JP2020062665A - 極低炭鋼の連続鋳造用モールドパウダーおよび連続鋳造方法 - Google Patents
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本発明の極低炭鋼の連続鋳造用モールドパウダーは、Al2O3に対するSiO2の質量濃度比SiO2/Al2O3が1.0未満であり、SiO2に対するCaOの質量濃度比CaO/SiO2が0.9〜1.5であり、CaOを30質量%以上含み、凝固温度が1000〜1200℃であり、1300℃における粘度が1.0〜2.0Pa・sである、C含有量が0.0030質量%以下である極低炭鋼の連続鋳造に用いられるモールドパウダーである。また、本発明の極低炭鋼の連続鋳造用モールドパウダーは、さらに、MgOを0.1質量%以下、Fを4質量%以下、B2O3を6質量%以下含有することが好ましい。これらの要件を満たす本発明のパウダーによれば、溶鋼中へのパウダー巻き込みを抑制することができる。
連続鋳造時に本発明のパウダーが用いられる、極低炭鋼の炭素含有量は、0.0030質量%以下とする。これは、鋼板の加工性を確保するためである。連続鋳造時に本発明のパウダーが用いられる極低炭鋼の炭素含有量の下限値は特に限定されないが、成品製造という観点から、炭素含有量は0.0001質量%以上とすることが好ましい。
本技術分野において、モールドパウダーの化学組成を表記する場合、モールドパウダー中に種々の化合物として存在しているCaを酸化物(CaO)に換算して表記するのが技術常識である。同様に、Si、Al、Mg、Li、Na、K、Mn、Zr、Ba等のモールドパウダーが溶融した状態で陽イオンとなり得る元素はすべて酸化物として取り扱う。一方、F、Cl等の陰イオンとなる元素は単体の元素として取り扱う(「第5版 鉄鋼便覧 第1巻 製銑・製鋼(一般社団法人日本鉄鋼協会)」の第418頁左欄第20〜27行目等を参照)。本発明のパウダーについてもこの技術常識に則って化学組成が規定される。
鋳造中におけるパウダーの物性変化の抑制とパウダーの高粘度化とを両立するために、パウダーに含まれるSiO2の質量濃度/パウダーに含まれるAl2O3の質量濃度で表わされる比SiO2/Al2O3を、1.0未満にする。比SiO2/Al2O3は小さいほど好ましく、下限値は特に限定されないが、鋳造中のパウダー物性維持という観点から、比SiO2/Al2O3は0.01以上とすることが好ましい。
鋳造中に反応するSiO2を減らして鋳造中におけるパウダーの物性変化を抑制するために、パウダーに含まれるSiO2の質量濃度/パウダーに含まれるCaOの質量濃度で表わされる比CaO/SiO2を、0.9以上にする。また、初期パウダー物性の確保という観点から、比CaO/SiO2を1.5未満にする。
パウダー中のSiと鋼中のAlとの反応を抑制することによって、パウダーの物性変化を抑制しやすくするために、パウダー中のSiO2含有量を30質量%未満にすることが好ましい。一方、鋳造中のパウダー物性維持観点から、パウダー中のSiO2含有量は0.01質量%以上にすることが好ましい。
また、鋳造前のパウダーの粘度を高めやすくするために、パウダー中のAl2O3含有量を15質量%以上にすることが好ましい。一方、パウダーの初期物性安定化という観点から、パウダー中のAl2O3含有量は30質量%以下にすることが好ましい。
鋳型と凝固殻との間の潤滑剤としての機能を確保するために、パウダー中のCaO含有量は30質量%以上にする。一方、パウダーの初期物性確保という観点から、パウダー中のCaO含有量は45質量%以下にすることが好ましい。
鋳型と凝固殻との間の潤滑剤としての機能を確保するために、パウダー中のMgO含有量は0.1質量%以下にすることが好ましい。一方、鋳造中のパウダー物性維持という観点から、パウダー中のMgO含有量は0.01質量%以上にすることが好ましい。
鋳型と凝固殻との間の潤滑剤としての機能を確保するために、パウダー中のF含有量は4質量%以下にすることが好ましい。一方、鋳造中のパウダー物性維持という観点から、パウダー中のF含有量は0.01質量%以上にすることが好ましい。
鋳型と凝固殻との間の潤滑剤としての機能を確保するために、パウダー中のB2O3含有量は6質量%以下にすることが好ましい。一方、鋳造中のパウダー物性維持という観点から、パウダー中のB2O3含有量は0.01質量%以上にすることが好ましい。
鋳造後のスラブ鋳片とパウダーとの剥離性を確保するために、パウダーの凝固温度は1000℃以上にする。また、鋳型と凝固殻との間の潤滑剤としての機能を確保することにより鋳造を安定化させるために、パウダーの凝固温度は1200℃以下にする。
鋳造中における溶鋼へのパウダーの巻き込みを防止するために、1300℃における粘度を1.0Pa・s以上にする。また、鋳造中における溶鋼へのパウダーの巻き込み防止と操業性とを両立するために、1300℃における粘度を2.0Pa・s以下にする。なお、1300℃における粘度を規定するのは、鋳造中における鋳型と溶鋼との間の温度が1300℃だからである。
本発明の極低炭鋼の連続鋳造方法は、C含有量が0.0030質量%以下である極低炭鋼を対象とする。そして、モールドパウダーとして、上述の本発明のパウダーを用いる。これにより、溶鋼中へのパウダー巻き込みを抑制でき、且つ、鋳造中におけるパウダーの物性変化を抑制できるので、表面疵が抑制された極低炭鋼を製造することができる。
本試験では、溶鋼110〜660tonから、鋳型内の溶鋼上へモールドパウダーを供給しつつスラブを連続鋳造した。その際、引抜き速度は0.9m/minとし、スラブの寸法は、幅1000〜1800mm、厚み250mm、長さ5〜10mmであった。
また、パウダー組成のCaO/SiO2比が0.9〜1.5、CaOを30質量%以上含み、さらにMgOを0.1質量%以下、Fを3.0質量%以下、B2O3を5質量%以下含み、1300℃における粘度が1.0〜2.0Pa・s、凝固温度が1000〜1200℃であるベース成分に対して、SiO2/Al2O3比が0.5〜1.5となるように調整した場合の、SiO2/Al2O3比と巻き込み指数との関係を図2に示す。ここで、「巻き込み指数」とは、鋳造中のパウダー物性値から換算される指数である。巻き込み指数が10以上の場合に鋼板表面で発生するヘゲ疵の発生が顕著となる。
2…浸漬ノズル
3…鋳型
4…溶鋼
5…凝固殻
6…ロール
7…冷却水
Claims (6)
- C含有量が0.0030質量%以下である極低炭鋼の連続鋳造に用いられるモールドパウダーであって、
Al2O3に対するSiO2の質量濃度比SiO2/Al2O3が1.0未満であり、
SiO2に対するCaOの質量濃度比CaO/SiO2が0.9〜1.5であり、
CaOを30質量%以上含み、
凝固温度が1000〜1200℃であり、
1300℃における粘度が1.0〜2.0Pa・sである、
極低炭鋼の連続鋳造用モールドパウダー。 - さらに、MgOを0.1質量%以下含む、
請求項1に記載の極低炭鋼の連続鋳造用モールドパウダー。 - さらに、Fを4質量%以下含む、
請求項1または2に記載の極低炭鋼の連続鋳造用モールドパウダー。 - さらに、B2O3を6質量%以下含む、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の極低炭鋼の連続鋳造用モールドパウダー。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の極低炭鋼の連続鋳造用モールドパウダーを用いる、極低炭鋼の連続鋳造方法。
- 鋳造速度が0.5〜1.2m/minである、
請求項5に記載の極低炭鋼の連続鋳造方法。
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