以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1 第1実施形態
1.1 液体吐出装置の概要
図1は、液体吐出装置1の概略構成を示す図である。液体吐出装置1は、液体の一例としてのインクを吐出するプリントヘッド21が搭載されたキャリッジ20が往復動し、搬送される媒体Pに対してインクを吐出することで、媒体Pに対して画像を形成するシリアル印刷方式のインクジェットプリンターである。以下の説明では、キャリッジ20が移動する方向をX方向、媒体Pが搬送される方向をY方向、インクが吐出される方向をZ方向として説明する。なお、X方向、Y方向及びZ方向は互いに直交する方向として説明を行う。また、媒体Pとしては、印刷用紙、樹脂フィルム、布帛等の任意の印刷対象を用いることができる。
液体吐出装置1は、液体容器2、制御機構10、キャリッジ20、移動機構30及び搬送機構40を備える。
液体容器2には、媒体Pに吐出される複数種類のインクが貯留されている。液体容器2に貯留されるインクの色彩としては、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グレー等が挙げられる。このようなインクが貯留される液体容器2としては、インクカートリッジや、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、インクの補充が可能なインクタンク等が用いられる。
制御機構10は、例えばCPU(Central Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路と半導体メモリ等の記憶回路とを含み、液体吐出装置1の各要素を制御する。
キャリッジ20には、プリントヘッド21が搭載されている。また、キャリッジ20は
、移動機構30に含まれる無端ベルト32に固定される。なお、液体容器2も、キャリッジ20に搭載されていてもよい。
プリントヘッド21には、制御機構10が出力するプリントヘッド21を制御するための制御信号Ctrl−H及びプリントヘッド21を駆動するための1又は複数の駆動信号COMが入力される。そして、プリントヘッド21は、制御信号Ctrl−H及び駆動信号COMに基づいて、液体容器2から供給されるインクを吐出する。
移動機構30は、キャリッジモーター31及び無端ベルト32を含む。キャリッジモーター31は、制御機構10から入力される制御信号Ctrl−Cに基づいて動作する。無端ベルト32は、キャリッジモーター31の動作に従って回転する。これにより、無端ベルト32に固定されたキャリッジ20がX方向に往復動する。
搬送機構40は、搬送モーター41及び搬送ローラー42を含む。搬送モーター41は、制御機構10から入力される制御信号Ctrl−Tに基づいて動作する。搬送ローラー42は、搬送モーター41の動作に従って回転する。この搬送ローラー42の回転に伴って媒体PがY方向に搬送される。
以上のように液体吐出装置1は、搬送機構40による媒体Pの搬送と移動機構30によるキャリッジ20の往復動とに連動して、キャリッジ20に搭載されたプリントヘッド21からインクを吐出することで、媒体Pの表面の任意の位置にインクを着弾させ、媒体Pに所望の画像を形成する。
1.2 液体吐出装置の電気構成
図2は、液体吐出装置1の電気的な構成を示すブロック図である。液体吐出装置1は、制御機構10、プリントヘッド21、キャリッジモーター31、搬送モーター41及びリニアエンコーダー90を備える。
制御機構10は、駆動信号出力回路50、制御回路100及び電源回路110を含む。制御回路100は、例えば、マイクロコントローラー等のプロセッサーを含む。そして、制御回路100は、ホストコンピューターから入力される画像データ等の各種信号に基づいて、液体吐出装置1を制御するためのデータや各種信号を生成し出力する。
具体的には、制御回路100は、リニアエンコーダー90から入力される検出信号に基づいて、プリントヘッド21の走査位置を把握する。そして、制御回路100は、プリントヘッド21の走査位置に応じた各種信号を生成し出力する。詳細には、制御回路100は、プリントヘッド21の往復動を制御する為の制御信号Ctrl−Cを生成し、キャリッジモーター31に出力する。また、制御回路100は、媒体Pの搬送を制御する為の制御信号Ctrl−Tを生成し、搬送モーター41に出力する。なお、制御信号Ctrl−Cは、不図示のキャリッジモータードライバーを介して信号変換されたのち、キャリッジモーター31に入力されてもよく、同様に、制御信号Ctrl−Tは、不図示の搬送モータードライバーを介して信号変換されたのち、搬送モーター41に入力されてもよい。
また、制御回路100は、ホストコンピューターから入力される画像データ等の各種信号とプリントヘッド21の走査位置とに基づいて、プリントヘッド21を制御するための制御信号Ctrl−Hとして、印刷データ信号SI1〜SIn、チェンジ信号CH、ラッチ信号LAT及びクロック信号SCKを生成し、プリントヘッド21に出力する。
また、制御回路100は、駆動信号出力回路50にデジタル信号である駆動制御信号dAを出力する。
駆動信号出力回路50は、駆動回路50aを含む。駆動制御信号dAは、駆動回路50aに入力される。駆動回路50aは、駆動制御信号dAをデジタル/アナログ信号変換したのち、変換されたアナログ信号をD級増幅して駆動信号COMを生成する。すなわち、駆動制御信号dAは、駆動信号COMの波形を規定するデジタル信号であり、駆動回路50aは、駆動制御信号dAで規定された波形をD級増幅することで駆動信号COMを生成する。すなわち、駆動信号出力回路50は、駆動回路50aで生成された駆動信号COMを出力する。したがって、駆動制御信号dAは、駆動信号COMの波形を規定することができる信号であればよく、例えば、駆動制御信号dAはアナログ信号であってもよい。なお、駆動回路50aは、駆動制御信号dAで規定される波形を増幅できればよく、例えば、A級増幅回路、B級増幅回路又はAB級増幅回路等で構成されてもよい。
また、駆動信号出力回路50は、駆動信号COMの基準電位を示す基準電圧信号CGNDを出力する。基準電圧信号CGNDは、例えば、電圧値が0Vのグラウンド電位の信号であってもよく、電圧値が6V等の直流電圧の信号であってもよい。
駆動信号COM及び基準電圧信号CGNDは、制御機構10において分岐された後、プリントヘッド21に出力される。具体的には、駆動信号COMは、制御機構10において後述するn個の駆動信号選択回路200のそれぞれに対応するn個の駆動信号COM1〜COMnに分岐されたのち、プリントヘッド21に出力される。同様に、基準電圧信号CGNDは、制御機構10においてn個の基準電圧信号CGND1〜CGNDnに分岐されたのち、プリントヘッド21に出力される。この駆動信号COM1〜COMnを含む駆動信号COMが駆動信号の一例である。
電源回路110は、電圧VHV,VDD1,VDD2及びグラウンド信号GNDを生成して出力する。電圧VHVは、電圧値が例えば42Vの直流電圧の信号である。また、電圧VDD1,VDD2は、電圧値が例えば3.3Vの直流電圧の信号である。また、グラウンド信号GNDは、電圧VHV,VDD1,VDD2の基準電位を示す信号であって、例えば、電圧値が0Vのグラウンド電位の信号である。すなわち、電圧VHVは、電圧VDD1,VDD2よりも大きな電圧値の信号である。電圧VHVは、駆動信号出力回路50における増幅用の電圧等に用いられる。また、電圧VDD1,VDD2のそれぞれは、制御機構10における各種構成の電源電圧や制御電圧等に用いられる。電圧VHV,VDD1,VDD2及びグラウンド信号GNDは、プリントヘッド21にも出力される。なお、電圧VHV,VDD1,VDD2及びグラウンド信号GNDの電圧値は、上述した42V、3.3V及び0Vに限られるものではない。また、電源回路110は、電圧VHV,VDD1,VDD2及びグラウンド信号GND以外の複数の電圧値の信号を生成しても良い。この電源回路110が電源電圧出力回路の一例である。
プリントヘッド21は、駆動信号選択回路200−1〜200−nと、温度検出回路210と、温度異常検出回路250−1〜250−nと、複数の吐出部600とを含む。
駆動信号選択回路200−1〜200−nのそれぞれには、電圧VHV,VDD1、駆動信号COM1〜COMn、印刷データ信号SI1〜SIn、クロック信号SCK、ラッチ信号LAT及びチェンジ信号CHが入力される。電圧VHV,VDD1は、駆動信号選択回路200−1〜200−nのそれぞれの電源電圧及び各種制御信号を生成するための電圧として用いられる。駆動信号選択回路200−1〜200−nのそれぞれは、入力される印刷データ信号SI1〜SIn、クロック信号SCK、ラッチ信号LAT及びチェンジ信号CHに基づいて、駆動信号COM1〜COMnを選択又は非選択とすることで、駆動信号VOUT1〜VOUTnを生成する。
駆動信号選択回路200−1〜200−nのそれぞれが生成した駆動信号VOUT1〜VOUTnは、対応する吐出部600に含まれる駆動素子の一例である圧電素子60に供給される。圧電素子60は、駆動信号VOUT1〜VOUTnが供給されることで変位する。そして、当該変位に応じた量のインクが吐出部600から吐出される。
具体的には、駆動信号選択回路200−1には、駆動信号COM1、印刷データ信号SI1、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH及びクロック信号SCKが入力される。そして、駆動信号選択回路200−1は、印刷データ信号SI1、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH及びクロック信号SCKに基づいて駆動信号COM1の波形を選択又は非選択することで、駆動信号VOUT1を生成する。駆動信号VOUT1は、対応して設けられる吐出部600の圧電素子60の一端に供給される。また、当該圧電素子60の他端には、基準電圧信号CGND1が供給されている。そして、圧電素子60は、駆動信号VOUT1と基準電圧信号CGND1との電位差により変位する。
同様に、駆動信号選択回路200−i(iは1〜nのいずれか)には、駆動信号COMi、印刷データ信号SIi、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH及びクロック信号SCKが入力される。そして、駆動信号選択回路200−iは、印刷データ信号SIi、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH及びクロック信号SCKに基づいて駆動信号COMiの波形を選択又は非選択することで、駆動信号VOUTiを生成する。駆動信号VOUTiは、対応して設けられる吐出部600の圧電素子60の一端に供給される。また、当該圧電素子60の他端には、基準電圧信号CGNDiが供給されている。そして、圧電素子60は、駆動信号VOUTiと基準電圧信号CGNDiとの電位差により変位する。
ここで、駆動信号選択回路200−1〜200−nのそれぞれは同様の回路構成を有する。その為、以下の説明において駆動信号選択回路200−1〜200−nを区別する必要がない場合、駆動信号選択回路200と称する。この場合において、駆動信号選択回路200に入力される駆動信号COM1〜COMnを駆動信号COMと称し、印刷データ信号SI1〜SInを印刷データ信号SIと称し、駆動信号選択回路200から出力される駆動信号VOUT1〜VOUTnを駆動信号VOUTと称する。なお、駆動信号選択回路200の動作の詳細については後述する。ここで、駆動信号選択回路200−1〜200−iのそれぞれは、例えば、集積回路(IC:Integrated Circuit)装置として構成されている。
温度異常検出回路250−1〜250−nは、駆動信号選択回路200−1〜200−nのそれぞれに対応して設けられる。そして、温度異常検出回路250−1〜250−nは、対応する駆動信号選択回路200−1〜200−nの温度異常の有無を診断する。具体的には、温度異常検出回路250−1〜250−nは、電圧VDD2を電源電圧として動作する。そして、温度異常検出回路250−1〜250−nのそれぞれは、対応する駆動信号選択回路200−1〜200−nの温度を検出し、当該温度が正常であると診断した場合、ハイレベル(Hレベル)の異常信号XHOTを生成し、制御回路100に出力する。一方、温度異常検出回路250−1〜250−nのそれぞれは、対応する駆動信号選択回路200−1〜200−nの温度が異常であると診断した場合、ローレベル(Lレベル)の異常信号XHOTを生成し、制御回路100に出力する。
ここで、温度異常検出回路250−1〜250−nのそれぞれは同様の回路構成を有する。その為、以下の説明において温度異常検出回路250−1〜250−nを区別する必要がない場合、温度異常検出回路250と称する。なお、温度異常検出回路250の詳細についても後述する。ここで、温度異常検出回路250−1〜250−iのそれぞれは、例えば、集積回路装置として構成されている。また、温度異常検出回路250−iと駆動信号選択回路200−iとが1つの集積回路装置として構成されていてもよい。
温度検出回路210はサーミスター等の温度検出素子を含む。そして、温度検出回路210は、温度検出素子が検出した検出信号に基づいて、プリントヘッド21の温度情報を含むアナログ信号の温度信号THを生成し、制御回路100に出力する。
1.3 駆動信号の波形の一例
ここで、駆動信号出力回路50で生成される駆動信号COMの波形の一例、及び圧電素子60に供給される駆動信号VOUTの波形の一例について図3及び図4を用いて説明する。
図3は、駆動信号COMの波形の一例を示す図である。図3に示すように、駆動信号COMは、ラッチ信号LATが立ち上がってからチェンジ信号CHが立ち上がるまでの期間T1に配置された台形波形Adp1と、期間T1の後、次にチェンジ信号CHが立ち上がるまでの期間T2に配置された台形波形Adp2と、期間T2の後、次にラッチ信号LATが立ち上がるまでの期間T3に配置された台形波形Adp3とを連続させた波形である。そして、台形波形Adp1が、圧電素子60の一端に供給された場合、当該圧電素子60に対応する吐出部600から、中程度の量のインクが吐出される。また、台形波形Adp2が、圧電素子60の一端に供給された場合、当該圧電素子60に対応する吐出部600から、中程度の量よりも少ない小程度の量のインクが吐出される。また、台形波形Adp3が圧電素子60の一端に供給された場合、当該圧電素子60に対応する吐出部600からインクは吐出されない。この台形波形Adp3は、吐出部600のノズル開孔部付近のインクを微振動させて、インク粘度の増大を防止するための波形である。ここで、図3に示すラッチ信号LATが立ち上がってから、次にラッチ信号LATが立ち上がるまでの周期Taが、媒体Pに新たなドットを形成する印刷周期に相当する。
また、台形波形Adp1,Adp2,Adp3のそれぞれの開始タイミング及び終了タイミングでの電圧は、いずれも電圧Vcで共通である。すなわち、台形波形Adp1,Adp2,Adp3のそれぞれは、電圧Vcで開始し電圧Vcで終了する波形となっている。なお、駆動信号COMは、周期Taにおいて、1つ又は2つの台形波形が連続した波形の信号であってもよく、また、4つ以上の台形波形が連続した波形の信号であってもよい。
図4は、「大ドット」、「中ドット」、「小ドット」及び「非記録」のそれぞれに対応する駆動信号VOUTの波形の一例を示す図である。
図4に示すように、「大ドット」に対応する駆動信号VOUTは、周期Taにおいて、期間T1に配置された台形波形Adp1と、期間T2に配置された台形波形Adp2と、期間T3に配置された電圧Vcで一定の波形とを連続させた波形となっている。この駆動信号VOUTが圧電素子60の一端に供給された場合、周期Taにおいて、当該圧電素子60に対応した吐出部600から、中程度の量のインクと小程度の量のインクとが吐出される。よって、媒体Pには、それぞれのインクが着弾し合体することで大ドットが形成される。
「中ドット」に対応する駆動信号VOUTは、周期Taにおいて、期間T1に配置された台形波形Adp1と、期間T2,T3に配置された電圧Vcで一定の波形とを連続させた波形となっている。この駆動信号VOUTが圧電素子60の一端に供給された場合、周期Taにおいて、当該圧電素子60に対応した吐出部600から、中程度の量のインクが吐出される。よって、媒体Pには、このインクが着弾して中ドットが形成される。
「小ドット」に対応する駆動信号VOUTは、周期Taにおいて、期間T1,T3に配
置された電圧Vcで一定の波形と、期間T2に配置された台形波形Adp2とを連続させた波形となっている。この駆動信号VOUTが圧電素子60の一端に供給された場合、周期Taにおいて、当該圧電素子60に対応した吐出部600から、小程度の量のインクが吐出される。よって、媒体Pには、このインクが着弾して小ドットが形成される。
「非記録」に対応する駆動信号VOUTは、周期Taにおいて、期間T1,T2に配置された電圧Vcで一定の波形と、期間T3に配置された台形波形Adp3とを連続させた波形となっている。この駆動信号VOUTが圧電素子60の一端に供給された場合、周期Taにおいて、当該圧電素子60に対応した吐出部600のノズル開孔部付近のインクが微振動するのみで、インクは吐出されない。よって、媒体Pには、インクが着弾せずドットが形成されない。
ここで、電圧Vcで一定の波形とは、駆動信号VOUTとして台形波形Adp1,Adp2,Adp3のいずれも選択されていない場合において、直前の電圧Vcが圧電素子60の容量成分により保持された電圧からなる波形である。その為、駆動信号VOUTとして台形波形Adp1,Adp2,Adp3のいずれも選択されていない場合、電圧Vcが駆動信号VOUTとして圧電素子60に供給される。
なお、図3及び図4に示した駆動信号COM及び駆動信号VOUTはあくまでも一例であり、プリントヘッド21が搭載されるキャリッジ20の移動速度、プリントヘッド21に供給されるインクの物性、及び媒体Pの材質等に応じて、様々な波形の組み合わせの信号が用いられてもよい。
1.4 駆動信号選択回路の構成
次に、駆動信号選択回路200の構成及び動作について図5〜図8を用いて説明する。図5は、駆動信号選択回路200の構成を示す図である。図5に示すように、駆動信号選択回路200は、選択制御回路220及び複数の選択回路230を含む。
選択制御回路220には、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH及びクロック信号SCKが入力される。また、選択制御回路220には、シフトレジスター(S/R)222とラッチ回路224とデコーダー226との組が、複数の吐出部600の各々に対応して設けられている。すなわち、駆動信号選択回路200は、対応する吐出部600の総数mと同数のシフトレジスター222とラッチ回路224とデコーダー226との組を含む。ここで、クロック信号SCKは、印刷データ信号SIが入力されるタイミングを規定するためのクロック信号である。
具体的には、印刷データ信号SIは、クロック信号SCKに同期した信号であって、m個の吐出部600の各々に対して、「大ドット」、「中ドット」、「小ドット」及び「非記録」のいずれかを選択するための2ビットの印刷データ[SIH,SIL]を含む、合計2mビットの信号である。印刷データ信号SIは、吐出部600に対応して、印刷データ信号SIに含まれる2ビット分の印刷データ[SIH,SIL]毎に、シフトレジスター222に保持される。具体的には、吐出部600に対応したm段のシフトレジスター222が互いに縦続接続されるとともに、シリアルで入力された印刷データ信号SIが、クロック信号SCKに従って順次後段に転送される。なお、図5では、シフトレジスター222を区別するために、印刷データ信号SIが入力される上流側から順番に1段、2段、…、m段と表記している。
m個のラッチ回路224の各々は、m個のシフトレジスター222の各々で保持された2ビットの印刷データ[SIH,SIL]をラッチ信号LATの立ち上がりでラッチする。
m個のデコーダー226の各々は、m個のラッチ回路224の各々によってラッチされた2ビットの印刷データ[SIH,SIL]をデコードする。そして、デコーダー226は、ラッチ信号LATとチェンジ信号CHとで規定される期間T1,T2,T3毎に選択信号Sを出力する。
図6は、デコーダー226におけるデコード内容を示す図である。デコーダー226は、ラッチされた2ビットの印刷データ[SIH,SIL]に従い選択信号Sを出力する。例えば、デコーダー226は、2ビットの印刷データ[SIH,SIL]が[1,0]の場合、選択信号Sの論理レベルを、期間T1,T2,T3のそれぞれにおいてH,H,Lレベルとして出力する。
選択回路230は、吐出部600のそれぞれに対応して設けられている。すなわち、駆動信号選択回路200が有する選択回路230の数は、対応する吐出部600の総数mと同じである。図7は、吐出部600の1個分に対応する選択回路230の構成を示す図である。図7に示すように、選択回路230は、NOT回路であるインバーター232及びトランスファーゲート234を有する。
選択信号Sは、トランスファーゲート234において丸印が付されていない正制御端に入力される一方で、インバーター232によって論理反転されて、トランスファーゲート234において丸印が付された負制御端に入力される。また、トランスファーゲート234の入力端には、駆動信号COMが供給される。具体的には、トランスファーゲート234は、選択信号SがHレベルの場合、入力端と出力端との間を導通(オン)とし、選択信号SがLレベルの場合、入力端と出力端との間を非導通(オフ)とする。そして、トランスファーゲート234の出力端から駆動信号VOUTが出力される。
ここで、図8を用いて、駆動信号選択回路200の動作について説明する。図8は、駆動信号選択回路200の動作を説明するための図である。印刷データ信号SIは、クロック信号SCKに同期してシリアルで入力されて、吐出部600に対応するシフトレジスター222において順次転送される。そして、クロック信号SCKの入力が停止すると、各シフトレジスター222には、吐出部600の各々に対応した2ビットの印刷データ[SIH,SIL]が保持される。なお、印刷データ信号SIは、シフトレジスター222のm段、…、2段、1段の吐出部600に対応した順に入力される。
そして、ラッチ信号LATが立ち上がると、ラッチ回路224のそれぞれは、シフトレジスター222に保持されている2ビットの印刷データ[SIH,SIL]を一斉にラッチする。なお、図8において、LT1、LT2、…、LTmは、1段、2段、…、m段のシフトレジスター222に対応するラッチ回路224によってラッチされた2ビットの印刷データ[SIH,SIL]を示す。
デコーダー226は、ラッチされた2ビットの印刷データ[SIH,SIL]で規定されるドットのサイズに応じて、期間T1,T2,T3のそれぞれにおいて、選択信号Sの論理レベルを図6に示す内容で出力する。
具体的には、デコーダー226は、印刷データ[SIH,SIL]が[1,1]の場合、選択信号Sを期間T1,T2,T3においてH,H,Lレベルとする。この場合、選択回路230は、期間T1において台形波形Adp1を選択し、期間T2において台形波形Adp2を選択し、期間T3において台形波形Adp3を選択しない。その結果、図4に示した「大ドット」に対応する駆動信号VOUTが生成される。
また、デコーダー226は、印刷データ[SIH,SIL]が[1,0]の場合、選択信号Sを期間T1,T2,T3においてH,L,Lレベルとする。この場合、選択回路230は、期間T1において台形波形Adp1を選択し、期間T2において台形波形Adp2を選択せず、期間T3において台形波形Adp3を選択しない。その結果、図4に示した「中ドット」に対応する駆動信号VOUTが生成される。
また、デコーダー226は、印刷データ[SIH,SIL]が[0,1]の場合、選択信号Sを期間T1,T2,T3においてL,H,Lレベルとする。この場合、選択回路230は、期間T1において台形波形Adp1を選択せず、期間T2において台形波形Adp2を選択し、期間T3において台形波形Adp3を選択しない。その結果、図4に示した「小ドット」に対応する駆動信号VOUTが生成される。
また、デコーダー226は、印刷データ[SIH,SIL]が[0,0]の場合、選択信号Sを期間T1,T2,T3においてL,L,Hレベルとする。この場合、選択回路230は、期間T1において台形波形Adp1を選択せず、期間T2において台形波形Adp2を選択せず、期間T3において台形波形Adp3を選択する。その結果、図4に示した「非記録」に対応する駆動信号VOUTが生成される。
以上のように、駆動信号選択回路200は、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH及びクロック信号SCKに基づいて、駆動信号COMの波形を選択し、駆動信号VOUTを出力する。換言すれば、駆動信号選択回路200は、駆動信号COMの圧電素子60への供給を制御する。
1.5 温度異常検出回路の構成
次に、温度異常検出回路250について図9を用いて説明する。図9は、温度異常検出回路250の構成を示す図である。図9に示すように、温度異常検出回路250は、コンパレーター251、基準電圧生成回路252、トランジスター253、複数のダイオード254及び抵抗255,256を含む。なお、前述のとおり、温度異常検出回路250−1〜250−nはいずれも同じ構成を有する。そのため、図9では、温度異常検出回路250−2〜250−nの詳細な構成についての図示を省略する。
基準電圧生成回路252には、電圧VDD2が入力される。基準電圧生成回路252は、電圧VDD2を変圧することで電圧Vrefを生成し、コンパレーター251の+側入力端子に供給する。基準電圧生成回路252は、例えば電圧レギュレーター回路などで構成される。
複数のダイオード254は、互いに直列に接続されている。そして、直列に接続された複数のダイオード254のうち、最も高電位側に位置するダイオード254のアノード端子には抵抗255を介して電圧VDD2が供給され、最も低電位側に位置するダイオード254のカソード端子にはグラウンド信号GNDが供給される。具体的には、温度異常検出回路250は、複数のダイオード254として、ダイオード254−1,254−2,254−3,254−4を有する。ダイオード254−1のアノード端子には、抵抗255を介して電圧VDD2が供給されると共に、コンパレーター251の−側入力端子と接続される。ダイオード254−1のカソード端子は、ダイオード254−2のアノード端子と接続される。ダイオード254−2のカソード端子は、ダイオード254−3のアノード端子と接続される。ダイオード254−3のカソード端子は、ダイオード254−4のアノード端子と接続される。ダイオード254−4のカソード端子には、グラウンド信号GNDが供給される。以上のように構成された抵抗255及び複数のダイオード254によって、コンパレーター251の−側入力端子には、複数のダイオード254のそれぞれの順方向電圧の和である電圧Vdetが供給される。なお、温度異常検出回路250が
有する複数のダイオード254の数は4つに限られるものではない。
コンパレーター251は、電圧VDD2とグラウンド信号GNDとの電位差により動作する。そして、コンパレーター251は、+側入力端子に供給される電圧Vrefと−側入力端子に供給される電圧Vdetとを比較し、当該比較結果に基づく信号を出力端子から出力する。
トランジスター253のドレイン端子には抵抗256を介して電圧VDD2が供給される。また、トランジスター253のゲート端子はコンパレーター251の出力端子と接続され、ソース端子にはグラウンド信号GNDが供給される。以上のように接続されたトランジスター253のドレイン端子に供給される電圧が、異常信号XHOTとして温度異常検出回路250から出力される。
基準電圧生成回路252が生成する電圧Vrefの電圧値は、複数のダイオード254の温度が所定の範囲内である場合の電圧Vdetよりも小さい。この場合において、コンパレーター251は、Lレベルの信号を出力する。したがって、トランジスター253はオフに制御され、その結果、温度異常検出回路250は、Hレベルの異常信号XHOTを出力する。
ダイオード254の順方向電圧は、温度が上昇すると低下する特性を有する。したがって、プリントヘッド21に温度異常が生じた場合、ダイオード254の温度が上昇し、それに伴って電圧Vdetが低下する。そして、当該温度上昇に起因して電圧Vdetが電圧Vrefを下回った場合に、コンパレーター251の出力信号は、LレベルからHレベルとなる。したがって、トランジスター253はオンに制御される。その結果、温度異常検出回路250は、Lレベルの異常信号XHOTを出力する。すなわち、温度異常検出回路250は、駆動信号選択回路200の温度に基づいてトランジスター253がオン又はオフに制御されることで、Hレベルの異常信号XHOTとして当該トランジスター253のプルアップ電圧として供給される電圧VDD2を出力し、Lレベルの異常信号XHOTとしてグラウンド信号GNDを出力する。
また、図9に示すようにn個の温度異常検出回路250−1〜250−nの出力は、共通に接続されている。そして、温度異常検出回路250−1〜250−nのいずれかで温度異常が生じた場合、温度異常が生じた温度異常検出回路250に対応するトランジスター253がオンに制御される。その結果、異常信号XHOTが出力されるノードには、当該トランジスター253を介してグラウンド信号GNDが供給される。したがって、温度異常検出回路250−1〜250−nが出力する異常信号XHOTがLレベルに制御される。すなわち、温度異常検出回路250−1〜250−nは、ワイヤードオア接続されている。これにより、プリントヘッド21に複数の温度異常検出回路250が設けられた場合であっても、異常信号XHOTを伝搬するための配線数を増加させることなく、プリントヘッド21の温度異常の有無を示す異常信号XHOTを伝搬することができる。
1.6 プリントヘッド及びプリントヘッド制御回路の構成
次に制御機構10とプリントヘッド21との電気的接続の詳細について説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態におけるプリントヘッド21は、4個の駆動信号選択回路200−1〜200−4を備えるとして説明を行う。すなわち、第1実施形態におけるプリントヘッド21には、4個の駆動信号選択回路200−1〜200−4のそれぞれに対応する4個の印刷データ信号SI1〜SI4と、4個の駆動信号COM1〜COM4と、4個の基準電圧信号CGND1〜CGND4とが入力される。
図10は、液体吐出装置1をY方向から見た場合における内部構成を概略的に示す図で
ある。図10に示すように液体吐出装置1は、メイン基板11、ケーブル19及びプリントヘッド21を有する。
メイン基板11には、図1及び図2に示す制御機構10に含まれる駆動信号出力回路50、制御回路100及び電源回路110を含む各種回路が実装されている。また、メイン基板11には、ケーブル19の一端が取付けられるコネクター12が実装されている。なお、図10には、メイン基板11として1個の回路基板を図示しているが、メイン基板11は2個以上の回路基板で構成されていても良い。
プリントヘッド21は、ヘッド310、基板320及びコネクター350を有する。コネクター350にはケーブル19の他端が取付けられる。これにより、制御機構10で生成された各種信号が、ケーブル19を介してプリントヘッド21に入力される。なお、プリントヘッド21の構成の詳細、及びケーブル19で伝搬される信号の詳細については後述する。
以上のように構成された液体吐出装置1は、メイン基板11に実装された制御機構10から出力される駆動信号COM1〜COM4、基準電圧信号CGND1〜CGND4、印刷データ信号SI1〜SI4、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH及びクロック信号SCKを含む各種信号に基づいてプリントヘッド21の動作を制御する。すなわち、図10に示す液体吐出装置1において、プリントヘッド21の動作を制御するための各種信号を出力する制御機構10と、プリントヘッド21の動作を制御するための各種信号を伝搬するケーブル19とを含む構成が、プリントヘッド21の動作を制御するプリントヘッド制御回路15の一例である。
図11は、ケーブル19の構成を示す図である。ケーブル19は、互いに対向する短辺191,192と、互いに対向する長辺193,194とを有する略矩形であり、例えばフレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)である。ケーブル19は、短辺191に沿って並設された複数の端子195と、短辺192に沿って並設された複数の端子196と、複数の端子195と複数の端子196とを電気的に接続する複数の配線197とを有する。
具体的には、ケーブル19の短辺191側には、29個の端子195が、長辺193側から長辺194側に向かって端子195−1〜195−29の順に並設されている。また、ケーブル19の短辺192側には、29個の端子196が、長辺193側から長辺194側に向かって端子196−1〜196−29の順に並設されている。また、ケーブル19には、端子195のそれぞれと端子196のそれぞれとを電気的に接続する29個の配線197が、長辺193側から長辺194側に向かって配線197−1〜197−29の順に並設されている。配線197−1は、端子195−1と端子196−1とを電気的に接続する。同様に、配線197−k(kは1〜29のいずれか)は、端子195−kと端子196−kとを電気的に接続する。
配線197−1〜197−29のそれぞれは、絶縁体198によって、配線の相互間、及び配線とケーブル19の外部との間で絶縁されている。そして、ケーブル19は、端子195−kから入力された信号を、配線197−kで伝搬し、端子196−kから出力する。なお、図11に示すケーブル19の構成は一例であり、これに限られるものではない。例えば、複数の端子195と複数の端子196とが、ケーブル19の異なる面に設けられてもよい。また、ケーブル19に設けられる端子195、端子196及び配線197のそれぞれの数は、29個に限られるものではない。
次に、プリントヘッド21の構成について説明する。図12はプリントヘッド21の構
成を示す斜視図である。図12に示すように、プリントヘッド21は、ヘッド310及び基板320を有する。また、ヘッド310のZ方向おける下側の面には、複数の吐出部600が形成されたインク吐出面311が位置する。
図13は、インク吐出面311の構成を示す平面図である。図13に示すように、インク吐出面311には、複数の吐出部600に含まれるノズル651を有するノズルプレート632が、X方向に4つ並んで設けられている。また、ノズルプレート632のそれぞれにおいて、ノズル651はY方向に並んで設けられる。すなわち、インク吐出面311には、4個のノズル列L1〜L4が形成されている。なお、図13では、各ノズルプレート632に形成されているノズル列L1〜L4には、ノズル651がY方向に1列で並んで設けられているが、ノズル651がY方向に2列以上で並んで設けられてもよい。
ノズル列L1〜L4は、駆動信号選択回路200−1〜200−4のそれぞれに対応して設けられる。具体的には、駆動信号選択回路200−1が出力する駆動信号VOUT1は、ノズル列L1に設けられる複数の吐出部600が有する圧電素子60の一端に供給され、当該圧電素子60の他端には基準電圧信号CGND1が供給される。同様に、駆動信号選択回路200−2〜200−4が出力する駆動信号VOUT2〜VOUT4は、ノズル列L2〜L4のそれぞれに設けられる複数の吐出部600が有する圧電素子60の一端に供給され、対応する圧電素子60の他端には基準電圧信号CGND2〜CGND4のそれぞれが供給される。
次に、ヘッド310に含まれる吐出部600の構成について、図14を用いて説明する。図14は、ヘッド310に含まれる複数の吐出部600の内の1つの概略構成を示す図である。図14に示すように、ヘッド310は、吐出部600及びリザーバー641を含む。
リザーバー641は、ノズル列L1〜L4のそれぞれに対応して設けられる。そして、リザーバー641には、インク供給口661からインクが導入される。
吐出部600は、圧電素子60、振動板621、キャビティー631及びノズル651を含む。振動板621は、図14において上面に設けられた圧電素子60の変位に伴い変形する。そして、振動板621は、キャビティー631の内部容積を拡大/縮小させるダイヤフラムとして機能する。キャビティー631の内部には、インクが充填されている。そして、キャビティー631は、圧電素子60の変位により、内部容積が変化する圧力室として機能する。ノズル651は、ノズルプレート632に形成されると共に、キャビティー631に連通する開孔部である。そして、キャビティー631の内部容積の変化に応じてキャビティー631の内部に貯留されたインクが、ノズル651から吐出される。
圧電素子60は、圧電体601を一対の電極611,612で挟んだ構造である。この構造の圧電体601は、電極611,612に供給された電圧に応じて、電極611,612及び振動板621の中央部分が、両端部分に対して図14における上下方向に撓む。具体的には、電極611には、駆動信号VOUTが供給され、電極612には、基準電圧信号CGNDが供給される。そして、駆動信号VOUTの電圧が高くなると、圧電素子60の中央部分が上方向に撓み、駆動信号VOUTの電圧が低くなると、圧電素子60の中央部分が下方向に撓む。すなわち、圧電素子60が上方向に撓めば、キャビティー631の内部容積が拡大する。したがって、インクがリザーバー641から引き込まれる。また、圧電素子60が下方向に撓めば、キャビティー631の内部容積が縮小する。したがって、キャビティー631の内部容積の縮小の程度に応じた量のインクが、ノズル651から吐出される。以上のように、圧電素子60は、駆動信号COMに基づく駆動信号VOUTにより駆動し、圧電素子60が駆動することで、ノズル651からインクが吐出される
。なお、圧電素子60は、図示した構造に限られず、圧電素子60の変位に伴いインクを吐出させることができる型であればよい。また、圧電素子60は、屈曲振動に限られず、縦振動を用いる構成でもよい。
図12に戻り、基板320は、面321と、面321と異なる面322とを有する。ここで、面321と面322とは基板320の基材を介して対向して位置する面であり、換言すれば、面321と面322とは、基板320の表裏の面である。また基板320は、辺323と、辺323に対してX方向で対向する辺324と、辺325と、辺325に対してY方向に対向する辺326とで形成される略矩形状である。換言すれば、基板320は、辺323と、辺323と異なる辺324と、辺323及び辺324と交差する辺325と、辺323及び辺324と交差し辺325と異なる辺326を有する。ここで、辺323及び辺324と交差する辺325及び辺326とは、辺325の仮想延長線が、辺323の仮想延長線、及び辺324の仮想延長線と交差し、辺326の仮想延長線が、辺323の仮想延長線、及び辺324の仮想延長線と交差することを含む。すなわち、基板320の形状は矩形に限られるものではなく、例えば、六角形や八角形等の多角形であってもよく、さらには、一部に切欠きや弧等が形成されていてもよい。
ここで、図15及び図16を用いて、基板320の詳細について説明する。図15は基板320を面322から見た場合の平面図である。また、図16は基板320を面321から見た場合の平面図である。図15に示すように、基板320の面322には、電極群330a〜330dが設けられている。具体的には、電極群330a〜330dのそれぞれは、Y方向に並設された複数の電極を有する。そして、電極群330a〜330dは、辺323側から辺324側に向かい、電極群330a,330b,330c,330dの順に並んで設けられる。以上のように設けられた電極群330a〜330dのそれぞれには、不図示のフレキシブル配線基板(FPC:Flexible Printed Circuits)が電気的に接続される。
また、図15及び図16に示すように、基板320には、面321と面322とを貫通する貫通孔であるFPC挿通孔332a,332bと、インク供給路挿通孔331a〜331dとが形成されている。
FPC挿通孔332aは、X方向において電極群330aと電極群330bとの間に位置し、電極群330aと電気的に接続されるFPCと、電極群330bと電気的に接続されるFPCとが挿通される。FPC挿通孔332bは、X方向において電極群330cと電極群330dとの間に位置し、電極群330cと電気的に接続されるFPCと、電極群330dと電気的に接続されるFPCとが挿通される。
インク供給路挿通孔331aは、X方向において電極群330aの辺323側に位置する。インク供給路挿通孔331b,331cは、X方向において電極群330bと電極群330cとの間に位置し、インク供給路挿通孔331bが辺325側、インク供給路挿通孔331cが辺326側となるようにY方向に並んで位置する。インク供給路挿通孔331dは、X方向において電極群330dの辺324側に位置する。インク供給路挿通孔331a〜331dのそれぞれには、ノズル列L1〜L4のそれぞれに対応する吐出部600にインクを導入するためのインク供給口661と連通する不図示のインク供給路の一部が挿通される。
また、図15及び図16に示すように、基板320は、プリントヘッド21に含まれる基板320を、図1に示すキャリッジ20に固定するための固定部346〜349を有する。固定部346〜349のそれぞれは、基板320の面321と面322とを貫通する貫通孔である。そして、固定部346〜349を挿通した不図示のねじが、キャリッジ2
0に取付けられることで、基板320がキャリッジ20に固定される。なお、固定部346〜349は、基板320に形成された貫通孔に限られるものではない。例えば、固定部346〜349は、嵌め合せることで基板320をキャリッジ20に固定する構成であってもよい。
固定部346,347は、X方向においてインク供給路挿通孔331aの辺323側に位置し、固定部346が辺325側、固定部347が辺326側となるように並んで設けられる。また、固定部348,349は、X方向においてインク供給路挿通孔331dの辺324側に位置し、固定部348が辺325側、固定部349が辺326側となるように並んで設けられる。
また、図16に示すように、基板320には、コネクター350が設けられている。コネクター350は、基板320の面321側であって、辺323に沿って設けられている。
ここで、図17を用いて、コネクター350の構成について説明する。図17は、コネクター350の構成を示す図である。図17に示すように、コネクター350は、ハウジング351と、ハウジング351に形成されたケーブル取付部352と、複数の端子353とを有する。複数の端子353は、辺323に沿って並設されている。具体的には、第1実施形態のコネクター350には、29個の端子353が辺323に沿って並設されている。ここで、29個の端子353を、辺323に沿った方向において辺325側から辺326側に向かって順に、端子353−1,353−2,・・・,353−29と称する。ケーブル取付部352は、Z方向において複数の端子353の基板320側に位置する。ケーブル取付部352には、ケーブル19が取付けられる。そして、ケーブル取付部352にケーブル19が取付けられた場合、ケーブル19に含まれる端子196−1〜196−29のそれぞれと、コネクター350に含まれる端子353−1〜353−29のそれぞれとが電気的に接触する。
ここで、図17に示すコネクター350では、ケーブル取付部352がZ方向において基板320側に位置し、複数の端子353がZ方向においてインク吐出面311側に位置しているが、図18に示すコネクター350のように、複数の端子353がZ方向において基板320側に位置し、ケーブル取付部352がZ方向においてインク吐出面311側に位置することがより好ましい。
図18は、コネクター350の他の構成を示す図である。液体吐出装置1において、ノズル651から吐出されたインクの多くは、媒体Pに着弾し画像を形成する。しかしながら、ノズル651から吐出されたインクの一部が、媒体Pに着弾する前にミスト化し液体吐出装置1の内部に浮遊する場合がある。さらに、ノズル651から吐出されたインクが媒体Pに着弾した後であっても、プリントヘッド21が搭載されたキャリッジ20の移動や媒体Pの搬送に伴って生じる気流により、媒体Pに着弾したインクが、液体吐出装置1の内部に再浮遊する場合がある。そして、液体吐出装置1の内部に浮遊するインクがコネクター350に含まれる複数の端子353やプリントヘッド21に信号を伝搬するケーブル19に含まれる端子196に付着した場合、当該端子間が短絡するおそれがある。その結果、プリントヘッド21に入力される各種信号の波形に歪みが生じ、プリントヘッド21から吐出されるインクの吐出精度を悪化させるおそれがある。
図18に示すコネクター350ように、複数の端子353がZ方向において基板320側に位置し、ケーブル取付部352がZ方向においてインク吐出面311側に位置することで、コネクター350にケーブル19が取付けられた場合において、端子353及び端子196が、当該浮遊するインクが付着する可能性の高いインク吐出面311側に露出す
る可能性が低減される。そのため、液体吐出装置1の内部に浮遊するインクに起因して、コネクター350に含まれる複数の端子353間や、ケーブル19に含まれる端子196間で短絡が生じるおそれを低減することが可能となる。したがって、ケーブル19で伝搬される信号に歪みが生じるおそれを低減することが可能となる。
ここで、ケーブル19とコネクター350との電気接続の具体例について図19を用いて説明する。図19は、ケーブル19がコネクター350に取り付けられた場合の具体例を説明するための図である。図19に示すように、コネクター350の端子353は、基板取付部353a、ハウジング挿通部353b、及びケーブル保持部353cを有する。基板取付部353aは、コネクター350の下方に位置し、ハウジング351と基板320との間に設けられる。そして、基板取付部353aは、例えば、はんだなどにより基板320に設けられる不図示の電極と電気的に接続される。ハウジング挿通部353bは、ハウジング351の内部を挿通する。そして、ハウジング挿通部353bは、基板取付部353aとケーブル保持部353cとを電気的に接続する。ケーブル保持部353cは、ケーブル取付部352の内部に突出する湾曲形状を有する。そして、ケーブル取付部352にケーブル19が取り付けられた場合、ケーブル保持部353cと端子196とが接触部180を介して電気的に接触する。これにより、ケーブル19とコネクター350、及び基板320とが電気的に接続される。この場合において、ケーブル19が取り付けられることで、ケーブル保持部353cに形成された湾曲形状に応力が生じる。そして当該応力により、ケーブル19は、ケーブル取付部352の内部に保持される。
以上のようにケーブル19とコネクター350とは、端子196と端子353とが接触部180を介して接触することで電気的に接続される。なお、図11には、端子196−1〜196−29のそれぞれと、コネクター350の端子353とが電気的に接触する接触部180−1〜180−29が示されている。そして、ケーブル19は、端子195−kがコネクター12と電気的に接続され、端子196−kが接触部180−kを介してコネクター350と電気的に接続される。
以上のように構成されたプリントヘッド21では、制御機構10から出力された駆動信号COM1〜COM4、基準電圧信号CGND1〜CGND4、印刷データ信号SI1〜SI4、ラッチ信号LAT,チェンジ信号CH,クロック信号SCKを含む複数の信号が、コネクター350を介してプリントヘッド21に入力される。そして、基板320に設けられる不図示の配線パターンで伝搬され電極群330a〜330dのそれぞれに入力される。
電極群330a〜330dのそれぞれに入力された各種信号は、電極群330a〜330dのそれぞれと電気的に接続されるFPCを介して、ノズル列L1〜L4のそれぞれに対応する駆動信号選択回路200−1〜200−4に入力される。そして、駆動信号選択回路200−1〜200−4は、入力される信号に基づいて駆動信号VOUT1〜VOUT4を生成し、ノズル列L1〜L4のそれぞれに含まれる圧電素子60に供給する。これにより、コネクター350に入力される各種信号が、複数の吐出部600に含まれる圧電素子60に供給される。なお、駆動信号選択回路200−1〜200−4のそれぞれは、ヘッド310の内部に設けられていてもよく、FPC上にCOF(Chip On Film)実装されていてもよい。
1.7 ケーブルで伝搬される信号の詳細
以上のように構成された液体吐出装置1において、プリントヘッド制御回路15とプリントヘッド21との間で伝搬される信号の詳細について図20を用いて説明する。
図20は、ケーブル19で伝搬される信号の詳細を説明するための図である。図20に
示すように、ケーブル19は、駆動信号COM1〜COM4のそれぞれを伝搬する配線と、基準電圧信号CGND1〜CGND4のそれぞれを伝搬する配線と、温度信号TH、ラッチ信号LAT、クロック信号SCK、チェンジ信号CH、印刷データ信号SI1〜SI4、及び異常信号XHOTのそれぞれを伝搬する配線と、電圧VHV,VDD1,VDD2のそれぞれを伝搬する配線と、複数のグラウンド信号GNDを伝搬する複数の配線とを含む。そして、プリントヘッド制御回路15において、クロック信号SCKを伝搬する配線197−23と異常信号XHOTを伝搬する配線197−11とが並んで設けられ、配線197−23と配線197−11とが並ぶ方向において、クロック信号SCKを伝搬する配線197−23と電圧VDD2が伝搬される配線197−24とが、隣り合って位置し、プリントヘッド21において、クロック信号SCKが入力される端子353−23と異常信号XHOTが入力される端子353−11とが並んで位置し、端子353−23と端子353−11とが並ぶ方向において、クロック信号SCKが入力される端子353−23と電圧VDD2が入力される端子353−24とが、隣り合って位置する。そして、液体吐出装置1において、クロック信号SCKを伝搬する配線197−23とクロック信号SCKが入力される端子353−23とが電気的に接触する接触部180−23と、異常信号XHOTを伝搬する配線197−11と異常信号XHOTが入力される端子353−11とが電気的に接触する接触部180−11とが並んで位置し、接触部180−23と接触部180−11とが並ぶ方向において、クロック信号SCKが入力される接触部180−23と電圧VDD2が入力される接触部180−24とが、隣り合って位置する。
具体的には、駆動信号COM1〜COM4及び基準電圧信号CGND1〜CGND4のそれぞれは、端子195−1〜195−8のそれぞれからケーブル19に入力される。そして、駆動信号COM1〜COM4及び基準電圧信号CGND1〜CGND4のそれぞれは、配線197−1〜197−8のそれぞれで伝搬された後、端子196−1〜196−8のそれぞれを介してコネクター350の端子353−1〜353−8のそれぞれに入力される。
ラッチ信号LATは、端子195−25からケーブル19に入力され、配線197−25で伝搬された後、端子196−25、及び接触部180−25を介してコネクター350の端子353−25に入力される。
クロック信号SCKは、端子195−23からケーブル19に入力され、配線197−23で伝搬された後、端子196−23、及び接触部180−23を介してコネクター350の端子353−23に入力される。ここで、クロック信号SCKが入力される端子353−23が、第1実施形態における第1端子の一例であり、クロック信号SCKを伝搬する配線197−23が第1実施形態における第1伝搬配線の一例であり、配線197−23と端子353−23とが電気的に接触する接触部180−23が第1実施形態における第1接触部の一例である。
チェンジ信号CHは、端子195−21からケーブル19に入力され、配線197−21で伝搬された後、端子196−21、及び接触部180−21を介してコネクター350の端子353−21に入力される。
印刷データ信号SI1〜SI4のそれぞれは、端子195−19,195−17,195−15,195−13のそれぞれからケーブル19に入力され、配線197−19,197−17,197−15,197−13のそれぞれで伝搬された後、端子196−19,196−17,196−15,196−13のそれぞれ、及び接触部180−19,180−17,180−15,180−13のそれぞれを介してコネクター350の端子353−19,353−17,353−15,353−13のそれぞれに入力される。
異常信号XHOTは、コネクター350の端子353−11に入力された後、接触部180−11、及び端子196−11を介してケーブル19に入力される。そして、異常信号XHOTは、配線197−11で伝搬された後、端子195−11からメイン基板11に入力される。ここで、異常信号XHOTが入力される端子353−11が第1実施形態における第2端子の一例であり、異常信号XHOTを伝搬する配線197−11が第1実施形態における第2伝搬配線の一例であり、配線197−11と端子353−11とが電気的に接触する接触部180−11が第1実施形態における第2接触部の一例である。
温度信号THは、コネクター350の端子353−27に入力された後、接触部180−27、及び端子196−27を介してケーブル19に入力される。そして、温度信号THは、配線197−27で伝搬された後、端子195−27からメイン基板11に入力される。
電圧VDD1は、端子195−29からケーブル19に入力され、配線197−29で伝搬された後、端子196−29、及び接触部180−29を介してコネクター350の端子353−29に入力される。端子353−29に供給された電圧VDD1は、駆動信号選択回路200に供給される。そして、電圧VDD1は、駆動信号選択回路200の電源電圧として用いられると共に、駆動信号選択回路200の動作を制御するための各種制御信号を生成する電圧として用いられる。ここで、電圧VDD1が第1実施形態における第1電圧信号の一例であり、電圧VDD1入力される端子353−29が第1実施形態における第3端子の一例であり、電圧VDD1を伝搬する配線197−29が第1実施形態における第3伝搬配線の一例であり、配線197−29と端子353−29とが電気的に接触する接触部180−29が第1実施形態における第3接触部の一例である。
電圧VDD2は、端子195−24からケーブル19に入力され、配線197−24で伝搬された後、端子196−24、及び接触部180−24を介してコネクター350の端子353−24に入力される。端子353−24に供給された電圧VDD2は、温度異常検出回路250に供給される。そして、電圧VDD2は、図9に示すように温度異常検出回路250に含まれるコンパレーター251の電源電圧、及び異常信号XHOTを生成するためのプルアップ電圧として用いられる。すなわち、異常信号XHOTを伝搬する配線197−11と、電圧VDD2を伝搬する配線197−24とが、プリントヘッド21と電気的に接続された場合において、配線197−11と配線197−24とは、コネクター350の端子353−11及び端子353−24を介して電気的に接続される。換言すれば、プリントヘッド21において、コネクター350の端子353−11と端子353−24とは電気的に接続されており、さらには、接触部180−11と接触部180−24とは、電気的に接続されている。なお、電気的に接続されるとは、基板320に設けられた配線パターンを介して直接電気的に接続されることに限らず、例えば、抵抗素子やコンデンサー素子などを介して電気的に接続されていてもよい。ここで、電圧VDD2が第1実施形態における第2電圧信号の一例であり、電圧VDD2入力される端子353−24が第1実施形態における第4端子の一例であり、電圧VDD2を伝搬する配線197−24が第1実施形態における第4伝搬配線の一例であり、配線197−24と端子353−24とが電気的に接触する接触部180−24が第1実施形態における第4接触部の一例である。
電圧VHVは、端子195−9からケーブル19に入力され、配線197−9で伝搬された後、端子196−9、及び接触部180−9を介してコネクター350の端子353−9に入力される。電圧VHVは、端子353−9を介して、駆動信号選択回路200に供給される。そして、電圧VHVは、駆動信号選択回路200において、選択信号Sの論理レベルを高振幅論理にレベルシフトするための電圧等に用いられる。ここで、電圧VHVが第1実施形態における第3電圧信号の一例であり、電圧VHVが入力される端子35
3−9が第1実施形態における第5端子の一例であり、電圧VHVを伝搬する配線197−9が第1実施形態における第5伝搬配線の一例であり、配線197−9と端子353−9とが電気的に接触する接触部180−9が第1実施形態における第5接触部の一例である。
グラウンド信号GNDは、端子195−10,195−12,195−14,195−16,195−18,195−20,195−22,195−26,195−28のそれぞれからケーブル19に入力され、配線197−10,197−12,197−14,197−16,197−18,197−20,197−22,197−26,197−28のそれぞれで伝搬された後、端子196−10,196−12,196−14,196−16,196−18,196−20,196−22,196−26,196−28のそれぞれ、及び接触部180−10,180−12,180−14,180−16,180−18,180−20,180−22,180−26,180−28のそれぞれを介してコネクター350の端子353−10,353−12,353−14,353−16,353−18,353−20,353−22,353−26,353−28のそれぞれに入力される。
上述したケーブル19及びコネクター350を介してプリントヘッド21に供給される信号の内、電圧VHV,VDD1は、駆動信号選択回路200に供給される。そして、電圧VHV,VDD1は、駆動信号選択回路200の動作を制御するための各種制御信号を生成する為の電圧として用いられる。駆動信号選択回路200は、駆動信号COMの波形を選択又は非選択とすることで駆動信号VOUTを生成する。したがって、駆動信号選択回路200はインクの吐出速度に応じて高速で動作する。そのため、駆動信号選択回路200の電源電圧及び各種制御電圧として用いられる電圧VHV,VDD1には、駆動信号選択回路200の動作に応じたノイズが重畳するおそれがある。
これに対して、電圧VDD2は、温度異常検出回路250に供給される。換言すれば、駆動信号選択回路200には供給されない。そして、電圧VDD2は、温度異常検出回路250の電源電圧、及び異常信号XHOTを生成する為のプルアップ電圧として用いられる。温度異常検出回路250は、温度が異常であるか否かの診断結果が異常である場合、Lレベルの信号を出力し、温度が異常であるか否かの診断結果が正常である場合、Hレベルの信号を出力する。すなわち、異常信号XHOTの論理レベルは、プリントヘッド21に異常が生じていない場合にはHレベルを継続する。したがって、温度異常検出回路250の電源電圧及びプルアップ電圧として用いられる電圧VDD2には、温度異常検出回路250の動作に応じたノイズが重畳する可能性が低い。
また、グラウンド信号GNDは、電圧VHV,VDD1,VDD2を含む複数の信号の基準電位の信号である。そのため、グラウンド信号GNDが伝搬される配線には、電圧VHV,VDD1,VDD2を含む複数の信号に起因する電流が流れる。すなわち、電圧VHV,VDD1に駆動信号選択回路200の動作に起因するノイズが重畳した場合、グラウンド信号GNDが伝搬される配線には、当該ノイズが重畳した電圧VHV,VDD1に起因する電流が流れる。その結果、グラウンド信号GNDが伝搬される配線にもノイズが重畳するおそれがある。
以上のように、電圧VDD2は、電圧VDD1、VHV及びグラウンド信号GNDと比較した場合おいて、より安定した電位の信号である。そして、図20に示すように、第1実施形態における液体吐出装置1が備えるプリントヘッド制御回路15では、クロック信号SCKを伝搬する配線197−23と、異常信号XHOTを伝搬する配線197−11とが並んで設けられている。そして、配線197−23と配線197−11とが並ぶ方向において、安定した電位の信号である電圧VDD2が伝搬される配線197−24と、ク
ロック信号SCKを伝搬する配線197−23とが、隣り合って位置する。換言すれば、安定した電位の信号である電圧VDD2が伝搬される配線197−24は、クロック信号SCKを伝搬する配線197−23と、同一のケーブル19に設けられ、隣接して位置する。ここで、隣接して位置するとは、ケーブル19に含まれる配線197−23と配線197−24とが絶縁体198、又は空間等を介して隣り合って位置することを含む。
また、第1実施形態における液体吐出装置1が備えるプリントヘッド21では、クロック信号SCKが入力される端子353−23と、異常信号XHOTが入力される端子353−11とが並んで設けられている。そして、端子353−23と端子353−11とが並ぶ方向において、安定した電位の信号である電圧VDD2が入力される端子353−24と、クロック信号SCKが入力される端子353−23とが、隣り合って位置する。換言すれば、安定した電位である電圧VDD2が入力される端子353−24と、クロック信号SCKが入力される端子353−23とは、同一のコネクター350に設けられ、且つ隣接して位置する。ここで、隣接して位置するとは、コネクター350に含まれる端子353−23と端子353−24とがハウジング351等の絶縁物、またケーブル取付部352の内部空間などを介して隣り合って位置することを含む。
すなわち、コネクター350において、クロック信号SCKが入力される端子353−23の近傍に電圧VDDが入力される端子353−24が位置する。換言すれば、コネクター350において、端子353−23と端子353−25とが並ぶ方向において、端子353−23と端子353−24との最短距離は、端子353−23と電圧VDD1が入力される端子353−29との最短距離よりも短く、端子353−23と電圧VHVが入力される端子353−9との最短距離よりも短い。
また、第1実施形態における液体吐出装置1では、クロック信号SCKが入力される接触部180−23と、異常信号XHOTが入力される接触部180−11とが並んで設けられている。そして、接触部180−23と接触部180−11とが並ぶ方向において、安定した電位の信号である電圧VDD2が入力される接触部180−24と、クロック信号SCKが入力される接触部180−23とが、隣り合って位置する。換言すれば、安定した電位である電圧VDD2が入力される接触部180−24と、クロック信号SCKが入力される接触部180−23とは、同一のコネクター350に設けられ、且つ隣接して位置する。ここで、隣接して位置するとは、ケーブル19とコネクター350とが電気的に接触する複数の接触部180に含まれる接触部180−23と接触部180−24とがハウジング351等の絶縁物、またケーブル取付部352の内部空間などを介して隣り合って位置することを含む。
すなわち、複数の接触部180において、クロック信号SCKが入力される端子353−23の近傍に電圧VDDが入力される端子353−24が位置する。換言すれば、コネクター350において、端子353−23と端子353−25とが並ぶ方向において、端子353−23と端子353−24との最短距離は、端子353−23と電圧VDD1が入力される端子353−29との最短距離よりも短く、端子353−23と電圧VHVが入力される端子353−9との最短距離よりも短い。
クロック信号SCKは、プリントヘッド21から吐出されるインクのタイミング及び吐出量を規定する印刷データ信号SIに同期した信号である。そして、当該クロック信号SCKにノイズが重畳し、クロック信号SCKの波形に歪みが生じた場合、プリントヘッド21に供給される印刷データ信号SIのタイミングにばらつきが生じる。その結果、プリントヘッド21からインクが吐出されるタイミング及び吐出量が変動し、インクの吐出精度が悪化するおそれがある。
第1実施形態におけるプリントヘッド制御回路15では、ケーブル19において、クロック信号SCKが伝搬される配線197−23と隣り合う配線197−24に、安定した電位の電圧VDD2が伝搬されることで、電圧VDD2が伝搬される配線197−24がシールド配線として機能する。よって、ケーブル19において、クロック信号SCKの波形に歪みが生じるおそれを低減することが可能となる。
同様に、第1実施形態におけるプリントヘッド21では、コネクター350において、クロック信号SCKが入力される端子353−23と隣り合う端子353−24に、安定した電位の電圧VDD2が入力されることで、電圧VDD2が入力される端子353−24がシールド端子として機能する。よって、コネクター350において、クロック信号SCKの波形に歪みが生じるおそれを低減することが可能となる。
同様に、第1実施形態における液体吐出装置1では、ケーブル19とコネクター350とが電気的に接触する複数の接触部180において、クロック信号SCKが入力される接触部180−23と隣り合う接触部180−24に、安定した電位の電圧VDD2が入力されることで、電圧VDD2が入力される接触部180−24がシールドとして機能する。これにより、複数の接触部180において、クロック信号SCKの波形に歪みが生じるおそれを低減することが可能となる。
したがって、第1実施形態における液体吐出装置1、プリントヘッド制御回路15及びプリントヘッド21では、クロック信号SCKの波形に歪みが生じるおそれを低減することが可能となり、その結果、液体吐出装置1から吐出されるインクの吐出精度が低下するおそれを低減することが可能となる。
また、図20に示すように、クロック信号SCKが伝搬される配線197−23は、グラウンド信号GNDが伝搬される配線197−22と同一のケーブル19に設けられ、且つ隣接して位置し、クロック信号SCKが入力される端子353−23は、グラウンド信号GNDが入力される端子353−22と同一のコネクター350に設けられ、且つ隣接して位置し、クロック信号SCKが入力される接触部180−23は、グラウンド信号GNDが入力される接触部180−22と隣接して位置することが好ましい。換言すれば、クロック信号SCKが伝搬される配線197−23は、ケーブル19において、電圧VDD2が伝搬される配線197−24とグラウンド信号GNDが伝搬される配線197−22との間に位置し、クロック信号SCKが入力される端子353−23は、コネクター350において、電圧VDD2が入力される端子353−24とグラウンド信号GNDが伝搬される端子353−22との間に位置し、クロック信号SCKが入力される接触部180−23は、電圧VDD2が入力される接触部180−24とグラウンド信号GNDが伝搬される接触部180−22との間に位置することが好ましい。
これにより、クロック信号SCKが伝搬される配線197−23に対して、グラウンド信号GNDが伝搬される配線197−22と電圧VDD2が伝搬される配線197−24との双方が、シールド配線として機能するため、クロック信号SCKの波形に歪みが生じるおそれをさらに低減することが可能となる。したがって、液体吐出装置1から吐出されるインクの吐出精度が低下するおそれをさらに低減することが可能となる。同様に、クロック信号SCKが入力される端子353−23に対して、グラウンド信号GNDが入力される端子353−22と電圧VDD2が入力される端子353−24との双方が、シールド配線として機能するため、クロック信号SCKの波形に歪みが生じるおそれをさらに低減することが可能となる。同様に、クロック信号SCKが入力される接触部180−23に対して、グラウンド信号GNDが入力される接触部180−22と電圧VDD2が入力される接触部180−24との双方が、シールド配線として機能するため、クロック信号SCKの波形に歪みが生じるおそれをさらに低減することが可能となる。したがって、液
体吐出装置1から吐出されるインクの吐出精度が低下するおそれをさらに低減することが可能となる。このグラウンド信号GNDが伝搬される配線197−22が、第1実施形態における第1グラウンド信号伝搬配線の一例であり、グラウンド信号GNDが入力される端子353−22が、第1実施形態における第1グラウンド端子の一例であり、配線197−22と端子353−22とが電気的に接触する接触部180−22が第1実施形態における第1グラウンド接触部の一例である。
また、図20に示すように、電圧VDD2が伝搬される配線197−24と電圧VHVが伝搬される配線197−9とは、配線197−23と配線197−11とが並ぶ方向において、隣り合って位置せず、電圧VDD2が入力される端子353−24と電圧VHVが入力される端子353−9とは、端子353−23と端子353−11とが並ぶ方向において、隣り合って位置せず、電圧VDD2が入力される接触部180−24と電圧VHVが入力される接触部180−9とは、接触部180−23と接触部180−23とが並ぶ方向において、隣り合って位置しないことが好ましい。
さらに、この場合において、電圧VHVが伝搬される配線197−9とグラウンド信号GNDを伝搬する配線197−10とは、配線197−23と配線197−11とが並ぶ方向において、隣り合って位置し、電圧VHVが入力される端子353−9とグラウンド信号GNDを入力される端子353−10とは、端子353−23と端子353−11とが並ぶ方向において、隣り合って位置し、電圧VHVが入力される接触部180−9とグラウンド信号GNDを入力される接触部180−10とは、接触部180−23と接触部180−11とが並ぶ方向において、隣り合って位置することが好ましい。
電圧VHVは、電圧VDD1,VDD2に対して大きな電圧値の信号であり、さらに、駆動信号COMの増幅用電圧、選択信号Sを高振幅論理の信号とするためのレベルシフト用電圧として用いられる。したがって、電圧VHVには大きな電圧値のノイズ成分が重畳するおそれがある。そして、電圧VHVにノイズ成分が重畳している場合、電圧VHVが伝搬される配線と隣り合う配線で伝搬される信号、電圧VHVが入力される端子と隣り合う端子に入力される信号、及び電圧VHVが入力される接触部と隣り合う接触部に入力される信号には、電圧VHVに含まれる電圧値の大きなノイズ成分が干渉するおそれがある。このような場合、電圧VDD2に当該ノイズ成分が干渉した場合、クロック信号SCKの波形に歪みが生じ、液体吐出装置1の吐出精度が低下するおそれがある。
そこで、図19に示すように、電圧VDD2が伝搬される配線197−24を電圧VHVが伝搬される配線197−9と隣り合って設けず、また、電圧VDD2が入力される端子353−24を電圧VHVが入力される端子353−9に隣り合って設けず、電圧VDD2が入力される接触部180−24を電圧VHVが入力される接触部180−9に隣り合って設けないことで、安定した電位の信号である電圧VDD2に、電圧VHVが干渉するおそれを低減することができる。さらに、電圧VHVが伝搬される配線197−9と隣り合って、グラウンド信号GNDが伝搬される配線197−10を設け、電圧VHVが入力される端子353−9と隣り合って、グラウンド信号GNDが入力される端子353−10を設け、電圧VHVが入力される接触部180−9と隣り合って、グラウンド信号GNDが入力される接触部180−10を設けることで、配線197−10、端子353−10、及び接触部180がシールドとして機能する。その結果、電圧VDD2を含む他の信号に、電圧VHVが干渉するおそれを低減することができる。このグラウンド信号GNDが伝搬される配線197−10が、第1実施形態における第2グラウンド信号伝搬配線の一例であり、配線197−10を介してグラウンド信号GNDが入力される端子353−10が、第1実施形態における第2グラウンド端子の一例であり、配線197−10と端子353−10とが電気的に接触する接触部180−10が第1実施形態における第2グラウンド接触部の一例である。
1.8 作用効果
以上に説明したように、第1実施形態におけるプリントヘッド制御回路15では、同一のケーブル19で伝搬されるクロック信号SCKと電圧VDD2とは、隣接して設けられる。具体的には、クロック信号SCKを伝搬する配線197−23と電圧VDD2が伝搬される配線197−24とは、配線197−23と配線197−11とが並ぶ方向において、隣り合って位置する。
電圧VDD2は、駆動信号選択回路200に供給される電圧VDD1とは異なる配線で伝搬される信号であり、異常信号XHOTを生成する温度異常検出回路250に供給される。駆動信号選択回路200は、駆動信号COMの圧電素子60への供給を制御する。すなわち、駆動信号選択回路200は、ノズルから吐出されるインクの吐出速度に応じて高速で動作する。したがって、駆動信号選択回路200に供給される電圧VDD1には、駆動信号選択回路200の動作に応じてノイズが重畳するおそれがある。そして、駆動信号選択回路200に供給された電圧VDD1はグラウンド信号GNDが伝搬される配線を介して帰還する。すなわち、駆動信号選択回路200の動作に起因するノイズが電圧VDD1に重畳した場合、グラウンド信号GNDが伝搬される配線には、当該ノイズが重畳した電圧VDD1に起因する電流が流れる。
これに対して、温度異常検出回路250は、プリントヘッド21の温度異常の有無を診断し、異常信号XHOTを出力する。そのため、プリントヘッド21が正常の温度範囲である場合、論理レベルは変化しない。したがって、温度異常検出回路250に供給される電圧VDD2は、電圧VDD1及びグラウンド信号GNDに対して、より安定した電位の信号である。
このよう安定した電位の電圧VDD2が伝搬される配線197−24と、クロック信号SCKを伝搬する配線197−23とが、配線197−23と配線197−11とが並ぶ方向において隣り合って位置することで、ケーブル19において、クロック信号SCKの波形に歪が生じるおそれを低減することが可能となる。したがって、クロック信号SCKに同期して供給される印刷データ信号SI等の各種制御信号がプリントヘッドに入力されるタイミングに生じるばらつきが低減され、その結果、複数のノズルから吐出されるインクの吐出タイミング及び吐出量のばらつきが低減される。したがって、液体吐出装置1から吐出されるインクの吐出精度が向上する。
同様に、第1実施形態におけるプリントヘッド21において、クロック信号SCKが入力される端子353−23と、電圧VDD2が入力される端子353−24とが、端子353−23と端子353−11とが並ぶ方向において隣り合って位置し、第1実施形態における液体吐出装置1において、クロック信号SCKが入力される接触部180−23と、電圧VDD2が入力される接触部180−24とが、接触部180−23と接触部180−11とが並ぶ方向において隣り合って位置することで、クロック信号SCKの波形に歪が生じるおそれを低減することが可能となる。したがって、クロック信号SCKに同期して供給される印刷データ信号SI等の各種制御信号がプリントヘッドに入力されるタイミングに生じるばらつきが低減され、その結果、複数のノズルから吐出されるインクの吐出タイミング及び吐出量のばらつきが低減される。したがって、液体吐出装置1から吐出されるインクの吐出精度が向上する。
2 第2実施形態
次に、第2実施形態の液体吐出装置1、プリントヘッド制御回路15及びプリントヘッド21について説明する。なお、第2実施形態の液体吐出装置1、プリントヘッド制御回路15及びプリントヘッド21を説明するにあたり、第1実施形態と同様の構成について
は同じ符号を付し、その説明を省略又は簡略化する場合がある。
図21は、第2実施形態における液体吐出装置1をY方向から見た場合における内部構成を概略的に示す図である。図21に示すように第2実施形態の液体吐出装置1は、メイン基板11、ケーブル19a,19b及びプリントヘッド21を有する。すなわち、第2実施形態の液体吐出装置1では、メイン基板11とプリントヘッド21とが、2つのケーブル19a,19bにより電気的に接続され、各種信号がケーブル19a,19bにより伝搬される点で第1実施形態と異なる。また、メイン基板11は、ケーブル19aの一端が取付けられるコネクター12aと、ケーブル19bの一端が取付けられるコネクター12bとを有し、プリントヘッド21は、ケーブル19aの他端が取付けられるコネクター350と、ケーブル19bの他端が取付けられるコネクター360とを有する点でも第1実施形態と異なる。
ここで、第2実施形態の液体吐出装置1において、プリントヘッド21の動作を制御するための各種信号を出力する制御機構10と、プリントヘッド21の動作を制御するための各種信号を伝搬するケーブル19a,19bとを含む構成が、第2実施形態におけるプリントヘッド21の動作を制御するプリントヘッド制御回路15の一例である。
ケーブル19a,19bのそれぞれと第1実施形態におけるケーブル19とは、有する端子195,196及び配線197の数が異なるのみで同様の構成である。その為、ケーブル19a,19bの構成についての詳細な説明は省略する。なお、以下の説明において、ケーブル19a,19bに設けられる端子195−kを、端子195a−k,195b−kと称し、端子196−kを、端子196a−k,196b−kと称し、配線197−kを、配線197a−k,197b−kと称し、接触部180−kと、接触部180a−k,180b−kと称する。そして、端子195a−k,195b−kのそれぞれが、コネクター12a,12bのそれぞれと電気的に接続され、端子196a−k,196b−kのそれぞれが、接触部180a−k,180b−kを介してコネクター350,360のそれぞれと電気的に接続される。
また、第2実施形態におけるプリントヘッド21は、6個の駆動信号選択回路200−1〜200−6を備えるとして説明する。したがって、第2実施形態におけるプリントヘッド21には、6個の駆動信号選択回路200−1〜200−6のそれぞれに対応する6個の印刷データ信号SI1〜SI6と、6個の駆動信号COM1〜COM6と、6個の基準電圧信号CGND1〜CGND6とが入力される。
図22は、第2実施形態におけるプリントヘッド21の構成を示す斜視図である。図22に示すように、プリントヘッド21は、ヘッド310及び基板320を有する。また、ヘッド310のZ方向おける下側の面には、複数の吐出部600が形成されたインク吐出面311が位置する。
基板320は、面321と、面321と対向する面322とを有し、辺323と、辺323に対してX方向で対向する辺324と、辺325と、辺325に対してY方向に対向する辺326とで形成される略矩形状である。
基板320には、コネクター350,360が設けられている。コネクター350は、基板320の面321側であって、辺323に沿って設けられている。また、コネクター360は、基板320の面322側であって、辺323に沿って設けられている。
図23を用いて、コネクター350,360の構成について説明する。図23は、第2実施形態におけるコネクター350,360の構成を示す図である。コネクター350は
、ハウジング351と、ハウジング351に形成されたケーブル取付部352と、複数の端子353とを有する。複数の端子353は、辺323に沿って並設されている。具体的には、26個の端子353が辺323に沿って並設されている。ここで、26個の端子353を、辺323に沿った方向において辺325側から辺326側に向かって順に、端子353−1,353−2,・・・,353−26と称する。ケーブル取付部352は、Z方向において複数の端子353の基板320側に位置する。ケーブル取付部352には、ケーブル19aが取付けられる。そして、ケーブル取付部352にケーブル19aが取付けられた場合、ケーブル19aに含まれる端子196a−1〜196a−26のそれぞれと、コネクター350に含まれる端子353−1〜353−26のそれぞれとが電気的に接続する。なお、コネクター350は、図18に示すように、複数の端子353が、Z方向においてケーブル取付部352の基板320側に位置してもよい。
コネクター360は、ハウジング361と、ハウジング361に形成されたケーブル取付部362と、複数の端子363とを有する。複数の端子363は、辺323に沿って並設されている。具体的には、26個の端子363が辺323に沿って並設されている。ここで、26個の端子363を、辺323に沿った方向において辺325側から辺326側に向かって順に、端子363−1,363−2,・・・,363−26と称する。ケーブル取付部362は、Z方向において複数の端子363の基板320側に位置する。ケーブル取付部362には、ケーブル19bが取付けられる。そして、ケーブル取付部362にケーブル19bが取付けられた場合、ケーブル19bに含まれる端子196b−1〜196b−26のそれぞれと、コネクター360に含まれる端子363−1〜363−26のそれぞれとが電気的に接続する。
次に図24及び図25を用いて、ケーブル19a,19bのそれぞれで伝搬され、プリントヘッド21に入力される信号の詳細について説明する。図24及び図25に示すように第2実施形態における液体吐出装置1が備えるプリントヘッド制御回路15では、クロック信号SCKを伝搬する配線197a−21と、異常信号XHOTを伝搬する配線197a−15とが並んで設けられ、配線197a−21と配線197a−15とが並ぶ方向と交差する方向において、クロック信号SCKを伝搬する配線197a−21と電圧VDD2が伝搬される配線197b−21とは、一部が重なって位置し、第2実施形態における液体吐出装置1が備えるプリントヘッド21では、クロック信号SCKが入力される端子353−21と、異常信号XHOTが入力される端子353−15とが並んで設けられ、端子353−21と端子353−15とが並ぶ方向と交差する方向において、クロック信号SCKが入力される端子353−21と電圧VDD2が入力される端子363−21とは、一部が重なって位置し、第2実施形態における液体吐出装置1では、クロック信号SCKが入力される接触部180a−21と、異常信号XHOTが入力される接触部180b−15とが並んで設けられ、接触部180a−21と接触部180a−15とが並ぶ方向と交差する方向において、クロック信号SCKが入力される接触部180a−21と電圧VDD2が入力される接触部190b−21とは、一部が重なって位置する。
図24は、第2実施形態においてケーブル19aで伝搬される信号の詳細を説明するための図である。図24に示すように、ケーブル19aは、駆動信号COM1〜COM6のそれぞれを伝搬する配線と、基準電圧信号CGND1〜CGND6のそれぞれを伝搬する配線と、温度信号TH、ラッチ信号LAT、クロック信号SCK、チェンジ信号CH、印刷データ信号SI1及び異常信号XHOTのそれぞれを伝搬する配線と、電圧VHVを伝搬する配線と、複数のグラウンド信号GNDを伝搬する複数の配線とを含む。
具体的には、駆動信号COM1〜COM6及び基準電圧信号CGND1〜CGND6のそれぞれは、端子195a−1〜195a−12のそれぞれからケーブル19aに入力され、配線197a−1〜197a−12のそれぞれで伝搬された後、端子196a−1〜
196a−12のそれぞれ、及び接触部180a−1〜180a−12のそれぞれを介してコネクター350の端子353−1〜353−12のそれぞれに入力される。
ラッチ信号LATは、端子195a−23からケーブル19aに入力され、配線197a−23で伝搬された後、端子196a−23、及び接触部180a−23を介してコネクター350の端子353−23に入力される。
クロック信号SCKは、端子195a−21からケーブル19aに入力され、配線197a−21で伝搬された後、端子196a−21、及び接触部180a−21を介してコネクター350の端子353−21に入力される。ここで、クロック信号SCKを伝搬する配線197a−21が第2実施形態における第1伝搬配線の一例であり、クロック信号SCKが入力される端子353−21が第2実施形態における第1端子の一例であり、配線197a−21と端子353−21とが電気的に接触する接触部180a−21が第2実施形態における第1接触部の一例である。
チェンジ信号CHは、端子195a−19からケーブル19aに入力され、配線197a−19で伝搬された後、端子196a−19、及び接触部180a−19を介してコネクター350の端子353−19に入力される。
印刷データ信号SI1は、端子195a−17からケーブル19aに入力され、配線197a−17で伝搬された後、端子196a−17、及び接触部180a−17を介してコネクター350の端子353−17に入力される。
異常信号XHOTは、コネクター350の端子353−15に入力され、接触部180a−15、及び端子196a−15を介してケーブル19aに入力される。そして、異常信号XHOTは、配線197a−15で伝搬された後、端子195a−15からメイン基板11に入力される。ここで、異常信号XHOTを伝搬する配線197a−15が第2実施形態における第2伝搬配線の一例であり、異常信号XHOTが入力される端子353−15が第2実施形態における第2端子の一例であり、配線197a−15と端子353−15とが電気的に接触する接触部180a−15が第2実施形態における第2接触部の一例である。
温度信号THは、コネクター350の端子353−25に入力され、接触部180a−25、及び端子196a−25を介してケーブル19aに入力される。そして、温度信号THは、配線197a−25で伝搬された後、端子195a−25からメイン基板11に入力される。
電圧VHVは、端子195a−13からケーブル19aに入力され、配線197a−13で伝搬された後、端子196a−13、及び接触部180a−13を介してコネクター350の端子353−13に入力される。ここで、電圧VHVが第2実施形態における第3電圧信号の一例であり、電圧VHVを伝搬する配線197a−13が第2実施形態における第5伝搬配線の一例であり、電圧VHVが入力される端子353−13が第2実施形態における第5端子の一例であり、配線197a−13と端子353−13とが電気的に接触する接触部180a−13が第2実施形態における第5接触部の一例である。
グラウンド信号GNDは、端子195a−14,195a−16,195a−18,195a−20,195a−22,195a−24,195a−26のそれぞれからケーブル19aに入力され、配線197a−14,197a−16,197a−18,197a−20,197a−22,197a−24,197a−26のそれぞれで伝搬された後、端子196a−14,196a−16,196a−18,196a−20,196a−2
2,196a−24,196a−26のそれぞれ、及び接触部180a−14,180a−16,180a−18,180a−20,180a−22,180a−24,180a−26のそれぞれを介してコネクター350の端子353−14,353−16,353−18,353−20,353−22,353−24,353−26のそれぞれに入力される。
次に図25を用いて、ケーブル19bで伝搬される信号の詳細について説明する。図25は、第2実施形態においてケーブル19bで伝搬される信号の詳細を説明するための図である。図25に示すように、ケーブル19bは、駆動信号COM1〜COM6のそれぞれを伝搬する配線と、基準電圧信号CGND1〜CGND6のそれぞれを伝搬する配線と、印刷データ信号SI2〜SI6のそれぞれを伝搬する配線と、電圧VDD1,VDD2のそれぞれを伝搬する配線と、複数のグラウンド信号GNDを伝搬する複数の配線とを含む。
具体的には、駆動信号COM1〜COM6及び基準電圧信号CGND1〜CGND6のそれぞれは、端子195b−1〜195b−12のそれぞれからケーブル19bに入力され、配線197b−1〜197b−12のそれぞれで伝搬された後、端子196b−1〜196b−12のそれぞれ、及び接触部180b−1〜180b−12を介してコネクター360の端子363−1〜363−12のそれぞれに入力される。
印刷データ信号SI2〜SI6のそれぞれは、端子195b−24,195b−22,195b−20,195b−18,195b−16のそれぞれからケーブル19bに入力され、配線197b−24,197b−22,197b−20,197b−18,197b−16のそれぞれで伝搬された後、端子196b−24,196b−22,196b−20,196b−18,196b−16のそれぞれ、及び接触部180b−24,180b−22,180b−20,180b−18,180b−16のそれぞれを介してコネクター360の端子363−24,363−22,363−20,363−18,363−16のそれぞれに入力される。
電圧VDD1は、端子195b−26からケーブル19bに入力され、配線197b−26で伝搬された後、端子196b−26、及び接触部180b−26を介してコネクター360の端子363−26に入力される。ここで、電圧VDD1が第2実施形態における第1電圧信号の一例であり、電圧VDD1を伝搬する配線197b−26が第2実施形態における第3伝搬配線の一例であり、電圧VDD1が入力される端子363−26が第2実施形態における第3端子の一例であり、配線197b−26と端子363−26とが電気的に接触する接触部180b−26が第2実施形態における第3接触部の一例である。
電圧VDD2は、端子195b−21からケーブル19bに入力され、配線197b−21で伝搬された後、端子196b−21、及び接触部180b−21を介してコネクター360の端子363−21に入力される。ここで、電圧VDD2が第2実施形態における第2電圧信号の一例であり、電圧VDD2を伝搬する配線197b−21が第2実施形態における第4伝搬配線の一例であり、電圧VDD2が入力される端子363−21が第2実施形態における第4端子の一例であり、配線197b−21と端子363−21とが電気的に接触する接触部180b−26が第2実施形態における第4接触部の一例である。
グラウンド信号GNDは、端子195b−13,195b−15,195b−17,195b−19,195b−23,195b−25のそれぞれからケーブル19aに入力され、配線197b−13,197b−15,197b−17,197b−19,197b
−23,197b−25のそれぞれで伝搬された後、端子196b−13,196b−15,196b−17,196b−19,196b−23,196b−25のそれぞれ、及び接触部180b−13,180b−15,180b−17,180b−19,180b−23,180b−25のそれぞれを介してコネクター360の端子363−13,363−15,363−17,363−19,363−23,363−25のそれぞれに入力される。
第2実施形態における液体吐出装置1では、図24及び図25に示すように、クロック信号SCKは、ケーブル19aの配線197a−21で伝搬され、安定した電位の信号である電圧VDD2は、ケーブル19bの配線197b−21で伝搬される。すなわち、プリントヘッド制御回路15において、配線197a−21と配線197a−15とが並ぶ方向と交差する方向において、クロック信号SCKを伝搬する配線197a−21と電圧VDD2を伝搬する配線197b−21とは、一部が重なって位置する。換言すれば、クロック信号SCKを伝搬する配線197a−21と電圧VDD2を伝搬する配線197b−21とは、異なるケーブル19a,19bのそれぞれに設けられ、且つ対向して位置する。
同様に、プリントヘッド21において、端子353−21と端子353−15とが並ぶ方向と交差する方向において、クロック信号SCKが入力される端子353−21と電圧VDD2が入力される端子353−21とは、一部が重なって位置する。換言すれば、クロック信号SCKは、コネクター350の端子353−21に入力され、安定した電位の信号である電圧VDD2は、コネクター360の端子363−21に入力される。すなわち、クロック信号SCKが入力される端子353−21と、電圧VDD2が入力される端子363−21とは、異なるコネクター350,360のそれぞれに設けられ、且つ対向して位置する。
また、同様に液体吐出装置1において、接触部180a−21と接触部180a−15とが並ぶ方向と交差する方向において、クロック信号SCKが入力される接触部180a−21と電圧VDD2が入力される接触部180b−21とは、一部が重なって位置する。換言すれば、クロック信号SCKは、ケーブル19aとコネクター350とが電気的に接触する複数の接触部180aの内の接触部180a−21に入力され、安定した電位の信号である電圧VDD2は、ケーブル19bとコネクター360とが電気的に接触する接触部180bの内の接触部180b−21に入力される。すなわち、クロック信号SCKが入力される接触部180a−21と、電圧VDD2が入力される接触部180b−21とは、異なるケーブル19a,19bと異なるコネクター350,360とが電気的に接触する異なる複数の接触部180a,180bのそれぞれに設けられ、且つ対向して位置する。
以上のように、クロック信号SCKと電圧VDD2とが、異なるケーブル19に含まれる配線で伝搬され、異なるコネクターに含まれる端子を介して入力される場合であっても、第1実施形態と同様の効果を奏することが可能となる。
ここで、対向して位置する配線とは、配線197a−kと197b−kとの間、端子353−kと端子363−kとの間、及び接触部180a−kと接触部180b−kとの間が空間であることに限られるのもではなく、基板320、コネクター350のハウジング351、及びコネクター360のハウジング361などが介在してもよい。換言すれば、対向して位置するとは、特定の方向から見た場合に、配線197a−kと197b−kとの間に他の配線197が位置せず、端子353−kと端子363−kとの間に他の端子353,363が位置せず、接触部180a−kと接触部180b−kとの間に他の接触部180が位置しないことを意味する。
すなわち、クロック信号SCKが伝搬される配線197a−21と、安定した電位の電圧VDD2が伝搬される配線197b−21とが、異なるケーブル19a,19bに設けられている場合に、配線197a−21と配線197b−21とが近傍に位置する。換言すれば、ケーブル19aに設けられた配線197a−21と、ケーブル19bに設けられた配線197b−21との最短距離は、ケーブル19aに設けられた配線197a−21と、ケーブル19bに設けられた配線197b−21を除く他の配線との最短距離よりも短い。
また、クロック信号SCKが入力される端子353−21と、安定した電位の電圧VDD2が伝搬される端子363−21とが、異なるコネクター350,360に設けられた場合に、端子353−21と端子363−21とが近傍に位置する。換言すれば、コネクター350に設けられた端子353−21と、コネクター360に設けられた端子363−21との最短距離は、端子353−21と、コネクター360に設けられた端子363−21を除く他の端子363との最短距離よりも短い。
また、同様に、クロック信号SCKが入力される接触部180a−21と、安定した電位の電圧VDD2が伝搬される接触部180b−21とが、ケーブル19aとコネクター350とが電気的に接触する複数の接触部180aと、複数の接触部180aと異なり、ケーブル19bとコネクター360とが電気的に接触する複数の接触部180bと、に設けられた場合に、接触部180a−21と接触部180b−21とが近傍に位置する。換言すれば、ケーブル19aとコネクター350とが電気的に接触する複数の接触部180aに含まれる接触部180a−21と、ケーブル19bとコネクター360とが電気的に接触する複数の接触部180bに含まれる接触部180b−21との最短距離は、接触部180a−21と、複数の接触部180bに含まれる接触部180b−21を除く他の接触部180bとの最短距離よりも短い。
なお、第2実施形態における液体吐出装置1では、ケーブル19aの配線197a−kと、ケーブル19bの配線197b−kとが対向して位置し、コネクター350の端子353−kと、コネクター360の端子363−kとが対向して位置し、接触部180a−kと接触部180b−kとが対向して位置するとして説明を行ったが、これに限るものではない。
また、図24及び図25に示すように、クロック信号SCKが伝搬される配線197a−21と、グラウンド信号GNDが伝搬される配線197a−22とは、配線197a−21と配線197a−15とが並ぶ方向と交差する方向において、隣り合って位置することが好ましい。換言すれば、クロック信号SCKが伝搬される配線197a−21と、グラウンド信号GNDが伝搬される配線197a−22とは、同一のケーブル19aに設けられ、且つ隣接して位置することが好ましい。また、クロック信号SCKが入力される端子353−21と、グラウンド信号GNDが入力される端子353−22とは、端子353−21と端子353−15とが並ぶ方向と交差する方向において、隣り合って位置することが好ましい。換言すれば、クロック信号SCKが入力される端子353−21と、グラウンド信号GNDが入力される端子353−22とは、同一のコネクター350に設けられ、且つ隣接して位置することが好ましい。また、クロック信号SCKが入力される接触部180a−21と、グラウンド信号GNDが入力される接触部180a−22とは、接触部180a−21と接触部180a−15とが並ぶ方向と交差する方向において、隣り合って位置することが好ましい。
これにより、クロック信号SCKが伝搬される配線197a−21に対して、グラウンド信号GNDが伝搬される配線197a−22がシールド配線として機能するため、クロ
ック信号SCKの波形に歪みが生じるおそれをさらに低減することが可能となり、その結果、液体吐出装置1から吐出されるインクの吐出精度が低下するおそれをさらに低減することが可能となる。同様に、クロック信号SCKが入力される端子353−21に対して、グラウンド信号GNDが入力される端子353−22がシールド配線として機能するため、クロック信号SCKの波形に歪みが生じるおそれをさらに低減することが可能となり、その結果、液体吐出装置1から吐出されるインクの吐出精度が低下するおそれをさらに低減することが可能となる。また、同様に、クロック信号SCKが入力される接触部180a−21に対して、グラウンド信号GNDが入力される接触部180a−22がシールド配線として機能するため、クロック信号SCKの波形に歪みが生じるおそれをさらに低減することが可能となり、その結果、液体吐出装置1から吐出されるインクの吐出精度が低下するおそれをさらに低減することが可能となる。このグラウンド信号GNDが伝搬される配線197a−22が、第2実施形態における第1グラウンド信号伝搬配線の一例であり、グラウンド信号GNDが入力される端子353−22が、第2実施形態における第1グラウンド端子の一例であり、配線197a−22と端子353−22とが電気的に接触する接触部180a−22が第2実施形態における第1グラウンド接触部の一例である。
また、図24及び図25に示すように、電圧VDD2が伝搬される配線197b−21と電圧VHVが伝搬される配線197a−13とは、配線197a−21と配線197a−15とが並ぶ方向と直交する方向において、重ならないことが好ましい。換言すれば、電圧VDD2が伝搬される配線197b−21と電圧VHVが伝搬される配線197a−13とは、異なるケーブル19b,19aに設けられ、且つ対向して位置しないことが好ましい。また、電圧VDD2が入力される端子363−21と電圧VHVが入力される端子353−13とは、端子353−21と端子353−15とが並ぶ方向と直交する方向において、重ならないことが好ましい。換言すれば、電圧VDD2が入力される端子363−21と電圧VHVが入力される端子353−13とは、異なるコネクター360,350に設けられ、且つ対向して位置しないことが好ましい。また、電圧VDD2が入力される接触部180b−21と電圧VHVが入力される接触部180a−13とは、接触部180a−21と接触部180a−15とが並ぶ方向と直交する方向において、重ならないことが好ましい。換言すれば、電圧VDD2が入力される接触部180b−21と電圧VHVが入力される接触部180a−13とは、ケーブル19aとコネクター350とが電気的に接触する複数の接触部180aと、ケーブル19aとは異なるケーブル19bと、コネクター350とは異なるコネクター360とが電気的に接触する複数の接触部180aとは異なる複数の接触部180bと、に設けられ、且つ対向して位置しないことが好ましい。
さらに、この場合において、電圧VHVが伝搬される配線197a−13とグラウンド信号GNDを伝搬する配線197b−13とは、配線197a−21と配線197a−15とが並ぶ方向と交差する方向において、一部が重なっていることが好ましい。換言すれば、電圧VHVが伝搬される配線197a−13とグラウンド信号GNDを伝搬する配線197b−13とは、異なるケーブル19a,19bに設けられ、且つ対向して位置することが好ましい。また、電圧VHVが入力される端子353−13とグラウンド信号GNDを入力される端子363−13とは、端子353−21と端子353−15とが並ぶ方向と交差する方向において、一部が重なっていることが好ましい。換言すれば、電圧VHVが入力される端子353−13とグラウンド信号GNDを入力される端子363−13とは、異なるコネクター350,360に設けられ、且つ対向して位置することが好ましい。また、電圧VHVが入力される接触部180a−13とグラウンド信号GNDを入力される接触部180b−13とは、接触部180a−21と接触部180a−15とが並ぶ方向と交差する方向において、一部が重なっていることが好ましい。換言すれば、電圧VHVが入力される接触部180a−13とグラウンド信号GNDを入力される接触部1
80b−13とは、ケーブル19aとコネクター350とが電気的に接触する複数の接触部180aと、ケーブル19aとは異なるケーブル19bと、コネクター350とは異なるコネクター360とが電気的に接触する複数の接触部180aとは異なる複数の接触部180bと、に設けられ、且つ対向して位置することが好ましい。
これにより、第1実施形態と同様に、電圧VHVに重畳されるおそれのある電圧値の大きなノイズ成分が、電圧VDD2を含む他の信号が伝搬される配線及び入力される端子に干渉するおそれを低減することが可能となる。このグラウンド信号GNDが伝搬される配線197b−13が、第2実施形態における第2グラウンド信号伝搬配線の一例であり、グラウンド信号GNDが入力される端子363−13が、第2実施形態における第2グラウンド端子の一例であり、配線197b−13と端子363−13とが電気的に接触する接触部180b−13が第2実施形態における第2グラウンド接触部の一例である。
以上のように、第2実施形態におけるプリントヘッド制御回路15及び液体吐出装置1では、クロック信号SCKを伝搬する配線197a−21と安定した電位の電圧VDD2が伝搬される配線197b−21とが、異なるケーブル19a,19bにおいて対向して位置する場合であっても、ケーブル19aにおいて伝搬されるクロック信号SCKの波形に歪が生じるおそれを低減することが可能となる。したがって、第1実施形態と同様にクロック信号SCKに同期して供給される印刷データ信号SI等の各種制御信号がプリントヘッドに入力されるタイミングに生じるばらつきが低減され、その結果、複数のノズルから吐出されるインクの吐出タイミング及び吐出量のばらつきが低減される。したがって、液体吐出装置1から吐出されるインクの吐出精度が向上する。
同様に、第2実施形態におけるプリントヘッド21において、クロック信号SCKが入力される端子353−21と、電圧VDD2が入力される端子363−21とが、異なるコネクター350,360において対向して位置することで、コネクター350に入力されるクロック信号SCKの波形に歪が生じるおそれを低減することが可能となる。したがって、第1実施形態と同様にクロック信号SCKに同期して供給される印刷データ信号SI等の各種制御信号がプリントヘッドに入力されるタイミングに生じるばらつきが低減され、その結果、複数のノズルから吐出されるインクの吐出タイミング及び吐出量のばらつきが低減される。したがって、液体吐出装置1から吐出されるインクの吐出精度が向上する。
また、同様に、第2実施形態における液体吐出装置1において、クロック信号SCKが入力される接触部180a−21と、電圧VDD2が入力される接触部180b−21とが、異なるケーブル19a,19bと異なるコネクター350,360とに電気的に接触する異なる接触部180a,180bにおいて対向して位置することで、接触部180aにおけるクロック信号SCKの波形に歪が生じるおそれを低減することが可能となる。したがって、第1実施形態と同様にクロック信号SCKに同期して供給される印刷データ信号SI等の各種制御信号がプリントヘッドに入力されるタイミングに生じるばらつきが低減され、その結果、複数のノズルから吐出されるインクの吐出タイミング及び吐出量のばらつきが低減される。したがって、液体吐出装置1から吐出されるインクの吐出精度が向上する。
3.第3実施形態
次に、第3実施形態の液体吐出装置1、プリントヘッド制御回路15及びプリントヘッド21について説明する。なお、第3実施形態の液体吐出装置1、プリントヘッド制御回路15及びプリントヘッド21を説明するにあたり、第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、その説明を省略又は簡略化する場合がある。
図26は、第3実施形態における液体吐出装置1の電気的な構成を示すブロック図である。図26に示すように、第3実施形態における制御回路100は、プリントヘッド21の吐出タイミングを規定する2つのラッチ信号LAT1,LAT2と、駆動信号COMの波形切替のタイミングを規定する2つのチェンジ信号CH1,CH2と、印刷データ信号SIが入力されるタイミングを規定するための2つのクロック信号SCK1,SCK2とを生成し、プリントヘッド21に出力する点で第1実施形態と異なる。
図27は、第3実施形態における液体吐出装置1をY方向から見た場合における内部構成を概略的に示す図である。図27に示すように第3実施形態の液体吐出装置1は、メイン基板11、ケーブル19a,19b,19c,19d及びプリントヘッド21を有する。すなわち、第3実施形態の液体吐出装置1では、メイン基板11とプリントヘッド21とが、4つのケーブル19a,19b,19c,19dにより電気的に接続され、各種信号がケーブル19a,19b,19c,19dで伝搬される点で第1実施形態と異なる。また、メイン基板11は、ケーブル19aの一端が取付けられるコネクター12aと、ケーブル19bの一端が取付けられるコネクター12bと、ケーブル19cの一端が取付けられるコネクター12cと、ケーブル19dの一端が取付けられるコネクター12dとを有し、プリントヘッド21は、ケーブル19aの他端が取付けられるコネクター350と、ケーブル19bの他端が取付けられるコネクター360と、ケーブル19cの他端が取付けられるコネクター370と、ケーブル19dの他端が取付けられるコネクター380と、を有する点でも第1実施形態と異なる。
ここで、第3実施形態の液体吐出装置1において、プリントヘッド21の動作を制御するための各種信号を出力する制御機構10と、プリントヘッド21の動作を制御するための各種信号を伝搬するケーブル19a,19b,19c,19dとを含む構成が、第3実施形態におけるプリントヘッド21の動作を制御するプリントヘッド制御回路15の一例である。
ケーブル19a,19b,19c,19dのそれぞれと第1実施形態におけるケーブル19とは、有する端子195,196及び配線197の数が異なるのみで同様の構成である。その為、ケーブル19a,19b,19c,19dの構成についての詳細な説明は省略する。なお、以下の説明において、ケーブル19a,19b,19c,19dに設けられる端子195−kのそれぞれを、端子195a−k,195b−k,195c−k,195d−kと称し、端子196−kのそれぞれを、端子196a−k,196b−k,196c−k,196d−kと称し、配線197−kのそれぞれを、配線197a−k,197b−k,197c−k,197d−kと称し、接触部180−kのそれぞれを、接触部180a−k,180b−k,180c−k,180d−kと称する。そして、端子195a−k,195b−k,195c−k、195b−kのそれぞれが、コネクター12a,12b,12c,12dのそれぞれと電気的に接続され、端子196a−k,196b−k,196c−k,196d−kのそれぞれが、接触部180a−k,180b−k,180c−k,180d−kのそれぞれを介してコネクター350,360,370,380のそれぞれと電気的に接続される。
また、第3実施形態におけるプリントヘッド21は、10個の駆動信号選択回路200−1〜200−10を備えるとして説明する。したがって、第3実施形態におけるプリントヘッド21には、10個の駆動信号選択回路200−1〜200−10のそれぞれに対応する10個の印刷データ信号SI1〜SI10と、10個の駆動信号COM1〜COM10と、10個の基準電圧信号CGND1〜CGND10とが入力される。
図28は、第3実施形態におけるプリントヘッド21の構成を示す斜視図である。図28に示すように、プリントヘッド21は、ヘッド310及び基板320を有する。また、
ヘッド310のZ方向おける下側の面には、複数の吐出部600が形成されたインク吐出面311が位置する。
基板320は、面321と、面321と対向する面322とを有し、辺323と、辺323に対してX方向で対向する辺324と、辺325と、辺325に対してY方向に対向する辺326とで形成される略矩形状である。
基板320には、コネクター350,360,370,380が設けられている。コネクター350は、基板320の面321側であって、辺323に沿って設けられる。また、コネクター360は、基板320の面322側であって、辺323に沿って設けられる。ここで、第3実施形態におけるコネクター350,360は、含まれる複数の端子の数が20個である点のみが第2実施形態と異なり、その他については図23に示す構成と同様である。そのため、第3実施形態におけるコネクター350,360についての詳細な説明を省略する。なお、第3実施形態におけるコネクター350に並設される20個の端子353を、辺323に沿った方向において、辺325側から辺326側に向かって順に、端子353−1,353−2,・・・,353−20と称し、コネクター360に並設される20個の端子363を、辺323に沿った方向において、辺325側から辺326側に向かって順に、端子363−1,363−2,・・・,363−20と称する。
コネクター370は、基板320の面321側であって、辺324に沿って設けられている。また、コネクター380は、基板320の面322側であって、辺324に沿って設けられている。
図29を用いて、コネクター370,380の構成について説明する。図29は、第3実施形態におけるコネクター370,380の構成を示す図である。コネクター370は、ハウジング371と、ハウジング371に形成されたケーブル取付部372と、複数の端子373とを有する。複数の端子373は、辺324に沿って並設されている。具体的には、20個の端子373が辺324に沿って並設されている。ここで、20個の端子373を、辺324に沿った方向において辺325側から辺326側に向かって順に、端子373−1,373−2,・・・,373−20と称する。ケーブル取付部372は、Z方向において複数の端子373の基板320に位置する。ケーブル取付部372には、ケーブル19cが取付けられる。そして、ケーブル取付部372にケーブル19cが取付けられた場合、ケーブル19cに含まれる端子196c−1〜196c−20のそれぞれと、コネクター370に含まれる端子373−1〜373−20のそれぞれとが電気的に接続する。なお、コネクター370は、図18と同様に、複数の端子373が、Z方向においてケーブル取付部372の基板320側に位置してもよい。
コネクター380は、ハウジング381と、ハウジング381に形成されたケーブル取付部382と、複数の端子383とを有する。複数の端子383は、辺324に沿って並設されている。具体的には、20個の端子383が辺324に沿って並設されている。ここで、20個の端子383を、辺324に沿った方向において辺325側から辺326側に向かって順に、端子383−1,383−2,・・・,383−20と称する。ケーブル取付部382は、Z方向において複数の端子383の基板320に位置する。ケーブル取付部382には、ケーブル19dが取付けられる。そして、ケーブル取付部382にケーブル19dが取付けられた場合、ケーブル19dに含まれる端子196d−1〜196d−20のそれぞれと、コネクター380に含まれる端子383−1〜383−20のそれぞれとが電気的に接続する。
次に図30〜図33を用いて、ケーブル19a,19b,19c,19dのそれぞれで伝搬され、プリントヘッド21に入力される信号の詳細について説明する。
図30は、第3実施形態においてケーブル19aで伝搬される信号の詳細を説明するための図である。図30に示すように、ケーブル19aは、駆動信号COM1〜COM5のそれぞれを伝搬する配線と、基準電圧信号CGND1〜CGND5のそれぞれを伝搬する配線と、温度信号TH、ラッチ信号LAT1、クロック信号SCK1、チェンジ信号CH1及び印刷データ信号SI1のそれぞれを伝搬する配線と、複数のグラウンド信号GNDを伝搬する複数の配線とを含む。
具体的には、駆動信号COM1〜COM5及び基準電圧信号CGND1〜CGND5のそれぞれは、端子195a−1〜195a−10のそれぞれからケーブル19aに入力され、配線197a−1〜197a−10のそれぞれで伝搬された後、端子196a−1〜196a−10のそれぞれ、及び接触部180a−1〜180a−10のそれぞれを介してコネクター350の端子353−1〜353−10のそれぞれに入力される。
ラッチ信号LAT1は、端子195a−17からケーブル19aに入力され、配線197a−17で伝搬された後、端子196a−17、及び接触部180a−17を介してコネクター350の端子353−17に入力される。
クロック信号SCK1は、端子195a−15からケーブル19aに入力され、配線197a−15で伝搬された後、端子196a−15、及び接触部180a−15を介してコネクター350の端子353−15に入力される。
チェンジ信号CH1は、端子195a−13からケーブル19aに入力され、配線197a−13で伝搬された後、端子196a−13、及び接触部180a−13を介してコネクター350の端子353−13に入力される。
印刷データ信号SI1は、端子195a−11からケーブル19aに入力され、配線197a−11で伝搬された後、端子196a−11、及び接触部180a−11を介してコネクター350の端子353−11に入力される。
温度信号THは、コネクター350の端子353−19に入力され、接触部180a−19、及び端子196a−19を介してケーブル19aに入力される。そして、温度信号THは、配線197a−19で伝搬された後、端子195a−19からメイン基板11に入力される。
グラウンド信号GNDは、端子195a−12,195a−14,195a−16,195a−18,195a−20のそれぞれからケーブル19aに入力され、配線197a−12,197a−14,197a−16,197a−18,197a−20のそれぞれで伝搬された後、端子196a−12,196a−14,196a−16,196a−18,196a−20のそれぞれ、及び接触部180a−12,180a−14,180a−16,180a−18,180a−20のそれぞれを介してコネクター350の端子353−12,353−14,353−16,353−18,353−20のそれぞれに入力される。
図31は、第3実施形態においてケーブル19bで伝搬される信号の詳細を説明するための図である。図31に示すように、ケーブル19bは、駆動信号COM1〜COM5のそれぞれを伝搬する配線と、基準電圧信号CGND1〜CGND5のそれぞれを伝搬する配線と、印刷データ信号SI2〜SI5のそれぞれを伝搬する配線と、電圧VDD1を伝搬する配線と、複数のグラウンド信号GNDを伝搬する複数の配線とを含む。
具体的には、駆動信号COM1〜COM5及び基準電圧信号CGND1〜CGND5のそれぞれは、端子195b−1〜195b−10のそれぞれからケーブル19bに入力され、配線197b−1〜197b−10のそれぞれで伝搬された後、端子196b−1〜196b−10のそれぞれ、及び接触部180b−1〜180b−10のそれぞれを介してコネクター360の端子363−1〜363−10のそれぞれに入力される。
印刷データ信号SI2〜SI5のそれぞれは、端子195b−18,195b−16,195b−14,195b−12のそれぞれからケーブル19bに入力され、配線197b−18,197b−16,197b−14,197b−12のそれぞれで伝搬された後、端子196b−18,196b−16,196b−14,196b−12のそれぞれ、及び接触部180b−18,180b−16,180b−14,180b−12のそれぞれを介してコネクター360の端子363−18,363−16,363−14,363−12のそれぞれに入力される。
電圧VDD1は、端子195b−20からケーブル19bに入力され、配線197b−20で伝搬された後、端子196b−20、及び接触部180b−20を介してコネクター360の端子363−20に入力される。この電圧VDD1が第3実施形態における第1電圧信号の一例であり、電圧VDD1を伝搬する配線197b−20が第3実施形態における第3伝搬配線の一例であり、電圧VDD1が入力される端子363−20が第3実施形態における第3端子の一例であり、配線197b−20と端子363−20とが電気的に接触する接触部180b−20が第3実施形態における第3接触部の一例である。
グラウンド信号GNDは、端子195b−11,195b−13,195b−15,195b−17,195b−19のそれぞれからケーブル19bに入力され、配線197b−11,197b−13,197b−15,197b−17,197b−19のそれぞれで伝搬された後、端子196b−11,196b−13,196b−15,196b−17,196b−19のそれぞれ、及び接触部180b−11,180b−13,180b−15,180b−17,180b−19のそれぞれを介してコネクター360の端子363−11,363−13,363−15,363−17,363−19のそれぞれに入力される。
図32は、第3実施形態においてケーブル19cで伝搬される信号の詳細を説明するための図である。図32に示すように、ケーブル19cは、駆動信号COM6〜COM10のそれぞれを伝搬する配線と、基準電圧信号CGND6〜CGND10のそれぞれを伝搬する配線と、異常信号XHOT、ラッチ信号LAT2、クロック信号SCK2、チェンジ信号CH2及び印刷データ信号SI10のそれぞれを伝搬する配線と、複数のグラウンド信号GNDを伝搬する複数の配線とを含む。
具体的には、駆動信号COM6〜COM10及び基準電圧信号CGND6〜CGND10のそれぞれは、端子195c−1〜195c−10のそれぞれからケーブル19cに入力され、配線197c−1〜197c−10のそれぞれで伝搬された後、端子196c−1〜196c−10のそれぞれ、及び接触部180c−1〜180c−10のそれぞれを介してコネクター370の端子373−1〜373−10のそれぞれに入力される。
異常信号XHOTは、コネクター370の端子373−12に入力され、接触部180c−12、及び端子196c−12を介してケーブル19cに入力される。そして、異常信号XHOTは、配線197c−12で伝搬された後、端子195c−12からメイン基板11に入力される。ここで、異常信号XHOTを伝搬する配線197c−12が第3実施形態における第2伝搬配線の一例であり、異常信号XHOTが入力される端子373−12が第3実施形態における第2端子の一例であり、配線197c−12と端子373−
12とが電気的に接触する接触部180c−12が第3実施形態における第2接触部の一例である。
ラッチ信号LAT2は、端子195c−14からケーブル19cに入力され、配線197c−14で伝搬された後、端子196c−14、及び接触部180c−14を介してコネクター370の端子373−14に入力される。
クロック信号SCK2は、端子195c−16からケーブル19cに入力され、配線197c−16で伝搬された後、端子196c−16、及び接触部180c−16を介してコネクター370の端子373−16に入力される。ここで、クロック信号SCK2を伝搬する配線197c−16が第3実施形態における第1伝搬配線の一例であり、クロック信号SCK2が入力される端子373−16が第3実施形態における第1端子の一例であり、配線197c−16と端子373−16とが電気的に接触する接触部180c−16が第3実施形態における第1接触部の一例である。
チェンジ信号CH2は、端子195c−18からケーブル19cに入力され、配線197c−18で伝搬された後、端子196c−18、及び配線180c−18を介してコネクター370の端子373−18に入力される。
印刷データ信号SI10は、端子195c−20からケーブル19cに入力され、配線197c−20で伝搬された後、端子196c−20、及び配線180c−20を介してコネクター370の端子373−20に入力される。
グラウンド信号GNDは、端子195c−11,195c−13,195c−15,195c−17,195c−19のそれぞれからケーブル19cに入力され、配線197c−11,197c−13,197c−15,197c−17,197c−19のそれぞれで伝搬された後、端子196c−11,196c−13,196c−15,196c−17,196c−19のそれぞれ、及び接触部180c−11,180c−13,180c−15,180c−17,180c−19のそれぞれを介してコネクター370の端子373−11,373−13,373−15,373−17,373−19のそれぞれに入力される。
図33は、第3実施形態におけるケーブル19dで伝搬される信号の詳細を説明するための図である。図33に示すように、ケーブル19dは、駆動信号COM6〜COM10のそれぞれを伝搬する配線と、基準電圧信号CGND6〜CGND10のそれぞれを伝搬する配線と、印刷データ信号SI6〜DI9のそれぞれを伝搬する配線と、電圧VHV,VDD2のそれぞれを伝搬する配線と、複数のグラウンド信号GNDを伝搬する複数の配線とを含む。
具体的には、駆動信号COM6〜COM10及び基準電圧信号CGND6〜CGND10のそれぞれは、端子195d−1〜195d−10のそれぞれからケーブル19dに入力され、配線197d−1〜197d−10のそれぞれで伝搬された後、端子196d−1〜196d−10のそれぞれ、及び接触部180d−1〜180d−10のそれぞれを介してコネクター380の端子383−1〜383−10のそれぞれに入力される。
印刷データ信号SI6〜SI9のそれぞれは、端子195d−13,195d−15,195d−17,195d−19のそれぞれからケーブル19dに入力され、配線197d−13,197d−15,197d−17,197d−19のそれぞれで伝搬された後、端子196d−13,196d−15,196d−17,196d−19のそれぞれ、及び接触部180d−13,180d−15,180d−17,180d−19のそれぞ
れを介してコネクター380の端子383−13,383−15,383−17,383−19のそれぞれに入力される。
電圧VHVは、端子195d−11からケーブル19dに入力され、配線197d−11で伝搬された後、端子196d−11、及び接触部180d−11を介してコネクター380の端子383−11に入力される。ここで、電圧VHVが第3実施形態における第3電圧信号の一例であり、電圧VHVを伝搬する配線197d−11が第3実施形態における第5伝搬配線の一例であり、電圧VHVが入力される端子383−11が第3実施形態における第5端子の一例であり、配線197d−11と端子383−11とが電気的に接触する接触部180d−11が第3実施形態における第5接触部の一例である。
電圧VDD2は、端子195d−16からケーブル19dに入力され、配線197d−16で伝搬された後、端子196d−16、及び接触部180d−16を介してコネクター380の端子383−16に入力される。ここで、電圧VDD2が第3実施形態における第2電圧信号の一例であり、電圧VDD2を伝搬する配線197d−16が第3実施形態における第4伝搬配線の一例であり、電圧VDD2が入力される端子383−16が第3実施形態における第4端子の一例であり、配線197d−16と端子383−16とが電気的に接触する接触部180d−16が第3実施形態における第4接触部の一例である。
グラウンド信号GNDは、端子195d−12,195d−14,195d−18,195d−20のそれぞれからケーブル19dに入力され、配線197d−12,197d−14,197d−18,197d−20のそれぞれで伝搬された後、端子196d−12,196d−14,196d−18,196d−20のそれぞれ、及び接触部180d−12,180d−14,180d−18,180d−20のそれぞれを介してコネクター380の端子383−12,383−14,383−18,383−20のそれぞれに入力される。
以上のように第3実施形態の液体吐出装置1、プリントヘッド21及びプリントヘッド制御回路15では、クロック信号SCK2が伝搬される配線197c−16と電圧VDD2が伝搬される配線197d−16とは、異なるケーブル19c,19dに設けられ、且つ対向して位置し、クロック信号SCK2が入力される端子373−16と電圧VDD2が入力される端子383−16とは、異なるコネクター370,380に設けられ、且つ対向して位置する。これにより、第3実施形態の液体吐出装置1、プリントヘッド21及びプリントヘッド制御回路15においても、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果を奏する。
以上、実施形態及び変形例について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例えば、上記の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。