<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図13に基づいて説明する。
本実施形態の冷暖房機能付きヒートポンプ給湯機1(冷暖房機能付き貯湯式給湯機1に相当)全体の回路構成を図1に示す。
図1において、本実施形態のヒートポンプ給湯機1は、貯湯タンク2を備えた貯湯ユニット100と、エアコン室外機としての室外機ユニット300と、エアコン室内機としての室内機ユニット200と、熱交換ユニット400と、ヒートポンプユニット500と、を有している。
前記熱交換ユニット400は、冷媒を流通させる冷媒側の流路15bと水側の流路15aとを有し、高温高圧の冷媒と貯湯タンク2内の湯水とを熱交換する水冷媒熱交換器15と、沸上ポンプ19と、を備えている。すなわち、前記水冷媒熱交換器15の前記水側の流路15aと前記貯湯タンク2とが湯水配管としての加熱往き管5及び加熱戻り管6によって環状に接続され、前記貯湯ユニット100及び熱交換ユニット400内で湯水循環回路としての加熱循環回路4が形成されている。
加熱往き管5は、配管5a、配管5b(低温水取り出し管に相当)、配管5c(中温水取り出し管に相当)、配管5d(中温水取り出し管に相当)を備えており、配管5b,5cは、混合弁10E(制御弁に相当)を介し、配管5aから分岐して接続されている。前記混合弁10Eの詳細は後述する。また、前記配管5bは前記貯湯タンク2の下部に接続され、前記配管5cは、前記貯湯タンク2の高さ方向中間部に接続された、中温水取り出し用の前記配管5dに接続されている。
加熱戻り管6は、配管6a、配管6b、配管6c、配管6d、配管6eを備えており、配管6b,6cは、三方弁10Cを介し、配管6aから分岐して接続されている。前記配管6bは前記貯湯タンク2の上部に接続され、前記配管6d,6eが、三方弁10Dを介し、前記配管6cから分岐して接続されている。配管6dは、前記貯湯タンク2の高さ方向中間部に接続されており、配管6eは、前記貯湯タンク2の下部に接続されて貯湯タンク2に水を給水する給水管7に接続されている。給水管7からは給水バイパス管9が分岐して設けられている。
前記沸上ポンプ19は、前記配管5aの途中に設けられ、前記水側の流路15aを介し前記加熱往き管5からの湯水を前記加熱戻り管6へ流通させつつ、貯湯タンク2の湯水を循環させる。なお、前記加熱往き管5には、前記水冷媒熱交換器15の前記水側の流路15aに流入する入水温度T1(湯水の入口温度)を検出する入水温度センサ23が設けられ、前記加熱戻り管6には、前記水側の流路15aから前記貯湯タンク2に向かって流出する沸上温度Tbを検出する沸上温度センサ24が設けられている。
前記貯湯タンク2の上部にはまた、貯湯されている高温水を出湯する出湯管8に備えられた配管8aが接続されている。出湯管8は、配管8aの他に配管8b,8cを備えており、配管8a及び配管8bが混合弁10Bを介し配管8cへと合流するように接続されている。配管8bは、前記配管5dに接続されており、配管5dから取り出された中温水を前記混合弁10Bへ導く。混合弁10Bは、配管8aからの高温水と配管8bからの中温水を所望の割合(混合比)で混合し、配管8cへと導出する。また、配管8cと前記給水バイパス管9とは、混合弁10Aを介し出湯管11へ合流するように接続されている。出湯管11には、混合弁10Aで混合後の給湯温度を検出する給湯温度センサ37が設けられている。混合弁10Aは、給湯温度センサ37の検出結果に基づき、前記配管8cからの湯水と前記給水バイパス管9からの水とを混合して給湯設定温度の湯とする。
なお、貯湯タンク2の側面には、貯湯タンク2内の湯水の温度(貯湯温度)をそれぞれ検出し前記湯水の加熱状況(言い替えれば貯湯状況)を検知するための貯湯温度センサ12が上下にわたり複数設けられている。
一方、前記水冷媒熱交換器15において前記貯湯タンク2内の湯水と熱交換(詳細は後述)可能な冷媒循環回路30(後述の冷媒配管18、冷媒配管25、冷媒配管26を含む)が、前記熱交換ユニット400、前記室外機ユニット300、及び前記室内機ユニット200にわたって設けられている。
すなわち、前記室外機ユニット300においては、冷媒を圧縮する圧縮機14と、四方弁31と、前記冷媒と外気との熱交換により凝縮器又は蒸発器として選択的に機能(詳細は後述)するヒートポンプ熱交換器としての室外熱交換器17とが、前記冷媒配管18によって接続されている。なお、室外熱交換器17には、前記室外熱交換器17に外気を通じるための室外ファン67が設けられている。
詳細には、前記冷媒配管18は、圧縮機14の吐出側となる配管部18aと、前記圧縮機14の吸入側となる配管部18cと、通常暖房運転時(後述の図9等)において前記四方弁31を介し前記配管部18aに接続される配管部18bとを含んでいる。また前記冷媒配管18は、後述する通常暖房運転時における前記室外熱交換器17の圧縮機14側を前記四方弁31を介し前記配管部18cに接続する配管部18d,18eと、前記室外熱交換器17の反圧縮機14側に接続される配管部18fと、を含んでいる。前記配管部18eは、二方弁122を備えており、前記配管部18fは、第1開閉弁としての全閉機能付きの膨張弁113を備えている。
前記四方弁31は4つのポートを備える弁であり、前記冷媒配管18のうち(冷媒主経路を構成する)前記配管部18b,18d用の2つのポートのそれぞれに対して、残りの前記配管部18a,18c用の2つのポートのいずれを連通するかを切り替える。前記配管部18a,18c用の2つのポートどうしは、ループ状に配置された前記配管部18a,18cからなる冷媒副経路によって接続されており、この冷媒副経路上に前記圧縮機14が設けられている。例えば四方弁31は、後述する図9等の状態に切り替えられた場合(以下適宜、「暖房側への切替」等と称する)は、前記圧縮機14の吐出側である前記配管部18aを(後述の室内熱交換器27の入口側である)前記配管部18bに連通させ、後述する図7等の通常冷房運転の状態に切り替えられた場合(以下適宜、「冷房側への切替」等と称する)は、前記配管部18aを前記室外熱交換器17側である前記配管部18d,18eに連通させる。
一方、前記熱交換ユニット400においては、前記冷媒の流路となる冷媒配管25が備えられており、前記水冷媒熱交換器15の前記冷媒側の流路15bが、前記冷媒配管25に接続されている。
詳細には、前記冷媒配管25は、前記配管18dと前記水冷媒熱交換器15(詳細には前記冷媒側の流路15b)の一方側とを接続する配管部25aと、前記水冷媒熱交換器15(詳細には前記冷媒側の流路15b)のうち前記配管部25aの反対側である他方側と前記配管18fとを接続する配管部25bと、を含んでいる。前記配管部25aは、前記四方弁31と前記水冷媒熱交換器15の前記一方側とを開閉可能な第2開閉弁としての二方弁121を備えており、前記配管部25bは全閉機能付きの膨張弁111を備えている。
そして、前記熱交換ユニット400と前記室外機ユニット300とに跨るように、バイパス回路600が設けられている。このバイパス回路600は、前記配管部25aのうち、前記水冷媒熱交換器15の前記冷媒側の流路15bと前記二方弁121との間の分岐部P1と、前記配管部18fのうち、前記膨張弁113と前記室外熱交換器17との間の分岐部P2との間を接続している。また、バイパス回路600の途中には、全開機能付きの膨張弁610が設けられている。
一方、前記室内機ユニット200においては、前記冷媒の流路となる冷媒配管26が備えられており、前記冷媒と室内空気との熱交換により凝縮器又は蒸発器として選択的に機能(詳細は後述)する室内熱交換器27が前記冷媒配管26に接続されている。なお、室内熱交換器27には、前記室内熱交換器27に室内空気を通じるための室内ファン77が設けられている。
詳細には、前記冷媒配管26は、前記配管18bに連通して設けられ、前記室内熱交換器27のうち通常暖房運転時等における入口側(後述の図9等参照)に接続される配管部26aと、前記室内熱交換器27の通常暖房運転時等における出口側(後述の図9等参照)を前記配管18fに接続する配管部26bと、を含んでいる。
また、前記ヒートポンプユニット500は、冷媒を流通させる冷媒側の流路115bと水側の流路115aとを有し、高温高圧の冷媒と貯湯タンク2内の湯水とを熱交換可能な水冷媒熱交換器115と、沸上ポンプ119と、を備えている。すなわち、前記加熱往き管5の配管5aに設けた三方弁10Fから分岐して設けられた配管105aが前記水冷媒熱交換器115の前記水側の流路115aの一方側(図示下側)と接続されるとともに、前記加熱戻り管6の配管6aから分岐して設けられた配管106aが前記水側の流路115aの他方側(図示上側)に接続されており、これら配管106a,105aによって前記ヒートポンプユニット500内で湯水循環回路としての加熱循環回路104が形成されている。前記沸上ポンプ119は、前記配管105aの途中に設けられ、前記水側の流路115aを介し前記加熱往き管5からの湯水を前記加熱戻り管6へ流通させつつ、貯湯タンク2の湯水を循環させることができる。
また、ヒートポンプユニット500には、前記水冷媒熱交換器115において前記貯湯タンク2内の湯水と熱交換可能な冷媒循環回路130が設けられている。すなわち、前記冷媒循環回路130において、冷媒を圧縮する圧縮機114と、前記冷媒と外気との熱交換により凝縮器又は蒸発器として選択的に機能する室外熱交換器117と、膨張弁123とが、前記冷媒配管118によって接続されている。なお、室外熱交換器117には、前記室外熱交換器117に外気を通じるための室外ファン167が設けられている。
ここで、前記冷媒循環回路30,130内には、冷媒として例えばR32冷媒が用いられ、ヒートポンプサイクルを構成している。なお、冷媒はHFC冷媒やHFO冷媒、二酸化炭素冷媒であってもよい。そして、前記冷媒配管18において、前記配管部18aには、圧縮機14から吐出される冷媒吐出温度Toutを検出する吐出温度センサ20が設けられ、前記配管部18cには、圧縮機14へ吸入される冷媒の冷媒吸入温度Tinを検出する吸入温度センサ32が設けられている。なお、前記室外熱交換器17には、外気温度Tairを検出する外気温度センサ22と、前記室外熱交換器17における蒸発冷媒温度を検出する冷媒温度センサ35とが設けられている。これらのセンサ20,32,22,35の検出結果は、室外機ユニット300に設けられた室外機制御部410に入力され、さらに適宜、貯湯ユニット100に設けられた貯湯制御部420や室内機ユニット200に設けられた室内機制御部430や熱交換ユニット400に設けた熱交換制御部440やヒートポンプユニット500に設けたヒーポン制御部450へも入力される(室外機制御部410を介し受信しても良いし、センサ20,32,22,35から直接受信してもよい)。
また、前記熱交換ユニット400の前記冷媒配管25において、前記配管部25bには、前記冷媒側の流路15bから流出し前記膨張弁111に向かう冷媒流出温度T2を検出する流出温度センサ21が設けられている。なお、前記水冷媒熱交換器15には、前記冷媒が前記冷媒側の流路15bにおいて凝縮する際の冷媒凝縮温度を検出する凝縮温度センサ33が設けられている。これらのセンサ21,33の検出結果は、熱交換ユニット400に設けられた前記熱交換制御部440に入力され、さらに適宜、前記室外機制御部410や前記室内機制御部430や前記貯湯制御部420や前記ヒーポン制御部450へも入力される(熱交換制御部440を介し受信しても良いし、センサ21,33から直接受信してもよい)。
また、室内機ユニット200の前記冷媒配管26において、前記室内熱交換器27には、空調対象空間の室内温度Tr(室内空気の実室温に相当)を検出する室内温度センサ34が設けられている。このセンサ34の検出結果は、室内機ユニット200に設けられた室内機制御部430に入力され、さらに適宜、前記室外機制御部410や前記貯湯制御部420や前記熱交換制御部440や前記ヒーポン制御部450へも入力される(室内機制御部430を介し受信しても良いし、センサ34から直接受信してもよい)。
そして、前記貯湯ユニット100の前記貯湯制御部420、前記熱交換ユニット400の前記熱交換制御部440、前記室外機ユニット300の前記室外機制御部410、前記室内機ユニット200の前記室内機制御部430、及び、前記ヒートポンプユニット500の前記ヒーポン制御部450は、互いに通信可能に接続されており、前記各センサの検出結果に基づき、相互に連携しつつ、前記貯湯ユニット100、前記熱交換ユニット400、前記室外機ユニット300、前記室内機ユニット200、前記ヒートポンプユニット500内の各機器・アクチュエータの動作を制御する。
このとき、前記室内機ユニット200は、リモコン等の適宜の操作部60(以下単に「リモコン60」と称する)によって操作可能である。すなわち、リモコン60は、例えば前記室内機制御部430に対し情報送受信可能に接続されており、ユーザは、このリモコン60を適宜に手動操作することにより、いずれの運転を行うかの運転指示、すなわち、大気排熱の冷房運転(以下適宜、「通常冷房運転」等という)、排熱利用給湯の冷房運転(以下適宜、「排熱利用給湯運転」等という)、大気吸熱の暖房運転(以下適宜、「通常暖房運転」等という)、貯湯熱利用・大気吸熱による除霜を暖房サイクルにて行う暖房運転(以下適宜、「暖房サイクル除霜アシスト運転」等という)、前記水冷媒熱交換器15での冷媒からの受熱により加温された湯水を前記貯湯タンク2へ給湯する沸上運転(以下適宜、「暖房沸上運転」等という)等のいずれを行うかを指示することができる。これらのリモコン60からの指示内容は、室内機ユニット200に設けられた前記室内機制御部430に入力され、さらに適宜、前記室外機制御部410や前記熱交換制御部440や前記貯湯制御部420やヒーポン制御部450へも入力される(室内機制御部430を介し受信しても良いし、リモコン60から直接受信してもよい)。
<室外機制御部>
次に、前記室外機ユニット300に備えられた前記室外機制御部410について説明する。室外機制御部410は、詳細な図示を省略するが、各種のデータやプログラムを記憶する記憶部と、演算・制御処理を行う制御部とを備えている。この室外機制御部410の機能的構成を図2により説明する。
図2に示すように、前記室外機制御部410は、四方弁制御部410Aと、圧縮機制御部410Bと、膨張弁制御部410Cと、室外ファン制御部410Dと、二方弁制御部410Eと、を機能的に備えている。
四方弁制御部410Aには、前記リモコン60により指示された、いずれの運転を行うかの運転指示と、前記貯湯温度センサ12により検出された前記貯湯温度とが入力される。
四方弁制御部410Aは、前記運転指示と、前記貯湯温度に対応した前記湯水の加熱状況(貯湯状況)とに応じて、実際にヒートポンプ給湯機1をどのような運転態様(前記の通常冷房運転、排熱利用給湯運転、通常暖房運転、暖房サイクル除霜アシスト運転)で運転するかを決定し、対応する運転情報を、前記圧縮機制御部410B、膨張弁制御部410C、室外ファン制御部410D、二方弁制御部410E、及び、貯湯制御部420、室内機制御部430、熱交換制御部440、ヒーポン制御部450に出力する。また四方弁制御部410Aは、上記決定された運転態様に対応する開閉信号を四方弁31へ出力し、四方弁31を切り替える(詳細な制御内容は後述)。
圧縮機制御部410Bには、前記外気温度センサ22により検出された前記外気温度Tairと、前記室内温度センサ34により検出された前記室内温度Trと、前記リモコン60により設定されたエアコン設定温度Tcon(目標室温に相当)とが入力される(直接入力される場合のほか、前記の間接的な入力も含む。以下同様)。圧縮機制御部410Bは、前記のようにして四方弁制御部410Aから入力される前記運転情報に応じて、入力された前記の温度及び設定のうち少なくとも1つに基づき、前記圧縮機14の回転数を制御する(回転数制御値を圧縮機14へ出力する)。なおこのときの圧縮機14の前記回転数制御値は、後述の貯湯制御部420にも出力される。
膨張弁制御部410Cには、前記吐出温度センサ20により検出された前記冷媒吐出温度Toutと、前記流出温度センサ21により検出された前記冷媒流出温度T2と、前記吸入温度センサ32により検出された前記冷媒吸入温度Tinとが入力される。膨張弁制御部410Cは、前記四方弁制御部410Aからの前記運転情報に応じて、前記の入力された温度のうち少なくとも1つに基づき、前記膨張弁113の開度を制御する(詳細な制御内容は後述)。
二方弁制御部410Eは、前記四方弁制御部410Aからの前記運転情報に応じて、前記二方弁122の開閉を制御する(詳細な制御内容は後述)。
室外ファン制御部410Dには、前記外気温度センサ22により検出された前記外気温度Tairが入力される。室外ファン制御部410Dは、前記四方弁制御部410Aからの前記運転情報に応じて、前記外気温度Tairに基づき、前記室外ファン67の回転数を制御する(詳細な制御内容は後述)。
なお、前記運転態様の決定は、貯湯制御部420や室内機制御部430や熱交換制御部440やヒーポン制御部450で行っても良い。この場合は、それら貯湯制御部420や室内機制御部430や熱交換制御部440やヒーポン制御部450から、決定された運転態様に対応した前記運転情報が室外機制御部410に入力され、その入力された運転情報に応じて四方弁制御部410A、圧縮機制御部410B、膨張弁制御部410C、室外ファン制御部410D、二方弁制御部410Eが各種制御を行う。
<熱交換制御部>
次に、前記熱交換ユニット400に備えられた前記熱交換制御部440について説明する。熱交換制御部440は、前記室外機制御部410同様、記憶部と制御部とを備えており、その機能的構成を図3により説明する。
図3に示すように、前記熱交換制御部440は、ポンプ制御部440Aと、膨張弁制御部440Bと、二方弁制御部440Cとを機能的に備えている。
ポンプ制御部440Aには、前記室外機制御部410からの前記運転情報と、前記沸上温度センサ24により検出された前記沸上温度Tbとが入力される。ポンプ制御部440Aは、前記のようにして室外機制御部410から入力される前記運転情報に応じて、入力された前記沸上温度Tbに基づき、前記沸上ポンプ19の回転数を制御する。
膨張弁制御部440Bには、前記室外機制御部410からの前記運転情報と、前記外気温度センサ22により検出された前記外気温度Tairと、前記室外機制御部410の前記圧縮機制御部410Bから入力された前記圧縮機14の回転数(制御値。但し公知の手法で検出された実際の圧縮機14の回転数を入力しても良い)と、前記流出温度センサ21により検出された前記冷媒流出温度T2と、前記吸入温度センサ32により検出された前記冷媒吸入温度Tinと、前記吐出温度センサ20により検出された前記冷媒吐出温度Toutとが入力される。膨張弁制御部440Bは、前記室外機制御部410からの前記運転情報に応じて、前記の入力された温度や回転数のうち少なくとも1つに基づき、前記膨張弁1110,610の開閉や開度を制御する(詳細な制御内容は後述)。
二方弁制御部440Cには、前記室外機制御部410からの前記運転情報が入力される。二方弁制御部440Cは、前記運転情報に基づき、前記二方弁121の開閉動作を制御する(詳細な制御内容は後述)。
なお、前記と同様、運転態様の決定を、熱交換制御部440内(例えば前記二方弁制御部440C)や室内機制御部430や貯湯制御部420やヒーポン制御部450で行っても良い。この場合は、それら二方弁制御部440Cや室内機制御部430や貯湯制御部420やヒーポン制御部450で決定した運転態様に対応する運転情報に応じて、ポンプ制御部440A、膨張弁制御部440Bが各種制御を行う。
<室内機制御部>
次に、前記室内機ユニット200に備えられた前記室内機制御部430について説明する。室内機制御部430は、前記室外機制御部410及び熱交換制御部440同様、記憶部と制御部とを備えており、その機能的構成を図4により説明する。
図4に示すように、前記室内機制御部430は、室内ファン制御部430Aを機能的に備えている。室内ファン制御部430Aには、前記室外機制御部410からの前記運転情報と、前記室内温度センサ34により検出された前記室内温度Trと、前記リモコン60により設定された前記エアコン設定温度Tconとが入力される。室内ファン制御部430Aは、前記室外機制御部410からの前記運転情報に応じて、前記室内温度Tr及びエアコン設定温度Tconに基づき、前記室内ファン77の回転数を制御する。
なお、前記と同様、運転態様の決定を、室内機制御部430内や熱交換制御部440や貯湯制御部420やヒーポン制御部450で行っても良い。この場合は、それら室内機制御部430や熱交換制御部440や貯湯制御部420やヒーポン制御部450で決定した運転態様に対応する運転情報に応じて、室内ファン制御部430Aが前記制御を行う。
<貯湯制御部>
次に、前記貯湯ユニット100に備えられた前記貯湯制御部420について説明する。貯湯制御部420は、前記室外機制御部410、熱交換制御部440、室内機制御部430と同様、記憶部と制御部とを備えており、その機能的構成を図5により説明する。
図5に示すように、前記貯湯制御部420は、取り出し制御部420A(取り出し温度決定手段、弁制御手段に相当)と、戻し制御部420Bと、温度制御部420Cと、を機能的に備えている。
取り出し制御部420Aには、前記水冷媒熱交換器15の入水温度センサ23からの入水温度T1(湯水の入口温度)と、前記室外機制御部410からの圧縮機14の回転数(制御値)と、前記室外機制御部410からの前記運転情報と、前記貯湯温度センサ12により検出された前記貯湯温度とが入力される。取り出し制御部420Aは、前記室外機制御部410からの前記運転情報と、前記貯湯温度に対応した前記湯水の加熱状況(貯湯状況)とに応じて前記混合弁10Eの開度を適宜に制御する。この混合弁10Eは、貯湯タンク2から前記配管5bを介し導入された湯水と貯湯タンク2から前記配管5d,5cを介し導入された湯水とを所望の割合で混合可能に構成されている。
戻し制御部420Bには、前記室外機制御部410からの前記運転情報と、前記貯湯温度センサ12により検出された前記貯湯温度とが入力される。戻し制御部420Bは、前記室外機制御部410からの前記運転情報と、前記貯湯温度に対応した前記湯水の加熱状況(貯湯状況)とに応じて三方弁10C,10Dの開度を適宜に制御する。これにより、水冷媒熱交換器15において熱交換を行った後の湯水を、配管6c,6eを介して貯湯タンク2の下部へ戻すのか、若しくは、配管6c,6dを介して貯湯タンク2の中間部へ戻すのか、若しくは、配管6b介して貯湯タンク2の上部へ戻すのか、等が制御される。
温度制御部420Cには、前記室外機制御部410からの前記運転情報と、前記貯湯温度センサ12により検出された前記貯湯温度と、給湯温度センサ37により検出された給湯温度と、が入力される。温度制御部420Cは、前記室外機制御部410からの前記運転情報と、前記貯湯温度に対応した前記湯水の加熱状況(貯湯状況)とに応じて、前記給湯温度センサ37からの前記給湯温度が、前記給湯設定温度となるように、混合弁10A,10Bの開度を適宜に制御する。
なお、前記と同様、運転態様の決定を、貯湯制御部420内や熱交換制御部440や室内機制御部430やヒーポン制御部450で行っても良い。この場合は、それら貯湯制御部420や熱交換制御部440や室内機制御部430で決定した運転態様に対応する運転情報に応じて、取り出し制御部420A、戻し制御部420B、温度制御部420Cが前記制御を行う。
<ヒーポン制御部>
次に、前記ヒートポンプユニット500に備えられた前記ヒーポン制御部450について説明する。ヒーポン制御部450は、前記室外機制御部410、熱交換制御部440、室内機制御部430、貯湯制御部420と同様、記憶部と制御部とを備えており、その機能的構成を図6により説明する。
図6に示すように、前記ヒーポン制御部450は、ポンプ制御部450Aと、圧縮機制御部450Bと、膨張弁制御部450Cと、室外ファン制御部450Dと、を機能的に備えている。
ポンプ制御部450Aには、前記室外制御部410からの前記運転情報と、前記水冷媒熱交換器115の水側の流路115aの出口側に設けられた温度センサ(図示せず)からの出口温度とが入力される。ポンプ制御部450Aは、前記のようにして入力される前記運転情報に応じて、入力された前記の温度及び設定のうち少なくとも1つに基づき、前記沸上ポンプ119の回転数を制御する。
圧縮機制御部450Bには、前記室外機制御部410からの前記運転情報と、前記外気温度センサ22により検出された前記外気温度Tairとが入力される。圧縮機制御部450Bは、前記のようにして入力される前記運転情報に応じて、入力された前記の温度及び設定のうち少なくとも1つに基づき、前記圧縮機114の回転数を制御する。
膨張弁制御部450Cには、前記室外機制御部410からの前記運転情報と、前記圧縮機114の吐出側に設けられた吐出温度センサ20(図示せず)により検出された前記冷媒吐出温度とが入力される。膨張弁制御部450Cは、前記運転情報に応じて、前記の入力された温度のうち少なくとも1つに基づき、前記膨張弁123の開度を制御する。
室外ファン制御部450Dには、前記室外機制御部410からの前記運転情報と、前記外気温度センサ22により検出された前記外気温度Tairが入力される。室外ファン制御部450Dは、前記運転情報に応じて、前記外気温度Tairに基づき、前記室外ファン167の回転数を制御する。
なお、前記と同様、運転態様の決定を、ヒーポン制御部450内や貯湯制御部420や室内機制御部430や熱交換制御部440で行っても良い。この場合は、それらヒーポン制御部450や貯湯制御部420や室内機制御部430や熱交換制御部440で決定した運転態様に対応した前記運転情報に応じて、圧縮機制御部450B、膨張弁制御部450C、室外ファン制御部450Dが前記制御を行う。
ヒーポン制御部450は、上記圧縮機制御部450B、膨張弁制御部450C、室外ファン制御部450Dの制御により、前記水冷媒熱交換器15における前記熱交換が行われない場合であっても(若しくは当該水冷媒熱交換器15における前記熱交換の実行と併せて)、貯湯タンク2内の湯水を加熱して供給する沸上運転等を実行することができる。
ここで、前記したように、本実施形態のヒートポンプ給湯機1では、通常冷房運転、排熱利用給湯運転、通常暖房運転、暖房サイクル除霜アシスト運転、暖房沸上運転等の各種類の運転を選択的に実行することができる。以下、各運転の詳細を順次説明する。
<通常冷房運転>
まず、図7を用いて、通常冷房運転について説明する。この図7に示す通常冷房運転時においては、前記四方弁制御部410Aにより、前記四方弁31は、前記配管部18aを前記配管部18dに連通させると共に前記配管部18cを前記配管部18bに連通させる位置(前記した冷房側)に切り替えられる。また前記二方弁制御部410E,440Cにより、二方弁122が開き状態、二方弁121が閉じ状態に切り替えられる。さらに前記膨張弁制御部410C,440Bにより、膨張弁113が適宜の開度に調整された状態、膨張弁111が全閉状態、膨張弁610が全閉状態に制御される。
この結果、圧縮機14の吐出側の配管部18a→配管部18d→配管部18e(二方弁122)→室外熱交換器17→配管部18f(膨張弁113)→配管部26b→室内熱交換器27→配管部26a→配管部18b→圧縮機14の吸入側の配管部18cの冷媒経路が形成される。
これにより、低温・低圧で吸入されたガス状態の冷媒が前記圧縮機14で圧縮されて高温・高圧のガスとなった後、室外ファン67の回転駆動とともに凝縮器として機能する前記室外熱交換器17において外気と熱交換を行って熱を放出しながら高圧の液体に変化する。この液体となった冷媒は前記膨張弁113において適宜に減圧されて低温・低圧の液体となって蒸発しやすい状態となり、室内ファン77の回転駆動とともに蒸発器として機能する前記室内熱交換器27において室内空気から吸熱して蒸発しガスに変化することで空調対象空間を冷却し、低温・低圧のガスとして再び圧縮機14へと戻る。
<排熱利用給湯運転>
次に、図8を用いて、排熱利用給湯運転について説明する。この図8に示す排熱利用給湯運転時(排熱利用冷房モードに相当)においては、前記四方弁制御部410Aにより、前記通常冷房運転時と同様、前記四方弁31は、前記冷房側に切り替えられる。また前記二方弁制御部410E,440Cにより、二方弁122が閉じ状態、二方弁121が開き状態に切り替えられる。さらに前記膨張弁制御部410C,440Bにより、前記膨張弁113が全閉状態、前記膨張弁111が適宜の開度に調整された状態、に制御される。
この結果、圧縮機14の吐出側の配管部18a→配管部18d→配管部25a(二方弁121)→水冷媒熱交換器15→配管部25b(膨張弁111)→配管部26b→室内熱交換器27→配管部26a→配管部18b→圧縮機14の吸入側の配管部18cの冷媒経路が形成される。
これにより、低温・低圧で吸入されたガス状態の冷媒が前記圧縮機14で圧縮されて高温・高圧のガスとなった後、凝縮器として機能する前記水冷媒熱交換器15の前記冷媒側の流路15bにおいて熱を放出しながら高圧の液体に変化する。こうして液体となった冷媒は前記膨張弁111において適宜に減圧されて低温・低圧の液体となって蒸発しやすい状態となり、室内ファン77の回転駆動とともに蒸発器として機能する前記室内熱交換器27において室内空気から吸熱して蒸発しガスに変化することで空調対象空間を冷却し、低温・低圧のガスとして再び圧縮機14へと戻る。
またこのとき、沸上ポンプ19が前記ポンプ制御部440Aの制御により回転することで、貯湯タンク2下部に接続された前記配管5bから取り出された低温水(未加熱水)が、水冷媒熱交換器15の前記水側の流路15aにおいて前記凝縮する冷媒から受熱して加熱された後、貯湯タンク2上部に接続された前記配管6bから貯湯タンク2内に戻されることで、貯湯タンク2内に順次高温水(加熱水)が積層状に貯湯される。以上の結果、夏期における冷房排熱を貯湯タンク2への湯水の加温(給湯)に活用することができる。
<通常暖房運転>
次に、図9を用いて、通常暖房運転について説明する。この図9に示す通常暖房運転時(通常暖房モードに相当)においては、前記四方弁制御部410Aにより、前記四方弁31は、前記配管部18aを前記配管部18bに連通させると共に前記配管部18cを前記配管部18dに連通させる位置(前記した暖房側)に切り替えられる。また前記二方弁制御部410E,440Cにより、二方弁122が開き状態、二方弁121が閉じ状態に切り替えられる。さらに前記膨張弁制御部410C,440Bにより、膨張弁113が適宜の開度に調整された状態、膨張弁111が全閉状態、膨張弁610が全閉状態に制御される。
この結果、圧縮機14の吐出側の配管部18a→配管部18b→配管部26a→室内熱交換器27→配管部26b→配管部18f(膨張弁113)→室外熱交換器17→配管部18e(二方弁122)→配管部18d→圧縮機14の吸入側の配管部18cの冷媒経路が形成される。
これにより、低温・低圧で吸入されたガス状態の冷媒が前記圧縮機14で圧縮されて高温・高圧のガスとなった後、凝縮器として機能する室内熱交換器27において室内空気と熱交換を行って熱を放出し空調対象空間を加熱しながら高圧の液体に変化する。こうして液体となった冷媒は前記膨張弁113において減圧されて低温・低圧の液体となって蒸発しやすい状態となり、蒸発器として機能する前記室外熱交換器17において外気と熱交換を行って蒸発してガスに変化することで吸熱し、低温・低圧のガスとして再び圧縮機14へと戻る。
<暖房サイクル除霜アシスト運転>
次に、図10を用いて、暖房サイクル除霜アシスト運転について説明する。この図10に示す暖房サイクル除霜アシスト運転時(除霜暖房モードに相当)においては、前記四方弁制御部410Aにより、前記通常暖房運転時等と同様、前記四方弁31は、前記暖房側に切り替えられる。また前記二方弁制御部410E,440Cにより、前記と同様、二方弁122が開き状態、二方弁121が閉じ状態に切り替えられる。さらに前記膨張弁制御部410C,440Bにより、前記膨張弁113が全閉状態、前記膨張弁111が全開状態、前記膨張弁610が全開状態に制御される。
この結果、圧縮機14の吐出側の配管部18a→配管部18b→配管部26a→室内熱交換器27→配管部26b→配管部25b(膨張弁111)→水冷媒熱交換器15→バイパス回路600(膨張弁610)→室外熱交換器17→配管部18e(二方弁122)→配管部18d→圧縮機14の吸入側の配管部18cの冷媒経路が形成される。
これにより、低温・低圧で吸入されたガス状態の冷媒が前記圧縮機14で圧縮されて高温・高圧のガスとなった後、凝縮器として機能する室内熱交換器27において室内空気と熱交換を行って熱を放出し高圧の液体に変化することで空調対象空間を加熱した後、蒸発器あるいは吸熱器として機能する前記水冷媒熱交換器15の前記冷媒側の流路15bにおいて蒸発してガスに変化する、あるいは吸熱することで、前記水側の流路15aを流れる貯湯タンク2からの温水から吸熱する。その後、さらに凝縮器として機能する前記室外熱交換器17において熱を放出することで、例えば前記通常暖房運転時において室外熱交換器17に生じた着霜を溶解させ、除霜をアシストする。こうして温度低下した冷媒は、再び圧縮機14へと戻る。
すなわちこの場合、蒸発器としての水冷媒熱交換器15と凝縮器としての室外熱交換器17とがこの順で直列に接続されることとなる。このとき、沸上ポンプ19が前記ポンプ制御部440Aの制御により回転することで、貯湯タンク2から取り出された湯水が、水冷媒熱交換器15の前記水側の流路15aにおいて前述のように放熱して前記冷媒を蒸発あるいは吸熱させた後、貯湯タンク2下部に接続された前記配管6eから貯湯タンク2内に戻される。
なお、前記運転態様において説明したように、本実施形態においては、前記四方弁31と、前記二方弁122,121と、前記膨張弁113,111,膨張弁610と、前記バイパス回路600と、これらを制御する前記室外機制御部410、前記貯湯制御部420、前記室内機制御部430、及び前記熱交換制御部440とが、各請求項記載のモード切替手段として機能する。
<実施形態の手法の概要>
以上のようにして、本実施形態においては、冷媒ガスの熱が室外熱交換器17において放熱されることで、前記の通常の暖房運転時において室外熱交換器17に生じた着霜を除霜することができる。
ここで、前記除霜処理を実行する際には、処理中の室内温度の低下による暖房感の低下を極力抑えるためにも、なるべく必要かつ十分な熱を貯湯タンク2側から受熱するようにして過不足なく除霜を行うことが好ましい。そのためには、加熱循環回路4側での湯水を、適切な量の熱を与えるための最適な温度とすることが重要である。
本願発明者等の検討によれば、貯湯タンク2からの湯水の取り出し温度が高いほど、前記除霜処理に要する時間が短く、また除霜処理時における室内熱交換器27における室内側への暖房能力も高くなることを知見した。これに対応して、本実施形態では、貯湯タンク2の下部に配管5bを接続するとともに上下方向中間部に配管5d,5cを接続し、それらの合流点に前記混合弁10Eが設けられている
一方、前記貯湯制御部420の前記取り出し制御部420A(図5参照)により、冷媒循環回路30側の暖房負荷の大小に応じて前記貯湯タンク2からの前記湯水の取り出し温度が決定される。そして、前記混合弁10Eは、その決定した取り出し温度に応じ、導出される湯水の温度(すなわち、前記入水温度センサ23で検出される入水温度T1)が当該取り出し温度となるように、前記取り出し制御部420Aによって前記混合比が制御される。
これにより、前記暖房負荷が大きく室内側へ必要な暖房能力が高いときには、例えば配管5d,5cからの湯水の割合を多くして前記取り出し温度を比較的高くし、冷媒循環回路30側がより大きな受熱を加熱循環回路4側から得られるようにすることができる。また逆に、前記暖房負荷が小さく室内側へ必要な暖房能力が低いときには、例えば配管5bからの湯水の割合を多くして前記取り出し温度を比較的低くすることで冷媒循環回路30側が必要以上の熱を無駄に加熱循環回路4側から受熱しないようにすることができる。
<具体的手法>
具体的には、本実施形態においては、通常暖房運転時の前記暖房負荷の大小に応じて、前記取り出し温度は15℃以上45℃以下の範囲内となるように、混合弁10Eにおける混合比が制御される。図11に、その具体的な制御内容の一例を示す。
図11に示すように、この例では、通常暖房運転時の暖房負荷が大きく圧縮機14の回転数が比較的高回転となっているときには、除霜処理時に必要な室内暖房能力が大きいことから、貯湯タンク2からの前記取り出し温度は取り出し制御部420Aによって約40℃に決定される(但し本願発明者等の検討によれば、35℃〜45℃の範囲内であれば問題ないことを知見した)。また、通常暖房運転時の暖房負荷がやや大きく圧縮機14の回転数が中回転となっているときには、除霜処理時に必要な室内暖房能力がやや大きいことから、貯湯タンク2からの前記取り出し温度は取り出し制御部420Aによって30℃に決定される(但し本願発明者等の検討によれば、25℃〜35℃の範囲内であれば問題ないことを知見した)。また、通常暖房運転時の暖房負荷が小さく圧縮機14の回転数が比較的低回転となっているときには、除霜処理時に必要な室内暖房能力が小さいことから、貯湯タンク2からの前記取り出し温度は取り出し制御部420Aによって20℃に決定される(但し本願発明者等の検討によれば、15℃〜25℃の範囲内であれば問題ないことを知見した)。なお、この図に示す3つの区分により制御するのではなく、さらにそれら各区分の間についても、暖房負荷の大小(圧縮機14の回転数の高低)に応じ、適宜の取り出し温度となるように細かく制御してもよい(後述の図13参照)。
<処理手順>
暖房サイクル除霜アシスト運転時における上記手法を実現するために、前記した室外機制御部410、貯湯制御部420、室内機制御部430、熱交換制御部440、ヒーポン制御部450によって実行される処理手順を、図12に示すフローチャートに基づき説明する。
図12において、まず、例えば室外機制御部410が、通常暖房運転中に、ヒートポンプ熱交換器17に多量の霜が付いたことを(公知の手法により)検知すると、暖房サイクル除霜アシスト運転の開始を指示し、ステップS10で、暖房サイクル除霜アシスト運転の開始が指示されたか否かを判定する。前記開始が指示されていなければこの判定は満たされず(S10:NO)、この判定が満たされるまでループ待機する。前記開始が指示されていればこの判定は満たされ(S10:YES)、ステップS20に移行する。
ステップS20では、室外機制御部410、貯湯制御部420、室内機制御部430、及び、熱交換制御部440が互いに連携して、前記暖房サイクル除霜アシスト運転を開始する。すなわち図10を用いて前記したように、それ以前の前記通常暖房運転時において室外熱交換器17に生じた着霜を溶解させる、前記除霜アシスト運転を開始する。その後、ステップS30に移る。
ステップS30では、貯湯制御部420の取り出し制御部420Aが、前記暖房負荷を表す圧縮機14の回転数(詳細には前記の回転数制御値)を取得する。
その後、ステップS40に移り、前記取り出し制御部420Aが、例えば前記図11のテーブルを参照しつつ、前記ステップS30で取得した圧縮機14の回転数に応じて、前記貯湯タンク2からの湯水の前記取り出し温度を決定する。
そして、ステップS50に移り、前記取り出し制御部420が、ステップS40で決定した前記取り出し温度となるように、前記混合弁10Eの開度を制御する。
その後、例えば室外機制御部410が、(公知の手法により)除霜が完了したことを検知すると、暖房サイクル除霜アシスト運転の終了を指示し、ステップS60において、暖房サイクル除霜アシスト運転の終了が指示されたか否かを判定する。前記終了が指示されていなければこの判定は満たされず(S60:NO)、この判定が満たされるまでループ待機する。前記終了が指示されていればこの判定は満たされ(S60:YES)、ステップS70に移行する。
ステップS70では、室外機制御部410、貯湯制御部420、室内機制御部430、及び、熱交換制御部440が互いに連携して、前記ステップS20で開始した暖房サイクル除霜アシスト運転を停止し、通常暖房運転に復帰し、このフローを終了する。
<実際の温度挙動の一例>
前記した本実施形態の手法を実行したときの、実際の室内空気の温度(室温)及び暖房負荷の経時挙動、並びに前記取り出し温度の経時挙動の一例を図13に示す。
図13において、通常暖房運転の立上がり時においては、低室温により暖房負荷が大きく除霜処理時に必要な室内暖房能力が大きいことから、図11を用いて前記したように貯湯タンク2からの前記取り出し温度は40℃となる。その後、運転が継続されて時間が経過し室温が徐々に上昇するにしたがい、暖房負荷が徐々に低下し暖房負荷(言い換えれば前記室内暖房能力)も小さくなる結果、貯湯タンク2からの前記取り出し温度も40℃から徐々に低下する。そして、室温が概ね上げ止まり(言い換えれば前記暖房負荷が下げ止まり)約20℃に達した状態になると、貯湯タンク2からの前記取り出し温度も20℃で下げ止まり、この状態で安定する。このように、前記暖房負荷の減少に応じて前記取り出し温度を徐々に低くすることで、冷媒循環回路30側が必要以上の熱を無駄に加熱循環回路4側から受熱しないようにすることができる。
<第1実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のヒートポンプ給湯機1によれば、冷媒ガスの熱が室外熱交換器17において放熱されることで、前記の通常の暖房運転時において室外熱交換器17に生じた着霜を除霜することができる。この結果、冬期における暖房運転時において、貯湯タンク2の湯水の熱を活用しつつ暖房運転を止めることなく除霜を行う、除霜処理を実現することができる。そしてこのとき、前記暖房負荷が大きいときには前記取り出し温度を比較的高くし冷媒循環回路30側がより大きな受熱を得られるようにするとともに、前記暖房負荷が小さいときには前記取り出し温度を比較的低くすることで冷媒循環回路30側が必要以上の熱を無駄に受熱しないようにすることができる。このように、室内熱交換器27側の放熱量の大小に応じた熱を貯湯タンク2側から受熱することで、暖房運転を止めずに過不足のない確実な除霜を行うことができる。また、沸上効率が低下する中温水を優先的に除霜に使用することにより、前記ヒートポンプユニット500において前記沸上運転を実行するときの沸上効率を向上させることができる。
また、本実施形態では特に、前記混合弁10Eは、低温水取り出し管5bからの低温水と中温水取り出し管5c,5dからの中温水を前記取り出し制御部420Aの制御に基づき適宜の混合比で混合する。これにより、最適な温度の湯水を精度よく生成し、水冷媒熱交換器15へ導出することができる。
また、本実施形態では特に、前記取り出し制御部420Aは、前記混合弁10Eから導出される湯水の温度が15℃以上45℃以下の範囲内となるように、前記混合弁10Eを制御する。これには以下のような意義がある。すなわち、通常、貯湯タンク2内へ湯水を(例えば前記ヒートポンプユニット500で行う前記沸上運転において)沸き上げる場合、沸上効率を比較的高くするために、60℃程度以上の比較的高温の湯水が生成される。それら高温水は前記貯湯タンク2の上部から供給されることで当該貯湯タンク2内の上部に貯留されており、出湯時に入浴やシャワーや手洗い等に使用される。一方、ユーザ使用時の出湯による前記高温水の減少やそれに伴う貯湯タンク2下部からの給水により、貯湯タンク2内の中間部や下部には、上記の用途に使用するのが難しい30℃〜45℃程度の中温水や15℃〜30℃程度の低温水が貯留されている。本実施形態によれば、15℃〜45℃の温度範囲であるその中温水や低温水を用いて前記水冷媒熱交換器15への湯水を生成することで、貯湯タンク2内の湯水の有効活用を図ることができるものである。
また、本実施形態では特に、前記除霜処理を行う前記暖房サイクル除霜アシスト運転(図10参照)とは別に、圧縮機14の吐出側→室内熱交換器27→室外熱交換器17→圧縮機14の吸入側の経路の冷凍サイクルを形成し大気からの吸熱を熱源とする、通常暖房運転(図9参照)を行うことができる。
また、本実施形態では特に、通常、暖房負荷の大小に対応して回転数が増減制御される圧縮機14の当該回転数に応じて、貯湯制御部420の取り出し制御部420Aが前記取り出し温度を決定する。暖房負荷を表す明確な指標を用いることで、室内熱交換器27側の放熱量の大小に応じた熱を精度よく貯湯タンク2側から受熱することができる。
なお、前記制御弁として、上記混合弁10Eに代えて、前記配管5b側若しくは前記配管5c側、に選択的に切替可能な切替弁を設けてもよい。前記取り出し制御部420Aは、この切替弁から導出される湯水の温度が前記取り出し温度に近い温度となるように、当該切替弁における切替を制御する。例えば前記暖房負荷が大きく室内側へ必要な暖房能力が高いときには、配管5d,5cのみから湯水を取り出すようにして前記取り出し温度を比較的高くし、冷媒循環回路側がより大きな受熱を湯水循環回路側から得られるようにすることができる。また逆に、前記暖房負荷が小さく室内側へ必要な暖房能力が低いときには、例えば配管5bのみから湯水を取り出すようにして前記取り出し温度を比較的低くすることができる。このようにして、配管5bからの低温水及び配管5c,5dからの中温水のいずれか一方が、選択的に水冷媒熱交換器15の水側の流路に導出され使用されるので、簡素な制御で好適な温度の湯水を生成し、水冷媒熱交換器15へ導出することができる。
またさらに、中温水を取り出すための前記配管5dを複数、互いに貯湯タンク2への接続箇所の高さ方向位置が異なるように設け、それら複数の配管5dを連通制御可能な複数の開閉弁を設けてもよい。この場合、前記取り出し制御部420Aがそれら複数の開閉弁のいずれか1つ(あるいは適宜の複数個でもよい)を適宜に開閉することにより、導出される湯水の温度が前記取り出し温度に近い温度となるように制御する。この場合も、簡素な制御で好適な温度の湯水を生成し、水冷媒熱交換器15へ導出することができる。
また、以上においては、前記取り出し制御部420Aは、前記暖房負荷を表す圧縮機14の回転数に応じて前記取り出し温度を決定したが、これに限られない。すなわち、前記暖房負荷そのものを表す、前記室内温度センサ34によって検出された前記室内温度Trと前記エアコン設定温度Tconとの偏差に応じて、前記取り出し温度を決定するようにしてもよい。この場合、も上記同様の効果を得る。
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態を図14及び図15に基づいて説明する。本実施形態は、前記第1実施形態における暖房サイクル除霜アシスト運転で使用されて貯湯タンク2内の湯水が消費されるのに対応し、加熱循環回路4側が水冷媒熱交換器15にて冷媒循環回路30側から受熱して加温した湯水を貯湯タンク2内へ供給する、暖房沸上運転(詳細は後述)を行うものである。上記第1実施形態及びその変形例と同等の部分には同一の符号を付し、適宜、説明を省略又は簡略化する。
前記暖房沸上運転を図14により説明する。図14に示す暖房沸上運転時(暖房沸上モードに相当)においては、前記四方弁制御部410Aにより、前記四方弁31は、前記暖房側に切り替えられる。また前記二方弁制御部440Cにより、二方弁121が閉じ状態、二方弁122が開き状態に切り替えられる。さらに前記膨張弁制御部440Bにより前記膨張弁111が全開状態かつ前記膨張弁制御部410Cにより前記膨張弁113が閉じ状態に制御され、前記膨張弁制御部440Bにより前記膨張弁610が適宜の開度に調整された状態に制御される。
この結果、圧縮機14の吐出側の配管部18a→配管部18b→配管部26a→室内熱交換器27→配管部26b→水冷媒熱交換器15→バイパス回路600(膨張弁610)→配管部18f→室外熱交換器17→配管部18e(二方弁122)→配管部18d→圧縮機14の吸入側の配管部18cの冷媒経路が形成される。
これにより、前記圧縮機14からの高温高圧の冷媒ガスが室内熱交換器27(凝縮器として機能)で室内空気へ放熱し凝縮するともに水冷媒熱交換器15(凝縮器として機能)においても凝縮し貯湯タンク2からの湯水へと放熱することで液体冷媒となった後、その後の室外熱交換器17(蒸発器として機能)において外気から吸熱することで冷媒ガスとなって圧縮機14へと戻る。すなわちこの場合、凝縮器としての水冷媒熱交換器15と蒸発器としての室外熱交換器17とがこの順で直列に接続されることとなる。
このとき、前記混合弁10Eは、前記配管5b側に全開状態とされ、貯湯タンク2から配管5bを介して導入された湯水を沸上ポンプ19を経て水冷媒熱交換器15の前記水側の流路15aに導出する。また加熱戻り管6における三方弁10Cは、配管6a側と配管6cとを導通するように切り替えられ、三方弁10Dは配管6cと配管6dとを導通するように切替えられる。そして、沸上ポンプ19が前記ポンプ制御部440Aの制御により回転することで、貯湯タンク2から取り出された湯水が、水冷媒熱交換器15の前記水側の流路15aにおいて前述のように凝縮する冷媒側の流路15bと熱交換が行われ吸熱して加温された後、配管6c及び配管6d(戻し管に相当)を介して貯湯タンク2の中間部へ戻される。
<処理手順>
前記暖房沸上運転時における上記手法を実現するために、前記した室外機制御部410、貯湯制御部420、室内機制御部430、熱交換制御部440、ヒーポン制御部450によって実行される処理手順を、図15に示すフローチャートに基づき説明する。
図15において、まず、ステップS15で、例えば室外機制御部410が、前記リモコン60における適宜の操作によって、通常暖房運転の開始が指示されたか否かを判定する。前記開始が指示されていなければこの判定は満たされず(S15:NO)、この判定が満たされるまでループ待機する。前記開始が指示されていればこの判定は満たされ(S15:YES)、ステップS25に移行する。
ステップS25では、室外機制御部410、貯湯制御部420、室内機制御部430、及び、熱交換制御部440が互いに連携して、前記通常暖房運転を開始する(図9参照)。その後、ステップS35に移る。
ステップS35では、例えば前記室外機制御部410が、前記ステップS30と同様、前記暖房負荷を表す圧縮機14の回転数(詳細には前記の回転数制御値)を取得する。
その後、ステップS65で、例えば室外機制御部410が、前記リモコン60における適宜の操作によって、通常暖房運転の終了が指示されたか否かを判定する。前記終了が指示されていればこの判定は満たされ(S65:YES)、ステップS75に移行する。
ステップS75では、室外機制御部410、貯湯制御部420、室内機制御部430、及び、熱交換制御部440が互いに連携して、前記ステップS25で開始した通常暖房運転を停止し、このフローを終了する。
一方、前記ステップS65で前記終了が指示されていなければ判定は満たされず(S65:NO)、新たに設けたステップS80に移る。
ステップS80では、例えば前記室外機制御部410が、圧縮機14の回転数(例えば前述の回転数制御値)が予め定められた所定期間(ある程度の長期)にわたり安定しているか否か(言い換えれば前記暖房負荷が安定しているか否か)を判定する。安定していなければこの判定は満たされず(S80:NO)、前記ステップS35に戻り、同様の手順を繰り返す。安定していれば判定は満たされ(S80:YES)、ステップS90に移行する。
ステップS90では、暖房沸上への温度条件を満たすか(言い換えれば除霜を行う運転の実行が必要な環境であるか)否かが判定される。具体的には、前記室外機制御部410が、前記外気温センサ22が検出した前記外気温度Tair若しくは前記冷媒温度センサ35が検出した前記室外熱交換器17における前記蒸発冷媒温度が、除霜を行う運転の実行が必要となると推測される予め定められた所定の温度範囲内になったか否かを判定する。あるいは、前記室内機制御部430が、前記室内温度センサ34が検出した運転開始時の前記室内温度Trが、除霜を行う運転の実行が必要となると推測される予め定められた所定の温度範囲内であったか否かを判定する。前記温度条件を満たしていなければこの判定は満たされず(S90:NO)、前記ステップS35に戻り、以降は同じ手順を繰り返す。前記安定していればこの判定は満たされ(S90:YES)、ステップS100に移行する。
ステップS100では、前記貯湯制御部4200が、前記貯湯温度センサ12での前記貯湯温度の検出結果に基づき、前記貯湯タンク2内における前記中温水の量が予め定めた所定値以上であるか否かを判定する。前記中温水量が前記所定値未満であればこの判定は満たされず(S100:NO)、前記ステップS35に戻り、同様の手順を繰り返す。前記中温水量が所定値以上であればこの判定は満たされ(S100:YES)、ステップS105に移行する。
ステップS105では、前記ステップS75と同様、室外機制御部410、貯湯制御部420、室内機制御部430、及び、熱交換制御部440が互いに連携して、前記ステップS25で開始した通常暖房運転を停止する。その後、ステップS110に移行する。
ステップS110では、室外機制御部410、貯湯制御部420、室内機制御部430、及び、熱交換制御部440が互いに連携して、暖房沸上運転を開始する。すなわち、図14を用いて前記したように、加熱循環回路4側が水冷媒熱交換器15にて冷媒循環回路30側から受熱して加温した湯水を貯湯タンク2内へ供給する、前記暖房沸上運転を開始する。その後、ステップS120に移る。
ステップS120では、前記貯湯制御部420が、前記貯湯温度センサ12での前記貯湯温度の検出結果に基づき、前記ステップS110で開始された暖房沸上運転により、前記貯湯タンク2内における前記中温水の量が前記所定値以上となったか否かを再度判定する。前記中温水の量が所定値未満であればこの判定は満たされず(S1200:NO)、この判定が満たされるまでループ待機する。前記中温水の量が所定値以上となっていればこの判定は満たされ(S120:YES)、ステップS130に移行する。
ステップS130では、室外機制御部410、貯湯制御部420、室内機制御部430、及び、熱交換制御部440が互いに連携して、ステップS110で開始した前記暖房沸上運転を停止する。その後、前記ステップS25に戻り、同様の手順を繰り返す。
なお、前記運転態様において説明したように、本実施形態においては、前記四方弁31と、前記二方弁122,121と、前記膨張弁113,111,膨張弁610と、前記バイパス回路600と、前記混合弁10Eと、前記三方弁10C,10Dと、これらを制御する前記室外機制御部410、前記貯湯制御部420、前記室内機制御部430、及び前記熱交換制御部440とが、各請求項記載のモード切替手段として機能する。
<第2実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のヒートポンプ給湯機1によれば、前記第1実施形態と同様の効果に加え、以下の効果を得る。
すなわち、本実施形態によれば、前記第1実施形態における暖房サイクル除霜アシスト運転で使用されて貯湯タンク2内の湯水が消費されるのに対応し、前述した手法により加熱循環回路4側が水冷媒熱交換器15にて冷媒循環回路30側から受熱して加温した湯水を貯湯タンク2内へ供給することができる。すなわち、例えばある程度の時間の前記通常暖房運転によって暖房負荷が軽くなって生じた暖房能力の余力を活用し貯湯タンク2の湯水へ放熱することにより、これ以降の除霜処理に使用するための中温水を生成し、貯湯タンク2へ供給し補充しておくことができる。この結果、室外熱交換器17の除霜が完了しないまま中温水がなくなって従来手法の冷房サイクルによる除霜を行う場合のように、暖房運転が除霜のためにいったん中断してしまうのを防止することができる。
なお、前記暖房沸上運転を実行することで室外熱交換器17に着霜しやすくなる可能性もある。しかしながら、この暖房沸上運転で前記のようにして生成した前記中温水を前記暖房サイクル除霜アシスト運転において使用することで、(そうしなかった場合に比べて)除霜処理に要する時間を短縮することができる。この結果、除霜処理が実行される時における室温上昇による暖房感の低下を防止することができる。
また、本実施形態では特に、ステップS90において、暖房沸上への温度条件を満たすか(言い換えれば除霜を行う運転の実行が必要な環境であるか)否かが判定される。これにより、前記外気温度Tairや前記蒸発冷媒温度や前記室内温度Trに基づき前記除霜処理の実行が必要な環境であるか否かを判定し、除霜処理が必要である場合に限り前記暖房沸上運転による沸上処理を行うことができる。この結果、無駄な沸上を防止し、効率を向上することができる。
また、本実施形態では特に、ステップS100において、前記貯湯タンク2内における前記中温水の量が予め定めた所定値以上であるか否かが判定される。これにより、貯湯タンク2内の湯水の貯留状況に応じて、除霜処理に使用する中温水の量が少なくなっている場合に限り前記暖房沸上運転を行うことができる。この結果、無駄な沸上を防止し、効率を向上することができる。
なお、本発明は以上の態様に限定されることなく、その趣旨を変更しない範囲で適用可能なもので、例えば、前記二方弁121,122のうち少なくとも1つを、閉止機能付きの膨張弁で置き換えても良い。また、前記膨張弁111,113,610に代え、減圧器としてエジェクターを用いても良い。