JP2020051424A - 作業車 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]エンジンルーム内のエンジンの上方位置に搭載台フレームを設け、その搭載台フレームに排気ガス処理装置を支持させている。そして、搭載台フレームから斜め下方に向けて、排気ガス処理装置とエアクリーナとの間に位置する遮熱板を設けて、排気ガス処理装置からエアクリーナへの輻射熱の伝播を抑制するようにしたもの(特許文献1参照)。
このように排気ガス処理装置を支持するための取付支持体自身が遮熱板部を備えているので、取付支持体とは別に遮熱専用の部材を装着する必要がない。したがって、排気ガス処理装置から固定部側の他装置に対する熱影響を低減し得るものでありながらも、排気ガス処理装置の取り付け、及び他装置に対する遮熱を行うための構造を、比較的コンパクトに構成でき、また、別途、遮熱用の部材の組付け分解を行う必要もない。
これによって、取り付け及び遮熱のための構造体の大型化を回避できるとともに、組付け分解の工数を節減し得るものである。
このように、排気ガス処理装置がエンジンから後方へ離れていることによりエンジンから排気ガス処理装置への熱伝達は行われ難く、排気ガス処理装置から変速装置へは、取付支持体に遮熱板部が備えられていることにより、変速装置側への熱影響は少なくて済む。
これにより、排気ガス処理装置が比較的長尺なものであっても、それに対応して取付支持体を前後方向に長く形成する必要なく、排気ガス処理装置を、前後左右及び上下方向で確実に位置規制した状態に支持し得る。
尚、本実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、次のように記載している。つまり、本発明を適用した作業車の作業走行時における前進側の進行方向(図1,2における矢印F参照)が「前」、後進側への進行方向(図1,2における矢印B参照)が「後」、その前後方向での前向き姿勢を基準としての右側に相当する方向(図3における矢印R参照)が「右」、同様に左側に相当する方向(図3における矢印L参照)が「左」である。
ここでは、本発明を作業車の一例であるユーテリティービークル(多目的車両に相当する)に適用した場合について説明する。
図1、図2に示すように、ユーテリティービークルは、走行機体の骨組みを形成する機体フレーム1の前部に操向操作可能な左右一対の前車輪1F(走行装置に相当する)を備え、機体フレーム1の後部には操向不能な左右一対の後車輪1R(走行装置に相当する)が支持されている。
走行機体の前後方向での中央部で機体フレーム1の上方側には運転部10が備えられている。走行機体の後部で機体フレーム1の上方側に荷台2備え、この荷台2の下方位置に原動部3が備えられている。
前記運転部10を取り囲む位置には、運転部10を保護するロプスフレーム11が備えられている。
運転座席12に隣接して助手席が配置されている。この運転座席12の下側に相当する座席下空間には、後述するディーゼルエンジン4の冷却用ファン43で冷却される位置に配設したオイルクーラ(図示せず)や、そのオイルクーラに外気を導入するための風路、及び、及びバッテリ装置(図示せず)等が配設されている。
図2乃至図4に示すように、原動部3には、内燃機関である水冷式のディーゼルエンジン4(以下、単にエンジンと略称する)と、このエンジン4に固定された変速装置5(エンジンと一体の固定部に相当する)と、が備えられている。エンジン4を水冷するためのラジエータ(図示せず)は、機体前部のフロントボンネット14の内部に配設されている。
上記のエンジン4及び変速装置5を含む原動部3が、機体フレーム1と、その機体フレーム上で運転部10の後方側に配設された荷台2と、の間に形成されている。
変速装置5は、ギヤ変速装置(図示せず)を内装するミッションケース50と、静油圧式無段変速装置51と、を備えている。ミッションケース50がエンジン4の後方に連結固定され、静油圧式無段変速装置51がミッションケース50の後方に連結固定されている。
まず、第一実施形態について説明する。
〔第一実施形態の排気ガス処理装置〕
図2、図3に示すように、原動部3には、エンジン4の排気ガスを浄化する排気ガス処理装置30が備えられている。この排気ガス処理装置30は、排気ガス中に含まれるカーボンを主成分とする粒子状物質を捕集して除去するディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)を用いて構成されている。
この排気ガス処理装置30は、捕集した粒子状物質が堆積することによる捕集機能の低下を防止するために、捕集した粒子状物質を加熱して燃焼除去する再生処理を行うように構成されている。その結果、エンジン4の回転数の高低にかかわらず、再生処理時において排出される排気ガスの温度が一般的なエンジンの排気に比べて高温になっている。
取付支持体6は、排気ガス処理装置30がエンジン4から離れた後方に位置するように、ミッションケース50の上部に取り付けられている。この取付支持体6に対する取付状態で、排気ガス処理装置30の前端部30aが、排気導入管31に接続されている。排気導入管31の前端部は、エンジン4のエキゾーストマニホールド45に接続されている。
この取付状態で、排気ガス処理装置30は長手方向を前後方向に沿わせた姿勢であり、排気導入管31も管長手方向がほぼ前後方向に沿う姿勢で配設されている。
そして、下部板62には、ミッションケース50の左側面に形成されている前後一対の下部ねじ穴54,54に螺合する連結用ボルト64を挿通可能な、前後一対の第一ボルト挿通孔62a,62aが形成されている。この第一ボルト挿通孔62a,62a同士、及び前記下部ねじ穴54,54同士は、前後方向で距離L1だけ離れた二箇所に形成されている。
上部板63には、平坦面部63Aの外周端部のうち、ミッションケース50の左側面に近い側の端部に上方への起立片部63Bが形成されている。その起立片部63Bには、ミッションケース50の左側面に形成された前記下部ねじ穴54よりも高い位置に形成された上部ねじ穴55に螺合する連結用ボルト64を挿通可能な第二ボルト挿通孔63aが形成されている。この第二ボルト挿通孔63a及び前記上部ねじ穴55は、第一ボルト挿通孔62a、及び前記下部ねじ穴54よりも、上下方向高さH1だけ高い位置に形成されている。
また、第二ボルト挿通孔63a及び上部ねじ穴55は、左右方向でも、第一ボルト挿通孔62a及び下部ねじ穴54よりも、左右幅W1だけミッションケース50の左右方向中心側へ偏倚している。
平板部分61Aに備えた溶接ナット65は、取付部60の平坦面部63Aに備えた、前後方向が長径である長孔状の連結孔63b(図4及び図5参照)に対向する位置にあり、長孔状の連結孔63bに下方側から挿通した連結ボルト66を介して、連結及び連結解除可能に構成されている。
連結部61の上拡がりの傾斜板部分61Bの上端縁61Cは、円筒状の排気ガス処理装置30の下半側に溶接固定されている。
これによって、連結部61の平板部分61Aと上拡がりの傾斜板部分61Bは、取付支持体6の連結部61としての役割を果たすとともに、ミッションケース50と排気ガス処理装置30の間における輻射熱の伝導を抑制する遮熱板部67としても機能している。
〔第二実施形態の排気ガス処理装置〕
原動部3には、エンジン4の排気ガスの排出経路途中に排気ガス処理装置30が備えられている。この排気ガス処理装置30は、排気ガスの排出音を低減させるための消音室を備えた消音装置(マフラー)を用いて構成されている。
このように排気ガス処理装置30として消音装置を用いた構造のものでは、エンジン4がディーゼルエンジンであるものに限らず、ガソリンエンジンを用いた場合にも同じ構造を採用することができる。
取付支持体6は、排気ガス処理装置30がエンジン4から離れた後方に位置するように、ミッションケース50の上部に取り付けられている。この取付支持体6に対する取付状態で、排気ガス処理装置30の前端部30aが、排気導入管31に接続されている。排気導入管31の前端部は、エンジン4のエキゾーストマニホールド45に接続されている。
この取付状態で、排気ガス処理装置30は長手方向を前後方向に沿わせた姿勢であり、排気導入管31も管長手方向がほぼ前後方向に沿う姿勢で配設されている。
そして、下部板62には、ミッションケース50の左側面に形成されている前後一対の下部ねじ穴54,54に螺合する連結用ボルト64を挿通可能な、前後一対の第一ボルト挿通孔62a,62aが形成されている。この第一ボルト挿通孔62a,62a同士、及び前記下部ねじ穴54,54同士は、前後方向で距離L1だけ離れた二箇所に形成されている。この第二実施形態においては、前記下部ねじ穴54,54同士や、前記第一ボルト挿通孔62a,62a同士の前後方向での距離L1が、第一実施形態で示した構造の取付部60における第一ボルト挿通孔62a,62a同士の前後方向での距離L1に比べて短く形成されている。
また、第二ボルト挿通孔63a及び上部ねじ穴55は、左右方向でも、第一ボルト挿通孔62a及び下部ねじ穴54よりも、左右幅W1だけミッションケース50の左右方向中心側へ偏倚している。
平板部分61Aに備えた溶接ナット65は、取付部60の平坦面部63Aに備えた、左右方向が長径である長孔状の連結孔63b(図7参照)に対向する位置にあり、長孔状の連結孔63bに下方側から挿通した連結ボルト66を介して、連結及び連結解除可能に構成されている。
連結部61の上拡がりの傾斜板部分61Bの上端縁61Cは、円筒状の排気ガス処理装置30の下半側に溶接固定されている。
これによって、連結部61の平板部分61Aと上拡がりの傾斜板部分61Bは、取付支持体6の連結部61としての役割を果たすとともに、ミッションケース50と排気ガス処理装置30の間における輻射熱の伝導を抑制する遮熱板部67としても機能している。
上記の実施形態では、取付支持体6の取り付け対象となる、エンジン4と一体の固定部として、変速装置5のミッションケース50を例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、変速装置5の静油圧式無段変速装置51であったり、その他のエンジン補機であったり、エンジン4そのものであったりしても差し支えない。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
上記の実施形態では、取付支持体6として、取付部60と、その取付部60に対して脱着可能な連結部61と、で構成された構造のものを例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、取付部60と連結部61が一体に構成されたものであっても差し支えない。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
上記の実施形態では、取付支持体6が、機体フレーム1と、機体フレーム1上の前部側に配設された運転部10と、機体フレーム1上で運転部の後方側に配設された荷台2と、の間に設けられた原動部3で用いられた構造のものを例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、荷台2による高さ制限や、運転部10による前後方向での配設位置の制限がない箇所で用いることも可能である。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
上記の実施形態では、走行装置として、前車輪1F及び後車輪1Rを備えた構造のものを例示したが、この構造に限られるものではなく、例えば、前車輪1Fもしくは後車輪1Rの何れか一方に代えてクローラ走行装置を採用する、もしくは、前車輪1F及び後車輪1Rに代えてクローラ走行装置を用いたものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
1F 前車輪(走行装置)
1R 後車輪(走行装置)
2 荷台
3 原動部
5 変速装置
4 エンジン
6 取付支持体
10 運転部
30 排気ガス処理装置
31 排気導入管
45 エキゾーストマニホールド
60 取付部
61 連結部
67 遮熱板部
Claims (5)
- 原動部に、エンジンと、そのエンジンのエキゾーストマニホールドに接続された排気ガス処理装置が備えられ、
前記排気ガス処理装置が、取付支持体を介して前記エンジンと一体の固定部に連結され、
前記取付支持体に、前記固定部に連結可能な取付部と、前記排気ガス処理装置を連結する連結部と、前記固定部と前記排気ガス処理装置の間における輻射熱の伝導を抑制する遮熱板部と、が備えられている作業車。 - 前記原動部が、走行装置に支持された機体フレームと、前記機体フレーム上の前部側に配設された運転部と、前記機体フレーム上で前記運転部の後方側に配設された荷台と、の間に設けられている請求項1記載の作業車。
- 前記原動部の前部に前記エンジンが配設され、前記エンジンの後方に変速装置が連設され、
前記排気ガス処理装置が前記エンジンから離れた後方位置で前記変速装置の上方に配置され、
前記取付支持体が前記変速装置に取り付けられている請求項1又は2記載の作業車。 - 前記排気ガス処理装置が長手方向を前後方向に沿わせて配設され、
前記排気ガス処理装置の前端部と前記エキゾーストマニホールドが、前後方向に沿う排気導入管で接続され、
前記排気ガス処理装置の下半側に前記遮熱板部が対向する状態で、前記排気ガス処理装置の下部が、前記取付支持体に支持されている請求項1〜3のいずれか一項記載の作業車。 - 前記排ガス処理装置が消音装置を備えたものである請求項1〜4のいずれか一項記載の作業車。
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