以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、本明細書および図面において、実質的に同一または類似の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なる数字を付して区別する。また、異なる実施形態の類似する構成要素については、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素等の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
(1.実施形態の詳細)
まず、本発明の実施形態の詳細について説明する。
(1−1.情報処理システムの構成)
図1を参照しながら、本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成例について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示した説明図である。図1に示したように、本発明の実施形態に係る情報処理システム1は、集合住宅サーバ10と、玄関機20と、住戸端末30と、通信装置40と、ネットワーク50と、コンタクトセンタサーバ60と、オペレータ端末70と、携帯端末80と、通信装置90とを備える。
通信装置40は、ネットワーク50に接続されており、集合住宅サーバ10によるネットワーク50を介した通信を中継する。通信装置90は、ネットワーク50に接続されており、コンタクトセンタサーバ60によるネットワーク50を介した通信を中継する。なお、以下の説明においては、説明を簡便にするため、集合住宅サーバ10による通信のネットワーク50および通信装置40による中継は適宜に省略される。同様に、コンタクトセンタサーバ60による通信のネットワーク50および通信装置90による中継は、適宜に省略される。
玄関機20は、集合住宅の玄関に設置され、集合住宅内の住戸に居住する人物(以下、「居住者」とも言う。)に訪問する人物(以下、「訪問者」とも言う。)によって利用される機器である。しかし、玄関機20が設置される位置は、集合住宅の玄関でなくてもよい。例えば、玄関機20は、何らかの建物(例えば、オフィスビルなど)の玄関に設置されればよい。すなわち、集合住宅は、建物に置き換えられてよく、住戸は、建物内の部屋に置き換えられてよく、居住者は、建物内の部屋に存在する人物に置き換えられてよく、訪問者は、建物内の部屋に存在する人物に訪問する人物に置き換えられてよい。玄関機20は、集合住宅サーバ10に接続される。
住戸端末30は、住戸内に設置され、居住者によって利用される。住戸端末30は、集合住宅サーバ10に接続されている。なお、図1に示された例では、図の簡便にするために、1台の住戸端末30が集合住宅サーバ10に接続されている。しかし、集合住宅サーバ10に接続されている住戸端末30の数は限定されない。例えば、複数の住戸端末30が集合住宅サーバ10に接続されていてもよい。
集合住宅サーバ10は、コンピュータによって構成され、各種の情報処理を行う情報処理装置として機能し得る。集合住宅サーバ10は、集合住宅内に設置されている。しかし、集合住宅サーバ10が設置される位置は限定されない。例えば、集合住宅サーバ10の機能の一部または全部は、集合住宅サーバ10の代わりに、集合住宅の外部のコンピュータ(例えば、サーバ)が有していてもよい。
オペレータ端末70は、コンタクトセンタに設置されており、コンタクトセンタに存在するオペレータによって利用される端末(オペレータの端末)である。オペレータ端末70は、コンタクトセンタサーバ60に接続されている。図1に示された例では、図の簡便にするために、1台のオペレータ端末70がコンタクトセンタサーバ60に接続されている。しかし、コンタクトセンタサーバ60に接続されているオペレータ端末70の数は限定されない。例えば、複数のオペレータ端末70がコンタクトセンタサーバ60に接続されていてもよい。
コンタクトセンタサーバ60は、コンピュータによって構成される。コンタクトセンタサーバ60は、コンタクトセンタに設置されている。しかし、コンタクトセンタサーバ60が設置される位置は限定されない。例えば、コンタクトセンタサーバ60の機能の一部または全部は、コンタクトセンタサーバ60の代わりに、コンタクトセンタの外部のコンピュータ(例えば、サーバ)が有していてもよい。
携帯端末80は、居住者と関連する人物が利用する端末である。例えば、携帯端末80の種類は限定されない。例えば、携帯端末80は、スマートフォンであってもよいし、携帯電話であってもよいし、タブレット端末であってもよいし、パーソナルコンピュータ(例えば、ノート型のパーソナルコンピュータなど)であってもよい。居住者と関連する人物は、実際に住戸に居住していないが、居住者と何らかの関連性を有する人物であってよく、例えば、居住者の父親であってもよいし、居住者の母親であってよいし、居住者の兄または弟であってもよいし、居住者の姉または妹であってもよい。
以上、本発明の実施形態に係る情報処理システム1の構成例について説明した。
(1−2.集合住宅サーバの機能構成)
続いて、本発明の実施形態に係る集合住宅サーバ10の機能構成例について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る集合住宅サーバ10の機能構成例を示すブロック図である。図2に示したように、本発明の実施形態に係る集合住宅サーバ10は、制御部110、記憶部120および通信部130を備える。
制御部110は、集合住宅サーバ10の動作全体を制御する機能を有する。制御部110は、専用のハードウェアによって構成されてもよいし、集合住宅サーバ10に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)がROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムをRAM(Random Access Memory)に展開して実行することにより実現されてもよい。かかるプログラムが提供され得る他、かかるプログラムを記憶させた記憶媒体も提供され得る。制御部110は、取得部112、判定部113および出力制御部114を有する。これらの各ブロックが有する機能の詳細は、後に説明する。
記憶部120は、制御部110を動作させるためのプログラムやデータを記憶することができる。また、記憶部120は、制御部110の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。例えば、記憶部120は、事前に居住者によって設定された情報を、事前設定情報121として記憶する。また、記憶部120は、訪問者種別と居住者による過去の行動情報とが関連付けられた情報を、行動履歴情報122として記憶する。
通信部130は、ネットワーク50に接続された各種装置との間で各種情報を送受信するための通信インタフェースである。例えば、通信部130は、ネットワークに接続された各種装置に情報を送信する送信部として機能し得る。また、通信部130は、ネットワークに接続された各種装置から送信された情報を受信する受信部として機能し得る。その他、通信部130は、玄関機20と通信を行う機能、および、住戸端末30と通信を行う機能を有する。
以上、本発明の実施形態に係る集合住宅サーバ10の機能構成例について説明した。
(1−3.玄関機の機能構成)
続いて、本発明の実施形態に係る玄関機20の機能構成例について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る玄関機20の機能構成例を示すブロック図である。図3に示したように、本発明の実施形態に係る玄関機20は、制御部210、センサ部220、操作部230、記憶部240、通信部250および提示部260を備える。
制御部210は、玄関機20の動作全体を制御する機能を有する。制御部210は、専用のハードウェアによって構成されてもよいし、玄関機20に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)がROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムをRAM(Random Access Memory)に展開して実行することにより実現されてもよい。かかるプログラムが提供され得る他、かかるプログラムを記憶させた記憶媒体も提供され得る。
センサ部220は、各種センサを含んで構成され、訪問者に関するセンシングデータを検出する。本実施形態においては、センサ部220がマイクロフォンおよびカメラを含む場合を想定する。マイクロフォンは、訪問者が発する音声を検出し、検出した訪問者の音声を制御部210に提供することが可能である。カメラは、訪問者を撮像し、撮像した訪問者の映像を制御部210に提供することが可能である。しかし、センサ部220は、マイクロフォンおよびカメラ以外のセンシングデバイスを含んでもよい。
操作部230は、訪問者から入力される操作を受け付ける。また、操作部230は、訪問者から受け付けた操作を制御部210に提供することが可能である。本実施形態においては、操作部230がボタンを含む場合を主に想定するが、操作部230はボタン以外の入力装置を含んでもよい。例えば、操作部230は、スイッチを含んでもよいし、タッチパネルを含んでもよい。
記憶部240は、制御部210を動作させるためのプログラムやデータを記憶することができる。また、記憶部240は、制御部210の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。
通信部250は、集合住宅サーバ10との間で各種情報を送受信するための通信インタフェースである。例えば、通信部250は、集合住宅サーバ10に情報を送信する送信部として機能し得る。また、通信部250は、集合住宅サーバ10から送信された情報を受信する受信部として機能し得る。
提示部260は、制御部210による制御に従って訪問者に各種情報を提示する機能を有する。本実施形態では、提示部260は、スピーカを含んでおり、スピーカは、制御部210による制御に従って、訪問者からの呼び出しに対して応答操作を行った人物の音声を出力することが可能である。例えば、居住者、携帯端末80を利用する人物、および、コンタクトセンタのオペレータは、訪問者からの呼び出しに対して応答操作を行い得る。
以上、本発明の実施形態に係る玄関機20の機能構成例について説明した。
(1−4.住戸端末の機能構成)
続いて、本発明の実施形態に係る住戸端末30の機能構成例について説明する。図4は、本発明の実施形態に係る住戸端末30の機能構成例を示すブロック図である。図4に示したように、本発明の実施形態に係る住戸端末30は、制御部310、センサ部320、操作部330、記憶部340、通信部350および提示部360を備える。
制御部310は、住戸端末30の動作全体を制御する機能を有する。制御部310は、専用のハードウェアによって構成されてもよいし、住戸端末30に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)がROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムをRAM(Random Access Memory)に展開して実行することにより実現されてもよい。かかるプログラムが提供され得る他、かかるプログラムを記憶させた記憶媒体も提供され得る。
センサ部320は、各種センサを含んで構成され、居住者に関するセンシングデータを検出する。本実施形態においては、センサ部320がマイクロフォンおよびカメラを含む場合を想定する。マイクロフォンは、居住者が発する音声を検出し、検出した居住者の音声を制御部310に提供することが可能である。カメラは、居住者を撮像し、撮像した居住者の映像を制御部310に提供することが可能である。センサ部320は、マイクロフォンおよびカメラ以外のセンシングデバイスを含んでもよい。なお、カメラは、住戸端末30の外部(例えば、住戸内のいずれかの位置)に設置されていてもよいし、特に設けられていなくてもよい。
操作部330は、居住者から入力される操作を受け付ける。また、操作部330は、居住者から受け付けた操作を制御部310に提供することが可能である。本実施形態においては、操作部330がボタンを含む場合を主に想定するが、操作部330はボタン以外の入力装置を含んでもよい。例えば、操作部330は、スイッチを含んでもよいし、タッチパネルを含んでもよい。
記憶部340は、制御部310を動作させるためのプログラムやデータを記憶することができる。また、記憶部340は、制御部310の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。
通信部350は、集合住宅サーバ10との間で各種情報を送受信するための通信インタフェースである。例えば、通信部350は、集合住宅サーバ10に情報を送信する送信部として機能し得る。また、通信部350は、集合住宅サーバ10から送信された情報を受信する受信部として機能し得る。
提示部360は、制御部310による制御に従って居住者に各種情報を提示する機能を有する。本実施形態では、提示部360は、スピーカを含んでおり、スピーカは、制御部310による制御に従って、訪問者、オペレータおよび携帯端末80を利用する人物の少なくともいずれかの音声を出力することが可能である。また、提示部360は、ディスプレイを含んでおり、ディスプレイは、制御部310による制御に従って、訪問者の映像を表示することが可能である。
以上、本発明の実施形態に係る住戸端末30の機能構成例について説明した。
(1−5.コンタクトセンタサーバの機能構成)
続いて、本発明の実施形態に係るコンタクトセンタサーバ60の機能構成例について説明する。図5は、本発明の実施形態に係るコンタクトセンタサーバ60の機能構成例を示すブロック図である。図5に示したように、本発明の実施形態に係るコンタクトセンタサーバ60は、制御部610、記憶部620および通信部630を備える。
制御部610は、コンタクトセンタサーバ60の動作全体を制御する機能を有する。制御部610は、専用のハードウェアによって構成されてもよいし、コンタクトセンタサーバ60に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)がROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムをRAM(Random Access Memory)に展開して実行することにより実現されてもよい。かかるプログラムが提供され得る他、かかるプログラムを記憶させた記憶媒体も提供され得る。
記憶部620は、制御部610を動作させるためのプログラムやデータを記憶することができる。また、記憶部620は、制御部610の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。例えば、記憶部620は、居住者に関する情報(例えば、居住者種別など)を居住者情報621として記憶する。居住者種別は、居住者の性別などであってよい。また、記憶部620は、オペレータに関する情報(例えば、オペレータ端末を利用するオペレータの属性など)をオペレータ情報622として記憶する。オペレータの属性は、オペレータの性別などであってよい。その他、記憶部620は、訪問者の映像および音声を映像音声623として記憶する。
通信部630は、ネットワーク50に接続された各種装置との間で各種情報を送受信するための通信インタフェースである。例えば、通信部630は、ネットワークに接続された各種装置に情報を送信する送信部として機能し得る。また、通信部630は、ネットワークに接続された各種装置から送信された情報を受信する受信部として機能し得る。その他、通信部630は、オペレータ端末70と通信を行う機能を有する。
以上、本発明の実施形態に係るコンタクトセンタサーバ60の機能構成例について説明した。
(1−6.オペレータ端末の機能構成)
続いて、本発明の実施形態に係るオペレータ端末70の機能構成例について説明する。図6は、本発明の実施形態に係るオペレータ端末70の機能構成例を示すブロック図である。図6に示したように、本発明の実施形態に係るオペレータ端末70は、制御部710、音声入力部720、操作入力部730、記憶部740、通信部750および提示部760を備える。
制御部710は、オペレータ端末70の動作全体を制御する機能を有する。制御部710は、専用のハードウェアによって構成されてもよいし、オペレータ端末70に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)がROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムをRAM(Random Access Memory)に展開して実行することにより実現されてもよい。かかるプログラムが提供され得る他、かかるプログラムを記憶させた記憶媒体も提供され得る。
音声入力部720は、マイクロフォンを含んで構成される。マイクロフォンは、オペレータが発する音声を検出し、検出したオペレータの音声を制御部710に提供することが可能である。
操作入力部730は、オペレータから入力される操作を受け付ける。また、操作入力部730は、オペレータから受け付けた操作を制御部710に提供することが可能である。本実施形態においては、操作入力部730がボタンを含む場合を主に想定するが、操作入力部730はボタン以外の入力装置を含んでもよい。例えば、操作入力部730は、スイッチを含んでもよいし、タッチパネルを含んでもよい。
記憶部740は、制御部710を動作させるためのプログラムやデータを記憶することができる。また、記憶部740は、制御部710の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。
通信部750は、コンタクトセンタサーバ60との間で各種情報を送受信するための通信インタフェースである。例えば、通信部750は、コンタクトセンタサーバ60に情報を送信する送信部として機能し得る。また、通信部750は、コンタクトセンタサーバ60から送信された情報を受信する受信部として機能し得る。
提示部760は、制御部710による制御に従ってオペレータに各種情報を提示する機能を有する。本実施形態では、提示部760は、スピーカを含んでおり、スピーカは、制御部710による制御に従って、訪問者の音声を出力することが可能である。また、提示部760は、ディスプレイを含んでおり、ディスプレイは、制御部710による制御に従って、各種情報を表示することが可能である。例えば、ディスプレイは、訪問者の映像を表示することが可能である。
以上、本発明の実施形態に係るオペレータ端末70の機能構成例について説明した。
(1−7.携帯端末の機能構成)
続いて、本発明の実施形態に係る携帯端末80の機能構成例について説明する。図7は、本発明の実施形態に係る携帯端末80の機能構成例を示すブロック図である。図7に示したように、本発明の実施形態に係る携帯端末80は、制御部810、音声入力部820、操作入力部830、記憶部840、通信部850および提示部860を備える。
制御部810は、携帯端末80の動作全体を制御する機能を有する。制御部810は、専用のハードウェアによって構成されてもよいし、携帯端末80に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)がROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムをRAM(Random Access Memory)に展開して実行することにより実現されてもよい。かかるプログラムが提供され得る他、かかるプログラムを記憶させた記憶媒体も提供され得る。
音声入力部820は、マイクロフォンを含んで構成される。マイクロフォンは、居住者と関連する人物が発する音声を検出し、検出した居住者と関連する人物の音声を制御部810に提供することが可能である。
操作入力部830は、居住者と関連する人物から入力される操作を受け付ける。また、操作入力部830は、居住者と関連する人物から受け付けた操作を制御部810に提供することが可能である。本実施形態においては、操作入力部830がボタンを含む場合を主に想定するが、操作入力部830はボタン以外の入力装置を含んでもよい。例えば、操作入力部830は、スイッチを含んでもよいし、タッチパネルを含んでもよい。
記憶部840は、制御部810を動作させるためのプログラムやデータを記憶することができる。また、記憶部840は、制御部810の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。
通信部850は、ネットワーク50に接続された各種装置との間で各種情報を送受信するための通信インタフェースである。例えば、通信部850は、ネットワーク50に接続された各種装置に情報を送信する送信部として機能し得る。また、通信部850は、ネットワーク50に接続された各種装置から送信された情報を受信する受信部として機能し得る。
提示部860は、制御部810による制御に従って居住者に関連する人物に各種情報を提示する機能を有する。本実施形態では、提示部860は、スピーカを含んでおり、スピーカは、制御部810による制御に従って、居住者に関連する人物の音声を出力することが可能である。また、提示部860は、ディスプレイを含んでおり、ディスプレイは、制御部810による制御に従って、各種情報を表示することが可能である。例えば、ディスプレイは、訪問者の映像を表示することが可能である。
以上、本発明の実施形態に係る携帯端末80の機能構成例について説明した。
(1−8.情報処理システムの動作例)
続いて、図8〜図13を参照しながら(適宜図1〜図7も参照しながら)、本発明の実施形態に係る情報処理システム1の動作例について説明する。図8〜図13は、本発明の実施形態に係る情報処理システム1の動作例を示すフローチャートである。なお、図8〜図13は、本発明の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例を示すに過ぎない。したがって、図8〜図13に示した動作例の全部が情報処理システム1によって実行されてもよいし、図8〜図13に示した動作例の一部のみが情報処理システム1によって実行されてもよい。
まず、集合住宅サーバ10の記憶部120には、事前設定情報121が記憶される。事前設定情報121は、事前に居住者によって設定された情報であり、訪問者種別と集合住宅サーバ10の動作情報とが関連付けられた情報である。例えば、集合住宅サーバ10の動作情報は、玄関の解錠制御、玄関機20と住戸端末30との接続制御、玄関機20と任意のオペレータの端末との接続制御、玄関機20と所定の属性を有するオペレータの端末との接続制御、玄関機20と携帯端末80との接続制御、警備会社への発報などであってよい。
また、集合住宅サーバ10の記憶部120には、行動履歴情報122が記憶される。行動履歴情報122は、訪問者種別と訪問者の特徴データと居住者による過去の行動情報とが関連付けられた情報である。例えば、居住者による過去の行動情報は、住戸端末30に対して応答操作をしたことを示す情報、住戸端末30に対して玄関の解錠操作をしたことを示す情報、住戸端末30に対して応答操作および解錠操作をしなかったことを示す情報などであってよい。
訪問者は、集合住宅の玄関に到達すると、玄関機20の操作部230に対して、住戸端末30を指定する操作を入力する。玄関機20の通信部250は、操作部230によって住戸端末30を指定する操作が受け付けられると、指定された住戸端末30に対する呼び出しを発信する(S11)。集合住宅サーバ10の通信部130は、玄関機20の通信部250によって発信された呼び出しを受信する(S12)。
集合住宅サーバ10の取得部112は、通信部130によって呼び出しが受信されると、玄関機20のカメラによって撮像された訪問者の映像(撮像画像)を、通信部130を介して取得する。なお、ここでは、訪問者の映像が動画である場合を想定する。しかし、訪問者の映像は、静止画であってもよい。判定部113は、映像を解析して訪問者訪問者種別の判定を行う。具体的に、判定部113は、映像から訪問者の特徴データ(映像認識結果)を抽出し(S13)、訪問者の抽出データ(映像認識結果)に基づいて、訪問者種別を判定する(S14)。
ここで、訪問者種別は、特に限定されない。例えば、訪問者種別は、訪問者の職種(宅配業者、配達業者、集金業者、セールスマンなど)を含んでもよいし、居住者自身を示す種別を含んでもよいし、集合住宅内の他の住戸の居住者を示す種別を含んでもよいし、居住者の近親者(例えば、居住者の親戚など)を示す種別を含んでもよいし、不審者を示す種別を含んでもよいし、性別を含んでもよいし、年齢層(例えば、30歳代など)を含んでもよい。
なお、ここでは、判定部113が映像を解析して訪問者種別の判定を行う場合を想定する。しかし、判定部113による訪問者種別の判定はどのように行われてもよい。例えば、判定部113は、映像を解析する代わりに、玄関機20のマイクロフォンによって検出された訪問者が発する音声を解析して訪問者種別の判定を行ってもよい。具体的に、判定部113は、音声から訪問者の特徴データ(音声認識結果)を抽出し、訪問者の抽出データ(音声認識結果)に基づいて、訪問者種別を判定してもよい。あるいは、判定部113は、映像と音声の双方を解析して訪問者種別の判定を行ってもよい。以下の説明においても、特徴データは、音声認識結果および映像認識結果の両方を含む場合を主に想定する。しかし、特徴データは、音声認識結果および映像認識結果の少なくともいずれか一方を含んでもよい。
また、判定部113による訪問者種別の判定は、特徴データと訪問者種別との関連付けに基づいて行われてよい。例えば、かかる特徴データと訪問者種別との関連付けは、あらかじめ固定的に決められていてもよい。あるいは、特徴データと訪問者種別との複数通りの組み合わせを訓練用データとして用意できれば、特徴データと訪問者種別との関連付けは、かかる訓練用データに基づいて機械学習によって構築されるモジュール(AI(Artificial Intelligence)機能)によって実現されてもよい。
判定部113は、訪問者種別の他、事前設定情報および行動履歴情報に基づいて、集合住宅サーバ10の動作を決定する(S16)。かかる集合住宅サーバ10の動作の決定の手法としては、様々な決定の手法が想定される。
例えば、動作「玄関機20と所定の属性を有するオペレータの端末との接続制御」に関連付けられて第1の種別があらかじめ設定されている場合、かつ、訪問者種別が第1の種別である場合が想定される。かかる場合、判定部113は、集合住宅サーバ10の動作として動作「玄関機20と所定の属性を有するオペレータの端末との接続制御」を決定してよい。これによって、居住者が訪問者への応対の不要な手間を低減させ、居住者が訪問者に応対することによって訪問者から何らかの不利益を被るのではないかという不安を抱いてしまう可能性を低減させつつ、居住者にとって重要な訪問者による訪問を把握することが可能となる。
ここで、第1の種別および所定の属性は限定されない。例えば、訪問者が男性である場合には、特に居住者が訪問者に応対することによって訪問者から不利益を被るのではないかという不安をより強く抱いてしまう可能性があり得る。そのため、第1の種別は、性別が男性であるという種別を含み、所定の属性は、性別が男性であるという属性を含んでもよい。これによって、訪問者種別が男性である場合には、居住者の代わりに男性のオペレータが訪問者に応対することになるため、居住者の不安を低減することが可能となる。
判定部113は、訪問者種別だけではなく居住者種別の判定を行ってもよい。このとき、判定部113は、訪問者種別が第1の種別である場合、かつ、居住者種別が第2の種別である場合に、集合住宅サーバ10の動作として動作「玄関機20と所定の属性を有するオペレータの端末との接続制御」を決定してもよい。例えば、判定部113は、住戸端末30のカメラによって撮像された画像を解析することによって居住者種別を判定してもよい。
ここで、第2の種別は限定されない。例えば、居住者が女性である場合には、特に居住者が訪問者に応対することによって訪問者から不利益を被るのではないかという不安をより強く抱いてしまう可能性があり得る。そのため、第2の種別は、性別が女性であるという種別を含んでもよい。これによって、訪問者種別が男性である場合、かつ、居住者種別が女性である場合には、居住者の代わりに男性のオペレータが訪問者に応対することになるため、居住者の不安をより強く低減することが可能となる。
一方、動作「玄関機20と住戸端末30との接続制御」に関連付けられて第1の種別以外があらかじめ設定されている場合、かつ、訪問者種別が第1の種別以外である場合が想定される。かかる場合、判定部113は、集合住宅サーバ10の動作として動作「玄関機20と住戸端末30との接続制御」を決定してよい。これによって、訪問者種別が第1の種別である場合に、居住者自身が訪問者に応対することになるため、訪問者への応対を訪問時に直接自身が行うことが可能となる。
あるいは、動作「玄関機20と携帯端末80との接続制御」に関連付けられて第3の種別があらかじめ設定されている場合、かつ、訪問者種別が第1の種別である場合も想定される。かかる場合、判定部113は、集合住宅サーバ10の動作として動作「玄関機20と携帯端末80との接続制御」を決定してよい。これによって、訪問者種別が第3の種別である場合に、居住者の代わりに携帯端末80を利用する人物(例えば、子供の保護者)が訪問者に応対することになるため、居住者(例えば、子供)が訪問者から不利益を被る可能性を低減することが可能となる。
あるいは、動作「玄関機20と任意のオペレータの端末との接続制御」に関連付けられて第4の種別があらかじめ設定されている場合、かつ、訪問者種別が第4の種別である場合も想定される。かかる場合、判定部113は、集合住宅サーバ10の動作として動作「玄関機20と任意のオペレータの端末との接続制御」を決定してよい。これによって、訪問者種別が第4の種別である場合に、居住者の代わりに任意のオペレータが訪問者に応対することになるため、居住者の不安を低減することが可能となる。
判定部113は、行動履歴情報を参照して、集合住宅サーバ10の動作を決定してもよい。例えば、訪問者種別が第1の種別である場合、かつ、特徴データと一致または類似する過去の訪問者の特徴データが行動履歴情報に登録されていない場合、集合住宅に初めて訪問を行った訪問者が玄関機20で呼び出し操作を行ったと考えられる。そこで、かかる場合には、居住者の不安がより強いと考えられるため、判定部113は、集合住宅サーバ10の動作として動作「玄関機20と所定の属性を有するオペレータの端末との接続制御」を決定すればよい。
一方、訪問者種別が第1の種別である場合、かつ、特徴データと一致または類似する過去の訪問者の特徴データが行動履歴情報に登録されている場合、集合住宅に過去に訪問を行ったことがある訪問者が玄関機20で呼び出し操作を行ったと考えられる。そこで、かかる場合には、居住者の不安はさほど強くないと考えられるため、判定部113は、集合住宅サーバ10の動作として動作「玄関機20と住戸端末30との接続制御」を決定すればよい。
また、訪問者種別が第1の種別ではない場合に、訪問者種別と同一種別に対する居住者による過去の行動情報が行動履歴情報に登録されている場合が想定される。かかる場合には、判定部113は、集合住宅サーバ10の動作として、かかる過去の行動情報に対応する動作を決定すればよい。あるいは、訪問者種別が第1の種別ではない場合に、訪問者の特徴データと一致または類似する特徴データの訪問者に対する過去の行動情報が行動履歴情報に登録されている場合が想定される。かかる場合には、判定部113は、集合住宅サーバ10の動作として、かかる過去の行動情報に対応する動作を決定すればよい。
例えば、過去の行動情報「住戸端末30に対して応答操作をしたことを示す情報」には、動作「玄関機20と住戸端末30との接続制御」が対応していてよい。また、過去の行動情報「住戸端末30に対して玄関の解錠操作をしたことを示す情報」には、動作「玄関の解錠制御」が対応していてよい。また、過去の行動情報「住戸端末30に対して応答操作および解錠操作をしなかったことを示す情報」には、動作「玄関機20と任意のオペレータの端末との接続制御」または動作「玄関機20と所定の属性を有するオペレータの端末との接続制御」が対応していてよい。
なお、玄関機20と住戸端末30以外の端末への接続制御は、無条件で行われてよい。あるいは、玄関機20と住戸端末30以外の端末への接続制御は、居住者によって住戸端末30を介して転送設定がなされている場合に行われてもよい。すなわち、訪問者種別が第1の種別である場合、かつ、事前に居住者によって転送設定が行われている場合、集合住宅サーバ10の動作として、動作「玄関機20と所定の属性を有するオペレータの端末との接続制御」が決定されてもよい。一方、居住者によって住戸端末30を介して転送設定がなされていない場合には、玄関機20と住戸端末30との接続制御が行われてもよい。
出力制御部114は、判定部113によって動作「玄関機20と住戸端末30との接続制御」が決定された場合、玄関機20と住戸端末30とが接続されるように制御する。すなわち、出力制御部114は、判定部113によって住戸端末30への呼び出しの転送が決定された場合(S16において「YES」)、通信部130を介して呼び出しを住戸端末30に転送し(S17)、S19に進む。住戸端末30においては、通信部350は、呼び出しを受信する(S18)。一方、出力制御部114は、判定部113によって動作「玄関機20と住戸端末30との接続制御」が決定されなかった場合、S19に進む。
出力制御部114は、判定部113によって動作「玄関機20と携帯端末80との接続制御」が決定された場合、玄関機20と携帯端末80とが接続されるように制御する。すなわち、出力制御部114は、判定部113によって携帯端末80への呼び出しの転送が決定された場合(S19において「YES」)、通信部130を介して呼び出しを携帯端末80に転送し(S20)、S31に進む。携帯端末80においては、通信部850は、呼び出しを受信する(S21)。一方、出力制御部114は、判定部113によって動作「玄関機20と携帯端末80との接続制御」が決定されなかった場合、S31に進む。
出力制御部114は、判定部113によって動作「玄関機20と任意のオペレータの端末との接続制御」が決定された場合、玄関機20と任意のオペレータの端末とが接続されるように制御する。すなわち、出力制御部114は、判定部113によって任意のオペレータの端末への呼び出しの転送が決定された場合(S31において「YES」)、通信部130を介して呼び出しをコンタクトセンタサーバ60に転送し(S32)、S36に進む。
コンタクトセンタサーバ60においては、通信部630は、呼び出しを受信し(S33)、制御部610は、オペレータ情報に基づいて任意のオペレータの端末を決定し、通信部630は、任意のオペレータの端末(オペレータ端末70)に呼び出しを転送する(S34)。オペレータ端末70においては、通信部750は、呼び出しを受信する(S35)。一方、出力制御部114は、判定部113によって動作「玄関機20と携帯端末80との接続制御」が決定されなかった場合、S31に進む。
出力制御部114は、判定部113によって動作「玄関機20と所定の属性を有するオペレータの端末との接続制御」が決定された場合、玄関機20と所定の属性を有するオペレータの端末とが接続されるように制御する。すなわち、出力制御部114は、判定部113によって所定の属性を有するオペレータの端末への呼び出しの転送が決定された場合(S36において「YES」)、通信部130を介して呼び出しをコンタクトセンタサーバ60に転送し(S37)、S41に進む。
コンタクトセンタサーバ60においては、通信部630は、呼び出しを受信し(S38)、制御部610は、オペレータ情報に基づいて所定の属性を有するオペレータの端末を決定し、通信部630は、所定の属性を有するオペレータの端末(オペレータ端末70)に呼び出しを転送する(S39)。オペレータ端末70においては、通信部750は、呼び出しを受信する(S40)。一方、出力制御部114は、判定部113によって動作「玄関機20と所定の属性を有するオペレータの端末との接続制御」が決定されなかった場合、S41に進む。
出力制御部114は、訪問者の特徴データおよび訪問者種別を行動履歴情報に登録する(S41)。
住戸端末30において、通信部350によって呼び出しが受信されている間に居住者によって拒否操作が操作部330に入力された場合には(S51において「YES」)、通信部350は、呼び出し終了指示を玄関機20に送信し(S52)、S54に進む。一方、住戸端末30において、通信部350によって呼び出しが受信されている間に居住者によって拒否操作が操作部330に入力されない場合には(S51において「NO」)、S54に進む。玄関機20において、通信部250が、呼び出し終了指示を受信すると、制御部210は、呼び出しを終了する(S53)。
住戸端末30において、通信部350によって呼び出しが受信されている間に居住者によって解錠操作が操作部330に入力された場合には(S54において「YES」)、通信部350は、解錠要求を玄関機20に送信し(S55)、S57に進む。玄関機20において、通信部250が、解錠要求を受信すると、制御部210は、解錠動作を行う(S56)。
住戸端末30において、通信部350によって呼び出しが受信されている間に居住者によって応答操作が操作部330に入力された場合には(S57において「YES」)、玄関機20と住戸端末30とが接続され、通信部350は、マイクロフォンによって検出された居住者の音声送信を開始し(S55)、S71に進む。集合住宅サーバ10の通信部130は、居住者の音声を受信すると、居住者の音声を玄関機20に送信する。玄関機20において、通信部250は、居住者の音声受信を開始すると(S59)、スピーカは、居住者の音声の出力を開始する。
玄関機20においては、通信部250によって呼び出しが発信されている間に、訪問者によって終了操作が操作部230に入力された場合には(S61において「YES」)、通信部250は、呼び出しの発信を終了する(S62)。一方、玄関機20においては、通信部250によって呼び出しが発信されている間に、訪問者によって終了操作が操作部230に入力されない場合には(S61において「NO」)、制御部210は、S80に進む。
玄関機20と住戸端末30とが接続された後、居住者からの転送操作が住戸端末30の操作部330に入力された場合を想定する。かかる場合には、出力制御部114は、「玄関機20」と「住戸端末30とは異なる端末」とが接続されるように制御してよい。ここでは、「住戸端末30とは異なる端末」がオペレータ端末70である場合を主に想定する。すなわち、住戸端末30から玄関機20に音声が送信されている間に居住者からの転送操作があった場合に、呼び出しがオペレータ端末70に転送される場合を主に想定する。しかし、「住戸端末30とは異なる端末」は、携帯端末80であってもよい。
住戸端末30においては、通信部350は、自端末(住戸端末30)から玄関機20に音声が送信されている間に居住者から転送操作があった場合(S71において「YES」)、集合住宅サーバ10に転送要求を送信する(S72)。集合住宅サーバ10においては、通信部130は、転送要求を受信すると(S73)、コンタクトセンタサーバ60に呼び出しを発信する(S74)。コンタクトセンタサーバ60においては、通信部630は、呼び出しを受信すると(S75)、オペレータ端末70に呼び出しを転送する(S76)。
オペレータ端末70においては、通信部750によって呼び出しが受信される(S77)。そして、通信部750によって呼び出しが受信されている間にオペレータからの応答操作がオペレータ端末70の操作入力部730に入力された場合には(S78において「YES」)、玄関機20とオペレータ端末70とが接続され、通信部750は、マイクロフォンによって検出されたオペレータの音声送信を開始する(S79)。これによって、居住者が訪問者への応対を開始したものの、応対の途中で他の人物に応対を変わりたくなった場合などに(例えば、子供が訪問者に応対し始めたものの、途中で保護者による応対が必要であると判断した場合などに)、当該他の人物に訪問者への応対を変わることができる。
訪問者の映像音声(および訪問者の音声から認識されたテキストデータ)、および、オペレータの音声(およびオペレータの音声から認識されたテキストデータ)は、コンタクトセンタサーバ60の記憶部620によって逐一記憶されてよい。そうすれば、住戸端末30の操作部330に居住者の再生操作が入力された場合に、制御部310は、コンタクトセンタサーバ60の記憶部620から、訪問者の映像音声(および訪問者の音声から認識されたテキストデータ)、および、オペレータの音声(およびオペレータの音声から認識されたテキストデータ)を取得し、再生することができる。これによって、居住者は、訪問者が重要であったかを後に確認することができる。
集合住宅サーバ10の通信部130は、オペレータの音声を受信すると、オペレータの音声を玄関機20に送信し、玄関機20において、通信部250は、オペレータの音声受信を開始すると(S80)、スピーカは、オペレータの音声の出力を開始する。
携帯端末80において、通信部850によって呼び出しが受信されている間に携帯端末80を利用する人物からの応答操作が携帯端末80の操作入力部830に入力された場合には(S81において「YES」)、玄関機20と携帯端末80とが接続され、通信部850は、マイクロフォンによって検出された携帯端末80を利用する人物の音声送信を開始する(S82)。集合住宅サーバ10の通信部130は、携帯端末80を利用する人物の音声を受信すると、携帯端末80を利用する人物の音声を玄関機20に送信し、玄関機20において、通信部250は、携帯端末80を利用する人物の音声受信を開始すると(S83)、スピーカは、携帯端末80を利用する人物の音声の出力を開始する。
訪問者の映像音声(および訪問者の音声から認識されたテキストデータ)、および、オペレータの音声(およびオペレータの音声から認識されたテキストデータ)は、携帯端末80の記憶部840によって逐一記憶されてよい。そうすれば、住戸端末30の操作部330に居住者の再生操作が入力された場合に、制御部310は、携帯端末80の記憶部840から、訪問者の映像音声(および訪問者の音声から認識されたテキストデータ)、および、オペレータの音声(およびオペレータの音声から認識されたテキストデータ)を取得し、再生することができる。これによって、居住者は、訪問者が重要であったかを後に確認することができる。
なお、ここでは、居住者が訪問者の応対している間に居住者によって明示的な転送操作があった場合に、住戸端末30とは異なる端末に呼び出しが転送される場合を主に想定した。しかし、居住者が訪問者の応対している間に所定の状況(例えば、訪問者が居住者に不利益を与える可能性のある行為など)が検出された場合に、自動的に住戸端末30とは異なる端末に呼び出しが転送されてもよい。そうすれば、居住者が訪問者から不利益を被る可能性が低減される。
すなわち、出力制御部114は、玄関機20と住戸端末30とが接続された後、玄関機20のマイクロフォンに入力された訪問者の音声を解析し、訪問者の音声から所定のテキストデータ(例えば、訪問者が居住者に不利益を与える可能性のある所定の発話内容など)が認識された場合、「玄関機20」と「住戸端末30とは異なる端末」とが接続されるように制御してもよい。「住戸端末30とは異なる端末」は、上記した通りである。これによって、例えば、最初は不審者であると認識されなかった訪問者に子供が応対し始めてしまった場合でも、発話内容から訪問者が不審者であることが事後に認識された場合に、子供が誤って解錠してしまう可能性を低減することができる。
訪問者に応対しているオペレータの音声は、玄関機20のスピーカによって出力されるため、訪問者には聞こえている。一方、訪問者に応対しているオペレータの音声は、居住者に聞こえなくてもよいが、居住者にも聞こえるようにされているのがよい。すなわち、集合住宅サーバ10において、出力制御部114は、玄関機20とオペレータ端末70とが接続された場合、オペレータ端末70から受信されたオペレータの音声を住戸端末30に送信するのがよい。そうすれば、居住者は、訪問者が重要であるかをリアルタイムに確認することができる。
より具体的に、他端末(上記した「住戸端末30とは異なる端末」)において音声送信が開始された場合には、集合住宅サーバ10において、通信部130は、当該他端末から音声受信を開始し、受信した音声の住戸端末30への転送を開始する(S85)。住戸端末30において、通信部350は、通信部130によって転送された音声受信を開始し(S86)、スピーカは、通信部350によって受信された音声出力を開始する(S87)。
玄関機20と「住戸端末30とは異なる端末」とが接続された後、居住者からの応答操作が住戸端末30の操作部330に入力された場合を想定する。かかる場合には、出力制御部114は、玄関機20と住戸端末30とが接続されるように制御してよい。ここでは、「住戸端末30とは異なる端末」がオペレータ端末70である場合を主に想定する。すなわち、オペレータ端末70から玄関機20に音声が送信されている間に居住者からの応答操作があった場合に、玄関機20と住戸端末30とが接続制御される場合を主に想定する。しかし、「住戸端末30とは異なる端末」は、携帯端末80であってもよい。
住戸端末30においては、通信部350は、他端末(オペレータ端末70)から玄関機20に音声が送信されている間に居住者から応答操作があった場合(S91において「YES」)、オペレータ端末70に応答要求を送信する(S93)。オペレータ端末70においては、通信部750は、応答要求を受信し(S93)、提示部760は、応答要求の受信を示す表示を行う。応答要求の受信を示す表示は、「居住者によって応答操作が入力されました。速やかに訪問者への応対を居住者に変わってください」などといった表示であってよい。
オペレータは、応答要求の受信を示す表示を確認し、訪問者への応対を居住者に変わろうと判断した場合、操作入力部730に切り替え操作を入力する。オペレータ端末70の通信部750は、居住者から操作入力部730に切り替え操作が入力された場合(S95において「YES」)、切り替え要求を送信する(S96)。集合住宅サーバ10において、通信部130は、切り替え要求を受信すると(S97)、出力制御部114は、訪問者への応対の切り替えを制御する(S98)。すなわち、玄関機20と住戸端末30とが接続され、出力制御部114は、住戸端末30のマイクロフォンによって検出された居住者の音声が玄関機20に送信されるように制御する。
住戸端末30においては、通信部350は、マイクロフォンによって検出された居住者の音声送信を開始する(S99)。集合住宅サーバ10の通信部130は、居住者の音声を受信すると、居住者の音声を玄関機20に送信し、玄関機20において、通信部250は、居住者の音声受信を開始すると(S100)、スピーカは、居住者の音声の出力を開始する。
なお、住戸端末30から玄関機20への音声送信開始とともに、玄関機20とオペレータ端末70との接続は切断されてもよいし、維持されてもよい。玄関機20とオペレータ端末70との接続は切断された場合、訪問者の映像音声はオペレータ端末70に送信されなくなり、オペレータは、訪問者の映像音声を確認することができなくなる。一方、玄関機20とオペレータ端末70との接続は維持された場合、訪問者の映像音声および居住者の音声がオペレータ端末70に送信されるため、オペレータは、訪問者の映像音声および居住者の音声を確認することができる。
住戸端末30において、通信部350は、訪問者に対する居住者の行動情報を送信する(S101)。集合住宅サーバ10において、通信部130は、居住者の行動情報を受信し(S102)、訪問者の特徴データおよび訪問者種別に行動情報を関連付ける処理を行う(S103)。
以上、本発明の実施形態に係る情報処理システム1の動作例について説明した。
(2.ハードウェア構成例)
続いて、本発明の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明する。なお、ここでは、上記した情報処理装置のハードウェア構成について説明するが、玄関機20、住戸端末30、コンタクトセンタサーバ60、オペレータ端末70および携帯端末80のハードウェア構成も、情報処理装置のハードウェア構成と同様に実現され得る。すなわち、本発明の実施形態に係る各種装置のハードウェア構成は、以下に説明するような、情報処理装置900のハードウェア構成によって実現され得る。
図14は、本発明の実施形態に係る情報処理装置900のハードウェア構成を示す図である。情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901と、ROM(Read Only Memory)902と、RAM(Random Access Memory)903と、ホストバス904と、ブリッジ905と、外部バス906と、インタフェース907と、入力装置908と、出力装置909と、ストレージ装置910と、通信装置911と、を備える。
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置900内の動作全般を制御する。また、CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス904により相互に接続されている。
ホストバス904は、ブリッジ905を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バス等の外部バス906に接続されている。なお、必ずしもホストバス904、ブリッジ905および外部バス906を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
入力装置908は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチおよびレバー等ユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路等から構成されている。情報処理装置900を操作するユーザは、この入力装置908を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置909は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置、ランプ等の表示装置およびスピーカ等の音声出力装置を含む。
ストレージ装置910は、データ格納用の装置である。ストレージ装置910は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置等を含んでもよい。ストレージ装置910は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成される。このストレージ装置910は、ハードディスクを駆動し、CPU901が実行するプログラムや各種データを格納する。
通信装置911は、例えば、ネットワークに接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、通信装置911は、無線通信または有線通信のどちらに対応してもよい。
以上において、本発明の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明した。
(3.まとめ)
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上記では、出力制御部114が、訪問者種別が第1の種別である場合に、玄関機20とコンタクトセンタのオペレータ端末70とが接続されるように制御する場合を主に想定した。しかし、玄関機20とコンタクトセンタのオペレータ端末70とが接続されるように制御される条件は限定されない。例えば、出力制御部114が、無条件に玄関機20と住戸端末30とが接続されるように制御し、所定の時間を経過しても、居住者による応答操作がない場合に、玄関機20とコンタクトセンタのオペレータ端末70とが接続されるように制御してもよい。
また、上記では、玄関機20とどの端末を接続させるかを訪問者種別ごとに事前に設定する場合を主に想定した。しかし、玄関機20とどの端末を接続させるかを時間帯ごとに事前に設定してもよい。そうすれば、例えば、日中の時間帯に子供の保護者が住戸内に不在であり、子供が住戸内に留守番をするケースが多い場合などには、日中の時間帯における呼び出しを必ず保護者の携帯端末に転送することができる。
また、上記では、玄関機20とオペレータ端末70とを接続させる条件として、訪問者種別が第1の種別(例えば、性別が男性)であるという条件が事前に設定される例を説明した。しかし、玄関機20とオペレータ端末70とを接続させる条件は、かかる例に限定されない。例えば、玄関機20とオペレータ端末70とを接続させる条件は、訪問者の職種が特定の職種(例えば、セールスマン)であるという条件であってもよい。あるいは、玄関機20と警備会社の端末とを接続させる条件として、訪問者が不審者であるという条件が設定されてもよい。
あるいは、玄関機20と住戸端末30とを接続させる条件が事前に設定されてもよい。例えば、玄関機20と住戸端末30とを接続させる条件は、訪問者種別が特定の種別(例えば、近親者、集合住宅内の他の住戸の居住者など)であるという条件であってもよい。このような訪問者であれば、子供が住戸内に留守番している場合であっても住戸内に呼び出しが行われても、子供が訪問者から不利益を被る可能性は低いと考えられるからである。