JP2020050381A - チップ状電子部品用キャリアテープ台紙及びチップ状電子部品用キャリアテープの製造方法 - Google Patents

チップ状電子部品用キャリアテープ台紙及びチップ状電子部品用キャリアテープの製造方法 Download PDF

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【課題】チップ状電子部品装填用の凹状又は穿孔の装填部の形成の際に、金型先端部のチッピングを起こしにくいチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を提供する。【解決手段】パルプを主成分とする基紙からなり、基紙中に存在する石英の最大粒子直径が30μm未満であることを特徴とするチップ状電子部品用キャリアテープ台紙。基紙に対する石英の含有比率が質量比で30ppm未満で、チップ状電子部品装填用の凹状の装填部を形成するために用いられるチップ状電子部品用キャリアテープ台紙。【選択図】図1

Description

本発明はチップ状電子部品用キャリアテープ台紙及びチップ状電子部品用キャリアテープの製造方法に関する。更に詳しくは、チップ状電子部品装填用の凹状又は穿孔の装填部の形成の際に、金型先端部のチッピングを起こしにくいチップ状電子部品用キャリアテープ台紙及びチップ状電子部品用キャリアテープの製造方法に関する。
従来、各種の電子機器の自動生産化を図るために、プリント基板に対してチップ状電子部品の自動装着がなされている。チップ状電子部品の自動装着工程では、チップ部品実装機などを用いて、プリント配線板にチップ状電子部品を1つずつ供給し、プリント配線板に自動装着している。この自動装着工程において、チップ状電子部品の取り扱いを容易に行うために、個々のチップ状電子部品をテープ状の搬送体で包装したテーピング包装体が使用されている。
前記テーピング包装体は、キャリアテープ台紙に、チップ状電子部品装填用の凹状又は穿孔の装填部(以下、単に「装填部」と記載することがある。)を一定間隔で形成し、前記装填部に所定のチップ状電子部品を装填した後、カバーテープで封入することによって形成されている。なお、装填部は、一般的に角形に設けられ、プレスポケットやキャビティーなどと称されることもある。装填部は金型を用いて形成される。(例えば特許文献1、2を参照)。
チップ状電子部品を装填したテーピング包装体は、リール状に搬送され、チップ状電子部品を装着する自動機械によって連続的にカバーテープが引き剥がされ、チップ状電子部品がキャリアテープ台紙から順次取り出されてプリント配線板の所定の位置に自動装着される。
キャリアテープ台紙は、プラスチック製と紙製とに大別される。製造コスト、非帯電性、使用後の廃棄容易性などの点で紙製が望ましいとされている。紙製のキャリアテープ台紙としては、単層又は多層抄きの板紙製のものが知られている(例えば特許文献3〜5を参照)。
これらの紙製のキャリアテープ台紙においては、その装填部の形状が正確に形成されることが要求される。その為には、装填部を形成するために使用する金型が摩耗しにくいことが求められる。金型が摩耗すると装填部の形成不良が生じやすくなるため、金型を研磨又は新調する必要があり、操業性を著しく悪化させるほか、コストがかかるなどの問題がある。このような問題を解決するために、金型摩耗を抑制するキャリアテープ台紙が開示されている(例えば特許文献6を参照)。
装填部の形成においては、金型の摩耗の抑制の他に、金型がチッピングを起こさないようにすることも求められる。ここで、チッピングとは、金型の先端部(刃先)が細かく欠ける現象をいう。この現象は、刃先の摩耗によるものではなく、装填部の形成加工時の瞬間的な衝撃や、機械の振動が直接刃先に伝わることにより生じる現象である。チッピングが生じると、欠損した金型の破片が異物として電子部品に混入するおそれが生じる。また、摩耗のように装填部の加工数量の増加に応じて徐々に進行していく現象とは異なり、チッピングは一度でも大きな衝撃が金型に伝わると発生する可能性のある現象である。チッピングを生じないようにするには、金型の靱性を向上させればよいが、靭性と耐摩耗性とには基本的には逆の相関があることから、靭性を向上させると耐摩耗性が低下してしまうという問題がある。そのため、通常は靭性と耐摩耗性とをバランスよく担持させるのだが、金型の設計によっては満足にチッピングを防ぐことができないことがある。
特開2002−211507号公報 特開平10−218281号公報 特開平09−188385号公報 特開2005−313946号公報 特開2008−230651号公報 特開2006−143227号公報
本発明はこのような問題に鑑み、チップ状電子部品装填用の凹状又は穿孔の装填部の形成の際に、金型先端部のチッピングを起こしにくいチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を提供することを課題とする。
本発明の他の目的並びに作用効果については、以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
上記課題を解決するため、本発明のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙は、パルプを主成分とする基紙からなり、基紙中に最大粒子直径が30μm以上の石英を含まないことを特徴とする。このような構成とすることで、チップ状電子部品装填用の凹状又は穿孔の装填部の形成の際に、金型先端部のチッピングを起こしにくいチップ状電子部品用キャリアテープ台紙とすることができる。
また、本発明においては、基紙に対する石英の含有比率が質量比で30ppm未満であってもよい。
また、本発明のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙は、チップ状電子部品装填用の凹状の装填部を形成するために用いられるものであってもよい。
また、本発明は、前記チップ状電子部品用キャリアテープ台紙に、チップ状電子部品装填用の凹状又は穿孔の装填部を、金型を用いて形成することを特徴とする前記チップ状電子部品用キャリアテープの製造方法である。さらに、本発明は、パルプを主成分とする原料スラリーを目開き150μmのフィルタに通液した工業用水により調製し、さらに、当該スラリーをリジェクト率が0.2%以上となる条件で液体サイクロン式のクリーナーを通過させ、抄紙し基紙を得ることを特徴とする前記チップ状電子部品用キャリアテープの製造方法である。
本発明のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙によれば、チップ状電子部品装填用の凹状又は穿孔の装填部の形成の際に、金型先端部のチッピングを抑制でき、結果的に欠損した金型の破片が異物として電子部品に混入することを抑制することができる。
実施例1で得られたチップ状電子部品用キャリアテープ台紙の灰化物の電顕写真である。丸囲み内には、EDS分析により同定された最大粒子直径を有する石英が存在する。 比較例1で得られたチップ状電子部品用キャリアテープ台紙の灰化物の電顕写真である。丸囲み内には、EDS分析により同定された最大粒子直径を有する石英が存在する。
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本発明のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙は、基紙中に存在する粒子径の大きい石英をなるべく排除することで装填部の形成の際の金型のチッピングを抑制するものである。なお、本発明において、石英とは、溶融石英(石英ガラス)も含む。石英はモース硬度7と比較的硬度の高い無機物である。装填部の形成の際に金型が石英に接触すると、金型には大きな衝撃が加わることになり、結果として金型先端部にチッピングを生じさせる。そして、基紙中に存在する石英の直径が大きくなると、前記チッピングがより生じやすくなる。そこで本発明においては、基紙中に存在する石英の最大粒子直径が30μm未満とする。さらに、基紙中に存在する石英の最大粒子直径が25μm未満、さらには20μm未満とすることが好ましい。ここで、最大粒子直径とは、粒子の直径が最大となる値を言う。最大粒子直径が30μm以上の石英が含まれている場合、金型にチッピングを生じやすくなる。最大粒子直径が30μm未満である石英は、金型と接触しても金型先端部への衝撃が小さい又は逃げやすくなるためか、チッピングを生じる原因となりにくい。なお、製紙用填料としてモース硬度が高い二酸化チタン(ルチル型:モース硬度7〜7.5、アナターゼ型:モース硬度5.5〜6)が使用されることがあるが、平均粒子径が0.1〜10μmのものであればチッピングの問題は生じにくい。また、タルク(モース硬度1)や炭酸カルシウム(モース硬度3)はモース硬度が比較的低いことから、粒子径にかかわらずチッピングの問題は生じにくい。
ここで、石英の最大粒子直径は次の手順によって確認することができる。まず、チップ状電子部品用キャリアテープ台紙(1m)を電気炉により525℃の温度で約3時間燃焼して灰にした後、1規定の塩酸で灰を処理し、0.45μmフィルタで濾過する。走査型電子顕微鏡(日本電子製のJSM−IT300)を用いてEDS(エネルギー分散X線分光法)分析マッピングを行い、濾過後の残渣に含まれる全ての石英の粒子を特定し、撮影された石英粒子の最大となる長軸径を求める。したがって、本発明における「基紙中に存在する石英の最大粒子直径が30μm未満」は、1mの基紙中に最大粒子直径が30μm以上の石英が存在しないこと確認することにより特定される。さらに、「基紙中に存在する石英の最大粒子直径が30μm未満」としては、少なくとも1mさらに少なくとも10mの基紙中に最大粒子直径が30μm以上の石英が存在しないこと確認することにより特定されてもよい。
本発明のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙は、基紙に対する石英の含有比率が質量比で30ppm未満であることが好ましい。石英の含有比率を質量比で30ppm未満とすることで、更にチッピングを抑制することができる。石英の含有比率が30ppm以上になると、チッピングが生じやすくなるおそれがある。
本発明のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙は、パルプを主成分とする基紙からなる。基紙に使用する原料パルプとしては、特に限定するものではないが、木材パルプを好適に使用することができる。木材パルプとしては、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)や針葉樹未晒しクラフトパルプ(NUKP)、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)、広葉樹未晒しクラフトパルプ(LUKP)などの化学パルプ、砕木パルプ(GP)やサーモメカニカルパルプ(TMP)などの機械パルプ、脱墨パルプなどの古紙パルプが挙げられる。これらの原料パルプから選択した1種又は2種以上を使用することができる。これらの中でも、特に、NBKPとLBKPを単独または併用することが好ましい。例えば、LBKPをパルプスラリー中80〜100質量%または90〜100質量%含むものを使用することができる。なお、本発明において古紙パルプを採用することは可能であるが、古紙パルプは異物を含むことが多く、基紙への石英の混入の増加に繋がる可能性がある。従って、古紙パルプの製造工程においては、クリーナー等での異物除去を高レベルで行うことが好ましい。
このようなパルプの原料となる木材チップには種々の異物が混入しており、特に砂が混入していることが一般的である。多くの場合、砂は石英を含んでいることから、基紙中に石英を含ませない、または石英の含有量を少なくするためには、木材チップの段階で砂等の異物を除去しておくことが好ましい。例えばチップウォッシャー等のチップ洗浄機や、トロンメル等の篩い式の異物除去システムで砂等の異物を除去することができる。また、パルプの製造工程中において、蒸解後のパルプの洗浄目的は、パルプに残存する薬液やリグニン残留物の除去が主であるが、同時に砂等の異物を除去することで石英の混入を抑制することができる。例えば、フィルタ洗浄機やプレス洗浄機、ディフューザー洗浄機、サンドセパレータ等の公知の洗浄機を用いてパルプ中の異物を除去することができる。また、パルプの漂白工程においても同様であり、ここでも異物を極力除去することが好ましい。ここでも公知の洗浄機が使用でき、例えば、プレッシャーディフーザー、ディフュージョンウォッシャー、ドラムウォッシャー、プレス洗浄機等を使用できる。これらを複数使用することで、砂等の石英を含む異物を高度に除去することができる。これらの洗浄機では、より高度に石英を除去するために、清浄水を使用し、また、洗浄水の使用量を増やすことが好ましい。
前記原料パルプは、離解機及び叩解機を使用して適切な叩解度を有するパルプスラリーとする。本発明においては、カナダ標準濾水度(JIS P 8121:1995 パルプのろ水度試験方法)でCFS300ml〜800mlとすることが好ましい。より好ましくは、CFS350〜650mlであり、更に好ましくはCSF380〜550mlである。
適切な叩解度に調整したパルプスラリーを原料スラリーとし、抄紙機で抄紙してキャリアテープ台紙の基紙を形成する。抄紙機は公知の抄紙機を用いることができる。すなわち、長網式抄紙機、円網式抄紙機、ハイブリッドフォーマー、ギャップフォーマー等で抄紙することができる。基紙の構成は単層でも2層以上の多層としてもよく、例えば、3層とすることができる。2層以上の多層とする場合には、各層間には、層間強度を向上させることを目的として、層間に澱粉を塗布して抄紙してもよい。
原料スラリーには、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で、填料、紙力剤、サイズ剤、歩留まり向上剤、着色染料、着色顔料などの製紙用添加剤を適宜添加してもよい。また、基紙の表面には、必要に応じて表面紙力増強剤を塗布することができる。基紙への塗布方法は限定するものではなく、2本ロールサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、メタリングサイズプレス等の塗工機を用いて塗布することができる。これらの中でも、製造効率や加工適性、表面強度の向上、紙層強度の向上の観点から2本ロールサイズプレスを使用することが好ましい。表面紙力増強剤の塗布量は、基紙の両面当たり固形分換算で0.5〜5g/m、好ましくは1〜3.5g/mの範囲である。
基紙への石英の混入経路としては、前述したチップやパルプに混入する異物以外にも考えられ、例えば、製紙用添加剤がある。製紙用添加剤としては石英を含まないものが好ましい。特に填料として用いるタルクや炭酸カルシウムは、それ自体はモース硬度が比較的小さくチッピングに及ぼす影響は殆ど無いものの、不純物として石英を含む場合があるため、使用には注意を要する。従って、本発明においては、基紙には填料を含有させないことが好ましい。基紙に填料を含有させない場合、すなわち、原料スラリーに填料を添加しない場合は、原料スラリーを液体サイクロン式クリーナー等の除塵機に通して石英を除去することも可能となる。原料スラリー中の無機成分(パルプより比重の大きいもの)を除去することは、比較的粒子径の大きい石英の除去に効果的である。したがって、本発明のチップ状電子部品用キャリアテープの製造方法においては、液体サイクロン式クリーナーなどの除塵機により原料スラリーから粒子径の大きい石英の除去をすることが好ましく、除塵機、例えば、液体サイクロン式クリーナーのリジェクト率を高く(例えば、0.2%以上、さらには0.2〜0.5%、0.2〜0.6%など)することにより異物を除去することが好ましい。
また、他の石英の混入経路として、工業用水がある。工業用水中には微量の石英が混入していることがあり、工業用水用のタンクや配管などに析出したものなどが混入する可能性がある。従って、工業用水もサンドセパレータ、フィルタ等の公知の洗浄機により清浄なものとすることが好ましい。フィルタで洗浄する場合、目開き150μm以下、例えば、目開き40〜150μmのフィルタを使用することが好ましい。また、当然に、前述したチップやパルプの洗浄においても、石英を含有する工業用水ではなく、清浄な水を使用することが望ましい。しかしながら、経済的な側面を考慮すると、フィルタにより異物を除去した工業用水を使用することが好ましい。
本発明においては、乾燥後の基紙を、必要に応じて平滑化処理してもよい。平滑化処理の方法は特に限定するものではなく、マシンキャンダー、ソフトキャレンダ−、スーパーキャレンダ−などを用いることができる。
基紙の厚さは、装填されるチップ状電子部品の大きさによっても異なるが、50〜1200μmとすることが好まく、より好ましくは200〜1000μmである。また、坪量は200〜1200g/mとすることが好ましく、より好ましくは250〜1100g/mである。
本発明のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙は、チップ状電子部品を装填するための装填部を一定間隔で形成し、前記装填部にチップ状電子部品を装填した後、カバーテープで封入し、チップ状電子部品用キャリアテープとして使用される。装填部は、エンボス加工によって形成される有底の凹部又は打ち抜き加工によって形成される貫通孔のいずれでもよい。貫通孔とする場合は、キャリアテープ台紙の一方の面にボトムテープを装着して貫通孔の一方の孔を塞ぎ、装填部を形成する。
本発明のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙は、チップ状電子部品装填用の凹状の装填部を形成するために用いられる場合に、よりその効果を発揮しやすい。すなわち、凹状の装填部を形成するためには、前述したエンボス加工のような方法が考えられるが、この方法は、貫通孔を形成する場合とは異なり、打ち抜き時の金型にかかる圧力が大きくなる。貫通孔を形成する場合には、金型が基紙を貫通するので、貫通時に基紙に加わった圧力は比較的逃げやすくなるが、凹状の装填部を形成する場合は、基紙への圧力が逃げにくく、金型へかかる圧力も大きくなる。それゆえに、石英と金型が接触することにより生じるチッピングも、凹状の装填部を形成する場合の方が、貫通孔を形成する場合よりも発生しやすくなるのだが、本発明のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙によれば、凹状の装填部を形成する場合であっても金型のチッピングの問題を抑制することができる。
次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、もちろん本発明はこれらに限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は、特に断らない限りそれぞれ固形分換算での「質量部」、「質量%」を示す。
<実施例1>
フィルタ洗浄機を用いて洗浄した後、カナディアンスタンダードフリーネス(CSF)430mlに調整したLBKP100部からなるパルプスラリーに、硫酸バンドを0.5部、カチオン性デンプン(商品名:ネオタック#110M/日本食品加工社製)1部、ロジンエマルジョンサイズ剤(商品名:CC−1404/星光PMC社製)0.4部を添加し、工業用水を加えて原料スラリーを得た。得られた原料スラリーはリジェクト率が0.3%となる条件で液体サイクロン式のクリーナーを通過させ、円網抄紙機によって表層、中層、裏層からなる3層の湿紙を抄き合わせて抄紙し基紙を得た。その後、2本ロールサイズプレスにてカルボキシル基変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスT−350/日本合成化学工業社製)4%のサイズ液を基紙の両面あたり3g/mとなるように塗布し、シリンダードライヤーで乾燥させて目的とするチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を得た。なお、各層の坪量は、表層を80g/m、中層を240g/m、裏層を80g/mとした。キャリアテープ台紙全体の坪量は403g/mとし、厚さは411μmとした。また、原料スラリー調製のために用いた工業用水は、目開き100μmのフィルタに通液して異物の除去を行ったものを用いた。
<実施例2>
液体サイクロン式のクリーナーのリジェクト率が0.5%となる条件に変更した以外は実施例1と同様にしてチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を得た。
<実施例3>
原料スラリー調製のために用いる工業用水を、目開き50μmのフィルタに通液して異物の除去を行った以外は実施例2と同様にしてチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を得た。
<比較例1>
液体サイクロン式のクリーナーのリジェクト率が0.1%となる条件に変更し、さらに、原料スラリー調製のために用いる工業用水を、目開き200μmのフィルタに通液して異物の除去を行った以外は実施例1と同様にしてチップ状電子部品用キャリアテープ台紙を得た。
各実施例及び比較例で得られたチップ状電子部品用キャリアテープ台紙の製造条件と評価結果を表1に示す。なお、表1に記載の評価は次の方法で行った。また、クリーナーのリジェクト率は、数値が高いほど系外への異物の排出量が多いことを意味し、工業用水を通液するフィルタは目開きの数値が小さいほど異物の除去率が高いことを意味する。
<チップ状電子部品用キャリアテープ台紙の灰化>
JIS P 8251:2003の方法に準拠し、チップ状電子部品用キャリアテープ台紙(1m×1m)を電気炉により525℃の温度で約3時間燃焼して灰化物を得た。
<石英の最大粒子直径>
得られた灰化物を、1規定の塩酸で処理し、0.45μmフィルタで濾過した。次いで、この灰化物を、走査型電子顕微鏡(日本電子製のJSM−IT300)を用いてEDS分析マッピングを行い、SiとOのみが検出された粒子の最大となる長軸径を求めた。
<石英の含有比率>
X線回折装置(リガク社製のMiniFLEX600)を用い、検量線法により灰化物中の石英量を測定し、チップ状電子部品用キャリアテープ台紙に対する質量比率を求めた。
<チッピング評価>
チップ状電子部品用キャリアテープ台紙を8mm幅のテープ状にスリットして、JIS C 0806−3に準拠し、プレスポケット形装填部成形機(TWA−6507:東京ウエルズ社製)を用いて、幅方向0.7mm×流れ方向0.4mmの凹状の装填部を2mm間隔で240万ショット成形した。成形後、プレスポケット形装填部成形機の金型先端の欠損状況(チッピングの有無)を電子顕微鏡にて観察して評価した。評価基準は次のとおり。
◎:欠損が殆どなく、良好であり、合格。
○:やや欠損が見られるが、良好であり、合格。
×:比較的大きな欠損が見られ、不合格。
表1に示すとおり、実施例1〜3で得られたチップ状電子部品用キャリアテープ台紙は、何れも金型先端部に大きな欠損は見られず、チッピング評価が合格であった。一方で、比較例1で得られたチップ状電子部品用キャリアテープ台紙は、金型先端部に比較的大きな欠損が見られ、欠損した金型の破片が異物として混入する可能性があり、不合格であった。
実施例1と比較例1で得られたチップ状電子部品用キャリアテープ台紙の灰化物の電顕写真を確認する。図1は実施例1における灰化物の電顕写真であるが、最大粒子直径が30μmを超える石英は見られなかった。一方、図2は比較例1における灰化物の電顕写真であるが、最大粒子直径が30μmを超える石英が確認できた。図2で確認できるような大粒径の石英が基紙中に含まれる場合に、チッピングの問題が生じることが確認できた。

Claims (6)

  1. パルプを主成分とする基紙からなり、基紙中に存在する石英の最大粒子直径が30μm未満であることを特徴とするチップ状電子部品用キャリアテープ台紙。
  2. 基紙に対する石英の含有比率が質量比で30ppm未満であることを特徴とする請求項1に記載のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙。
  3. チップ状電子部品装填用の凹状の装填部を形成するために用いられる請求項1又は2に記載のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙。
  4. 請求項1又は2のいずれか一つに記載のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙に、チップ状電子部品装填用の凹状又は穿孔の装填部を、金型を用いて形成することを特徴とするチップ状電子部品用キャリアテープの製造方法。
  5. パルプを主成分とする原料スラリーをリジェクト率が0.2%以上となる条件で液体サイクロン式のクリーナーを通過させ、抄紙し基紙を得ることを特徴とする、請求項1または2に記載のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙の製造方法。
  6. 目開き150μmのフィルタに通液した工業用水により、原料スラリー調製することを特徴とする請求項5に記載のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙の製造方法。
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