体表
面より上部に配置された多孔質性パッド表面または中に
含有させておいてもよい。この方法では、検体液を多孔
質性パッド上から滴下するのみでアッセイが行えるた
め、非常に簡便であり好ましい。着色粒子を多孔質性パ
ッドの表面または中に含有させる方法としては、着色粒
子を溶液または懸濁液にして多孔質性パッド中に含浸さ
せた後乾燥させてもよく、またはパッド表面に噴霧した
後乾燥させる方法でもよい。または着色粒子を多孔質性
パッド表面または中に乾燥状態で包埋してもよい。着色
粒子を溶液または懸濁液として使用する場合、または多
孔質性パッドに吸着させる際に希釈するための溶媒とし
ては、燐酸塩緩衝生理食塩水、またはGoodの緩衝液
等の緩衝液が挙げられ、さらにタンパク質(カゼイン、
ウシ血清アルブミン、ゼラチン、精製グロブリン画分な
ど)、さらには糖類(マンニトール、トレハロース、ソ
ルビトール、シュークロース、グルコースなど)等を含
むことが好ましい。
色粒子へ結合させるには、物理的吸着法、化学的結合法
等を利用することができる。物理的吸着法としては、例
えば適当な溶媒中に浮遊した着色粒子を分析対象物に対
するレセプターに接触させる方法が挙げられる。レセプ
ター吸着後、着色粒子表面の吸着に関与しなかった部分
を被覆するため、ウシ血清アルブミン等のタンパク性ブ
ロッキング剤で処理し、その後遠心分離、あるいは限外
濾過法などによりレセプターが結合(吸着)した着色粒
子と吸着しなかった過剰のレセプターとを分離する。ま
た、化学的結合法としては、カルボキシル基、アミノ基
等の官能基を介して共有結合を形成させる方法が挙げら
れる。各着色粒子に結合可能なレセプター濃度は、着色
粒子の材質、大きさ(粒径、表面積)等により異なるた
め、当業者が適宜決定することができる。
ては、ポアの直径が10〜200μm、厚さ300〜3
000μmのガラス繊維濾紙、ポリプロピレン不織布、
その他のポリマー系不織布が好適に用いられる。上述し
たように着色粒子を表面または中に含有させた多孔質性
パッドを使用する場合には、このパッドを後述するシー
ト状担体表面より上部に配置することが好ましい。多孔
質性パッドがシート状担体上に直接接触するように積載
されていてもよく、または多孔質性パッドがシート状担
体に接触せずに、一定の間隔でシート状担体表面より上
部に配置されていてもよい。
溶性の支持体であり、レセプターを固定化し、着色粒子
/第一レセプター/分析対象物/第二レセプター複合体
を捕捉して他の成分から分離するために用いる。例とし
ては膜またはフィルターが挙げられる。このような膜ま
たはフィルターは、検体液中に含まれる分析対象物以外
の物質及び第一レセプターが結合する着色粒子を通過さ
せることができるような一定のポアサイズを有するもの
であれば特に制限はない。一般に市販されているもので
あればいずれでもよいが、好適にはニトロセルロース、
アセテート混ニトロセルロース、ナイロン、ポリエーテ
ルスルホン、ポリビニリデンジフルオライド等が用いら
れる。
ように、分析対象物及び第一レセプターが結合する着色
粒子の大きさ等に依るため、特に規定されないが、0.
22μm〜12μmが最もよく用いられる。シート状担
体へのレセプターの固定化(結合)方法は、物理的吸着
であってもよく、または化学的な結合によるものであっ
てもよい。レセプターが結合したシート状担体の調製
は、例えば、レセプターを緩衝液等に希釈した溶液をシ
ート状担体に吸着してその後乾燥することにより行われ
る。
一のフロースルーアッセイ方法に使用される装置は、少
なくとも分析対象物に対するレセプターが結合したシー
ト状担体を含むものである。この装置を用いる方法は以
下のとおりである。分析対象物を含む検体液を、前記分
析対象物に対する第一のレセプターが結合した着色粒子
と接触させ、次いで前記装置中のシート状担体を通過さ
せることにより、前記シート状担体表面に、着色粒子/
第一レセプター/分析対象物/第二レセプター複合体を
形成し、これを検出する。この装置の模式図を図1及び
図2に示す。図1は装置の平面図であり、図2は、図1
のI−I’切断端面図である。図1及び2において、a
は、調製した試料(検体液)を滴下する開口部を有し、
底面部に試料が通過するための穴(Aホール及びBホー
ル)を備えたアダプターである。bは分析対象物に対す
るレセプターが結合したシート状担体であり、cは液体
を吸収する部材である。
イ方法に使用される装置は、分析対象物に対する第一の
レセプターが結合した着色粒子を表面または中に含む多
孔質性パッド、及び前記分析対象物に対する第二のレセ
プターが結合したシート状担体を含む、フロースルーア
ッセイ装置である。この装置を用いる方法は以下のとお
りである。分析対象物を含む検体液を、前記多孔質性パ
ッド表面に滴下して、次いで前記シート状担体を通過さ
せることにより、前記シート状担体表面に、着色粒子/
第一レセプター/分析対象物/第二レセプター複合体を
形成され、これを検出する。図3は、レセプターが結合
した着色粒子が多孔質性パッド表面または中に含有され
ており、前記多孔質性パッドがシート状担体表面より上
部に配置されている本発明のフロースルーアッセイ装置
の切断端面図を表す。図3において、dは分析対象物に
対するレセプターが結合した着色粒子を表面または中に
含む多孔質性パッドである。
状担体へ滴下した検体液等の液体を吸収する液体吸収部
材を、シート状担体の下部に有することが好ましい。こ
のような液体吸収部材としては、ガラス繊維、セルロー
ス、あるいはこれらの混合物等の材料が挙げられる。ま
た、液体の吸収が迅速に進行するように、液体吸収部材
はレセプターが結合したシート状担体と接触または密着
していることが好ましい。このようなシート状担体と接
触または密着した液体吸収部材が存在することにより、
検体液の液体等のシート状担体通過が促進され、迅速な
検出を可能とする。
び第二のレセプターとは、分析対象物と特異的に反応
し、複合体を形成する受容体である。従って、分析対象
物により使用するレセプターが異なることは当然である
が、一般には分析対象物が細菌、ウイルス、ホルモン、
その他臨床マーカー等の場合には、これらに対し特異的
に反応して結合するポリクローナル抗体、モノクローナ
ル抗体等が挙げられる。そのほか、ウイルス抗原、ウイ
ルス中空粒子、遺伝子組換え大腸菌発現タンパク質、遺
伝子組換え酵母発現タンパク質等が挙げられる。使用す
る第一及び第二のレセプターは同じでも異なっていても
よい。
セイ方法により、細菌、ウイルス、ホルモン、その他臨
床マーカー等の様々な抗原、抗体等を分析することがで
きる。特に、インフルエンザウイルス、小型小球ウイル
ス等の分析には有効である。
・鼻腔等から綿棒等を使用して採取するか、または鼻腔
吸引液等を用いることができるが、このようにして得ら
れた検体は、通常検体浮遊液に浮遊させてアッセイを行
う。検体浮遊液としては、免疫拡散法、酵素免疫測定
法、凝集法等の免疫学的手法による試料検出または定量
法において通常使用されるバッファー類等を使用するこ
とができる。より具体的には、生理食塩水、リン酸緩衝
性生理食塩水(PBS)、ゼラチン添加PBS、ウシ血
清アルブミン(BSA)添加PBS、グッドの緩衝液、
子牛インフュージョンブロス(VIB)、ハートインフ
ュージョンブロス、イーグルの最小必須培地(EME
M)、BSA添加EMEMなどが挙げられるがこの限り
ではない。また、上記バッファー類は2種類以上を組み
合わせて用いてもよい。また、さらに上記組成に加え
て、塩基性アミノ酸、無機塩類および/または界面活性
剤を添加することもできる。塩基性アミノ酸、無機塩類
および界面活性剤の少なくとも二種類を含む検体浮遊液
を使用することにより、検体中に含まれる分析対象物以
外の成分の担体や担体に結合したレセプターへの非特異
的な結合を軽減させることができ好ましい。また、本発
明の方法において、検体を検体浮遊液に浮遊した後、着
色粒子と混合する前に濾過を行ってもよい。
のフロースルーアッセイ用キットは、上述したフロース
ルーアッセイ方法に用いるキットである。本発明のフロ
ースルーアッセイ用キットは少なくとも以下の及び
を含む。 分析対象物に対する第一のレセプターが結合した着
色粒子又は分析対象物に対する第一のレセプターが結合
した着色粒子を含むパッド 分析対象物に対する第二のレセプターが結合したシ
ート状担体 さらに必要により、検体浮遊液、着色粒子希釈液を含ん
でいてもよい。および/またはは、上述したフロー
スルーアッセイ装置の形態で、キットに含まれていても
よい。
するためのバッファーのみからなる陰性コントロール
液、抗原性物質などの分析対象物を含むバッファーから
なる陽性コントロールを含んでいてもよい。さらに、試
料を濾過するためのフィルターや滅菌綿棒を含んでいて
もよい。
体(マウス)の作製)精製A型インフルエンザウイルス
抗原を免疫し、一定期間維持したBALB/cマウスか
ら脾臓を摘出し、ケラーらの方法(Kohler et
al.,Nature,vol,256,p495−
497(1975))によりマウスミエローマ細胞(P
3×63)と融合した。得られた融合細胞(ハイブリド
ーマ)は、37℃インキュベーター中で維持し、A型イ
ンフルエンザウイルスNP抗原固相プレートを用いたE
LISAにより上清の抗体活性を確認しながら細胞の純
化(単クローン化)を行った。取得した該細胞株をプリ
スタン処理したBALB/cマウスに腹腔投与し、約2
週間後、抗体含有腹水を採取した。得られた腹水から硫
安分画法によってIgGを精製した。 (抗B型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗
体(マウス)の作製)精製B型インフルエンザウイルス
抗原を免疫し、一定期間維持したBALB/cマウスか
ら脾臓を摘出し、ケラーらの方法(Kohler et
al.,Nature, vol.256, p49
5−4397(1975))によりマウスミエローマ細
胞(P3×63)と融合した。得られた融合細胞(ハイ
ブリドーマ)は、37℃でインキュベーター中で維持
し、B型インフルエンザウイルスNP抗原固相プレート
を用いた。ELISAにより上清の抗体活性を確認しな
がら細胞の純化(単クローン化)を行った。取得した該
細胞株をプリスタン処理したBALB/cマウスに腹腔
投与し、約2週間後、抗体含有腹水を採取した。得られ
た腹水から硫安分画法によってIgGを精製した。
合 10mLの金コロイド溶液(BBI社、粒径40nm、
塩化金酸濃度として0.01%)を取り、100mM炭
酸カリウムでpHを5.5に調整する。精製した抗A型
又はB型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗
体を2mMホウ酸ナトリウム溶液(pH9.2)で透析
し、100μg/mLの濃度になるように調製した。p
Hを5.5に調整した金コロイド溶液に、抗体の最終濃
度が10μg/mLとなる量を加え、金コロイドと抗体
が十分結合されるように、手でゆっくりと撹拌した。5
分後、10%BSAを1mL加え、穏やかに10分間手
で撹拌した。全量を遠心管に移し、14000rpm、
30分、4℃で遠心した。遠心後、上清を吸引廃棄し、
沈殿している抗体結合金コロイドに、1%BSA、15
0mM塩化ナトリウムを含む10mMトリス塩酸緩衝液
pH8.5、1mLを加えて浮遊した。 3.アッセイ装置 アッセイ装置は図1および図2に示すものと同じ構成を
有するものを用いた。
2種の抗体溶液をニトロセルロースメンブランヘスポッ
トして行った。装置のAホールには抗A型インフルエン
ザウイルスNPモノクローナル抗体1mgが含まれる溶
液を1μL、Bホールには抗B型インフルエンザウイル
スNPモノクローナル抗体1mgが含まれる溶液を12
μLそれぞれスポットした。抗体を希釈する緩衝液は1
0mMリン酸緩衝液(pH7.0)を用いた。スポット
後、45℃の乾燥室で40分間乾燥を行った。
吸光度が1.0となるように5mMリン酸緩衝液(pH
7.4)で希釈したものと、5%BSA、4.5%Trit
onX−100、2%魚ゼラチンを含む5mM燐酸緩衝液
(pH7.4)で希釈した検体を1:4に希釈混合し、
アッセイ装置に500μL滴下した。検出は、陽性検体
として希釈したA型インフルエンザウイルス及びB型イ
ンフルエンザウイルス、陰性検体として上記緩衝液を使
用して行った。検体をAホール、Bホールに500μL
ずつ気泡を入れないように滴下し、メンブラン上に液が
なくなるまで常温に静置した。その後アダプターを取り
外し、目視で判定した。判定の結果、Aホールに関して
は、A型インフルエンザウイルスが10の4乗pfu/
mLまで検出でき、B型インフルエンザウイルスに対し
ては陰性と判定された。一方Bホールに関しては、B型
インフルエンザウイルスが10の4乗pfu/mLまで
検出でき、A型インフルエンザウイルスに対しては陰性
と判定された。
クローナル抗体の作製、2.金コロイドとモノクローナ
ル抗体の結合、4.抗体の担体への固定化を行った。
3.アッセイ装置は、図3に示されるようなシート状担
体表面に着色粒子を含む多孔質性パッドが積載された構
成の装置を用いた。すなわち、以下のようにしてモノク
ローナル抗体を結合した金コロイドを乾燥して製造した
アッセイ装置を使用し、以下に記載するように抗体の検
出を行った。
吸光度が1.0となるように10%ショ糖添加10mM
トリス塩酸緩衝液(pH8.0)で希釈し、パッド(W
hatman製:Conjugate Release
Pad F075−14(ポアサイズ:直径23μ
m、厚さ355μm)に載せ温風送風乾燥した。温風送
風乾燥後の抗A型インフルエンザウイルスNP抗体吸着
パッドはアッセイ装置のAホールヘ載せ、一方温風送風
乾燥後の抗B型インフルエンザウイルスNP抗体吸着パ
ッドはアッセイ装置のBホールヘ載せた。
BSA、4.5%TritonX−100、2%魚ゼラ
チンとなるように調製したものを用いた。検出は、陽性
検体として希釈したA型インフルエンザウイルス及びB
型インフルエンザウイルス、陰性検体として上記緩衝液
を使用して行った。検体をAホール、Bホールに500
μLずつ気泡を入れないように滴下し、メンブレン上に
液がなくなるまで常温に静置した。その後アダプターを
取り外し、目視で判定した。判定の結果、Aホールに関
しては、A型インフルエンザウイルスが10の4乗pf
u/mLまで検出でき、B型インフルエンザウイルスに
対しては陰性と判定された。一方Bホールに関しては、
B型インフルエンザウイルスが10の4乗pfu/mL
まで検出でき、A型インフルエンザウイルスに対しては
陰性と判定された。
装置を使用することにより、従来より簡便で、かつ迅速
にウイルス等の検出を行うことができる。
る。
Claims (18)
- 【請求項1】 分析対象物を含む検体液を、前記分析
対象物に対する第一のレセプターが結合した着色粒子と
接触させ、次いで前記分析対象物に対する第二のレセプ
ターが結合したシート状担体を通過させることにより、
前記シート状担体表面に、着色粒子/第一レセプター/
分析対象物/第二レセプター複合体を形成し、これを検
出することを特徴とするフロースルーアッセイ方法。 - 【請求項2】 該シート状担体表面より上部に多孔質
性パッドが配置されており、該多孔質性パッドの表面ま
たは中に該着色粒子が含有されている、請求項1に記載
の方法。 - 【請求項3】 該着色粒子が金コロイドまたは着色ラ
テックスである、請求項1または2に記載の方法。 - 【請求項4】 該シート状担体が膜またはフィルター
である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項5】 該第一および/または第二のレセプタ
ーが抗体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の
方法。 - 【請求項6】 該分析対象物がウイルスまたは細菌で
ある、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項7】 分析対象物に対する第一のレセプター
が結合した着色粒子及び前記分析対象物に対する第二の
レセプターが結合したシート状担体を含む、フロースル
ーアッセイ用キット。 - 【請求項8】 多孔質性パッドをさらに含み、該多孔
質性パッドの表面または中に該着色粒子が含有されてい
る、請求項7に記載のキット。 - 【請求項9】 該着色粒子が金コロイドまたは着色ラ
テックスである、請求項7または8に記載のキット。 - 【請求項10】 該シート状担体が膜またはフィルタ
ーである、請求項7〜9のいずれか一項に記載のキッ
ト。 - 【請求項11】 該第一および/または第二のレセプ
ターが抗体である、請求項7〜10のいずれか一項に記
載のキット。 - 【請求項12】 該分析対象物がウイルスまたは細菌
である、請求項7〜11のいずれか一項に記載のキッ
ト。 - 【請求項13】 分析対象物に対する第一のレセプタ
ーが結合した着色粒子を表面または中に含有する多孔質
性パッド、及び前記分析対象物に対する第二のレセプタ
ーが結合したシート状担体を含む、フロースルーアッセ
イ装置。 - 【請求項14】 該多孔質性パッドが該シート状担体
表面より上部に配置されている、請求項13に記載の装
置。 - 【請求項15】 該着色粒子が金コロイドまたは着色
ラテックスである、請求項13または14に記載の装
置。 - 【請求項16】 該シート状担体が膜またはフィルタ
ーである、請求項13〜15のいずれか一項に記載の装
置。 - 【請求項17】 該第一および/または第二のレセプ
ターが抗体である、請求項13〜16のいずれか一項に
記載の装置。 - 【請求項18】 該分析対象物がウイルスまたは細菌
である、請求項13〜17のいずれか一項に記載の装
置。
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---|---|---|---|
JP2002152111A JP2003344408A (ja) | 2002-05-27 | 2002-05-27 | フロースルーアッセイ方法、キット及び装置 |
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JP2006084351A (ja) * | 2004-09-16 | 2006-03-30 | Denka Seiken Co Ltd | 検体浮遊液組成物、キット及び検査方法 |
WO2011125606A1 (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-13 | 積水メディカル株式会社 | 多価抗原測定用コンジュゲート、これを用いた多価抗原測定用イムノクロマトテストストリップおよびイムノクロマト測定方法 |
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2002
- 2002-05-27 JP JP2002152111A patent/JP2003344408A/ja active Pending
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JP2006084351A (ja) * | 2004-09-16 | 2006-03-30 | Denka Seiken Co Ltd | 検体浮遊液組成物、キット及び検査方法 |
WO2011125606A1 (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-13 | 積水メディカル株式会社 | 多価抗原測定用コンジュゲート、これを用いた多価抗原測定用イムノクロマトテストストリップおよびイムノクロマト測定方法 |
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