JP2020046016A - クラッチユニット - Google Patents

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訓寛 三笠
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Abstract

【課題】操作レバーに操作力が作用しない状態での出力軸部材の回転を抑制できるクラッチユニットを提供する。
【解決手段】クラッチユニット100は、入力側クラッチ50と、出力側クラッチ60と、入力側クラッチ50を収容するハウジング11と、ロック部材70と、を有する。入力側外輪部材52の外周面には、第一係止部52eが設けられている。ロック部材70は、ハウジング係止部71と、第一係止部52eに係止可能な第二係止部72を有する。ロック状態において、第二係止部72に第一係止部52eが係止されている。ロック部材70は、ロック状態からロック解除状態に遷移すると第二係止部72が径方向の外方に弾性的に変位して第一係止部52eの第二係止部72に対する係止が解除されるように構成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、クラッチユニットに関する。
特許文献1などにより、クラッチユニットが知られている。
特開2009−210114号公報
特許文献1に記載のようなクラッチユニットにおいて、車両の振動などに起因して、操作レバーに操作力が作用しない状態で出力軸部材が回転してしまうことがある。その結果、座席シートが微小に下がってしまうことがある。
そこで本発明は、操作レバーに操作力が作用しない状態での出力軸部材の回転を抑制できるクラッチユニットを提供する。
本発明にかかるクラッチユニットは、
車両用シートに用いられるクラッチユニットであって、
回転軸線回りに回転可能な操作レバーと、
前記操作レバーと一体的に前記回転軸線回りに回転する操作部材と、
前記回転軸線回りに回転可能であり、前記操作レバーに入力された操作力を車両用シートに出力する出力軸部材と、
前記回転軸線と同軸に設けられ前記出力軸部材が挿入された入力側内輪部材と入力側外輪部材と、前記入力側内輪部材の外周面と前記入力側外輪部材の内周面との間に形成された楔状空間に配置された入力側伝達部材と、を有する入力側クラッチと、
前記入力側クラッチの回転トルクを前記出力軸部材に伝達し、前記出力軸部材から前記入力側クラッチへの回転トルクの伝達を抑制する出力側クラッチと、
前記入力側クラッチを収容するハウジングと、
前記入力側外輪部材の前記ハウジングに対する相対回転を阻止するロック状態と、前記入力側外輪部材の前記ハウジングに対する相対回転を許容するロック解除状態を取ることができるように構成されたロック部材と、を有し、
前記入力側外輪部材の外周面には、第一係止部が設けられており、
前記ロック部材は、
前記ハウジングに係止されたハウジング係止部と、
前記ハウジング係止部から前記回転軸線の周方向に離れた位置に設けられ、前記第一係止部に係止可能な第二係止部と、を有し、
前記ロック状態において、前記第二係止部に前記入力側外輪部材の前記第一係止部が係止されており、
前記ロック部材は、前記ロック状態から前記ロック解除状態に遷移すると前記第二係止部が前記回転軸線の径方向の外方に弾性的に変位して前記第一係止部の前記第二係止部に対する係止が解除されるように構成されている。
本発明のクラッチユニットにおいて、
前記ロック部材は、周方向に互いに離間した一対の前記ハウジング係止部を有し、
前記第二係止部は、一対の前記ハウジング係止部の間に設けられていてもよい。
本発明のクラッチユニットにおいて、
前記ロック部材の前記第二係止部は、径方向に貫通する孔であり、
前記入力側外輪部材の前記第一係止部は、径方向の外方に延び、周方向に複数設けられていてもよい。
本発明のクラッチユニットにおいて、
前記ロック部材は、前記ハウジング係止部から前記周方向に離れた位置に設けられ、前記操作力が伝達されることにより前記第一係止部の前記第二係止部に対する係止を解除するロック解除部を有していてもよい。
本発明のクラッチユニットにおいて、
前記ロック部材の前記第二係止部と前記ロック解除部は、前記周方向において同じ位置に設けられていてもよい。
本発明のクラッチユニットにおいて、
前記ロック部材が前記入力側外輪部材と前記ハウジングとの間に設けられていてもよい。
本発明のクラッチユニットにおいて、
前記操作部材の外周面には、前記径方向への突出長さの異なる谷部と山部とを有する押上機構が設けられており、
前記ロック解除部は、前記ハウジング係止部から前記周方向に離れた位置に設けられ、前記操作部材に向かって前記径方向に延びており、
前記ロック状態において前記ロック部材の前記ロック解除部が前記谷部に当接されており、
前記ロック状態から前記ロック解除状態に遷移する際に前記ロック部材の前記ロック解除部が前記谷部から前記山部に押し上げられて前記第二係止部が前記径方向の外方に弾性的に変位されるように構成されていてもよい。
本発明によれば、操作レバーに操作力が作用しない状態での出力軸部材の回転を抑制できるクラッチユニットが提供される。
本実施形態に係るクラッチユニットを車両用シートリフタに適用した状態を示す側面図である。 クラッチユニットの分解斜視図である。 中立状態における入力側クラッチを示す図である。 中立状態における出力側クラッチを示す図である。 ロック状態における入力側クラッチを示す図である。 ロック解除状態における入力側クラッチを示す図である。 変形例に係るクラッチユニットの、ロック状態における入力側クラッチを示す図である。 変形例に係るクラッチユニットの、ロック解除状態における入力側クラッチを示す図である。
以下、本発明に係るクラッチユニットの実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るクラッチユニットを車両用シートリフタに適用した状態を示す側面図である。図1に示すように、本実施形態に係るクラッチユニット100は、車両用シート40に用いられる。車両用シート40は、着座シート40aと、背もたれ40bと、シートフレーム40cと、を有している。クラッチユニット100は、着座シート40aのシートフレーム40cに固定される。車両用シート40には、車両用シートリフタ41が搭載されている。車両用シートリフタ41は、クラッチユニット100を備えている。
車両用シートリフタ41は、セクターギヤ41fと、リンク機構と、を備えている。クラッチユニット100は、正逆に回転操作される操作レバー21を備えている。この操作レバー21によって正逆に回転駆動される出力軸部材30と一体のピニオンギヤ31が、車両用シートリフタ41のセクターギヤ41fと噛み合っている。
リンク機構は、略上下方向に延びる第一リンク部材41cと、略上下方向に延びる第二リンク部材41dと、略横方向に延びる第三リンク部材41eと、を備えている。
第一リンク部材41cの上部と第二リンク部材41dの上部は、それぞれシートフレーム40cにそれぞれ軸部材41c1,41d1で回転自在に連結されている。第一リンク部材41cの下部と第二リンク部材41dの下部は、それぞれシートスライドアジャスタ41bのスライド可動部材41b1にそれぞれ軸部材41c2,41d2で回転自在に連結されている。
第三リンク部材41eの一端は、軸部材41c1よりも上方で軸部材41e1により第一リンク部材41cに連結されている。第三リンク部材41eの他端は、セクターギヤ41fに軸部材41e2で回転自在に連結されている。
図1において、操作レバー21を反時計方向(上側)に回転させると、その回転方向の入力トルク(回転力)がピニオンギヤ31に伝達され、ピニオンギヤ31が反時計方向に回転する。すると、ピニオンギヤ31と噛合するセクターギヤ41fが時計方向に回転して、第三リンク部材41eが第一リンク部材41cの上部を上方に引っ張る。その結果、第一リンク部材41cと第二リンク部材41dが共に起立して、着座シート40aの座面が高くなる。着座シート40aの高さHを調整した後、操作レバー21に入力していた力を開放すると、操作レバー21が時計方向に回転して元の位置(以降の説明において、中立位置または中立状態と呼ぶ)に戻る。
また、操作レバー21を時計方向(下側)に回転させた場合は、上記とは逆の動作によって、着座シート40aの座面が低くなる。また、高さ調整後に操作レバー21を開放すると、操作レバー21が反時計方向に回転して元の位置(中立位置、中立状態)に戻る。
そして、操作レバー21を開放した状態では、クラッチユニット100によって出力軸部材30(ピニオンギヤ31)の回転にブレーキが掛けられる。このため、着座シート40aに上下方向の力が加わっても着座シート40aの上下方向への移動が阻止される。
<クラッチユニット>
次に、本実施形態に係るクラッチユニット100を説明する。以下に説明するクラッチユニット100の構成部品は、特に断らない限り基本的に金属製である。
図2は、クラッチユニット100の分解斜視図である。図2に示すように、クラッチユニット100は、操作レバー21と、出力軸部材30と、入力側クラッチ50と、出力側クラッチ60と、ハウジング11と、を備えている。
入力側クラッチ50は、操作レバー21によって駆動(作動)して、操作レバー21の回転を出力軸部材30に伝達する。出力側クラッチ60は、着座シート40aに上下方向の力が加わっても出力軸部材30の回転を阻止する。入力側クラッチ50と出力側クラッチ60は、ハウジング11に収容されている。ハウジング11は、操作レバー21の動作時に回転しない部材である。
出力軸部材30は、図2の左下から右上に延びる軸部材である。以降の説明において、「軸方向」とは出力軸部材30の延びる方向を意味する。図2に示したように、出力軸部材30は、図2の左方から右方に向かって、出力側クラッチ60と入力側クラッチ50とをこの順に貫通している。以降の説明において、図2における左下側を軸方向における出力側、図2における右上側を軸方向における入力側と呼ぶことがある。
出力軸部材30には、ピニオンギヤ31と、大径円柱部32と、スプライン部33と、小径円柱部34とが、軸方向における出力側から入力側に向かってこの順に設けられている。出力軸部材30は、軸方向に延びる回転軸線回りに回転可能である。
ピニオンギヤ31は、出力軸部材30の軸方向における出力側の端部に設けられている。大径円柱部32は、後述する出力側クラッチ60の出力側外輪部材62に固定されるメタルブッシュ13を貫通している。小径円柱部34は、後述する入力側クラッチ50の入力側内輪部材51および入力側外輪部材52と、ハウジング11とを貫通している。スプライン部33の外周面には複数の溝部が形成されている。スプライン部33は、後述する出力側クラッチ60の出力側内輪部材61にスプライン結合されている。
出力軸部材30の小径円柱部34には、ストッパリング36が装着されている。ストッパリング36は、円筒状の嵌合部36aと、嵌合部36aよりも軸方向における出力側に位置する円板状のフランジ部36bとを有している。嵌合部36aに出力軸部材30の小径円柱部34が嵌め込まれる。フランジ部36bは、後述する操作板22、ハウジング11、入力側クラッチ50、および出力側クラッチ60が出力軸部材30から抜け出ることを防止する。
ハウジング11は、カップ状(有底円筒状)の部材であり、底面11aと筒状部11bとを有している。筒状部11bの底面11aよりも軸方向における出力側の端部に、径方向に突出する2個の固定フランジ11cが形成されている。固定フランジ11cには、固定ボルト挿通孔11dが設けられている。この固定ボルト挿通孔11dに挿し込んだボルト(図示略)をシートフレーム40cのネジ孔にねじ込むことで、ハウジング11がシートフレーム40cに固定される。なお、ハウジング11にかしめ部を設けて、該かしめ部をシートフレーム40cにかしめることで、ハウジング11をシートフレーム40cに固定してもよい。
一方の固定フランジ11cには、バネ係止片24aを有するバネ係止部24が固定されている。バネ係止片24aは、ハウジング11の筒状部11bに沿って軸方向における入力側へ延びている。
底面11aの径方向における中心部には、バーリング加工によって、筒状の軸受11gが形成されている。軸受11gは、底面11aから軸方向の入力側に向かって延びている。軸受11gは出力軸部材30をハウジング11に対して回転可能に支持している。また、底面11aには、円弧状の長孔からなる3つの窓部11hと、この窓部11hの縁部から軸方向の出力側に向かって延びる3つの突出片11iとが形成されている。
操作レバー21は、例えば、合成樹脂から成形されたもので、後述する操作板22に固定されている。操作レバー21は、操作板22に固定される固定部21aと、固定部21aから径方向における外方へ延びる棒状の把持部21bと、を有している。
操作板22は、軸方向において、ハウジング11と操作レバー21の間に設けられている。操作板22は、操作者が操作レバー21の把持部21bを把持して操作レバー21を回転軸線の回りに正逆に回転操作すると、操作レバー21と一体に正逆に回転する。
操作板22は、径方向における中央に挿通孔22aを有している。この挿通孔22aには、出力軸部材30の小径円柱部34が挿通されている。また、操作板22は、挿通孔22aの周りに、矩形状の3つの係合孔22bと、円形の固定孔22cとを有している。固定孔22cに挿通させたネジ(図示略)を操作レバー21にねじ込むことで操作板22が操作レバー21に固定される。
操作板22の外周縁には、操作片部22dと、一対の規制片部22eと、が設けられている。操作片部22dは、一対の規制片部22eの間に設けられている。操作片部22dと一対の規制片部22eとは、軸方向における出力側に向かって延びている。
ハウジング11の外周には、戻しばね23が設けられている。戻しばね23は、操作レバー21に操作力が加わらないときに、操作レバー21および操作板22を中立位置に復帰させるばねである。戻しばね23は、例えば両自由端部23aを互いに接近させた円弧状をなす板ばねである。戻しばね23の両自由端部23aの間には、ハウジング11に固定されたバネ係止部24のバネ係止片24aと、操作板22の操作片部22dとが配置されている。
操作者が操作レバー21に操作力を加えない状態(中立状態)では、戻しばね23の一対の自由端部23aが共にバネ係止片24aおよび操作片部22dに当接しており、操作レバー21が中立位置に支持されている。操作者が操作レバー21を回転軸線の回りにおける正逆のいずれかに回転させると、操作レバー21と共に操作板22がハウジング11に対して回転する。すると、一対の自由端部23aのうちの一方の自由端部23aがハウジング11に固定されたバネ係止片24aとの係合状態を維持し、他方の自由端部23aが操作板22の操作片部22dに係合して一方の自由端部23aから離反する方向に移動する。したがって、戻しばね23が撓んで中立位置への復帰力が作用した状態となる。
操作レバー21の回転量が所定量に達すると、操作板22の規制片部22eが、バネ係止片24aに当接している自由端部23aに当接し、操作レバー21のそれ以上の回転が規制される。
<入力側クラッチ>
入力側クラッチ50は、入力側内輪部材51と、入力側外輪部材52と、操作ブラケット54(操作部材の一例)と、入力側クラッチコロ55(入力側伝達部材の一例)と、入力側コロ付勢バネ56と、ロック部材70を備えている。
入力側内輪部材51は、軸方向に延びる円柱状の部材である。入力側内輪部材51は、中心に出力軸部材30の小径円柱部34が挿通される挿通孔51aを有している。入力側内輪部材51の外周縁には、外方へ膨出する3つの楔カム部51cが等間隔に設けられている。入力側内輪部材51の軸方向における入力側の面には、図示せぬ3つの突起部が形成されている。
操作ブラケット54は、略円板状の部材である。操作ブラケット54は、径方向における中心に出力軸部材30の小径円柱部34が挿通される挿通孔54aを有している。また、操作ブラケット54は、入力側内輪部材51の突起部が嵌合される3つの嵌合孔54bを有している。入力側内輪部材51の突起部51bと嵌合孔54bとの嵌合構造によって、それぞれ別体の入力側内輪部材51と操作ブラケット54とは、互いに一体的に回転するように、かつ、軸方向に相対移動可能に連結されている。
操作ブラケット54の外周縁には、3つの爪部54cが設けられている。これらの爪部54cは、ハウジング11の底面11aに形成された窓部11hを貫通し、操作板22の係合孔22bに嵌合されている。これにより、操作ブラケット54は、操作板22と連結されて操作板22と一体的に回転するように構成されている。
入力側外輪部材52は、底部52bと、外輪部52cと、固定部52dと、を有している。底部52bは、円板状の部位である。底部52bの径方向における中心に出力軸部材30の小径円柱部34が挿通される挿通孔52aが設けられている。外輪部52cは、底部52bの外縁部から軸方向における入力側へ延びるように形成された円筒状の部位である。外輪部52cの軸方向における出力側の端部に底部52bが設けられている。固定部52dは、挿通孔52aの外縁から軸方向の出力側へ突出されている。固定部52dの外周面には、スプライン溝が形成されている。固定部52dは、後述する出力側クラッチ60の解除ブラケット64とスプライン結合する。
図3は、中立状態における入力側クラッチ50を示している。図3は、図2のIII−III矢視図である。なお図3において、ロック部材70は図示していない。
図3に示すように、入力側外輪部材52の内周面と入力側内輪部材51の外周面との間には、隙間が設けられている。入力側外輪部材52の内周面は円周面である一方で、入力側内輪部材51の外周面には外方へ膨出する3つの楔カム部51cが設けられている。このため、入力側外輪部材52の内周面と入力側内輪部材51の外周面との間の隙間には、径方向の両端が楔状に先細りになった部分が形成されている。この隙間に、ハウジング11の突出片11iが突出している。操作レバー21によって入力側内輪部材51が回転されると、突出片11iが入力側クラッチコロ55の動きを規制する。
入力側クラッチ50は、6個の入力側クラッチコロ55と、3個の入力側コロ付勢バネ56と、を有している。入力側クラッチコロ55および入力側コロ付勢バネ56は、入力側内輪部材51の外周面と、入力側外輪部材52の外輪部52cの内周面との間に配置されている。
入力側コロ付勢バネ56は、径方向について、入力側内輪部材51の楔カム部51c同士の間に配置されている。また、入力側クラッチコロ55は、入力側内輪部材51の楔カム部51cの両側に一対ずつ配置されている。一対の入力側クラッチコロ55の間に、ハウジング11の突出片11iが配置されている。つまり入力側内輪部材51と入力側外輪部材52との間の隙間には、反時計回りに、入力側コロ付勢バネ56、入力側クラッチコロ55、突出片11i、入力側クラッチコロ55がこの順に設けられている。
<入力側クラッチの動作>
図3に示すように、中立状態において、入力側クラッチ50では、入力側クラッチコロ55が入力側コロ付勢バネ56に接触しており、入力側クラッチコロ55が入力側コロ付勢バネ56によって楔カム部51cの頂部へ向かって付勢されている。このため、中立状態において、入力側クラッチコロ55が入力側内輪部材51と入力側外輪部材52とに食い込んでいる。
この中立状態において、操作レバー21が中立位置(中立状態における無負荷状態の操作レバー21の位置)からユーザが操作レバー21を反時計方向に回転させようとすると、操作レバー21の回転が、操作板22および操作ブラケット54を介して入力側内輪部材51に伝達される。つまり、操作レバー21とともに入力側内輪部材51が反時計方向に回転しようとする。
入力側内輪部材51と入力側外輪部材52との間の、時計方向に向かって幅狭となった楔状空間に、入力側クラッチコロ55が設けられている。入力側内輪部材51が反時計方向に回転しようとすると、入力側内輪部材51の内周面は、入力側クラッチコロ55を時計方向に向かって幅狭となった楔状空間に食い込ませようとする力を作用させる。このような力を受けると入力側クラッチコロ55は、入力側外輪部材52の内周面に、径方向の外側に押し付ける成分と反時計方向に押し付ける成分を有する力を作用させる。入力側クラッチコロ55は、入力側外輪部材52に反時計方向に押す力を作用させる。このようにして、入力側内輪部材51が反時計方向に回転すると、入力側クラッチコロ55とともに入力側外輪部材52が反時計方向に回転する。
<出力側クラッチ>
図2に戻り、出力側クラッチ60は、出力側内輪部材61と、出力側外輪部材62と、解除ブラケット64と、出力側クラッチコロ65と、出力側コロ付勢バネ66と、を備えている。
出力側外輪部材62は、略円筒状の部材である。出力側外輪部材62は、出力軸部材30と同軸に設けられ、出力側内輪部材61に対して相対回転可能である。出力側外輪部材62は、出力側内輪部材61の外周側に配置されている。出力側外輪部材62の内周面は、メタルブッシュ13の円筒部13bを介して出力軸部材30の大径円柱部32を回転可能に支持している。メタルブッシュ13のフランジ部13aによって、出力側内輪部材61が出力軸部材30から抜け出ることが防止されている。メタルブッシュ13の円筒部13bは樹脂製である。メタルブッシュ13は、出力軸部材30に摩擦力を作用させて、車両用シート40を下降させる際の出力軸部材30の回転速度を抑制する。
出力側外輪部材62は、円板状の底部62aと、底部62aから軸方向の入力側に延びる筒状の第一円筒部62bと、底部62aから軸方向の出力側に延びる第二円筒部62cと、を備えている。第二円筒部62cは、第一円筒部62bよりも小径である。
出力側外輪部材62の外周縁には、2か所にテーパ部62dが設けられている。ハウジング11に設けられたかしめ部11fを径方向内側に折り曲げてこの出力側外輪部材62の外周縁にかしめることにより、出力側外輪部材62はハウジング11に対して回転不能に固定されている。
出力側内輪部材61は、略円筒状の部材である。出力側内輪部材61は、出力軸部材30と同軸に設けられ、出力軸部材30と一体に回転する。出力側内輪部材61は、出力側外輪部材62の第一円筒部62bよりも小径の部材である。
出力側内輪部材61の内周面には複数の溝部が設けられ、出力軸部材30のスプライン部33が結合されるスプライン部61aとされている。出力側内輪部材61の軸方向における入力側の面には、6つの突起部61bが形成されている(図4参照)。出力側内輪部材61の外周部には、外方へ膨出する6つの楔カム部61cが等間隔に形成されている。
解除ブラケット64は、略円板状の部材であり、出力側内輪部材61よりも軸方向の入力側に配置されている。解除ブラケット64は、入力側クラッチ50から付与される力を出力側クラッチコロ65に伝達可能である。解除ブラケット64の外径は、出力側内輪部材61の外径より大きく、かつ、出力側外輪部材62の第一円筒部62bの内径よりも小さく形成されている。解除ブラケット64は、出力側内輪部材61、出力側外輪部材62、入力側内輪部材51、および入力側外輪部材52とは別体の部材である。
解除ブラケット64の中央部には、内周面に複数の溝部を有する第一係合穴64aが形成されている。第一係合穴64aは、入力側外輪部材52の固定部52dとスプライン結合する。これにより、解除ブラケット64は、入力側外輪部材52と共に回転可能とされている。
解除ブラケット64は、出力側内輪部材61の出力側に突出する突起部61b(図4参照)が挿入される複数の長孔64bを有している。これらの長孔64bは、それぞれ周方向に延びる長孔である。この長孔64b内で突起部61bが周方向へ僅かに変位可能とされている。つまり、解除ブラケット64と出力側内輪部材61とは、長孔64b内で突起部61bが変位する範囲で相対的に回転可能とされている。
解除ブラケット64の外周縁には、軸方向における出力側に向かって延びる6つの爪部64cが設けられている。爪部64cは一対の出力側クラッチコロ65の間に設けられている。
図4は、中立状態における出力側クラッチ60を示している。図4に示すように、出力側外輪部材62の内周面と出力側内輪部材61の外周面との間には、隙間が設けられている。出力側外輪部材62の内周面は円周面である一方で、出力側内輪部材61の外周面には外方へ膨出する楔カム部61cが設けられている。このため、出力側外輪部材62の内周面と出力側内輪部材61の外周面との間の隙間には、径方向の両端が楔状に先細りになった部分が形成されている。これらの部分の隙間に、解除ブラケット64の爪部64cが突出している。解除ブラケット64が回転されると、爪部64cが隙間の内部を移動する。
出力側クラッチ60は、12個の出力側クラッチコロ65と、6個の出力側コロ付勢バネ66と、を有している。出力側クラッチコロ65および出力側コロ付勢バネ66は、出力側内輪部材61の外周面と、出力側外輪部材62の内周面との間の隙間に配置されている。出力側クラッチコロ65は、出力側内輪部材61の外周面と出力側外輪部材62の内周面との間に配置されて、出力側内輪部材61と出力側外輪部材62との間で回転力を伝達可能な部材である。出力側クラッチコロ65は、軸方向における入力側の面が解除ブラケット64の爪部64cに当接するように設けられている。
出力側コロ付勢バネ66は、径方向について、出力側内輪部材61の楔カム部61c同士の間に配置されている。また、出力側クラッチコロ65は、出力側内輪部材61の楔カム部61cの両側に一対ずつ配置されている。これらの一対の出力側クラッチコロ65の間に、解除ブラケット64の爪部64cが配置されている。これらの出力側クラッチコロ65は、出力側コロ付勢バネ66によって楔カム部61cの頂部へ向かって付勢されている。出力側内輪部材61と出力側外輪部材62との間の隙間には、反時計回りに、爪部64c、出力側クラッチコロ65、出力側コロ付勢バネ66、出力側クラッチコロ65がこの順で設けられている。
<出力側クラッチの動作>
図4は、中立状態における出力側クラッチ60を示している。図4に示すように、中立状態において、出力側クラッチ60では、出力側クラッチコロ65が出力側コロ付勢バネ66によって楔カム部61cの頂部へ向かって付勢されている。これにより、出力側クラッチコロ65が、出力側内輪部材61における楔カム部61cと出力側外輪部材62における第一円筒部62bの内周面との間の楔状の隙間に食い込んでいる。
より具体的に、第一出力側クラッチコロ65aと、第一出力側クラッチコロ65aと出力側コロ付勢バネ66を介して反時計側に位置する第二出力側クラッチコロ65bを用いて説明する。
第一出力側クラッチコロ65aが位置している隙間は、反時計方向に向かって先細りの楔形状である。第一出力側クラッチコロ65aは、出力側コロ付勢バネ66によって反時計方向に付勢されている。このため、第一出力側クラッチコロ65aは、反時計方向に出力側内輪部材61と出力側外輪部材62とに食い込んでいる。
第二出力側クラッチコロ65bが位置している隙間は、時計方向に向かって先細りの楔形状である。第二出力側クラッチコロ65bは、出力側コロ付勢バネ66によって時計方向に付勢されている。このため、第二出力側クラッチコロ65bは、時計方向に出力側内輪部材61と出力側外輪部材62とに食い込んでいる。
ここで出力側外輪部材62は、ハウジング11に対して移動不可能である。また、第一出力側クラッチコロ65aおよび第二出力側クラッチコロ65bは、出力側内輪部材61と出力側外輪部材62の両者に反時計方向および時計方向に食い込んでいる。このため、出力側内輪部材61および出力側外輪部材62は回転できない。この結果、出力側内輪部材61にスプライン結合されている出力軸部材30も回転できない。
このように、中立状態では、出力側内輪部材61と出力側外輪部材62とが、回転不能な状態とされているので、車両用シート40側から出力軸部材30に回転力が付与されても出力軸部材30は回転することがない。これにより、車両用シート40は、その高さが保持された状態で固定される。
次に出力側クラッチ60が出力軸部材30を回転させる場合を説明する。
操作レバー21が反時計方向に回転されると、上述したように入力側クラッチ50の入力側外輪部材52が反時計方向に回転する。入力側外輪部材52は解除ブラケット64とスプライン結合されている。このため、操作レバー21が反時計方向に回転されると、解除ブラケット64も反時計方向に回転する。
解除ブラケット64は、長孔64bを介して出力側内輪部材61の突起部61bと結合されている。このため、解除ブラケット64は、(1)まず出力側内輪部材61が回転しない状態で反時計方向に回転し、(2)突起部61bが長孔64bの縁に当接した後に出力側内輪部材61とともに反時計方向に回転する。
(1)出力側内輪部材61が回転しない状態で解除ブラケット64が反時計方向に回転すると、解除ブラケット64の爪部64cが出力側クラッチコロ65を反時計方向に押す。すると、出力側内輪部材61と出力側外輪部材62との間の時計方向に幅狭となる楔状空間に食い込んでいた出力側クラッチコロ65の出力側内輪部材61と出力側外輪部材62との当接状態が解除される。
また、出力側内輪部材61が反時計方向に回転しようとすると、出力側内輪部材61と出力側外輪部材62との間の反時計方向に幅狭となる楔状空間に食い込んでいた出力側クラッチコロ65は、出力側内輪部材61との間の摩擦力が作用しなくなり、出力側内輪部材61との当接状態が解除される。
このように、出力側クラッチコロ65の出力側内輪部材61と出力側外輪部材62との当接状態が解除された状態では、出力側内輪部材61は出力側外輪部材62に対して相対回転可能になる。
出力側内輪部材61が出力側外輪部材62に対して相対回転可能な状態になった後、(2)出力側内輪部材61の突起部61bが解除ブラケット64の長孔64bの縁に当接する。すると、解除ブラケット64とともに出力側内輪部材61が反時計方向に回転する。
このように出力側クラッチ60は、中立状態で操作レバー21に操作力が作用しない状態では出力軸部材30を回転させず、操作レバー21に操作力が作用した状態でのみ出力軸部材30を回転させるように構成されている。
<ロック部材>
上述したように、出力側クラッチ60は、操作レバー21に操作力が作用しない状態では、出力軸部材30を回転させないように構成されている。しかしながら、車両の振動などに起因して、操作レバー21に操作力が作用しない状態で出力軸部材30が回転してしまうことがある。その結果、車両用シート40が微小に下がってしまうことがある。
そこで本実施形態に係るクラッチユニット100は、ロック部材70を有している。ロック部材70は、入力側外輪部材52のハウジング11に対する相対回転を阻止するロック状態と、入力側外輪部材52のハウジング11に対する相対回転を許容するロック解除状態を取ることができるように構成されている。以下、ロック部材70を詳細に説明する。
図5は、中立状態における入力側クラッチ50を示す図である。図5は図2のV−V矢視図である。図5に示すように、ロック部材70は、径方向について入力側外輪部材52とハウジング11との間に設けられている。ロック部材70は金属製のバネで形成されている。ロック部材70は出力軸部材30の回転軸線の周方向に延びる長尺の部材である。ロック部材70は、一対のハウジング係止部71と、ロック孔部72(第二係止部の一例)と、ロック解除部73を有している。
ハウジング係止部71は、ハウジング11に設けられた係止孔11jに係止されている。ハウジング11には、一対の係止孔11jが設けられている。本実施形態において係止孔11jは、ハウジング11に設けられた径方向に貫通する孔である。一対の係止孔11jは、周方向に離間した二か所に設けられている。本実施形態においてロック部材70のハウジング係止部71は、バネを径方向の外側に突出するように屈曲させて形成されている。ロック部材70は、ハウジング係止部71と係止孔11jとの係止により、ハウジング11に対して周方向の相対変位が阻止されている。ロック部材70がハウジング11に固定された状態で、一対のハウジング係止部71の間のロック部材70の部位が径方向に弾性変形可能とされている。
ロック孔部72は、入力側外輪部材52の外周面に設けられた径方向の外側に突出する複数のロック突部52e(第一係止部の一例)と係止可能である。ロック孔部72にロック突部52eが挿入可能である。本実施形態においてロック部材70のロック孔部72は、バネに設けられた径方向に貫通する孔である。ロック孔部72は、ロック部材70の弾性変形により、径方向(矢印A方向)に変位可能である。ロック突部52eがロック孔部72に挿入された状態では、入力側外輪部材52はロック部材70およびハウジング11に対して相対回転できない。この状態がロック状態である。
ロック孔部72は、一対のハウジング係止部71から周方向に離れた位置に設けられている。ロック孔部72は、周方向について一対のハウジング係止部71の間に設けられている。
本実施形態においては、ロック孔部72の周方向の両隣に補助孔部74が設けられている。この補助孔部74も、ロック突部52eが挿入可能な大きさに形成されている。
ロック解除部73は、ロック突部52eとロック孔部72との係止を解除する部位である。ロック解除部73は、径方向の内側に突出する部位である。ロック解除部73はバネの突き出た小片を折り曲げて形成されている。
ロック解除部73も、一対のハウジング係止部71から周方向に離れた位置に設けられている。ロック解除部73も、周方向について一対のハウジング係止部71の間に設けられている。周方向について、ロック解除部73はロック孔部72と重なる位置に設けられている。図2に示したように、ロック解除部73とロック孔部72は、軸方向について互いにずれた位置に設けられている。ロック孔部72は軸方向についてロック部材70の中間位置に設けられ、ロック解除部73は軸方向について入力側の端部に設けられている。
ロック解除部73は、ロック部材70の弾性復元力により、操作ブラケット54に設けられた押上機構54dに押し付けられている。操作ブラケット54の外周面には、径方向への突出長さの異なる谷部54d1と山部54d2とを有する押上機構54dが設けられている。
<ロック状態およびロック解除状態>
図5は、中立状態でかつロック状態の入力側クラッチ50を示している。ロック状態とは、入力側外輪部材52のハウジング11に対する相対回転が阻止された状態である。図示したように、ロック孔部72に入力側外輪部材52のロック突部52eが係止され、入力側外輪部材52のロック部材70およびハウジング11に対する相対回転が阻止されている。なお、このロック状態において、ロック解除部73が押上機構54dの谷部54d1に当接されている。
図6は中立状態でかつロック解除状態の入力側クラッチ50を示している。ロック状態から、ロック孔部72が径方向の外方に変位するようにロック部材70が変形し、ロック突部52eとロック孔部72との係止が解除されてロック解除状態となる。このロック状態からロック解除状態に遷移する動作を具体的に説明する。
まず、図5の中立状態から操作レバー21が回転されると、操作レバー21とともに操作ブラケット54が回転する。このとき、ロック部材70はハウジング11にハウジング係止部71により固定されているため、操作ブラケット54はハウジング11に対して周方向に相対変位する。すると図6に示すように、操作ブラケット54の谷部54d1に当接していたロック部材70のロック解除部73が山部54d2へ押し上げられ、ロック解除部73が径方向の外方に弾性的に変位する。すると、ロック部材70のロック孔部72から入力側外輪部材52のロック突部52eが抜け出て、ロック孔部72のロック突部52eに対する係止が機除される。これにより、入力側外輪部材52がロック部材70に対して回転可能なロック解除状態となる。
なお、一対の補助孔部74は、ロック孔部72に挿入されているロック突部52eの両隣に位置するロック突部52eとロック突部52eとの接触を避けるために設けられている。補助孔部74は必要に応じて設けることができる。
本実施形態に係るクラッチユニット100によれば、ロック部材70によって操作レバー21の非動作時に入力側外輪部材52のハウジング11に対する相対変位が阻止されたロック状態とすることができる。出力軸部材30は、出力側内輪部材61および解除ブラケット64を介して入力側外輪部材52に連結されている。このため、ロック部材70によって入力側外輪部材52のハウジング11に対する相対回転を阻止することにより、出力軸部材30の回転を阻止することができる。
また、ロック突部52eのロック孔部72に対する係止は、ロック部材70の径方向の弾性変形により実現される。このため、ロック部材70の弾性変形を許容するための空間が軸方向に大きくならず、クラッチユニット100の軸方向の大型化が抑制できる。
本実施形態において、ロック部材70におけるハウジング係止部71とロック孔部72との位置関係を調節することにより、ロック部材70のロック孔部72のロック突部52eに対する係止代を調節することができる。この際に、ロック部材70が周方向に延びているので、ハウジング係止部71とロック孔部72との調整代が大きく、ロック部材70の設計の自由度が高い。
本実施形態において、ロック部材70は、周方向に互いに離間した一対のハウジング係止部71を有している。ロック孔部72は、一対のハウジング係止部71の間に設けられている。
一対のハウジング係止部71の間隔を調節することにより、ロック突部52eとロック孔部72との係止代を簡単に調節することができる。
本実施形態において、ロック部材70のロック孔部72は、径方向に貫通する孔である。入力側外輪部材52のロック突部52eは、径方向の外方に延び、周方向に複数設けられている。
ロック突部52eをロック孔部72に貫通させることにより、確実にロック状態を維持することができる。また、ロック状態において出力軸部材30が意図せずに回転しようとして入力側外輪部材52がロック部材70に外力を作用させた際に、ロック部材70はその長手方向である周方向でその力を受けることができる。つまり、より軽量・小型のロック部材70で大きな力を受けることができる。
本実施形態において、ロック部材70は、ハウジング係止部71から周方向に離れた位置に設けられ、操作力が伝達されることによりロック突部52eのロック孔部72に対する係止を解除するロック解除部73を有している。
ハウジング係止部71とロック解除部73との位置関係を調節することにより、ロック孔部72とロック突部52eとの係止代を調節することができる。ロック部材70が周方向に延びているので、ハウジング係止部71とロック解除部73との調整代が大きく、ロック部材70の設計の自由度が高い。
本実施形態において、ロック部材70のロック孔部72とロック解除部73は、周方向において同じ位置に設けられている。このため、ロック部材70に加わる荷重バランスが良い。
本実施形態において、ロック部材70が入力側外輪部材52とハウジング11との間に設けられている。埃などの異物の進入が遮られたハウジング11の内部にロック部材70を設けることができ、長期にわたって所望の動作を維持することができる。
本実施形態において、操作ブラケット54の外周面には、径方向への突出長さの異なる谷部54d1と山部54d2とを有する押上機構54dが設けられている。ロック部材70は、ハウジング係止部71から周方向に離れた位置に設けられ、操作ブラケット54に向かって径方向に延びるロック解除部73を有している。ロック状態においてロック部材70のロック解除部73が谷部54d1に当接されている。ロック状態からロック解除状態に遷移する際にロック部材70のロック解除部73が谷部54d1から山部54d2に押し上げられてロック孔部72が径方向の外方に弾性的に変位されるように構成されている。
このような構成により、部品点数を増加させずに、ロック状態からロック解除状態に弾性変形させる機構を実現することができる。ロック部材70の弾性変形する方向(径方向)とロック解除部73の変位する方向(径方向)とが揃っているため、出力軸部材30の回転を抑制できるクラッチユニット100をコンパクトに構成することができる。
なお、上述した実施形態においては、径方向の外側に屈曲したハウジング係止部71がハウジング11の係止孔11jに挿入されることにより、ロック部材70がハウジング11に固定された例を説明した。本発明はこの例に限られない。
本発明の変形例に係るクラッチユニット100Aを説明する。図7は、変形例に係るクラッチユニット100Aの、ロック状態における入力側クラッチ50Aを示す図である。図8は、変形例に係るクラッチユニット100Aの、ロック解除状態における入力側クラッチ50Aを示す図である。本変形例においては、ロック部材70Aの形状が上述した実施形態と異なる。以降では、実施形態と異なる部位について説明する。
図7に示したように、ロック部材70Aは第一ハウジング係止部75と第二ハウジング係止部76とを有している。第一ハウジング係止部75は、図7の紙面垂直方向に延びる軸回りに回転可能にハウジング11の係止部11jに係止されている。第二ハウジング係止部76はハウジング11の係止部11jに相対変位可能に挿通されている。つまり、ロック部材70は、第一ハウジング係止部75を中心として図7の矢印B方向に回転可能にハウジング11に係止されている。
このような構成によっても、ロック状態においてロック孔部72にロック突部52eが係止されている。また、図8に示したようにロック状態からロック解除状態に遷移すると、ロック孔部72が径方向の外方に変位してロック突部52eのロック孔部72に対する係止が解除される。
11 ハウジング
11j 係止孔
13 メタルブッシュ
21 操作レバー
22 操作板
23 戻しばね
24 バネ係止部
30 出力軸部材
36 ストッパリング
40 車両用シート
41 車両用シートリフタ
50 入力側クラッチ
51 入力側内輪部材
52 入力側外輪部材
52e ロック突部(第一係止部)
54 操作ブラケット
54d 押上機構
54d1 谷部
54d2 山部
55 入力側クラッチコロ
56 入力側コロ付勢バネ
60 出力側クラッチ
61 出力側内輪部材
62 出力側外輪部材
64 解除ブラケット
64b 長孔
64c 爪部
65 出力側クラッチコロ
66 出力側コロ付勢バネ
70,70A ロック部材
71 ハウジング係止部
72 ロック孔部(第二係止部)
73 ロック解除部
74 補助孔部
75 第一ハウジング係止部
76 第二ハウジング係止部
100,100A クラッチユニット

Claims (7)

  1. 車両用シートに用いられるクラッチユニットであって、
    回転軸線回りに回転可能な操作レバーと、
    前記操作レバーと一体的に前記回転軸線回りに回転する操作部材と、
    前記回転軸線回りに回転可能であり、前記操作レバーに入力された操作力を車両用シートに出力する出力軸部材と、
    前記回転軸線と同軸に設けられ前記出力軸部材が挿入された入力側内輪部材と入力側外輪部材と、前記入力側内輪部材の外周面と前記入力側外輪部材の内周面との間に形成された楔状空間に配置された入力側伝達部材と、を有する入力側クラッチと、
    前記入力側クラッチの回転トルクを前記出力軸部材に伝達し、前記出力軸部材から前記入力側クラッチへの回転トルクの伝達を抑制する出力側クラッチと、
    前記入力側クラッチを収容するハウジングと、
    前記入力側外輪部材の前記ハウジングに対する相対回転を阻止するロック状態と、前記入力側外輪部材の前記ハウジングに対する相対回転を許容するロック解除状態を取ることができるように構成されたロック部材と、を有し、
    前記入力側外輪部材の外周面には、第一係止部が設けられており、
    前記ロック部材は、
    前記ハウジングに係止されたハウジング係止部と、
    前記ハウジング係止部から前記回転軸線の周方向に離れた位置に設けられ、前記第一係止部に係止可能な第二係止部と、を有し、
    前記ロック状態において、前記第二係止部に前記入力側外輪部材の前記第一係止部が係止されており、
    前記ロック部材は、前記ロック状態から前記ロック解除状態に遷移すると前記第二係止部が前記回転軸線の径方向の外方に弾性的に変位して前記第一係止部の前記第二係止部に対する係止が解除されるように構成されている、クラッチユニット。
  2. 前記ロック部材は、周方向に互いに離間した一対の前記ハウジング係止部を有し、
    前記第二係止部は、一対の前記ハウジング係止部の間に設けられている、請求項1に記載のクラッチユニット。
  3. 前記ロック部材の前記第二係止部は、径方向に貫通する孔であり、
    前記入力側外輪部材の前記第一係止部は、径方向の外方に延び、周方向に複数設けられている、請求項1または2に記載のクラッチユニット。
  4. 前記ロック部材は、前記ハウジング係止部から前記周方向に離れた位置に設けられ、前記操作力が伝達されることにより前記第一係止部の前記第二係止部に対する係止を解除するロック解除部を有している、請求項1から3のいずれか一項に記載のクラッチユニット。
  5. 前記ロック部材の前記第二係止部と前記ロック解除部は、前記周方向において同じ位置に設けられている、請求項4に記載のクラッチユニット。
  6. 前記ロック部材が前記入力側外輪部材と前記ハウジングとの間に設けられている、請求項1から5のいずれか一項に記載のクラッチユニット。
  7. 前記操作部材の外周面には、前記径方向への突出長さの異なる谷部と山部とを有する押上機構が設けられており、
    前記ロック解除部は、前記ハウジング係止部から前記周方向に離れた位置に設けられ、前記操作部材に向かって前記径方向に延びており、
    前記ロック状態において前記ロック部材の前記ロック解除部が前記谷部に当接されており、
    前記ロック状態から前記ロック解除状態に遷移する際に前記ロック部材の前記ロック解除部が前記谷部から前記山部に押し上げられて前記第二係止部が前記径方向の外方に弾性的に変位されるように構成されている、請求項4に記載のクラッチユニット。
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