JP2020040921A - 1,3−ジクロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】不純物が低減された、1223ydの製造方法の提供。【解決手段】1,3−ジクロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンと、ジクロロペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、およびクロロホルムからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物とを含む組成物を、0.001〜10質量%の水分を含む固体吸着剤と接触させて、組成物に含まれる上記化合物を除去することを特徴とする、1,3−ジクロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、1,3−ジクロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法に関する。
1,3−ジクロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン(CF2Cl−CF=CHCl。HCFO−1223yd。以下、1223ydとも記す。)は、3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンや1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパンに代わる、地球温暖化係数(GWP)の小さい化合物であり、各種用途(例えば、洗浄剤、冷媒、熱媒体、発泡剤、溶剤等)に適用可能である。
なお、本明細書において、ハロゲン化炭化水素については、化合物名の後の括弧内にその化合物の略称を記すが、本明細書では必要に応じて化合物名に代えてその略称を用いる。また、略称として、ハイフン(−)より後ろの数字およびアルファベット小文字部分だけ(例えば、「HCFO−1223yd」においては「1223yd」)を用いる場合がある。
なお、本明細書において、ハロゲン化炭化水素については、化合物名の後の括弧内にその化合物の略称を記すが、本明細書では必要に応じて化合物名に代えてその略称を用いる。また、略称として、ハイフン(−)より後ろの数字およびアルファベット小文字部分だけ(例えば、「HCFO−1223yd」においては「1223yd」)を用いる場合がある。
1223ydは、例えば、特許文献1に記載されるように、1,3,3−トリクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン(CF2ClCF2CHCl2。HCFC−224ca。以下、224caとも記す。)を脱フッ化水素反応させて1,3−トリクロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン(CF2ClCF=CCl2。CFO−1213ya。以下、1213yaとも記す。)を得、1213yaを水素と反応させて得られる。なお、224caは、例えば、特許文献2に記載されるように、テトラクロロエチレンにクロロホルムを付加せしめて得られるが、この過程で225が副生する。1214yaは、副生した225が脱フッ化水素反応することにより生成する。クロロホルムは、224caの原料である。
上記の特許文献1および2の製造方法で得られる1223ydは、不純物として、ジクロロペンタフルオロプロパン(HCFC−225。以下、225とも記す。)、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CF3CF=CCl2。CFC−1214ya以下、1214yaとも記す。)、クロロホルムなどを含有する。
これら不純物の存在は、上記した1223ydの各種用途に悪影響を及ぼすおそれがあるため、不純物の低減が求められる。
本発明は、不純物が低減された、1223ydの製造方法の提供を課題とする。
これら不純物の存在は、上記した1223ydの各種用途に悪影響を及ぼすおそれがあるため、不純物の低減が求められる。
本発明は、不純物が低減された、1223ydの製造方法の提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決できるのを見出した。
(1) 1,3−ジクロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンと、ジクロロペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、およびクロロホルムからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物とを含む組成物を、0.001〜10質量%の水分を含む固体吸着剤と接触させて、組成物に含まれる化合物を除去することを特徴とする、1,3−ジクロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法。
(2) 固体吸着剤が、ゼオライト、活性炭、およびアルミナからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、(1)に記載の製造方法。
(3) 固体吸着剤が、ゼオライト3Aおよびゼオライト4Aからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、(1)または(2)に記載の製造方法。
(4) ジクロロペンタフルオロプロパンが、3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、および1,1−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5) 組成物の全質量に対するジクロロペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよびクロロホルムの含有量の合計が、10質量%以下である、(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6) 組成物がさらに水を含み、組成物を固体吸着剤と接触させて、組成物に含まれる水を除去する、(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(2) 固体吸着剤が、ゼオライト、活性炭、およびアルミナからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、(1)に記載の製造方法。
(3) 固体吸着剤が、ゼオライト3Aおよびゼオライト4Aからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、(1)または(2)に記載の製造方法。
(4) ジクロロペンタフルオロプロパンが、3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、および1,1−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5) 組成物の全質量に対するジクロロペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよびクロロホルムの含有量の合計が、10質量%以下である、(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6) 組成物がさらに水を含み、組成物を固体吸着剤と接触させて、組成物に含まれる水を除去する、(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、不純物が低減された1223ydの製造方法を提供できる。
本発明における用語の意味は以下の通りである。
「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
1223ydは二重結合上の置換基の位置により、幾何異性体であるZ体とE体が存在する。本明細書中では特に断らずに化合物名や化合物の略称を用いた場合には、Z体およびE体から選ばれる少なくとも1種を示し、より具体的には、Z体もしくはE体、または、Z体とE体の任意の割合の混合物を示す。
「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
1223ydは二重結合上の置換基の位置により、幾何異性体であるZ体とE体が存在する。本明細書中では特に断らずに化合物名や化合物の略称を用いた場合には、Z体およびE体から選ばれる少なくとも1種を示し、より具体的には、Z体もしくはE体、または、Z体とE体の任意の割合の混合物を示す。
225は、3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225ca)、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225cb)、および2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225aa)、2,3−ジクロロ−1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225ba)、1,2−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225bb)、1,1−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225cc)またはこれらの2種以上からなる混合物のことをいう。
本発明の製造方法(以下、「本製造方法」ともいう。)では、1223ydと、225、1214ya、およびクロロホルムからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物とを含む組成物(以下、単に「組成物」と記載する場合がある。)を、固体吸着剤と接触させて、該組成物に含まれるこれらの化合物を除去する。
225、1214ya、およびクロロホルムは、上述したように、1223ydの合成過程で生じる不純物である(以下、1223ydと、225、1214ya、およびクロロホルムからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を単に不純物ともいう。)。本製造方法によれば、不純物が低減された1223ydが得られる。具体的には、組成物中の225、1214ya、およびクロロホルムの含有量が1質量%以上低減された1223ydが得られる。なお、本段落における質量%は、固体吸着剤へ接触させる前の組成物中の各成分の含有量を基準とする。
上述した手順で得られる1223ydは水を含む場合がある。したがって、上記の組成物は、さらに水を含む場合がある。水と不純物が共存した場合、不純物が各種用途に及ぼす悪影響がより顕著になる可能性が考えられるが、この場合、組成物を固体吸着剤と接触させることにより、組成物に含まれる水も除去できる。具体的には、組成物中の水の含有量が10質量%以上低減された1223ydが得られる。
本製造方法は、固体吸着剤への1223ydの吸着が少ない。具体的には、固体吸着剤への1223ydの吸着が3質量%未満である。
225、1214ya、およびクロロホルムは、上述したように、1223ydの合成過程で生じる不純物である(以下、1223ydと、225、1214ya、およびクロロホルムからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を単に不純物ともいう。)。本製造方法によれば、不純物が低減された1223ydが得られる。具体的には、組成物中の225、1214ya、およびクロロホルムの含有量が1質量%以上低減された1223ydが得られる。なお、本段落における質量%は、固体吸着剤へ接触させる前の組成物中の各成分の含有量を基準とする。
上述した手順で得られる1223ydは水を含む場合がある。したがって、上記の組成物は、さらに水を含む場合がある。水と不純物が共存した場合、不純物が各種用途に及ぼす悪影響がより顕著になる可能性が考えられるが、この場合、組成物を固体吸着剤と接触させることにより、組成物に含まれる水も除去できる。具体的には、組成物中の水の含有量が10質量%以上低減された1223ydが得られる。
本製造方法は、固体吸着剤への1223ydの吸着が少ない。具体的には、固体吸着剤への1223ydの吸着が3質量%未満である。
本製造方法では、含水量が所定量の固体吸着剤を用いることにより、固体吸着剤への1223ydの吸着を抑制しつつ、不純物を効果的に除去できる。
不純物の除去には、含水量が少ない固体吸着剤を用いることが好ましく、10質量%以下とすることで、不純物の除去量が顕著に増加する。そのため、10質量%以下の水分を含む固体吸着剤、すなわち、含水量が10質量%以下の固体吸着剤を用いる。固体吸着剤の含水量は、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
但し、固体吸着剤の含水量が0.001質量%より低いと、1223ydの吸着が顕著に増加する。そのため、含水量が0.001質量%以上の固体吸着剤を用いる。固体吸着剤の含水量は、0.005質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。
固体吸着剤の含水量は、後述する実施例に記載の手順で測定できる。
不純物の除去には、含水量が少ない固体吸着剤を用いることが好ましく、10質量%以下とすることで、不純物の除去量が顕著に増加する。そのため、10質量%以下の水分を含む固体吸着剤、すなわち、含水量が10質量%以下の固体吸着剤を用いる。固体吸着剤の含水量は、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
但し、固体吸着剤の含水量が0.001質量%より低いと、1223ydの吸着が顕著に増加する。そのため、含水量が0.001質量%以上の固体吸着剤を用いる。固体吸着剤の含水量は、0.005質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。
固体吸着剤の含水量は、後述する実施例に記載の手順で測定できる。
なお、固体吸着剤は、本製造方法の使用時に含水量が上記範囲を満たしていればよく、保管時等の使用前においては、固体吸着剤の含水量が上記範囲外であってもよい。ゼオライトを例に取ると、工業的に入手できるゼオライトは、一般的に搬送時に外気に晒されており、水分を吸着する環境下にある。そのため、20質量%程度まで含水量が上昇していると考えられる。
固体吸着剤を使用する際には、例えば、水分含有量が上記範囲超の固体吸着剤に対して脱水処理を施して、所定の含水量の固体吸着剤とした後、本製造方法に適用してもよい。
固体吸着剤の脱水処理の方法としては、例えば、固体吸着剤に対して含水量が少ないガス(例えば、露点が0℃以下の窒素)を吹き付ける方法、固体吸着剤を加熱する方法が挙げられる。
固体吸着剤を使用する際には、例えば、水分含有量が上記範囲超の固体吸着剤に対して脱水処理を施して、所定の含水量の固体吸着剤とした後、本製造方法に適用してもよい。
固体吸着剤の脱水処理の方法としては、例えば、固体吸着剤に対して含水量が少ないガス(例えば、露点が0℃以下の窒素)を吹き付ける方法、固体吸着剤を加熱する方法が挙げられる。
固体吸着剤の具体例としては、ゼオライト、活性炭、アルミナが挙げられ、なかでも、本発明の効果がより優れる点で、ゼオライト、アルミナが好ましい。
(ゼオライト)
本製造方法に用いるゼオライトの具体例としては、A型ゼオライト、L型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、ZSM−5型に代表されるMFIゼオライト、MWW型ゼオライト、β型ゼオライト、モルデナイト、フェリエライト、エリオナイトが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、A型ゼオライト、X型ゼオライトが好ましい。A型ゼオライトとしては、ゼオライト3A、4A、5Aが好ましく、X型ゼオライトとしては13Xが好ましい。なかでも、1223ydの吸着量を抑えられ、不純物の除去性に優れる点から、ゼオライト3A、4Aがより好ましい。
本製造方法に用いるゼオライトの具体例としては、A型ゼオライト、L型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、ZSM−5型に代表されるMFIゼオライト、MWW型ゼオライト、β型ゼオライト、モルデナイト、フェリエライト、エリオナイトが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、A型ゼオライト、X型ゼオライトが好ましい。A型ゼオライトとしては、ゼオライト3A、4A、5Aが好ましく、X型ゼオライトとしては13Xが好ましい。なかでも、1223ydの吸着量を抑えられ、不純物の除去性に優れる点から、ゼオライト3A、4Aがより好ましい。
(活性炭)
本製造方法に用いる活性炭は、主として炭素原子から構成される材料であり、例えば、木質材、椰子殻、石炭等の天然材料を焼成して得られる活性炭、合成有機高分子化合物等の人工材料を焼成して得られる活性炭等が挙げられる。
活性炭は、吸着性能に優れる点で、−196℃での窒素吸着法により測定した(Micromeritics製 ASAP2405等を使用)細孔特性として、比表面積が、600m2/g〜2500m2/gが好ましく、1000m2/g〜1600m2/gがより好ましく、平均細孔直径は、1.6nm〜3.5nmが好ましく、1.7nm〜2.0nmがより好ましい。細孔容積は、0.25mL/g〜1.5mL/gが好ましく、0.3mL/g〜1.0mL/gがより好ましい。
活性炭の粒度は、4〜50メッシュが好ましく、6〜30メッシュが特に好ましい。活性炭の粒度は、JIS K1474:2014に記載の方法に準じて求められる。
活性炭は市販品であってもよく、例えば、大阪ガスケミカル社製の白鷺G2c、白鷺GM2x、白鷺GH2x、白鷺WH2c、クラレ社製のクラレコールが挙げられる。
本製造方法に用いる活性炭は、主として炭素原子から構成される材料であり、例えば、木質材、椰子殻、石炭等の天然材料を焼成して得られる活性炭、合成有機高分子化合物等の人工材料を焼成して得られる活性炭等が挙げられる。
活性炭は、吸着性能に優れる点で、−196℃での窒素吸着法により測定した(Micromeritics製 ASAP2405等を使用)細孔特性として、比表面積が、600m2/g〜2500m2/gが好ましく、1000m2/g〜1600m2/gがより好ましく、平均細孔直径は、1.6nm〜3.5nmが好ましく、1.7nm〜2.0nmがより好ましい。細孔容積は、0.25mL/g〜1.5mL/gが好ましく、0.3mL/g〜1.0mL/gがより好ましい。
活性炭の粒度は、4〜50メッシュが好ましく、6〜30メッシュが特に好ましい。活性炭の粒度は、JIS K1474:2014に記載の方法に準じて求められる。
活性炭は市販品であってもよく、例えば、大阪ガスケミカル社製の白鷺G2c、白鷺GM2x、白鷺GH2x、白鷺WH2c、クラレ社製のクラレコールが挙げられる。
(アルミナ)
本製造方法に用いるアルミナは、例えば、0.001〜0.1μmの細孔(容積は0.3〜1m3/g)を有し、比表面積は120〜350m2/gの活性アルミナである。
アルミナとしては、球状、円柱状、角柱状、タブレット状、中空円筒状、ハニカム状等の成形体が好ましく、取り扱いの点で、粒径が3mm〜8mmの粒状物がより好ましい。
本製造方法に用いるアルミナは、例えば、0.001〜0.1μmの細孔(容積は0.3〜1m3/g)を有し、比表面積は120〜350m2/gの活性アルミナである。
アルミナとしては、球状、円柱状、角柱状、タブレット状、中空円筒状、ハニカム状等の成形体が好ましく、取り扱いの点で、粒径が3mm〜8mmの粒状物がより好ましい。
固体吸着剤は、1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本製造方法において、組成物を上記固体吸着剤に接触させることにより、組成物中の225、1214ya、およびクロロホルムからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を除去する。すなわち、本製造方法では、上記組成物中のこれら不純物を除去して、1223ydを含む組成物を精製する。
固体吸着剤に接触させる際の組成物は、気体(ガス状)でも液体(液状)でもよい。実施形態の製造方法において、固体吸着剤のうち2種以上を併用する場合には、接触させる固体吸着剤の順序は特に限定されない。例えば、組成物を、固体吸着剤の2種以上に、順番に接触させてもよく、固体吸着剤の2種以上を混合する等して、同時に接触させてもよい。
以下、ガス状の組成物を用いる方法を例に説明する。この方法では、例えば、反応器内に、固体吸着剤を充填して吸着層を形成し、その吸着層に、ガス状の組成物を流通させることで固体吸着剤と組成物を接触させることができる。この方法による固体吸着剤と組成物の接触は、回分式(バッチ式)でもよく、連続式でもよい。
吸着層における固体吸着剤の充填密度は、0.1g/cm3以上が好ましく、0.25g/cm3以上がより好ましい。固体吸着剤の充填密度が下限値以上であれば、単位容積あたりの固体吸着剤の充填量が多くなり、ガス状の組成物の処理量を多くできるため不純物の除去効率が向上する。吸着層は、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。吸着層が2つ以上の場合、それらの吸着層は並列であっても直列であってもよい。
接触時の吸着層の温度は、組成物をガス状態で維持するために、1223ydの沸点以上である50℃〜100℃が好ましく、60℃〜90℃がより好ましい。吸着層の温度が下限値以上であれば、固体吸着剤による不純物の除去効率が向上する。吸着層の温度が上限値以下であれば、精製後の組成物の冷却に要するエネルギーがより少なくてすみ、設備等も簡便になる。
接触時の反応器内の圧力(絶対圧)は、10kPa〜500kPaが好ましく、90kPa〜300kPaがより好ましい。圧力が下限値以上であれば、取り扱い性がよく、設備等をより簡便にできる。圧力が上限値以下であれば、不純物の除去効率が向上する。
吸着層に流通させるガス状の組成物と吸着層との接触時間は、1秒〜1000秒が好ましく、3秒〜300秒がより好ましい。ガス状の組成物と吸着層との接触時間が下限値以上であれば、不純物の除去効率が向上する。ガス状の組成物と吸着層との接触時間が上限値以下であれば、組成物の精製に用いる吸着層が小さくて済むので、設備等が簡便になる。吸着層に組成物を流通させる方法においては、接触時間は、精製用組成物の反応器内での滞留時間に相当し、組成物の反応器への供給量(流量)を調節することで制御できる。
除去効率の点から、吸着層に流通させるガス状の組成物に含まれる不純物の総量は、吸着層中の固体吸着剤の質量に対して、0.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましい。つまり、ガス状の組成物を用いる方法においては、固体吸着剤に接触させるガス状の組成物の量を、不純物の固体吸着剤に対する割合が上記上限値以下となるように調節して接触させることが好ましい。
ガス状の組成物と固体吸着剤との接触に使用する反応器としては、固体吸着剤を充填して吸着層を形成できる反応器であればよい。反応器の材質の具体例としては、ガラス、鉄、ニッケル、またはこれらを主成分とする合金、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)等のフッ素樹脂が挙げられる。
次に、液状の組成物を用いる方法を説明する。この方法では、ガス状の組成物を用いる方法と同様に、反応器内に吸着層を形成し、その吸着層に、液状の組成物を流通させる方法を用いることができる。固体吸着剤を収容した反器内で、組成物に固体吸着剤を浸漬し、必要に応じて混合、撹拌する方法を用いることができる。
組成物を液体の状態で固体吸着剤に接触させる際には、組成物を常圧で沸点以下の温度に調節して液状とすることができる。組成物を溶媒に溶解させて液状としてもよい。このとき使用される溶媒としては、1223ydと沸点の異なる溶媒を用いることで、蒸留等の方法で溶媒を精製後の組成物から容易に除去できる。
固体吸着剤と液状の組成物の接触時の反応器内の温度は、−30℃〜70℃が好ましく、10℃〜40℃がより好ましい。反応器内の温度が下限値以上であれば、不純物の除去速度が向上する。反応器内の温度が上限値以下であれば、精製後の組成物の冷却に要するエネルギーがより少なくてすみ、設備等も簡便になる。
固体吸着剤と液状の組成物の接触時の反応器内の圧力(ゲージ圧)は、0kPa〜200kPaが好ましく、100kPa〜150kPaがより好ましい。圧力が下限値以上であれば、不純物の除去速度が向上する。圧力が上限値以下であれば、取り扱い性がよく、設備等が簡便ですむ。
吸着層に組成物を流通させる方法においては、吸着層に流通させる液状の組成物と吸着層との接触時間は、ガス状の組成物を用いる方法と同様である。
吸着層における固体吸着剤の充填密度および吸着層の構成の好ましい態様はガス状の組成物を用いる方法と同様である。
吸着層における固体吸着剤の充填密度および吸着層の構成の好ましい態様はガス状の組成物を用いる方法と同様である。
固体吸着剤を収容した反応器内で固体吸着剤を組成物に浸漬する方法においては、反応器内における液状の組成物と固体吸着剤との接触時間は、1時間〜100時間が好ましく、3時間〜60時間がより好ましい。液状の組成物と固体吸着剤との接触時間が下限値以上であれば、不純物の除去効率が向上する。液状の組成物と固体吸着剤との接触時間が上限値以下であれば、組成物の精製に用いる固体吸着剤の量が少なくて済むので、設備等が簡便になる。
固体吸着剤を、反応器内で組成物に浸漬する方法では、組成物との接触後に、沈降あるいはろ過によって、組成物と固体吸着剤を分離できる。
除去効率が向上する点から、固体吸着剤に接触させる液状の組成物に含まれる不純物の総量は、固体吸着剤の質量に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。つまり、液状の組成物を用いる方法においては、固体吸着剤に接触させる組成物の液量を、上記の化合物の固体吸着剤に対する割合が上記上限値以下となるように調節して接触させることが好ましい。
液状の組成物と固体吸着剤との接触に使用する反応器としては、例えば、固体吸着剤を収容できるものや、固体吸着剤からなる吸着層を形成できるものであればよい。反応器の材質は、ガス状の組成物を用いる方法と同様である。混合液を固体吸着剤と混合して接触させる反応器としては、所望の温度、圧力で、固体吸着剤に組成物を液体状態で接触させることのできる反応器、例えばオートクレーブ等が挙げられる。
組成物中において1,3−ジクロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンは主成分として含まれる場合が多い。主成分とは、組成物中の成分のなかで、最も含有量が多い成分を意図する。組成物中における1,3−ジクロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンの含有量は、組成物全質量に対して、50質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。上限としては、99.999質量%が好ましい。
組成物中におけるジクロロペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよびクロロホルムの含有量の合計は、上記の化合物の除去効率の点から、組成物全質量に対して50質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
組成物中におけるジクロロペンタフルオロプロパンの含有量は、組成物全質量に対して、0.0001〜1質量%の場合が多く、0.001〜0.1質量%の場合がより多い。
組成物中における1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの含有量は、組成物全質量に対して、0.0001〜1質量%の場合が多く、0.001〜0.1質量%の場合がより多い。
組成物中におけるクロロホルムの含有量は、組成物全質量に対して、0.0001〜1質量%の場合が多く、0.001〜0.1質量%の場合がより多い。
組成物中におけるジクロロペンタフルオロプロパンの含有量は、組成物全質量に対して、0.0001〜1質量%の場合が多く、0.001〜0.1質量%の場合がより多い。
組成物中における1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの含有量は、組成物全質量に対して、0.0001〜1質量%の場合が多く、0.001〜0.1質量%の場合がより多い。
組成物中におけるクロロホルムの含有量は、組成物全質量に対して、0.0001〜1質量%の場合が多く、0.001〜0.1質量%の場合がより多い。
組成物が水を含む場合、組成物中における水の含有量は、水の除去効率の点から、組成物全質量に対して0.1質量%以下が好ましく、0.02質量%以下がより好ましい。
上記組成物の製造方法としては、上述した特許文献1に記載の方法など公知の方法が挙げられる。
以下に、実施例および比較例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(分析方法)
分析対象組成物中の有機化合物の含有量(含有比率)は、ガスクロマトグラフィーで分析した。カラムはDB−1301(長さ60m×内径250μm×厚み1μm、アジレント・テクノロジー株式会社製)を用いた。
分析対象組成物中の有機化合物の含有量(含有比率)は、ガスクロマトグラフィーで分析した。カラムはDB−1301(長さ60m×内径250μm×厚み1μm、アジレント・テクノロジー株式会社製)を用いた。
(固体吸着剤の含水量測定)
水分気化装置内で固体吸着剤を500℃で加熱し、蒸発させた水分をキャリアガス(N2)で脱水溶剤ME(ガス用)(林純薬工業株式会社製)へ導き、その水分をJIS K 0113−2005電位差、電流、電量、カールフィッシャー滴定法通則にもとづき、容量滴定法で測定した。
水分気化装置内で固体吸着剤を500℃で加熱し、蒸発させた水分をキャリアガス(N2)で脱水溶剤ME(ガス用)(林純薬工業株式会社製)へ導き、その水分をJIS K 0113−2005電位差、電流、電量、カールフィッシャー滴定法通則にもとづき、容量滴定法で測定した。
(製造例:1223ydの製造)
10LのハステロイC製オートクレーブに無水塩化アルミニウム0.5kg(3.7mol)を加えて減圧脱気した後、クロロホルム(CHCl3)9kg(75.3mol)を加えた。オートクレーブを65℃に加温した後、反応温度を65〜80℃に保ちながらテトラフルオロエチレンを4kg(40mol)加えた後さらに1時間撹拌を続け反応液を濾別し、反応粗液を蒸留精製することにより224caを7.5kg得た(収率85%)。
得られた224ca(5kg、22.8mol)に30質量%KOH水溶液(5.7kg)と相間移動触媒としてトリオクチルメチルアンモニウムクロライド(TOMAC)(50g)とを加えて、撹拌しながら70℃で4時間反応させた。得られた溶液を1時間静置して2相に分離させた後、下層を回収した。回収した下層のガスクロマトグラフィーによる分析で、95%の反応が進行したことが分かった。回収した下層を蒸留により精製し、1213yaを4.2kg得た。
Pd−C触媒(0.635g;Type−K;エヌ・イー ケムキャット株式会社製;5質量%Pdカーボン粉末(50%含水品))、0.117gのK2SO4、1Lの1N水酸化カリウム水溶液を、圧力計、温度計、圧力逃し弁、および安全弁を備えた2LのSUS製オートクレーブ(反応容器)に入れた。101gの1213ya(純度99.3%)を添加した後、メカニカルスターラーを用いて十分懸濁させた。
氷冷下、反応容器を窒素でパージした後、真空ポンプを用いて減圧した。水素ガス(47L、14.7MPa)で満たした水素シリンダーを反応容器に接続した。
上記のプロセスが完了した後、反応混合物を500rpmで撹拌し、氷水を用いて1〜2℃に保持した。この時の圧力は−0.04MPaであった。これらの条件の下、オートクレーブの内圧が0.8MPa・Gになるまで反応容器に接続した水素シリンダーから水素を供給した。6.5時間後、内圧が約0.3MPa・Gまで低下したため、上記と同様の方法で水素を再び供給した。合計1.144mol(25.62NL)の水素を供給するまでこのプロセスを34時間繰り返した。反応混合物の温度を1〜8℃に保持しながら、ガスサンプルを採取し、ガスクロマトグラフィーを用いて気相の組成を分析した。反応は合計43時間実施した。この時反応容器の内圧は0.19MPa・Gであった。
反応完了後、温度1〜2℃の反応容器から気体成分を除去した。次に、反応容器を内部温度が80℃になるまで加熱し、全ての有機成分を取り出した。生成物は、ドライアイスとアセトンでできた寒剤を用いて回収した。回収した生成物は66.7gだった。回収した生成物をガスクロマトグラフィーを用いて分析したところ、1223ydが8.0質量%、CClF2CF=CH2(HCFO−1233yf)が63.5質量%、CHF2CF=CH2(HFO−1243yf)が13.8質量%、1213yaが5.6質量%、CHF2CHFCH3(HFC−263eb)が3.7質量%、CClF2CHFCH2Cl(HCFC−243ec)が2.6質量%、225が0.3質量%、1214yaが0.1質量%、クロロホルムが0.1質量%、不明物が2.3質量%含まれることが分かった。
上記の手順で得られた生成物を蒸留により粗精製することにより、1223ydを含む精製用組成物(1223ydを99.5質量%、225を0.06質量%、1214yaを0.005質量%、およびクロロホルムを0.005質量%含む)を4.02g得た。
10LのハステロイC製オートクレーブに無水塩化アルミニウム0.5kg(3.7mol)を加えて減圧脱気した後、クロロホルム(CHCl3)9kg(75.3mol)を加えた。オートクレーブを65℃に加温した後、反応温度を65〜80℃に保ちながらテトラフルオロエチレンを4kg(40mol)加えた後さらに1時間撹拌を続け反応液を濾別し、反応粗液を蒸留精製することにより224caを7.5kg得た(収率85%)。
得られた224ca(5kg、22.8mol)に30質量%KOH水溶液(5.7kg)と相間移動触媒としてトリオクチルメチルアンモニウムクロライド(TOMAC)(50g)とを加えて、撹拌しながら70℃で4時間反応させた。得られた溶液を1時間静置して2相に分離させた後、下層を回収した。回収した下層のガスクロマトグラフィーによる分析で、95%の反応が進行したことが分かった。回収した下層を蒸留により精製し、1213yaを4.2kg得た。
Pd−C触媒(0.635g;Type−K;エヌ・イー ケムキャット株式会社製;5質量%Pdカーボン粉末(50%含水品))、0.117gのK2SO4、1Lの1N水酸化カリウム水溶液を、圧力計、温度計、圧力逃し弁、および安全弁を備えた2LのSUS製オートクレーブ(反応容器)に入れた。101gの1213ya(純度99.3%)を添加した後、メカニカルスターラーを用いて十分懸濁させた。
氷冷下、反応容器を窒素でパージした後、真空ポンプを用いて減圧した。水素ガス(47L、14.7MPa)で満たした水素シリンダーを反応容器に接続した。
上記のプロセスが完了した後、反応混合物を500rpmで撹拌し、氷水を用いて1〜2℃に保持した。この時の圧力は−0.04MPaであった。これらの条件の下、オートクレーブの内圧が0.8MPa・Gになるまで反応容器に接続した水素シリンダーから水素を供給した。6.5時間後、内圧が約0.3MPa・Gまで低下したため、上記と同様の方法で水素を再び供給した。合計1.144mol(25.62NL)の水素を供給するまでこのプロセスを34時間繰り返した。反応混合物の温度を1〜8℃に保持しながら、ガスサンプルを採取し、ガスクロマトグラフィーを用いて気相の組成を分析した。反応は合計43時間実施した。この時反応容器の内圧は0.19MPa・Gであった。
反応完了後、温度1〜2℃の反応容器から気体成分を除去した。次に、反応容器を内部温度が80℃になるまで加熱し、全ての有機成分を取り出した。生成物は、ドライアイスとアセトンでできた寒剤を用いて回収した。回収した生成物は66.7gだった。回収した生成物をガスクロマトグラフィーを用いて分析したところ、1223ydが8.0質量%、CClF2CF=CH2(HCFO−1233yf)が63.5質量%、CHF2CF=CH2(HFO−1243yf)が13.8質量%、1213yaが5.6質量%、CHF2CHFCH3(HFC−263eb)が3.7質量%、CClF2CHFCH2Cl(HCFC−243ec)が2.6質量%、225が0.3質量%、1214yaが0.1質量%、クロロホルムが0.1質量%、不明物が2.3質量%含まれることが分かった。
上記の手順で得られた生成物を蒸留により粗精製することにより、1223ydを含む精製用組成物(1223ydを99.5質量%、225を0.06質量%、1214yaを0.005質量%、およびクロロホルムを0.005質量%含む)を4.02g得た。
(比較例1)
上記の手順で得られた生成物を蒸留により粗精製して得た1223ydを含む精製用組成物(225を0.06質量%、1214yaを0.005質量%、およびクロロホルムを0.005質量%含む)1000gの中に、固体吸着剤としてゼオライト3A(水分を0.0001質量%未満含む)を10g加えて室温で48時間静置する。48時間後、1223ydからゼオライト3Aを分離したものを分析し、固体吸着剤に吸着された各化合物の割合を下記表に示す。なお、ゼオライト3Aは、ユニオン昭和社製モレキュラーシーブ3Aを用いた。
各表中、固体吸着剤含水量の単位は質量%である。また、各表中、固体吸着剤に吸着された225、1214ya、クロロホルムの割合、水の割合、1223ydの割合の評価基準を以下に示す。なお、下記評価基準における質量%は固体吸着剤へ接触させる前の組成物中の各成分の含有量を基準とする。
上記の手順で得られた生成物を蒸留により粗精製して得た1223ydを含む精製用組成物(225を0.06質量%、1214yaを0.005質量%、およびクロロホルムを0.005質量%含む)1000gの中に、固体吸着剤としてゼオライト3A(水分を0.0001質量%未満含む)を10g加えて室温で48時間静置する。48時間後、1223ydからゼオライト3Aを分離したものを分析し、固体吸着剤に吸着された各化合物の割合を下記表に示す。なお、ゼオライト3Aは、ユニオン昭和社製モレキュラーシーブ3Aを用いた。
各表中、固体吸着剤含水量の単位は質量%である。また、各表中、固体吸着剤に吸着された225、1214ya、クロロホルムの割合、水の割合、1223ydの割合の評価基準を以下に示す。なお、下記評価基準における質量%は固体吸着剤へ接触させる前の組成物中の各成分の含有量を基準とする。
(実施例1〜24、比較例2〜12)
固体吸着剤として、下記表に記載のものを用いたこと以外は実施例1と同様の方法で処理を行った。処理後、精製用組成物から固体吸着剤を分離したものを分析し、固体吸着剤に吸着された各化合物の割合を下記表に示す。なお、ゼオライト3Aは、ユニオン昭和社製モレキュラーシーブ3A、ゼオライト4Aは、ユニオン昭和社製モレキュラーシーブ4A、ゼオライト5Aは、ユニオン昭和社製モレキュラーシーブ5A、ゼオライト13Xは、ユニオン昭和社製モレキュラーシーブ13X、活性炭は、大阪ガスケミカル社製粒状白鷺C2X(粒度6メッシュ、円柱状成形品)、アルミナは、日揮触媒化成社製N612N、直径3.1mm、高さ3.1mm、細孔容積0.37cm3/g、比表面積166m2/gの円柱状成形品を用いた。
固体吸着剤として、下記表に記載のものを用いたこと以外は実施例1と同様の方法で処理を行った。処理後、精製用組成物から固体吸着剤を分離したものを分析し、固体吸着剤に吸着された各化合物の割合を下記表に示す。なお、ゼオライト3Aは、ユニオン昭和社製モレキュラーシーブ3A、ゼオライト4Aは、ユニオン昭和社製モレキュラーシーブ4A、ゼオライト5Aは、ユニオン昭和社製モレキュラーシーブ5A、ゼオライト13Xは、ユニオン昭和社製モレキュラーシーブ13X、活性炭は、大阪ガスケミカル社製粒状白鷺C2X(粒度6メッシュ、円柱状成形品)、アルミナは、日揮触媒化成社製N612N、直径3.1mm、高さ3.1mm、細孔容積0.37cm3/g、比表面積166m2/gの円柱状成形品を用いた。
実施例1〜24より、1223ydを含む精製用組成物を、含水量が0.001〜10質量%の固体吸着剤(ゼオライト3A、4A、5A、13X、活性炭、およびアルミナ)と接触させることで、1223ydの固体吸着剤への吸着を抑制しつつ、精製用組成物から225、1214ya、クロロホルムおよび水を効果的に除去できることがわかる。特に、固体吸着剤として、ゼオライト3A、4A、5Aを用いた場合に、1223ydの固体吸着剤への吸着を抑制しつつ、精製用組成物から225、1214ya、クロロホルムおよび水を効果的に除去できることがわかる。
Claims (6)
- 1,3−ジクロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンと、ジクロロペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、およびクロロホルムからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物とを含む組成物を、0.001〜10質量%の水分を含む固体吸着剤と接触させて、前記組成物に含まれる前記化合物を除去することを特徴とする1,3−ジクロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法。
- 前記固体吸着剤が、ゼオライト、活性炭、およびアルミナからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の製造方法。
- 前記固体吸着剤が、ゼオライト3Aおよびゼオライト4Aからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記ジクロロペンタフルオロプロパンが、3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、および1,1−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記組成物の全質量に対するジクロロペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよびクロロホルムの含有量の合計が、10質量%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記組成物がさらに水を含み、前記組成物を前記固体吸着剤と接触させて、前記組成物に含まれる水を除去する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
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