JP2015124909A - 給湯空調システム - Google Patents
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Abstract
【課題】冷房及び暖房において、空調能力を低下させずに給湯の温水を生成する。【解決手段】冷媒回路(21)には、圧縮機(22)の吐出側の冷媒/水熱交換器(62)と、2つの膨張弁(25,26)に挟まれた過冷却水熱交換器(63)とが設けられている。冷房サイクル時、水回路(61)は、水媒体を、過冷却水熱交換器(63)から冷媒/水熱交換器(62)へと流れて再び貯湯タンク(64)に貯留されるように循環させることが可能である。暖房サイクル時、水回路(61)は、水媒体を、過冷却水熱交換器(63)に流して再び貯湯タンク(64)に貯留されるように循環させることが可能である。【選択図】図1
Description
本発明は、室内の空気調和を行うと共に給湯用の温水を生成して貯湯タンクに貯留可能な給湯空調システムに関するものである。
近年、冷媒回路と給湯回路とを備えるシステムが知られている。冷媒回路は、冷媒を循環させる冷凍サイクルを行い、給湯回路は、貯湯タンク内の水媒体を当該冷媒と熱交換させることで加熱する。このようなシステムとしては、例えば特許文献1に示されるものがある。特許文献1では、凝縮器と過冷却水熱交換器と蒸発器とが接続されることで冷媒回路が構成され、給湯回路内の水媒体は、凝縮器及び過冷却水熱交換器にて加熱される。
近年、室内に対して冷房及び暖房を含む空気調和を行いつつ、給湯用の温水を生成するシステムが開発されている。このようなシステムでは、冷房運転及び暖房運転のいずれにおいても、空調能力を低下させることなく給湯用の温水を生成することが望まれる。
しかしながら、特許文献1に係る技術では、室内の空気調和については何ら考慮されていないため、空調能力を低下させることなく温水を生成することは実現不可能である。具体的に、特許文献1では、冷媒回路が冷房サイクルを行う際、過冷却水熱交換器により温水が生成されるものの、室内が冷却されるとは限らない。また、特許文献1の構成では、冷媒回路が暖房サイクルを行いながら給湯回路が温水を生成することは困難である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷房サイクル及び暖房サイクルのいずれが行われる場合も、空調能力を低下させることなく給湯用の温水を生成することである。
第1の発明は、冷媒を圧縮する圧縮機(22)と、室内熱交換器(41)と、室外熱交換器(24)と、上記圧縮機(22)によって圧縮された上記冷媒の流れを上記室内熱交換器(41)及び上記室外熱交換器(24)のいずれか一方に切り換える四路切換弁(23)とを有する冷媒回路(21)と、上記冷媒の放熱器として機能し水媒体を加熱可能な第1給湯側熱交換器(62)及び第2給湯側熱交換器(63)と、加熱された上記水媒体を貯留する貯湯タンク(64)と、を備える給湯回路(61)とを備える給湯空調システムを対象とする。上記冷媒回路(21)は、上記第1給湯側熱交換器(62)が設けられており、一端が上記圧縮機(22)の吐出側に接続され他端が上記四路切換弁(23)に接続された吐出側通路(30)と、上記第2給湯側熱交換器(63)が設けられており、一端が上記室外熱交換器(24)に接続され他端が上記室内熱交換器(41)に接続された熱交換側通路(33)と、上記熱交換側通路(33)における上記第2給湯側熱交換器(63)の一端側に設けられた室外側膨張弁(25)と、上記熱交換側通路(33)における上記第2給湯側熱交換器(63)の他端側に設けられた室内側膨張弁(26)とを更に有する。上記冷媒回路(21)が冷房サイクルを行う際、上記給湯回路(61)は、上記貯湯タンク(64)内の上記水媒体を、上記第2給湯側熱交換器(63)から上記第1給湯側熱交換器(62)へと流れて再び上記貯湯タンク(64)に貯留されるように循環させることが可能であって、上記冷媒回路(21)が暖房サイクルを行う際、上記給湯回路(61)は、上記貯湯タンク(64)内の上記水媒体を、上記第2給湯側熱交換器(63)に流して再び上記貯湯タンク(64)に貯留されるように循環させることが可能となっていることを特徴とする。
ここでは、圧縮機(22)の吐出側に第1給湯側熱交換器(62)が設けられ、室外熱交換器(24)と室内熱交換器(41)との間には、室外側膨張弁(25)及び室内側膨張弁(26)に挟まれた第2給湯側熱交換器(63)が設けられている。冷房サイクル時、水媒体は、第2給湯側熱交換器(63)で加熱された後、更に第1給湯側熱交換器(62)にて加熱され、その後貯湯タンク(64)に貯留される。そのため、給湯回路(61)側では、第1給湯側熱交換器(62)または第2給湯側熱交換器(63)によって水媒体が加熱される場合に比して、高温の水媒体が貯留される。一方、冷媒回路(21)側では、第2給湯側熱交換器(63)は過冷却器として機能するため、冷房能力が向上する。また、暖房サイクル時、水媒体は、第2給湯側熱交換器(63)で加熱されるため、圧縮機(22)の吐出側である第1給湯側熱交換器(62)にて熱交換が行われることで暖房能力が低下することが防がれる。従って、冷媒回路(21)が冷房サイクル及び暖房サイクルのどちらを行っていても、空調能力を低下させることなく、貯湯タンク(64)には、加熱された水冷媒が貯留される。
第2の発明は、第1の発明において、上記冷媒回路(21)が冷房サイクルを行う際、上記室外側膨張弁(25)は全開となり、上記冷媒回路(21)が暖房サイクルを行う際、上記室内側膨張弁(26)は全開となることを特徴とする。
これにより、冷媒回路(21)は、冷房サイクル及び暖房サイクルのいずれも問題なく行うことができる。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、上記給湯回路(61)は、上記第1給湯側熱交換器(62)が設けられた第1給湯側通路(70)と、上記第2給湯側熱交換器(63)が設けられた第2給湯側通路(71)と、上記第1給湯側通路(70)の両端と上記第2給湯側通路(71)の両端とに接続し、上記水媒体が上記第2給湯側通路(71)及び上記第1給湯側通路(70)の両方を流れる第1状態と、上記第2給湯側通路(71)をバイパスし且つ上記水媒体が上記第1給湯側通路(70)を流れる第2状態と、上記水媒体が上記第2給湯側通路(71)を流れ且つ上記第1給湯側通路(70)をバイパスする第3状態とのいずれかを採り得るバイパス通路(72)とを更に有することを特徴とする。
ここでは、給湯回路(61)は、第1給湯側熱交換器(62)及び第2給湯側熱交換器(63)への水媒体の流れを調整可能なバイパス通路(72)を有している。そのため、冷媒回路(21)が行うサイクルの種類等に応じてバイパス通路(72)が採り得る状態を切り換えることで、第1給湯側熱交換器(62)及び第2給湯側熱交換器(63)の利用の有無が容易に調整される。
第4の発明は、第3の発明において、上記冷媒回路(21)は冷房サイクルを行っており、上記貯湯タンク(64)における上記水媒体の出口温度が上記室外熱交換器(24)における上記冷媒の出口温度よりも低い場合、上記バイパス通路(72)は上記第1状態を採ることを特徴とする。
冷媒回路(21)による冷房サイクル時に、貯湯タンク(64)における水媒体の出口温度(T1)が室外熱交換器(24)における冷媒の出口温度(T2)よりも低い場合、水媒体の温度が非常に低い状態にあるため、給湯空調システム(10)は、第1給湯側熱交換器(62)及び第2給湯側熱交換器(63)の両方を利用して水媒体を加熱する。これにより、貯湯タンク(64)には、高温の水媒体が貯留される。また、冷媒回路(21)側では、第2給湯側熱交換器(63)が過冷却器として機能するため、蒸発器として機能する室内熱交換器(41)に流入される冷媒の過冷却度は、過冷却器が利用されない場合に比して大きくなる。従って、給湯空調システム(10)は、冷房効率を向上させることができる。
第5の発明は、第3の発明または第4の発明において、上記冷媒回路(21)は冷房サイクルを行っており、上記貯湯タンク(64)における上記水媒体の出口温度が上記室外熱交換器(24)における上記冷媒の出口温度よりも高い場合、上記バイパス通路(72)は上記第2状態を採ることを特徴とする。
冷媒回路(21)による冷房サイクル時に、貯湯タンク(64)における水媒体の出口温度(T1)が室外熱交換器(24)における冷媒の出口温度(T2)よりも高い場合、第2給湯側熱交換器(63)には、水媒体よりも温度の低い冷媒が流入する。この状態で、仮に第2給湯側熱交換器(63)にて水媒体と冷媒との熱交換が行われると、水媒体は冷媒に吸熱され、水媒体の温度は下がってしまう。一方、冷媒回路(21)側では、室外熱交換器(24)を流出後の冷媒よりも温度の高い冷媒が、蒸発器として機能する室内熱交換器(41)へと流入されるため、室内の冷房能力が低下する。そこで、冷房サイクル時に貯湯タンク(64)における水媒体の出口温度(T1)が室外熱交換器(24)における冷媒の出口温度(T2)よりも高い場合、バイパス通路(72)は、第2給湯側通路(71)をバイパスして、第1給湯側熱交換器(62)で水媒体を加熱させる。これにより、室内の冷房能力は低下せず、貯湯タンク(64)には第1給湯側熱交換器(62)での熱交換による温水が貯留される。
第6の発明は、第3の発明から第5の発明のいずれか1つにおいて、上記冷媒回路(21)は暖房サイクルを行っており、上記室内熱交換器(41)における上記冷媒の出口温度が上記貯湯タンク(64)における上記水媒体の出口温度よりも高い場合、上記バイパス通路(72)は上記第3状態を採ることを特徴とする。
冷媒回路(21)による暖房サイクル時に、圧縮機(22)の吐出側である第1給湯側熱交換器(62)にて水媒体と冷媒との熱交換が行われると、凝縮器として機能する室内熱交換器(41)には、圧縮機(22)の吐出時よりも温度の低下した冷媒が流入される。そのため、冷媒回路(21)における暖房能力が不足する虞がある。一方、暖房サイクル時に、室内熱交換器(41)における冷媒の出口温度(T3)が貯湯タンク(64)における水媒体の出口温度(T1)がよりも高い場合、第2給湯側熱交換器(63)では水媒体を加熱可能となっている。そこで、暖房サイクル時に、室内熱交換器(41)における冷媒の出口温度(T3)が貯湯タンク(64)における水媒体の出口温度(T1)よりも高い場合、バイパス通路(72)は、第1給湯側通路(70)をバイパスして第2給湯側熱交換器(63)にて水媒体と冷媒とを熱交換させる。これにより、暖房能力は維持され、貯湯タンク(64)には、第2給湯側熱交換器(63)での熱交換による温水が貯留される。
第7の発明は、第3の発明から第6の発明のいずれか1つにおいて、上記冷媒回路(21)は暖房サイクルを行っており、上記室内熱交換器(41)における上記冷媒の出口温度が上記貯湯タンク(64)における上記水媒体の出口温度よりも低い場合、上記給湯回路(61)は上記水媒体の循環を停止することを特徴とする。
冷媒回路(21)による暖房サイクル時に、圧縮機(22)の吐出側である第1給湯側熱交換器(62)にて水媒体と冷媒との熱交換が行われると、凝縮器として機能する室内熱交換器(41)には、圧縮機(22)の吐出時よりも温度の低下した冷媒が流入される。そのため、冷媒回路(21)における暖房能力が不足する虞がある。一方、暖房サイクル時に、室内熱交換器(41)における冷媒の出口温度(T3)が貯湯タンク(64)における水媒体の出口温度(T1)よりも低い場合、第2給湯側熱交換器(63)では、水媒体から冷媒へと熱が遷移するため、水媒体を加熱させるどころか、かえって水媒体の温度を下げてしまう。そこで、暖房サイクル時、室内熱交換器(41)における冷媒の出口温度(T3)が貯湯タンク(64)における水媒体の出口温度(T1)よりも低い場合、給湯回路(61)内では水媒体の循環が停止される。これにより、第1及び第2給湯側熱交換器(62,63)での冷媒と水媒体との熱交換が停止されるため、暖房能力を維持できると共に、貯湯タンク(64)内の水媒体の温度が熱交換によって低下することを防止できる。
第8の発明は、第3の発明から第7の発明のいずれか1つにおいて、上記室外熱交換器(24)の着霜を抑制する着霜抑制運転時、上記冷媒回路(21)は暖房サイクルを行い、上記バイパス通路(72)は上記第3状態を採り、上記第2給湯側熱交換器(63)は、上記水媒体の放熱器として機能し、上記室外熱交換器(24)には、上記第2給湯側熱交換器(63)にて上記水媒体から吸熱した後の上記冷媒が流れることを特徴とする。
暖房サイクルは主に冬季に行われるため、一般的には外気温度が低い。その上、暖房サイクル時、室外熱交換器(24)は蒸発器として機能するため、室外熱交換器(24)は着霜し易くなっている。そこで、着霜抑制運転時、冷媒回路(21)は暖房サイクルを行った状態にて、バイパス通路(72)は、第1給湯側通路(70)をバイパスして第2給湯側熱交換器(63)にて冷媒と水媒体とを熱交換させる。これにより、貯湯タンク(64)内の水媒体は第2給湯側熱交換器(63)にて冷媒に放熱し、水媒体から吸熱した冷媒は室外熱交換器(24)に流入する。これにより、室内熱交換器(41)によって室内を暖房しつつも、貯湯タンク(64)内の水媒体を熱源として室外熱交換器(24)の着霜を抑制できる。
第9の発明は、第1の発明から第8の発明のいずれか1つにおいて、上記給湯回路(61)は、上記貯湯タンク(64)における上記水媒体の入口側と上記第1給湯側熱交換器(62)における上記水媒体の出口側とを接続する配管に設けられ上記水媒体を加熱可能な加熱器(80)、を更に有することを特徴とする。
これにより、必要に応じて加熱器(80)を利用することによって、貯湯タンク(64)に高温の水媒体を貯留させることが確実に可能となる。
第10の発明は、第1の発明から第9の発明のいずれか1つにおいて、上記冷媒回路(21)は、上記吐出側通路(30)における上記第1給湯側熱交換器(62)の上記冷媒の出口側に設けられた流量調節弁(35)、を更に有することを特徴とする。
これにより、第1給湯側熱交換器(62)の水冷媒の出口温度に応じて決定された水媒体の目標温度に基づいて、流量調節弁(35)の開度を調節することにより、圧縮機(22)から吐出される冷媒の吐出圧力を調整することが可能となる。
本発明によれば、冷媒回路(21)が冷房サイクル及び暖房サイクルのどちらを行っていても、空調能力を低下させることなく、貯湯タンク(64)には加熱された水冷媒が貯留される。
また、上記第2の発明によれば、冷媒回路(21)は、冷房サイクル及び暖房サイクルのいずれも問題なく行うことができる。
また、上記第3の発明によれば、冷媒回路(21)が行うサイクルの種類等に応じてバイパス通路(72)が採り得る状態を切り換えることで、第1給湯側熱交換器(62)及び第2給湯側熱交換器(63)の利用の有無が容易に調整される。
また、上記第4の発明によれば、貯湯タンク(64)には高温の水媒体が貯留され、冷房効率が向上する。
また、上記第5の発明によれば、室内の冷房能力は低下せず、貯湯タンク(64)には第1給湯側熱交換器(62)での熱交換による温水が貯留される。
また、上記第6の発明によれば、暖房能力は維持され、貯湯タンク(64)には、第2給湯側熱交換器(63)での熱交換による温水が貯留される。
また、上記第7の発明によれば、暖房能力を維持できると共に、貯湯タンク(64)内の水媒体の温度が熱交換によって低下することを防止できる。
また、上記第8の発明によれば、室内熱交換器(41)によって室内を暖房しつつも、貯湯タンク(64)内の水媒体を熱源として室外熱交換器(24)の着霜を抑制できる。
また、上記第9の発明によれば、必要に応じて加熱器(80)を利用することによって、貯湯タンク(64)に高温の水媒体を貯留させることが確実に可能となる。
また、上記第10の発明によれば、圧縮機(22)から吐出される冷媒の吐出圧力を調整することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
≪実施形態1≫
<構成>
図1は、本実施形態1の給湯空調システム(10)の回路構成を示す配管系統図である。図1の給湯空調システム(10)は、室内に対して空気調和運転である冷房運転または暖房運転を行いつつ、沸き上げ運転を行うことが可能なシステムである。給湯空調システム(10)は、主として、冷媒回路(21)と、水回路(61)(給湯回路に相当)と、補助加熱器(80)とを備える。冷媒回路(21)は、室内ユニット、室外ユニット及び給湯ユニットによって構成され、水回路(61)は、主に給湯ユニット内に構成されている。
≪実施形態1≫
<構成>
図1は、本実施形態1の給湯空調システム(10)の回路構成を示す配管系統図である。図1の給湯空調システム(10)は、室内に対して空気調和運転である冷房運転または暖房運転を行いつつ、沸き上げ運転を行うことが可能なシステムである。給湯空調システム(10)は、主として、冷媒回路(21)と、水回路(61)(給湯回路に相当)と、補助加熱器(80)とを備える。冷媒回路(21)は、室内ユニット、室外ユニット及び給湯ユニットによって構成され、水回路(61)は、主に給湯ユニット内に構成されている。
<冷媒回路>
冷媒回路(21)は、冷媒が充填された閉回路である。冷媒回路(21)は、主として、圧縮機(22)と、四路切換弁(23)と、室外熱交換器(24)と、室内熱交換器(41)と、室外側膨張弁(25)と、室内側膨張弁(26)と、吐出配管(30)(吐出側通路に相当)と、熱交換側配管(33)(熱交換側通路に相当)とを有する。
冷媒回路(21)は、冷媒が充填された閉回路である。冷媒回路(21)は、主として、圧縮機(22)と、四路切換弁(23)と、室外熱交換器(24)と、室内熱交換器(41)と、室外側膨張弁(25)と、室内側膨張弁(26)と、吐出配管(30)(吐出側通路に相当)と、熱交換側配管(33)(熱交換側通路に相当)とを有する。
圧縮機(22)は、圧縮機構と電動機とが1つのケーシングに収容された全密閉型圧縮機で構成されており、冷媒を圧縮して吐出する。圧縮機構は、ローリングピストン型または揺動ピストン型のロータリ式流体機械、またはスクロール型のロータリ式流体機械であることができる。圧縮機(22)の吐出側は、吐出配管(30)を介して四路切換弁(23)の第1ポート(a)に接続され、圧縮機(22)の吸入側は、吸入側配管(34)を介して四路切換弁(23)の第4ポート(a4)に接続される。
四路切換弁(23)は、4つのポート(a1,a2,a3,a4)を有する。四路切換弁(23)は、給湯空調システム(10)の運転種類に応じて、第1ポート(a1)と第3ポート(a3)とが連通すると共に第2ポート(a2)と第4ポート(a4)とが連通する状態(図1にて実線で示す状態)と、第1ポート(a1)と第4ポート(a4)とが連通すると共に第2ポート(a2)と第3ポート(a3)とが連通する状態(図1にて破線で示す状態)とに切り換わる。これにより、四路切換弁(23)は、圧縮機(22)から吐出された冷媒の流れを、室外熱交換器(24)及び室内熱交換器(41)のいずれかに一方に切り換えることができる。
室外熱交換器(24)及び室内熱交換器(41)は、いわゆるクロスフィン型の熱交換器である。室外熱交換器(24)の一端は、連絡配管(31)を介して四路切換弁(23)の第3ポート(a3)に接続され、他端は、熱交換側配管(33)を介して室内熱交換器(41)の一端に接続されている。室内熱交換器(41)の他端は、連絡配管(32)を介して四路切換弁(23)の第4ポート(a4)と接続されている。室外熱交換器(24)は、冷媒と、室外ファン(24a)によって供給された室外空気との間で熱交換を行う。室外熱交換器(41)は、冷媒と、室内ファン(41a)によって供給された室内空気との間で熱交換を行う。
室外側膨張弁(25)及び室内側膨張弁(26)は、冷媒回路(21)を循環する冷媒を減圧可能な絞り弁であって、開度可変の電動膨張弁によって構成されている。室外側膨張弁(25)及び室内側膨張弁(26)は、共に熱交換側配管(33)に設けられている。室外側膨張弁(25)及び室内側膨張弁(26)それぞれの開度は、図示しない制御部によって、給湯空調システム(10)の運転状態等に応じて調整される。
吐出配管(30)の一端は、圧縮機(22)の吐出側(具体的には、冷媒の吐出口)に接続され、吐出配管(30)の他端は、四路切換弁(23)の第1ポート(a1)に接続されている。吐出配管(30)の内部には、給湯空調システム(10)の運転状態に関わらず、圧縮機(22)の吐出側から四路切換弁(23)側へと冷媒が流れる。特に、吐出配管(30)には、水回路(61)における後述の冷媒/水熱交換器(62)(第1給湯側熱交換器に相当)が設けられている。
熱交換側配管(33)の一端は、室外熱交換器(24)に接続され、熱交換側配管(33)の他端は、室内熱交換器(41)に接続されている。熱交換側配管(33)の内部には、冷媒が流れるようになっている。特に、熱交換側配管(33)には、水回路(61)における後述の過冷却水熱交換器(63)(第2給湯側熱交換器に相当)が設けられている。更に、熱交換側配管(33)には、過冷却水熱交換器(63)の一端側である室外熱交換器(24)側に、室外側膨張弁(25)が設けられ、過冷却水熱交換器(63)の他端側である室内熱交換器(41)側に、室内側膨張弁(26)が設けられている。即ち、熱交換側配管(33)には、過冷却水熱交換器(63)を挟むようにして、室外側膨張弁(25)及び室内側膨張弁(26)が設けられている。
<水回路>
水回路(61)では、水媒体が循環する。水回路(61)は、主として、冷媒/水熱交換器(62)(第1給湯側熱交換器に相当)と、過冷却水熱交換器(63)(第2給湯側熱交換器に相当)と、貯留タンク(64)(貯湯タンクに相当)と、循環ポンプ(65)と、第1三方弁(69)とを有する。内部を水媒体が通過する給湯配管(68)を介してこれらの各種機器が接続されることで、水回路(61)が構成されている。
水回路(61)では、水媒体が循環する。水回路(61)は、主として、冷媒/水熱交換器(62)(第1給湯側熱交換器に相当)と、過冷却水熱交換器(63)(第2給湯側熱交換器に相当)と、貯留タンク(64)(貯湯タンクに相当)と、循環ポンプ(65)と、第1三方弁(69)とを有する。内部を水媒体が通過する給湯配管(68)を介してこれらの各種機器が接続されることで、水回路(61)が構成されている。
冷媒/水熱交換器(62)は、冷媒側通路(62a)と水側通路(62b)とを含む。冷媒側通路(62a)は冷媒回路(21)の吐出配管(30)に接続され、水側通路(62b)は給湯配管(68)に接続されている。冷媒/水熱交換器(62)は、水側通路(62b)の水媒体を冷媒側通路(62a)の冷媒と熱交換させて、水媒体を加熱する。即ち、冷媒/水熱交換器(62)は、冷媒の放熱器として機能して水媒体を加熱することが可能となっている。
過冷却水熱交換器(63)は、冷媒側通路(63a)と水側通路(63b)とを含む。冷媒側通路(63a)は冷媒回路(21)の熱交換側配管(33)に接続され、水側通路(63b)は給湯配管(68)に接続される。過冷却水熱交換器(63)は、水側通路(63b)の水媒体と冷媒側通路(63a)の冷媒と熱交換させて、水媒体を加熱する。即ち、過冷却水熱交換器(63)は、冷媒の放熱器として機能して冷媒を加熱することが可能であり、更には、冷媒の過冷却用の熱交換器として機能する。
貯留タンク(64)は、起立状態で設置された円筒形の容器であって、その内部は常に水媒体によって満たされている。貯留タンク(64)の容積は、例えば300〜500リットル程度である。貯留タンク(64)は、過冷却水熱交換器(63)及び冷媒/水熱交換器(62)によって加熱された水媒体である温水を貯留する。
循環ポンプ(65)は、水回路(61)内の水媒体を循環させる。この循環ポンプ(65)により、貯留タンク(64)の下部流出口(64b)から流出した水媒体は、過冷却水熱交換器(63)を通過し、その後冷媒/水熱交換器(62)を介して貯留タンク(64)の上部流入口(64a)に戻るか、または冷媒/水熱交換器(62)を介さずに貯留タンク(64)の上部流入口(64a)に戻る。
第1三方弁(69)は、冷媒/水熱交換器(62)の水側通路(62b)、過冷却水熱交換器(63)の水側通路(63b)及び貯留タンク(64)の上部流入口(64a)と接続されている。第1三方弁(69)は、過冷却水熱交換器(63)の水側通路(63b)を冷媒/水熱交換器(62)の水側通路(62b)に連通する状態(図2参照)と、過冷却水熱交換器(63)の水側通路(63b)を貯留タンク(64)の上部流入口(64a)に連通する状態(図3参照)との、いずれかを採り得る。即ち、第1三方弁(69)は、冷媒/水熱交換器(62)に水媒体を流すか否かを切り換えるための手段と言える。また、第1三方弁(69)が過冷却水熱交換器(63)の水側通路(63b)を冷媒/水熱交換器(62)の水側通路(62b)に連通する場合、冷媒/水熱交換器(62)には、冷媒側通路(62a)及び水側通路(62b)それぞれを流れる冷媒と水媒体とが互いに対向して流れるようになっている。
<補助加熱器>
補助加熱器(80)は、貯留タンク(64)の上部流出口(64c)と給湯栓(82)とを接続する出湯管(81)に設けられている。補助加熱器(80)は、貯留タンク(64)側から給湯栓(82)側へと通過する出湯管(81)内の温水に、ガスを燃焼させることで得た熱を与えることで、水媒体を更に加熱する装置である。
補助加熱器(80)は、貯留タンク(64)の上部流出口(64c)と給湯栓(82)とを接続する出湯管(81)に設けられている。補助加熱器(80)は、貯留タンク(64)側から給湯栓(82)側へと通過する出湯管(81)内の温水に、ガスを燃焼させることで得た熱を与えることで、水媒体を更に加熱する装置である。
また、補助加熱器(80)には、給水配管(84)及び三方弁(83)を介して給湯空調システム(10)外部からの水媒体(例えば水道水)が供給されることも可能となっている。三方弁(83)は、給湯空調システム(10)外部からの水媒体を補助加熱器(80)または貯留タンク(64)の下部流入口(64d)に供給するように切り替わる。
<給湯空調システムの動作>
以下では、上述した構成を有する給湯空調システム(10)における冷媒の流れ及び水媒体の流れを、給湯空調システム(10)の運転種類毎に説明する。
以下では、上述した構成を有する給湯空調システム(10)における冷媒の流れ及び水媒体の流れを、給湯空調システム(10)の運転種類毎に説明する。
給湯空調システム(10)の運転種類としては、冷房給湯運転及び暖房給湯運転が挙げられる。
―冷房給湯運転―
冷房給湯運転とは、冷媒回路(21)にて冷房サイクルが行われつつ、水回路(61)にて給湯サイクルが行われる運転である。そのため、冷房給湯運転では、室内ユニットからは冷たい空気が室内に供給されているが、給湯ユニットでは貯留タンク(64)内の水媒体が沸き上げられている状態となる。図2は、給湯空調システム(10)が冷房給湯運転を行った場合における冷媒の流れ及び水媒体の流れを説明するための図である。
冷房給湯運転とは、冷媒回路(21)にて冷房サイクルが行われつつ、水回路(61)にて給湯サイクルが行われる運転である。そのため、冷房給湯運転では、室内ユニットからは冷たい空気が室内に供給されているが、給湯ユニットでは貯留タンク(64)内の水媒体が沸き上げられている状態となる。図2は、給湯空調システム(10)が冷房給湯運転を行った場合における冷媒の流れ及び水媒体の流れを説明するための図である。
図2に示すように、冷媒回路(21)側では、四路切換弁(23)は、第1ポート(a1)と第3ポート(a3)とが連通すると共に第2ポート(a2)と第4ポート(a4)とが連通する状態を採る。室外側膨張弁(25)は全開の状態を採り、室内側膨張弁(26)は冷媒の減圧手段として機能する。水回路(61)側では、循環ポンプ(65)は運転しており、第1三方弁(69)は、過冷却水熱交換器(63)の水側通路(63b)を冷媒/水熱交換器(62)の水側通路(62b)に連通する状態となる。
なお、過冷却水熱交換器(63)では、冷媒側通路(63a)及び水側通路(63b)それぞれを流れる冷媒と水媒体とが、互いに対向して流れる。
上記状態において、圧縮機(22)を作動させると、冷媒回路(21)は、室外熱交換器(24)が冷媒の凝縮器(即ち、放熱器)、過冷却水熱交換器(63)が冷媒の過冷却器、室内熱交換器(41)が冷媒の蒸発器としてそれぞれ機能する冷房サイクルを行う。水回路(61)では、貯留タンク(64)内の水媒体が、過冷却水熱交換器(63)から冷媒/水熱交換器(62)へと流れて再びに貯留タンク(64)に貯留されるように循環する給湯サイクルが行われる。
具体的には、圧縮機(22)から吐出された冷媒は、先ずは冷媒/水熱交換器(62)の冷媒側通路(62a)に流入し、水側通路(62b)内の水媒体に放熱する。水媒体に放熱した後の冷媒は、四路切換弁(23)の第1ポート(a1)及び第3ポート(a3)を介して室外熱交換器(24)に流入し、該室外熱交換器(24)を通過する間に室外空気に放熱して凝縮する。室外熱交換器(24)を通過した冷媒は、全開である室外側膨張弁(25)を通過後、過冷却水熱交換器(63)の冷媒側通路(63a)に流入し、水側通路(63b)内の水媒体に更に放熱する。従って、冷媒は、過冷却水熱交換器(63)にて過冷却状態となる。過冷却水熱交換器(63)から流出した凝縮後の冷媒は、室内側膨張弁(26)にて減圧され、その後室内熱交換器(41)に流入し、室内空気から吸熱して蒸発する。室内熱交換器(41)において冷却された室内空気は、室内に供給される。室内熱交換器(41)を通過した冷媒は、四路切換弁(23)の第4ポート(a4)及び第2ポート(a2)を介して圧縮機(22)に吸入される。吸入された冷媒は、圧縮機(22)にて圧縮され、再び吐出配管(30)へと吐出される。
水回路(61)では、貯留タンク(64)に貯留されている水媒体は、循環ポンプ(65)によって貯留タンク(64)の下部流出口(64b)から流出し、過冷却水熱交換器(63)の水側通路(63b)へと流入する。過冷却水熱交換器(63)に流入した水媒体は、冷媒側通路(63a)の冷媒から吸熱した後、第1三方弁(69)を介して冷媒/水熱交換器(62)の水側通路(62b)へと流入する。冷媒/水熱交換器(62)の冷媒側通路(62a)には、水媒体とは対向流となる冷媒が流れており、更にこの冷媒は、過冷却水熱交換器(63)を流れる冷媒よりも高温である。そのため、冷媒/水熱交換器(62)に流入された水媒体は、過冷却水熱交換器(63)を流れる冷媒よりも高温の冷媒から吸熱することとなり、冷媒/水熱交換器(62)を流出した水媒体の温度は、過冷却水熱交換器(63)を流出した水媒体に比して高くなる。
このように、水媒体は、2つの水熱交換器(63,62)にて冷媒から吸熱するため、貯留タンク(64)を流出した時よりも高い温度となって貯留タンク(64)に再び貯湯される。冷媒は、過冷却水熱交換器(63)により過冷却状態となった後に、蒸発器として機能する室内熱交換器(41)にて熱交換されるため、冷房能力が向上する。
―暖房給湯運転―
暖房給湯運転とは、冷媒回路(21)にて暖房サイクルが行われつつ、水回路(61)にて給湯サイクルが行われる運転である。そのため、暖房給湯運転では、室内ユニットからは暖かい空気が室内に供給されているが、給湯ユニットでは貯留タンク(64)内の水媒体が沸き上げられている状態となる。図3は、給湯空調システム(10)が暖房給湯運転を行った場合における冷媒の流れ及び水媒体の流れを説明するための図である。
暖房給湯運転とは、冷媒回路(21)にて暖房サイクルが行われつつ、水回路(61)にて給湯サイクルが行われる運転である。そのため、暖房給湯運転では、室内ユニットからは暖かい空気が室内に供給されているが、給湯ユニットでは貯留タンク(64)内の水媒体が沸き上げられている状態となる。図3は、給湯空調システム(10)が暖房給湯運転を行った場合における冷媒の流れ及び水媒体の流れを説明するための図である。
図3に示すように、冷媒回路(21)側では、四路切換弁(23)は、第1ポート(a1)と第4ポート(a4)とが連通すると共に第2ポート(a2)と第3ポート(a3)とが連通する状態を採る。室内側膨張弁(26)は全開の状態を採り、室外側膨張弁(25)は冷媒の減圧手段として機能する。水回路(61)側では、循環ポンプ(65)は運転しており、第1三方弁(69)は、過冷却水熱交換器(63)の水側通路(63b)を貯留タンク(64)の上部流入口(64a)に連通する状態となる。
なお、過冷却水熱交換器(63)では、冷媒側通路(63a)及び水側通路(63b)それぞれを流れる冷媒と水媒体とは、互いに同じ向きに流れる。
上記状態において、圧縮機(22)を作動させると、冷媒回路(21)は、室内熱交換器(41)が冷媒の凝縮器(即ち、放熱器)、過冷却水熱交換器(63)が冷媒の過冷却器、室外熱交換器(24)が冷媒の蒸発器としてそれぞれ機能する暖房サイクルを行う。水回路(61)では、貯留タンク(64)内の水冷媒が、過冷却水熱交換器(63)のみに流れて再び貯留タンク(64)に貯留されるように循環する給湯サイクルが行われる。
具体的には、圧縮機(22)から吐出された冷媒は、先ずは冷媒/水熱交換器(62)の冷媒側通路(62a)に流入し、水側通路(62b)内の水媒体に放熱する。水媒体に放熱した後の冷媒は、四路切換弁(23)の第1ポート(a1)及び第4ポート(a4)を介して室内熱交換器(41)に流入し、該室内熱交換器(41)を通過する間に室内空気に放熱して凝縮する。室内熱交換器(41)において温められた室内空気は、室内に供給される。室内熱交換器(41)を通過した冷媒は、全開である室内側膨張弁(26)を通過後、過冷却水熱交換器(63)の冷媒側通路(63a)に流入し、水側通路(63b)内の水媒体に更に放熱する。従って、冷媒は、過冷却水熱交換器(63)にて過冷却状態となる。過冷却水熱交換器(63)から流出された凝縮後の冷媒は、室外側膨張弁(25)にて減圧され、その後室外熱交換器(24)に流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(24)を通過した冷媒は、四路切換弁(23)の第3ポート(a3)及び第2ポート(a2)を介して圧縮機(22)に吸入される。吸入された冷媒は、圧縮機(22)にて圧縮され、再び吐出配管(30)へと吐出される。
水回路(61)では、貯留タンク(64)に貯留されている水媒体は、循環ポンプ(65)によって貯留タンク(64)の下部流出口(64b)から流出し、過冷却水熱交換器(63)の水側通路(63b)へと流入する。過冷却水熱交換器(63)に流入した水媒体は、冷媒側通路(63a)の冷媒から吸熱した後、第1三方弁(69)を介して貯留タンク(64)の上部流入口(64a)に戻される。
なお、暖房給湯運転では、水回路(61)は、水媒体を冷媒/水熱交換器(62)へは送らない。冷媒回路(21)にて暖房サイクルが行われている際に、圧縮機(22)の吐出側である冷媒/水熱交換器(62)にて冷媒が水媒体と熱交換を行うと、圧縮機(22)からの吐出時よりも温度の低下した冷媒が、凝縮器として機能する室内熱交換器(41)に流入されることとなる。すると、室内熱交換器(41)での熱交換の効率が下がり、暖房能力が不足する虞がある。そこで、本実施形態1では、暖房給湯運転では、水媒体と冷媒との熱交換が冷媒/水熱交換器(62)では行われないようにしている。
<効果>
本実施形態1では、圧縮機(22)の吐出側に冷媒/水熱交換器(62)が設けられ、室外熱交換器(24)と室内熱交換器(41)との間には、室外側膨張弁(25)及び室内側膨張弁(26)に挟まれた過冷却水熱交換器(63)が設けられている。冷房サイクル時、水媒体は、過冷却水熱交換器(63)で加熱された後、更に冷媒/水熱交換器(62)にて加熱され、その後貯湯タンク(64)に貯留される。そのため、水回路(61)側では、冷媒/水熱交換器(62)または過冷却水熱交換器(63)のみによって水媒体が加熱される場合に比して、高温の水媒体が貯留される。一方、冷媒回路(21)側では、過冷却水熱交換器(63)は過冷却器として機能するため、冷房能力が向上する。また、暖房サイクル時、水媒体は、過冷却水熱交換器(63)でのみ加熱されるため、圧縮機(22)の吐出側である冷媒/水熱交換器(62)にて熱交換が行われることで暖房能力が低下することが防がれる。従って、冷媒回路(21)が冷房サイクル及び暖房サイクルのどちらを行っていても、空調能力を低下させることなく、貯湯タンク(64)には、加熱された水冷媒が貯留される。
本実施形態1では、圧縮機(22)の吐出側に冷媒/水熱交換器(62)が設けられ、室外熱交換器(24)と室内熱交換器(41)との間には、室外側膨張弁(25)及び室内側膨張弁(26)に挟まれた過冷却水熱交換器(63)が設けられている。冷房サイクル時、水媒体は、過冷却水熱交換器(63)で加熱された後、更に冷媒/水熱交換器(62)にて加熱され、その後貯湯タンク(64)に貯留される。そのため、水回路(61)側では、冷媒/水熱交換器(62)または過冷却水熱交換器(63)のみによって水媒体が加熱される場合に比して、高温の水媒体が貯留される。一方、冷媒回路(21)側では、過冷却水熱交換器(63)は過冷却器として機能するため、冷房能力が向上する。また、暖房サイクル時、水媒体は、過冷却水熱交換器(63)でのみ加熱されるため、圧縮機(22)の吐出側である冷媒/水熱交換器(62)にて熱交換が行われることで暖房能力が低下することが防がれる。従って、冷媒回路(21)が冷房サイクル及び暖房サイクルのどちらを行っていても、空調能力を低下させることなく、貯湯タンク(64)には、加熱された水冷媒が貯留される。
また、冷房サイクル時、室外側膨張弁(25)は全開の状態を採り、暖房サイクル時、室内側膨張弁(26)は全開の状態を採る。従って、冷媒回路(21)は、冷房サイクル及び暖房サイクルのいずれも問題なく行うことができる。
≪実施形態2≫
本実施形態2に係る給湯空調システム(10)では、上記実施形態1とは異なる構成の水回路(61)を有する。なお、水回路(61)の構成以外は、上記実施形態1であるため、先ずは水回路(61)の構成について説明する。
≪実施形態2≫
本実施形態2に係る給湯空調システム(10)では、上記実施形態1とは異なる構成の水回路(61)を有する。なお、水回路(61)の構成以外は、上記実施形態1であるため、先ずは水回路(61)の構成について説明する。
<水回路の構成>
図4は、本実施形態2に係る給湯空調システム(10)の回路構成を示す配管系統図である。
図4は、本実施形態2に係る給湯空調システム(10)の回路構成を示す配管系統図である。
水回路(61)は、主として、冷媒/水熱交換器(62)、過冷却水熱交換器(63)、貯留タンク(64)、循環ポンプ(65)、第1三方弁(69)及び給湯配管(68)に加え、第2三方弁(74)を更に有する。冷媒/水熱交換器(62)、過冷却水熱交換器(63)、貯留タンク(64)及び循環ポンプ(65)の各配置及び機能については、上記実施形態1と同様である。
第1三方弁(69)、第2三方弁(74)及び給湯配管(68)により、第1給湯側通路(70)、第2給湯側通路(71)及びバイパス通路(72)が構成されている。
具体的に、第1給湯側通路(70)は、流入側配管(70a)と流出側配管(70b)とで構成されている。第1給湯側通路(70)には、流入配管(70a)の一端及び流出側配管(70b)の一端に冷媒/水熱交換器(62)の水側通路(62b)が接続されることで、冷媒/水熱交換器(62)が設けられている。第1給湯側通路(70)における流出側配管(70b)の他端は、連絡配管(75a)及び第1配管(72a)に接続され、第1給湯側通路(70)における流入側配管(70a)の他端は、第1三方弁(69)に接続されている。連絡配管(75a)は、貯留タンク(64)の上部流入口(64a)と第1配管(72a)とを接続し、第1配管(72a)は、第1三方弁(73)と連絡配管(75a)及び流出側配管(70b)の接続部分とを接続する。
第2給湯側通路(71)は、流入側配管(71a)と流出側配管(71b)とで構成されている。第2給湯側通路(71)には、流入側配管(71a)の一端及び流出側配管(71b)の一端に過冷却水熱交換器(63)の水側通路(63b)が接続されることで、過冷却水熱交換器(63)が設けられている。第2給湯側通路(71)における流出側配管(71b)の他端は、第2配管(72b)の一端及び第3配管(72c)の一端に接続され、第2給湯側通路(71)における流入側配管(71a)の他端は、第2三方弁(74)に接続されている。第2配管(72b)の他端は、第1三方弁(69)に接続され、第3配管(72c)の他端は、第2三方弁(74)に接続されている。更に、第2三方弁(74)は、連絡配管(75b)を介して貯留タンク(64)の下部流出口(64b)に接続されている。
バイパス通路(72)は、上述した第1配管(72a)、第2配管(72b)、第3配管(72c)、第1三方弁(69)及び第2三方弁(74)によって構成されている。故に、バイパス通路(72)は、第1給側通路(70)の両端と第2給湯側通路(71)の両端とに接続されていると言える。このようなバイパス通路(72)は、第1状態、第2状態及び第3状態のいずれか1つを採り得る。
バイパス通路(72)が第1状態を採る場合、図5に示すように、第1三方弁(69)は、第1給湯側通路(70)の流入側配管(70a)と第2配管(72b)とを連通し、第2三方弁(74)は、連絡配管(75b)と第2給湯側通路(71)の流入側配管(71a)とを連通する。これにより、第1状態では、第1給湯側通路(70)と第2給湯側通路(71)とが連通するため、貯留タンク(64)から流出した水媒体は、第2給湯側通路(71)及び第1給湯側通路(70)を流れて、再び貯留タンク(64)に戻る。
バイパス通路(72)が第2状態を採る場合、図6に示すように、第1三方弁(69)は、第2配管(72b)と第1給湯側通路(70)の流入側配管(70a)とを連通し、第2三方弁(74)は、連絡配管(75b)と第3配管(72c)とを連通する。これにより、第2状態では、貯留タンク(64)から流出した水媒体は、連絡配管(75b)から第3配管(72c)を介して第2配管(72b)へと流れることで第2給湯側通路(71)をバイパスした後、第1給湯側通路(70)を流れて、再び貯留タンク(64)に戻る。
バイパス通路(72)が第3状態を採る場合、図7に示すように、第1三方弁(73)は、第1配管(72a)と第2配管(72b)とを連通し、第2三方弁(74)は、連絡配管(75b)と第2給湯側通路(71)の流入側配管(71a)とを連通する。これにより、第3状態では、貯留タンク(64)から流出した水媒体は、第2給湯側通路(71)を流れた後、第2配管(72b)から第1配管(72a)を介して連絡配管(75a)へと流れることで第1給湯側通路(70)をバイパスし、再び貯留タンク(64)に戻る。
なお、バイパス通路(72)が、第1状態、第2状態及び第3状態のうちどの状態を採るかは、給湯空調システム(10)の運転種類及び各種温度条件に基づいて決定される。
<各種センサ>
上述したように、バイパス通路(72)が採る状態の決定にあたり、各種温度条件が必要となる。そのため、給湯空調システム(10)には、水温度センサ(66)、室外側冷媒温度センサ(27)、室内側冷媒温度センサ(28)が設けられている。
上述したように、バイパス通路(72)が採る状態の決定にあたり、各種温度条件が必要となる。そのため、給湯空調システム(10)には、水温度センサ(66)、室外側冷媒温度センサ(27)、室内側冷媒温度センサ(28)が設けられている。
水温度センサ(66)は、水回路(61)において、循環ポンプ(65)と第2三方弁(74)との間に設けられている。水温度センサ(66)は、貯留タンク(64)における水媒体の出口温度(T1)、つまりは貯留タンク(64)の下部流出口(64b)から流出した水媒体の温度を検出する。
室外側冷媒温度センサ(27)は、冷媒回路(21)において、室外熱交換器(24)と室外側膨張弁(25)との間に設けられている。室外側冷媒温度センサ(27)は、冷媒回路(21)が冷房サイクルを行っている際の室外熱交換器(24)における冷媒の出口温度(T2)、つまりは冷媒の凝縮温度を検出する。
室内側冷媒温度センサ(28)は、冷媒回路(21)において、室内熱交換器(41)と室内側膨張弁(26)との間に設けられている。室内側冷媒温度センサ(28)は、冷媒回路(21)が暖房サイクルを行っている際の室内熱交換器(41)における冷媒の出口温度(T3)、つまりは冷媒の凝縮温度を検出する。
<給湯空調システムの動作>
上述した構成を有する給湯空調システム(10)における冷媒の流れ及び水媒体の流れを、給湯空調システム(10)の運転種類毎に説明する。
上述した構成を有する給湯空調システム(10)における冷媒の流れ及び水媒体の流れを、給湯空調システム(10)の運転種類毎に説明する。
給湯空調システム(10)の運転種類としては、冷房給湯運転、暖房給湯運転、着霜抑制運転が挙げられる。
図5及び図6では、冷房給湯運転時の冷媒の流れ及び水媒体の流れを、水温度センサ(66)の検出結果(T1)と室外側冷媒温度センサ(27)の検出結果(T2)との大小関係が“T1<T2”“T1>T2”の各場合に分けて表している。図7及び図8では、暖房給湯運転時の冷媒の流れ及び水媒体の流れを、水温度センサ(66)の検出結果(T1)と室内側冷媒温度センサ(28)の検出結果(T3)との大小関係が“T3>T1”“T3<T1”の各場合に分けて表している。図9は、着霜抑制運転時の冷媒の流れ及び水媒体の流れを表している。
―冷房給湯運転―
冷房給湯運転では、冷媒回路(21)は冷房サイクルを行う。この場合の冷媒回路(21)における冷媒の流れは、上記実施形態1と同様である。
冷房給湯運転では、冷媒回路(21)は冷房サイクルを行う。この場合の冷媒回路(21)における冷媒の流れは、上記実施形態1と同様である。
水回路(61)側では、図5に示すように、貯留タンク(64)における水媒体の出口温度(T1)が室外熱交換器(24)における冷媒の出口温度(T2)よりも低い場合(T1<T2)、バイパス通路(72)は第1状態を採る。故に、水媒体は、貯留タンク(64)から流出すると、先ずは第2給湯側通路(71)における過冷却水熱交換器(63)にて一旦加熱され、その後第1給湯側通路(70)における冷媒/水熱交換器(62)にて再度加熱されて、貯留タンク(64)に戻される。
貯留タンク(64)における水媒体の出口温度(T1)が室外熱交換器(24)における冷媒の出口温度(T2)よりも低いということは、水媒体の温度が非常に低く、加熱を行う必要があることを意味する。そこで、冷房サイクル時に条件“T1<T2”が成立する場合、過冷却水熱交換器(63)及び冷媒/水熱交換器(62)の両方を利用して水媒体が加熱される。これにより、高温の温水が貯留タンク(64)に貯留される。また、冷媒回路(21)側では、過冷却水熱交換器(63)が過冷却器として機能するため、蒸発器として機能する室内熱交換器(41)に流入される冷媒の過冷却度は、過冷却器が利用されない場合に比して大きくなる。従って、給湯空調システム(10)は、冷房効率を向上させることができる。
逆に、図6に示すように、貯留タンク(64)における水媒体の出口温度(T1)が室外熱交換器(24)における冷媒の出口温度(T2)よりも高い場合(T1>T2)、バイパス通路(72)は第2状態を採る。故に、水媒体は、貯留タンク(64)から流出すると、第2給湯側通路(71)における過冷却水熱交換器(63)を通過せずに、第1給湯側通路(70)の冷媒/水熱交換器(62)を通過した後、貯留タンク(64)に戻される。従って、貯留タンク(64)には、冷媒/水熱交換器(62)のみにて加熱された水媒体が貯留される。
冷房サイクル時に、貯留タンク(64)における水媒体の出口温度(T1)が室外熱交換器(24)における冷媒の出口温度(T2)よりも高いということは、過冷却水熱交換器(63)には、水媒体よりも温度の低い冷媒が流入することとなる。この場合、仮に過冷却水熱交換器(63)にて水媒体と冷媒との熱交換が行われると、水媒体は冷媒によって吸熱されるため、水媒体の温度は、貯留タンク(64)を流出した直後よりも下がってしまう。一方で、冷媒回路(21)側では、室外熱交換器(24)流出後の冷媒よりも温度の高い冷媒が室内熱交換器(41)へと流入され、室内熱交換器(41)での熱交換の効率が下がり、冷房能力が低下する。
そこで、冷房サイクル時に条件“T1>T2”が成立する場合、バイパス通路(72)は、第2給湯側通路(71)をバイパスして、冷媒/水熱交換器(62)のみで水媒体を加熱させる。つまり、過冷却水熱交換器(63)での熱交換は不要であるため、水媒体は、冷媒/水熱交換器(62)にて、圧縮機(22)を吐出した高温高圧のガス冷媒とだけ熱交換することとなる。これにより、冷媒回路(21)側では冷房能力は低下せず、且つ、貯留タンク(64)には冷媒/水熱交換器(62)での熱交換による温水が貯留される。
―暖房給湯運転―
暖房給湯運転では、冷媒回路(21)は暖房サイクルを行う。この場合の冷媒回路(21)における冷媒の流れは、上記実施形態1と同様である。
暖房給湯運転では、冷媒回路(21)は暖房サイクルを行う。この場合の冷媒回路(21)における冷媒の流れは、上記実施形態1と同様である。
水回路(61)側では、図7に示すように、室内熱交換器(41)における冷媒の出口温度(T3)が貯留タンク(64)における水媒体の出口温度(T1)よりも高い場合(T3>T1)、バイパス通路(72)は第3状態を採る。故に、水媒体は、貯留タンク(64)から流出すると、第2給湯側通路(71)における過冷却水熱交換器(63)で加熱され、その後は第1給湯側通路(70)における冷媒/水熱交換器(62)を通過せずに貯留タンク(64)に戻される。従って、貯留タンク(64)には、過冷却水熱交換器(63)のみにて加熱された水媒体が貯留される。
暖房サイクル時に、室内熱交換器(41)における冷媒の出口温度(T3)が貯留タンク(64)における水媒体の出口温度(T1)よりも高いということは、水媒体は、過冷却水熱交換器(63)にて冷媒から吸熱することができる。しかしながら、暖房サイクル時、圧縮機(22)の吐出側である冷媒/水熱交換器(62)にて冷媒が水媒体と熱交換を行うと、凝縮器として機能する室内熱交換器(41)には、圧縮機(22)の吐出時よりも温度の低下した冷媒が流入されることとなる。すると、室内熱交換器(41)での熱交換の効率が下がり、暖房能力が不足する虞がある。
そこで、暖房サイクル時に条件“T3>T1”が成立する場合、バイパス通路(72)は、第1給湯側通路(71)をバイパスして、過冷却水熱交換器(63)のみで水媒体を加熱させる。これにより、冷媒回路(21)側では暖房能力は低下せず、且つ貯留タンク(64)には過冷却水熱交換器(63)での熱交換による温水が貯留される。
逆に、図8に示すように、室内熱交換器(41)における冷媒の出口温度(T3)が貯留タンク(64)における水媒体の出口温度(T1)よりも低い場合(T3<T1)、循環ポンプ(65)は運転を停止する。これにより、水回路(61)は水媒体の循環を停止するため、水媒体は、貯留タンク(64)内に貯留されたままの状態となり、加熱動作はなされない。
暖房サイクル時に、室内熱交換器(41)における冷媒の出口温度(T3)が貯留タンク(64)における水媒体の出口温度(T1)よりも低いということは、過冷却水熱交換器(63)には、水媒体よりも温度の低い冷媒が流入することとなる。そのため、既に図6を用いて説明した理由と同様、過冷却水熱交換器(63)にて水媒体と冷媒との熱交換を行うことは好ましくない。更に、冷媒回路(21)が行っているサイクルが暖房サイクルであることから、既に図7を用いて説明した理由と同様、暖房能力の低下を誘発する虞のある冷媒/水熱交換器における熱交換も、好ましくない。
そこで、暖房サイクル時に条件“T3<T1”が成立する場合、水回路(61)では、水媒体の循環を停止することで、各水熱交換器(63,62)における水媒体と冷媒との熱交換を停止させている。
―着霜抑制運転―
着霜抑制運転は、外気温度が比較的低い冬季等の暖房シーズンに行われる運転であって、室外熱交換器(24)が着霜することを抑制するために行われる。
着霜抑制運転は、外気温度が比較的低い冬季等の暖房シーズンに行われる運転であって、室外熱交換器(24)が着霜することを抑制するために行われる。
着霜抑制運転では、図9に示すように、冷媒回路(21)は暖房サイクルを行う。
水回路(61)側では、バイパス通路(72)は第3状態を採る。この場合、水媒体は、貯留タンク(64)から流出すると、第2給湯側通路(71)の過冷却水熱交換器(63)を通過し、その後は第1給湯側通路(70)を通過せずに貯留タンク(64)に戻される。
特に、着霜抑制運転は、貯留タンク(64)における水媒体の出口温度(T1)が室内熱交換器(41)における冷媒の出口温度(T3)よりも高い場合(T1>T3)に行われる。即ち、過冷却水熱交換器(63)は、水媒体の放熱器として機能し、室外熱交換器(24)には、過冷却水熱交換器(63)にて水媒体から吸熱した後の冷媒が流れる。従って、着霜抑制運転では、貯留タンク(64)内の温水が熱源となって、蒸発器として機能する室外熱交換器(24)の着霜が抑制される。
<効果>
本実施形態2に係る水回路(61)は、冷媒/水熱交換器(62)及び過冷却水熱交換器(63)への水媒体の流れを調整可能なバイパス通路(72)を有している。そのため、各種条件に応じてバイパス通路(72)が採り得る状態を切り換えることで、冷媒/水熱交換器(62)及び過冷却水熱交換器(63)の利用の有無が容易に調整される。
本実施形態2に係る水回路(61)は、冷媒/水熱交換器(62)及び過冷却水熱交換器(63)への水媒体の流れを調整可能なバイパス通路(72)を有している。そのため、各種条件に応じてバイパス通路(72)が採り得る状態を切り換えることで、冷媒/水熱交換器(62)及び過冷却水熱交換器(63)の利用の有無が容易に調整される。
具体的に、冷房サイクル時に、貯留タンク(64)における水媒体の出口温度(T1)が室外熱交換器(24)における冷媒の出口温度(T2)よりも低い場合(T1<T2)、冷媒/水熱交換器(62)及び過冷却水熱交換器(63)の両方を利用して水媒体が加熱される。これにより、貯留タンク(64)には、高温の水媒体が貯留される。また、冷媒回路(21)側では、過冷却水熱交換器(63)が過冷却器として機能するため、蒸発器として機能する室内熱交換器(41)に流入される冷媒の過冷却度は、過冷却器が利用されない場合に比して大きくなる。従って、冷房効率が向上する。
逆に、冷房サイクル時に、貯留タンク(64)における水媒体の出口温度(T1)が室外熱交換器(24)における冷媒の出口温度(T2)よりも高い場合(T1>T2)、バイパス通路(72)は、第2給湯側通路(71)をバイパスして冷媒/水熱交換器(62)のみで水媒体を加熱させる。これにより、室内の冷房能力は低下せず、貯留タンク(64)には冷媒/水熱交換器(62)での熱交換による温水が貯留される。
また、暖房サイクル時に、室内熱交換器(41)における冷媒の出口温度(T3)が貯留タンク(64)における水媒体の出口温度(T1)よりも高い場合(T3>T1)、バイパス通路(72)は、第1給湯側通路(70)をバイパスして過冷却水熱交換器(63)にて水媒体と冷媒とを熱交換させる。これにより、暖房能力は維持され、貯留タンク(64)には、過冷却水熱交換器(63)での熱交換による温水が貯留される。
逆に、暖房サイクル時に、室内熱交換器(41)における冷媒の出口温度(T3)が貯留タンク(64)における水媒体の出口温度(T1)よりも低い場合(T3<T1)、水回路(61)内では水媒体の循環が停止される。そのため、冷媒/水熱交換器(62)及び過冷却水熱交換器(63)での冷媒と水媒体との熱交換が停止されるため、暖房能力を維持できると共に、貯留タンク(64)内の水媒体の温度が熱交換によって低下することを防止できる。
また、着霜抑制運転時、冷媒回路(21)は暖房サイクルを行った状態にて、バイパス通路(72)は、第1給湯側通路(70)をバイパスして過冷却水熱交換器(63)にて冷媒と水とを熱交換させる。これにより、貯留タンク(64)内の水媒体は過冷却水熱交換器(63)にて冷媒に放熱し、水媒体から吸熱した冷媒は室外熱交換器(24)に流入する。これにより、室内熱交換器(41)によって室内を暖房しつつも、貯留タンク(64)内の水媒体を熱源として室外熱交換器(24)の着霜を抑制できる。
≪実施形態3≫
図10は、実施形態3の給湯空調システム(10)の回路構成を示す配管系統図である。
≪実施形態3≫
図10は、実施形態3の給湯空調システム(10)の回路構成を示す配管系統図である。
図10では、補助加熱器(80)(加熱器に相当)が水回路(61)内に設けられている。
具体的に、水回路(61)は、給湯配管(68)のうち、貯留タンク(64)における水媒体の入口側(即ち、上部流入口(64a))と冷媒/水熱交換器(62)における水媒体の出口側とを接続する部分に設けられている。より具体的には、補助加熱器(80)は、第1配管(72a)と貯留タンク(64)の上部流入口(64a)との間の連絡配管(75a)に設けられ、第1配管(72a)側から貯留タンク(64)へと流れる水媒体を加熱することが可能となっている。
なお、実施形態3では、出湯管(81)には補助加熱器は設けられていない。また、冷媒回路(21)の構成は、上記第2実施形態と同様である。
これにより、必要に応じて補助加熱器(80)が水媒体の加熱動作を行うことにより、貯留タンク(64)には、高温の水媒体を貯留させることが確実に可能となる。
特に、暖房給湯運転時、室内の暖房能力の低下を回避するべく、冷媒/水熱交換器(62)では、水媒体と冷媒との熱交換が行われないため、貯留タンク(64)内の水媒体の温度は、比較的低い恐れがある。そこで、暖房給湯運転時、補助加熱器(80)は加熱動作を行うことが好ましい。
また、補助加熱器(80)は、図1の水回路(61)内に設けられていても良い。
≪実施形態4≫
図11は、実施形態4の給湯空調システム(10)の回路構成を示す配管系統図である。
≪実施形態4≫
図11は、実施形態4の給湯空調システム(10)の回路構成を示す配管系統図である。
図11の冷媒回路(21)は、図1の冷媒回路(21)において、更に流量調節弁(35)を有する。流量調節弁(35)は、吐出配管(30)における冷媒/水熱交換器(62)の冷媒の出口側に設けられている。流量調節弁(35)は、開度可変の電動膨張弁によって構成されている。
流量調節弁(35)の開度は、給湯が優先される場合には、冷媒/水熱交換器(62)における水媒体の出口温度が目標設定値となるようにして制御されることが好ましい。また、流量調節弁(35)の開度は、室内の冷房及び暖房が優先される場合には、全開となることが好ましい。このように流量調節弁(35)の開度を調節することで、圧縮機(22)から吐出される冷媒の吐出圧力が調整される。従って、冬季のように外気温度が比較的低い場合でも、比較的高温の水媒体が貯留タンク(64)に貯留されるようになる。
なお、目標設定値は、冷媒/水熱交換器(62)における水冷媒の出口温度に応じて決定される値である。
また、流量調節弁(35)は、図4の冷媒回路(21)において設けられていてもよい。
≪その他の実施形態≫
図12に示すように、冷媒/水熱交換器(62)のみならず、過冷却水熱交換器(63)においても冷媒と水媒体とが互いに対向して流れるように、冷媒回路(21)が構成されていてもよい。一例として、図12は、図1の冷媒回路(21)において、室外側膨張弁(25)と室内側膨張弁(26)との間にブリッジ回路(36)が更に設けられている場合を表している。
≪その他の実施形態≫
図12に示すように、冷媒/水熱交換器(62)のみならず、過冷却水熱交換器(63)においても冷媒と水媒体とが互いに対向して流れるように、冷媒回路(21)が構成されていてもよい。一例として、図12は、図1の冷媒回路(21)において、室外側膨張弁(25)と室内側膨張弁(26)との間にブリッジ回路(36)が更に設けられている場合を表している。
ブリッジ回路(36)は、4つの逆止弁(36a,36b,36c,36d)がブリッジ状に接続されることで構成されている。逆止弁(36a,36b)と逆止弁(36c,36d)との間に、過冷却水熱交換器(63)の冷媒側通路(63a)が接続されている。更に、逆止弁(36a,36c)は室内側膨張弁(26)に接続され、逆止弁(36b,36d)は室外側膨張弁(25)に接続されている。このような構成により、過冷却水熱交換器(63)には、給湯空調システム(10)の運転種類に関係なく、常に冷媒と水媒体とが互いに対向して流れるようになる。
また、上記で示した貯留タンク(64)の大きさは、一例である。貯留タンク(64)の大きさは、設置される給湯空調システム(10)の規模等に応じて適宜設定されることができる。
補助加熱器(80)は、ガス燃焼式ではなく電気式の加熱器であってもよい。
以上説明したように、本発明は、貯留タンク(64)を有する水回路(61)と、室内の空気調和を行う冷媒回路(21)とを有する給湯空調システムにおいて、冷房及び暖房のどちらの場合も空調能力を低下させずに給湯の温水を生成するシステムとして有用である。
21 冷媒回路
22 圧縮機
23 四路切換弁
24 室外熱交換器
26 室内側膨張弁
30 吐出側通路
33 熱交換側通路
35 流量調節弁
41 室内熱交換器
61 水回路(給湯回路)
62 冷媒/水熱交換器(第1給湯側熱交換器)
63 過冷却水熱交換器(第2給湯側熱交換器)
64 貯留タンク(貯湯タンク)
70 第1給湯側通路
71 第2給湯側通路
72 バイパス通路
80 補助加熱器(加熱器)
22 圧縮機
23 四路切換弁
24 室外熱交換器
26 室内側膨張弁
30 吐出側通路
33 熱交換側通路
35 流量調節弁
41 室内熱交換器
61 水回路(給湯回路)
62 冷媒/水熱交換器(第1給湯側熱交換器)
63 過冷却水熱交換器(第2給湯側熱交換器)
64 貯留タンク(貯湯タンク)
70 第1給湯側通路
71 第2給湯側通路
72 バイパス通路
80 補助加熱器(加熱器)
Claims (10)
- 冷媒を圧縮する圧縮機(22)と、室内熱交換器(41)と、室外熱交換器(24)と、上記圧縮機(22)によって圧縮された上記冷媒の流れを上記室内熱交換器(41)及び上記室外熱交換器(24)のいずれか一方に切り換える四路切換弁(23)とを有する冷媒回路(21)と、
上記冷媒の放熱器として機能し水媒体を加熱可能な第1給湯側熱交換器(62)及び第2給湯側熱交換器(63)と、加熱された上記水媒体を貯留する貯湯タンク(64)と、を備える給湯回路(61)と
を備え、
上記冷媒回路(21)は、
上記第1給湯側熱交換器(62)が設けられており、一端が上記圧縮機(22)の吐出側に接続され他端が上記四路切換弁(23)に接続された吐出側通路(30)と、
上記第2給湯側熱交換器(63)が設けられており、一端が上記室外熱交換器(24)に接続され他端が上記室内熱交換器(41)に接続された熱交換側通路(33)と、
上記熱交換側通路(33)における上記第2給湯側熱交換器(63)の一端側に設けられた室外側膨張弁(25)と、
上記熱交換側通路(33)における上記第2給湯側熱交換器(63)の他端側に設けられた室内側膨張弁(26)と
を更に有し、
上記冷媒回路(21)が冷房サイクルを行う際、上記給湯回路(61)は、上記貯湯タンク(64)内の上記水媒体を、上記第2給湯側熱交換器(63)から上記第1給湯側熱交換器(62)へと流れて再び上記貯湯タンク(64)に貯留されるように循環させることが可能であって、
上記冷媒回路(21)が暖房サイクルを行う際、上記給湯回路(61)は、上記貯湯タンク(64)内の上記水媒体を、上記第2給湯側熱交換器(63)に流して再び上記貯湯タンク(64)に貯留されるように循環させることが可能となっている
ことを特徴とする給湯空調システム。 - 請求項1において、
上記冷媒回路(21)が冷房サイクルを行う際、上記室外側膨張弁(25)は全開となり、
上記冷媒回路(21)が暖房サイクルを行う際、上記室内側膨張弁(26)は全開となる
ことを特徴とする給湯空調システム。 - 請求項1または請求項2において、
上記給湯回路(61)は、
上記第1給湯側熱交換器(62)が設けられた第1給湯側通路(70)と、
上記第2給湯側熱交換器(63)が設けられた第2給湯側通路(71)と、
上記第1給湯側通路(70)の両端と上記第2給湯側通路(71)の両端とに接続し、上記水媒体が上記第2給湯側通路(71)及び上記第1給湯側通路(70)の両方を流れる第1状態と、上記第2給湯側通路(71)をバイパスし且つ上記水媒体が上記第1給湯側通路(70)を流れる第2状態と、上記水媒体が上記第2給湯側通路(71)を流れ且つ上記第1給湯側通路(70)をバイパスする第3状態とのいずれかを採り得るバイパス通路(72)と
を更に有する
ことを特徴とする給湯空調システム。 - 請求項3において、
上記冷媒回路(21)は冷房サイクルを行っており、
上記貯湯タンク(64)における上記水媒体の出口温度が上記室外熱交換器(24)における上記冷媒の出口温度よりも低い場合、上記バイパス通路(72)は上記第1状態を採る
ことを特徴とする給湯空調システム。 - 請求項3または請求項4において、
上記冷媒回路(21)は冷房サイクルを行っており、
上記貯湯タンク(64)における上記水媒体の出口温度が上記室外熱交換器(24)における上記冷媒の出口温度よりも高い場合、上記バイパス通路(72)は上記第2状態を採る
ことを特徴とする給湯空調システム。 - 請求項3から請求項5のいずれか1項において、
上記冷媒回路(21)は暖房サイクルを行っており、
上記室内熱交換器(41)における上記冷媒の出口温度が上記貯湯タンク(64)における上記水媒体の出口温度よりも高い場合、上記バイパス通路(72)は上記第3状態を採る
ことを特徴とする給湯空調システム。 - 請求項3から請求項6のいずれか1項において、
上記冷媒回路(21)は暖房サイクルを行っており、
上記室内熱交換器(41)における上記冷媒の出口温度が上記貯湯タンク(64)における上記水媒体の出口温度よりも低い場合、上記給湯回路(61)は上記水媒体の循環を停止する
ことを特徴とする給湯空調システム。 - 請求項3から請求項7のいずれか1項において、
上記室外熱交換器(24)の着霜を抑制する着霜抑制運転時、
上記冷媒回路(21)は暖房サイクルを行い、
上記バイパス通路(72)は上記第3状態を採り、
上記第2給湯側熱交換器(63)は、上記水媒体の放熱器として機能し、
上記室外熱交換器(24)には、上記第2給湯側熱交換器(63)にて上記水媒体から吸熱した後の上記冷媒が流れる
ことを特徴とする給湯空調システム。 - 請求項1から請求項8のいずれか1項において、
上記給湯回路(61)は、上記貯湯タンク(64)における上記水媒体の入口側と上記第1給湯側熱交換器(62)における上記水媒体の出口側とを接続する配管に設けられ上記水媒体を加熱可能な加熱器(80)、を更に有する
ことを特徴とする給湯空調システム。 - 請求項1から請求項9のいずれか1項において、
上記冷媒回路(21)は、上記吐出側通路(30)における上記第1給湯側熱交換器(62)の上記冷媒の出口側に設けられた流量調節弁(35)、を更に有する
ことを特徴とする給湯空調システム。
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