JP2020049425A - 触媒の製造方法 - Google Patents

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輝興 多湖
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大裕 藤墳
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Masahito Tsuchiike
雅仁 土池
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Koetsu Ito
貢悦 伊藤
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Mamoru Meguro
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【課題】不飽和化合物から不飽和アルデヒドを製造する気相接触酸化反応に用いられる触媒として、原料転化率及び選択率が高く、高収率で不飽和アルデヒドを製造できる触媒の製造方法を提供する。【解決手段】不飽和化合物を分子状酸素含有ガスにより気相接触酸化して対応する不飽和アルデヒドを製造するための触媒の製法であって、モリブデン含有液に対して、60℃以上の温度を保持した状態でアルカリ溶液を添加し、pHを4.0以上8.0以下にする工程を含む触媒の製造方法を用いる。【選択図】なし

Description

この発明は、プロピレン、イソブテン、ターシャリーブタノール、アリルベンゼン等の不飽和化合物からアクロレイン、メタクロレイン、シンナムアルデヒド等の不飽和アルデヒドを製造する気相接触酸化反応に用いられる触媒の製造方法に関する。
プロピレン、イソブテン、ターシャリーブタノール、アリルベンゼン等の不飽和化合物からアクロレイン、メタクロレイン、シンナムアルデヒド等の不飽和アルデヒドを製造する気相接触酸化反応において、モリブデン系の触媒が有用な触媒であることは良く知られており、工業的にも広く実用化されている。
これら各種反応におけるモリブデン系触媒の組成及び製造方法に関する特許文献としては、特許文献1等の多くの文献が知られている。
このような文献の中には、触媒の製造工程において、原料等のpHを調整することにより、原料転化率や選択率等の触媒性能を向上させる触媒の製造方法が知られている。この製造方法の例としては、pHが6〜8の範囲のモリブデン酸水溶液にビスマス塩の水溶液とアンモニア水を同時に添加する方法(特許文献2)、鉄、ビスマス及びテルルの少なくとも一つとモリブデン化合物とを含むスラリーをpH7を越える範囲に調整する方法(特許文献3)、シリカを含むモリブデン化合物含有スラリーにキレート剤を添加してpH6以上に調整する方法(特許文献4)、モリブデンを含むスラリーをpH6以上とした後ビスマス化合物を混合する方法(特許文献5)、モリブデン、鉄、ニッケル又はコバルト、及びシリカを含む水溶液の乾燥物を加熱処理し、次いで、ビスマス及び水性媒体を混合する際、アンモニア水を加える方法(特許文献6)等が開示されている。
特公昭39−3670号公報 特公昭59−51848号公報 特開平2−59046号公報 特開平2−214543号公報 特開平2−251250号公報 特開2003−205240号公報
しかしながら、これらの方法を用いても、目的とする酸化生成物収率は必ずしも満足すべきものではなかった。
そこで、この発明は、プロピレン、イソブテン、ターシャリーブタノール、アリルベンゼン等の不飽和化合物からアクロレイン、メタクロレイン、シンナムアルデヒド等の不飽和アルデヒドを製造する気相接触酸化反応に用いられる触媒として、転化率及び選択率が高く、高収率で不飽和アルデヒドを製造できる触媒の製造方法を提供することを目的とする。
この発明は、上記の課題を解決するために、不飽和化合物を分子状酸素含有ガスにより気相接触酸化して対応する不飽和アルデヒドを製造するための触媒の製造方法であって、
モリブデン含有液に対して、60℃以上の温度を保持した状態でアルカリ溶液を添加し、pHを4.0以上8.0以下にする工程を含むことにより、高活性で、かつ目的とする酸化生成物を高い収率で与える触媒が得られることを見出したのである。
また、この発明において、モリブデン含有液がさらにコバルト及び鉄を含有することが好ましい。
さらに、モリブデン含有液に対して、さらにコバルト及び鉄を含有する溶液が添加され、該コバルト及び鉄を含有する溶液の添加が、アルカリ溶液の添加と同時になされることが好ましい。
さらにまた、アルカル溶液の添加する前の前記モリブデン含有液、並びに前記コバルト及び鉄を含有する溶液の少なくとも一方のpHが5.0以下であることが好ましい。
また、アルカリ溶液がアンモニア水であることが好ましい。
さらに、アルカリ溶液を添加した混合液を60℃以上100℃以下で保持することが好ましい。
さらにまた、アルカリ溶液を添加した混合液を1時間以上24時間以下で保持することが好ましい。
また、触媒が少なくともモリブデン、コバルト、鉄及びビスマスを含むことが好ましい。
さらにまた、触媒が下記一般式(1)で表される組成を含むことが好ましい。
MoBiCoFe (1)
(式中、a〜dはそれぞれの元素の原子比を表わし、a=12のとき、0.5≦b≦7、0<c≦10、0.05≦d≦5の範囲にある。)
この発明によれば、プロピレン、イソブテン、ターシャリーブタノール、アリルベンゼン等の不飽和化合物からアクロレイン、メタクロレイン、シンナムアルデヒド等の不飽和アルデヒドを製造する気相接触酸化反応に用いられる触媒として、原料転化率及び選択率が高く、高収率で不飽和アルデヒドを製造できる触媒を得ることができる。
この発明に係る触媒の製造方法について詳細に説明する。
まず、モリブデン化合物等を水等の溶媒に溶解したモリブデン成分を含有する溶液(以下、「モリブデン含有液」と称する。)を得る。そして、このモリブデン含有液にアルカリ溶液を添加して、pHを上昇させる。具体的には、このモリブデン含有液の温度を60℃以上に保持した状態で、アルカリ溶液を添加してpHを4.0以上8.0以下に調整し、pH調整液を得る。
前記モリブデン含有液には、鉄化合物やコバルト化合物を含有させてもよい。具体的には、鉄化合物やコバルト化合物を直接、前記モリブデン含有液に溶解させる方法や、鉄化合物やコバルト化合物を水等の溶媒に溶解した溶液(以下、「コバルト及び鉄を含有する溶液」と称する。)を前記モリブデン含有液に添加して混合する方法や、これらの方法の併用により、前記モリブデン含有液に鉄成分やコバルト成分を含有させることができる。
前記モリブデン化合物としては、パラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン、モリブデン酸、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸等があげられる。前記鉄化合物としては硝酸第二鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、酢酸第二鉄等があげられ、前記コバルト化合物としては硝酸コバルト、硫酸コバルト、塩化コバルト、炭酸コバルト、酢酸コバルト等があげられる。また、必要に応じて、前記アルカリ溶液の添加の前、添加と同時、又は添加の後に、その他の触媒の原料として、ニッケル、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、タリウム、ホウ素、リン、ヒ素、及び(又は)タングステンの化合物、好ましくはそれぞれの水溶性塩、をそのまま、又はそれらの水溶液として加えてもよい。さらにシリカを加えてもよい。
前記アルカリ溶液としては、アンモニア、炭酸アンモニウム等の水溶液があげられる。このアルカリ溶液を添加する間は、前記モリブデン含有液を、60℃以上の温度で保持される。60℃以上の温度を保持することにより、モリブデン含有液とアルカリ溶液の混合液(以下、「混合液」と称する。)に溶解させた原料の溶解度を保持でき、製造された触媒の性能が向上し、原料転化率及び選択率を向上させることができる。この温度の下限値は、65℃が好ましく、70℃がより好ましい。上限値は特に制限はないが、90℃が好ましい。混合液の温度が90℃以下とすることにより、アルカリ溶液を添加する工程の煩雑さが減り、操作性の面で良好となる。この温度の上限値は、90℃が好ましく、85℃がより好ましい。
前記の鉄やコバルトの前記モリブデン含有液へ含有させる時期としては、前記アルカリ溶液を添加する前であってもよく、前記アルカリ溶液の添加と同時であってもよい。
具体的には、鉄化合物やコバルト化合物を直接、前記モリブデン含有液に溶解させる場合には、これらによって、前記モリブデン含有液のpHが下がる傾向があるので、前記アルカリ溶液を添加する前に混合することが好ましい。
また、コバルト及び鉄を含有する溶液を前記モリブデン含有液に添加する場合は、前記アルカリ溶液を添加する前であってもよく、前記アルカリ溶液の添加と同時であってもよい。前記アルカリ溶液を添加する前に、前記コバルト及び鉄を含有する溶液を前記モリブデン含有液に添加した場合は、添加によって得られたモリブデン含有液の温度を60℃以上に保持した状態で、アルカリ溶液を添加してpHを4.0以上8.0以下に調整することにより、前記pH調整液を得ることができる。
また、前記アルカリ溶液の添加と同時に、前記コバルト及び鉄を含有する溶液を前記モリブデン含有液に添加する場合、使用するモリブデン含有液のpHを予め4.0以上8.0以下に調整した上で、このモリブデン含有液の温度を60℃以上に保持し、これに、前記コバルト及び鉄を含有する溶液並びにアルカリ溶液を添加して、pHを4.0以上8.0以下に調整したり、又は、使用するモリブデン含有液のpHを特に調整せず、そのままの状態で、このモリブデン含有液の温度を60℃以上に保持し、これに、前記コバルト及び鉄を含有する溶液並びにアルカリ溶液を添加して、pHを4.0以上8.0以下に調整したりすることにより、前記pH調整液を得ることができる。
ところで、前記アルカル溶液の添加する前の前記モリブデン含有液、並びに前記コバルト及び鉄を含有する溶液の少なくとも一方のpHは、5.0以下が好ましい。具体的には、コバルト成分及び鉄成分を前記モリブデン含有液に添加しない場合のモリブデン含有液、並びにコバルト成分及び鉄成分を前記モリブデン含有液に添加する時期が、前記アルカリ溶液の添加の前の場合における、コバルト成分及び鉄成分を含むモリブデン含有液のpHは、5.0以下が好ましい。また、モリブデン含有液とコバルト及び鉄を含有する溶液の混合の時期が前記アルカリ溶液の添加と同時の場合における、前記コバルト及び鉄を含有する溶液のpHは、5.0以下が好まししい。
これらのpHは、使用する触媒の原料化合物に関係するので、使用する触媒の原料化合物を選択することにより、これらのpHを5.0以下とすることができる。これらのpHを5.0以下とするので、製造された触媒の性能が向上し、原料転化率及び選択率を向上させることができる。
なお、モリブデン含有液とコバルト及び鉄を含有する溶液の混合の時期が前記アルカリ溶液の添加と同時の場合における、前記モリブデン含有液は、pHが5.0以下のものであってもよく、前記の通り、pHを6.0以上8.0以下に調整したものであってもよい。両者を同時混合する場合、前記モリブデン含有液を前もって調整しておくと、pHの調整がより容易となる傾向がある。
前記アルカリ溶液の添加量は、アルカリ溶液を添加して得られるpH調整液のpHが前記の通り4.0以上8.0以下の範囲内になる量とする。
該pH調整液のpH値が4.0以上8.0以下とすることにより、製造された触媒の性能が向上し、原料転化率及び選択率を向上させることができる。このpH値は下限4.5以上が好ましく、5.0以上がより好ましい。また、このpH値は上限7.5以下が好ましく、7.0以下がより好ましい。
次いで、前記pH調整液を60℃以上100℃以下に加熱した後、1時間以上24時間以下の範囲でその温度を保持する。その後、生じた沈殿物を空気雰囲気下で乾燥し、空気雰囲気下で焼成することにより焼成粉体を得る。
なお、得られた焼成粉末の粒子が小さいものでない場合は、粉砕を行うと、次工程での操作性がよくなり、好ましい。
前記pH調整液は、前記の通り、所定温度で所定時間、保持される。この保持温度が60℃以上とすることにより、混合液に溶解させた原料の溶解度が保持され、製造された触媒の性能が向上し、原料転化率及び選択率を向上させることができる。この温度の下限値は、65℃が好ましく、70℃がより好ましい。また、保持温度が100℃以下とすることにより溶解槽に耐圧容器が不要となり、また、ハンドリングも簡便になり、経済性及び操作性の面で良好となる。この温度の上限値は、100℃が好ましく、95℃がより好ましく、90℃がさらに好ましい。なお、保持温度が100℃の場合は、還流装置を用いることにより、還流をかけることができる。
前記の保持時間を1時間以上とすることにより、熟成の効果が十分に得ることができ、製造された触媒の性能が向上し、原料転化率及び選択率を向上させることができる。この時間の下限値は、1.5時間が好ましく、2時間がより好ましい。また、保持時間は24時間より長くてもよいが、熟成効果が増大することはないので、工業的な実施の観点から、24時間で十分である。この時間の上限値は、22時間が好ましく、20時間がより好ましく、18時間がさらに好ましい。
また、前記乾燥の方法及び得られる乾燥物の状態については特に限定はなく、例えば、通常のスプレードライヤー、スラリードライヤー、ドラムドライヤー等を用いて粉体状の乾燥物を得てもよいし、また、通常の箱型乾燥器、トンネル型焼成炉を用いてブロック状又はフレーク状の乾燥物を得てもよい。
さらに、前記焼成は、通常の箱型加熱炉、トンネル型加熱炉等を用いて乾燥物を固定した状態で加熱してもよく、また、ロータリーキルン等を用いて乾燥物を流動させながら加熱してもよい。前記焼成の温度は、180℃以上400℃以下で行われる。この焼成の温度を前記範囲内とすることで、製造された触媒の性能が向上し、原料転化率及び選択率を向上させることができる。この焼成の温度の上限値は、350℃がより好ましい。
さらにまた、焼成時間は、1時間以上24時間以下で行われる。この焼成時間を1時間以上とすることにより、前記乾燥物中の硝酸の残存を抑制することができ、製造された触媒の性能が向上し、原料転化率及び選択率を向上させることができる。この焼成時間の下限値は、3時間が好ましい。また、焼成時間は24時間を超えてもよいが、焼成の効果が増大することはなく、工業的な実施の観点から、24時間で十分である。この焼成時間の上限値は、20時間が好ましく、18時間がより好ましい。
一方、別の容器に、モリブデン化合物の水溶液を前記アルカリ溶液でpHを中性又はその付近に調整した後、ビスマス化合物又はその水溶液若しくは懸濁液を混合し、ビスマス含有液を調製する。
ここで使用されるモリブデン化合物は、前記したものと同様のものを用いることができる。また、調整されるpHは、中性又はその付近であり、具体的には、6.0以上8.0以下の範囲である。
また、前記ビスマス化合物としては、酸化ビスマスや次炭酸ビスマス等があげられる。さらに、ナトリウム等の他の成分をさらに加える場合、それらの成分の少なくとも一部を固溶した次炭酸ビスマスを用いることができる。
次いで、前記ビスマス含有液に前記焼成粉体を加えて混合し、乾燥させる。そして、必要に応じて、任意の形状に賦形し、焼成することにより、この発明に係る触媒を得ることができる。乾燥方法及び得られる乾燥物の状態については特に限定はなく、例えば、通常のスプレードライヤー、スラリードライヤー、ドラムドライヤー等を用いて粉体状の乾燥物を得てもよいし、また、通常の箱型乾燥機、トンネル型焼成炉を用いてブロック状又はフレーク状の乾燥物を得てもよい。
前記の、乾燥、焼成は、空気雰囲気下で行われる。また、前記焼成は、前記した乾燥と同様の方法で行うことができる。
前記の賦形は、押出し成型、打錠成型、あるいは担持成型等の方法によって行うことができる。
また、前記焼成の温度は、450℃以上600℃以下で行われる。この焼成の温度を450℃以上とすることにより、原料由来成分の熱分解が十分となり、製造された触媒の性能が向上し、原料転化率及び選択率を向上させることができる。この焼成の温度の下限値は、480℃が好ましい。また、焼成の温度を600℃以下とすることにより、活性の低下を抑制することができ、製造された触媒の性能が向上し、原料転化率及び選択率を向上させることができる。この焼成の温度の上限値は、560℃が好ましい。
さらにまた、焼成時間は、0.1時間以上24時間以下で行われる。この焼成時間を0.1時間以上とすることにより、焼成による結晶成長が十分となり、製造された触媒の性能が向上し、原料転化率及び選択率を向上させることができる。この焼成時間の下限値は、1時間が好ましい。また、焼成時間を24時間以下とすることにより、触媒活性が保持され、製造された触媒の性能が向上し、原料転化率及び選択率を向上させることができる。この焼成時間の上限値は、10時間が好ましい。
このようにして得られる触媒は、少なくともモリブデン、コバルト、鉄及びビスマスを含み、具体的には、次の一般式(1)で表す組成を含む。
MoBiCoFe (1)
式(1)中、a〜dはそれぞれの元素の原子比を表わし、a=12のとき、0.5≦b≦7、0<c≦10、0.05≦d≦5の範囲にある。
なお、前記した各成分の使用量、混合割合等は、結果として得られる一般式(1)の条件を満たすように、適宜設定すればよい。
このようにして製造される触媒は、プロピレン、イソブテン、ターシャリーブタノール、アリルベンゼン等の不飽和化合物を分子状酸素含有ガスにより気相接触酸化して、対応するメタクロレイン、シンナムアルデヒド等の不飽和アルデヒドを製造する工程において、原料転化率や選択率等の触媒性能がより向上した、高活性で、かつ目的とする酸化生成物を高い収率で与える触媒を製造することができる。
以下、この発明に係る触媒のより具体的な製造方法と、得られた触媒を用いてアリルベンゼンの酸化反応を実施した結果を以下に示す。
なお、以下において、アリルベンゼン転化率、シンナムアルデヒド選択率、シンナムア
ルデヒド収率の定義は、下記の通りである。
・アリルベンゼン転化率(モル%)=(反応したアリルベンゼンのモル数/供給したアリルベンゼンのモル数)×100
・シンナムアルデヒド選択率(モル%)=(生成したシンナムアルデヒドのモル数/反応したアリルベンゼンのモル数)×100
・シンナムアルデヒド収率(モル%)=(生成したシンナムアルデヒドのモル数/供給したアリルベンゼンのモル数)×100
(実施例1)
<触媒の調製>
容器に室温の純水50mlを入れ、パラモリブデン酸アンモニウム7.06gを加えて溶解した(以下、「溶液A」と称する)。このとき、溶液AのpHは5.53であった。
別の容器に室温の純水50mlを入れ、硝酸第二鉄1.41g及び硝酸コバルト10.1gを加えて溶解した(以下、「溶液B」と称する)。このとき、溶液BのpHは1.33であった。
溶液Aに溶液Bを加え、溶液Cを調製した。このとき、溶液CのpHは3.32であった。
次いで溶液Cを80℃に加熱したのち、該溶液Cにアンモニア水を加えてpHを6.01に調整した。さらに加熱して100℃で還流し、攪拌しながら3時間保持した。生じた沈殿を濾別し、濾別した沈殿物を空気雰囲気下110℃で乾燥した。乾燥物を、さらに空気雰囲気下300℃で6時間焼成した(以下、「粉体A」と称する)。
また別の容器に室温の純水50mlを入れ、パラモリブデン酸アンモニウム0.136gを加えて溶解し、さらにアンモニア水を加えてpHを7.13に調整した(以下、「溶液D」と称する)。溶液Dに酸化ビスマス0.119gを加えて60分間混合し、さらに粉体A1.15gを加えて30分間混合した。これを蒸発乾固して、次いで空気雰囲気下120℃で乾燥した。乾燥物をさらに空気雰囲気下515℃で24時間焼成し、触媒Aを得た。触媒Aの組成はMo12Bi1.0Co9.1Fe0.91であった。
<アリルベンゼンの気相接触酸化反応>
アリルベンゼンの気相接触酸化反応には固定床常圧流通反応器を用いた。触媒A1.28gに反応温度320℃で原料混合ガス(アリルベンゼン2.25mL−liq/h、
空気10.6mL/min、窒素44.6mL/min)を60分間供給した。生成物をアイストラップとガスバックで全量回収し、ガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った。その結果、アリルベンゼン転化率3.19%、シンナムアルデヒド選択率23.8%、シンナムアルデヒド収率0.76%であった。
(実施例2)
<触媒の調製>
容器に室温の純水50mlを入れ、パラモリブデン酸アンモニウム7.06gを加えて溶解した(以下、「溶液A」と称する)。このとき、溶液AのpHは5.13であった。
別の容器に室温の純水50mlを入れ、硝酸第二鉄1.41g及び硝酸コバルト10.1gを加えて溶解した(以下、「溶液B」と称する)。このとき、溶液BのpHは1.16であった。
溶液Aにアンモニア水を加えてpHを6.01に調整したのち、80℃に加熱した(以下、「溶液C」と称する)。溶液CのpHが約6.0となるように、溶液Cに溶液Bとアンモニア水とを同時に加えた(以下、「溶液D」と称する)。混合が完了したとき、溶液DのpHは5.99であった。
溶液Dを加熱して100℃で還流し、攪拌しながら3時間保持した。生じた沈殿を濾別し、濾別した沈殿物を空気雰囲気下110℃で乾燥した。乾燥物を、さらに空気雰囲気下300℃で6時間焼成した(以下、「粉体A」と称する)。
また別の容器に室温の純水50mlを入れ、パラモリブデン酸アンモニウム0.136gを加えて溶解し、さらにアンモニア水を加えてpHを7.13に調整した(以下、「溶液E」と称する)。溶液Eに酸化ビスマス0.119gを加えて60分間混合し、さらに粉体A1.15gを加えて30分間混合した。これを蒸発乾固して、次いで空気雰囲気下120℃で乾燥した。乾燥物をさらに空気雰囲気下515℃で24時間焼成し、触媒Bを得た。触媒Bの組成はMo12Bi1.0Co9.1Fe0.91であった。
<アリルベンゼンの気相接触酸化反応>
触媒Bを用いて、実施例1と同様の条件でアリルベンゼンの気相接触酸化反応を行った。その結果、アリルベンゼン転化率2.84%、シンナムアルデヒド選択率20.8%、シンナムアルデヒド収率0.59%であった。

Claims (9)

  1. 不飽和化合物を分子状酸素含有ガスにより気相接触酸化して対応する不飽和アルデヒドを製造するための触媒の製造方法であって、
    モリブデン含有液に対して、60℃以上の温度を保持した状態でアルカリ溶液を添加し、pHを4.0以上8.0以下にする工程を含む触媒の製造方法。
  2. 前記モリブデン含有液がさらにコバルト及び鉄を含有する請求項1に記載の触媒の製造方法。
  3. 前記モリブデン含有液に対して、さらにコバルト及び鉄を含有する溶液が添加され、
    該コバルト及び鉄を含有する溶液の添加が、前記アルカリ溶液の添加と同時になされる請求項1又は2に記載の触媒の製造方法。
  4. 前記アルカル溶液の添加する前の前記モリブデン含有液、並びに前記コバルト及び鉄を含有する溶液の少なくとも一方のpHが5.0以下である請求項3に記載の触媒の製造方法。
  5. 前記アルカリ溶液がアンモニア水である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の触媒の製造方法。
  6. 前記アルカリ溶液を添加した混合液を60℃以上100℃以下で保持する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の触媒の製造方法。
  7. 前記アルカリ溶液を添加した混合液を1時間以上24時間以下で保持する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の触媒の製造方法。
  8. 前記触媒が少なくともモリブデン、コバルト、鉄及びビスマスを含む請求項1乃至7のいずれか1項に記載の触媒の製造方法。
  9. 前記触媒が下記一般式(1)で表される組成を含む請求項8に記載の触媒の製造方法。
    MoBiCoFe (1)
    (式中、a〜dはそれぞれの元素の原子比を表わし、a=12のとき、0.5≦b≦7、0<c≦10、0.05≦d≦5の範囲にある。)
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