JP2020059085A - 精度調整装置、精度調整方法及び精度調整プログラム - Google Patents

精度調整装置、精度調整方法及び精度調整プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】工作機械の精度調整の際に、適切な調整位置及び調整量を出力できる精度調整装置、精度調整方法及び精度調整プログラムを提案する。【解決手段】精度調整装置1は、工作機械を構成する部品間の取り付け時の誤差に起因する所定の精度の測定値に対して、精度を許容範囲に収めるために、部品間の予め定められた複数の位置それぞれへのシムの挿入量の関係を定めた連立方程式と共に、当該連立方程式の変数であるシムの挿入量を限定するための条件を記憶する記憶部20と、測定値の入力に対して、連立方程式を解き、条件を満たす解をシムの挿入量として出力する演算部11と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、工作機械の精度を調整するための装置、方法及びプログラムに関する。
近年、IT部品及び装飾品等、長時間の加工を要する外観部品の需要が増加傾向であり、これらを加工するための切削加工機が増産されている。
工作機械を製造し出荷する工程では、通常、各部品を加工し組み立てた後、精度調整及び検査が行われる。精度調整は、公差内で仕上がった部品を組み立てる際に発生する誤差を、インジケータ又は円筒スコヤ等を用いて既定の精度まで調整する作業である。この誤差は、機械毎に異なることが多く、特に、切削加工機において重要なテーブル上面基準での精度は、コラム、ベッド及び主軸頭の部品精度と組み付け精度とが大きく影響し、ばらつきが大きい。このように機械毎に異なる誤差に対して、安定して精度調整する作業には熟練を要する。
例えば、テーブル上面基準での精度について、テーブル上面の振り回しの誤差量又は直角度等の調整は、従来、次のような手法で行われてきた。
(1)仮組立時の精度測定結果に応じて、コラムとベッドとの接触面を研磨又はキサゲ加工によって微調整する。
(2)コラムとベッドとの間、及びコラムと主軸頭との間に数十μm〜数百μm程度のシム(スペーサ)を挿入し、微調整を行う。
特開2018−062037号公報
しかしながら、これらの従来手法では、次のような課題があった。
前述の手法(1)では、一旦コラムとベッドとを組み上げた状態で精度測定を行い、測定結果に応じてベッド若しくはコラム、又は両方を研磨する必要がある。この場合、研磨及び組み立ての作業工数が増えるため、大量生産が必要な工作機械の製造には適さなかった。
前述の手法(2)では、機械の組み立て後の精度測定結果に応じてシムを挿入することで精度調整を行うが、シムの挿入量及び挿入位置は、熟練者のノウハウ及び勘に頼った判断が必要になり、自動化及び大量生産に対応できなかった。
本発明は、工作機械の精度調整の際に、適切な調整位置及び調整量を出力できる精度調整装置、精度調整方法及び精度調整プログラムを提案することを目的とする。
(1) 本発明に係る精度調整装置(例えば、後述の精度調整装置1)は、工作機械を構成する部品間の取り付け時の誤差に起因する所定の精度の測定値に対して、前記精度を許容範囲に収めるために、前記部品間の予め定められた複数の位置それぞれへのシムの挿入量の関係を定めた連立方程式と共に、当該連立方程式の変数である前記シムの挿入量を限定するための条件を記憶する記憶部(例えば、後述の記憶部20)と、前記測定値の入力に対して、前記連立方程式を解き、前記条件を満たす解を前記シムの挿入量として出力する演算部(例えば、後述の演算部11)と、を備える。
(2) (1)に記載の精度調整装置において、前記記憶部は、前記測定値の範囲に応じて、複数の前記条件を記憶してもよい。
(3) (1)又は(2)に記載の精度調整装置は、前記シムの挿入量、及び前記シムを挿入する前後の前記測定値を入力として、前記連立方程式の係数を算出する係数決定部(例えば、後述の係数決定部12)を備えてもよい。
(4) (1)から(3)のいずれかに記載の精度調整装置において、前記精度は、前記工作機械におけるテーブル(例えば、後述のテーブルT)上面基準での主軸の直角度を含み、前記直角度を調整するための前記シムは、前記工作機械を構成するコラム(例えば、後述のコラムC)とベッド(例えば、後述のベッドB)との間に挿入されてもよい。
(5) (1)から(4)のいずれかに記載の精度調整装置において、前記精度は、前記工作機械における主軸の振り回しの誤差量を含み、前記振り回しの誤差量を調整するための前記シムは、前記工作機械を構成するコラム(例えば、後述のコラムC)と主軸頭(例えば、後述の主軸頭H)との間に挿入されてもよい。
(6) 本発明に係る精度調整方法は、コンピュータ(例えば、後述の精度調整装置1)が、工作機械を構成する部品間の取り付け時の誤差に起因する所定の精度の測定値に対して、前記精度を許容範囲に収めるために、前記部品間の予め定められた複数の位置それぞれへのシムの挿入量の関係を定めた連立方程式と共に、当該連立方程式の変数である前記シムの挿入量を限定するための条件を記憶し、前記測定値の入力に対して、前記連立方程式を解き、前記条件を満たす解を前記シムの挿入量として出力する。
(7) 本発明に係る精度調整プログラムは、(1)から(5)のいずれかに記載の精度調整装置としてコンピュータを機能させるためのものである。
本発明によれば、工作機械の精度調整の際に、適切な調整位置及び調整量を出力できる。
実施形態に係る精度調整装置の機能構成を示すブロック図である。 実施形態に係る精度調整方法が対象とする切削加工機の構成を示す概要図である。 実施形態に係る切削加工機における直角度の測定結果を例示する図である。 実施形態に係る切削加工機における振り回し誤差量の測定結果を例示する図である。 実施形態に係る切削加工機におけるコラムとベッドとの固定構造、及びシムの挿入位置を示す図である。 実施形態に係る切削加工機におけるベッドの上面から見たシムの挿入位置を示す図である。 実施形態に係るシムの挿入により直角度が調整された例を示す図である。 実施形態に係る切削加工機における主軸頭の正面断面図に対して、シムの挿入位置を示した図である。 実施形態に係るシムの挿入により振り回しの誤差量が調整された例を示す図である。 実施形態に係る直角度を調整する際にシムの挿入量を限定するための条件を示す図である。 実施形態に係る振り回しの誤差量を調整する際にシムの挿入量を限定するための条件を示す図である。
以下、本発明の実施形態の一例について説明する。
図1は、本実施形態に係る精度調整装置1の機能構成を示すブロック図である。
精度調整装置1は、サーバ装置又はパーソナルコンピュータ等の情報処理装置(コンピュータ)であり、制御部10と、記憶部20とを備え、さらに、各種の入出力及び通信デバイスを備えていてよい。
制御部10は、精度調整装置1の全体を制御する部分であり、記憶部20に記憶されたソフトウェア(精度調整プログラム)を読み出して実行することにより、本実施形態における各種機能を実現している。制御部10は、CPUであってよい。
記憶部20は、ハードウェア群を精度調整装置1として機能させるための各種プログラム、及び各種データ等の記憶領域であり、ROM、RAM、フラッシュメモリ又はハードディスクドライブ(HDD)等であってよい。
本実施形態において、記憶部20は、工作機械を構成する部品間の取り付け時の誤差に起因する所定の精度の測定値に対して、この精度を許容範囲に収めるために、部品間の予め定められた複数の位置それぞれへのシムの挿入量の関係を定めた連立方程式を記憶する。
さらに、記憶部20は、この連立方程式の変数であるシムの挿入量を限定するための条件を記憶する。この条件は、測定値の範囲に応じて異なり、複数の条件が記憶されてよい。
ここで、測定される精度は、工作機械におけるテーブル上面基準での主軸の直角度を含む。直角度を調整するためのシムは、工作機械を構成するコラムとベッドとの間に挿入される。
また、測定される精度は、工作機械における主軸の振り回しの誤差量を含む。振り回しの誤差量を調整するためのシムは、工作機械を構成するコラムと主軸頭との間に挿入される。
演算部11は、測定値の入力に対して、連立方程式を解き、条件を満たす解を、各位置へ挿入すべきシムの量として出力する。
係数決定部12は、挿入するシムの量、及びシムを挿入する前後の測定値を入力として、連立方程式の係数を算出する。
連立方程式の係数は、コラム重量及びハイコラム仕様等の違いにより、工作機械の種類毎に異なるため、種類毎に予め算出される。なお、係数は、機械学習によって決定されてもよい。
本実施形態において、工作機械及び調整される精度の種類は限定されないが、以下、一例として、切削加工機の直角度及び振り回しの誤差量を調整する手法を例示する。
図2は、本実施形態に係る精度調整方法が対象とする切削加工機の構成を示す概要図である。
切削加工機のテーブルTは、ベッドBに設けられたLM(Linear Motion)ガイドを摺動するLMブロックに固定される。
ベッドBには、コラムCがボルトによって垂直に固定される。また、コラムCに設けられたLMガイドを摺動するLMブロックに主軸頭Hが固定される。
ここで、ベッドBとコラムCとの固定部分A1に挿入するシムの位置及び量を調整することで、テーブルTの上面に対するコラムCの傾きと、主軸頭Hの傾きとが変化する。これにより、テーブルTの上面に対する垂直軸(Z軸)の直角度が調整される。
また、コラムC上のLMガイドを摺動するLMブロックと主軸頭Hとの固定部分A2に挿入するシムの位置及び量を調整することで、テーブルTの上面に対する主軸頭Hの傾きが変化する。これにより、直角度を保ったまま、テーブルTの上面に対する主軸の振り回しの誤差量が調整される。
なお、この切削加工機におけるX軸は正面から見て右方向、Y軸は奥方向、Z軸は上方向と定義する。
図3は、本実施形態に係る切削加工機における直角度の測定結果を例示する図である。
この例は、Z軸の位置0mm、すなわちテーブルTの上面から300mmまで主軸を上昇させたときの、X軸方向及びY軸方向それぞれのずれ量を測定したものである。
なお、X軸方向の測定値Px0はX軸のプラス方向からの、X軸方向の測定値Py0はY軸のプラス方向からの、それぞれ円筒スコヤに対するダイヤルゲージの当たり量を測定した値である。
この例は、Z軸が300mm移動すると、X軸のマイナス方向へ12μm、Y軸のマイナス方向へ12μm移動したことを示しており、テーブルTの上面に対してコラムCが左手前方向に傾いていることが分かる。
図4は、本実施形態に係る切削加工機における振り回し誤差量の測定結果を例示する図である。
この例は、直径300mmでの主軸の振り回しによる、テーブルTの上面に対する高さの変化を測定したものである。
なお、測定値Xl0、Xr0、Yf0、Yr0は、Z軸プラス方向からの、テーブルTの上面に設置されたブロックゲージに対するダイヤルゲージの当たり量を測定した値である。
この例では、手前の−Yの位置で高さが0であったのに対して、+Y、+X及び−Xの位置でそれぞれZ軸のプラス方向へ18μm、12μm及び6μm移動したことを示しており、テーブルTの上面に対して、主軸の先端が垂直下向きから右奥方向へ傾いていることが分かる。
図5Aは、本実施形態に係る切削加工機におけるコラムCとベッドBとの固定構造、及びシムの挿入位置を示す図である。
この例では、コラムCは、ベッドBに対して、左右4本ずつのボルトにより固定される。また、シムの挿入位置は、各ボルト穴を挟んで2箇所ずつ、合計16箇所設けられる。
図5Bは、本実施形態に係る切削加工機におけるベッドBの上面から見たシムの挿入位置を示す図である。
正面から見て左右4本ずつのボルト穴それぞれに対して、シムの挿入位置が2箇所ずつ設けられている。
ここで、手前から見て右側の奥からi番目のボルト穴に対応する、手前側及び奥側の挿入位置へのシムの挿入量をそれぞれRfi、Rriとし、左側の奥からi番目のボルト穴に対応する、手前側及び奥側の挿入位置へのシムの挿入量をそれぞれLfi、Lriとする。
また、2枚のシムの平均挿入量R=(Rfi+Rri)/2、及びL=(Lfi+Lri)/2を定義する。なお、Rfi=Rri、Lfi=Lriであってよい。
図6は、本実施形態に係るシムの挿入により直角度が調整された例を示す図である。
この例では、図3及び図4の測定結果に応じて、Lr4=Lf4=30μmのシムが挿入されている。
これにより、コラムCの傾きが改善され、シム挿入後の直角度の測定値は、Z軸位置によらず0となっている。
また、この調整により振り回しの誤差量も変化し、この例では、+Yの位置でYr0=−18μmからYrp=−6μmに、+Xの位置でXr0=−12μmからXrp=−6μmに、−Xの位置でXl0=−6μmからXlp=0μmに変化している。
図7は、本実施形態に係る切削加工機における主軸頭Hの正面断面図に対して、シムの挿入位置を示した図である。
主軸頭Hは、左右2本のLMガイドそれぞれに設けられた2個ずつのLMブロックD、つまり合計4個のLMブロックDに固定される。
主軸頭HのY方向の傾きを調整するためのシムは、主軸頭HのLMブロックDへの設置面に挿入される。ここでは、LMブロックD毎に1箇所の挿入位置が設けられ、上部左側、上部右側、下部左側、下部右側へのシムの挿入量を、それぞれT、T、B、Bとする。
また、2枚のシムの平均挿入量B=(B+B)/2、及びT=(T+T)/2を定義する。なお、B=B、T=Tであってよい。
主軸頭HのX方向の傾きを調整するためのシムは、主軸頭Hを左右方向(X軸方向)に位置決めするために設けられた突起部Eと、LMブロックDとの突き当て面に挿入される。ここでは、左側のLMブロックDそれぞれに1箇所の挿入位置が設けられ、上部及び下部への挿入量を、それぞれSt及びSbとする。
図8は、本実施形態に係るシムの挿入により振り回しの誤差量が調整された例を示す図である。
この例では、直角度が調整された後の図6の測定結果に応じて、B=B=S=10μmのシムが挿入されている。
これにより、主軸の傾きが改善され、シム挿入後の振り回しの誤差量の測定値は、全ての位置で0となっている。
次に、直角度に関する変位量と、シムの挿入位置及び挿入量との関係を定義した連立方程式を説明する。
シムの挿入後のX軸方向の直角度Pは、シムの挿入前の測定値Px0に対して、次のように定義できる。
=Px0+Kx1(R−L)+Kx2(R−L)+Kx3(R−L)+Kx4(R−L
また、シムの挿入後のY軸方向の直角度Pは、シムの挿入前の測定値Py0に対して、次のように定義できる。
=Py0+Ky1(R+L)+Ky2(R+L)−Ky3(R+L)−Ky4(R+L
xi及びKyiは、係数決定部12により予め決定される係数である。例えば、複数のシムの挿入位置のうち、Rのみにシムを挿入してR〜R及びL〜Lを0とし、挿入前後の直角度の測定値を方程式に代入することで係数Kx1及びKy1が定まる。同様に、R、R、Rのシムを順に単独で挿入し、挿入前後の直角度の測定値を方程式に代入することで、全ての係数が順に定まる。
なお、係数の決定方法はこれに限られない。係数決定部12は、R〜R及びL〜Lの少なくともいずれかの値、並びにシムの挿入前後の測定値を代入した方程式を、複数連立して解くことにより、係数を算出する。
係数決定部12は、係数の算出に必要な予め設定されたシムの挿入位置をユーザに提示して、入力値を受け付けてもよい。また、係数決定部12は、方程式の数が不足し係数を算出できない場合に、別パターンの挿入量及び測定値の入力を促す出力を行い、入力値を受け付けてもよい。
係数が決定し、シムの挿入後の直角度がP=0、P=0となるときのR及びLを求める場合、変数8個に対して方程式2つでは解が求まらない。そこで、シムの挿入量を限定する条件を追加することで、変数を2個以下に減少させる。
図9は、本実施形態に係る直角度を調整する際にシムの挿入量を限定するための条件を示す図である。
シムの挿入前の直角度の測定値Px0、Py0に応じて、例えば、それぞれの正負の組み合わせに応じて、挿入しない位置が決められ、さらに、挿入する位置については全て、挿入量が等しくなるよう限定される。
このとき、計算上、シムの挿入量がマイナスとならない条件が設定される。
また、直角度の測定値が非常に大きいと、特定箇所のシムの挿入量が大きくなる場合がある。すると、コラムCとベッドBとの隙間が広がるため、経年によって錆又は変形が生じ精度が悪化しやすい。そこで、例えば、測定値がNを超える場合に、シムの挿入位置を分散させる条件が適用される。
値Nは、予め閾値として固定値が設定されていてもよいし、固定値を設定せず、方程式の解が所定値を超えた場合に条件を切り替える計算手順が採用されてもよい。
例えば、前述の連立方程式において、係数がKx1=1/10、Kx2=2/10、Kx3=3/10、Kx4=4/10、Ky1=4/10、Ky2=8/10、Ky3=8/10、Ky4=4/10であり、N=30μmの閾値が設定されている場合、シムの挿入量は、次のように計算される。
x0=12μm、Py0=12μmの場合、条件R1〜3=L1〜3=0を用いると、
0=12+(4/10)(R−L
0=12−(4/10)(R+L
が成り立つので、R=0μm、L=30μmとなる。
x0=40μm、Py0=6μmの場合、条件L=L=L、R=0を用いると、
0=40+(6/10)(0−L)+(4/10)(0−L
0=6+(4/10)(0+L)−(4/10)(0+L
が成り立つので、L1〜3=34μm、L=49μmとなる。
x0=−4μm、Py0=20μmの場合、条件R1〜3=L1〜3=0を用いると、
0=−4+(4/10)(R−L
0=20−(4/10)(R+L
が成り立つので、R=30μm、L=20μmとなる。
なお、挿入できるシムの厚さが10μm単位に限られる等、制限がある場合、方程式の解の近似値が選択されてもよい。
また、直角度の測定値Px0、Py0によっては、P=0、P=0の解が求まらない場合も考えられるが、この場合、P≒0、P≒0となる値が選択されてもよい。
次に、振り回しに関する変位量と、シムの挿入位置及び挿入量との関係を定義した連立方程式を説明する。
シムの挿入後のX軸方向の誤差量X及びXとY軸方向の誤差量Y及びYとは、シムの挿入前の測定値Xlp、Xrp、Yfp、Yrpに対して、次のように定義できる。
=Yfp=0
=X={(Xlp+Xrp)−(Yfp+Yrp)}/2
=Xlp−C(S−S)+C(B−T)/2
=Xrp+C(S−S)+C(B−T)/2
=Yrp+C(B−T)
及びCは、係数決定部12により予め決定される係数である。例えば、B又はTのシムを挿入し、挿入前後の振り回しの測定値を方程式に代入することでCが定まる。次に、S又はSのシムを挿入し、挿入前後の振り回しの測定値を方程式に代入することでCが定まる。
なお、係数の決定方法はこれに限られない。係数決定部12は、S、S、B、Tの少なくともいずれかの値、並びにシムの挿入前後の測定値を代入した方程式を、複数連立して解くことにより、係数を算出する。
係数決定部12は、係数の算出に必要な予め設定されたシムの挿入位置をユーザに提示して、入力値を受け付けてもよい。また、係数決定部12は、方程式の数が不足し係数を算出できない場合に、別パターンの挿入量及び測定値の入力を促す出力を行い、入力値を受け付けてもよい。
係数が決定し、シムの挿入後の振り回しの測定値がX=X=Y=0となるときのB、T、S及びSを求める場合、まず、連立方程式によりB−T及びS−Sが求まる。さらに、シムの挿入量を限定する条件が追加されることで、B、T、S及びSが決定される。
図10は、本実施形態に係る振り回しの誤差量を調整する際にシムの挿入量を限定するための条件を示す図である。
シムの挿入量BとTとの大小関係に応じて、例えば、B又はTの少なくともいずれかが0に限定される。
同様に、シムの挿入量SとSとの大小関係に応じて、例えば、S又はSの少なくともいずれかが0に限定される。
例えば、前述の連立方程式において、係数がC=3/10、C=6/10の場合、シムの挿入量は、次のように計算される。
rp=−6μm、Xlp=0μm、Yfp=0μm、Yrp=−6μmの場合、
0=0−(3/10)(S−S)+(6/10)(B−T)/2
0=−6+(3/10)(S−S)+(6/10)(B−T)/2
0=−6+(6/10)(B−T)
が成り立つので、B−T=10、S−S=10となる。ここに前述の条件を適用すると、S=10、B=B=B=10が求まる。
本実施形態によれば、精度調整装置1は、工作機械を構成する部品間の取り付け時の誤差に起因する所定の精度の測定値に対して、精度を許容範囲に収めるために、部品間の予め定められた複数の位置それぞれに挿入するシムの量の関係を定めた連立方程式と共に、この連立方程式の変数であるシムの量の少なくともいずれかを限定する条件を記憶し、測定値の入力に対して連立方程式を解き、条件を満たす解をシムの挿入量として出力する。
したがって、精度調整装置1は、工作機械の精度調整の際に、精度の測定値を入力として、適切な調整位置及び調整量を容易に出力できる。
具体的には、精度調整装置1は、例えば、工作機械におけるテーブル上面基準での主軸の直角度を調整する際に、コラムとベッドとの間に挿入するシムの位置及び量を適切に決定できる。また、例えば、工作機械における主軸の振り回しの誤差量を調整する際に、コラムと主軸頭との間に挿入するシムの位置及び量を適切に決定できる。
精度調整装置1は、測定値の範囲毎に異なる条件を記憶することにより、例えばシムの挿入量が偏り隙間ができる等の不都合を抑制でき、適切なシムの配置を出力できる。
精度調整装置1は、シムを挿入する前後の測定値を入力として、連立方程式の係数を算出するので、工作機械の種類毎に適切な式を生成でき、汎用性を高めることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
精度調整装置1は、シムの挿入位置及び挿入量の算出処理を、バッチ処理により行ってもよいし、工作機械が製造される度に精度の測定結果を受信し、都度、算出結果を出力してもよい。
精度調整装置1は、制御部10に演算部11と係数決定部12とを共に備える構成としたが、これには限られず、係数決定部12の機能が精度調整装置1とは別の装置に実装されてもよい。この場合、精度調整装置1は、決定された係数を別の装置から受信して記憶部20に記憶する。
精度調整装置1による精度調整方法は、ソフトウェアにより実現される。ソフトウェアによって実現される場合には、このソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。また、これらのプログラムは、リムーバブルメディアに記録されてユーザに配布されてもよいし、ネットワークを介してユーザのコンピュータにダウンロードされることにより配布されてもよい。
1 精度調整装置
10 制御部
11 演算部
12 係数決定部
20 記憶部

Claims (7)

  1. 工作機械を構成する部品間の取り付け時の誤差に起因する所定の精度の測定値に対して、前記精度を許容範囲に収めるために、前記部品間の予め定められた複数の位置それぞれへのシムの挿入量の関係を定めた連立方程式と共に、当該連立方程式の変数である前記シムの挿入量を限定するための条件を記憶する記憶部と、
    前記測定値の入力に対して、前記連立方程式を解き、前記条件を満たす解を前記シムの挿入量として出力する演算部と、を備える精度調整装置。
  2. 前記記憶部は、前記測定値の範囲に応じて、複数の前記条件を記憶する請求項1に記載の精度調整装置。
  3. 前記シムの挿入量、及び前記シムを挿入する前後の前記測定値を入力として、前記連立方程式の係数を算出する係数決定部を備える請求項1又は請求項2に記載の精度調整装置。
  4. 前記精度は、前記工作機械におけるテーブル上面基準での主軸の直角度を含み、
    前記直角度を調整するための前記シムは、前記工作機械を構成するコラムとベッドとの間に挿入される請求項1から請求項3のいずれかに記載の精度調整装置。
  5. 前記精度は、前記工作機械における主軸の振り回しの誤差量を含み、
    前記振り回しの誤差量を調整するための前記シムは、前記工作機械を構成するコラムと主軸頭との間に挿入される請求項1から請求項4のいずれかに記載の精度調整装置。
  6. コンピュータが、
    工作機械を構成する部品間の取り付け時の誤差に起因する所定の精度の測定値に対して、前記精度を許容範囲に収めるために、前記部品間の予め定められた複数の位置それぞれへのシムの挿入量の関係を定めた連立方程式と共に、当該連立方程式の変数である前記シムの挿入量を限定するための条件を記憶し、
    前記測定値の入力に対して、前記連立方程式を解き、前記条件を満たす解を前記シムの挿入量として出力する精度調整方法。
  7. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の精度調整装置としてコンピュータを機能させるための精度調整プログラム。
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