JP2001347351A - モールドパウダおよび連続鋳造方法 - Google Patents

モールドパウダおよび連続鋳造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】縦割れの発生のない、鋳片表層部の清浄性も良
好な鋳片を得ることができるモールドパウダおよび連続
鋳造方法の提供。 【解決手段】CaO、SiO2 、Al23 およびフッ
素化合物を基本成分とするモールドパウダであって、C
aOのSiO2 に対する質量%の比CaO/SiO2
1.1〜1.5であり、Al23 を5〜15質量%、
アルカリ金属を酸化物換算含有率の合計で5質量%以
下、ZrO2 を1質量%以下、TiO2を0〜8質量
%、Fを4〜12質量%含有し、1300℃における粘
度が2〜6poise、凝固点が1100℃以上である
モールドパウダ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳型内の溶鋼表面
に添加されるモールドパウダに関し、さらにこのモール
ドパウダを用いる連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造では、鋳型内の溶鋼表面に
モールドパウダを添加して鋳造する。通常、モールドパ
ウダには、複数種類の酸化物、フッ素化合物、炭素など
の粉体を混合したものが用いられる。
【0003】鋳型内の溶鋼表面に添加されたモールドパ
ウダでは、溶鋼からの受熱により、溶鋼表面との接触部
において溶融層が形成される。この溶融層は、鋳型内壁
と凝固殻との間隙に流入し、フィルムを形成する。この
フィルムは、鋳型により冷却された固相部分と、液相部
分との二相からなる。
【0004】モールドパウダは、溶融層およびフィルム
となった状態において、以下に挙げる役割を担う。 溶鋼の保温および酸化防止 溶鋼中気泡または介在物の吸収 鋳型内壁と凝固殻との潤滑性の確保 凝固殻の冷却速度の調整 連続鋳造による鋳片の表面品質に及ぼすモールドパウダ
の影響は大きく、鋳片表面に発生するディプレッショ
ン、または縦割れに対しては、上記役割の中でも、の
凝固殻の冷却速度の調整が重要である。鋳型内の凝固殻
の冷却速度を均一化することにより、凝固殻の厚さは幅
方向に均一になり、凝固収縮により生じる応力が緩和さ
れ、表面に発生するディプレッションまたは縦割れの発
生を抑制できる。
【0005】モールドパウダのフィルム中に、その冷却
過程で結晶が析出すると、フィルムの伝熱抵抗が大きく
なることから、鋳片の凝固収縮が抑制され鋳型壁への密
着性が増し、鋳型内の凝固殻の不均一冷却が防止できる
ことから、従来より、フィルム中に結晶析出を促進する
方法が提案されてきた。
【0006】たとえば 特開平5−15955号公報に
は、モールドパウダ中に含有されるCaOと、CaF2
として存在すると推定されるCa分をCaOに換算した
ものとの和として、下記(C)式で定義されるT.Ca
OのSiO2 に対する質量%の比T.CaO/SiO2
を0.9〜1.3程度に大きくし、フィルム中に結晶を
析出させて、鋳型内の凝固殻の冷却速度を均一にし、か
つ緩冷却することが提案されている。
【0007】しかし、単にモールドパウダの塩基度(C
aO/SiO2 、またはT.CaO/SiO2 )を高め
て、フィルム中に結晶を多く析出させる方法では、結晶
が析出した部分のフィルムの体積が収縮し、鋳型と凝固
殻との間に空隙が生じやすくなる。鋳型と凝固殻との間
に空隙が生じると、伝熱抵抗が飛躍的に増大し、凝固殻
に局部的な凝固遅れを生じる場合がある。凝固遅れが生
じた凝固殻の部分では、縦割れなどが発生しやすい。
【0008】そこで、特開平7−214263号公報に
は、モールドパウダの塩基度を0.6〜0.9とし、結
晶析出の促進剤であるZrO2 、TiO2 、CeO2
合計の含有率を1質量%以下とし、かつ凝固点を115
0℃以上とすることにより、モールドパウダのフィルム
中の結晶析出量が過度になることなく、適正に保つ方法
が提案されている。これにより、鋳型内の凝固殻の冷却
速度の均一化が促進され、表面に発生するディプレッシ
ョンまたは縦割れの発生が抑制されるのが期待できる。
【0009】しかし、この方法では、鋳型内の溶鋼中に
Al23 、MnO等の酸化物が増加する場合があり、
これらの酸化物が鋳型内の凝固殻に捕捉され、鋳片表層
部の清浄性が悪くなりやすい。これら鋳片を素材として
熱間圧延する製品に表面疵などが発生しやすい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鋳片表面の
ディプレッションまたは縦割れの発生を防止でき、さら
に、鋳片表層部の清浄性も良好で、品質の良好な鋳片を
得ることができるモールドパウダ、およびそのモールド
パウダを用いる連続鋳造方法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
(1)および(2)に示すモールドパウダ、および下記
(3)に示す連続鋳造方法にある。 (1)CaO、SiO2 、Al23 およびフッ素化合
物を基本成分とするモールドパウダであって、CaOの
SiO2 に対する質量%の比CaO/SiO2 が1.1
〜1.5であり、Al23 を5〜15質量%、アルカ
リ金属を酸化物換算含有率の合計で5質量%以下、Zr
2 を1質量%以下、TiO2 を0〜8質量%、Fを4
〜12質量%含有し、1300℃における粘度が2〜6
poise、凝固点が1100℃以上である連続鋳造用
のモールドパウダ。 (2)Al23 、TiO2 およびFの含有率が、下記
(A)式を満足する上記(1)に記載の連続鋳造用のモ
ールドパウダ。 2≦(Al23 )×(TiO2)≦10+15×(F)・・・(A) ここで、(Al23 ):モールドパウダ中のAl2
3 含有率(質量%) (TiO2):モールドパウダ中のTiO2 含有率(質
量%) (F):モールドパウダ中のF含有率(質量%) (3)上記(1)または(2)に記載のモールドパウダ
を用いる連続鋳造方法であって、下記(B)式で定義さ
れる溶鋼の化学組成Cpとモールドパウダ中のAl2
3 含有率との間の関係が、下記(C)式または(D)式
を満足する条件で鋳造する連続鋳造方法。 Cp=C+0.02×Mn+0.04×Ni−0.01×Si +0.02×Cr+0.07×S・・・(B) ここで、C、Mn、Ni、Si、CrおよびS:溶鋼中
の含有率(質量%) |Cp−0.12|≦0.05の場合; 5+2000×|Cp−0.12|2 ≦(Al23 )≦ 10+2000×|Cp−0.12|2 ・・・(C) |Cp−0.12|>0.05の場合; 10≦(Al23 )≦15 ・・・(D) ここで、|Cp−0.12|:Cpの値から0.12を
引いた値の絶対値 (Al23 ):モールドパウダ中のAl23 含有率
(質量%) 本発明者らは、下記(a)の知見に基づいて、下記
(b)および(c)の対策を採ることにより前述の課題
を解決した。 (a)モールドパウダの塩基度が0.6〜0.9と低い
場合に、鋳型内の溶鋼中にAl23 、MnO等の酸化
物が増加するのは、溶融層中のSiO2 の活量が高くな
り、鋳型内の溶鋼とモールドパウダの溶融層との界面に
おいて、Al、Mn等の溶鋼中成分が酸化されやすくな
るからである。
【0012】そこで、鋳型内の凝固殻の冷却速度を均一
化するには、モールドパウダの塩基度を高めることが重
要である。しかし、モールドパウダの塩基度を高め、フ
ィルム中に結晶を多く析出させる方法では、鋳型と凝固
殻との間に空隙が生じ、凝固殻に局部的な凝固遅れを生
じやすいという課題がある。
【0013】本発明者らは、CaO、SiO2 およびフ
ッ素化合物を基本成分とするモールドパウダにおいて、
CaOのSiO2 に対するCaOの質量%の比CaO/
SiO2 が1.1〜1.5であっても、Al23 を5
〜15質量%配合することにより、フィルム中の結晶の
析出が過度になることなく、鋳型内の凝固殻冷却を均一
な状態に維持することが可能であることを見いだした。
両性酸化物であるAl 23 を配合すると、塩基度の高
いモールドパウダの溶融層中では、Al23が酸性的
な存在となり、フィルム中の結晶の析出が適度に抑制さ
れるのである。(b)そこで、本発明のモールドパウダ
では、上記(a)の知見に基づき、CaO、SiO2
Al23 およびフッ素化合物を基本成分とし、前述の
(1)に示す組成を有するモールドパウダとする。
【0014】これにより、塩基度が1.1〜1.5と高
くても、フィルム中の結晶の析出を適度に抑制し、鋳型
内の凝固殻冷却を均一化できる。さらに、塩基度が高い
ので、鋳型内の溶鋼中にAl23 、MnOなどの酸化
物が増加することを防止できる。 (c)本発明の方法では、前述の(B)式で定義される
溶鋼の化学組成Cpとモールドパウダ中のAl23
有率との間の関係が、前述の(C)式または(D)式を
満足する条件で鋳造する。
【0015】|Cp−0.12|は、鋼の化学組成が亜
包晶反応を起こしやすい組成かどうかを示す指標であ
る。亜包晶反応を起こす鋼の鋳片表面に縦割れが発生し
やすいことは、よく知られている。そこで、|Cp−
0.12|≦0.05の場合、すなわち、亜包晶反応を
起こしやすい鋼では、モールドパウダ中のAl23
有率を、前述の(C)式を満足するように、低い含有率
とする。
【0016】Al23 含有率を低くくして、フィルム
中の結晶の析出を適度に増加させ、亜包晶反応に伴う凝
固殻収縮を抑制し鋳型壁への密着性を高めることによ
り、鋳型内の凝固殻不均一冷却を抑制し、鋳片表面の縦
割れの発生を防止するのである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のモールドパウダおよびこ
のモールドパウダを用いた連続鋳造方法について、以下
に具体的に説明する。
【0018】本発明のパウダは、CaO、SiO2 、A
23 およびフッ素化合物を基本組成としている。そ
の含有率は、CaOが25〜50%程度、SiO2 が2
0〜40%程度、Al23 が5〜15%、Fが4〜1
2%である。さらに、アルカリ金属を酸化物換算含有率
の合計で5質量%以下、ZrO2 を1質量%以下含有
し、また、必要に応じてTiO2 を0〜8質量%の範囲
で含有することができる。
【0019】本発明のパウダを製造する際に使用する原
料は、一般的に使用されているもので構わない。CaO
原料として生石灰、石灰石、セメント、SiO2 原料と
しては珪砂、軽藻土、Al23 原料としてはアルミ
ナ、F原料としては蛍石、アルカリ金属の酸化物とし
て、たとえば、Na2 O原料としてはソーダ灰、炭酸ナ
トリウム、フッ化ナトリウム、TiO2 原料としてはル
チルサンド、ZrO2 原料としてはジルコンサンドなど
が挙げられる。また、原料の粒度は100μm以下の粉
末が望ましい。なお、これらの原料にはFe23 、F
34 等の酸化物が含有され、パウダにも不可避的に
含まれるようになるが、これらの不純物が存在しても、
とくに差し支えない。モールドパウダのCaO、SiO
2 の含有率についてはすでに述べたが、これらの含有率
は目安を示すものであり、本発明では、CaO/SiO
2 の値を1.1〜1.5とする。塩基度が1.1未満で
は、溶鋼酸化の抑制効果は小さい。また、塩基度が1.
5を超えると、フィルム中に過度に結晶が析出し、さら
に、凝固点が過剰に高くなるので、鋳型内における潤滑
性の悪化や凝固殻の冷却が不均一になりやすいという弊
害を生じる。
【0020】モールドパウダ中のAl23 含有率は5
〜15質量%とする。5質量%未満では、フィルム中に
結晶が過度に析出し、鋳型内の凝固殻の冷却が不均一に
なりやすい。また、15質量%を超えると、モールドパ
ウダの溶融層の粘度が過度に上昇したり、凝固点が高く
なり、溶融層が鋳型と凝固殻の隙間に流れ込みにくくな
る。
【0021】モールドパウダ中のアルカリ金属の酸化物
換算含有率の合計は5質量%以下とする。アルカリ金属
の酸化物は、通常の原料配合によってモールドパウダ中
に含有される。ただし、5質量%を超えて含有すると、
鋳型内において未溶融のモールドパウダが焼結しやす
く、鋳型内溶鋼保温性の悪化を来す。さらに、溶融層が
鋳型と凝固殻の隙間に均一に流れ込みにくくなる。した
がって、アルカリ金属の酸化物換算含有率の合計を5質
量%以下とする。
【0022】モールドパウダ中のZrO2 の含有率は1
質量%以下とする。ZrO2 は、TiO2 の原料を配合
する場合に、モールドパウダ中に含有される。ただし、
モールドパウダ中に数%程度の少量が存在した状態で
も、結晶の析出が促進され、また凝固点の上昇が著し
い。したがって、ZrO2 の含有率は1質量%以下とす
る。
【0023】モールドパウダ中のFの含有率は4〜12
質量%とする。Fは、凝固点の調整および適度の結晶析
出を目的として含有させる。4質量%未満では、その効
果が小さい。12質量%を超えると、溶融層の粘度が過
度に低下し、溶鋼中に巻き込まれやすいばかりか、鋳型
と凝固殻との隙間に過度に流れ込み、かえって鋳片表面
に縦割れが発生しやすい。
【0024】モールドパウダ中には、必要に応じてTi
2 を添加する。その際、TiO2の含有率は0〜8質
量%とする。TiO2 は、従来、フィルム中への結晶析
出の促進剤として用いられているが、本発明では、適度
のTiO2 添加により、凝固点の低下に著しい効果があ
り、さらに、凝固点が低下しても、粘度が低下しにくい
ことを見出した。そこで、粘度を下げずに、凝固点を低
下させる目的で、TiO2 を0〜8質量%含有させるこ
とができる。
【0025】モールドパウダの凝固点は1100℃以上
とし、1300℃における粘度は2〜6poiseとす
る。また、望ましい凝固点の上限は1300℃である。
凝固点を上記範囲とすることにより、フィルム中の結晶
析出サイトである固相部分の厚みを確保することができ
る。また、粘度を上記範囲とすることにより、溶融モー
ルドパウダが鋳型内の溶鋼中に巻き込まれたりすること
を防止できる。
【0026】モールドパウダ中のAl23 、TiO2
およびFの含有率は、前述の(A)式を満足する範囲と
するのが望ましい。本発明者らは、TiO2 の望ましい
含有率は、Al23 およびFの含有率により影響を受
けることを見出した。つまり、TiO2 およびAl2
3 の含有率の積を一定範囲内とすることにより、モール
ドパウダの凝固点、または溶融層の粘度を適正に調整す
ることが容易になるのである。さらに、TiO2 および
Al23 の含有率の積の適正な範囲が、F含有率の影
響を受けることも見出した。TiO2 およびAl23
の含有率の積が2未満では、凝固点の低下量が小さく、
前述の(A)式の右辺の値を超えると、凝固点が高くな
りやすい。
【0027】本発明の方法では、前述の(B)式で定義
される溶鋼の化学組成Cpとモールドパウダ中のAl2
3 含有率との間の関係が、前述の(C)式または
(D)式を満足する条件で鋳造する。|Cp−0.12
|≦0.05の場合、すなわち、亜包晶反応を起こしや
すい鋼では、モールドパウダ中のAl23 含有率を、
前述の(C)式を満足するように、低い含有率とする。
Al23 含有率を低くくして、フィルム中の結晶の析
出を適度に増加させ、亜包晶反応に伴う凝固殻収縮を抑
制し鋳型壁への密着性を高めることにより、鋳型内の凝
固殻不均一冷却を抑制し、鋳片表面の縦割れの発生を防
止するのである。
【0028】|Cp−0.12|>0.05の場合に
は、とくに、Al23 含有率を低くしなくても、鋳片
表面の縦割れの発生を防止できる。むしろ、Al23
含有率を10〜15質量%とやや多くすることにより、
モールドパウダの溶融層の粘度を適度に高くする、とと
もにフィルム中の過度な結晶析出を抑制し鋳型内の凝固
殻冷却を均一化するのがよい。
【0029】
【実施例】垂直曲げ型連続鋳造機を用いて、厚さ230
mm、幅1220mmの鋳片に、速度1.1m/分また
は1.4m/分で鋳造した。用いた鋼の化学組成を表1
に示す。鋼は低炭素鋼および亜包晶系の中炭素鋼であ
り、表1には、本発明の方法で定義する化学組成Cpを
示す。低炭素鋼のCpは0.043質量%で、中炭素鋼
のCpは0.117質量%であり、それぞれ|Cp−
0.12|は、低炭素鋼が0.077、中炭素鋼が0.
003であり、また、中炭素鋼の|Cp−0.12|2
は、0.000009となる。したがって、低炭素鋼を
鋳造する場合の望ましいモールドパウダ中のAl23
含有率は、前述の(D)式より10〜15質量%、中炭
素鋼を鋳造する場合の望ましいモールドパウダ中のAl
23 含有率は、前述の(C)式より5〜10質量%と
なる。
【0030】
【表1】 試験に用いたモールドパウダの組成を表2に示す。モー
ルドパウダaは塩基度と粘度、モールドパウダbは塩基
度、モールドパウダcはAl23 含有率、モールドパ
ウダdはAl23 含有率と粘度、モールドパウダeは
TiO2 含有率が、それぞれ発明で規定する条件を外れ
ているモールドパウダである。試験条件および試験結果
を表3に示す。
【0031】
【表2】
【表3】 表3中に示す指標の中で、「のろピン」は、鋳片表面を
スカーフィングした際に認められたのろかみ疵およびピ
ンホール疵の発生個数である。指標A:なし、指標B:
1〜5個、指標C:6〜10個、指標D:11〜20
個、指標E:21〜50個、指標F:51個以上を示
し、指標AおよびBは、とくに問題のない発生個数であ
る。また、「縦割れ」は、鋳造した鋳片のうち、縦割れ
の発生した分子の割合である。指標A:3%未満、指標
B:3%以上6%未満、指標C:6%以上10%未満、
指標D:10%以上であり、指標AおよびBは、とくに
問題のない発生状況である。さらに「銅板温度変動」
は、鋳造中における鋳型銅板に埋設した熱電対の温度変
動量であり、指標小:±3℃未満、指標中:±10℃未
満、指標大:±10℃以上であり、指標小および中は、
とくに問題のない状況である。
【0032】低炭素鋼を速度1.4m/分で鋳造した試
験では、比較例の試験No.6と比べて、本発明例の試
験No.1〜No.5では、いずれものろかみ疵および
ピンホール疵が減少し、鋳片表面品質の向上しているこ
とがわかる。比較例の試験No.7およびNo.10で
は、凝固点がいずれも1300℃以上と高く、鋳造に使
用出来なかった。比較例の試験No.8およびNo.9
では、結晶析出が過多あるいは不安定であるため、鋳型
銅板温度の変動が大きく、縦割れが発生するものもあっ
た。また、凝固点または粘度が高いために潤滑性が悪
く、鋳片表面には拘束痕等の不良部が多く見られた。
【0033】中炭素鋼を速度1.1m/分で鋳造した試
験では、比較例の試験No.16と比べて、本発明例の
試験No.11〜No.15では、いずれものろかみ疵
およびピンホール疵、縦割れ、および鋳型銅板温度の変
動がいずれも減少し、鋳片表面品質の向上していること
がわかる。比較例の試験No.17およびNo.20で
は、凝固点がいずれも1300℃以上と高く、鋳造に使
用出来なかった。比較例の試験No.18およびNo.
19では、結晶析出が過多あるいは不安定であるため、
鋳型銅板温度の変動が大きく、No.19では縦割れも
発生した。
【0034】
【発明の効果】本発明のモールドパウダおよびそのモー
ルドパウダを用いる本発明の連続鋳造方法の適用によ
り、鋳片表面にディプレッションまたは縦割れの発生の
ない、さらに、鋳片表層部の清浄性も良好な鋳片を得る
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川本 正幸 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 Fターム(参考) 4E004 MB14 NC04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】CaO、SiO2 、Al23 およびフッ
    素化合物を基本成分とするモールドパウダであって、C
    aOのSiO2 に対する質量%の比CaO/SiO2
    1.1〜1.5であり、Al23 を5〜15質量%、
    アルカリ金属を酸化物換算含有率の合計で5質量%以
    下、ZrO2 を1質量%以下、TiO2 を0〜8質量
    %、Fを4〜12質量%含有し、1300℃における粘
    度が2〜6poise、凝固点が1100℃以上である
    ことを特徴とする連続鋳造用のモールドパウダ。
  2. 【請求項2】Al23 、TiO2 およびFの含有率
    が、下記(A)式を満足することを特徴とする請求項1
    に記載の連続鋳造用のモールドパウダ。 2≦(Al23 )×(TiO2)≦10+15×(F)・・・(A) ここで、(Al23 ):モールドパウダ中のAl2
    3 含有率(質量%) (TiO2):モールドパウダ中のTiO2 含有率(質
    量%) (F):モールドパウダ中のF含有率(質量%)
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載のモールド
    パウダを用いる連続鋳造方法であって、下記(B)式で
    定義される溶鋼の化学組成Cpとモールドパウダ中のA
    23 含有率との間の関係が、下記(C)式または
    (D)式を満足する条件で鋳造することを特徴とする連
    続鋳造方法。 Cp=C+0.02×Mn+0.04×Ni−0.01×Si +0.02×Cr+0.07×S・・・(B) ここで、C、Mn、Ni、Si、CrおよびS:溶鋼中
    の含有率(質量%)|Cp−0.12|≦0.05の場
    合; 5+2000×|Cp−0.12|2 ≦(Al23 )≦ 10+2000×|Cp−0.12|2 ・・・(C) |Cp−0.12|>0.05の場合; 10≦(Al23 )≦15 ・・・(D) ここで、|Cp−0.12|:Cpの値から0.12を
    引いた値の絶対値 (Al23 ):モールドパウダ中のAl23 含有率
    (質量%)
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