JP2020057788A - プリント回路板及びそれを含むモータ - Google Patents

Abstract

【課題】従来技術の問題を解決することができるＰＣＢ及びそれを含むモータを提供する。【解決手段】プリント回路板は、基板及びインダクタを含み、第１の貫通穴が、前記基板に形成され、前記インダクタは、中央脚部を有する磁気コアを含み、前記中央脚部は、前記第１の貫通穴を貫通し、前記プリント回路板の少なくとも１つの導電層上の導電トレースが、前記第１の貫通穴を螺旋状に取り囲んで、前記インダクタの導電コイルを形成する。本開示は、また、ステータと、ロータと、上記のプリント回路板とを含むモータを提供する。インダクタは、プリント回路板と一体化され、これにより、回路板及びモータを小型化し、材料コスト及び消費電力を低減する。【選択図】図１

Description

[0001] 本開示は、回路板に関し、特に、プリント回路板及びそれを含むモータに関する。

[0002] 従来のコイルインダクタは、一般に、プリント回路板（ＰＣＢ）にはんだ付けされる。従来のコイルインダクタは、通常、コアに巻き付けられる銅線コイルからなり、これは、ＰＣＢの大きさ及び追加的な消費電力を増大させ、また、その開磁気回路は、ＰＣＢの電磁干渉（ＥＭＩ）性能を低下させる。

[0003] 上記に鑑みて、上記の問題を解決することができるＰＣＢ及びそれを含むモータを提供する必要がある。

[0004] 一態様では、プリント回路板は、基板及びインダクタを含み、第１の貫通穴が、前記基板に形成され、前記インダクタは、中央脚部を有する磁気コアを含み、前記中央脚部は、前記第１の貫通穴を貫通し、前記プリント回路板の少なくとも１つの導電層上の導電トレースが、前記第１の貫通穴を螺旋状に取り囲んで、前記インダクタの導電コイルを形成する。

[0005] 前記磁気コアは、上部磁気コアを含み、前記上部磁気コアは、底板と、前記底板に対して垂直な２つの側方脚部とを含み、前記２つの側方脚部は、前記底板の両端に配設され、前記中央脚部は、前記底板の中央部に配設されることが好ましい。

[0006] 前記中央脚部に対向する前記側方脚部の側壁は、円弧状の凹部を有することが好ましい。

[0007] 前記上部磁気コアは、Ｅ字状であることが好ましい。

[0008] 前記２つの側方脚部が貫通するための２つの第２の貫通穴が、前記基板に形成されることが好ましい。

[0009] 前記磁気コアは、更に、前記上部磁気コアに対向して配設される下部磁気コアを備え、前記上部及び下部磁気コアは、それぞれ、前記基板の両面に配設され、前記下部磁気コアは、前記上部磁気コアの前記側方脚部と接触しており、間隙が、前記下部磁気コアと前記上部磁気コアの前記中央脚部との間に形成されることが好ましい。

[0010] 前記第１の貫通穴を取り囲む前記導電トレースは、螺旋形状を有し、前記２つの第２の貫通穴の間に配設され、前記導電トレースの両端は、はんだ接合部なしで、前記プリント回路板の他の導電トレースに電気的に接続されることが好ましい。

[0011] 導電層上の前記導電トレースの一端は、バイアを介して、前記プリント回路板の別の導電層上の前記導電トレースに電気的に接続されることが好ましい。

[0012] 前記磁気コアを製造するための材料は、Ｆｅ₂Ｏ₃、Ｍｎ₃Ｏ₄、ＺｎＯを含むことが好ましい。

[0013] 前記プリント回路板は、更に、取付ブラケットによって前記基板に取り付けられる少なくとも１つのコンデンサを備え、前記取付ブラケットは、前記コンデンサに係合するための少なくとも１つのキャッチアームを含むことが好ましい。

[0014] 別の態様では、モータは、ステータと、ロータと、上記のプリント回路板とを含む。

[0015] 前記モータは、更に、支持部材及び底部カバーを含み、前記ステータは、前記支持部材の一方の側に固定され、前記底部カバーは、前記支持部材の反対の側に固定され、前記底部カバー及び前記支持部材の底端は、一緒に、収容空間を形成し、前記プリント回路板は、前記収容空間に収容されることが好ましい。

[0016] 凹部が、前記プリント回路板に対向して前記支持部材に形成されて、電子部品を収容するようになっており、放熱フィンが、前記ステータに向かって前記支持部材に形成されることが好ましい。

[0017] 本開示のＰＣＢ及びそれを含むモータでは、インダクタの磁気コアは、ＰＣＢと一体化され、ＰＣＢの導電トレースは、磁気コアの周りに巻き付けられる従来の銅線コイルに取って代わる。従来のコイルインダクタと比較して、インダクタの自己インダクタンス係数を、８０％以上増加させることができ、ＰＣＢが小型化され、材料コスト及び消費電力が低減される。

本開示のＰＣＢの一実施形態の概略図である。 図１に示すＰＣＢのインダクタの磁気コアの概略図である。 図１に示すＰＣＢの基板の平面図である。 図１に示すＰＣＢの基板の底面の導電トレースを示す概略図である。 図１の線Ａ−Ａに沿ったＰＣＢの断面図である。 本開示のモータの一実施形態の概略図である。 図６のモータの分解図である。

[0025] 添付図面及び好ましい実施形態と併せて、主題を説明する。説明された実施形態は、本開示の実施形態のいくつかに過ぎず、その全てではない。本開示の実施形態に基づいて、創作努力を払うことなく当業者によって得られる他の全ての実施形態は、本開示の保護範囲に属する。図面は、単なる参照のためのものであり、本発明を限定することを意図するものではないことを理解されたい。図面に示される寸法は、図示の便宜のためのものに過ぎず、限定的なものを意図するものではない。

[0026] ある部品が他の部品に「接続される（connected）」と考えられる場合、ある部品は、他の部品に直接接続されることができるか、又は、中心部品を有することもできることに留意されたい。別段の定義がない限り、本明細書で使用する全ての技術用語及び科学用語は、当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本開示の明細書で使用する用語は、特定の実施形態を説明する目的のためのものに過ぎず、本発明を限定することを意図するものではない。

[0027] 図１〜図４を参照すると、本開示のプリント回路板（ＰＣＢ）１００は、基板１０及びインダクタ２０を含む。インダクタ２０は、基板１０と一体化される。基板１０は、第１の面１１と、第１の面１１に対向する第２の面１２とを含む。インダクタ２０は、磁気コア２１及び導電コイルを含む。

[0028] 図２は、インダクタ２０の磁気コア２１の構造を示す。磁気コア２１は、上部磁気コア２１０及び下部磁気コア２１５を含む。上部磁気コア２１０は、実質的にＥ字状であり、底板２１１と、２つの側方脚部２１２と、底板２１１に対して垂直な中央脚部２１３とを含む。この実施形態では、２つの側方脚部２１２は、底板２１１の両端に配設され、中央脚部２１３は、底板２１１の中央部に配設される。側方脚部２１２の延在する長さは、中央脚部２１３のそれよりも大きい。この実施形態では、中央脚部２１３は、円筒形状を有し、その軸線は、底板２１１の中心線と一致する。側方脚部２１２は、矩形の断面を有し、中央脚部２１３に対向する側壁は、円弧状の凹部２１４を有する。凹部２１４は、好ましくは、中央脚部２１３と同心である。本実施形態では、下部磁気コア２１５は、Ｉ字状又は平坦形状を有し、底板２１１と同じ長さ及び幅を有する。好ましくは、磁気コア２１を製造するための材料は、Ｆｅ₂Ｏ₃、Ｍｎ₃Ｏ₄、及びＺｎＯなどのフェライト構成材料を含む。このような材料では、磁気コアの効率を向上させることができる。

[0029] 図３は、基板１０の上面図を示す。第１の貫通穴１３及び２つの第２の貫通穴１４が、基板１０に形成されて、第１の面１１及び第２の面１２を貫通して、インダクタ２０の磁気コア２１を取り付けるようになっている。本実施形態では、第１の貫通穴１３は、中央脚部２１３に対応し、好ましくは、円形の穴であり、その直径は、中央脚部２１３の直径に等しいか又はそれよりもわずかに大きい。２つの第２の貫通穴１４は、第１の貫通穴１３の両側に配設され、側方脚部２１２の形状と一致する形状を有する。第２の貫通穴１４の直径は、側方脚部２１２の直径に等しいか又はそれよりもわずかに大きい。そして、基板１０の少なくとも１つの導電層の導電トレース２２（例えば、銅箔など）が、エッチングされて、螺旋状の導電コイルを形成し、第１の貫通穴１３の周囲を取り囲み、２つの第２の貫通穴１４の間に位置する。導電トレース２２の２つの端部は、基板上にエッチングされるトレースを介して、基板１０上の他の回路に電気的に接続されて、電流経路を設ける。好ましくは、一方の導電層（例えば、上層など）上の導電トレースの一端は、バイアを介して、他方の導電層（例えば、下層など）（図４参照）の導電トレースに接続することができる。他の実施形態では、ＰＣＢが多層回路板であるとき、導電トレース２２は、ＰＣＢの複数の導電層に配設することができ、中央脚部の延在方向に沿って、複数の導電層を横切って、中央脚部２１３を取り囲むことができる。各層の導電トレースは、Ｃ字形状を有する。２層基板であるＰＣＢを例にとる。上面の導電トレースを第１の導電トレースと呼び、底面の導電トレースを第２の導電トレースと呼ぶ。第１及び第２の導電トレースの各々は、時計回り方向又は反時計回り方向に沿って、第１の端部及び第２の端部を有し、第１の導電トレースの第２の端部は、第２の導電トレースの第１の端部と実質的に位置合わせされる。第１及び第２の導電トレースの間の導電路は、第１の導電トレースの第２の端部及び第２の導電トレースの第１の端部を貫通するはんだバイアから形成される。異なる導電層の導電トレースを複数のバイアを介して接続することによって、電流を増加させ、インピーダンスを低減することができる。

[0030] 図３及び図５を参照すると、組立時、磁気コア２１の側方脚部２１２は、基板１０の第１の面１１から第２の貫通穴１４に挿入され、第２の面１２から露出される。磁気コア２１の中央脚部２１３も、基板１０の第１の面１１から第１の貫通穴１３に挿入され、第２の面１２から露出される。上部磁気コア２１０及び下部磁気コア２１５は、接着剤によって固定され、側方脚部２１２は、下部磁気コア２１５と接触しており、間隙が、中央脚部２１３と下部磁気コア２１５との間に形成される。磁気コア２１は、ＰＣＢ上の導電トレース２２と協働して、インダクタを形成し、側方脚部２１２は、下部磁気コア２１５に接触して、閉磁気回路を形成し、これにより、インダクタのＥＭＩ性能を向上させることができる。中央脚部２１３と下部磁気コア２１５との間の間隙は、導電トレース２２内の電流が増加したとき、磁気飽和を効果的に回避し、インダクタの電力を向上させることができる。好ましくは、接着剤を間隙内に注入して、下部磁気コア２１５の固定強度を高めることもできる。他の実施形態では、上部及び下部磁気コアの形状は、他の形状とすることができ、例えば、上部磁気コア２１０はＥ字状であり、下部磁気コア２１５もＥ字状であり、上部及び下部磁気コアの接合部は、基板１０の内部に位置することができるか、或いは、上部磁気コア２１０はＵ字状であり、下部磁気コア２１５はＵ字状又はＩ字状であることは、当業者には理解することができる。中央脚部２１３は、側方脚部２１２と同じ延在長さを有し、下部磁気コア２１５と接触していることもできる。ＰＣＢと一体化されるインダクタは、回路板の配線スペースを節約するだけでなく、インダクタ部品の手動設置を回避し、組立作業を簡略化することもできる。インダクタをＰＣＢ上に取り付けるためのはんだ接合部を有する必要がないことによって、はんだ付けの失敗の可能性を減じ、製品信頼性を向上させる。

[0031] 更に、電源及び信号処理機能を実現するための他の電子部品（図示せず）が、基板１０に取り付けられ、ＰＣＢ１００を外部電源に接続するための及び/又は信号を送信するためのコネクタが、基板１０に取り付けられる。好ましくは、コンデンサ３０が、取付ブラケット３１を介して、基板１０に取り付けられる。取付ブラケット３１は、コンデンサ３０を基板１０から離間させる。コンデンサ３０のピンは、取付ブラケットを貫通して、ＰＣＢに挿入され、ＰＣＢ１００のトレースに電気的に接続される。好ましくは、コンデンサ３０は、基板１０と並列に配置される。すなわち、コンデンサ３０の軸は、基板１０の面に対して平行であり、回路板アセンブリの高さを低減するだけでなく、ヒートシンクとの協働を容易にして、放熱効率を向上させることもできるようになっている。この実施形態では、取付ブラケットは、コンデンサを収容するための収容スロットと、各収容スロットの両側に基板１０に対して垂直に配設される２つのキャッチアームとを含む。フックが、キャッチアームの端部に配設されて、コンデンサを固定するようになっている。コンデンサ３０が、取付ブラケットの収容スロットに収容されると、キャッチアーム３１のフックは、コンデンサの外周面を押圧することによって、コンデンサを固定する。この実施形態では、複数の円筒状コンデンサが、回路板に取り付けられ、これらは、互いに並列であり、好ましくは、磁気コア２１の底板２１１の延在方向に対して平行でもある。

[0032] 図６及び図７を参照すると、本開示のＰＣＢを含むモータ１及びその特定の構造が示されている。モータ１は、ロータ２００、ステータ３００、支持部材４００、ＰＣＢ１００、コネクタ５００、及び底部カバー６００を含み、ＰＣＢ１００は、本開示によるＰＣＢである。ステータ３００は、支持部材４００の固定ポスト４１０に固定され、ロータ２００は、ステータ３００の周囲で回転可能である。ロータ２００の安定した回転を容易にするため、ロータ２００の回転軸は、支持部材４００の固定ポスト４１０に配設される軸受によって支持することができる。底部カバー６００は、支持部材４００の底部に固定されて、支持部材４００の下端に収容空間を形成する。ＰＣＢ１００は、収容空間に収容され、底部カバー６００に固定される。コネクタ５００の導電端子は、支持部材４００の上端から支持部材４００を貫通し、ＰＣＢ１００の挿入穴１５に固定される。支持部材４００には、回路板に向かって複数の凹部が設けられて、コンデンサ及びインダクタなどの大型部品を収容するようになっている。支持部材４００には、ステータに対向する複数の放熱フィンが設けられて、放熱面積を増大させる。

[0033] 本開示のＰＣＢ及びそれを用いるモータでは、インダクタの磁気コアは、ＰＣＢと一体化され、磁気コアに巻き付けられる従来の銅線は、ＰＣＢのトレースに取って代わられる。従来のインダクタを含むＰＣＢと比較して、自己インダクタンス係数を、８０％以上増加させることができ、ＰＣＢ及びモータが小型化され、材料コスト及び消費電力が低減される。

[0034] 以上は、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の範囲は、上記に例示した実施形態に限定されるものではなく、当業者は、明らかに、本発明によって開示される技術範囲内で技術を得ることができる。方法の簡単な変形又は均等な代替は、全て、本発明の範囲内である。

１ モータ
１０ 基板
１１ 第１の面
１２ 第２の面
１３ 第１の貫通穴
１４ 第２の貫通穴
１５ 挿入穴
２０ インダクタ
２１ 磁気コア
２２ 導電トレース
３０ コンデンサ
３１ 取付ブラケット／キャッチアーム
１００ プリント回路板（ＰＣＢ）
２００ ロータ
２１０ 上部磁気コア
２１１ 底板
２１２ 側方脚部
２１３ 中央脚部
２１４ 凹部
２１５ 下部磁気コア
３００ ステータ
４００ 支持部材
４１０ 固定ポスト
５００ コネクタ
６００ 底部カバー

Claims (13)

1. 基板及びインダクタを備えるプリント回路板であって、第１の貫通穴が、前記基板に形成され、前記インダクタは、中央脚部を有する磁気コアを備え、前記中央脚部は、前記第１の貫通穴を貫通し、前記プリント回路板の少なくとも１つの導電層上の導電トレースが、前記第１の貫通穴を螺旋状に取り囲んで、前記インダクタの導電コイルを形成することを特徴とするプリント回路板。
2. 前記磁気コアは、上部磁気コアを備え、前記上部磁気コアは、底板と、前記底板に対して垂直な２つの側方脚部とを備え、前記２つの側方脚部は、前記底板の両端に配設され、前記中央脚部は、前記底板の中央部に配設されることを特徴とする、請求項１に記載のプリント回路板。
3. 前記中央脚部に対向する前記側方脚部の側壁は、円弧状の凹部を有することを特徴とする、請求項２に記載のプリント回路板。
4. 前記上部磁気コアは、Ｅ字状であることを特徴とする、請求項２に記載のプリント回路板。
5. 前記２つの側方脚部が貫通するための２つの第２の貫通穴が、前記基板に形成されることを特徴とする、請求項２に記載のプリント回路板。
6. 前記磁気コアは、更に、前記上部磁気コアに対向して配設される下部磁気コアを備え、前記上部及び下部磁気コアは、それぞれ、前記基板の両面に配設され、前記下部磁気コアは、前記上部磁気コアの前記側方脚部と接触しており、間隙が、前記下部磁気コアと前記上部磁気コアの前記中央脚部との間に形成されることを特徴とする、請求項５に記載のプリント回路板。
7. 前記第１の貫通穴を取り囲む前記導電トレースは、螺旋形状を有し、前記２つの第２の貫通穴の間に配設され、前記導電トレースの両端は、はんだ接合部なしで、前記プリント回路板の他の導電トレースに電気的に接続されることを特徴とする、請求項５に記載のプリント回路板。
8. 導電層上の前記導電トレースの一端は、バイアを介して、前記プリント回路板の別の導電層上の前記導電トレースに電気的に接続されることを特徴とする、請求項７に記載のプリント回路板。
9. 前記磁気コアを製造するための材料は、Ｆｅ₂Ｏ₃、Ｍｎ₃Ｏ₄、ＺｎＯを含むことを特徴とする、請求項１に記載のプリント回路板。
10. 更に、取付ブラケットによって前記基板に取り付けられる少なくとも１つのコンデンサを備え、前記取付ブラケットは、前記コンデンサに係合するための少なくとも１つのキャッチアームを備えることを特徴とする、請求項１に記載のプリント回路板。
11. ステータと、ロータと、請求項１乃至１０のいずれか一項に記載のプリント回路板とを備えることを特徴とするモータ。
12. 更に、支持部材及び底部カバーを備え、前記ステータは、前記支持部材の一方の側に固定され、前記底部カバーは、前記支持部材の反対の側に固定され、前記底部カバー及び前記支持部材の底端は、一緒に、収容空間を形成し、前記プリント回路板は、前記収容空間に収容されることを特徴とする、請求項１１に記載のモータ。
13. 凹部が、前記プリント回路板に対向して前記支持部材に形成されて、電子部品を収容するようになっており、放熱フィンが、前記ステータに向かって前記支持部材に形成されることを特徴とする、請求項１２に記載のモータ。