JP2020029611A - 銅ナノ粒子の製造方法 - Google Patents

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Kazumasa Okada
一誠 岡田
元彦 杉浦
Motohiko Sugiura
元彦 杉浦
浩樹 覚道
Hiroki KAKUDO
浩樹 覚道
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Abstract

【課題】洗浄時の水量を軽減して効率よく銅ナノ粒子の不純物を除去できるとともに、酸化が抑制されつつ分散性が良好な銅ナノ粒子を得ることができる銅ナノ粒子の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の一態様に係る銅ナノ粒子の製造方法は、還元剤及び分散剤を添加した水溶液中での銅イオンの還元により平均粒子径200nm以下の銅ナノ粒子の分散液を調製する工程と、上記調製する工程後の銅ナノ粒子の分散液を液相と銅ナノ粒子を含む固相とに遠心分離する工程と、上記遠心分離する工程後の上記銅ナノ粒子を含む固相に純水を添加する工程と、上記純水を添加する工程後に上記銅ナノ粒子を含む固相をタービン及びステータを備える高速回転式ホモジナイザーにより洗浄する工程とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、銅ナノ粒子の製造方法に関する。
金属ナノ粒子を溶液中に析出させる液相還元法が知られている。この液相還元法は、例えば錯化剤及び分散剤を含む溶液中で金属イオンを還元剤によって還元させることで金属ナノ粒子を溶液中に析出させるものである。液相還元法によって溶液中に析出した金属ナノ粒子は、溶液中の不純物を除去した後、純水等の溶媒が加えられ、濃度が調整されることで金属ナノインクとして用いられる。
上記溶液中から金属ナノ粒子以外の不純物を除去する方法として、例えば遠心分離機を用いて金属ナノ粒子を遠心分離する方法が発案されている(特開2006−183092号公報参照)。
特開2006−183092号公報
しかしながら、上記公報に記載の製造方法は、遠心分離後の上記銅ナノ粒子を含む固相の分散性を高める点で課題を有する。つまり、上記液相還元法では、金属ナノ粒子の凝集を抑制するために、一般に還元剤及び分散剤を添加した水溶液中での銅イオンの還元が行われる。一方、水溶液中で合成した銅ナノ粒子は、不純物を除去するために、遠心分離脱水後に純水添加して洗浄する工程を繰り返して行う必要がある。その結果、この製造方法によっては、銅ナノ粒子の洗浄時に多量の純水を添加すると銅ナノ粒子表面に結合した分散剤が純水中に溶解して過剰に除去されてしまい、遠心分離後の上記銅ナノ粒子を含む固相の分散性が低くなるおそれがある。さらに、銅ナノ粒子は酸化されやすいことから、洗浄工程中の銅ナノ粒子の酸化を抑制する必要もある。
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、洗浄時の水量を軽減して効率よく銅ナノ粒子の不純物を除去できるとともに、酸化が抑制されつつ分散性が良好な銅ナノ粒子を得ることができる銅ナノ粒子の製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る金属ナノ粒子の製造方法は、 還元剤及び分散剤を添加した水溶液中での銅イオンの還元により平均粒子径200nm以下の銅ナノ粒子の分散液を調製する工程と、上記調製する工程後の銅ナノ粒子の分散液を液相と銅ナノ粒子を含む固相とに遠心分離する工程と、上記遠心分離する工程後の上記銅ナノ粒子を含む固相に純水を添加する工程と、上記純水を添加する工程後に上記銅ナノ粒子を含む固相を、タービン及びステータを備える高速回転式ホモジナイザーにより洗浄する工程とを備える。
本発明の銅ナノ粒子の製造方法は、洗浄時の水量を軽減して効率よく銅ナノ粒子の不純物を除去できるとともに、酸化が抑制されつつ分散性が良好な銅ナノ粒子を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る銅ナノ粒子の製造方法を示すフロー図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一態様に係る銅ナノ粒子の製造方法は、還元剤及び分散剤を添加した水溶液中での銅イオンの還元により平均粒子径200nm以下の銅ナノ粒子の分散液を調製する工程と、上記調製する工程後の銅ナノ粒子の分散液を液相と銅ナノ粒子を含む固相とに遠心分離する工程と、上記遠心分離する工程後の上記銅ナノ粒子を含む固相に純水を添加する工程と、上記純水を添加する工程後に上記銅ナノ粒子を含む固相を、タービン及びステータを備える高速回転式ホモジナイザーにより洗浄する工程とを備える。
当該銅ナノ粒子の製造方法は、上記純水を添加する工程後に上記銅ナノ粒子を含む固相を、タービン及びステータを備える高速回転式ホモジナイザーにより洗浄する工程を備えるので、銅ナノ粒子を含む固相の純水への分散性に優れる。そのため、少量の純水で不純物の除去効果を大きく向上でき、洗浄回数も大きく軽減できる。また、銅ナノ粒子の表面には、上記銅ナノ粒子の分散液を調製する工程における銅イオンの還元時に用いられた分散剤が結合しているが、多量の純水を用いて上記洗浄する工程を行うと、上記分散剤が銅ナノ粒子の表面から過剰に取り除かれるおそれがある。当該銅ナノ粒子の製造方法は、洗浄する工程でタービン及びステータを備える高速回転式ホモジナイザーを用いることで、洗浄時の水量を減少できるので、上記分散剤が銅ナノ粒子の表面から過剰に取り除かれることを抑制できる。さらに、タービン及びステータを備える高速回転式ホモジナイザーは、撹拌力を適度に抑制できるので、過剰な撹拌による銅ナノ粒子の酸化の進行を軽減できる。従って、当該銅ナノ粒子の製造方法は、洗浄時の水量を軽減して効率よく銅ナノ粒子の不純物を除去できるとともに、銅ナノ粒子の酸化を抑制しつつ、分散性が良好な銅ナノ粒子を得ることができる。
上記洗浄する工程における上記高速回転式ホモジナイザーの回転数が3000rpm以上25000rpm以下であることが好ましい。このように、上記洗浄する工程における上記高速回転式ホモジナイザーの回転数が3000rpm以上25000rpm以下であることで、銅ナノ粒子の不純物を除去する効果、銅ナノ粒子の酸化を抑制する効果及び分散性をより向上できる。
当該銅ナノ粒子の製造方法は、上記洗浄する工程を減圧下で行うことが好ましい。このように、上記洗浄する工程を減圧下で行うことで酸化の要因となる純水中の溶存酸素を除去できるので、酸化されやすい銅ナノ粒子の酸化を抑制できる。
当該銅ナノ粒子の製造方法は、上記純水を添加する工程で、上記純水に予め上記分散剤を添加することが好ましい。このように、上記純水を添加する工程で純水に予め上記分散剤を添加することで、洗浄工程で、上記分散剤が銅ナノ粒子の表面から過剰に取り除かれることを抑制できる。
当該銅ナノ粒子の製造方法は、上記純水を添加する工程で、上記純水に予め不活性ガスバブリングを行うことにより上記純水中の溶存酸素を除去することが好ましい。このように純水に予め不活性ガスバブリングを行うことにより、酸化の要因となる純水中の溶存酸素を除去することで、酸化されやすい銅ナノ粒子の酸化を抑制できる。
なお、本発明において、銅ナノ粒子の分散液における銅ナノ粒子の「平均粒子径」とは、動的光散乱法で測定した体積基準の累積分布から算出されるメジアン径(D50)をいう。
[本発明の実施形態の詳細]
<銅ナノ粒子の製造方法>
以下、本発明に係る銅ナノ粒子の製造方法の各実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
図1は、本発明の一実施形態の銅ナノ粒子の製造方法の手順を示す。当該銅ナノ粒子の製造方法は、還元剤及び分散剤を添加した水溶液中での銅イオンの還元により平均粒子径200nm以下の銅ナノ粒子の分散液を調製する工程(銅ナノ粒子分散液調製工程:ステップS1)と、上記調製する工程後の銅ナノ粒子の分散液を液相と銅ナノ粒子を含む固相とに遠心分離する工程(遠心分離工程:ステップS2)と、上記遠心分離する工程後の上記銅ナノ粒子を含む固相に純水を添加する工程(純水添加工程:ステップS3)と、上記純水を添加する工程後に上記銅ナノ粒子を含む固相をタービン及びステータを備える高速回転式ホモジナイザーにより洗浄する工程(洗浄工程:ステップS4)とを備える。また、上記純水を添加する工程及び上記洗浄する工程は、必要に応じて複数回繰り返すことができる。なお、当該銅ナノ粒子の製造方法によって得られる銅ナノ粒子は、溶媒により濃度を調製することにより、銅ナノインクを製造できる。この銅ナノインクは、例えばプリント配線板のベースフィルム上に銅ナノ粒子の焼結体層を形成するのに用いられる。
[銅ナノ粒子分散液調製工程]
銅ナノ粒子分散液調製工程では、還元剤及び分散剤を添加した水溶液中での銅イオンの還元により平均粒子径200nm以下の銅ナノ粒子の分散液を調製する。例えば水に銅ナノ粒子を形成する銅イオンのもとになる水溶性の銅化合物と、分散剤及び錯化剤とを溶解させると共に、還元剤を加えて一定時間銅イオンを還元反応させる。この液相還元法で製造される銅ナノ粒子は、形状が球状又は粒状で揃っており、しかも平均粒子径が50nm以下の微細な粒子とすることができる。上記銅イオンのもとになる水溶性の銅化合物としては、硝酸銅(II)三水和物(Cu(NO・3HO)、硫酸銅(II)五水和物(CuSO・5HO)等が挙げられる。
上記還元剤としては、液相(水溶液)の反応系において、銅イオンを還元及び析出させることができる種々の還元剤を用いることができる。この還元剤としては、例えば水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、ヒドラジン、3価のチタンイオンや2価のコバルトイオン等の遷移金属のイオン、アスコルビン酸、グルコースやフルクトース等の還元性糖類、エチレングリコールやグリセリン等の多価アルコールなどが挙げられる。中でも、還元剤としては3価のチタンイオンが好ましい。なお、3価のチタンイオンを還元剤とする液相還元法は、チタンレドックス法という。チタンレドックス法では、3価のチタンイオンが4価に酸化される際の酸化還元作用によって銅イオンを還元し、銅ナノ粒子を析出させる。このチタンレドックス法によると、微細かつ均一な粒子径を有する銅ナノ粒子を形成しやすい。
上記分散剤は、周辺部材の劣化防止の観点より、硫黄、リン、ホウ素、ハロゲン及びアルカリを含まないものが好ましい。好ましい分散剤としては、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン等の窒素含有高分子分散剤、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース等の分子中にカルボキシ基を有する炭化水素系の高分子分散剤、ポバール(ポリビニルアルコール)、スチレン−マレイン酸共重合体、オレフィン−マレイン酸共重合体、1分子中にポリエチレンイミン部分とポリエチレンオキサイド部分とを有する共重合体等の極性基を有する高分子分散剤などを挙げることができる。
上記錯化剤としては、例えばクエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、グルコン酸、チオ硫酸ナトリウム、アンモニア、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。中でも、上記錯化剤としてはクエン酸ナトリウムが好ましい。
銅ナノ粒子の粒子径を調整するには、銅化合物、分散剤及び還元剤の種類並びに配合割合を調整すると共に、銅化合物を還元反応させる際に、攪拌速度、温度、時間、pH等を調整すればよい。反応系のpHの下限としては7が好ましく、反応系のpHの上限としては13が好ましい。反応系のpHを上記範囲とすることで、微小な粒子径の銅ナノ粒子を得ることができる。このときpH調整剤を用いることで、反応系のpHを上記範囲に容易に調整することができる。このpH調整剤としては、塩酸、硫酸、硝酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等の一般的な酸又はアルカリが使用できるが、特に周辺部材の劣化を防止するために、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン元素、硫黄、リン、ホウ素等の不純物を含まない硝酸及び炭酸ナトリウムが好ましい。
銅ナノ粒子の分散液における銅ナノ粒子の含有割合としては、例えば0.1質量%以上5.0質量%以下が好ましい。
銅ナノ粒子の平均粒子径の下限としては、1nmが好ましく、10nmがより好ましい。一方、銅ナノ粒子の平均粒子径の上限としては、200nmであり、150nmが好ましい。銅ナノ粒子の平均粒子径が上記下限に満たない場合、例えば銅ナノ粒子を銅ナノインクに用いた場合に、銅ナノ粒子の分散性及び安定性が低下することにより、プリント配線板用基板のベースフィルムの表面に均一に積層することが容易でなくなるおそれがある。一方、銅ナノ粒子の平均粒子径が上記上限を超える場合、例えば銅ナノ粒子を銅ナノインクに用いた場合に、形成される銅ナノインクの乾燥塗膜の焼結体層中の空隙が大きくなり、十分な導電性が得られないおそれがある。
[遠心分離工程]
遠心分離工程では、上記調製する工程後の銅ナノ粒子の分散液を液相と銅ナノ粒子を含む固相とに遠心分離する。上記遠心分離は遠心分離装置により行うことができる。
遠心分離工程における遠心加速度の下限としては、10000Gが好ましく、20000Gがより好ましい。上記遠心加速度が上記下限に満たないと、銅ナノ粒子を十分に遠心分離することができないおそれがある。なお、上記遠心加速度の上限としては、特に限定されないが、例えば120000Gとすることができる。上記遠心加速度が上記上限を超えると、遠心分離後の銅ナノ粒子を含む固相の濃度が高くなり過ぎて、この銅ナノ粒子を含む固相が容器等に固着し歩留まりが低下するおそれがある。
[純水添加工程]
純水添加工程では、上記遠心分離する工程後の上記銅ナノ粒子を含む固相に純水を添加する。具体的には遠心分離後の銅ナノ粒子を含む固相を容器に取りだした後、純水を加えながらガラス棒で撹拌する。
上記純水添加工程では、上記純水に予め上記分散剤を添加することが好ましい。上記分散剤の添加量の下限としては、上記固相に対して0.1質量%が好ましく、1.0質量%がより好ましい。上記分散剤の添加量が上記下限に満たないと、洗浄工程で、上記分散剤が銅ナノ粒子の表面から過剰に取り除かれることに対する抑制効果が十分得られないおそれがある。上記分散剤の添加量の上限としては、上記固相に対して10.0質量%が好ましく、5.0質量%がより好ましい。上記分散剤の添加量が上記上限を超えると、分散剤が粒子洗浄後に残留しやすく、焼結工程での残渣となるおそれがある。
上記純水添加工程では、上記純水に予め不活性ガスバブリングを行うことにより上記純水中の溶存酸素を除去することが好ましい。純水に予め不活性ガスバブリングを行うことにより純水中の溶存酸素を除去することで、酸化されやすい銅ナノ粒子の酸化を抑制できる。
不活性ガスとは、銅ナノ粒子を腐食させない気体であって、酸素濃度が低い気体、具体的には酸素の体積含有量が10%以下、好ましくは1%以下の気体をいう。上記不活性ガスとしては、例えば窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。中でも、安価な窒素ガスが好ましい。
上記不活性ガスバブリングにおける純水に対する不活性ガスのバブリング量としては、100ml/L以上500ml/L以下が好ましい。上記不活性ガスのバブリング量が上記範囲であることで、効果的に純水中の溶存酸素を除去できる。
また、純水中の最終的な溶存酸素量としては、1.0mg/L以下が好ましい。純水中の最終的な溶存酸素量を上記範囲とすることで、酸化されやすい銅ナノ粒子の酸化を効果的に抑制できる。
[洗浄工程]
洗浄工程では、上記純水添加工程後に銅ナノ粒子の分散液をタービン及びステータを備えるホモジナイザーにより撹拌する。本工程では、銅ナノ粒子の分散液をタービン及びステータを備える高速回転式ホモジナイザーにより撹拌することで、洗浄時の水量を減少できるので、上記分散剤が銅ナノ粒子の表面から過剰に取り除かれることを抑制できる。さらに、タービン及びステータを備える高速回転式ホモジナイザーは、撹拌力を適度に抑制できるので、過剰な撹拌による銅ナノ粒子の酸化の進行を軽減できる。
上記洗浄工程における上記高速回転式ホモジナイザーの回転数の下限としては、3000rpmPaが好ましく、5000rpmPaがより好ましい。上記高速回転式ホモジナイザーの回転数が上記下限に満たない場合、不純物の除去効果が十分でないおそれがある。一方、上記回転数の上限としては、25000rpmPaが好ましく、20000rpmPaがより好ましい。上記回転数が上記上限を超える場合、過剰な撹拌によるナノ粒子の酸化の進行が生じるおそれがある。
上記洗浄工程は、減圧下で行うことが好ましい。上記洗浄工程を減圧下で行うことで酸化の要因となる純水中の溶存酸素を除去できるので、酸化されやすい銅ナノ粒子の酸化を抑制できる。
減圧条件としては、100000Pa以下が好ましく、10000Pa以下がより好ましい。
当該銅ナノ粒子の製造方法により製造された銅ナノ粒子は、例えば上述の洗浄工程後に再度遠心分離により濃縮した後に、銅ナノ粒子の分散液の銅ナノ粒子の濃度を調整することにより、銅ナノインクを製造することができる。
当該銅ナノ粒子の製造方法によれば、洗浄時の水量を軽減して効率よく銅ナノ粒子の不純物を除去できるとともに、酸化が抑制されつつ分散性が良好な銅ナノ粒子を得ることができる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
上記実施形態においては、純水を添加する工程で、純水に予め不活性ガスバブリングを行うことを説明したが、洗浄工程中に純水に不活性ガスバブリングを行うことにより純水中の溶存酸素を除去してもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<銅ナノ粒子>
[No.1]
(1)銅ナノ粒子分散液調製工程
初めに、反応タンクに還元剤としての20%三塩化チタン溶液を160g0.1M、pH調整剤としての炭酸ナトリウムを100g、錯化剤としてのクエン酸ナトリウムを180g、及び分散剤としてのポリビニルピロリドン(分子量30000)6gを純水1.8Lに溶解し、この水溶液を40℃に保温した。この水溶液に同温度で保温した50%硝酸銅水溶液を40g0.04Mの水溶液を撹拌しながら2秒で投入して、銅ナノ粒子5gを析出させ銅ナノ粒子の分散液を調製した。
(2)遠心分離工程
上記調製後の銅ナノ粒子の分散液を遠心加速度20000Gで10分間遠心分離し、濃縮した。
(3)純水添加工程
次に、上記銅ナノ粒子5gを含む固相に純水300gを添加した。
(4)洗浄工程
次に、上記純水添加後の銅ナノ粒子の分散液をプライミクス株式会社製のタービン及びステータを備える高速回転式ホモジナイザー「ラボ・リューション」を用いて、回転数8000rpmで5分間撹拌することで銅ナノ粒子を洗浄した。
(5)再遠心分離工程
次に、上記洗浄工程後の銅ナノ粒子の分散液を遠心加速度20000Gで10分間再度遠心分離を行い、濃縮した。
(銅ナノインクの製造)
上記洗浄工程後に濃縮した銅ナノ粒子に純水を20g加えた後、濃度を25質量%に調整して銅ナノインクを製造した。
[No.2〜No.6]
条件を表1の通りとした以外、No.1と同様の手順によって銅ナノインクを製造した。
Figure 2020029611
(不純物)
銅ナノ粒子No.1〜No.6によって得られた銅ナノインクについて不純物の有無をサーモフィッシャーサイエンティフィック社製のイオンクロマトグラフィーシステム「ICS−2100」及び同社のICP発光分析装置「iCAP6300」を用いて測定し、以下の基準で評価した。
A:不純物が検出されなかった
B:不純物が僅かに検出された
C:不純物が大量に検出された
(分散性)
上記洗浄工程後に遠心分離を行い、銅ナノ粒子を含む固相に純水を添加した状態における銅ナノ粒子凝集物の大きさを測定した。ミクロンオーダーまで測定可能なレーザー回折式粒度分布計、島津製作所社SALD−2300によって銅ナノ粒子の分散性を以下の基準で評価した。
A:銅ナノ粒子凝集物ピークが存在せず、分散性が優れる
B:銅ナノ粒子凝集物ピークの大きさが0.5μm未満であり、分散性が良好である
C:銅ナノ粒子凝集物ピークの大きさが0.5μm以上であり、分散性が劣る
(平均粒子径)
銅ナノ粒子No.1〜No.6によって得られた銅ナノインクに含まれる銅ナノ粒子の平均粒子径(D50)は、マイクロトラック・ベル社製の「NanoTrac Wave」を用い、動的光散乱法で測定した体積基準の累積分布から算出した。
(粒子径分布)
マイクロトラック・ベル社製の「NanoTrac Wave」を用い、銅ナノ粒子No.1〜No.6によって得られた銅ナノインクに含まれる銅ナノ粒子の粒子径分布を測定した。銅ナノ粒子の粒子径の最小値と最大値を表1に示す。
(酸化度)
銅ナノ粒子の分散液をガラス基板に塗布乾燥した膜について、X線回折法により酸化度を測定した。
銅ナノ粒子No.1〜No.6における上記分散性、不純物、平均粒子径、粒子径分布及び銅ナノ粒子の酸化度の評価結果を表2に示す。
Figure 2020029611
表2に示すように、タービン及びステータを備える高速回転式ホモジナイザーを用いて洗浄工程を行った銅ナノ粒子No.1〜No.4は、洗浄回数が少ないにも係わらず、不純物除去効果、分散性及び酸化抑制性の全てにおいて良好な銅ナノ粒子を得ることができた。特に、純水添加工程で分散剤を添加した銅ナノ粒子No.1及びNo.2は、粒子径及び粒子径分布が小さかった。また、高速回転式ホモジナイザーの回転数を8000rpm以上にすることで、洗浄回数が1回でも高い不純物除去効果が得られた。さらに、銅ナノ粒子No.3の結果から、高速回転式ホモジナイザーを用いて洗浄工程を行うことで、分散剤を添加しなくても分散性及び平均粒子径が良好であることがわかる。
一方、高速回転式ホモジナイザーの代わりにミキサ−を用いて洗浄工程を行った銅ナノ粒子No.5〜No.6は、不純物除去効果及び分散性が劣り、洗浄回数を増やしても不純物が残存していた。また、銅ナノ粒子No.6の結果から、洗浄回数を増やすことで、銅ナノ粒子の酸化度が高くなることがわかる。
以上の結果から、当該銅ナノ粒子の製造方法は、洗浄時の水量を軽減して効率よく銅ナノ粒子の不純物を除去できるとともに、酸化が抑制されつつ分散性が良好な銅ナノ粒子を得ることができることが示された。
本発明は、銅ナノインクの乾燥塗膜の焼結体層の形成に広く適用でき、特にプリント配線板等の電子部品の製造に好適に利用できる。
S1 銅ナノ粒子分散液調製工程
S2 遠心分離工程
S3 純水添加工程
S4 洗浄工程

Claims (5)

  1. 還元剤及び分散剤を添加した水溶液中での銅イオンの還元により平均粒子径200nm以下の銅ナノ粒子の分散液を調製する工程と、
    上記調製する工程後の銅ナノ粒子の分散液を液相と銅ナノ粒子を含む固相とに遠心分離する工程と、
    上記遠心分離する工程後の上記銅ナノ粒子を含む固相に純水を添加する工程と、
    上記純水を添加する工程後に上記銅ナノ粒子を含む固相を、タービン及びステータを備える高速回転式ホモジナイザーにより洗浄する工程と
    を備える銅ナノ粒子の製造方法。
  2. 上記洗浄する工程における上記高速回転式ホモジナイザーの回転数が3000rpm以上25000rpm以下である請求項1に記載の銅ナノ粒子の製造方法。
  3. 上記洗浄する工程を減圧下で行う請求項1又は請求項2に記載の銅ナノ粒子の製造方法。
  4. 上記純水を添加する工程で、上記純水に予め上記分散剤を添加する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の銅ナノ粒子の製造方法。
  5. 上記純水を添加する工程で、上記純水に予め不活性ガスバブリングを行うことにより上記純水中の溶存酸素を除去する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の銅ナノ粒子の製造方法。
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